JP4354191B2 - 遊星差動歯車減速装置及び画像形成装置 - Google Patents

遊星差動歯車減速装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源の回転数を駆動対象が必要とする回転数まで減速しつつ、該駆動源からの回転力を伝達するための遊星差動歯車減速装置、及びこの遊星差動歯車減速装置を利用した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の分野において、モータ等の駆動源より減速手段を経て回転力を伝達する機構としては、歯車輪列を用いたもの、ウォームギヤを用いたもの、ベルト減速機構を用いたものなどが一般的に利用されている。画像形成装置における回転体には、感光体、中間転写体等の像担持体、記録材を搬送する記録材搬送部材、定着ローラなどがあるが、これらは、一般に、数十から百数十rpmで回転する。一方、回転体に回転力を伝達する駆動源の回転数は、一般に数千rpmであり、回転体に必要な回転数を得るためには、1/10〜1/30程度の減速比をもつ減速手段が必要となる。画像形成装置における回転体の回転精度は、画質に大きな影響を与えることになるが、従来の減速手段では、部品の加工精度や組立精度等の理由で、駆動源から高精度な定速回転力を回転体に伝達するのが困難であった。
【0003】
画像形成装置において実用上問題ない範囲で高精度な定速回転力の伝達を実現するためには、例えば、減速段数を少なくして伝達角速度変動(以下、適宜「角速度変動」という。)の発生箇所を少なくする方法が挙げられる。この方法によれば、部品点数の低減によるコスト削減、伝達効率の低下の抑制、ギヤの噛み合いによる騒音の低減などの効果も期待できる。更には、省スペース化、コンパクト化による装置の小型化という効果も期待できる。そして、大きな減速比をもち、かつ、減速段数が少ない減速装置としては、例えば、非特許文献1に記載されている遊星差動歯車減速装置がある。
【0004】
非特許文献1に記載の遊星差動歯車減速装置は、2個の外噛み合い歯車をもつ4節遊星歯車を採用したものであり、入力軸に固定されたアームの端部に2つの遊星歯車(歯数:Z2,Z4)が同軸に配置されている。各遊星歯車は、固定歯車(歯数:Z3)と、出力軸に固定された出力歯車(歯数:Z5)とがそれぞれ噛み合う構成をもっている。しかし、この遊星差動歯車減速装置では、2つの遊星歯車が互いに異なる歯数Z2,Z4を有するので、同じモジュールで入力軸及び出力軸を同軸上に構成するためには、各歯車間における歯数の関係が下記の数1に示す関係式を満たす必要がある。また、遊星差動歯車減速装置により得られる減速比は、下記の数2から求められる。なお、下記の数2において、N1は、入力軸の回転数を示し、N5は、出力軸の回転数を示す。
【数1】
2+Z3=Z4+Z5
【数2】
5=N1×(Z2×Z5−Z3×Z4)/(Z2×Z5
【0005】
上記遊星差動歯車減速装置により、約1/10の減速比を得るためには、各歯車の歯数は、それぞれ、例えば、Z2とZ5がともに20枚、Z3とZ4がともに19枚となる。また、約1/20の減速比を得るためには、例えば、Z2とZ5がともに40枚、Z3とZ4がともに39枚となる。また、約1/30の減速比を得るためには、例えば、Z2とZ5がともに60枚、Z3とZ4がともに59枚となる。このように、上記遊星差動歯車減速装置では、減速比として1/20〜1/30という高減速比を得るためには、その分、各歯車の歯数が多くなり、大型の歯車構成になってしまう。この結果、入力軸上のアーム端部に設けられる遊星歯車の遊星回転(公転)の径も大きくなり、高速回転には向かないとともに、装置が大型化するという不具合がある。
【0006】
【非特許文献1】
イワン・イワノビッチ・アルトボレフスキー著、「現代機械技術の実例機構便覧」、現代工学社出版、下巻、P.679
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は、特願2001−231407号において、大きな減速比を得る場合でも、固定歯車と出力歯車の歯数が少なくて済む遊星差動歯車減速装置を提案した。この装置は、駆動対象に連結される出力軸に固定された出力歯車と、その出力歯車よりも少ない歯数を有し、その出力歯車と同軸上に配置され、かつ、回転不能に固定された固定歯車とを備えている。また、この装置は、駆動源からの回転力により出力歯車及び固定歯車の外周を回転駆動される遊星歯車軸に回転自在に支持され、出力歯車及び固定歯車の双方に噛み合いながら遊星回転する遊星歯車を備えている。この遊星歯車における固定歯車に噛み合う固定歯車用噛合部分と出力歯車に噛み合う出力歯車用噛合部分の歯数は同一であり、出力歯車、固定歯車、遊星歯車の固定歯車用噛合部分及び遊星歯車の出力歯車用噛合部分のうちの少なくとも1つが転位歯車で構成されている。本装置では、固定歯車と出力歯車の歯数は互いに異なるため、これらの歯車を単一の遊星歯車にそのまま噛み合わせるだけではスムーズな回転駆動が実現できないところ、転位歯車を採用することでスムーズな回転駆動を可能にしている。そして、本装置により得られる減速比は、遊星歯車の歯数に関係なく、固定歯車と出力歯車の歯数に基づいて得られるので、従来と同じ減速比を得ようとするときには、従来よりも固定歯車と出力歯車の歯数が少なくても済む。よって、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0008】
ところが、上記先願に係る遊星差動歯車減速装置は、減速段数を少なくして全体的な角速度変動による影響を抑制しているが、角速度変動の発生原因となる箇所ごとの角速度変動による影響を抑制しているわけではない。ここで、角速度変動自体を抑制するのは、上述したように部品の加工精度や組立精度等の理由から困難であるが、各箇所で発生する角速度変動による影響が実用上問題ないようにする方法は考えられる。例えば、画像形成装置に利用される遊星差動歯車減速装置であれば、角速度変動の影響が人間の目で確認できる状態で画像上に表れないように、角速度変動のピッチムラ帯域(角速度変動の発生周期に対応する周波数)を高くする方法がある。この方法を、例えば、画像形成装置の像担持体や記録材搬送部材への駆動力伝達に適用すれば、角速度変動によって生じる周期的な画像の伸び縮みによる画像濃度ムラ等の画質低下を実用上問題ない範囲すなわち人間の目で確認するのが困難な範囲にすることができる。なお、ピッチムラ帯域とは、歯車同士の噛合い周期(1ピッチ周期)で発生する角速度変動の周波数帯域であり、従来の歯車対の減速機構では、ピッチムラ帯域が一般的に人間の視覚により認知可能と言われている1kHz以下の周波数帯域に位置するため、画像上の濃度ムラとして認知されるが、本遊星差動歯車減速装置では、同減速比でピッチムラ帯域を1kHz以上の周波数帯域に設定することができる。
【0009】
以下、上記先願に係る遊星差動歯車減速装置において、角速度変動による画像濃度ムラが表れる原因について説明する。
図16は、本発明者らが実験機として使用した遊星差動歯車減速装置を、出力軸上で部分的に切断したときの断面図である。
本発明者らが行った実験では、この遊星差動歯車減速装置の出力軸411を図示しない感光体ドラムの軸に接続している。この遊星差動歯車減速装置においては、固定歯車414の歯数が37枚、出力歯車416の歯数が35枚となっている。また、この遊星差動歯車減速装置には、歯数が31枚である2つの遊星歯車421が備わっている。各遊星歯車421は、固定歯車414及び出力歯車416の両者とそれぞれ噛み合っており、固定歯車414及び出力歯車416を挟んで互いに対向する位置に配置されている。これらの歯車のモジュールは0.3であり、全てハズ歯で構成されている。この遊星差動歯車減速装置の減速比は17.5となっている。また、出力軸411の定格負荷トルクは5kgf・cmであり、アウターロータ418を1670rpmで回転させて実験を行った。このときの遊星歯車421の回転数は1995rpmであり、出力歯車416の回転数は95.5rpmである。
なお、角速度変動は、通常、各部品の加工誤差(偏心、歯累積ピッチ誤差、歯単一誤差等)や組立誤差(軸ズレ等)によって発生する。したがって、各部品を高精度で加工したり、高精度で組み付けたりすれば角速度変動を十分抑制することも可能であるが、これでは部品コストが高騰するので実用的ではない。よって、本実験の遊星差動歯車減速装置では、JIS規格B1702に規定されている第3級乃至は第4級の加工精度で加工した部品を用いている。
【0010】
このような条件下において、加工誤差及び組立誤差による角速度変動は、アウターロータ418の回転数に対応した約28Hz、遊星歯車421の回転(自転)数に対応した約33Hz、出力歯車416の回転数に対応した約1.6Hz、各歯車の歯形精度による約1060Hz(噛み合い周波数)で発生する。また、遊星回転の周波数に遊星歯車421の個数を乗じたものに対応する約56Hzでも上記角速度変動は発生する。この角速度変動に関し、本実験機では2つの遊星歯車421が対向配置されているので、この角速度変動が発生する周波数は、アウターロータ418の回転数に対応した周波数(約28Hz)を遊星歯車の個数倍である2倍(半周期分)にした約56Hzとなる。ここで、歯形精度によって発生する角速度変動の周波数は1kHzよりも大きいので、この角速度変動は画像濃度ムラとして人間の目でほとんど確認できない。よって、実用上は問題がない。これに対して、アウターロータ418、遊星歯車421及び出力歯車416の回転数に対応した周波数並びに遊星歯車421の個数に対応した周波数は、1kHz以下の比較的低い周波数であるため、その角速度変動が画像濃度ムラとして人間の目で確認されてしまうおそれがあり、実用上問題となることがある。
【0011】
低い周波数帯域での角速度変動が発生する主な要因は、加工誤差によって生じる出力歯車416、固定歯車414及び遊星歯車421の偏心にある。各歯車の偏心による角速度変動は、その歯車の形状が真円であればその歯車の回転周期に応じた周波数で現れる。また、その歯車の形状がおむすび形状や楕円形状等であれば、2次及び3次の高調波周波数でも現れることがある。なお、各歯車の加工誤差を考慮に入れて試算した結果、遊星歯車421の個数に対応した約56Hzの周波数以外については、その加工誤差によって生じる結果として妥当なものであり、加工精度の向上やフィードバック等の制御機構を付加するなどすれば、これによって生じる画像濃度ムラを許容できる範囲内に収めることができる。しかし、遊星歯車421の個数に対応した約56Hzの周波数で発生する角速度変動は、各歯車の偏心によって発生する角速度変動とは発生の仕組みが異なり、許容できる範囲を越える大きなものであった。この理由は次のように考えられる。
【0012】
遊星歯車421の個数に対応した約56Hzの周波数で角速度変動が発生するのは、遊星回転(公転)の中心軸と各遊星歯車421の回転(自転)軸との距離のズレ、同軸上に配置されるべき遊星回転の中心軸と出力歯車416の中心軸又は固定歯車414の中心軸との間の軸ズレ、固定歯車414の偏心が主な要因である。以下の説明では、同軸上に配置されるべき遊星回転の中心軸と出力歯車416の中心軸との間の軸ズレを例に挙げて説明するが、他の要因についても同様である。また、以下、各歯車の偏心はないものとして説明する。
【0013】
図17は、本遊星歯車減速装置における各歯車のピッチ円を示す説明図である。図中、O0は固定歯車414の中心軸を示し、P0は固定歯車414のピッチ円を示している。2つの遊星歯車421は、固定歯車414の中心軸O0を遊星回転の中心軸として、アウターロータ418の回転に伴って図中時計回りの方向(図中矢印Aの方向)に遊星回転し、これらの遊星歯車421の軸軌道は図中点線で示されている。ここで、固定歯車414の中心軸O0すなわち遊星回転の中心軸に対し、これと同軸上に配置されるべき出力歯車416の中心軸が図中O1の位置にズレているものとする。このときの軸ズレ量eは、出力歯車416の軸を軸受けする軸受部のガタや組付け誤差等によって生じる。
【0014】
ここで、遊星歯車421が遊星回転(公転)すると、その遊星歯車421は固定歯車414との噛み合いによって回転(自転)し、この遊星歯車421の回転(自転)によってこれと噛み合う出力歯車416が回転する。つまり、アウターロータ418からの駆動力を正常に伝達するときのルートは、固定歯車414、遊星歯車421、出力歯車416の順となる。しかし、図示のように、出力歯車416と固定歯車414との間で軸ズレが発生していると、出力歯車416の中心軸O1と遊星歯車421の遊星回転中心とがズレた状態となる。そのため、遊星歯車421が1回の遊星回転を行う間に、出力歯車416のピッチ円P1と遊星歯車421のピッチ円P2との位置関係が変動する。具体的には、出力歯車416のピッチ円P1と一方の遊星歯車のピッチ円P2とが近づくとき(一方の遊星歯車が図中右半分に位置しているとき)、他方の遊星歯車のピッチ円P2と出力歯車のピッチ円P1とは離れることとなる。このため、出力歯車416には上記一方の遊星歯車だけが噛み合い、上記他方の遊星歯車は噛み合わない。その結果、出力歯車416には2つの遊星歯車421のいずれか一方からしか回転力の伝達が行われないこととなる。この点を確認するために、本発明者らは、2つの遊星歯車421と出力歯車416との噛み合い部分で発生するトルクを測定した。
【0015】
図18は、2つの遊星歯車421と出力歯車416との噛み合い部分で発生するトルクを測定したときの測定結果を示すグラフである。
2つの遊星歯車421が1回の遊星回転を行う間(約28Hz)において、図中符号Aで示す期間では、一方の遊星歯車と出力歯車416との間にだけトルクが加わり、他方の遊星歯車と出力歯車416との間には全くトルクが加わっていない。逆に、図中符号Bで示す期間では、他方の遊星歯車と出力歯車416との間にだけトルクが加わり、一方の遊星歯車と出力歯車416との間には全くトルクが加わっていない。したがって、この測定結果から、上述したように、出力歯車416には2つの遊星歯車421のいずれか一方からしか回転力の伝達が行われていないことが判明した。
【0016】
また、上記測定の結果、出力歯車416への回転力の伝達ルートが一方の遊星歯車から他方の遊星歯車に切り替わるとき、図示のグラフに示すように、出力歯車416には急激なトルク変動が生じることがわかる。このようなトルク変動は、遊星歯車421が2つの場合、1回の遊星回転中に2回生じるので、上述したようにアウターロータ418を1670rpmで回転させている本実験では、約56Hzの周波数で発生することになる。そして、このようなトルク変動が生じる結果、遊星歯車421の個数に応じた約56Hzの周波数で角速度変動が生じることとなる。
【0017】
しかも、このように遊星歯車421の個数に対応した約56Hzで発生する角速度変動は、本実験に係る遊星差動歯車減速装置の減速比分だけ増大された後、駆動対象に伝達されることになる。具体的に説明すると、アウターロータ418の角速度すなわち遊星回転の角速度が10rad/sであり、固定歯車414の中心軸O0すなわち遊星回転の中心軸に対する出力歯車416の中心軸O1の軸ズレ量eが40μmであるとすると、このときの角速度変動率は、下記の数3、数4及び数5に示す演算式から、28.7%にも及ぶことがわかる。したがって、出力歯車416と固定歯車414との軸ズレによって生じる角速度変動は、上述した歯車の偏心によって生じる角速度変動の場合に比べて、非常に大きなものとなる。
なお、数3に示す演算式は、固定歯車414と遊星歯車421との間における遊星歯車421の回転(自転)角速度を求めたもの、数4に示す演算式は、出力歯車416と遊星歯車421との間における出力歯車416の回転角速度を求めたものである。また、数5は、数3及び数4の演算式の結果から角速度変動率を求めたものである。また、数3及び数4において、ω1、ω2、ω3は、遊星回転(公転)の角速度、遊星歯車421の回転(自転)角速度、出力歯車416の回転角速度をそれぞれ示し、Z1、Z2、Z3は、固定歯車414の歯数、遊星歯車421の歯数、出力歯車416の歯数をそれぞれ示し、r2、r3は、遊星歯車421の径、出力歯車416の径をそれぞれ示す。
【0018】
【数3】
Figure 0004354191
【数4】
Figure 0004354191
【数5】
Figure 0004354191
【0019】
以上の説明では、遊星歯車421における固定歯車414に噛み合う固定歯車用噛合部分と出力歯車416に噛み合う出力歯車用噛合部分の歯数が同一である構成について説明したが、この歯数が同一でない遊星差動歯車減速装置においても、上述したような角速度変動は生じる。
【0020】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、高コストとなる高精度な加工や組み付けなどを行うことなく、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生する角速度変動を抑制することが可能な遊星差動歯車減速装置及び画像形成装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動源の回転数を駆動対象が必要とする回転数まで減速し、該駆動源からの回転力を伝達するための遊星差動歯車減速装置において、上記駆動対象に連結される出力軸に固定された出力歯車と、該出力歯車よりも少ない歯数を有し、該出力歯車と同軸上に配置され、かつ、回転不能に固定された固定歯車と、上記駆動源からの回転力により該出力歯車及び該固定歯車の外周を回転駆動される遊星歯車軸に回転自在に支持され、該出力歯車及び該固定歯車の双方に噛み合いながら遊星回転する2つの遊星歯車とを備えており、該2つの遊星歯車を、遊星回転の中心軸について互いに軸対称となる位置に配置し、上記出力歯車及び上記固定歯車のうちの少なくとも一方は、互いに別体の歯車中心に近い内側部と該中心から遠い外側部とからなる二重構造を有し、該内側部の外周面と該外側部の内周面との間には間隔を有し、該間隔に複数の弾性部材が配置され、上記弾性部材により上記内側部と上記外側部との周方向の相対的な移動が規定さ、前記弾性部材は、前記像担持体を回転駆動している間の噛み合いによって生じる接触圧が加わったときに、該弾性部材の変形する変形量が前記外側部の偏心量と前記出力歯車の角速度変動の許容範囲とに基づいて求められる変形量となるような縦弾性係数を有するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の遊星差動歯車減速装置において、前記弾性部材が前記内側部の外周面と前記外側部の内周面とに形成した切り欠き部に嵌合させて設けられていることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、駆動源の回転数よりも低い回転数で回転する像担持体を備えた画像形成装置において、上記駆動源の回転数を、上記像担持体が必要とする回転数まで減速し、該駆動源からの回転力を伝達するための減速手段として、請求項1又は2の遊星差動歯車減速装置を用いたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項1乃至の遊星差動歯車減速装置、及び、請求項の画像形成装置においては、同軸上に配置される出力歯車と固定歯車のそれぞれに、単一の遊星歯車がそれぞれ2つ噛み合う構成となる。ここで、2つの遊星歯車を遊星回転の中心軸について互いに軸対称となる位置に配置しているので、上述したように、各部品の加工誤差や組立誤差によって、遊星回転の半周期に相当する周波数で、出力歯車の角速度が変動することがある。
ここで、上記先願に係る遊星差動歯車減速装置を用い、その出力軸に加わる負荷トルクを変更したときの角速度変動率を測定した実験について説明する。この実験の結果は、図19に示すとおりである。この実験結果からすると、出力軸に加わる負荷トルクを大きくすれば、角速度変動率を抑制することは可能であることがわかる。しかし、負荷トルクは、駆動対象によって様々であり、例えば図16に示した遊星差動歯車減速装置のように出力軸が感光体ドラムに接続されるものである場合には、その負荷トルクはおよそ2〜3kgf・cm程度である。この場合、上記先願に係る遊星差動歯車減速装置では、角速度変動率はおよそ1〜3%であり、角速度変動を十分に抑制しているとはいえない。ここで、上記実験結果について考察したところ、負荷トルクが大きくなると角速度変動率が小さくなるのは、大きな負荷トルクによって歯車の歯が変形し、又は大きな負荷トルクによって歯車が変位したことで、2つの遊星歯車の両方が出力歯車及び固定歯車に対して噛み合った状態になったためだと考えられる。その結果、出力歯車に対して2つの遊星歯車が交互に噛み合う上述した構成のように出力歯車への回転力の伝達ルートが切り替わる時期が存在しない。したがって、この切り替わり時期に生じていた急激なトルク変動が生じることもなく、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制することができたものと考えられる。
そこで、請求項1乃至の遊星差動歯車減速装置では、出力歯車及び固定歯車のうちの少なくとも一方が、互いに別体の歯車中心に近い内側部と該中心から遠い外側部とからなる二重構造を有し、該内側部の外周面と該外側部の内周面との間には間隔を有し、該間隔に複数の弾性部材が配置され上記弾性部材により上記内側部と上記外側部との周方向の相対的な移動が規定されるので、駆動対象が回転駆動している間の噛み合いによって生じる接触圧によって上記弾性部材の変形で上記外側部が変位可能である。これにより、出力歯車の角速度変動を抑制することができる。すなわち、例えば変位可能な歯車が出力歯車である場合、駆動対象の回転駆動時には出力歯車のピッチ円と一方の遊星歯車のピッチ円とが交差する部分が存在すると、その部分での噛み合いにより、出力歯車は上記一方の遊星歯車から離れる向きの力を受けることになる。この力により、出力歯車が他方の遊星歯車側に変位することになる。よって、出力歯車の中心軸と2つの遊星歯車の遊星回転中心軸との軸ズレが少なくなる。したがって、駆動対象の回転駆動中、2つの遊星歯車の両方が出力歯車及び固定歯車に対して常に噛み合った状態を確保することができるようになる。その結果、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制することができる。
【0023】
なお、2つの遊星歯車は、固定歯車に噛み合う固定歯車用噛合部分と出力歯車に噛み合う出力歯車用噛合部分の歯数が同一歯数であっても異なる歯数であってもよい。しかし、同一歯数とした場合、固定歯車の歯数が出力歯車の歯数よりも少ないので、単に、これら歯車に単一の遊星歯車をそれぞれ2つ噛み合わせるだけでは、スムーズな回転駆動が実現できない。そのため、特願2001−231407号で提案した遊星差動歯車減速装置のように、出力歯車、固定歯車、並びに、遊星歯車の固定歯車用噛合部分及び遊星歯車の出力歯車用噛合部分のうち、少なくとも1つを転位歯車で構成することが必要となる。これにより、同軸上に配置された歯数の異なる固定歯車と出力歯車に対して、単一の遊星歯車を適正に噛み合わせることが可能となり、スムーズな回転駆動が実現することが可能となる。また、固定歯車と出力歯車と噛み合う遊星歯車の各噛合部分の歯数は同数であると、遊星差動歯車減速装置により得られる減速比は、上記数2を変形した下記数6により求められる。尚、下記の数6において、N1は、入力軸の回転数を示し、N5は、出力軸の回転数を示し、また、Z3は、固定歯車の歯数を示し、Z5は、出力歯車の歯数を示す。
【数6】
5=N1×(Z5−Z3)/Z5
この式から解かるように、遊星歯車の各噛合部分の歯数は同数である場合の減速比は、遊星歯車の歯数に関係なく、固定歯車と出力歯車の歯数に基づいて得られることになる。これにより、従来より固定歯車と出力歯車の歯数が少なくても、高い減速比を得ることができる。すなわち、従来と同じ減速比を得る場合でも、固定歯車と出力歯車の歯数が少なくて済む。よって、これら固定歯車と出力歯車の直径を小さくすることができる。例えば、1/20の減速比を得る場合、固定歯車と出力歯車の歯数差を2枚とするときは、各歯車の歯数はそれぞれ38枚と40枚とすればよく、また、固定歯車と出力歯車の歯数差を1枚とするときは、各歯車の歯数はそれぞれ19枚と20枚とすればよい。また、これら固定歯車と出力歯車の直径を小さくできることで、高い回転数が入力されて遊星歯車が高速に遊星回転しても、その回転半径は小さいものとなる。この結果、回転バランスがとりやすく、スムーズな回転駆動が実現することが可能となる。更に、上述のように、減速比は遊星歯車の歯数に影響を受けないので、遊星歯車の歯数は任意に設定できる。この結果、遊星歯車の直径も小さくすることが可能となる。これにより、遊星歯車が固定歯車及び出力歯車の外周を遊星回転するために必要なスペースも小さくでき、固定歯車と出力歯車の径方向における装置寸法をコンパクトにすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機(以下、「複写機」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。尚、本実施形態1における複写機は、いわゆるタンデム式の画像形成装置であって、乾式二成分現像剤を用いた乾式二成分現像方式を採用したものである。
【0025】
図2は、本実施形態1に係る複写機における画像形成部全体の概略構成図である。この複写機は、図示しない画像読取部から画像情報である画像データを受け取って画像形成処理を行う。この複写機には、図に示すように、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の各色用の4個の回転体としての潜像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
【0026】
本実施形態1に係る複写機でフルカラー画像を形成する場合、まず、図2に示すように、後述する感光体駆動装置により、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電した後、図示しない光書込装置からの光ビームLを照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
【0027】
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
【0028】
このように、中間転写ベルト5上に4色重なり合ったトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴い、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、この2次転写位置には、図示しないレジストローラにより所定のタイミングで転写紙が搬送される。そして、この2次転写位置において、2次転写ローラ7により転写紙の裏面に所定のバイアス電圧が印加され、そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上のトナー像が転写紙上に一括して2次転写される。その後、トナー像が2次転写された転写紙は、定着ローラ対8により定着処理がなされた後に装置外に排出される。
【0029】
次に、本発明の特徴部分である、減速手段としての遊星差動歯車減速装置を備える駆動手段としての減速機構付き駆動装置である感光体駆動装置について説明する。尚、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、同一構成の感光体駆動装置により回転駆動されているので、以下、感光体ドラム1Yの感光体駆動装置について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態1における感光ドラム1の軸方向一端部外方に設置される感光体駆動装置の部分断面図である。この感光ドラム1の軸方向両端には、その感光体ドラム1の軸方向端部面を塞ぐように、円板状のドラムフランジ1aが固定されている。このドラムフランジ1aの円板中心は、感光体駆動装置10の出力軸11の端部に固定されており、その出力軸11からの回転力が伝達されるように構成されている。また、この出力軸11は、滑らかな回転が可能となるように、本実施形態1に係る複写機の内部筺体を構成する側板100の軸受100aにより回転可能に軸受けされ、支持されている。また、感光体駆動装置10は、側板100に対して感光体ドラム1とは反対側に位置し、その側板100の表面に固定されている。
【0031】
図1は、感光体駆動装置10の内部構成を示す断面図である。また、図4は、感光体駆動装置10の斜視図である。この感光体駆動装置10の外面は、円筒状のケース12と、そのケース12の開口部を塞ぐ円板状の蓋部材13により構成されている。出力軸11は、その蓋部材13の円板中心に挿通され、本感光体駆動装置10を貫通している。また、ケース12は、出力軸11を回転可能に支持する軸受12aを有し、また、蓋部材13は、出力軸11を回転可能に支持する軸受13aを有している。蓋部材13が有する軸受13aは、蓋部材13に圧入カシメられて固定された固定歯車14に固定されている。このようにして、感光体駆動装置10を貫通する出力軸11の両端が回転可能に支持されている。ここで、出力軸11を滑らかに回転させるため、各軸受12a,13aは、高精度な同軸度を必要とする。このため、各軸受12a,13aは、位置決めピン15等により精度を維持しながら、ネジや円周カシメ等の方法で組立構成されている。尚、高精度な同軸度を出すための手段としては、茶筒(インロー)嵌合などの方法もある。
【0032】
また、感光体駆動装置10のケース12の内部には、出力軸11に圧入などの方法で強固に固定された出力歯車16、及び、デスク軸受17aを介して出力軸11に対し回転自在に取り付けられた動力入力部材としての回転ディスク17等が設けられている。この回転ディスク17には、その出力軸11を中心として回転するアウターロータ18がカシメや圧入、接着材などで強固に固定されている。このアウターロータ18の内部には、出力軸11と平行な内周面上に回転力伝達部材としての磁石19が固定配置されている。また、その内周面と出力軸11との間のスペースには、ケース12に固定された2つの駆動源としてのステータコア20が存在し、これらステータコア20は、磁石19との最適な位置関係となるように、出力軸11に対して対称位置に配置されている。
【0033】
回転デスク17には、固定歯車14及び出力歯車16を太陽歯車とする遊星歯車21の遊星歯車軸22が圧入などの方法で固定されている。この遊星歯車軸22には、平歯車で構成された遊星歯車21が回転自在に取り付けられている。遊星歯車軸22は、出力軸11に平行に設置され、出力軸11に対して対称位置となるように、回転デスク17上に2つ設置されている。また、この遊星歯車軸22は、出力軸11との軸間距離が、遊星歯車21と、固定歯車14及び出力歯車16とがそれぞれ互いに噛み合うのに最適な距離となるように配置されている。また、回転中に遊星歯車21が遊星歯車軸22から飛び出さず、かつ、遊星歯車21と固定歯車14及び出力歯車16とがそれぞれ噛み合うときの位置関係を保持するために、遊星歯車21は、軸止輪23等によって遊星歯車軸22上に保持されている。
【0034】
アウターロータ18が回転すると、回転デスク17が出力軸11を中心に回転する。これにより、固定歯車14の周りを遊星歯車21が自転しながら遊星回転(公転)する。遊星歯車21は、出力歯車16とも噛み合っているので、出力歯車16は、固定歯車14との歯数の差分だけ回転することになる。ここで、固定歯車14及び出力歯車16と遊星歯車21とが噛み合うときの各歯車14,16の実際の噛み合いピッチ円が同じになるように、固定歯車14又は出力歯車16の少なくとも一方の歯車は、転位歯車として構成されている。これにより、遊星歯車21は、歯数の異なる固定歯車14及び出力歯車16にそれぞれ適正に噛み合うことができるようになっている。
【0035】
図5は、感光体駆動装置10を、出力軸11の軸方向から見た正面図である。図示のように、固定歯車14と出力歯車16は、ともに出力軸11と同軸に配置されいる。2つの遊星歯車21は、遊星回転の中心軸について軸対称を維持しながら遊星回転(公転)する。ここで、固定歯車14と出力歯車16の歯数差が偶数のとき、遊星歯車21は、図6に示すように、固定歯車14に噛み合う固定歯車用噛合部分と出力歯車16に噛み合う出力歯車用噛合部分とが同一構造を有する。一方、固定歯車14と出力歯車16の歯数差が奇数のとき、遊星歯車21は、図7に示すように、固定歯車14に噛み合う固定歯車用噛合部分21aと出力歯車16に噛み合う出力歯車用噛合部分21bの一方が他方に対して半ピッチずれた構造を有する。このように半ピッチをズラす方法としては、例えば、遊星歯車21が金属で歯切りされたものである場合、圧入やカシメにより一体の歯車として構成できる。また、遊星歯車21が成形部品である場合には、2分割金型を用いることで容易に製作することができる。このように半ピッチずらすことにより、固定歯車用噛合部分21aと出力歯車用噛合部分21bの位相差分を補正することができる。
【0036】
また、2個の遊星歯車の一方を、シザーズ歯車として構成してもよい。図8(a)乃至(c)に、遊星歯車21をシザーズ歯車として構成した場合の一例を示す。図8(a)は、シザーズ歯車として構成される遊星歯車121の軸方向断面図であり、図8(b)は、この遊星歯車121の固定歯車14に噛み合う部分121aを、出力歯車16に噛み合う部分121b側から見た側面図であり、図8(c)は、これら2つの遊星歯車部分121a,121bを互いに逆回転方向に付勢するための弾性体としての板バネ121cを示す外観図である。
【0037】
この遊星歯車121は、固定歯車14に噛み合う遊星歯車部分121aに設けられる切欠部124に、出力歯車16に噛み合う遊星歯車部分121bに設けられるピンが挿入された状態で組み立てられる。このとき、出力歯車16に噛み合う遊星歯車部分121bにも、同様の切欠部124が設けられており、固定歯車14に噛み合う遊星歯車部分121aに設けられるピン125が同様に挿入される。また、このとき、各遊星歯車部分121a,121bのピン125は、図8(c)に示すように、板バネ121cに設けられる2つの挿入穴にそれぞれ挿入される。これにより、シザーズ歯車で構成される遊星歯車121の各遊星歯車部分121a,121bは、板バネ121cにより、互いに逆回転方向に付勢されるが、その付勢力は、出力軸11の必要伝達トルクの1/2に相当するトルクが出力歯車16に伝達されるように設定される。また、各遊星歯車部分121a,121bが互いに回転できる最大可動範囲は、各ピン125と切欠部124により0.5ピッチに設定されている。
【0038】
図9は、上記アウターロータモータの代わりに、インナーロータ型DCモータを適用した感光体駆動装置10の部分断面図である。出力軸11上には、このインナーロータ型DCモータのモータ軸118aが回転自在に取り付けられており、このモータ軸118aには、インナーロータ118が固定されている。また、このインナーロータの外周部には、磁石119が取り付けられている。このインナーロータ118のモータケース112a,112bには、ステータコア120が固定されている。モータ軸118aの遊星歯車21側の端部には、回転ディスク17が圧入などにより固定されている。また、回転ディスク17には、遊星歯車軸22が圧入などで固定されており、この遊星歯車軸22には、上記と同様に、遊星歯車21が回転自在に取り付けられている。尚、ここでは、DCモータを使用しているが、ステッピングモータやACモータ等であっても同様に適用することができる。
【0039】
ここで、本実施形態1においては、出力歯車16をプラスチック材、具体的にはPOM(ポリアセタール樹脂)で形成しているので、その出力歯車16の歯部分は弾性部材である。そのため、出力歯車16と遊星歯車21との噛合い部分に発生する負荷トルクによる歯変位が、速度変動の要因となる偏心量を吸収することになる。この偏心を吸収する程度の歯変位を実現する歯対剛性となるように、本実施形態1における出力歯車16の縦弾性係数を設定すれば、後述する同様の効果を得ることが可能である。この歯対剛性とは、歯と歯が噛合っているときの負荷による弾性変形に対する硬さを示すもので、歯車の歯対によるばね剛性であって、かみあい剛性とも呼ばれている。なお、固定歯車14及び遊星歯車21は、比較的剛性の高い金属(鉄、黄銅等)製または高密度のPOM製の歯車で構成されており、出力歯車16と遊星歯車21との間の歯対剛性は、固定歯車14と遊星歯車21との間の歯対剛性よりも1桁以上小さいものとなっている。
【0040】
感光体ドラム1Yが回転駆動すると、出力歯車16に負荷がかかり、その負荷によって生じる力が出力歯車16の歯部分を弾性変形させる。これにより、後述する実施例で説明するように、感光体ドラム1Yの回転駆動中、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車16及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態を確保することができ、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制できるという効果を得ることができる。なお、この効果は、2つの遊星歯車21又は固定歯車14の歯部分を、POM等からなる弾性部材で構成しても同様に得ることができる。一例を挙げると、固定歯車14が出力軸11の軸受を兼ねている場合には、固定歯車14をPOMで形成し、遊星歯車21を金属で形成し、出力歯車16をPOMで形成するようにしてもよい。
なお、どの歯部分をPOM等からなる弾性部材で構成するかは、駆動対象を回転駆動したときにその歯部分に加わる力の大きさや、加工誤差及び組立誤差の程度などによって適宜決めることになる。例えば、駆動対象を回転駆動したときにその歯部分に加わる力の大きさが小さい場合、固定歯車14、出力歯車16及び遊星歯車21のすべてを弾性部材で構成してもよい。
【0041】
また、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車16及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態になるために必要となる変形量は、遊星回転(公転)の中心軸と各遊星歯車21の回転(自転)軸との距離のズレ、同軸上に配置されるべき遊星回転の中心軸と出力歯車16の軸又は固定歯車14の軸との間の軸ズレ、固定歯車14の偏心などに関わる加工精度や組立精度によって変わってくる。上述のように弾性変形させる歯部分にどの程度の縦弾性係数をもたせるかは、この必要とする変形量に応じて決まる。なお、この必要とする変形量は、歯部分に対して力が加わる位置や、その歯部分をもつ出力歯車16のモジュール及び歯幅等によっても変わるので、これらも考慮した上で用いる弾性部材を選定するのが望ましい。
【0042】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に複写機に適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
本実施形態2に係る複写機の基本構成及び動作は上記実施形態1と同様である。しかし、上記実施形態1では、遊星歯車21の個数に応じた周波数で発生する角速度変動を抑制する方法として、出力歯車21の歯部分を弾性変形させる方法を採用しているのに対し、本実施形態2では、出力歯車を変位させる方法を採用する。以下、この点についてのみ説明する。
【0043】
図10は、本実施形態2における出力軸111を示す軸方向断面図である。本実施形態2では、出力軸111上に軸径が細くなった変位手段としての軸変形手段である軸細部分111aを備えている。そして、出力歯車116は、この軸細部分111aに固定されている。この軸細部分111aの軸径は、最低限伝達すべきトルクに耐えられる軸強度を確保できるものに設定されている。なお、本実施形態2では、すべての歯車は、比較的剛性の高い金属(鉄、黄銅等)製の歯車で構成されている。
【0044】
本実施形態2では、各歯車にはインボリュート歯車が用いられているので、感光体ドラム1Yが回転駆動すると、出力歯車116と遊星歯車21とが噛み合って、これらの歯車116,21には20度の圧力角方向に力が加わる。この力は、出力歯車116を介して、この出力歯車116が固定された出力軸111の軸細部分111aに伝わる。この力により、その軸細部分111aは変形することになる。この変形により、出力歯車116は、出力歯車116の中心軸と2つの遊星歯車21の遊星回転中心軸との軸ズレが少なくなる方向に変位する。その結果、感光体ドラム1Yの回転駆動中、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車116及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態を確保することができ、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制できるという効果を得ることができる。なお、この効果は、遊星回転の中心軸と固定歯車14の軸との間で軸ズレが発生している場合や、固定歯車14が偏心している場合等においては、固定歯車14が固定された軸を弾性部材で構成しても同様に得ることができる。
【0045】
2つの遊星歯車21の両方が出力歯車116及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態になるために必要となる変形量は、遊星回転(公転)の中心軸と各遊星歯車21の回転(自転)軸との距離のズレ、同軸上に配置されるべき遊星回転の中心軸と出力歯車116の軸又は固定歯車14の軸との間の軸ズレ、固定歯車14の偏心などに関わる加工精度や組立精度によって変わってくる。上述のように変形させる出力軸111の軸細部分111aの軸径をどの程度にするか、その軸細部分111aの縦弾性係数をどの程度にするかは、この必要とする変形量に応じて決まる。なお、そのような軸径、縦弾性係数等をもったものであれば、その軸細部分111aは鉄でもプラスチックでもよい。なお、出力軸111に加わる力は、出力歯車116の歯部分に対して力が加わる位置や、出力歯車116のモジュール及び歯幅等によっても変わるので、これらも考慮した上で軸細部分の軸径や縦弾性係数を設定するのが望ましい。
【0046】
なお、本実施形態2では、出力軸111に軸細部分111aを形成して出力軸111を変形させる構成について説明したが、出力軸111が所定方向に撓みやすいように切り欠きを形成したり、出力軸111を弾性部材で構成したりしても同様の効果を得ることができる。
【0047】
〔変形例〕
次に、上記実施形態2における変形例について説明する。本変形例は、上記実施形態2と同様に出力歯車を変位させる方法を採用するが、出力歯車を変位させる構成が上記実施形態2とは相違する。以下、この相違点についてのみ説明する。
【0048】
図11(a)は、本変形例における出力歯車216を出力軸11の軸上で部分的に切断したときの断面図である。図11(b)は、出力歯車216を出力軸11の軸方向から見た側面図である。
本変形例における出力歯車216は、出力軸11に固定された内側部216bと、外周面に歯を備える外側部216aとから構成されている。外側部216aは、内側部216bの径方向外側に配置されており、外側部216aと内側部216bとの間には、スペースSが形成されている。また、外側部216aの内周面及び内側部216bの外周面には、それぞれ、弾性部材217を嵌め込むための切り欠きが3箇所に設けられている。この切り欠きに弾性部材217が圧入される。この弾性部材217によって、遊星歯車21と噛み合う外側部216aに回転力が伝達されると、内側部216bは外側部216aと一体的に回転することができる。なお、弾性部材217は、ゴムやプラスチックなどでもよく、またスプリングピンなどでもよい。
【0049】
本変形例では、感光体ドラム1Yが回転駆動すると、出力歯車216と遊星歯車21とが噛み合って、これらの歯車216,21には20度の圧力角方向に力が加わる。この力は、出力歯車216の外側部216aに伝わる。この力が外側部216aに伝わると、弾性部材217が変形し、スペースSが設けられているため、内側部216bに対して外側部216aが変位することになる。この変位により、出力歯車216の中心軸と2つの遊星歯車21の遊星回転中心軸との軸ズレが少なくなる。その結果、感光体ドラム1Yの回転駆動中、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車216及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態を確保することができ、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制できるという効果を得ることができる。
【0050】
なお、出力歯車216のスペースSの大きさをどの程度にするか、弾性部材217の縦弾性係数をどの程度にするかは、上述した実施形態2の場合と同様に、必要とする変形量に応じて決まる。
【0051】
なお、出力歯車を変位させる方法としては、本変形例のほか、例えば、図12に示す構成を採用してもよい。図示の出力歯車316では、出力軸11に固定する部分が貫通孔を有する弾性部材317で構成されており、その貫通孔に出力軸11を挿入され、固定される。この場合、出力歯車316と遊星歯車21との噛み合い時に出力歯車316に伝わる力によって、弾性部材317が変形し、出力歯車316が変位することになる。
また、出力軸11を軸受けする軸受部が変位する構成としても、同様に出力歯車を変位させることができる。
【0052】
〔実施例〕
次に、上記実施形態1における感光体駆動装置10の実施例について説明する。
図13は、感光体駆動装置10の2つの遊星歯車21と出力歯車16との噛み合い部分で発生するトルクを測定したときの測定結果を示すグラフである。図18に示したグラフの場合、2つの遊星歯車のうちのいずれか一方しか出力歯車16と噛み合っていなかったため、出力歯車への回転力の伝達ルートが一方の遊星歯車から他方の遊星歯車に切り替わるとき、出力歯車には急激なトルク変動が生じた。これに対し、本実施例に係る感光体駆動装置10では、歯部分が弾性変形したために、図13に示すとおり、2つの遊星歯車21の両方が常に出力歯車と噛み合っている状態が確保されている。その結果、出力歯車16に伝達されるトルクは、図14に示すようになる。なお、図14は、図13に示した各遊星歯車21の負荷トルクを足し合わせたものである。このように、出力歯車16に対する2つの遊星歯車21からの回転力の伝達は、スムーズに行われることとなる。なお、このときの角速度変動率は、0.3%であった。
【0053】
〔実験例〕
次に、所望の角速度変動率を得るのに必要となる出力歯車16の材質条件を得るための実験例について説明する。
本実験例では、上記実施形態1における感光体駆動装置10であって、出力軸11が20μmだけ偏心しているものに、遊星歯車21との間の歯対剛性が互いに異なる出力歯車16を取り付け、各出力歯車ごとに出力歯車の角速度変動率を求める実験を行った。歯対剛性は、解析面では、歯部をFEM(有限要素法)モデル化し、負荷荷重に対する変形量を求め、それをもとに剛性を算出したり、歯部を梁でモデル化したLewisの式を使ったりして得られるものである。また、実験面では、歯部を取り出し(歯部以外を削り取り)、負荷に対するたわみを計測することで求めることができる。本実験例では、所定のマスターギア(たわみ量が微小なステンレス製などの金属ギア)の歯部と噛合わせて出力歯車16の歯部の変位量を計測して、その歯対剛性を得た。本実験例では、5.76×105N/m、1.15×106N/m、2.88×106N/m、5.76×106N/mの4つの歯対剛性を有する出力歯車16を用いた。
【0054】
図15は、本実験例の実験結果を示すグラフである。
このグラフからわかるように、金属製の遊星歯車21とPOM製の出力歯車16との間の歯対剛性が低いものほど、負荷トルクに対する角速度変動率が小さくなる。ここで、一般的な加工精度の場合、出力軸11の偏心は10〜30μm程度が発生してしまうが、角速度変動率は0.3%以下にするのが望ましい。このような条件からすると、本実験例の結果によると、遊星歯車21に対して、5.76×105N/m以上1.15×106N/m以下程度の歯対剛性を有する出力歯車16を用いれば、角速度変動率を0.3%以下に抑えることが可能である。
【0055】
また、上記実施例でも説明したように、角速度変動率を低く抑えるためには、2つの遊星歯車21の両方が常に出力歯車16と噛み合っている状態が確保されていることが重要となる。そのためには、出力歯車16がこれに噛み合う2つの遊星歯車21から接触圧を受けたときに、出力歯車の歯部分が、2つの遊星歯車21の両方が常に出力歯車16と噛み合っている状態が確保される程度、変形しなければならない。
ここで、互いに噛み合う2つの歯車に負荷トルクTfが加わったときに、その噛み合い部分に加わる力Fは、基礎円半径をrbとし、噛み合い率をnとすると、F=Tf/(rb×n)から求められる。また、歯対剛性をKとした場合、歯の変位量δは、F/Kで求めることができる。すなわち、歯の変位量δは、下記の数7に示す演算式から求めることができる。
【数7】
δ = Tf/(rb×n×K)
【0056】
例えば、負荷トルクが3kgfcm、モジュールmが0.5、樹脂材質の歯対剛性が5.76N/m、基礎円半径rbが5.6mm、噛み合い率が3.28である場合、歯の変位量は28μmとなる。よって、このような条件の場合、28μm程度、出力歯車16の歯が変位するので、これ以内の偏心であれば、歯変位の影響の方が大きく、2つの遊星歯車21の両方が常に出力歯車16と噛み合っている状態が確保される。
【0057】
以上、上記実施形態1の複写機は、駆動対象である感光体ドラム1Yの駆動装置として、駆動源であるステータコア20の回転数を感光体ドラム1Yが必要とする回転数まで減速し、ステータコア20からの回転力を伝達するための遊星差動歯車減速装置を備えている。この遊星差動歯車減速装置は、感光体ドラム1Yに連結される出力軸11に固定された出力歯車16を備えている。また、その出力歯車16よりも少ない歯数を有し、その出力歯車16と同軸上に配置され、かつ、回転不能に固定された固定歯車14を備えている。また、ステータコア20からの回転力により出力歯車16及び固定歯車14の外周を回転駆動される遊星歯車軸22に回転自在に支持され、出力歯車16及び固定歯車14の双方に噛み合いながら遊星回転する2つの遊星歯車21を備えている。2つの遊星歯車21は、遊星回転の中心軸について互いに軸対称となる位置に配置されている。そして、出力歯車16の歯部分は、感光体ドラム1Yが回転駆動している間の噛み合いによって生じる接触圧によって変形可能な弾性部材で構成されている。これにより、上記のとおり、感光体ドラム1Yの回転駆動中、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車16及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態を確保することができ、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制できるという効果を得ることができる。
また、上記実施形態1において、出力歯車16の歯部分の縦弾性係数は、その歯部分に接触圧が加わったときに変形する変形量が出力歯車16の偏心量とその出力歯車16の角速度変動の許容範囲とに基づいて求められる必要な変形量となるような縦弾性係数を有している。これにより、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を許容範囲内に収めることができる。
また、上記実施形態2の複写機は、上記実施形態1の複写機と同様の遊星差動歯車減速装置を備えているが、この遊星差動歯車減速装置においては、出力歯車116,216,316を、感光体ドラム1Yが回転駆動している間の噛み合いによって生じる接触圧によって変位させるための変位手段を備えている。これにより、上記のとおり、感光体ドラム1Yの回転駆動中、2つの遊星歯車21の両方が出力歯車116,216,316及び固定歯車14に対して常に噛み合った状態を確保することができ、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生していた角速度変動を抑制できるという効果を得ることができる。
特に、上記実施形態2では、上記変位手段として、この変位手段により変位する出力歯車116が固定された出力軸111を上記接触圧によって変形させるための軸変形手段として、出力軸111上に軸細部分111aを備えている。これにより、簡単な構成で上記接触圧によって出力歯車16を変位させることができる。
また、上記変形例で説明したように、上記変位手段として、この変位手段により変位する出力歯車が固定された出力軸を上記接触圧によって変位させるための軸変位手段として、出力軸11を軸受けする軸受部を変位させる機構を用いても、同様に出力歯車を変位させることができる。
【0058】
なお、上記実施形態1及び上記実施形態2の構成を互いに組み合わせてもよい。
また、上記実施形態1及び上記実施形態2では、本発明を、感光体ドラム1を駆動対象の回転体とする感光体駆動装置10に適用した場合について説明したが、モータの回転数を、必要な回転数に減速させる必要がある回転体の減速装置として広く利用することができる。例えば、本実施形態1に係る複写機であれば、例えば、中間転写ベルト5を回転駆動させるための駆動ローラ、定着ローラ対8、現像装置9の現像ローラ、1次転写ローラ6、2次転写ローラ7、レジストローラ等の回転体と駆動源との間の減速装置として利用することができる。また、本発明の減速装置は、複写機に限らず、他の技術分野における減速装置にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、高コストとなる高精度な加工や組み付けなどを行うことなく、遊星歯車の個数に応じた周波数で発生する角速度変動を抑制することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る複写機における感光体駆動装置の内部構成を示す断面図。
【図2】同複写機における画像形成部全体の概略構成図。
【図3】同複写機における感光ドラムの軸方向一端部外方に設置される感光体駆動装置の部分断面図。
【図4】同感光体駆動装置の斜視図。
【図5】同感光体駆動装置を出力軸の軸方向から見た正面図。
【図6】同感光体駆動装置における固定歯車と出力歯車の歯数差が偶数のときの遊星歯車の構造を示す外観図。
【図7】同感光体駆動装置における固定歯車と出力歯車の歯数差が奇数のときの遊星歯車の構造を示す外観図。
【図8】(a)は、シザーズ歯車として構成される遊星歯車の軸方向断面図。
(b)は、同遊星歯車の固定歯車に噛み合う部分を、出力歯車に噛み合う部分側から見た側面図。
(c)は、同遊星歯車の各遊星歯車部分を互いに逆回転方向に付勢するための板バネを示す外観図。
【図9】同感光体駆動装置のアウターロータモータの代わりに、インナーロータ型DCモータを適用した感光体駆動装置の部分断面図。
【図10】実施形態2に係る複写機における感光体駆動装置の出力軸を示す軸方向断面図。
【図11】(a)は、変形例における出力歯車を出力軸の軸上で部分的に切断したときの断面図。
(b)は、同出力歯車を出力軸の軸方向から見た側面図。
【図12】(a)は、出力歯車を変位させる他の構成に係る出力歯車を出力軸の軸上で部分的に切断したときの断面図。
(b)は、同出力歯車を出力軸の軸方向から見た側面図。
【図13】実施例における感光体駆動装置の2つの遊星歯車と出力歯車との噛み合い部分で発生するトルクを測定したときの測定結果を示すグラフ。
【図14】同感光体駆動装置の出力歯車に伝達されるトルクを示すグラフ。
【図15】実験例の実験結果を示すグラフ。
【図16】本発明者らが実験機として使用した遊星差動歯車減速装置を、出力軸上で部分的に切断したときの断面図。
【図17】同遊星歯車減速装置における各歯車のピッチ円を示す説明図。
【図18】同遊星歯車減速装置における2つの遊星歯車と出力歯車との噛み合い部分で発生するトルクを測定したときの測定結果を示すグラフ。
【図19】同遊星差動歯車減速装置を用い、その出力軸に加わる負荷トルクを変更したときの角速度変動率を測定した実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
5 中間転写ベルト
6 1次転写ローラ
7 2次転写ローラ
8 定着ローラ対
9 現像装置
10 感光体駆動装置
11,111,211,411 出力軸
14,411 固定歯車
16,116,216,316,416 出力歯車
17 回転ディスク
18,418 アウターロータ
19 磁石
20 ステータコア
21,121,421 遊星歯車
118 インナーロータ

Claims (3)

  1. 駆動源の回転数を像担持体が必要とする回転数まで減速し、該駆動源からの回転力を伝達するための遊星差動歯車減速装置において、
    上記像担持体に連結される出力軸に固定された出力歯車と、
    該出力歯車よりも少ない歯数を有し、該出力歯車と同軸上に配置され、かつ、回転不能に固定された固定歯車と、
    上記駆動源からの回転力により該出力歯車及び該固定歯車の外周を回転駆動される遊星歯車軸に回転自在に支持され、該出力歯車及び該固定歯車の双方に噛み合いながら遊星回転する2つの遊星歯車とを備えており、
    該2つの遊星歯車を、遊星回転の中心軸について互いに軸対称となる位置に配置し、
    上記出力歯車及び上記固定歯車のうちの少なくとも一方は、互いに別体の歯車中心に近い内側部と該中心から遠い外側部とからなる二重構造を有し、
    該内側部の外周面と該外側部の内周面との間には間隔を有し、
    該間隔に複数の弾性部材が配置され、
    上記弾性部材により上記内側部と上記外側部との周方向の相対的な移動が規定され
    前記弾性部材は、前記像担持体を回転駆動している間の噛み合いによって生じる接触圧が加わったときに、該弾性部材の変形する変形量が前記外側部の偏心量と前記出力歯車の角速度変動の許容範囲とに基づいて求められる変形量となるような縦弾性係数を有するものを用いたことを特徴とする遊星差動歯車減速装置。
  2. 請求項1の遊星差動歯車減速装置において、
    前記弾性部材が前記内側部の外周面と前記外側部の内周面とに形成した切り欠き部に嵌合させて設けられていることを特徴とする遊星差動歯車減速装置
  3. 動源の回転数よりも低い回転数で回転する像担持体を備えた画像形成装置において、
    上記駆動源の回転数を、上記像担持体が必要とする回転数まで減速し、該駆動源からの回転力を伝達するための減速手段として、請求項1又は2の遊星差動歯車減速装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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