JP4359374B2 - フィルム付成形品の製造方法、金型 - Google Patents

フィルム付成形品の製造方法、金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンソールパネル、アームレスト、コイントレー、ドアートリム、センターピラー、メーターパネル、ダッシュボード、スイッチベース、操作ボタン、インパネオーナメント、各種ベゼル等の自動車の内装・外装部品、AV機器のフロントパネルや操作ボタン、あるいは洗濯機、炊飯器、浄水器等の家電製品のパネルや操作ボタン等のフィルム付成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、成形品表面1と成形品裏面2との境界で区分けした成形品の成形品裏面2に凹凸部4がある成形品6に絵柄層等が形成されたフィルム5を接着した製品として、成形品表面1だけでなく成形品裏面2にもフィルム5が接着した製品が存在する(図1参照)。
なお、成形品裏面2にもフィルム5を接着しなければならない理由は、成形品裏面2も外観上観察されることがあり、また成形品を他の部材に嵌合した場合に、嵌合の隙間から成形品裏面2が見えることがあるからである。
従来、成形品表面1だけでなく成形品裏面2にもフィルム5が接着した製品を製造する方法として、射出成形と同時にフィルム5を成形品6に一体化接着する方法と、接着剤によって成形品6に接着する接着方法とを組み合わせた方法があった。
つまり、成形品6の成形品表面1および成形品裏面2を一枚で覆うことができる大きさのフィルム5を用意して、フィルム5を例えばフィルムの一部7とフィルムの残部8とに区分けする。フィルムの一部7は成形品表面1に成形と同時に一体化接着させる。フィルムの残部8は平らな状態のままなので成形品6の成形品裏面2へ回りこませて、人の指6によって、成形品裏面2の凹部に押し込んだり、凸部の角に押し付けたり、成形品裏面2の凹凸部4に沿うようにフィルム5を折り込んだり、曲癖を付けたりした(以下、「指作業」という。)後、接着剤で成形品裏面2の凹凸部4に貼り付けるのである(図3〜図4参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フィルム5は形状保持性があるため、非力な力による指作業ではフィルム5の残部を平らな状態から成形品裏面2の凹凸部4に完全に合致する形状に変形させてその形状を保持させることは極めて困難であった(図3、図4参照)。
(1)指作業で無理やりフィルム5を変形させようとすると、フィルム5を凹部に押し込んだり、凸部の角に押し付けたりする際に、爪や指を損傷したり、フィルム5の余計な部分に損傷を負わせたりすることがあった。
(2)指作業では、指の力は常時均一に保つことは不可能であるため、完全な直線や一定の曲率の滑らかな曲線の曲癖をつけたり、全線に渡って均一な力で折り畳んだり曲癖をつけたりすることができず、細かい凹凸部等の複雑な立体形状に完全に変形させたりすることは不可能であった。
(3)フィルム5の変形が不十分であったり曲癖が完全についていないと、成形品裏面2の凹凸部4に接着剤で接着させた後に、フィルム5の形状保持性により接着剤の接着力に抗してフィルム5が反り返るため、成形品裏面2の凹凸部4ではフィルム5が完全に剥がれたり、半分剥がれかかって浮き上がった状態で接着されたりすることになり、不良品が発生しやすかった。
アクリルフィルムやポリカーボネートフィルム、ABSフィルムまたはそれらの積層フィルム等は特に形状保持性が強く、硬度も高いため、一体成形後に成形品裏面2の凹凸部4に完全に合致させて貼り付けることは不可能に近かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明のフィルム付成形品の製造方法、金型は、以上の課題を解決するために、次のような構成とした。
【0005】
この発明のフィルム付成形品の製造方法は、成形品表面および成形品裏面の凹凸部を一枚で覆うことができるフィルムと、射出成形金型とを用いて、フィルムの一部と成形品表面とを成形品の成形と同時に一体化接着させた後、射出成形金型から取出した成形品の成形品裏面の凹凸部にフィルムの残部を接着剤によって接着するフィルム付成形品の製造方法において、成形品裏面の凹凸部に接着剤で接着する前に、フィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に金型で成形するように構成した。
【0006】
この発明のフィルム付成形品の製造方法は、フィルムを射出成形金型にセットした後に、その射出成形金型で、フィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に成形するように構成してもよい。
【0007】
この発明のフィルム付成形品の製造方法は、フィルムを射出成形金型にセットする前に、射出成形金型とは別の金型でフィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に成形するように構成してもよい。
【0008】
この発明のフィルム付成形品の製造方法は、射出成形金型のフィルムの残部を挟み込むパーティング面が、成形品裏面の凹凸部に合致する形状の部分を有するものであるように構成してもよい。
【0009】
この発明の金型は、成形品表面および成形品裏面の凹凸部を一枚で覆うことができるフィルムをセットする表面を有する金型であって、フィルムの一部が成形品表面に一体化接着するようにセットできる表面と、フィルムの残部が成形品裏面に一体化接着せずに成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状を維持することが可能な表面とを有するように構成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明のフィルム付成形品の製造方法を説明する。
【0011】
まず、この発明の製造方法に適用可能なフィルム5と射出成形金型、射出成形金型とは別の金型を説明する。
【0012】
射出成形金型としては、成形品6の成形品表面1に対応するキャビティ形成凹部10を有する金型Aと、成形品6の成形品裏面2に対応する金型凹凸部13を有し、溶融樹脂射出口14を有する金型Bとからなるものがある(図5〜図9参照)。
射出成形金型は、金型Aと金型Bとの間にフィルム5を導入した後、型閉め完了後にキャビティ15に溶融樹脂16を注入し、溶融樹脂16の熱や圧力と注入後の冷却によりフィルム5と成形品6とを一体化させるものである。射出成形金型が固定型と可動型とからなる場合は、金型Aが固定型であり、金型Bが可動型である組合せでもよいし、あるいは、金型Bが固定型であり、金型Aが可動型である組合せでもよい。なお、射出成形金型は、金型Aと金型Bの他に、金型Aと金型Bとの間に挟み込まれることによってキャビティ15の内面を形成する面の一部を構成する中間金型を用いてもよい。金型Bには、突き出しによりフィルム付成形品6を取り出すためのイジュクタピンが設けられていてもよい(図示せず)。金型Aには、フィルム5が金型Aの表面で位置ずれしないように吸引固定しておくための真空吸引孔17が形成されていてもよい。
【0013】
射出成形金型としては、成形品表面および成形品裏面の凹凸部を一枚で覆うことができるフィルムをセットする表面を有する金型であって、フィルムの一部が成形品表面に一体化接着するようにセットできる表面と、フィルムの残部が成形品裏面に一体化接着せずに成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状を維持することが可能な表面とを有するものが好ましい。
例えば、射出成形金型は、射出成形金型のフィルムの残部を挟み込むパーティング面が、成形品裏面の凹凸部に合致する形状の部分を有するものとして、射出成形金型のフィルムの残部を挟み込むパーティング面が成形品裏面2の凹凸部4に合致する形状に成形できるような形状の部分である凹凸部成形用パーティング面19を有するものがある。フィルム5を射出成形金型にセットした後に、射出成形金型の型内で、フィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状に成形する場合に有効である。
凹凸部成形用パーティング面19の表面は、放熱表面となっていてもよい。フィルムの残部8をフィルム5の軟化温度まで加熱する必要がある場合に有効である。放熱表面としては、熱風吹き付け手段部あるいは熱線照射手段部等が埋め込まれたものがある。熱風吹き付け手段部は放熱源から発する熱を風によって送り出すものである。放熱源としては、鋳込みヒーターや遠赤外線ヒーター、電熱線ヒーター等がある。熱線照射手段部として用いる熱線源としては、ハロゲンランプ等がある。ハロゲンランプはフィルム5を温度上昇させる速度が早く、また、フィルム5の所定箇所のみを加熱することもできるので有効である。
凹凸部成形用パーティング面19の表面には、真空吸引孔17が形成されていてもよい。加熱して軟化温度に達したフィルム5を凹凸部成形用パーティング面19に容易に沿わせるために有効である。なお、凹凸部成形用パーティング面19における真空吸引はキャビティ形成凹部10に形成された真空吸引孔17からの吸引によって行なってもよい。
また、金型Aの凹凸部成形用パーティング面19の周囲を取り囲むようにクランプ手段を有するものでもよい(図示せず)。
【0014】
フィルム5を射出成形金型にセットする前に、別の金型でフィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状に成形しておく場合は、金型Aと金型Bとを型閉めしたときにフィルムの残部8の立体形状が金型Aと金型Bとの型閉めによって押しつぶされないような大きさの空間である退避部20を、射出成形金型のパーティング面に形成しておく必要がある。退避部20としては、フィルムの残部8の立体形状と同じ形状の空間(図6参照)や、フィルムの残部8の立体形状を型閉めされてもつぶさないような広い空間等がある。
【0015】
フィルム5は、基体シート上に絵柄層、接着層等が順次積層されたものであり、フィルム5に溶融樹脂16が接着した後に基体シートを剥離しない、いわゆるインサートフィルムと呼ばれるものがある。フィルム5は、基体シート上に剥離層、絵柄層、接着層等が順次積層されたものであり、フィルム5に溶融樹脂16が接着した後に基体シートを剥離する、いわゆる転写フィルムと呼ばれるものもある。基体シートの材質は、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、アクリル等がある。絵柄層は成形品の表面に装飾性や機能性を付与する層である。絵柄層は、通常の印刷図柄や導電材で形成された導電パターン等がある。絵柄層は樹脂バインダーと顔料または染料とにより形成することができる。絵柄層は樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料等を用いてもよい。絵柄層は金属光沢を出すために金属蒸着層からなるものでもよい。接着層は、フィルム5と成形品とを接着させるための層である。接着層は、溶融樹脂の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、溶融樹脂16がアクリル樹脂やウレタン樹脂の場合は、接着層として塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂やアクリル系樹脂を用いるとよい。絵柄層、接着層は各種印刷法で形成する。接着層は樹脂フィルム5を用いてもよい。
【0016】
以上説明した射出成形金型とフィルムとを用いた、この発明のフィルム付成形品の製造方法を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(1)フィルム5を射出成形金型にセットした後に、その射出成形金型の型内で、フィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状に成形する場合のフィルム付成形品の製造方法を説明する(図5、図7〜図12)。
射出成形金型として、成形品裏面2の凹凸部4に合致する形状に成形できる形状の凹凸部成形用パーティング面19を有するものを用意する。
【0018】
まず、フィルム5を射出成形金型内に導入する(図5、図7参照)。
フィルムの一部7を金型Aのキャビティ形成凹部10に対応させ、フィルムの残部8を金型の凹凸部成形用パーティング面19に対応させる。なお、フィルムの一部7は、射出成形金型にセットする前に、別の金型で金型Aのキャビティ形成凹部10の内面形状に合致する立体形状に成形しておいてもよい。フィルムの一部7が別の金型で金型Aのキャビティ形成凹部10の内面形状に合致する立体形状に成形されていない場合は、金型Aの中で加熱や真空吸引等によりキャビティ形成凹部10の内面に密着させるように成形するとよい。
フィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状に成形するタイミングは、型閉めの前に行なってもよいし、型閉めと同時に行なってもよい。
前者の場合は、フィルムの残部8をフィルム5の軟化点近くに加熱しながら、射出成形金型の凹凸部成形用パーティング面19に真空吸引するとよい(図7参照)。
後者の場合は、フィルムの残部8をフィルム5の軟化点近くに加熱した後に金型Bを押し付けるとよい(図示せず)。
【0019】
次に、金型Aと金型Bとを型閉めして、金型Bの溶融樹脂射出口14から溶融樹脂16を射出して、フィルムの一部7と成形品表面1とを成形品の成形と同時に一体化接着する(図8、図9)。
フィルムの残部8は、成形品裏面2の凹凸部4に合致した形状に既に成形されているから、その形状を押しつぶさないように型閉めを行なう。溶融樹脂16の材料としては、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を使用することができる。
【0020】
次に、射出成形金型から取出した成形品(図2、図10参照)の成形品裏面2の凹凸部4にフィルムの残部8を接着剤18によって接着する(図10〜図12)。
金型から取出された成形品6は、フィルムの一部7は成形品表面1に一体化接着されているが、フィルムの残部8は立体形状にはなっているがどこにも接着していない状態で成形品端部3でつながっている状態である(図2、図10参照)。そこで、フィルム5を成形品端部3で折り曲げて、フィルムの残部8を成形品裏面2に回し込み成形品裏面2に沿わせる(図11参照)。フィルムの残部8は既に成形品裏面2の凹凸部4に合致する形状となっているので、フィルムの残部8を回し込むと、成形品裏面2の凸部はフィルムの残部8の凹部に合致して嵌まり、フィルムの残部8の凸部は成形品裏面2の凹部に合致して嵌まる(図1、図12参照)。なお、フィルムの残部8に塗る接着剤18としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂からなるもの等がある。接着剤18は、フィルムの残部8に塗ってもよいし、成形品裏面2の凹凸部4の表面に塗ってもよい。
【0021】
(2)フィルム5を射出成形金型にセットする前に、別の金型でフィルム5の残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状に成形しておく場合のフィルム付成形品の製造方法を説明する。
この場合は、金型Aや金型Bとは別の金型、つまり、フィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状にするための金型を用意する。別の金型としては、金型Cと金型Dとからなり、フィルムの残部8を加熱しながら挟み込むことにより、金型Aと金型Bとにより得られる成形品6の成形品裏面2の凹凸部4に合致するような立体形状に成形するものがある。また、射出成形金型として、金型Aと金型Bとを型閉めしたときにフィルムの残部8の立体形状が型閉めによって押しつぶされないような退避部20をパーティング面に形成したものを用意する。
【0022】
まず、別の金型でフィルムの残部8を成形品裏面2の凹凸部4に合致する立体形状にする。なお、フィルムの残部8だけでなく、フィルムの一部7もこの金型で金型Aのキャビティ形成凹部10の内面形状に合致する立体形状に成形してもよい。
【0023】
次に、射出成形金型の金型Aと金型Bとの間にフィルム5を導入する(図1参照)。
このとき、フィルムの一部7を金型Aのキャビティ形成凹部10に対応させ、フィルムの残部8を金型のパーティング面に形成された退避部20に対応させる。なお、フィルムの一部7は、射出成形金型にセットする前に、別の金型で金型Aのキャビティ形成凹部10の内面形状に合致する立体形状に成形しておいてもよく、この場合は、フィルムの一部7は金型Aの凹部に嵌め込むだけでよい。フィルムの一部7が別の金型で金型Aのキャビティ形成凹部10の内面形状に合致する立体形状に成形されていない場合は、金型Aの中で真空吸引等によりキャビティ形成凹部10の内面に密着させるように成形するとよい。
【0024】
次に、金型Aと金型Bとを型閉めして、金型Bの溶融樹脂射出口14から溶融樹脂16を射出して、フィルムの一部7と成形品表面1とを成形品6の成形と同時に一体化接着する。フィルムの残部8は、成形品裏面2の凹凸部4に合致した形状に成形される。
金型Aと金型Bとを型閉めしても、立体形状となったフィルムの残部8はパーティング面の退避空間に存在するので、立体形状が押し潰されることはない。
溶融樹脂16の材料としては、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を使用することができる。
【0025】
次に、射出成形金型から取出した成形品6の成形品裏面2の凹凸部4にフィルムの残部8を接着剤18によって接着する(図10〜図12)。
金型から取出された成形品6は、フィルムの一部7は成形品表面1に一体化接着されているが、フィルムの残部8はどこにも接着していない状態で成形品端部3でつながっている状態である。成形品端部3の例としては、成形品6の鋭角的な角部(図2参照)や、フィルム5が一体化接着した際(きわ)の部分(図10参照)等がある。そこで、フィルム5を成形品端部3で折り曲げて、フィルムの残部8を成形品裏面2に回し込み成形品裏面2に沿わせる。フィルムの残部8は既に成形品裏面2の凹凸部4に合致する形状となっているので、フィルムの残部8を回し込むと、成形品裏面2の凸部はフィルムの残部8の凹部に合致して嵌まり、フィルムの残部8の凸部は成形品裏面2の凹部に合致して嵌まる。なお、フィルムの残部8に塗る接着剤18としては、アクリル系樹脂等がある。接着剤18は、フィルムの残部8に塗ってもよいし、成形品裏面2の凹凸部4の表面に塗ってもよい。
【0026】
【発明の効果】
この発明では、フィルムの残部は、成形品裏面に接着する前に、射出成形金型で成形するか、射出成形金型とは別の金型で平らな状態から立体形状に既に成形しており、その状態の形状を一定に保てるので、指作業の必要がない。また、フィルムの残部は、金型の型閉めや溶融樹脂の圧力といった強い力で成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に成形できるので、成形品裏面の凹凸部に完全に合致した形状となる。また、指作業ではないので、フィルムの軟化点に達する高温加熱をすることも可能である。
(1)このため、爪や指を損傷したり、フィルムの余計な部分に損傷を負わせたりすることはない。
(2)また、金型の型閉めや溶融樹脂の圧力でフィルムの残部を立体形状に成形するため、完全な直線や一定の曲率の滑らかな曲線の曲癖を付けたり、全線に渡って均一な力で折り込んだり曲癖を付けたり、細かい凹凸部等の複雑な立体形状に完全に変形させることが可能となる。
(3)また、強い力や軟化点に達する加熱によりフィルムを立体形状に成形するので、接着剤で凹凸部に接着させた後、フィルムの形状保持性のため、接着剤の接着力に抗してフィルムが反り返ることもない。このため、成形品裏面の凹凸部にはフィルムが完全に密着して接着されることになり、不良品も発生しにくい。
アクリルフィルムやポリカーボネートフィルム、ABSフィルムまたはそれらの積層フィルム等、特に形状保持性が強く、硬度も高いものであっても、成形品裏面の凹凸部にフィルムを完全に密着して接着させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のフィルム付成形品の製造方法によって得られるフィルム付成形品の一例を示す断面図である。
【図2】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】 従来のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】 従来のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図6】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図7】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図8】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図9】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図11】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図12】 この発明のフィルム付成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形品表面
2 成形品裏面
3 成形品端部
4 凹凸部
5 フィルム
6 成形品
7 フィルムの一部
8 フィルムの残部
9 人の指
10 キャビティ形成凹部
A 金型
B 金型
13 金型凹凸部
14 溶融樹脂射出口
15 キャビティ
16 溶融樹脂
17 真空吸引孔
18 接着剤
19 凹凸部成形用パーティング面
20 退避部

Claims (5)

  1. 成形品表面および成形品裏面の凹凸部を一枚で覆うことができるフィルムと、射出成形金型とを用いて、フィルムの一部と成形品表面とを成形品の成形と同時に一体化接着させた後、射出成形金型から取出した成形品の成形品裏面の凹凸部にフィルムの残部を接着剤によって接着するフィルム付成形品の製造方法において、射出成形金型のフィルムの残部を挟み込むパーティング面が、成形品裏面の凹凸部に合致する形状の部分を有し、成形品裏面の凹凸部に接着剤で接着する前に、フィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に金型で成形することを特徴とするフィルム付成形品の製造方法。
  2. フィルムを射出成形金型にセットした後に、その射出成形金型で、フィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に成形する請求項1記載のフィルム付成形品の製造方法。
  3. フィルムを射出成形金型にセットする前に、射出成形金型とは別の金型でフィルムの残部を成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状に成形する請求項1記載のフィルム付成形品の製造方法。
  4. 成形品表面および成形品裏面の凹凸部を一枚で覆うことができるフィルムをセットする表面を有する金型であって、フィルムの一部が成形品表面に一体化接着するようにセットできる表面と、フィルムの残部が成形品裏面に一体化接着せずに成形品裏面の凹凸部に合致する立体形状を維持することが可能な表面とを有する金型。
  5. 立体形状を維持することが可能な表面はフィルムの残部を加熱する放熱表面であり、その放熱表面により加熱されて軟化温度に達したフィルムの残部を、立体形状を維持することが可能な表面に沿わせる真空吸引孔が放熱表面に形成された、請求項4記載の金型。
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