JP2985614B2 - ドライアップ検出機能付蓄電池装置 - Google Patents

ドライアップ検出機能付蓄電池装置

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JP2985614B2 JP5267859A JP26785993A JP2985614B2 JP 2985614 B2 JP2985614 B2 JP 2985614B2 JP 5267859 A JP5267859 A JP 5267859A JP 26785993 A JP26785993 A JP 26785993A JP 2985614 B2 JP2985614 B2 JP 2985614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケルカドミウム蓄
電池等と、この蓄電池のドライアップを検出するドライ
アップ検出装置とを備えたドライアップ検出機能付蓄電
池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケルカドミウム蓄電池は、正極と負
極の電極間にアルカリ性の電解液を充填した2次電池で
あり、これらの電極や電解液は密閉構造の容器に収納さ
れている。ただし、充放電時には内部でガスが発生する
ため、このような密閉構造ではガス処理が必要となり、
特に過充電時に大量に発生するガスを外部に放出するた
めに容器には安全弁が設けられている。従って、ニッケ
ルカドミウム蓄電池は、使用に伴い電解液が徐々に消耗
されるものであり、特に過充電を繰り返すと多くの電解
液が失われて内部抵抗が異常に上昇するようになる。ニ
ッケルカドミウム蓄電池の内部抵抗がこのように上昇す
ると、わずかな電流が流れただけで内部抵抗の電圧降下
により端子電圧が上昇するので、負荷に十分な電流を供
給することができず、また、充電を行うことも困難にな
る。そこで、ニッケルカドミウム蓄電池を装備した蓄電
池装置には、このような内部抵抗の上昇をドライアップ
として検出し電池異常を判定するドライアップ検出装置
を備えたものがある。
【0003】従来のドライアップ検出装置は、充電時に
蓄電池装置内で直列接続されたニッケルカドミウム蓄電
池の全セルの端子電圧を測定し、この端子電圧が一部の
セルの内部抵抗の上昇により異常に高くなった場合にド
ライアップが発生していると判断する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ニッケルカ
ドミウム蓄電池の端子電圧は、充電時の充電電流の大き
さによって内部抵抗による電圧降下が変化するので、例
えば急速充電のために大きな充電電流を供給すると、こ
の端子電圧も上昇することになる。しかしながら、従来
のドライアップ検出装置は、ドライアップの基準となる
ドライアップしきい値電圧を一定の値とし、測定した端
子電圧がこのドライアップしきい値電圧を超えた場合を
一律にドライアップとして検出していたため、充電電流
が小さい場合にはこのドライアップを確実に検出するこ
とができず、また充電電流が大きい場合には正常なもの
を誤ってドライアップであると検出するおそれがあると
いう問題が発生していた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、充電電流に応
じたドライアップしきい値電圧に基づき正確なドライア
ップを検出することができるドライアップ検出機能付蓄
電池装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1のドライアップ検出機能付蓄電池装置は、
充電可能な蓄電池と、充電時に蓄電池に流入する充電電
流を検出する充電電流検出手段と、ドライアップの判断
のための初期値として予め設定した電圧値を、充電電流
検出手段が検出した充電電流に基づいて、この充電電流
が大きくなるほどより高い電圧値とする所定の変換手順
に従って変換し、この変換した電圧値をドライアップを
判定するためのドライアップしきい値電圧として算出す
るしきい値電圧算出手段と、充電時における蓄電池の端
子電圧を検出する端子電圧検出手段と、端子電圧検出手
段が検出した端子電圧としきい値電圧算出手段が算出し
たドライアップしきい値電圧とを比較し、この端子電圧
がドライアップしきい値電圧を超えた場合にドライアッ
プが発生したと判定するドライアップ判定手段とを備え
たことを特徴としている。
【0007】請求項2のドライアップ検出機能付蓄電池
装置は、請求項1の構成に加え、複数のセルからなる蓄
電池を備えたドライアップ検出機能付蓄電池装置におい
て、蓄電池の定格セル数を記録する定格セル数記録手段
と、蓄電池の複数のセルの中で、セル短絡が発生したセ
ルの数を検出する短絡セル数検出手段とが設けられると
共に、しきい値電圧算出手段が、ドライアップの判断の
ための初期値として予め設定した電圧値を、充電電流検
出手段が検出した充電電流に基づいて、この充電電流が
大きくなるほどより高い電圧値とする所定の変換手順に
従って変換し、この変換した電圧値をドライアップを判
定するための1セル当たりのしきい値電圧として算出
し、定格セル数記録手段に記録された定格セル数から短
絡セル数検出手段が検出した短絡セル数を減算して得た
実効セル数とこの1セル当たりのしきい値電圧との積か
らドライアップしきい値電圧を算出するものである。
【0008】
【作用】本発明のドライアップ検出機能付蓄電池装置に
装備される充電可能な蓄電池としては、ニッケルカドミ
ウム蓄電池等の全ての2次電池が含まれる。
【0009】充電電流検出手段は、例えば抵抗値の極め
て低い抵抗器を蓄電池に直列に接続しておき、この蓄電
池に流入する方向の電流による抵抗器での電圧降下を測
定することにより充電電流を検出することができる。端
子電圧検出手段は、この充電時における蓄電池の複数の
セル全体の端子電圧を検出する。
【0010】しきい値電圧算出手段は、例えば充電電流
が0Aのときに予測されるドライアップを判定するため
のしきい値電圧を初期値として予め設定し、上記充電電
流検出手段が検出した充電電流に基づいて、充電電流が
大きくなるほどこの初期値よりも高い電圧値となるよう
な所定の変換手順に従いドライアップしきい値電圧を算
出する。ドライアップしきい値電圧は、蓄電池にドライ
アップが発生していない場合に取り得る最大の端子電圧
であり、これは充電電流の大きさに応じて変化する。こ
のしきい値電圧算出手段が実行する変換手順は、充電電
流をパラメータとして所定の計算を行う手順の他、例え
ば予め各充電電流の値ごとに設定されたドライアップし
きい値電圧の値のテーブルを参照して当該充電電流に対
応するドライアップしきい値電圧を求める手順等であっ
てもよく、本来の演算処理以外の方法によってドライア
ップしきい値電圧を算出することができる。また、この
変換手順は、任意の2種類の充電電流に対して、大きな
充電電流の方が小さい充電電流よりも低いドライアップ
しきい値電圧が得られようなことがあってはならない
が、局所的には大小の充電電流に対して同じ値のドライ
アップしきい値電圧が得られる場合があってもよい。
【0011】ドライアップ判定手段は、上記端子電圧と
ドライアップしきい値電圧とを比較する。そして、この
端子電圧がドライアップしきい値電圧を超えた場合に
は、蓄電池の内部抵抗の異常な上昇によりドライアップ
が発生していると判定する。
【0012】この結果、請求項1のドライアップ検出機
能付蓄電池装置によれば、充電電流の大きさに応じてド
ライアップしきい値電圧を算出し、検出した端子電圧を
このドライアップしきい値電圧と比較することによりド
ライアップを検出するので、充電電流の大きさにかかわ
らず信頼性の高い検出を行うことができるようになる。
【0013】ここで、ドライアップの検出は、通常は定
格電池容量に対する充電容量の割り合いが所定の範囲内
の場合に繰り返し実行し、しかも、一旦ドライアップが
検出されたときには、その充電では以降の検出を行わな
いようにする。従って、1回の充電では、ドライアップ
の検出回数は1回までとなる。また、このドライアップ
の検出精度をさらに高めるために、端子電圧検出手段に
よる端子電圧の検出を複数回行ってその平均値を採用す
ることによりノイズの影響を排除したり、ドライアップ
が複数回検出されなければ有効な結果として採用しない
ようにして誤検出を回避させるようにすることもでき
る。
【0014】請求項2は、複数のセルからなる蓄電池に
おいて、一部のセルにセル短絡が発生した場合に対応で
きるドライアップ検出機能付蓄電池装置について示す。
セル短絡が発生すると、そのセルは内部の電極間が短絡
状態となる。従って、蓄電池の一部のセルにセル短絡が
発生すると、そのセル短絡数分だけ端子電圧が低下する
ので、さらに重ねてドライアップが発生したとしても、
端子電圧検出手段が検出する端子電圧はドライアップし
きい値電圧よりも低い電圧となる可能性がある。
【0015】そこで、請求項2のドライアップ検出機能
付蓄電池装置では、しきい値電圧算出手段が、まず充電
電流に応じて1セル当たりのしきい値電圧を算出し、次
に定格セル数から短絡セル数を減算して実効セル数を計
算し、最後にこの実効セル数と1セル当たりのしきい値
電圧との積からドライアップしきい値電圧を算出するよ
うにしている。従って、この場合には、ドライアップし
きい値電圧が短絡セル数に応じて低い値となり、正常な
セルのセル電圧を基準にドライアップを判定することが
できるので、セル短絡が発生していても正確にこのドラ
イアップの検出を行うことができるようになる。定格セ
ル数は、定格セル数記録手段に記録されている。また、
短絡セル数は、短絡セル数検出手段が各セルの短絡状態
を判定して検出する。
【0016】なお、このしきい値電圧算出手段等での演
算手順は、実質的に同じ演算であれば、具体的な演算形
式は問わない。即ち、例えばしきい値電圧算出手段が1
セル当たりのしきい値電圧を算出し、ドライアップ判定
手段が定格セル数から短絡セル数を差し引いた実効セル
数で端子電圧を除算してセル電圧を求め、このセル電圧
がしきい値電圧を超えたかどうかによってドライアップ
の検出を行うようにすることもできる。
【0017】また、この請求項2のドライアップ検出機
能付蓄電池装置は、実質的に1セル当たりのセル電圧を
基準にドライアップを判定するものなので、ドライアッ
プ定格セル数記録手段に定格セル数を記録しておけば、
定格セル数の異なる他の蓄電池装置にもドライアップ検
出装置をそのまま用いることができ、汎用性の高い検出
装置を提供することができるようになる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を詳述する。
【0019】図1乃至図5は本発明の一実施例を示すも
のであって、図1は図2に示したドライアップ検出処理
の動作を示すフローチャート、図2はマイクロコンピュ
ータにおける割り込みルーチンの動作を示すフローチャ
ート、図3は蓄電池装置の構成を示すブロック図、図4
は充電電流としきい値電圧との関係を示す図である。
【0020】本実施例の蓄電池装置は、1チップマイク
ロコンピュータによってドライアップ検出装置の演算制
御部を構成した場合について説明する。
【0021】この蓄電池装置は、図3に示すように、ニ
ッケルカドミウム蓄電池1と共にマイクロコンピュータ
基板2をケース内に収納したものである。ニッケルカド
ミウム蓄電池1は、複数のセル1aを直列に接続したも
のであり、正極が蓄電池装置の正極端子3に接続される
と共に、負極がシャント抵抗4を介して負極端子5に接
続されている。そして、蓄電池装置の充放電は、これら
正極端子3と負極端子5を通じて行われる。シャント抵
抗4は、抵抗値が数mΩ程度の極めて低抵抗の抵抗器で
あり、ここに流れる電流の大きさを検出するための検流
器の役割を果たすものである。また、この蓄電池装置内
には、サーモスタット6とサーミスタ7がニッケルカド
ミウム蓄電池1の近傍に配置され、それぞれの導通状態
や抵抗値を外部端子から読み出せるようになっている。
サーモスタット6は、温度が所定値以上に上昇すると遮
断されるので、この導通状態を外部から読み出すことに
よりニッケルカドミウム蓄電池1の充電末期を検出する
ことができる。サーミスタ7は、ニッケルカドミウム蓄
電池1の温度に応じて抵抗値が変化するので、この抵抗
値を外部から読み出すことにより、充電完了の時期等を
検出するのに利用することができる。
【0022】マイクロコンピュータ基板2は、マイクロ
コンピュータ2aとその周辺回路を実装した回路基板で
ある。マイクロコンピュータ2aは、アナログ信号を入
力してAD変換を行うアナログポートAD1 〜AD3 を
備えている。そして、第1のアナログポートAD1 に
は、上記ニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧が端子
電圧入力回路2bを介して入力され、第2のアナログポ
ートAD2 には、上記シャント抵抗4の充電電流による
電圧降下が充電電流入力回路2cを介して入力され、第
3のアナログポートAD3 には、このシャント抵抗4の
放電電流による電圧降下が放電電流入力回路2dを介し
て入力されるようになっている。端子電圧入力回路2b
は、ニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧を抵抗分圧
によりAD変換可能な電圧範囲に変換して第1のアナロ
グポートAD1 に送るインターフェイス回路である。ま
た、充電電流入力回路2cと放電電流入力回路2dは、
オペアンプ(演算増幅器)に負帰還を施すことにより所
定の利得を得るようにした反転増幅器と非反転増幅器で
あり、充電電流と放電電流に対応する電圧降下をそれぞ
れAD変換可能な電圧範囲に変換して第2と第3のアナ
ログポートAD2 ,AD3 に送るインターフェイス回路
である。ただし、充電電流入力回路2cは、シャント抵
抗4に充電電流が流れた場合に正となる電圧を出力し、
放電電流入力回路2dは、シャント抵抗4に放電電流が
流れた場合に正となる電圧を出力するようになってい
て、それぞれ負電圧は0Aの電流値として取り扱われる
ので、第2と第3のアナログポートAD2 ,AD3 に
は、充電電流と放電電流とが区別して入力される。この
結果、これらのアナログポートAD1 〜AD3 には、そ
れぞれニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧,充電電
流及び放電電流の各値が入力され内部でディジタル信号
に変換されることになる。なお、第1のアナログポート
AD1 に入力される端子電圧の値には、実際にはシャン
ト抵抗4の電圧降下も含まれることになるが、この電圧
降下はほとんど無視できる。
【0023】このマイクロコンピュータ2aは、ディジ
タル入出力を行うIOポートD0 〜D10を備えている。
IOポートD0 〜D3 には、外部記憶装置であるEEP
ROM2eが接続されている。EEPROM2eは、電
気的な書き込みが可能な不揮発性の半導体記憶装置であ
るEEPROM[Electrically Erasable Programmable
Read-Only Memory] からなり、このIOポートD0 〜D
3 を介してEEPROM2eに対してデータの読み書き
を行うことができるようになっている。このEEPRO
M2eには、予め定格電池容量や定格セル数等の当該蓄
電池装置に固有の電池情報が書き込まれ記憶されると共
に、ドライアップ検出回数等の動的な電池情報も随時書
き込み更新されて記憶されている。IOポートD4 〜D
8 には、5個のLED[Light Emitting Diode]を備えた
LEDアレイ2fが接続され、各IOポートD4 〜D8
に対応するLEDを任意に点灯させることができるよう
になっている。IOポートD9 には、蓄電池装置の外部
端子である通信端子9が接続され、この通信端子9を介
して充電器等と通信を行うことができるようになってい
る。IOポートD10には、蓄電池装置表面に操作部が設
けられた操作スイッチ8が接続され、この操作スイッチ
8の操作を読み込むことができるようになっている。
【0024】上記マイクロコンピュータ2aは、ニッケ
ルカドミウム蓄電池1から電源回路2gを介して定電圧
電源の供給を受けるようになっている。また、このマイ
クロコンピュータ2a内部のAD変換回路やEEPRO
M2e及びLEDアレイ2fも図示しない電源回路を介
してニッケルカドミウム蓄電池1から電源の供給を受け
るようになっている。ただし、これらAD変換回路等の
電源は、マイクロコンピュータ2aによって必要時にの
み供給が行われるように制御され、無駄な電力を消費し
ないようになっている。
【0025】上記構成の蓄電池装置のドライアップ検出
装置の動作を図1及び図2のフローチャートに基づいて
説明する。
【0026】マイクロコンピュータ2aは、内部のPR
OM[Programmable Read-Only Memory] に格納されたプ
ログラムに従ってCPU[Central Processing Unit] が
各ポートAD1 〜AD3 及びD0 〜D10の入出力を行う
ことにより制御動作を行う。また、このマイクロコンピ
ュータ2aは、内部にタイマ割り込み機能を備え、タイ
マに設定された時間間隔ごとにハードウエア割り込みに
よってプログラムの割り込みルーチンを呼び出すことが
できるようになっている。そして、ドライアップ検出装
置は、この割り込みルーチンによって実現される。
【0027】この割り込みルーチンは、制御が待機状態
にある場合には、電力消費を抑制するために比較的長い
タイマ時間T1 間隔で呼び出されるように設定されてい
る。そして、この割り込みルーチンが呼び出されると、
図2に示すように、まず最初のステップ(以下「S」と
いう)において、アナログポートAD2 に入力された充
電電流の値をAD変換することにより検出を行う(S
1)。次に、充電状態の設定が行われているかどうかを
調べ(S2)、充電状態が設定されていない場合には、
検出した充電電流の値が充電開始電流Imin 以上かどう
かの判断を行う(S3)。そして、充電開始電流Imin
に満たないと判定された場合には、制御が通常の待機状
態かその他の状態にあり、かつ、充電も開始されていな
いことを示すので、直ちに割り込みルーチンを終了す
る。
【0028】ここで、蓄電池装置の充電が開始される
と、その後最初に呼び出された割り込みルーチンの上記
S3の処理において充電電流が充電開始電流Imin 以上
になったと判定されるので、まず自身のタイマ割り込み
の時間をタイマ時間T1 よりも短いタイマ時間T2 間隔
に設定すると共に(S4)、充電状態の設定を行い(S
5)、制御を待機状態から充電状態に移行させる。そし
て、検出した充電電流の値にタイマ割り込みの時間間隔
であるタイマ時間T2 を乗算することにより充電容量の
算出を行う(S6)。ここで算出した充電容量を積算す
れば、充電電流を時間積分したことになるので、これに
より充電によってニッケルカドミウム蓄電池1に蓄積さ
れた電荷量を検出することができる。また、この際、充
電電流にこの充電電流の大きさや充電回数に応じて変化
する充電効率も合わせて乗算しておけば、より正確な充
電容量を算出することができるようになる。なお、この
充電状態でタイマ割り込みの時間を待機状態のタイマ時
間T1 間隔よりも短いタイマ時間T2 間隔に設定するの
は、充電電流に基づき充電容量を精密に検出するためで
あり、これにより、充電電流が不安定な場合や著しく変
化する場合にも対応することができる。
【0029】上記のようにして充電容量が算出される
と、マイクロコンピュータ2aの内部のRAM[Random
Access Memory]に記憶されている充電電流の値と積算電
池容量の更新を行うと共に(S7)、短絡セル数検出処
理とドライアップ検出処理を実行する(S8,S9)。
S7における充電電流の値の更新は、RAMに記憶され
ている値を新たに検出した値に書き換えることにより行
う。また、積算電池容量の更新は、まずRAMから読み
出した前回の積算電池容量に今回算出した上記充電容量
を加算し、この加算結果を新たな積算電池容量としてR
AMに書き込むことにより行う。
【0030】S8の短絡セル数検出処理は、ニッケルカ
ドミウム蓄電池1の複数のセル1aのうちからセル短絡
が発生したセル1aの数を検出しEEPROM2eに記
録する処理である。即ち、より具体的には、まず1セル
当たりのセル電圧を予測した予測セル電圧を求め、この
予測セル電圧と上記EEPROM2eに記憶された定格
セル数との積から上記端子電圧入力回路2bを介して検
出した端子電圧を減算し、この減算結果を予測セル電圧
で除算することにより短絡セル数を算出する。なお、こ
の予測セル電圧は、充電電流の影響を受けるので、この
充電電流が大きいほど高い電圧となるようにすることが
できる。また、算出した短絡セル数は、小数点以下の端
数を切り捨てて整数化しておく。さらに、この短絡セル
数の検出を何度も行い、所定回数以上同じ値の短絡セル
数が検出されたうちの最大のセル数を有効な短絡セル数
とすることができる。ただし、この短絡セル数の検出
は、1回の充電で1度だけ行い、実施例では、上記積算
電池容量がEEPROM2eに記憶されている定格電池
容量の所定の割り合いを超えたときに行うようにしてい
る。
【0031】S9のドライアップ検出処理は、ニッケル
カドミウム蓄電池1の複数のセル1aのいずれかにドラ
イアップが発生しているかどうかを検出する処理であ
る。このドライアップ検出処理は、図1に示すように、
まず後に説明する検出済フラグが設定されているかどう
かを調べ(S21)、次にS7の処理によって更新され
た積算電池容量が定格電池容量のR1 %以上であるかど
うかを判断し(S22)、さらにこの積算電池容量が定
格電池容量のR2 %以上であるかどうかを判断する(S
23)。そして、検出済フラグが設定されている場合、
積算電池容量がR1 %未満の場合、又は、積算電池容量
がR2 %以上の場合には、このS9のドライアップ検出
処理を直ちに終了する。しかし、検出済フラグが設定さ
れず、積算電池容量がR1 %以上であり、かつ、積算電
池容量がR2 %未満である場合には、ドライアップの検
出を行う。従って、このドライアップの検出は、充電が
ある程度進行して積算電池容量がR1 %を超えてから、
さらに充電が進行してR2 %に達するまでの間に実行す
る。このドライアップの検出は、まずアナログポートA
D1 に入力された端子電圧の値をAD変換することによ
り検出を行うと共に(S24)、先に検出した充電電流
の値に基づいて内部のPROMからしきい値電圧を読み
出す(S25)。
【0032】S24の端子電圧の検出では、ノイズの影
響を避けるために、アナログポートAD1 に入力された
端子電圧の値を連続して複数回AD変換して読み込み、
これらの値の最大値と最小値を除いた残りの値の平均を
求めて、これを有効な端子電圧としている。また、充電
時におけるニッケルカドミウム蓄電池1の正常な1個の
セル1aが取り得るセル電圧の最大値,即ちしきい値電
圧は、充電電流が大きいほど高い電圧となる。そこで、
本実施例では、このしきい値電圧Vthを充電電流Iの一
次式で近似し、式Vth=Vth0 +kIを計算することに
より求める。ここでVth0 は、充電電流Iが0Aのとき
のしきい値電圧の初期値である。また、kは、0に近い
正の定数である。従って、この充電電流としきい値電圧
との関係は、図4に示すような右上がりの直線で表さ
れ、充電電流が大きくなるほど、しきい値電圧が徐々に
高くなることになる。S25の処理では、充電電流の値
に基づいてこの式Vth=Vth0 +kIの計算を行うこと
によりしきい値電圧を算出することもできる。しかしな
がら、このような演算はマイクロコンピュータ2aに大
きな負担をかけることになるため、ここでは、予め内部
のPROMに記憶させておいたしきい値電圧を読み出す
ROMテーブル方式を用いている。即ち、充電電流を適
当な範囲ごとに分類し、各範囲を代表する充電電流に対
するしきい値電圧を予め計算してそれぞれPROMに書
き込んでおくことにより、S25の処理では、検出した
充電電流に対応するこのPROMのしきい値電圧を読み
出すだけで済むようにしている。
【0033】上記のようにしてしきい値電圧が読み出さ
れると、このしきい値電圧に基づきドライアップしきい
値電圧を算出し(S26)、このドライアップしきい値
電圧と先に検出した端子電圧とを比較する(S27)。
S26の処理は、EEPROM2eに記憶された定格セ
ル数から上記S8で検出した短絡セル数を差し引いてニ
ッケルカドミウム蓄電池1におけるセル短絡を起こして
いないセル1aの総数を示す実効セル数を求め、しきい
値電圧にこの実効セル数を乗算することによりドライア
ップしきい値電圧を算出する。S27の処理で端子電圧
がこのドライアップしきい値電圧を超えたと判断された
場合には、ドライアップが発生しているので、このドラ
イアップを検出したことをEEPROM2eに記録し
(S28)、検出済フラグを設定してから(S29)、
S9のドライアップ検出処理を終える。このように一旦
ドライアップを検出した場合には、S29の処理によっ
て検出済フラグを設定して、上記S21の処理により、
今回の充電中の以降の割り込みルーチンで繰り返しドラ
イアップの検出が行われないようにする。また、S27
の処理で端子電圧がドライアップしきい値電圧以下であ
ると判断された場合には、ドライアップが発生していな
いので、直ちにS9のドライアップ検出処理を終える。
なお、S28の処理におけるEEPROM2eへの記録
は、蓄電池装置の工場出荷時に0回に初期化されEEP
ROM2eの所定の領域に記録されたドライアップ検出
回数をS27の処理でドライアップが検出されるたびに
インクリメントして更新するものである。そして、この
ドライアップの検出を電池異常の判断等に利用する場合
には、検出の慎重を期すために、EEPROM2eに記
録されたドライアップ検出回数が所定回数以上に達した
場合にのみ有効とする。
【0034】一旦充電が開始されると、以降に呼び出さ
れる割り込みルーチンでは、上記S2の処理において充
電状態が設定されていると判定される。そして、この場
合にも、引き続いて、検出した充電電流の値が充電開始
電流Imin 以上かどうかの判断を行い(S10)、充電
開始電流Imin 以上であると判定された場合には、上記
S6〜S9の処理を実行した後に割り込みルーチンを終
了する。
【0035】上記充電作業は、作業者が蓄電池装置を充
電器から外したり、充電器が−ΔV充電方式等によって
自動的に満充電を検出した場合に完了する。充電が完了
すると、充電電流が供給されなくなるため、その後最初
に呼び出される割り込みルーチンでの図2に示すS10
の処理において、この充電電流が充電開始電流Imin未
満になったと判定されるので、タイマ割り込みの時間を
タイマ時間T1 間隔に戻すと共に(S11)、充電状態
とS9のドライアップ検出処理で使用する検出済フラグ
の解除を行い(S12,S13)、RAMの充電電流の
値を0Aに更新して(S14)から割り込みルーチンを
終了する。そして、これにより制御が充電状態から最初
の待機状態に戻る。ただし、充電開始時の残存容量が定
格電池容量のR2 %以上であったり、積算電池容量が定
格電池容量のR1 %に達するまでに充電を中止した場合
には、上記S9の処理でドライアップの検出が実際には
行われることはない。
【0036】以上説明したように、本実施例の蓄電池装
置のドライアップ検出装置によれば、充電電流に応じて
求めたドライアップしきい値電圧を端子電圧と比較する
ことによりドライアップの検出を行うので、充電電流の
大きさに影響されることなくこのドライアップを正確に
検出することができるようになる。しかも、セル短絡が
発生している場合にも、このドライアップを確実に検出
することができる。また、本実施例では、実質的には1
セル当たりのしきい値電圧に基づいてドライアップの検
出を行っているので、EEPROM2eに記憶する定格
セル数を変更すれば、このマイクロコンピュータ基板2
をセル数の異なる他の蓄電池装置にもそのまま用いるこ
とができ汎用性の高いものとなる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のドライアップ検出機能付蓄電池装置によれば、充電電
流に応じて算出したドライアップしきい値電圧を実際に
検出した端子電圧と比較することによりドライアップの
検出を行うので、充電電流の大きさに影響されることな
くこのドライアップを正確に検出することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであって、図2に
示したドライアップ検出処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図2】本発明の一実施例を示すものであって、マイク
ロコンピュータにおける割り込みルーチンの動作を示す
フローチャートである。
【図3】本発明の一実施例を示すものであって、蓄電池
装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例を示すものであって、充電電
流と1セル当たりのしきい値電圧との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ニッケルカドミウム蓄電池 2 マイクロコンピュータ基板 2a マイクロコンピュータ 2b 端子電圧入力回路 2c 充電電流入力回路 2e EEPROM 4 シャント抵抗

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電可能な蓄電池と、 充電時に蓄電池に流入する充電電流を検出する充電電流
    検出手段と、 ドライアップの判断のための初期値として予め設定した
    電圧値を、充電電流検出手段が検出した充電電流に基づ
    いて、この充電電流が大きくなるほどより高い電圧値と
    する所定の変換手順に従って変換し、この変換した電圧
    値をドライアップを判定するためのドライアップしきい
    値電圧として算出するしきい値電圧算出手段と、 充電時における蓄電池の端子電圧を検出する端子電圧検
    出手段と、 端子電圧検出手段が検出した端子電圧としきい値電圧算
    出手段が算出したドライアップしきい値電圧とを比較
    し、この端子電圧がドライアップしきい値電圧を超えた
    場合にドライアップが発生したと判定するドライアップ
    判定手段とを備えたことを特徴とするドライアップ検出
    機能付蓄電池装置。
  2. 【請求項2】複数のセルからなる蓄電池を備えたドライ
    アップ検出機能付蓄電池装置において、 蓄電池の定格セル数を記録する定格セル数記録手段と、
    蓄電池の複数のセルの中で、セル短絡が発生したセルの
    数を検出する短絡セル数検出手段とが設けられると共
    に、 しきい値電圧算出手段が、ドライアップの判断のための
    初期値として予め設定した電圧値を、充電電流検出手段
    が検出した充電電流に基づいて、この充電電流が大きく
    なるほどより高い電圧値とする所定の変換手順に従って
    変換し、この変換した電圧値をドライアップを判定する
    ための1セル当たりのしきい値電圧として算出し、定格
    セル数記録手段に記録された定格セル数から短絡セル数
    検出手段が検出した短絡セル数を減算して得た実効セル
    数とこの1セル当たりのしきい値電圧との積からドライ
    アップしきい値電圧を算出するものである請求項1に記
    載のドライアップ検出機能付蓄電池装置。
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