JP4353455B2 - 合成樹脂板の鏡面加工方法及びその装置 - Google Patents

合成樹脂板の鏡面加工方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイのバックライト用導光板等に使用する合成樹脂板の端面を鏡面加工する合成樹脂板の鏡面加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】
合成樹脂板の端面を鏡面加工する方法及び装置として、例えば特許文献1に示すように合成樹脂板、アルミニューム板等の軟質板材(9)を一定速度で直線移動させつつ、回転体(1)に取り付けた切削刃(3)によって該軟質板材(9)の端面(91)を極浅に切削して表面加工する方法において回転体(1)の軸心(10)を、該軸心(10)と軟質板材(9)の端面(91)とが成す角度aが鋭角となり、且つ切削刃(3)の直線状刃先(31)が軟質板材(9)の端面(91)に線当たりとなる様に、軟質板材(9)の端面(91)を切削することを特徴としている。
【0003】
即ち、回転体(1)の回転により、切削刃(3)の線状刃先(31)は、表面加工すべき軟質板材(9)の端面(91)に対して線当たりとなるため、従来の様に、刃先(31)が端面(91)に対して点当たりになることにより円弧状引っ掻き跡が隣り合って連続する模様が生じるのを防止している。
【0004】
また、軟質板材(9)の端面(91)と回転体(1)の軸心(10)の成す角度aとが、鋭角となる様に設定し、切削刃(3)の線状刃先(31)が、端面(91)に直接に線状に極浅に食い込んで瞬時に逃げるようにすることにより切削刃(3)が切削すべき端面(91)以外の部分に衝突したり、食い込んだりするのを防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−334404号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特許文献1による鏡面加工方法を、合成樹脂板、特に合成樹脂製導光板に適用した場合、以下の問題が生じている。
【0007】
即ち、鏡面加工される被加工素材としての合成樹脂板自体、予め射出成形機により成形されたものを使用している。この合成樹脂板を成形する際には、型締めされた一対の金型のゲートを介してキャビィティ内に溶融樹脂を射出して成形しているが、合成樹脂板のゲート部は高い射出圧で圧縮された状態で硬化しているため、その応力が高くなり、他の部位に比べて樹脂自体が硬くなっている。
【0008】
このような特性を有した合成樹脂板を、一定の速度で定速送りしながら回転する切削刃により切削して鏡面加工すると、高い応力の硬い個所(ゲート部)と低い応力の軟らかい個所(非ゲート部)とでは、均一に鏡面加工することができなかった。
【0009】
特に、上記した液晶ディスプレイにおいてバックライト用導光板として使用する合成樹脂板にあっては、板内部にて光をほぼ均一に導光させるには端面から光を効率的に入射させる必要があり、このために端面を高い精度で鏡面加工する必要があるが、上記した従来の方法では、端面をほぼ均一に鏡面加工することが困難であった。
【0010】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、応力が不均一に分布した端面をほぼ均一な精度で鏡面加工することができる合成樹脂板の鏡面加工方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る合成樹脂板の鏡面加工方法は、所要の厚さの平面状に射出成形された合成樹脂板及び回転軸線と直交する方向へ直線状に延出する刃先を有した切削刃が取付けられた回転体を相対移動させながら合成樹脂板の被加工側端面に回転する切削刃を当接して切削する方法において、上記回転体の軸線を、上記被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対し、合成樹脂板と回転体の相対移動方向及び上記厚さ方向へ微小角度で傾けた状態で回転する切削刃を上記被加工側端面に当接して切削すると共に回転する切削刃により上記被加工側端面の非ゲート部を切削する際には、合成樹脂板と回転体の相対移動速度を高速度、また回転する切削刃により上記被加工側端面のゲート部を切削する際には、上記相対移動速度を低速度に可変制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る合成樹脂板の鏡面加工装置は、本体フレーム上に設けられ、所要の厚さの平面状に射出成形された合成樹脂板を、被加工側端面が所定の幅で突出するように固定する支持体と、回転軸線と直交する方向へ直線状に延出する刃先を有した切削刃が取付けられた回転体と、上記支持体及び回転体を相対移動する移動部材と、上記回転体を回転する回転部材とを備え、上記回転体は、上記被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対し、その回転軸線が合成樹脂板と回転体の相対移動方向及び合成樹脂板における被加工側端面の厚さ方向へ微小角度で傾けた状態で配置されると共に回転する切削刃により上記被加工側端面の非ゲート部を切削する際には、合成樹脂板と回転体の相対移動速度を高速度、また回転する切削刃により上記被加工側端面のゲート部を切削する際には、上記相対移動速度を低速度になるように可変制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明方法を具体化した装置例に従って鏡面加工方法及び装置を説明する。
【0014】
図1〜図7において、本発明を具体化した合成樹脂板の鏡面加工装置1の本体フレーム3には図示する左右方向へ延出するレール5が設けられ、該レール5には支持体としての支持台7が左右方向へ往復移動可能に支持される。
【0015】
該支持台7の駆動機構としては、例えばサーボモータ等の電動モータ9に連結されて本体フレーム3に回転可能に支持された送りねじ11を、支持台7に設けられたナット(図示せず)に噛み合せた送りねじ駆動機構、本体フレーム3の長手方向端に回転可能に支持され、一方に対応するサーボモータ等の電動モータが連結された一対の歯付きプーリ等の回転体に張設されたベルトの一部を支持台7に固定した無端ベルト駆動機構、本体フレーム3の両端に端部が固定された歯付きベルトに、支持台7に設けられたサーボモータ等の電動モータの回転軸に設けられた歯付きプーリを噛み合せた有端ベルト駆動機構(いずれも図示せず)等の何れの駆動機構であってもよい。
【0016】
また、電動モータを、本体フレーム3に設けられる長尺状の固定子と走行部に設けられる可動子から構成されるリニアサーボモータ(図示せず)としてもよい。
【0017】
そして支持台7の被加工側端縁には左右方向に延出し、各端部が支持台7に設けられたエアーシリンダー等の上下作動部材13に連結された押圧部材15が設けられ、該押圧部材15は下方へ移動された際に、支持台7上に載置された合成樹脂板17の被加工側端縁を長手方向の全体にわたって押圧して挟持することにより固定させる。
【0018】
また、支持台7の図示する一方側部(図は左端側の場合を示す)には位置決め用ストッパー19が設けられると共に他方側部(図は右端側の場合を示す)にはエアーシリンダー等の側方押圧部材21が位置決め用ストッパー19に相対して夫々設けられる。
【0019】
更に、支持台7の図示する前端部にはエアーシリンダー等の前端押圧部材23が設けられている。これら位置決め用ストッパー19、側方押圧部材21及び前端押圧部材23は、合成樹脂板17の平面形状(大きさ)に応じてそれぞれの取付け位置が可変調整できるように設けられる。
【0020】
そして上記支持台7は、図示する右側から左側に設けられる定規出し部25、荒削り部27及び鏡面加工部29に対して順次、移動される。
【0021】
定規出し部25の本体フレーム3には左右一対の前後ストッパー31が、支持台7上に固定された合成樹脂板17における被加工側端面の左右端部に応じた箇所にて前後方向へ移動調整できるように設けられている。これら前後ストッパー31は支持台7上に載置された合成樹脂板17が前端押圧部材23により後方へ押圧された際に、支持台7の後端から突出する合成樹脂板17の被加工側端面の左右端部にそれぞれ当接して合成樹脂板17の突出幅が一定になるように定規出しする。尚、図において定規出し部25により定規出しされた合成樹脂板17における端面の位置を仮想線L1(図12に示す)で示す。
【0022】
荒削り部27は本体フレーム3に固定された取付けベース33に対して上下方向に軸線を有した電動モータ35と、該電動モータ35の回転軸35aに取付けられ、外周に多数の切削刃を有した回転刃37とから構成される。そして荒削り部27は図示する右方から左方に向って移動する支持台7に固定された合成樹脂板17の被加工側端縁を上記仮想線L1に対し、仮想線L2(図12に示す)になる所定幅で荒削りする。
【0023】
鏡面加工部29は荒削り部27により荒削りされた合成樹脂板17の被加工側端面を微小切削して鏡面加工するもので、鏡面加工された端面を仮想線L3(図12に示す)で示す。
【0024】
本体フレーム3には鏡面加工部29の取付けベース39が4個の固定ねじ41により固定されている。該取付けベース39の平面部39aには固定ねじ41より大径の透孔39cが形成され、各透孔に対する各固定ねじ41の固定位置に応じて本体フレーム3に対して取付けベース39を、図示する左右方向へ角度調整可能に固定させる。
【0025】
取付けベース39における平面部39aの左右側面側に位置する本体フレーム3には4個の位置調整部材40が設けられ、これら位置調整部材40により左右方向、詳しくは合成樹脂板17における被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対して支持台7の移動方向に対する取付けベース39の固定角度が鋭角であるα(図13に示す)となるように微調整可能に構成している。
【0026】
これら位置調整部材40は本体フレーム3に固定されるブラケット40aと、各ブラケット40aに対して螺進可能に噛み合わされて取付けベース39の平面部39aの左右端面の前部及び後部に対して個々に当接する調整ねじ40bとから構成され、これを左右角度調整機構とする。
【0027】
尚、取付けベース39は本体フレーム3に対して図示する前後方向へも位置調整可能であるが、説明の便宜上、本体フレーム3に対して取付けベース39を図示する左右方向へ角度調整可能にするものとして説明する。
【0028】
取付け部39bの取付け面には図示する前後方向へ延出する上下一対のレール43が固定され、これらレール43には前後可動板45が前後方向へ移動するように支持される。そして取付け部39bの前部には前後可動板45の前端面に当接して前後方向に対する移動量を設定するための前後ストッパー47が移動調整可能に設けられている。また、取付け部39bの後端部には前後可動板45を前後方向へ移動するエアーシリンダー等の前後作動部材48が設けられている。
【0029】
前後作動部材48により前方へ移動する前後可動板45に対する前後ストッパー47の当接間隔により合成樹脂板17における端面の鏡面加工時における切削幅を適宜設定可能にしている。
【0030】
前後可動板45の上部には取付板49がセンター軸50により揺動可能に軸支される。また、前後可動板45における上部の前後側には軸支部51がそれぞれ設けられ、各軸支部51には後述する調整ねじ53の軸部を回動操作可能に軸支する。各調整ねじ53の先端部に設けられたねじ部53aは取付板49の前後側に回動するように軸支されたナット部55に噛み合わされる。
【0031】
そして上記取付板49は各調整ねじ53の回動操作によりセンター軸50を中心に前後側にて上下方向。詳しくは合成樹脂板17における被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対して上記厚さ方向へ微小角度β(図14に示す)で揺動して後述する電動モータ57、従って回転刃体59の軸線を上下方向へ変位させる。これを上下角度調整機構とする。
【0032】
取付板49には前後方向に軸線を有した電動モータ57が設けられ、該電動モータ57の回転軸には鏡面加工用の回転刃体59が、合成樹脂板17の送り方向と反対方向へ回転するように取付けられている。
【0033】
回転刃体59は、例えばアルミニウムや炭素繊維等の強化繊維を含有した複合樹脂により円盤状に形成された刃物ホルダー61と、刃物ホルダー61の直径線上の外周側に形成された2個の凹所61aの内、一方の凹所61aに固定される切削刃63とから構成される。尚、他方の凹所61aには切削刃63とほぼ一致する重量のバランサ65が取付けられる。
【0034】
上記切削刃63は鏡面加工される合成樹脂板17の厚さより長い直線状刃先を有し、前述したように合成樹脂板17における端面に対する取付けベース39の左右方向への傾き及び取付板49の上下方向への傾きに応じた任意の角度で直線状刃先を、合成樹脂板17の端面に対して点接触、線接触及び点接触の順に当接し、かつ所望の扇形の深さで切削する。
【0035】
即ち、合成樹脂板17の端面に対して回転刃体59の軸線を図示する左右方向へ傾けるのは、例えば合成樹脂板17の端面に対して回転刃体59の軸線を直交する方向に向けた場合、回転刃体59の切削刃63は合成樹脂板17の端面下端に対して直線的に接触して切削することになり、接触開始時の回転抵抗が大きくなって合成樹脂板17の被加工側端部が大きく振動し、鏡面加工精度を悪くする原因になっている。これを回避するため、合成樹脂板17の端面に対して回転刃体59の軸線を図示する左右方向へ傾けることにより合成樹脂板17の端面下端に対して回転刃体59の切削刃63の刃先を点接触させて接触開始時の回転抵抗を少なくしている。
【0036】
また、回転刃体59の切削刃63は、合成樹脂板17の端面を扇形に削り取るように切削することになるが、合成樹脂板17の端面に対して回転刃体59の軸線を図示する上下方向へ傾けることにより扇形の切削深さ及び切削面積を調整するようにしている。
【0037】
合成樹脂板17における端面の鏡面加工精度は、上記した端面に対する回転刃体59軸線を左右方向及び上下方向へ傾けることによる相互作用により決定されるものであり、一方のみで端面の加工精度が決定されるものではない。
【0038】
図8において、制御手段101のCPU103にはプログラムメモリ105及び作業メモリ107を備え、プログラムメモリ105は合成樹脂板17の端面を鏡面加工するためのプログラムデータを記憶する。また、作業メモリ107は支持台7の移動速度データを記憶する速度データ記憶領域107a、合成樹脂板17の寸法を記憶する寸法記憶領域107b、合成樹脂板17の端面におけるゲート位置を記憶するゲート位置記憶領域107c及びゲート部の幅データ記憶領域107d等を有している。
【0039】
速度データ記憶領域107aに記憶されるデータとしては、合成樹脂板17における非ゲート部を切削加工する際に支持台7を高速度で移動させるための高速度データ、ゲート部を切削加工する際に支持台7を低速度で移動させるための低速移動データである。寸法記憶領域107bに記憶される合成樹脂板17のデータとしては、切削加工される合成樹脂板17における端面の長手方向幅である。ゲート位置記憶領域107cに記憶されるデータとしては、切削加工される合成樹脂板17における端面の、例えば図示する左端からゲート位置までの距離データである。幅データ記憶領域107dに記憶されるデータとしては、合成樹脂板17を切削加工する際に支持台7を低速度で移動させるゲート位置を中心とする左右方向の幅データである。
【0040】
尚、支持体7上に載置されて固定された合成樹脂板17の図示する左端と鏡面加工部29における加工位置との間隔は、予め設定されており、この間隔と合成樹脂板17の寸法データやゲート位置データ等に基づいて後述するように支持台7を可変速で移動制御させる。
【0041】
CPU103には設定装置109がインターフェース111を介して接続されている。設定装置109は設定モード切換手段109a、テンキー等のデータ入力手段109b、LCD等の表示手段109c等を備えている。
【0042】
そして例えば設定モード切換手段109aを速度設定モードに切換えた後にデータ入力手段109bを操作して支持台7を高速度及び低速度で移動させるための移動データを入力して速度データ記憶領域107aに記憶させる。設定モード切換手段109aを寸法設定モードに切換えた後にデータ入力手段109bを操作して切削加工される合成樹脂板17における加工側端面の寸法データを入力して寸法記憶領域107bに記憶させる。設定モード切換手段109aをゲート位置設定モードに切換えた後にデータ入力手段109bを操作して切削加工される合成樹脂板17端面におけるゲート位置、例えば端からゲート位置までの距離を入力してゲート位置記憶領域107cに記憶させる。設定モード切換手段109aを低速領域設定モードに切換えた後にデータ入力手段109bを操作して合成樹脂板17の端面を切削する際にゲート部に応じて支持台7を低速移動させる幅に関するデータを入力して幅データ記憶領域107dに記憶させる。また、上記により入力される各種のデータは表示手段109cに表示して作業者に確認可能にさせる。
【0043】
CPU103には駆動制御手段113が接続され、該駆動制御手段113は電動モータ9を駆動制御して合成樹脂板17における端面の非ゲート部を切削加工する際には高速度で、またゲート部を切削加工する際には低速度で支持台7を可変速移動させる。
【0044】
次に、鏡面加工装置1による合成樹脂板17端面の鏡面加工方法及びその作用を説明する。
【0045】
先ず、図10に実線及び一点鎖線で示すように支持台7の上面に鏡面加工される合成樹脂板17を載置した状態で前端押圧部材23を作動し、支持された合成樹脂板17を後方へ移動してその被加工側端面の図示する左右端部をそれぞれの前後ストッパー31前端面に当接させて前後方向を位置決めした後、側方押圧部材21を作動して支持された合成樹脂板17の図示する左端を位置決め用ストッパー19に当接させて左右方向を位置決めする。そして上記状態にて上下作動部材13を作動して下動する押圧部材15により支持台7に支持された合成樹脂板17の非加工側端縁を押圧して挟持固定させる。
【0046】
上記した合成樹脂板17は、例えば液晶ディスプレイにおけるバックライトの導光板として使用するもので、予め射出成形機により射出成形される。この合成樹脂板17における被加工側端縁の金型ゲートに対応するゲート部17aは溶融した合成樹脂が高圧で射出注入されることにより硬化後に高い応力が残留し、非ゲート部に対して硬度が硬くなっている。図9は合成樹脂板17における非加工側端縁における応力の分布状態を示し、応力を示す線の相互間隔が密な状態は応力が高く、その硬度が硬くなったことを示す。従って、合成樹脂板17におけるゲート部においては、ゲートの箇所が一番硬く、ゲートから離れるに従って徐々に柔らかくなる。
【0047】
次に、上記状態で電動モータ9を回転駆動し、支持台7を鏡面加工部29に向って移動しながら支持台7上に固定された合成樹脂板17の被加工側端縁を、図12に示すように電動モータ35の駆動により所定方向へ回転する回転刃37により(L1−L2)の切削幅で荒切削した後、電動モータ57の駆動により所定方向へ回転する回転刃体59により荒削りされた合成樹脂板17の被加工側端面を(L2−L3)の幅で切削して鏡面加工する。
【0048】
このとき、図11に示すように支持台7上に固定された合成樹脂板17における端面が寸法記憶領域107b、ゲート位置記憶領域107c及び幅データ記憶領域107dに記憶されたそれぞれのデータからゲート部(ゲート部とは、ゲート位置を中心に図示する左右方向へ所定の幅をもった領域を意味する)以外の非ゲート部においては、制御手段101は電動モータ9を、速度データ領域107aに記憶された高速度データに基づいて駆動制御して支持台7を高速移動させながら端面を鏡面加工させる一方、構成樹脂板17のゲート部を切削する際には、上記したように応力が高く、硬くなっているため、支持台7を高速度で移動させながら切削すると、高い精度で端面を切削することができず、鏡面加工精度が悪くなる。
【0049】
このため、合成樹脂板17における端面のゲート部が回転刃体59に到達すると、制御手段101は電動モータ9を、速度データ領域107aに記憶された低速度データに切換えて駆動制御することにより支持台7を低速移動させながら端面を鏡面加工させる。
【0050】
具体的には、ゲート部における硬さに応じて支持台7の移動速度を徐々に低速度となるように可変速制御すればよく、例えばゲートに対応する箇所において最低速度となるように,またその周辺においてはゲート箇所より速度を若干速くしてもよい。
【0051】
また、回転刃体59による合成樹脂板17端面の鏡面加工時においては、合成樹脂板17の端面に対して回転刃体59の軸線が左右方向へ偏位して傾いているため、図13に示すように合成樹脂板17における端面に対して回転する切削刃63の直線状刃先を点接触させて切削開始した後に線接触させながら扇形に切削し、次いで点接触した状態で切削を終了させるように切削して鏡面加工する。
【0052】
更に、合成樹脂板17における端面を切削刃63の直線状刃先により扇形に切削して鏡面加工する際に、図14に示すように該端面に対して回転刃体59の軸線が上下方向へ偏位して傾いているため、上下方向の傾きに応じた深さ(切削幅及び大きさ)の扇形に切削しながら鏡面加工する。
【0053】
本実施形態は、合成樹脂板17における端面の応力が低い非ゲート部を切削して鏡面加工する際には、支持台7、従って合成樹脂板17を高速度で移動させながら切削する一方、応力が高く、硬いゲート部を切削する際には支持台7、従って合成樹脂板17を低速度で移動させながら切削することにより端面をほぼ均一な精度で鏡面加工することができる。
【0054】
本発明は、以下のように変更実施することができる。
1.合成樹脂板17の被加工側端面に対して取付けベース39を図示する左右方向へ傾ける角度調整構造としては、図15に示すように平面部39aの一方部に固定ねじ41にほぼ一致する大きさの支点孔39dを設けると共に右側に2個の長孔39eを、支点孔39dを中心とする同一円弧上に設け、各支点孔39d・長孔39eを挿通する固定ねじ41を緩めた状態で本体フレーム3に対して取付けベース39を左右方向へ傾動して所望の角度に微調整した後に夫々の固定ねじ41をねじ締めして固定するようにしてもよい。
【0055】
2.上記説明において回転刃体59を回転させる電動モータ57が取付けられる取付板49を前後2個の調整ねじ53により回転刃体59の軸線が上下方向へ変位するように傾動させる構成としたが、回転刃体59による合成樹脂板17の端面の鏡面加工時には切削抵抗により取付板49自体が振動して上記した変位状態が微妙に変化するおそれがある。
【0056】
これを防止するため、図16に示すように取付板49の前後方向の中間部の上部及び下部に固定ねじ151をそれぞれ回転可能に軸支すると共に相対する前後可動板45の相対箇所にセンター軸50を中心とする円弧状の長孔153を形成し、該長孔153及び前後可動板45の孔45aをそれぞれ挿通する固定ねじ151のねじ部151aにナット155を噛み合わせて所望の傾動状態で取付板49を固定可能にしてもよい。
【0057】
尚、図16においては、実施形態と同一の部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
3.上記説明は、本体フレーム3に固定的に配置された荒削り部27及び鏡面加工部29に対して合成樹脂板17が固定された支持台7を移動してその端面を鏡面加工するものとしたが、本発明においては、本体フレームに固定的に設けられた支持台に対し、少なくとも鏡面加工部を可変速移動制御して合成樹脂板の端面を鏡面加工してもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、硬さが不均一な状態の端面をほぼ均一な精度で鏡面加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成樹脂板鏡面加工装置の正面図である。
【図2】合成樹脂板鏡面加工装置の平面図である。
【図3】定規出し部の斜視図である。
【図4】荒削り部の斜視図である。
【図5】鏡面加工部の斜視図である。
【図6】鏡面加工部における左右角度調整機構を示す説明図である。
【図7】鏡面加工部における上下角度調整機構を示す説明図である。
【図8】鏡面加工装置の制御手段を示す電気的ブロック図である。
【図9】合成樹脂板における応力の分布状態を示す説明図である。
【図10】合成樹脂板の定規出し状態を示す説明図である。
【図11】鏡面加工時における支持台の移動速度状態を示す説明図である。
【図12】各切削状態を示す説明図である。
【図13】合成樹脂板端面に対する回転刃体の左右傾動状態を示す説明図である。
【図14】合成樹脂板端面に対する回転刃体の上下傾動状態を示す説明図である。
【図15】左右角度調整機構の変更実施形態を示す説明図である。
【図16】取付板の角度固定手段を示す説明図である。
【符号の説明】
1−鏡面加工装置、7−支持体としての支持台、9−移動部材としての電動モータ、17−合成樹脂板、59−回転刃体、61−刃物ホルダー、63−切削刃

Claims (5)

  1. 所要の厚さの平面状に射出成形された合成樹脂板及び回転軸線と直交する方向へ直線状に延出する刃先を有した切削刃が取付けられた回転体を相対移動させながら合成樹脂板の被加工側端面に回転する切削刃を当接して切削する方法において、
    上記回転体の軸線を、上記被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対し、合成樹脂板と回転体の相対移動方向及び上記厚さ方向へ微小角度で傾けた状態で回転する切削刃を上記被加工側端面に当接して切削すると共に回転する切削刃により上記被加工側端面の非ゲート部を切削する際には、合成樹脂板と回転体の相対移動速度を高速度、また回転する切削刃により上記被加工側端面のゲート部を切削する際には、上記相対移動速度を低速度に可変制御する合成樹脂板の鏡面加工方法。
  2. 請求項1において、回転体による被加工側端面の切削に先立って合成樹脂板の被加工側端面を所定の幅で荒切削する合成樹脂板の鏡面加工方法。
  3. 本体フレーム上に設けられ、所要の厚さの平面状に射出成形された合成樹脂板を、被加工側端面が所定の幅で突出するように固定する支持体と、
    回転軸線と直交する方向へ直線状に延出する刃先を有した切削刃が取付けられた回転体と、
    上記支持体及び回転体を相対移動する移動部材と、
    上記回転体を回転する回転部材と、
    を備え、
    上記回転体は、上記被加工側端面の厚さ方向と直交する方向へ延出して想定される仮想線に対し、その回転軸線が合成樹脂板と回転体の相対移動方向及び合成樹脂板における被加工側端面の厚さ方向へ微小角度で傾けた状態で配置されると共に、
    回転する切削刃により上記被加工側端面の非ゲート部を切削する際には、合成樹脂板と回転体の相対移動速度を高速度、また回転する切削刃により上記被加工側端面のゲート部を切削する際には、上記相対移動速度を低速度になるように可変制御する制御手段を備えた合成樹脂板の鏡面加工装置。
  4. 請求項3において、支持体に合成樹脂板を固定する際に、支持体上の合成樹脂板を押圧部材によりストッパー側に向かって押圧して被加工側端面を定規出しする定規出し部材を設けた合成樹脂板の鏡面加工装置。
  5. 請求項3において、回転体の前段に合成樹脂板の被加工側端面を所定の幅で荒切削する荒切削部材を設けた合成樹脂板の鏡面加工装置。
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