JP4353678B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱される定着部材と、該定着部材に圧接する加圧部材とを有し、定着すべきトナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着部材に接する向きにして、前記定着部材と加圧部材との圧接により形成されたニップを通過させて、熱と圧力の作用により前記トナー像を記録材に定着させる定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置に上記形式の定着装置を採用することは従来より周知である。この形式の定着装置においては、記録材に担持されたトナーが定着部材と加圧部材により形成されたニップを通過するとき、そのニップ内で溶融するので、トナーが粘着剤として作用し、ニップを出た記録材が定着部材の表面から分離せずにその表面に巻きついてしまうおそれがある。特に、フルカラー画像を形成する画像形成装置においては、記録材上に異なった色の複数のトナー像が重ね合わされて形成され、かかる重ね合わせトナー像が定着装置により定着されるので、ニップ内で多量のトナーが溶融することになり、これによってトナーの粘着力が高まり、記録材が定着部材に一層巻きつきやすくなる。
【0003】
そこで、従来より、複数の分離爪より成る分離手段を定着部材の表面に当接させ、ニップを出た記録材を分離爪によって定着部材表面から分離し、記録材が定着部材の表面に巻きつくことを防止できるように構成している。ところが、分離爪は、その先端が定着部材の表面に接触しているので、分離爪によって定着部材の表面に傷がつけられるおそれがある。定着部材の表面に傷がつくと、ニップを通過するトナー像にその傷に対応する跡ができ、定着後のトナー像の画質が劣化する。
【0004】
このような欠点を除去するため、分離爪を定着部材表面から離間させて配置した定着装置が提案されている。ところが、分離爪を定着部材表面に対して非接触状態で配置すると、ニップを出た記録材が、定着部材の表面に付着したまま、定着部材と分離爪の間に入り込み、その記録材が定着部材に巻きついてしまうおそれがある。このように定着部材から離間した分離爪を用いると、記録材の分離機能が低下し、記録材が定着部材に巻きつく可能性が高まるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、定着部材への記録材の巻きつきを効果的に防止でき、しかも定着後のトナー像の画質が劣化する不具合を効果的に抑えることのできる冒頭に記載した形式の定着装置を有する画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、搬送される記録材の搬送方向先端側の余白部だけが前記ニップを出た時、該先端側の余白部が、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と該ニップの記録材搬送方向上流側端を結ぶ直線の延長線よりも加圧部材側を向くように構成すると共に、前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0007】
また、本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップにおける加圧部材の表面のアスカーC硬度を、該ニップにおける定着部材の表面のアスカーC硬度よりも高く設定し、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項2)。
【0008】
さらに、上記請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記定着部材は、ガイド部材に巻き掛けられた無端状の定着ベルトより成り、前記加圧部材は、前記定着ベルトを介して、前記ガイド部材に圧接し、加圧部材の表面のアスカーC硬度が、前記ガイド部材に巻き掛けられた定着ベルト部分の表面のアスカーC硬度よりも高く設定されていると有利である(請求項3)。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップにおいて、凸状をなした加圧部材が前記定着部材を凹状に弾性変形させていて、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項4)。
【0010】
さらに、上記請求項4に記載の画像形成装置において、前記ニップを出た記録材を前記加圧部材の表面から分離するための加圧部材側分離手段を設け、該加圧部材側分離手段の先端部を加圧部材の表面に当接させると有利である(請求項5)。
【0011】
また、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録材搬送方向に対して直交する向きの前記分離部材の各端部にギャップ保持部材を設け、該ギャップ保持部材を前記定着部材の記録材非通過領域に当接させて、該分離部材の先端と定着部材の表面との間の間隔を保持するように構成すると有利である(請求項6)。
【0012】
さらに、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記分離部材を、記録材搬送方向に対して直交する向きに引張るテンション付与手段を設けると有利である(請求項7)。
【0013】
さらに、上記請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナー像が、少なくとも樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーにより形成されると有利である(請求項8)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0015】
図1は画像形成装置の概略を示す垂直断面図であり、その画像形成装置本体1内には、記録材にトナー像を形成する作像手段2と、その作像手段に記録材を給送する給送手段3と、記録材上に形成されたトナー像を定着する定着装置4とが設けられている。図1には、定着装置4を単なるブロックで示してあるが、その具体的構成例は後述する。ここでは、先ず、作像手段2の概要を明らかにする。
【0016】
ここに例示した作像手段2は、像担持体の一例であるドラム状の感光体5を有し、この感光体5が時計方向に回転するとき、帯電装置6により感光体表面が所定の極性に帯電される。その帯電面に、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット7から出射する光変調されたレーザビームLが照射され、これによって感光体表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置8によってトナー像として可視像化され、そのトナー像は、給送手段3から送り出された記録材上に、転写装置9の作用により転写される。トナー像転写後の感光体表面に付着する転写残トナーはクリーニング装置10により除去される。
【0017】
給送手段3は、例えば転写紙又は樹脂シートなどから成る記録材Pを収容したカセット11を有し、給送ローラ12の回転によって、最上位の記録材Pがカセット11から送り出される。その送り出された記録材はレジストローラ対13の回転によって、感光体5と転写装置9との間の転写部に給送され、ここで、前述のように感光体5上のトナー像が記録材上に転写される。このようにしてトナー像を担持した記録材は、矢印Aで示すように定着装置4に送り込まれてその定着装置4を通り、このとき、後述するように記録材上のトナー像が定着される。定着装置4を通過した記録材は、機外のトレイ14上に排出される。
【0018】
図2は定着装置4の一例を示す拡大断面図であり、ここに示した定着装置4は、定着ローラ15として構成された定着部材と、この定着ローラ15に圧接した加圧ローラ16として構成された加圧部材とを有し、これらのローラ15,16が互いに圧接することによりニップNが形成される。定着ローラ15と加圧ローラ16は、その外周が円形状の横断面形状を有する円柱状に形成されている。図示した例では、これらのローラ15,16は、内部が中空な円筒状に形成され、かかる定着ローラ15は時計方向に回転し、加圧ローラ16は反時計方向に回転する。
【0019】
両ローラ15,16の圧接により形成されたニップNは、加熱手段によってトナー像の定着に適した適正温度に制御される。この例では、定着ローラ15と加圧ローラ16の内部に熱源としてのハロゲンヒータ17,18がそれぞれ設けられ、図示していない温度制御手段によって、ヒータ17,18への通電のON,OFFが制御され、ニップNの温度が適正温度に保たれる。
【0020】
未定着トナー像Tを担持した記録材Pは、矢印Aで示すように定着装置4に送り込まれ、当該記録材Pは、そのトナー像Tが定着ローラ15の表面に接する向きにして、ニップNを通過し、熱と圧力によりトナー像Tが記録材P上に定着される。
【0021】
上述のように、定着装置は、加熱されながら回転する定着部材と、この定着部材に圧接しながら回転する加圧部材とを有し、定着すべきトナー像を担持した記録材を、そのトナー像が定着部材に接する向きにして、定着部材と加圧部材との圧接により形成されたニップを通過させて、熱と圧力の作用により上記トナー像を記録材に定着させるように構成されている。かかる基本構成は、後述する各例の定着装置においても変りはない。前述のように、図2に示した例では、定着部材が回転する定着ローラ15により構成され、加圧部材はその定着ローラ15に圧接しながら回転する加圧ローラ16により構成されているが、後述する如く、定着部材を、ガイド部材に巻き掛けられて回転する無端状の定着ベルトにより構成し、また加圧部材を、ガイド部材に巻き掛けられて回転する無端状の加圧ベルトにより構成することもできる。このように、定着部材と加圧部材は各種の形態に構成することができる。
【0022】
ここで、図2に示した定着装置4において、記録材Pに担持されたトナー像Tが定着ローラ15と加圧ローラ16との間のニップNを通過するとき、トナーはニップN内で溶融する。このときのトナーの粘着力によってニップNから出た記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことを防止するために次の構成が採用されている。
【0023】
図3は、定着ローラ15と加圧ローラ16とにより形成されたニップNと、このニップNを通過する記録材Pの拡大説明図である。図2及び図3に示すように、ニップNの出口近傍に、ニップNを出た記録材Pを、定着部材(この例では定着ローラ15)の表面から分離するための定着部材側分離手段19が、当該定着部材の表面に対して非接触状態で配置されている。定着部材側分離手段は適宜な形態に構成できるが、ここに示した定着部材側分離手段19はシート状の分離部材20によって構成されている。
【0024】
一方、記録材Pには、図4に斜線を付し、かつ符号IAを付して示した画像領域にトナー像が形成され、その画像領域IAの外側の縁領域は、トナー像の形成されない余白部Mとなっている。記録材Pは矢印Aで示す方向に搬送されて定着装置4に進入するが、その搬送方向先端側の余白部M1の、当該搬送方向Aにおける幅をWとする。この幅Wは例えば2乃至5mm程度である。図2及び図3は、上記先端側の余白部M1だけが丁度ニップNから出た時の様子を示している。これは、図5乃至図10においても同様である。
【0025】
ここで、図3に示すようにニップNの出口端、すなわちニップNの記録材搬送方向下流側端NEと、分離部材20の定着部材を向いた側の先端との間のギャップをGとすると、そのギャップGは、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向Aにおける前述の幅Wよりも小さく設定されている(G<W)。従って、図2及び図3に示したように、記録材Pの先端側の余白部M1の全体だけがニップNから出た時には、定着部材側分離手段19の先端は、その余白部M1と定着ローラ15との間の空間領域に入り込んだ状態で位置する。
【0026】
一方、加圧ローラ16の表面のアスカー(Asker)C硬度は、定着ローラ15の表面のアスカーC硬度よりも高く設定され、好ましくは、加圧ローラ16の表面のアスカーC硬度が定着ローラ15の表面のアスカーC硬度よりも20乃至40Hs大きくなるように構成されている。このようにニップNにおける加圧部材(この例では加圧ローラ16)の表面のアスカーC硬度を、該ニップNにおける定着部材(この例では定着ローラ15)の表面のアスカーC硬度よりも高く設定することにより、図2及び図3に示す如く、加圧ローラ16は、定着ローラ15の側に食い込むように、その定着ローラ15の表面を圧縮変形させる。ニップNにおいて、凸状をなした加圧部材が定着部材を凹状に弾性変形させるのである。
【0027】
従って、図2及び図3に示すように、記録材Pの先端側の余白部M1だけがニップNから出た時には、その余白部M1は、加圧ローラ16の周面に沿った姿勢、すなわち定着ローラ15の周面から大きく離れた向きの姿勢をとる。先端側の余白部M1にはトナー像が形成されていないので、その余白部M1がトナーの粘着力によって定着ローラ15の表面に付着しようとせず、余白部M1は、ニップNにおいて定着ローラ15の側に食い込んだ加圧ローラ16の周面に沿うようにしてニップNから排出されるのである。このとき、余白部M1と定着ローラ15の表面とは大きな距離をあけており、この状態で記録材Pの余白部M1が定着ローラ15の表面に巻きつくようなことはない。ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと、このニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線をLAとすると、搬送される記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側の余白部M1が、上記直線LAの記録材搬送方向側に引いた延長線LAAよりも加圧部材(この例では加圧ローラ16)側を向くように構成されているのである。
【0028】
記録材Pが図2及び図3に示した状態よりもさらに矢印A方向に搬送されると、図4に示した画像領域IAがニップNから排出され始まる。すると、その画像領域IA上のトナーの粘着力により記録材Pが定着ローラ15の表面に付着し、ないしは付着しようとするので、記録材Pは定着ローラ15の側に引張られていく。薄紙のような腰の弱い記録材の場合にはその傾向が顕著となる。
【0029】
ところが、定着ローラ15の近傍に定着部材側分離手段19が設けられているので、図3に鎖線で示すように、記録材Pが定着部材側分離手段19に当り、その分離手段19によって案内され、記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことが阻止される。定着部材側分離手段19は定着ローラ15の表面から離間して配置されてはいるが、ギャップGが余白部M1の幅Wよりも小さく設定されているので、トナーの粘着力により定着ローラ15の側に引張られた記録材Pが、定着ローラ15の表面に付着したまま、ギャップGを通って定着ローラ15の表面に巻きついてしまうことが阻止される。ニップNを出た記録材Pは、引き続き、上側に位置する定着部材側分離手段19と、その下方に位置するガイド部材21によって案内されながら搬送される。
【0030】
上述のように、ニップNを出た記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことを防止でき、しかも定着部材側分離手段19は定着ローラ15の表面に接触していないので、硬度が低く、従って傷の付きやすい定着ローラ15の表面に、定着部材側分離手段19によって傷がつけられる不具合を阻止できる。
【0031】
図1に示した画像形成装置は、記録材P上に単色、通常は黒色のトナー像を形成するように構成されているが、カラー画像を形成する画像形成装置においては、記録材上に、例えばイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及び黒色トナー像が重ねて形成され、かかる重ねトナー像を定着装置によって定着するので、従来は記録材が特に定着部材に巻きつきやすかったが、カラー画像を形成する画像形成装置の場合も、上述の構成を採用することによって、定着部材に傷がつくことを阻止しつつ、記録材が定着部材に巻きつくことを防止することができる。
【0032】
ここで、図2に示した定着装置4のより具体的な構成例を説明する。
【0033】
定着ローラ15は、芯金23と、その外周面に積層された弾性層24を有し、その弾性層24の外周面に離型層25が積層され、定着ローラ15の外径は、例えば40mmである。芯金23は、例えば外径が34mm、肉厚が1mmの鉄製中空ローラにより構成され、弾性層24は、例えば厚さ3mmのシリコーンゴムにより形成され、離型層25は例えば10μm乃至30μmの厚さのPFAチューブにより構成される。かかる離型層25を設けることにより、トナーの粘着力によって記録材Pが定着ローラ表面に付着することを抑制できる。
【0034】
加圧ローラ16は、例えば外径38mm、肉厚が1mmの鉄製中空ローラより成る芯金26と、その外周面に積層された弾性層27と、その外周面に積層された離型層28から成り、弾性層27は例えば層厚1mmのシリコーンゴムより成り、離型層28は例えば層厚10μm乃至30μmのPFAチューブにより構成される。
【0035】
定着ローラ15の表面硬度はアスカーC硬度で例えば45Hs、加圧ローラ16の表面硬度は同じくアスカーC硬度で例えば80Hsに設定されている。このように加圧ローラ16の方が硬いので、その加圧ローラ16が定着ローラ15の表面に食い込んだ状態で定着ローラ15を弾性変形させ、ニップNは加圧ローラ16の外形に沿った形態に形成される。
【0036】
図5に示した定着装置4においては、定着部材が無端状の定着ベルト15Aにより構成されている。この定着ベルト15Aは、2つのガイドローラ15B,15Cより成るガイド部材に巻き掛けられている。ガイド部材の数は3以上であってもよい。一方、加圧部材は、図2に示した定着装置と同様に円筒状の加圧ローラ16により構成され、この加圧ローラ16と、ガイドローラ15B,15Cは、その外周が円形となった横断面形状を有する円柱状に形成されている。図5に示した例では、いずれのローラ15B,15C,16も内部が中空な円筒状に形成されている。
【0037】
加圧ローラ16は、定着ベルト15Aを介して一方のガイドローラ15Bに圧接しており、これにより加圧ローラ16の外周面が定着ベルト15Aの外周面に圧接し、その圧接によりニップNが形成される。ガイドローラ15B,15Cと加圧ローラ16はそれぞれ矢印方向に回転し、これによって定着ベルト15Aが矢印B方向に回転駆動される。このように無端状の定着ベルト15Aが回転するとき、ガイドローラ15B,15Cは、その定着ベルト15Aを案内する用をなし、しかも加圧ローラ16に対向した一方のガイドローラ15Bは、加圧ローラ16と協働してニップNを形成し、他方のガイドローラ15Cは、定着ベルト15Aに張力を付与するテンションローラとしての用をなす。後述すように、ガイドローラ以外のガイド部材を用い、そのガイド部材に定着ベルト15Aを巻き掛けてもよく、また加圧ローラ16を定着ベルト15Aを介して複数のガイド部材に圧接させてもよい。定着部材を、複数のガイド部材に巻き掛けられて回転する無端状の定着ベルトにより構成し、加圧部材を、定着ベルトを介して、少なくとも1つのガイド部材に圧接して回転する加圧ローラにより構成するのである。
【0038】
両ガイドローラ15B,15Cの上述した機能に着目し、以下の説明では、必要に応じて、一方のガイドローラ15Bを対向ローラと称し、他方のガイドローラ15Cをテンションローラと称することにする。
【0039】
また、図5に示した定着装置においては、テンションローラ15Cと加圧ローラ16の内部にヒータ17A,18が設けられ、これらのヒータ17A,18によって定着ベルト15Aと加圧ローラ16が加熱され、該ヒータ17A,18への通電がON,OFF制御されて、ニップNの温度がトナー像の定着に適した適正温度に保たれる。
【0040】
この例の場合も、定着すべきトナー像Tを担持した記録材Pが、矢印Aで示すように、そのトナー像Tが定着ベルト15Aの表面に接する向きにしてニップNを通過し、熱と圧力の作用によりトナー像Tが記録材P上に定着される。
【0041】
図5に示した定着装置4においても、加圧ローラ16より成る加圧部材の表面のアスカーC硬度が、ガイド部材(図の例では対向ローラ15B)に巻き掛けられた定着ベルト部分の表面で測定したアスカーC硬度よりも高く設定されている。このように、図5に示した定着装置4も、ニップNにおける加圧ローラ16の表面のアスカーC硬度をニップNにおける定着ベルト15Aの表面のアスカーC硬度よりも高く設定することにより、図2に示した定着装置の場合と同じく、搬送される記録材の搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側の余白部M1が、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと該ニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線LAの記録材搬送方向側への延長線LAAよりも加圧部材(図の例では加圧ローラ16)の側を向く。しかもニップNを出た記録材Pを定着ベルト15Aより成る定着部材の表面から分離するための定着部材側分離手段19が、その定着部材の表面に対して非接触状態で配置され、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと定着部材側分離手段19の定着部材を向いた側の先端との間のギャップGが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されている。
【0042】
上記構成により、図2及び図3に示した定着装置と全く同様に、記録材Pが定着ベルト15Aより成る定着部材に巻きつくことを防止し、定着部材側分離手段19によって定着ベルト15Aの表面に傷がつけられることを阻止でき、定着後のトナー像の画質を高め、定着ベルト15Aの寿命を伸ばすことができる。ニップNを出た記録材Pは、定着部材側分離手段19と、ガイド部材21により案内され搬送され、トレイ14(図1)に排出されることも図2及び図3に示した定着装置と変りはない。
【0043】
図5に示した定着装置4のより具体的な構成例を説明すると、対向ローラ15B及び加圧ローラ16は、図2に示した定着装置の定着ローラ15及び加圧ローラ16とそれぞれ同じく構成できる。定着ベルト15Aは、例えば、厚さ50μmのポリイミド樹脂の基体上に、アスカーC硬度で30Hsのシリコーンゴムを0.2mm厚で積層し、その上に離型層としてPFAを厚さ5μmにコーティングしたものを用いることができる。また、図5に示したニップNは、加圧ローラ16が対向ローラ15Bに対向しない部位で定着ベルト15Aのみに当接する第1のニップ部分と、加圧ローラ16が定着ベルト15Aを介して対向ローラ15Bに当接した第2のニップ部分により形成されている。これにより、定着ベルト15Aの周方向に広い範囲のニップNを形成でき、加圧ローラ16と定着ベルト15Aとの圧接力を比較的小さくし、しかもニップNの適正温度を低くすることができる。
【0044】
また、図2に示した定着装置においては、定着ローラ15が、熱伝導率の悪いゴム性の弾性層24の内部からヒータ17により加熱されるので、定着装置の立上げ時に定着ローラ15がトナー像の定着に適した温度に上昇するまでに長い時間を必要とするが、図5に示した定着装置では、厚さが薄く、熱容量が小なる定着ベルト15Aを定着部材として用い、しかもその定着ベルト15Aを、対向ローラ15Bの内部から加熱するのではなく、厚さの薄いテンションローラ15C内のヒータ17Aによって加熱しているので、定着ベルト15Aがトナー像の定着に適した温度に上昇するまでの時間を短縮することができる。
【0045】
図2及び図5に示した定着装置においては、記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNを出た時、その余白部M1が延長線LAAよりも加圧部材側を向くようにするために、定着ローラ15又は定着ベルト15Aにより構成された定着部材の表面硬度と、加圧ローラ16より成る加圧部材の表面硬度を前述のように設定したが、その際、定着部材が定着ベルト15Aより成るときは、前述のように、その定着部材表面の硬度は、対向ローラ15Bに巻き掛けられた定着ベルト部分の表面において測定したときの硬度である。要は、定着部材がいずれの形態であるときも、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける加圧部材の表面のアスカーC硬度を、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける定着部材の表面のアスカーC硬度よりも高く設定することにより、先端側余白部M1だけがニップNを出た時、その余白部M1が、延長線LAAよりも加圧部材側を向くように構成することができる。
【0046】
図6及び図7に定着装置4の他の例を示す。ここに示した定着装置4の基本構成は、図2に示した定着装置と実質的に変りはない。よって、図2に示した定着装置4の各部分に対応する図6に示した定着装置の各部分には、図2と同じ符号を付してその基本構成とその作用の説明は省略する。
【0047】
図6及び図7に示した定着装置4が図2に示した定着装置と異なるところは、定着ローラ15より成る定着部材の表面のアスカーC硬度と、加圧ローラ16より成る加圧部材の表面のアスカーC硬度が、ほぼ等しく設定されている点である。このように定着ローラ15と加圧ローラ16の表面硬度を設定することにより、定着ローラ15と加圧ローラ16で形成されるニップNにおいて両ローラ15,16はほぼ平坦な形態に圧縮変形して、直線状のニップNが形成される。従って、図7に示すように、搬送される記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側の余白部M1が、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと該ニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線LBの記録材搬送方向側への延長線LBBの方向をほぼ向くことになる。また、図6及び図7に示した定着装置4にも、ニップNを出た記録材Pを定着ローラ15より成る定着部材の表面から分離するための定着部材側分離手段19が、その定着部材の表面に対して非接触状態で配置され、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと、定着部材側分離手段19の定着部材を向いた側の先端との間のギャップGが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されている。
【0048】
図6及び図7に示したように、記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNを出た時に、その余白部M1にはトナー像が形成されていないので、その余白部M1がトナーの粘着力によって定着ローラ15の表面に付着しようとせず、余白部M1は、ニップNの延長線LBBに沿ってニップNから排出され、この状態で記録材Pの余白部M1が定着ローラ15の表面に巻きつくようなことはない。記録材Pが図6及び図7に示した状態よりもさらに矢印A方向に搬送されると、図4に示した画像領域IAがニップNから排出され始まり、その画像領域IA上のトナーの粘着力により記録材Pが定着ローラ15の表面に付着し、ないしは付着しようとするので、記録材Pは定着ローラ15の側に引張られていくが、定着ローラ15の近傍に定着部材側分離手段19が設けられているので、記録材Pが定着部材側分離手段19に当り、その分離手段19によって案内され、記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことが阻止される。この場合も、定着部材側分離手段19は定着ローラ15
の表面から離間して配置されてはいるが、ギャップGが余白部M1の幅Wよりも小さく設定されているので、トナーの粘着力により定着ローラ15の側に引張られた記録材Pが、定着ローラ15の表面に付着したまま、ギャップGを通って定着ローラ15の表面に巻きついてしまうことが阻止される。定着装置4を通過した記録材Pは図1に示したトレイ14上に排出される。
【0049】
上述のように、図6及び図7に示した定着装置4においても、ニップNを出た記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことを防止でき、しかも定着部材側分離手段19は定着ローラ15の表面に接触していないので、硬度が低く、従って傷の付きやすい定着ローラ15の表面に、定着部材側分離手段19によって傷がつけられる不具合を阻止できる。しかも、ニップNが平坦な形状となっているので、図2及び図5に示した例のようにニップNが湾曲している場合よりも、ニップを出た記録材がカールし難くなる利点も得られる。
【0050】
図6に示した定着装置4の定着ローラ15と加圧ローラ16は、例えば、図2に示した定着装置4の定着ローラ16と同様に構成することができる。また、図6に示した定着ローラ15及び加圧ローラ16の表面硬度は、アスカーC硬度で例えば45Hsとすることができる。このように両ローラ15,16の表面が略同一の硬度であるため、ニップNは略平坦な形態に形成される。
【0051】
図8にさらに他の定着装置4の例を示す。ここに示した定着装置4の基本構成は、図5に示した定着装置と実質的に変りはない。図5に示したテンションローラ15Cは、対向ローラ15Bの右方に位置しているのに対し、図8に示したテンションローラ15Cは対向ローラ15Bの上方に位置しているが、この相違は基本的な相違ではない。よって図5に示した定着装置の各部分に対応する図8に示した定着装置の各部分には、図5と同じ符号を付し、その基本構成とその作用の説明は省略する。
【0052】
図8に示した定着装置が図5に示した定着装置と異なるところは、対向ローラ15Bに巻き掛けられた定着ベルト15Aの部分の表面で測定したアスカーC硬度が、加圧部材の一例である加圧ローラ16の表面のアスカーC硬度とほぼ同一に構成されている点である。従って、図8に示した定着装置4においても、図6及び図7に示した定着装置の場合と同じく、搬送される記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側の余白部M1が、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと該ニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線LBの記録材搬送方向側への延長線LBBの方向をほぼ向く。しかも、ニップNを出た記録材Pを定着ベルト15Aより成る定着部材の表面から分離するための定着部材側分離手段19が、その定着部材の表面に対して非接触状態で配置され、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと定着部材側分離手段19の定着部材を向いた側の先端との間のギャップGが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されている。これにより、図6及び図7に示した定着装置と同様に、記録材Pが定着ベルト15Aの表面に巻き付くことを阻止でき、しかも定着ベルト15Aの表面に、定着部材側分離手段19によって傷がつけられる不具合を阻止でき、さらにニップNを出た記録材Pがカールしやすくなる不具合も防止できる。
【0053】
図6乃至図8に示した定着装置においては、記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNを出た時、その余白部M1が延長線LBBの方向をほぼ向くようにするために、定着ローラ15又は定着ベルト15Aにより構成された定着部材の表面硬度と、加圧ローラ16より成る加圧部材の表面硬度を前述のようにほぼ等しく設定したが、この場合も、定着部材が定着ベルト15Aより成るときは、その定着部材表面の硬度は、対向ローラ15Bに巻き掛けられた定着ベルト部分の表面において測定したときの硬度である。要は、定着部材がいずれの形態であるときも、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける定着部材の表面のアスカーC硬度と、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける加圧部材の表面のアスカーC硬度とをほぼ等しく設定することにより、先端側余白部M1だけがニップNを出た時、その余白部M1が、ほぼ延長線LBBの方向を向くように構成することができる。
【0054】
ところで、図1に示した画像形成装置は、記録材Pの一方の面にだけトナー像を形成するように構成されているが、記録材の一方の面に感光体上のトナー像を転写し、そのトナー像を定着装置により定着した後、当該記録材を、その表裏を反転させて再び感光体に送り込み、その記録材の他方の面に感光体上のトナー像を転写し、その転写トナー像を定着装置によって定着する画像形成装置も従来より周知である。記録材の一方の面に形成されたトナー像と、記録材の他方の面に形成されたトナー像とを区別する必要のあるときは、前者を第1トナー像、後者を第2トナー像と称することにする。
【0055】
記録材を定着装置のニップに通過させて第2トナー像を定着するとき、記録材の一方の面に既に定着されている第1トナー像もニップを通過し、その第1トナー像が加圧部材に接触する。このとき、加圧部材も加熱されているので、第1トナー像がその熱によって溶融し、ニップを出た記録材が加圧部材の表面に巻きつくおそれがある。
【0056】
そこで、図2及び図5に示した定着装置4においては、ニップNを出た記録材Pを加圧部材(図の例では加圧ローラ16)の表面から分離するための加圧部材側分離手段22が設けられており、しかもその分離手段22の加圧部材を向いた側の先端部が加圧部材の表面に当接している。加圧部材側分離手段22は、例えば、加圧ローラ16の軸方向に配列された複数の分離爪、或いは1枚のシート状の分離部材などから構成される。
【0057】
図2および図5に示すように、ニップNに進入する記録材Pの一方の面に既に定着されている第1トナー像TAが担持され、記録材Pの他方の面に定着装置4により定着すべき第2トナー像Tが担持されている場合には、この記録材PがニップNを通過するとき、第1のトナー像TAも加熱されて溶融するので、ニップNを出た記録材Pが加圧ローラ16の表面に巻き付くことがあるが、この場合には、加圧ローラ16の表面に当接した加圧部材側分離手段22によって、記録材Pが加圧ローラ16の表面から分離される。
【0058】
加圧部材側分離手段22は、その先端部が加圧ローラ16より成る加圧部材の表面に当接しているので、加圧ローラ16の表面に巻きつこうとする記録材を確実にその表面から分離することができる。その際、前述のように加圧ローラ16の表面硬度は定着ローラ15の表面硬度よりも高く、加圧ローラ16の表面は傷がつき難くなっているので、当該表面に当接する加圧部材側分離手段22によって加圧ローラ16の表面に傷が付けられる不具合を防止できる。
【0059】
また、図6乃至図8に示した定着装置においては、前述のように、搬送される記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側余白部M1が、延長線LBBの方向をほぼ向くように構成されているが、そのほか、ニップNを出た記録材Pを、加圧ローラ16より成る加圧部材の表面から分離するための加圧部材側分離手段19Aが、その加圧部材の表面に対して非接触状態で配置され、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと、加圧部材側分離手段19Aの加圧部材を向いた側の先端との間のギャップGAが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されている。この加圧部材側分離手段19Aも適宜な形態に構成できるが、ここに示した加圧部材側分離手段19Aは、シート状の分離部材20Aによって構成されている。
【0060】
ニップNに進入する記録材Pの一方の面に既に定着されている第1トナー像TAが担持され、その他方の面に定着装置4によって定着すべき第2トナー像Tが担持されている場合、第1トナー像TAがニップNを通過するとき、そのトナーが溶融し、これによって記録材Pが加圧ローラ16の表面に付着したとき、加圧部材側分離手段19Aが、定着部材側分離手段19の場合と全く同様にして、その記録材が加圧ローラ16の表面に巻きつくことを防止する。また、加圧部材側分離手段19Aも、加圧ローラ16の表面から離間しているので、その表面に傷がつけられる不具合を阻止できる。
【0061】
また、図6乃至図8に示した定着装置においては、前述の定着部材側分離手段19と、上述の加圧部材側分離手段19Aが共に設けられているので、記録材Pが定着部材と加圧部材のいずれの表面に巻き付くことも防止でき、かつこれらの部材の表面に分離手段の接触による傷が付けられることを阻止できる。
【0062】
図9に示した定着装置4も記録材が加圧部材の表面に巻きつくことを防止できるように構成されている。図9に示した定着装置の基本構成とその基本的な動作は、図2に示した定着装置と変りはない。異なるところは、加圧ローラ16の表面のアスカーC硬度が、定着ローラ15の表面のアスカーC硬度よりも低く設定され、ニップNにおいて定着ローラ15が加圧ローラ16を弾性的に圧縮変形させている点である。また、図9に示した定着装置では、加圧ローラ16内にはヒータは設けられておらず、定着ローラ15内にヒータ17が設けられ、このヒータ17によって定着ローラ15が加熱され、ニップNがトナー像の定着に適した適正温度に保たれる。定着ローラ15の表面硬度と加圧ローラ16の表面硬度の差は、この場合も、アスカーC硬度で例えば20乃至40Hs程度に設定される。
【0063】
記録材Pの一方の面には、既に定着されている第1トナー像TAが担持され、記録材Pの他方の面には、定着装置4により定着すべき未定着の第2トナー像Tが担持され、かかる記録材Pが矢印方向に回転する定着ローラ15と加圧ローラ16の間のニップNに矢印Aで示すように送り込まれ、ここを通過することによって、第2トナー像Tが記録材Pに定着される。
【0064】
このとき、第1トナー像TAのトナーも加熱されて溶融するが、ニップNを出た記録材Pが、第1トナー像のトナーの溶融により加圧ローラ16の表面に巻きつくことを防止するため、ニップNを出た記録材Pを加圧ローラ16より成る加圧部材の表面から分離するための加圧部材側分離手段19Aが、その加圧部材の表面に対して非接触状態で配置されている。図9も、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の全体が丁度、ニップNから出た時の状態を示しているが、この図から判るように、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと加圧部材側分離手段19Aの加圧部材を向いた側の先端との間のギャップGAが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されている。かかる加圧部材側分離手段19Aも、例えばシート状の分離部材20Aにより構成される。
【0065】
図9に示した定着装置では、定着ローラ15の表面硬度の方が、加圧ローラ16の表面硬度よりも高く設定されているので、搬送される記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNから出た時、その余白部M1は定着ローラ15の表面に沿った姿勢をとり、加圧ローラ16の表面から大きく離間する。搬送される記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、該先端側の余白部M1が、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと該ニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線LCの記録材搬送方向側の延長線LCCよりも定着部材側を向くように構成されているのである。
【0066】
記録材Pの画像領域IA(図4参照)がニップNを出ると、他方の面に担持された第2トナー像TのトナーがニップNで溶融するので、記録材Pが定着ローラ15の側に引張られることがあるが、記録材Pの一方の面に形成された第1トナー像TAのトナーもニップNで溶融するので、記録材Pが加圧ローラ16の側に引張られることもある。ギャップGAが余白部M1の幅Wよりも小さく、しかも加圧ローラ16の表面硬度が定着ローラ15の表面硬度よりも低く、余白部M1だけがニップNから出たとき、その余白部M1が加圧ローラ16の表面にトナーの粘着力で付着することはないので、記録材Pが加圧ローラ16の側に引張られたとき、記録材Pが加圧ローラ16の表面に巻きつくことはない。しかも、加圧部材側分離手段19Aは、表面硬度が低く、したがって傷がつきやすい加圧ローラ16の表面から離間して位置しているので、その表面に傷がつけられることもない。
【0067】
また、定着ローラ15の表面には又はシート状の分離部材などから成る定着部材側分離手段22Aの先端部が当接しており、従ってニップNを出た記録材Pが定着ローラ15の表面に付着しても、その記録材Pは即座に定着部材側分離手段22Aによって定着ローラ15の表面から分離され、記録材Pが定着ローラ15の表面に巻きつくことはない。定着部材側分離手段22Aは定着ローラ15の表面に当接しているが、その定着ローラ15の表面硬度が高いので、その表面に傷がつけられることを防止できる。このように、定着部材側分離手段22Aを定着ローラ15の表面に当接させることにより、定着ローラ15への記録材Pの巻き付きを確実に防止することができる。ニップNを出た記録材Pは加圧部材側分離手段19Aと、その上方に配置されたガイド部材21Aによって案内されながら搬送される。
【0068】
上述のように、記録材Pが定着ローラ15と加圧ローラ16に巻きつくことを阻止でき、しかも両ローラ15,16の表面に傷がつくことも防止でき、ニップNを通過した後の記録材Pの各面に形成された第1及び第2トナー像の品質が低下することを防止できる。
【0069】
図9に示した定着装置4のより具体的な構成を、その一例として説明すると、定着ローラ15としては、例えば、外径が40mmで肉厚が0.6mmの鉄製中空ローラの外周面にフッ素樹脂より成る離型層をコーティングしたものを使用できる。また加圧ローラ16としては、例えば、外径40mmのアルミニウム製の芯金上に厚さ5mmの発泡シリコーンゴム層を形成し、その外周面に厚さ30μmのPFAチューブを被せたものを使用することができる。この構成では、定着ローラ15に弾性層が設けられていないので、定着ローラ15の熱容量が小さくなり、電源ONから定着ローラ15が定着可能な温度に達するまでの立ち上がり時間を短くすることができる。
【0070】
また、定着部材の表面側の硬度を加圧部材の表面側の硬度よりも大きくする構成は、定着部材が定着ベルトより成るときも適用でき、図10にその一例を示す。図10に示した定着装置4の基本的な思想は図9に示した定着装置と変らないため、簡単に説明すると、ヒータ17A,17Bにより加熱される定着部材が、複数のガイド部材、この例では対向ローラ15Bとテンションローラ15Cに巻き掛けられて矢印B方向に回転する無端状の定着ベルト15Aにより構成され、定着部材に圧接する加圧部材は、定着ベルト15Aを介して、少なくとも1つのガイド部材、図10の例では対向ローラ15Bに圧接して矢印方向に回転する加圧ローラ16により構成されている。加圧ローラ16の表面のアスカーC硬度は、対向ローラ15Bに巻き掛けられた定着ベルト部分の表面で測定したアスカーC硬度よりも低く設定されている。
【0071】
定着すべき第2トナー像Tを担持した記録材Pは、その第2トナー像Tが、定着ベルト15Aに接する向きにして定着ベルト15Aと加圧ローラ16との圧接により形成されたニップNを通過し、熱と圧力の作用で第2トナー像Tが記録材Pに定着される。
【0072】
その際、上述の構成により、搬送される記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1だけがニップNを出た時、その先端側の余白部M1は、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと該ニップNの記録材搬送方向上流側端NSを結ぶ直線LCの記録材搬送方向側の延長線LCCよりも定着ベルト15Aより成る定着部材側を向く。
【0073】
矢印Aで示すようにニップNに進入する記録材Pの一方の面には、既に定着されている第1トナー像TAが形成されている。そして、ニップNを出た記録材Pを加圧ローラ16より成る加圧部材の表面から分離するための加圧部材側分離手段19Aが、その加圧部材の表面に対して非接触状態で配置され、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEと加圧部材側分離手段19Aの加圧部材を向いた側の先端との間のギャップGAが、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の、該搬送方向における幅Wよりも小さく設定されており、この構成によって、図9に示した定着装置の場合と同様に、記録材Pが加圧ローラ16に巻きつくことを防止でき、加圧部材側分離手段19Aによって表面硬度の低い加圧ローラに傷がつけられることも阻止できる。また定着ベルト15Aの表面に当接した定着部材側分離手段22Aによって、記録材Pが定着ベルト15Aに巻きつくことを防止できる。ニップNを出た記録材Pは、加圧部材側分離手段19Aとガイド部材21Aによって案内されて搬送される。
【0074】
図9及び図10に示した定着装置4の場合も、記録材Pの先端側余白部M1だけがニップNを出たとき、その余白部M1が延長線LCCよりも定着部材側を向くように、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける定着部材の表面のアスカーC硬度が、該ニップNの記録材搬送方向下流側端NEにおける加圧部材の表面のアスカーC硬度よりも高く設定されている。しかも、前述のように、ニップNを出た記録材Pを定着部材から分離するための定着部材側分離手段22Aが設けられ、その定着部材側分離手段22Aの先端部が定着部材の表面に当接しているので、記録材が定着部材に巻き付くことを効果的に阻止できる。その際、定着部材の表面の硬度が高いので、接触する定着部材側分離手段22Aにより定着部材の表面に傷がつくことを防止できる。
【0075】
ところで、上述した各実施形態例において、定着部材に対して離間して位置する定着部材側分離手段19の先端と、ニップNの記録材搬送方向下流側端NEとの間のギャップGは、記録材Pの搬送方向先端側の余白部M1の幅Wよりも小さく設定されているので、定着部材側分離手段19の先端は定着部材の表面に近接して位置する。定着部材側分離手段19をこのような位置に正しく配置するため、次の構成を採用すると有利である。
【0076】
図11は、図2及び図6に示した定着ローラ15に対して、シート状の分離部材20よりなる定着部材側分離手段19を位置決めするための一構成例を示している。図11に示すように、記録材の搬送方向に対して直交する向きの定着部材20の各端部に、ギャップ保持部材29がそれぞれ固定され、その各ギャップ保持部材29は、ねじ30を介して、支持部材31に支持されている。この支持部材31は、圧縮ばねなどからなる加圧部材32によって定着ローラ15の表面に向けて加圧されている。これにより、両ギャップ保持部材29が定着ローラ15の表面に当接する。その際、図12にも示すように、両ギャップ保持部材29は定着ローラ15の記録材非通過領域PA、すなわち記録材Pが通過しない定着ローラの長手方向各端部領域に当接する。これにより、記録材が通過する領域、すなわち記録材通過領域PBに対向した定着部材側分離手段19の先端と、定着ローラ15の表面との間の間隔と前述のギャップGが正しく保たれる。
【0077】
定着ローラ15の表面の位置は、そのローラの熱膨張や、偏心の影響を受けて一定ではないが、上述のように定着部材側分離手段19を位置決めすることにより、ギャップGを定着部材側分離手段19の長手方向全体に亘って常にほぼ一定に保つことができる。しかもギャップ保持部材29は、定着ローラ15の記録材非通過領域PAに当接するので、ギャップ保持部材29が定着ローラ15の記録材通過領域PBに傷を付けることはなく、ギャップ保持部材29が定着ローラ15の表面に当接することによる影響がトナー像に及ぼされることもない。
【0078】
定着部材が図5及び図8に示した定着ベルト15Aより成るときも、上述したところと全く同様にギャップ保持部材29を定着ベルト15Aの記録材非通過領域に当接させることによって、定着部材側分離手段19と定着ベルト15Aの表面との間の間隔とギャップGを正しく規制することができる。
【0079】
上述のように、記録材搬送方向に対して直交する向きの分離部材の各端部にギャップ保持部材を設け、その両ギャップ保持部材を定着部材の記録材非通過領域に当接させて、分離部材の先端と定着部材の表面との間の間隔を保持することにより、簡単に分離部材の先端を定着部材に近接させて正しく位置決めすることが可能となる。
【0080】
図6、図8、図9及び図10に示した定着装置の加圧部材側分離手段19Aを加圧ローラ16の表面に近接させて配置するためにも、図11及び図12に示した構成を採用できる。この場合には、図11及び図12に示した定着ローラ15の代りに、図6、図8、図9又は図10に示した加圧ローラ16が配置される。このように、記録材搬送方向に対して直交する向きの加圧部材側分離手段各端部にギャップ保持部材を設け、該ギャップ保持部材を加圧部材の記録材非通過領域に当接させて、加圧部材側分離手段の先端と加圧部材の表面との間の間隔を保持することができ、これによって加圧部材側分離手段を加圧部材の表面に近接させて正しく位置決めすることができる。しかも、ギャップ保持部材は、加圧部材の記録材非通過領域に当接するので、加圧部材の記録材通過領域に傷が付けられる不具合を防止できる。
【0081】
ところで、定着部材又は加圧部材から離間した定着部材側分離手段19と加圧部材側分離手段19Aとして、シート状の分離部材20,20Aの他に、1枚の板材より成る分離爪などによって構成された分離手段や、定着部材又は加圧部材の表面に沿って配置された複数の分離爪より成る分離手段などを適宜用いることができるが、定着部材側分離手段19と、加圧部材側分離手段19Aは定着部材または加圧部材に対して非接触で配置されるものであるため、その各分離手段19,19Aとして、図示した例のようなシート状又は板材などから成る1つの分離部材を用いることができる。分離手段が定着部材又は加圧部材の表面に当接していると、複数の分離爪より成る分離手段を用い、ばねによって、その各分離爪と定着部材又は加圧部材に対する当接圧を調整して、その当接圧が全て均一となるように構成する必要があるが、本例の定着部材側分離手段19と加圧部材側分離手段19Aは、定着部材又は加圧部材に接触していないので、その当接圧を調整する必要はなく、1つの分離部材により構成された定着部材側分離手段19と加圧部材側分離手段19Aを採用できるのである。各分離手段19,19Aをこのように構成することにより、部品点数の低減と、そのコストの低減を達成できる。また、定着部材側分離手段19と加圧部材側分離手段19Aが定着部材や加圧部材に当接する当接圧を調整するばねを設けなくともよいため、各分離手段19,19Aを記録材用のガイド部材や定着装置の筐体(図示せず)などと一体に形成することもできる。
【0082】
また、図11に示したように、定着部材側分離手段19を構成する1つの分離部材20に、通気のための1又は複数の開口36を形成すると、ニップNで加熱された記録材Pから出る水蒸気をその開口36を通して、例えば上方に逃がすことができ、これによって水蒸気が記録材Pに結露して、その品質を低下させる不具合を防止できる。開口36は、シート状の分離部材20の厚み方向に貫通している。同様に、加圧部材側分離手段19Aを構成する1つの分離部材20Aにも、通気のための1又は複数の開口を形成すると、その開口を通して、記録材から出る水蒸気を逃がすことができる。
【0083】
図示した例のように、定着部材側分離手段19と加圧部材側分離手段19Aをシート状の分離部材20,20Aにより構成した場合、特にその厚さが薄いと、これらの分離部材自体の熱膨張による波打ちや、その分離部材20,20Aに記録材が接触することによる変形によって、分離部材20,20Aと定着部材又は加圧部材との間の間隔が分離部材の長手方向において不均一となるおそれがある。そこで、定着部材側分離手段19及び加圧部材側分離手段19Aを、シート状の分離部材20,20Aにより構成した場合、その分離部材20,20Aを、記録材搬送方向に対して直交する向きに引張るテンション付与手段を設けることが望ましい。これにより、上記不具合の発生を防止できる。
【0084】
図11に示した分離部材20は、その長手方向各端部がギャップ保持部材29にそれぞれ固定され、その両ギャップ保持部材29がねじ30を介して支持部材31に支持されているが、そのねじ30を回すことにより、分離部材20を矢印方向に引張り、これに張力を付与し、該分離部材20を平坦に保つことができ、分離部材20と定着ローラ15との間の間隔を一定に保つことができる。このように、ねじ30は分離部材を引張るテンション付与手段の一例を構成している。加圧部材側分離手段19Aの分離部材20Aを引張るテンション付与手段も同様に構成することができる。
【0085】
シート状の分離部材20,20Aとしては、耐熱性の樹脂や金属より成る薄板を使用でき、例えば厚さ0.1mmのポリイミドシートの表面にフッ素樹脂をコーティングしたものを用いることができる。また、この分離部材20,20Aとして、厚さが0.2mm以上の金属シート又は金属製の板材を用いた場合、その剛性が高まるため、上述のテンション付与手段を設けなくとも、分離部材と定着部材又は加圧部材との間の間隔を一定に保つことが可能となる。
【0086】
ところで、以上説明した各定着装置において、定着部材又は加圧部材への記録材の巻きつきをより確実に防止するため、これらにシリコーンオイルなどの離型剤を塗布することができる。ところが、この構成を採用すると、記録材にオイルが付着して記録材が汚れたり、オイル塗布のためのメンテナンスが煩雑となり、しかもオイル塗布のための塗布部材が必要となって定着装置のコストが上昇する欠点を免れない。
【0087】
そこで、トナーとしてワックス含有のトナーを用い、トナー像が、少なくとも樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーにより形成されるように構成すると、離型剤の塗布を省いた所謂オイルレス化が可能となり、上述した不具合を除去することができる。
【0088】
以上説明した各構成は、上述した形式以外の定着装置にも広く適用できる。例えば、図5、図8及び図10に示した定着装置4においては、定着ベルト15Aを巻き掛けるガイド部材として、ガイドローラ、すなわち対向ローラ15Bとテンションローラ15Cを用いたが、図13に示した定着装置4においては、2つのガイドローラ33,34と、ヒータ35として構成されたガイド部材が用いられ、これらのガイド部材に定着ベルト15Aが巻き掛けられている。ヒータ35は、図に示していないが一対の電極と、その電極間に配置され、かつ定着ベルト15Aの内面に接触した抵抗体とを有し、その抵抗体に電流を供給することによって抵抗体を発熱させ、これによって定着ベルト15Aを加熱するように構成されている。かかる定着装置にも、図5、図8及び図10に関連して先に説明した構成を採用することができる。
【0089】
さらに、先にも説明したように、加圧部材を複数のガイド部材に巻き掛けられて回転駆動される加圧ベルトにより構成することもできる。この場合も、ガイド部材に巻き掛けられた加圧ベルト部分が定着部材に当接してニップが形成されるように構成した場合には、加圧ベルトの表面のアスカーC硬度は、ガイド部材に巻き掛けられた加圧ベルト部分の表面で測定した硬度である。なお、本明細書に記載したアスカーC硬度の値はアスカーC硬度計を用いてローラ又はベルトの表面硬度を直接測定した数値である。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、記録材が定着部材に巻きつくことを防止できると共に、分離部材により定着部材の表面に傷がつけられる欠点を防止できる。
【0091】
請求項5乃至8に係る各発明によれば、記録材が加圧部材に巻きつくことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】 定着装置の一例を示す断面図である。
【図3】 図2に示した定着装置の拡大説明図である。
【図4】 記録材の余白部を説明する図である。
【図5】 定着装置の他の例を示す断面図である。
【図6】 定着装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】 図6に示した定着装置の拡大説明図である。
【図8】 定着装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図9】 定着装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図10】 定着装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図11】 分離部材支持装置の一例を示す平面図である。
【図12】 図11に示したギャップ保持部材が定着ローラの表面に当接した様子を示す斜視図である。
【図13】 定着装置のさらに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
4 定着装置
20 分離部材
22 加圧部材側分離手段
29 ギャップ保持部材
36 開口
G ギャップ
LA 直線
LAA 延長線
M1 余白部
N ニップ
NE 記録材搬送方向下流側端
NS 記録材搬送方向上流側端
P 記録材
PA 記録材非通過領域
T トナー像
W 幅

Claims (8)

  1. 加熱される定着部材と、該定着部材に圧接する加圧部材とを有し、定着すべきトナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着部材に接する向きにして、前記定着部材と加圧部材との圧接により形成されたニップを通過させて、熱と圧力の作用により前記トナー像を記録材に定着させる定着装置を有する画像形成装置において、
    搬送される記録材の搬送方向先端側の余白部だけが前記ニップを出た時、該先端側の余白部が、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と該ニップの記録材搬送方向上流側端を結ぶ直線の延長線よりも加圧部材側を向くように構成すると共に、前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 加熱される定着部材と、該定着部材に圧接する加圧部材とを有し、定着すべきトナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着部材に接する向きにして、前記定着部材と加圧部材との圧接により形成されたニップを通過させて、熱と圧力の作用により前記トナー像を記録材に定着させる定着装置を有する画像形成装置において、
    前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップにおける加圧部材の表面のアスカーC硬度を、該ニップにおける定着部材の表面のアスカーC硬度よりも高く設定し、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記定着部材は、ガイド部材に巻き掛けられた無端状の定着ベルトより成り、前記加圧部材は、前記定着ベルトを介して、前記ガイド部材に圧接し、加圧部材の表面のアスカーC硬度が、前記ガイド部材に巻き掛けられた定着ベルト部分の表面のアスカーC硬度よりも高く設定されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 加熱される定着部材と、該定着部材に圧接する加圧部材とを有し、定着すべきトナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着部材に接する向きにして、前記定着部材と加圧部材との圧接により形成されたニップを通過させて、熱と圧力の作用により前記トナー像を記録材に定着させる定着装置を有する画像形成装置において、
    前記ニップを出た記録材を前記定着部材の表面から分離するためのシート状の分離部材を、前記定着部材の表面に対して非接触状態で配置し、前記ニップにおいて、凸状をなした加圧部材が前記定着部材を凹状に弾性変形させていて、前記ニップの記録材搬送方向下流側端と前記分離部材の先端との間のギャップを、前記記録材の搬送方向先端側の余白部の、該搬送方向における幅よりも小さく設定し、前記分離部材には、その厚み方向に貫通している開口が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記ニップを出た記録材を前記加圧部材の表面から分離するための加圧部材側分離手段を設け、該加圧部材側分離手段の先端部を加圧部材の表面に当接させた請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記記録材搬送方向に対して直交する向きの前記分離部材の各端部にギャップ保持部材を設け、該ギャップ保持部材を前記定着部材の記録材非通過領域に当接させて、該分離部材の先端と定着部材の表面との間の間隔を保持する請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記分離部材を、記録材搬送方向に対して直交する向きに引張るテンション付与手段を設けた請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記トナー像が、少なくとも樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーにより形成される請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
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