JP4359756B2 - 溶湯運搬用取鍋 - Google Patents

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Description

本発明は、溶湯の鋳造場所に設置されている溶湯保持炉に、溶融したアルミニウムなどの溶湯を運搬し、供給するのに用いられる加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋に関する。
ダイキャスト法によって、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造品を製造する場合には、生産性を高くするために、通常多数のダイキャストマシーンを備えた工場で鋳造作業が行われる。ダイキャストマシーンへの溶湯の給湯は、溶湯保持炉から注湯鍋に溶湯を移し、注湯鍋から溶湯を供給する方法によって行われている。一方、溶湯保持炉には、常に所定の量の溶湯が保持されている必要があるため、工場内に設けられている溶解炉で溶解された溶湯や工場外から運び込まれる溶湯が、所定量が維持されるように絶えず供給されるようになっている。
図5は、従来の加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋の1例を示す断面図である。なお、図5(a)は溶湯運搬用取鍋全体を示す図、(b)は作業用蓋を開けた状態を示す図である。図5に示した溶湯運搬用取鍋は、溶湯を収容する取鍋本体101と、取鍋本体を覆う上蓋102と、上蓋102の一部に形成された開口部111を開閉可能に覆う作業用蓋103と、作業用蓋103に設けられた取鍋内の溶湯表面(湯面)を加圧するためのガス導入部104と、取鍋本体101に設けられた出湯部105とを備えている。
なお、作業用蓋103は、取鍋本体101への溶湯の注入、湯面のスカム(アルミニウムの酸化物など)の除去、溶湯の温度測定などの作業に利用される開口部111を塞ぐものである。また、取鍋本体101、上蓋102、作業用蓋103の外表面は、通常鉄皮107、108、109によって構成されている。また、取鍋本体101、上蓋102、作業用蓋103などの内側は、耐火性材料110で内張りされている。さらに、断熱性を高めるために、耐火性材料110と鉄皮107、108、109との間に、断熱性材料などが内張りされることもある。また、出湯速度を調節したり、加圧を中止するために、導入したガスを排出するガス排出部(図示省略)が設けられている。
溶湯を出湯する際には、ガス導入部104から上蓋102に形成されている貫通孔112を介して空気などのガスを導入し、湯面を加圧することにより、出湯口106から溶湯保持炉へ溶湯を供給するようになっている。このように、湯面を加圧することによって溶湯を出湯するのは、それ以前に従来採用されていた、取鍋を傾斜させて、出湯速度を調節しながら保持炉へ注入する方法は、高度な熟練技術を必要とし、かつ数カ所の保持炉で同様な作業を行うのは作業負荷が大きかったからである。
前述のように、溶湯が工場外の溶解工場から鋳造を行う工場の溶湯保持炉に供給されることがあり、その場合には、溶湯が収容された溶湯運搬用取鍋が、トラックなどの搬送手段によって運搬される。トラックなどが公道を走行すると、路面の凹凸や曲がり角でのカーブによって湯面が大きく揺れ、そのはずみで溶湯がスプラッシュとなって、上蓋102や作業用蓋103の内面に付着することがある。
図5に示した溶湯運搬用取鍋は、ガス導入部104が作業用蓋103に設けられているタイプである(例えば、特許文献1)。ガス導入部104が作業用蓋103に設けられる以前は、ガス導入部は主として上蓋102に設けられていた。図5に示した溶湯運搬用取鍋の場合には、ガス導入部104の貫通孔112が、湯面から距離をとることができる作業用蓋103に設けられているので、ガス導入部104を上蓋102に設ける場合に比べて、貫通孔112が、溶湯やそのスプラッシュによって、孔詰まりを起こすことが少なくなったとされている。
作業用蓋103の開閉の際には、通常、作業者が、上蓋102の上に登り、上蓋102を固定しているボルトを緩め、重さ約20kgfの作業用蓋103を開け、作業後、再びボルトで固定する方法が採られている。開口部111の近傍は、溶湯の輻射熱などにより高温となっており、開口部111の周りでの作業は危険性を含んでいる。
さらに、作業用蓋103の開閉を行うと、作業場所によっては他の装置や設備との接触等によってガス導入部104が損傷して、ガス漏れが起こる可能性もある。ガス漏れが生じると、容器本体101内の加圧が困難となり、出湯に支障を来す場合もある。
溶湯の温度を測定する場合にも、作業用蓋103を開けて測定している。温度測定の際には、通常、作業者が、上記の要領で作業用蓋103を開け、次に、先端部に温度測定用の素子(熱電対)が装着されたプローブのホルダーを手に持って、開口部111から素子を溶湯内に浸漬して温度測定を行う。測定後、作業用蓋103を閉める操作が行われている。溶湯の温度測定は、受湯直後、溶湯の出荷直前、溶湯保持炉への注入前などのタイミングで行われるので、その都度、上記の作業を行わなければならない。
この溶湯の温度測定の場合にも、作業用蓋103の開閉操作を伴い、開口部111の近傍での作業であるので、上記のように危険性を伴っている。
特許第3323489号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、作業性の良好な加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋を提供することを目的としており、特に、加圧用ガスの導入及び/又は溶湯温度測定の作業性に優れた加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するための本発明に係る加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋(1)は、溶湯を収容する取鍋本体と、該取鍋本体の上端開口部を覆う上蓋と、該上蓋の一部に形成された開口部を開閉可能に覆う作業用蓋と、前記取鍋本体の下端部から前記取鍋本体より上方まで延びる出湯部とを備え、前記作業用蓋と前記上蓋の開口部との間に、該上蓋の開口部とほぼ同じ内径を有する環状部を備え、該環状部に、該環状部をほぼ水平に貫通するガス導入孔が設けられ、前記取鍋本体内を加圧するガスが、前記ガス導入孔を介して、前記取鍋本体内に導入されるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る溶湯運搬用取鍋(2)は、上記溶湯運搬用取鍋(1)において、前記環状部が、上蓋との間で着脱可能であることを特徴としている。
また、本発明に係る溶湯運搬用取鍋(3)は、上記溶湯運搬用取鍋(1)又は(2)において、前記ガス導入孔が、前記環状部内の耐熱層を貫通していることを特徴としている。
また、本発明に係る溶湯運搬用取鍋(4)は、上記溶湯運搬用取鍋(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記上蓋の外周縁と前記環状部との間の上蓋部分に、前記取鍋本体内に開口する溶湯温度測定用のプローブ挿入部を備え、さらに、該プローブ挿入部が、プローブ挿入孔をほぼ気密に封止することができるキャップを備えていることを特徴としている。
上記の溶湯運搬用取鍋(1)によれば、ガス導入部が、作業用蓋ではなく、上蓋に固定された環状部に取り付けられている。そのため、作業用蓋の開閉が容易であり、作業用蓋の開閉を行っても、ガス導入用の配管が周囲の装置類に接触して損傷を起こすことがない。また、ガス導入部とガス導入用の配管との接続部の高さが低いので、接続部の着脱操作が容易である。
また、上記の溶湯運搬用取鍋(2)によれば、環状部が上蓋との間で着脱可能に構成されており、環状部が装着された状態で、取鍋本体内の予熱や取鍋本体内への溶湯の注入を行うことができる。したがって、予熱の際に炉外に出る熱の流れが、環状部の上端と予熱用の蓋との間を通るようになるので、この熱による変形や溶湯の飛散を環状部に集中させることができる。環状部が損傷した場合には、環状部だけを交換することにより、溶湯運搬用取鍋を修復することができる。すなわち、上蓋の開口部周縁が熱による変形や溶湯の飛散による損傷を受けることを防止できるので、上蓋を修復するという大がかりな補修の機会を少なくすることが可能である。
また、前述の溶湯運搬用取鍋(3)によれば、ガス導入孔が耐熱層に設けられているので、ガス導入部を構成する金属部に、飛散した溶湯が直接付着することを防止することができる。そのため、ガス導入部の損傷が起こりにくく、ガス導入部の耐久性を高めることができる。
また、前述の溶湯運搬用取鍋(4)によれば、上蓋にプローブ挿入部が設けられているので、作業用蓋を開けて溶湯の温度を測定する必要がない。すなわち、溶湯の温度を測定する場合には、キャップを外し、温度測定用のプローブを挿入して測定し、測定が終了した際には、プローブを引き上げてキャップを装着すればよい。キャップはワンタッチで着脱することができるので、着脱が容易であり、また、プローブ挿入孔の径が小さいので、測定者が溶湯の輻射熱などの高温に曝されることがほとんどない。したがって、作業用蓋を開けて温度測定を行う従来の方法に比べると、作業性、安全性の面で著しく優れている。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態に係る溶湯運搬用取鍋を詳しく説明する。なお、各図面においては、同一又は同種の部分に同じ符号を付し、重複する説明を省略することがある。
本発明が対象としている溶湯運搬用取鍋は加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋であり、主要部の構成は図5に1例を示した従来の加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋とほぼ同様である。特に相違する箇所は、ガス導入部及び溶湯温度測定用のプローブ挿入部であるので、主としてそれらの構成を詳細に説明する。
なお、ガス導入部及び溶湯温度測定用のプローブ挿入部を除く、加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋における主要部の構成とは、図5に示したように、溶湯を収容する取鍋本体101と、取鍋本体の上端開口部を覆う上蓋102と、上蓋102の一部に形成された開口部111とを備え、さらに、取鍋本体101の下端部から取鍋本体101より上方まで延びる出湯部105とを備えていることである。また、取鍋本体101、上蓋102の外表面は、鉄皮107、108によって構成されており、取鍋本体101、上蓋102などの鉄皮107、108の内側には、耐火性材料又は耐火性材料と断熱性材料とで構成された内張り110が設けられている。
一般的な溶湯運搬用取鍋に収納される溶湯の量は、1000kgf前後の場合が多い。その場合、溶湯運搬用取鍋の大きさは、取鍋本体101の底から開口部111までの高さが約700〜1200mm程度、外径が上蓋102の部分で1000〜1400mm程度、取鍋本体101の内径(内張110の内側)が700〜1000mm程度、深さが700〜1000mm程度である。
また、取鍋本体101と上蓋102との間、上蓋102と作業用蓋(図5では、符号103)との間は、耐熱性(例えば、カーボン系)のシール材などを使用して、実質的に密封されるように構成されている。この密封の程度は、溶湯出湯時に取鍋内がゲージ圧で最高約6×104Pa(約0.6kgf/cm2)まで加圧されるので、それに耐え得る密封度であり、取鍋内の圧力調整上支障がない程度の洩れは許される範囲を意味する。また、出湯部105は、図5に示した出湯部のタイプに限定されるものではなく、加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋に適用されるものであればその他のタイプでもよい。
図1は、本発明の実施の形態(1)に係る溶湯運搬用取鍋に用いられる上蓋の構成を示す断面図であり、(a)はガス導入部を含む断面で、作業用蓋が開かれた状態を示す図、(b)は(a)の断面に対してほぼ直角の方向から見た温度測定用のプローブ挿入部を含む断面で、作業用蓋が閉じた状態を示す図である。また、図2は、ガス導入部の構成例を示す要部拡大部分断面図である。
図1に示した上蓋1は、上蓋11と、上蓋11に設けられた開口部12と、開口部12を覆う作業用蓋13と、作業用蓋13と上蓋11の上面との間に設けられた環状部14と、環状部14に設けられたガス導入孔15と、ガス導入孔15を含むガス導入部16とを備えている。なお、環状部14の外側に位置する部分のガス導入部16は、上蓋11の上面に固定されている。
また、図1(b)に示した、溶湯温度測定用のプローブ挿入部17は、上蓋11の外周縁と環状部14又は作業用蓋13との間の上蓋に設けられており、プローブ挿入孔20を介して、測温用プローブを用いて溶湯の温度を測定することができるようになっている。ただし、プローブ挿入部17は、必要に応じて設けられるものであり、実施の形態(2)において詳しく説明する。
さらに、上蓋11の上部及び側部はそれぞれ鉄皮11a、11b、作業用蓋13の上面及び側面はそれぞれ鉄皮13a、13b、環状部14の側面は鉄皮14aで構成されている。
図2に示したように、作業用蓋13の側部の鉄皮13bの下端部には、リング状のシール用部材18a、環状部14の上端部と下端部にはそれぞれリング状のシール用部材18b、18c、上蓋11の環状部14のシール用部材18cに対応する位置には、リング状のシール用部材18dが接合されている。これらのシール部材同士の間は、カーボン系などの耐熱性のシール材19を使用して、実質的に密封可能に構成されている。上蓋11と環状部14との間は、シール部材18c、18d及びシール材19によって密封され、着脱可能な構造となっている。ただし、環状部14は、通常の作業時にはボルトなどによって固定されており、図1(a)に示したように、通常の状態では、作業用蓋13だけが開閉可能となっている。
なお、ガス導入部16とガス供給装置(図示省略)との間には、溶湯運搬用取鍋内の圧力を調節する圧力調節手段(図示省略)が設けられている。さらに、圧力調節手段には、必要に応じて、ガスの導入と排出を切り替える切替弁を設けることにより、ガス導入部16を介して、溶湯運搬用取鍋内のガスを放出する機能を持たせることもできる。また、加圧用のガスには、空気が用いられることが多いが、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。
図2に示したように、ガス導入部16は、環状部14に形成されたガス導入孔15と、接続管21と、接続管21のガス供給部(図示省略)側に取り付けられたワンタッチ着脱式のカプラ23のプラグ23aとを備えている。また、ガス導入部16は、接続管21が、支持部材26を介して上蓋11の上部の鉄皮11aに固定されている。
カプラ23のプラグ23aに接続されるフレキシブルチューブなどのガス供給用配管24の端部には、カプラ23のソケット23bが取り付けられており、ソケット23bをプラグ23aに挿入することにより、ガス導入部16とガス供給用配管24とを、ワンタッチで着脱することができるようになっている。
環状部14は、外径が作業用蓋13の外径とほぼ同じであり、内径が上蓋11の開口部12の径にほぼ等しい。環状部14の側面の鉄皮14aと上端部及び下端部のシール部材18b、18cとの間の部分は、耐火材、断熱材などで構成された耐熱層24で構成されている。耐熱層24は、例えば、アルミナ系、ムライト(シリカ−アルミナ)系、珪酸カルシウム系などの耐火材、断熱キャスタブル、多孔質の成形体、ファイバ成形体などの断熱材によって構成することが好ましい。
ガス導入孔15は上記の耐熱層24を貫通しており、ガス導入孔15のガス供給側は接続管21に連結され、もう一方の側は環状部14に内周面に開口している。また、環状部14に設けられるガス導入孔15の傾きは、ほぼ水平である。ただし、正確に水平である必要はなく、開口部12に向けてやや下向きであってもよい。ほぼ水平とするのは環状部14の厚さをできるだけ薄くするためであり、やや下向きとするのは、飛散した溶湯がガス導入孔15にできるだけ堆積しないようにするためである。また、ガス導入孔15の軸方向の形状は、必ずしも直管状である必要はなく、開口部12に向けて広がりのある形状でもよい。
上記の実施の形態(1)では、環状部14が上蓋11と着脱可能なタイプを示したが、別の実施の形態として、環状部14が上蓋11に固定されているタイプであってもよい。その場合には、シール部材18c、18dを省き、環状部14の側面の鉄皮14aを上蓋11の上面の鉄皮11aに固定すればよい。また、ガス導入部16は支持部部材26により、上蓋11の上面に固定される場合を示したが、必ずしも上蓋11に固定されている必要はない。
図1、図2から明らかなように、ガス導入部16のガス導入孔15は環状部14に設けられている。従来の溶湯運搬用取鍋のように、作業用蓋13には取り付けられていないので、作業用蓋13の開閉操作が容易であり、ガス供給用配管24が他の装置等との接触により損傷しガス漏れが生じる畏れもない。
上記の実施の形態(1)の場合には、環状部14が上蓋11と着脱可能な場合を示したが、別の実施の形態では、環状部14と上蓋11との間が、着脱式ではなく固定されていてもよい。
また、ガス供給用配管24とガス導入部16との間の接続は、カプラ23に限定されるものではなく、その他の接続手段を用いてもよい。
取鍋本体101内に、加圧用のガスを導入する場合には、作業用蓋13を閉じて固定する。次に、ガス導入部16のプラグ23aにガス供給用配管24に取り付けられたカプラ23のソケット23bを挿入し、加圧用ガス供給装置(図示省略)との間を接続することにより、加圧用のガスを導入する。
取鍋本体101に溶湯を注入する場合には、予め、取鍋本体101の耐熱層110などの予熱が行われる。耐熱層110の予熱は、約600℃程度まで加熱するので、上蓋11も加熱されシール部材が熱により変形することがある。また、作業用蓋13を開けて、取鍋本体101に溶湯を注入する際には、開口部12の周囲に溶湯が飛散することがある。その場合にも、溶湯の熱により、シール部等が変形することがある。上記の実施の形態(1)に係る上蓋11の場合には、環状部14を取り付けた状態で予熱を行うことができる。したがって、予熱の際の熱による変形や、溶湯による損傷を環状部14に集中させることができる。環状部14が使用できなくなった場合には、環状部を交換することにより、溶湯運搬用取鍋を修復することができる。このように、上蓋11の損傷を防止し、上蓋11を補修する機会を大幅に少なくすることができるので、上蓋11のメンテナンスが極めて容易である。一方、上記の別の実施の形態の場合には、環状部14が上蓋11に固定されている。その場合には、予熱の際に環状部14を取り外すことができないので、予熱時には、環状部14ができるだけ加熱されないように、断熱材のカバー等で保護する方がよい。
図3は、本発明の実施の形態(2)に係る溶湯運搬用取鍋に用いられる上蓋に設けられた溶湯温度測定用のプローブ挿入部(以下、「プローブ挿入部」と略記する)の構成を示す断面図である。図3に示したプローブ挿入部17は、図1に示したように、上蓋11の外周縁と環状部14又は作業用蓋13との間に設けられるものであり、プローブ挿入孔20を介して、温度測定用のプローブが、取鍋本体101に挿入されるようになっている。
プローブ挿入部17は、本体部30aとキャップ30bとで構成されている。本体部30aは、支持枠31と、支持枠31に固定されたカプラのプラグ32とを備えており、支持枠31が上蓋11の上部の鉄皮11aに固定されている。また、プローブを取鍋本体101内に挿入するためのプローブ挿入孔20は、支持枠31とプラグ32の内側の孔部33と、孔部33に続く上蓋11の開口部34とによって構成されている。なお、支持枠31の内側の孔部33及び上蓋11の開口部34は、耐火性材料又は断熱性材料などの耐熱層24内に形成されている。
プラグ32の内側の孔部33の径は、プローブの出し入れが可能な大きさであれば良いので、20〜40mm程度の範囲が好ましい。また、上記の耐熱層24内に形成される開口部34や孔部33の形状は、プローブの操作がしやすいように、取鍋本体101側に向けて広がった形状がよい。
キャップ30bは、カプラのソケットに相当し、めくら栓となっている。したがって、プラグ32へのキャップ30bの着脱により、ワンタッチでプローブ挿入部17の開閉を行うことができる。また、キャップ30bの内側には、Oリング35が装着されているので、キャップ30bをプラグ32に嵌め込むことにより、プローブ挿入孔20を気密に封止することができる。
取鍋本体101内の溶湯の温度を測定する場合には、キャップ30bを外し、プローブ挿入孔20から温度測定用のプローブを挿入して測定し、測定が終了した際には、プローブを引き上げてキャップ30bを装着すればよい。キャップ30bの着脱が容易であり、また、プローブ挿入孔20の径が小さいので、測定者が溶湯の輻射熱などの高温に曝されることがほとんどない。
図4は、別の実施の形態に係る温度測定用のプローブ挿入部の構成を示す断面図であり、(a)は本体部とキャップがカプラで構成された例、(b)はカプラを用いない本体部とキャップで構成された例である。
図4(a)に示したプローブ挿入部17Aは、図3に示したプローブ挿入部17に設けられていた支持枠31を省いたタイプである。すなわち、カプラのプラグ32が本体部に相当し、直接上蓋11の上部の鉄皮11aに固定されている。キャップ30b等その他の構成は、プローブ挿入部17の場合と同じである。
図4(b)に示したプローブ挿入部17Bは、本体部40aとキャップ40bとで構成されており、管状の本体部40aは直接上蓋11の上部の鉄皮11aに固定されている。キャップ40bは平板状であり、本体部40aに対して開閉可能に取り付けられている。また、本体部40aに、一端部が回転可能に取り付けられた可倒式のボルト41が取り付けられており、キャップ40bの外周部に設けられた平面視凹部に、ボルト41が嵌まるようになっている。図4(b)に示したように、ボルト41を立てて、ナット42を用いてキャップ40bを締め付けることにより、プローブ挿入孔20を封止することができるように構成されている。なお、本体部40aとキャップ40bとの合わせ面には、カーボン系などの耐熱性のシール材を挟み、シール効果を高めることが好ましい。
本発明の実施の形態(1)に係る溶湯運搬用取鍋に用いられる上蓋の構成を示す断面図であり、(a)はガス導入部を含む断面で、作業用蓋が開かれた状態を示す図、(b)は(a)の断面に対してほぼ直角の方向から見た温度測定用のプローブ挿入部を含む断面で、作業用蓋が閉じた状態を示す図である。 ガス導入部の構成例を示す要部拡大部分断面図である。 本発明の実施の形態(2)に係る溶湯運搬用取鍋に用いられる上蓋に設けられた溶湯温度測定用のプローブ挿入部の構成を示す断面図である。 別の実施の形態に係る温度測定用のプローブ挿入部の構成を示す断面図であり、(a)は本体部とキャップがカプラで構成された例、(b)はカプラを用いない本体部とキャップで構成された例である。 従来の加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋の1例を示す断面図であり、(a)は溶湯運搬用取鍋全体を示す図、(b)は作業用蓋を開けた状態を示す図である。
符号の説明
11、102 上蓋
12、111 上蓋の開口部
13、103 作業用蓋
14 環状部
15 ガス導入孔
16 ガス導入部
17 プローブ挿入部
18a、18b、18c、18d シール部材
20 プローブ挿入孔
23 カプラ
23a プラグ
23b ソケット
30a、40a 本体部
30b、40b キャップ
101 取鍋本体
105 出湯部
107,108、109 鉄皮
110 耐火性材料

Claims (4)

  1. 溶湯を収容する取鍋本体と、該取鍋本体の上端開口部を覆う上蓋と、該上蓋の一部に形成された開口部を開閉可能に覆う作業用蓋と、前記取鍋本体の下端部から前記取鍋本体より上方まで延びる出湯部とを備える加圧出湯型の溶湯運搬用取鍋であって、
    前記作業用蓋と前記上蓋の上面との間に、前記上蓋の開口部とほぼ同じ内径を有する環状部を備え、
    該環状部に、該環状部をほぼ水平に貫通するガス導入孔が設けられ、
    前記取鍋本体内を加圧するガスが、前記ガス導入孔を介して、前記取鍋本体内に導入されるように構成されていることを特徴とする溶湯運搬用取鍋。
  2. 前記環状部が、上蓋との間で着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の溶湯運搬用取鍋。
  3. 前記ガス導入孔が、前記環状部内の耐熱層を貫通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶湯運搬用取鍋。
  4. 前記上蓋の外周縁と前記環状部との間の上蓋部分に、前記取鍋本体内に開口する溶湯温度測定用のプローブ挿入部を備え、該プローブ挿入部が、プローブ挿入孔をほぼ気密に封止することができるキャップを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の溶湯運搬用取鍋。
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