JP4345373B2 - 詰め替え用パウチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤、漂白剤、柔軟剤、洗濯糊、シャンプー、リンス、入浴剤、衣類のシワ取り剤、消臭剤、調味料、スープ、食用油、つゆ・たれ・だし類、ドレッシング、酒類、飲料類、化粧品類、整髪料、エンジンオイル、トランスミッションオイル、ウインドーウォッシャー液、ブレーキフルード、パワーステアリングフルード、ガソリン添加剤、ラジエータ液等のような液体状、粒状、顆粒状の内容物を他の容器に移し替えて使用する詰め替え用パウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックボトルやガラス瓶等の容器に詰め替えるための液状,粒状,顆粒状の内容物を密封包装する詰め替え用パウチが知られている。
図8は、このような詰め替え用パウチの一例を示す図である。
図8に示す詰め替え用パウチ100は、樹脂フィルム等の軟包材で形成された胴部111と底部112とから構成されている自立型のものである。そして、胴部111の側部周縁にサイドシール113が施され、頂部にはトップシール115が施されているとともに、胴部111と底部112との間には、ボトムシール116が施されている。
また、胴部111の上部には、斜め上部に突出するノズル114が形成され、このノズル114の先端部分119を切取り線118で切り取ることで、内容物Mを注出する注出口が形成されるようになっている。
【0003】
図9は、図8の詰め替え用パウチを用いて内容物を容器に移し替える際の手順を説明する図である。
まず、図9(a)に示すように、ボトル状の容器Bの近傍に、注出口114aを形成した詰め替え用パウチ100を準備する。そして、図9(b)に示すように、容器Bを片手で持って、容器Bの口部Baを詰め替え用パウチ100のノズル114の先端に近づける。また、これと同時に、詰め替え用パウチ100を徐々に傾けて、内容物Mの液面を注出口114aのレベルまで移動させる。これにより、詰め替え用パウチ100から容器Bへの内容物Mの注入が開始される。
【0004】
この後、図9(c)に示すように、さらに詰め替え用パウチ100を傾けて、注出口114aからの内容物Mの注出量を増加させる。このとき、内容物Mがこぼれないように、容器Bを傾けて、ノズル114の先端が容器Bの口部Baに挿入されるようにする。
詰め替え用パウチ100内の内容物Mの残量が少なくなると、図9(d)に示すように、詰め替え用パウチ100をボトルBの口部Ba上で倒立させて、内容物Mの全てを容器Bに注入するようにする。
【0005】
このように、上記の従来の詰め替え用パウチ100においては、注出口114aから注出される内容物Mが、開口Baの周縁からこぼれないように、ボトルB及び詰め替え用パウチ100の双方を手に持って、調整をしながら詰め替え作業を行う必要がある。また、断面楕円形状の容器Bに内容物Mを移し替える際には、詰め替え用パウチ100と容器Bとが干渉するために、容器Bの短軸方向から詰め替え用パウチ100のノズル114を口部Baに接触させて詰め替えを行う必要がある。
【0006】
そのため、より簡単に詰め替え作業を行うことができるように、種々の詰め替え用パウチが提案されている。
図10は、ノズルを長くして、容器の注入口に挿入しやすくした詰め替え用パウチの一例である。
この詰め替え用パウチ100′においては、ノズル114′の先端を、容器Bの口部Baに差し込んで、内容物Mの移し替え作業を行う。
また、パウチ上部の一部に幅を狭くした注出口部(ノズル)を設けた詰め替え用パウチも提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−281091号公報
【0008】
しかし、図10及び上記文献に記載の詰め替え用パウチにおいても、容器を片手で持って傾け、ノズルを差し込むか、容器を片手で固定した状態で、ノズルを慎重に容器の注入口に差し入れる必要があり、両手を使わなければうまく詰め替え作業を行うことができないという問題がある。
さらに、上記した従来の詰め替え用パウチにおいては、ノズルが胴部のコーナー等に形成されているため、詰め替えを行う際、詰め替え用パウチの姿勢が不安定で、ノズルを容器の注入口に対して安定的に固定することができず、ずれ易く、内容物がこぼれやすいという問題がある。
【0009】
また、注出口部の通液路の上側シールラインを、基部側から先端側まで円弧状に形成し、パウチを傾けて内容物を注出する際、その注出方向を確実に下向きに制御することができるようにして、詰め替えの安全性を向上させた詰め替え用パウチも提案されている(特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献2】
特開平11−321883号公報(明細書の[0011]の欄の記載及び図面の図1参照)
【0011】
図11は、特許文献2に記載された詰め替え用パウチのノズル部分の説明図である。
なお、図11において、図8の詰め替え用パウチと同一部位には同一の符号を付して、当該部分の説明は省略する。
図11に示すように、詰め替え用パウチ200のノズル214は、上部のシール部分が、半径r1の上向きの円弧A1 を含む形状で形成され、下部のシール部分が、円弧A1 よりも小さい半径r2の円弧A2 を含む形状で形成されている。
この詰め替え用パウチ200は、詰め替えを行う際に、ノズル214から注出される内容物を、効率よく容器の内部に差し向けることができ、内容物をこぼさないように詰め替え作業を行うことができるという点で優れている。
【0012】
しかし、この詰め替え用パウチ200によっても、ノズル214を容器の口部に対して安定的に固定することができず、ずれ易く、これによって内容物をこぼしやすいという問題は解決することができない。
また、特許文献2に記載の詰め替え用パウチ200は、注出方向の制御という点では優れているものの、注出量をさらに増大させるという点で、さらに改良の余地がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点及び要求にかんがみてなされたもので、第一に、注出量をさらに増大させることのできる詰め替え用パウチを提供すること、第二に、容器を傾けることなく、かつ、内容物をこぼすことなく、片手で簡単に詰め替え作業を行うことができる詰め替え用パウチを提供すること、を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の第一の目的を達成するために、本発明の発明者が鋭意研究を行った結果、基部から注出口までの前記ノズルの少なくとも上部の形状を曲折状に形成するとともに、前記ノズルの任意の位置の幅が、前記基部の最大幅と実質的に同じになるように、前記ノズルの形状を工夫することで、ノズルからの内容物の注出方向を制御しつつ、ノズルの注出口からの注出量を最大にすることができることを見出した。したがって、本発明によれば、詰め替え作業の開始から終了まで、常に最大の注出量を保つことができ、短時間で詰め替え作業を終了させることができる。
【0015】
このノズルの上部の形状は、詰め替え作業を行う際のノズルの傾き角度とノズルの基部の幅とから、所定の関係式によって決定することができる。
すなわち、前記注出口を開口形成したときの前記ノズルの上部の外形が、直線状に形成した前記ノズルの下部をX−Y座標のX軸と平行に配置し、前記ノズルの下部の先端部に前記X−Y座標の原点Oを配置するとともに、前記ノズルの下部を、先端側から基部まで、前記X軸方向にm等分した各部分を、前記原点Oを起点として、順に、X0,X1,X2・・・Xn・・・Xmとし、前記X軸に対する前記注出口の傾斜角度をα0とし、前記原点Oから前記注出口に沿った前記ノズルの上部先端までの長さをRとしたときに、下記式でX座標xn及びY座標ynが表される点Pn(xn,yn)をなだらかな曲線又は直線で結んだものとする。
xn=−R・cos(α0+(90−α0)・(n/m))+Xm・(n/m)
yn=R・sin(α0+(90−α0)・(n/m))
【0016】
このようにすることで、詰め替え用パウチを容器の口部周縁に当接させて傾けると、ノズルには詰め替えパウチを容器の内部へ引き込もうとする力が作用するので、詰め替え作業の途中にノズルが口部から外れるという不具合を防止することができる。そして、本発明においては、このようなノズルを、詰め替え用パウチの胴部とは別体に成形しておくものとする。
【0017】
上記の第二の目的を達成するために、本発明の発明者は、ノズルの先端側又はノズルの先端側及びノズルの基部に、容器の口部と係合する係合部を形成すればよいことに想到した。
先端側に形成する係合部は、凹状のものであってもよいが前記ノズルの下部から突出する突起とするのが好ましい。また、前記基部に形成する係合部は、凹状のものが好ましい。
このような係合部を一つ又は複数設けることで、容器の口部に対して詰め替え用パウチを安定的に固定することができ、内容物をこぼすことなく、詰め替え作業を行うことが可能になる。また、片手で詰め替え作業を行うことも可能になる。
【0018】
本発明の第二の目的を達成する別の手段は、前記ノズルの内部に、前記ノズルから注出される前記内容物の注出方向を変更する一つ又は複数の注出方向変換部を設けた構成とすることである。
注出方向変換部が、詰め替え用パウチから注出される内容物の注出方向を変換して、内容物を容器の内部へと導くので、内容物をこぼすことなく、詰め替え作業を行うことができる。
【0019】
本発明においては、前記ノズルの基部と詰め替え用パウチの側面との間に逃げ部を形成するとよい。
このような逃げ部を形成することで、詰め替え用パウチと容器との干渉を防止して、ノズルを簡単に容器の注入口に近づけることができ、詰め替え作業が容易になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる詰め替え用パウチの好適な実施形態を説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる詰め替え用パウチの平面図である。
図1に示すように、この詰め替え用パウチ10は、樹脂フィルム等の軟包材で形成された胴部11と底部12とから構成されている。そして、胴部11の側部周縁にサイドシール13が施され、頂部にはトップシール15が施されているとともに、胴部11と底部12との間には、ボトムシール16が施されている。
【0021】
なお、本発明の詰め替え用パウチ10に使用する軟包材の材料は、特に制限されるものではない。軟包材を構成するのに適した樹脂材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、あるいは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体のようなニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。これらの材料からなる軟包材は、未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸して用いられる。
【0022】
さらに、本発明の注出機能付き詰め替え用パウチに使用する軟包材は、これらの軟包材を単層で、あるいは、二種以上を積層して構成することができ、また、これらの軟包材の一種、あるいは、二種以上と、アルミニウム等の金属箔、金属又は金属酸化物の蒸着フィルム,紙、セロファン等を貼合わせて構成することもできる。好ましい軟包材としては、例えば、延伸ナイロンフィルムを外層とし、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、延伸ポリエステルフィルムを外層とし、ポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、及びこれらの内、外層フィルム間にアルミニウム等の金属箔を積層した三層構成のフィルム等が挙げられ、これらの積層フィルムの製造に際しては、各層間に必要に応じて接着剤、アンカー剤を介在させることもできる。
【0023】
そして、上記軟包材の層構成は、詰め替え用パウチに充填する内容物Mの性状に応じて選択され、例えば、詰替洗剤用の詰め替え用パウチのように低コストが要求される場合は、二層構成の積層フィルムを使用し、調味料の詰め替え用パウチのように保存性が要求される場合は、アルミニウム箔を含む三層構成以上の積層フィルムを使用すれば良い。
【0024】
胴部11の上部に形成され、斜め上部に突出するノズル14は、先端部分19を切取り線18に沿って切り取ることで、内容物Mを注出する注出口14aが開口形成される。この切取り線18は、例えば、本願出願人が特願2001−290596号で提案した光学反射式のレーザマーカーを使用した技術により、自由な形状に形成することができる。
また、ノズル14は、胴部11とは別体に成形し、そのノズル14を胴部11に設けた詰め替え用パウチ10とする。ノズル14は、軟包材を構成する樹脂材料の筒状パリソンや団子状パリソンを用い、ノズル外面を規定する雌型とノズル内面を規定する雄型との間で圧縮乃至押圧成形することにより得られる。軟包材を積層して詰め替え用パウチ10を構成する前に、ノズル14を表面材又は裏面材のいずれかに予め熱接着することにより、胴部11にノズル14を接合一体化した詰め替え用パウチ10を製造できる。この場合、ノズル14の材料と胴部11の内面材料とを同一種類にすることが、ノズル14と胴部11との間に優れた熱接着性乃至ヒートシール性を達成する上で、好ましい。
【0025】
また、この実施形態の詰め替え用パウチ10は、一方のサイドシール13の途中部位からノズル14の基部に至るまで、サイドシール13を部分的に傾斜させて逃げ部17が形成されている。この逃げ部17は、詰め替え作業を行う際に、詰め替え用パウチ10と容器とが干渉しないようにするためのもので、この逃げ部17を形成することにより、横断面楕円状の容器に対しても、方向を選ぶことなく、詰め替え作業を行うことができるという利点がある。
さらに、ノズル14と逃げ部17との間には、詰め替え作業を行う際に容器の口部周縁と係合して、詰め替え用パウチ10の姿勢を安定させるための凹状の係合部17aが切り欠き形成されている。
【0026】
図2は、第一の実施形態のノズル14の詳細を説明する部分拡大図である。
なお、図2においては、説明の便宜のため、直線状のノズル14の下部をX−Y座標のX軸と平行に配置し、前記下部の先端部(注出口14a側の端部)に前記X−Y座標の原点Oを配置している。
図2に示すように、ノズル14の上部は、ノズル14の基部14bから注出口14aに向けて曲折状に形成されている。また、ノズル14の下部は、基部側から注出口14aに向けてほぼ直線状に形成されている。
【0027】
ノズル14の上部の形状は、以下の手順で決定される。
(1)ノズル14の下部を、先端側(注出口14a側)から基部まで、X軸方向にm等分する。
m等分した各部分を、原点Oを起点として、順に、X0,X1,X2・・・Xn・・・Xmとする。
(2)この実施形態のノズル14において、基部14b側のノズル14の断面の傾斜角度は90°である。一方、ノズル14の注出口14a側の傾斜角度(X軸に対する傾斜角度)はα0である。
この角度α0は、例えば、図1に示すように、詰め替え用パウチ10を正立させたとき、鉛直線Cと注出口14aの開封線とのなす角が0°〜30°となるように決定される。
(3)注出口14a側の傾斜角度α0を起点として、基部14bに至るまで、m分割したX軸上の各部(X0,X1・・・Xn)を通る軸線の傾斜角度(α0,α1・・・αn)が、徐々に基部14bの傾斜角度αm(=90°)に近づくようにする。
(4)各前記軸線上に、ノズル14の上部の形状を決定する点P0,P1・・・Pn・・・Pmを設定する。この場合、図2に示すように、原点Oから注出口14aに沿ったノズル14の上部先端までの長さをRとし、また、これがノズル14の基部14bの最大幅Rとも等しくなるように固定値とし、前記軸線ごとに、各部(X0,X1・・・Xn)からの距離がRとなる位置に、点P0,P1・・・Pn・・・Pmを設定する。
(5)そして、この点P0,P1・・・Pn・・・Pmをなだらかな曲線又は直線で結んだものが、ノズル14の上部の外形となる。
なお、任意の点Pnの座標(xn,yn)は、前記したX−Y座標上において以下の式で表すことができる。
【0028】
Pn(xn,yn)
xn=−R・cos(α0+(90−α0)・(n/m))+Xm・(n/m)
yn=R・sin(α0+(90−α0)・(n/m))
【0029】
図3は、上記形状のノズル14の作用を説明する図である。
図3(a)に示すように、先端部分19を切除したノズル14の先端(X0)を容器Bの口部Baに当接させ、詰め替え用パウチ10を傾ける。
ノズル14は、その形状が曲折状に形成されているので、内容物Mの流れが確実に口部Baに差し向けられ、口部Baから内容物Mがこぼれるという不都合は生じない。
【0030】
また、ノズル14の下部が直線状に形成されているので、この下部を口部Baの周縁に当接させて詰め替え用パウチ10を傾けると、詰め替え用パウチ10の自重によってノズル14を容器Bの内部に引き込もうとする力が作用する。そのため、詰め替え作業初期に、ノズル14が容器Bから外れるという不都合を有効に防止することができる。
【0031】
また、詰め替え用パウチ10の一方の側面には、逃げ部17が形成されているので、詰め替え用パウチ10と容器Bとが干渉することなく、ノズル14を容器Bの口部Baの周縁に当接させることができる。さらに、逃げ部17が形成されているので、シャンプー用の容器のように、横断面楕円形状の容器Bに対して詰め替え作業を行う場合にも、詰め替え作業を行う方向性、つまり、ノズル14を前記口部周縁に当接させる方向が一定方向に限定されるということはない。
【0032】
詰め替え用パウチ10をさらに傾けていくと、図3(b),(c),(d)に示すように、直線状のノズル14の下部の作用によって、ノズル14が口部Baの内部に引き込まれる。そして、口部Baとノズル14との接触点が、X0→X1、X1→X2というように順次移動する。この移動は、詰め替え用パウチ10を傾ける動作とほぼ同期するので、各部(X1,X2・・・Xn)における断面は、図3(b),(c),(d)に示すように、口部Baとほぼ平行になる。そのため、ノズル14を流れる内容物の流量を、常に一定に維持することができる。
また、ノズル14は曲折状に形成されているので、内容物Mの流れが確実に口部Baに差し向けられ、口部Baから内容物Mがこぼれるという不都合は生じない。
【0033】
詰め替え用パウチ10内の内容物Mの残量が少なくなったときは、詰め替え用パウチ10をさらに傾斜させて、図3(e)に示すように、口部Baに対して詰め替え用パウチ10を倒立させる。このとき、ノズル14の基部両側と詰め替え用パウチ10の胴部11との間に形成された肩部に、口部Baの周縁が当接するので、詰め替えパウチ10の倒立状態を安定的に保持することができる。
【0034】
なお、図3(e)の状態では、注出口14aから注出された内容物Mの流れが、曲折状のノズル14によって容器Bの鉛直軸線に対して横方向に差し向けられ、容器Bの内壁面に沿って流れることになる。内容物Mの種類が液体洗剤やシャンプー等である場合には、内容物Mを内壁面に沿って流すことで泡立ちを効果的に抑制することができ、泡が口部Baからあふれ出す等の不都合が生じず、詰め替え作業をより容易に行うことができるという利点がある。
また、本発明の詰め替え用パウチは、作業開始当初から詰め替え用パウチ10を倒立状態にして詰め替え作業を行うことが容易で、泡立ちの発生を嫌う内容物の詰め替えに好適である。
【0035】
[第二の実施形態]
図4は、第二の実施形態の詰め替えパウチにかかり、ノズル部分を説明するための図である。
この第二の実施形態のノズル24は、第一の実施形態のノズル14と同様に、上部が曲折状に形成されている。
また、ノズル24の基部24bの下方には、詰め替えを行う容器の口部周縁と係合する凹状の第一の係合部27aが形成されているとともに、ノズル24の先端側(注出口24a側)の下部には、容器の口部周縁と係合する突起状の第二の係合部28が形成されている。
【0036】
図5は、第二の実施形態のノズル24の作用を説明する図である。
図5(a)に示すように、詰め替え用パウチ20を傾け、ノズル24の先端部分を容器Bの口部Baに当接させるとともに、第二の係合部28を口部Baの周縁に係合させる。
これにより、ノズル24と口部Baの周縁とが安定的に係合し、ノズル24が口部Baから外れにくくなって、以後の作業を片手でも行えるようになる。
図5(a)に示す状態から、さらに詰め替え用パウチ20を傾けると、ノズル24が容器Bの内側に移動するとともに、図5(b)に示すように、口部Baの周縁とノズル24の下部との接触部分もノズル24の基部側へ移動する。
【0037】
図5(b)に示す状態から、さらに詰め替え用パウチ20を傾けると、図5(c)に示すように、口部Baの周縁とノズル24の下部との接触部が凹状の第一の係合部27aまで移動し、第一の係合部27aと係合する。
これにより、詰め替え作業が完了するまで、安定的にノズル24を口部Baに固定することができる。また、第一の係合部27aを支点として詰め替え用パウチをさらに傾斜させることが容易になり、片手でも口部Ba上に詰め替え用パウチを倒立させることが可能になる。
【0038】
[第三の実施形態]
図6は、第三の実施形態の詰め替えパウチにかかり、(a)は、ノズル部分を説明するための拡大断面図、(b)は、(a)のI方向矢視図である。
この第三の実施形態のノズル34においても、第一及び第二の実施形態と同様に、ノズル34の上部が曲折状に形成されている。
また、ノズル34には、注出口34aから注出される内容物の注出方向を変換する注出方向変換部35,36が、ノズル34の内側の上下に形成されている。
【0039】
上部の注出方向変換部35は、ノズル34の上部の一部を、ノズル34の中心に向けて突出させて形成されている。また、下部の注出方向変換部36は、ノズル34の先端の下部に形成された突起状の第二の係合部38の内側の一部を切り欠いて形成されている。
この実施形態のノズル34によれば、注出方向変換部36によって内容物の注出方向を容器の内側に差し向けることができ、詰め替え作業を行う際に、内容物をこぼすことなく、容易に詰め替えを行うことができるという利点がある。
【0040】
[第四の実施形態]
ノズルの注出口の形状は、直線状でもよいが、屈曲状又は湾曲状とすることで、注出量をさらに増大させたり、内容物のこぼれを防止したりする効果がある。
以下に説明する第四の実施形態では、ノズル44の注出口44aを、上部から下部に向けて屈曲状又は湾曲状に形成している。
図7は、注出口44aの形状を湾曲状又は屈曲状にした場合の作用を説明するための図である。
【0041】
図7(a)に示すように、注出口44aの形状を湾曲状又は屈曲状にすることで、ノズル44の断面積を実質的に拡げることができる。
図7(a)に示す例では、ノズル44の途中部位の断面積A2に対して、注出口44aの断面積をA1(A1>A2)とすることができる。このように、注出口44aの断面積を拡げることで、内容物Mの注出量を増大させ、詰め替え作業を迅速に終了させることができる。
また、図7(b)に示すように、詰め替えを行う際に、ノズル44の最先端部が容器Bの口部Baに挿入されれば、注出口44aの横から内容物がこぼれにくくなるという利点がある。
【0042】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、自立性の詰め替え用パウチ(スタンディングパウチ)を前提として説明しているが、本発明は平面状のパウチ等、ノズル部を有する詰め替え用パウチにも適用が可能である。
また、上記の第二及び第三の実施形態では、ノズル24,34は第一の実施形態のノズル14と同様に上部が曲折しているものとして説明したが、これら実施形態で説明した構成は上部が曲折していない他のノズルにも適用が可能である。
【0043】
本発明の詰め替え用パウチは、動粘度が0.3mm2/s〜15,000mm2/sの範囲の液体の内容物に対して適用することができ、動粘度が0.3mm2/s〜300mm2/sの範囲の液体の内容物に対しては、最適である。また、本発明の詰め替え用パウチは、砂糖、塩、コンソメ、魚・トリ・イヌ・ネコ等各種ペット類のエサ等に代表される粒状、顆粒状の内容物にも適用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、詰め替え用パウチから容器への内容物の詰め替え作業がきわめて容易に行えるようになる。そして、容器を傾けることなく、かつ、内容物をこぼすことなく、片手で詰め替え作業を行うことが可能になる。さらに、ノズルから容器に向けて注出される内容物の注出量を十分に確保して、短時間で詰め替え作業を終えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる詰め替え用パウチの平面図である。
【図2】ノズルの詳細を説明する部分拡大図である。
【図3】図1及び図2のノズルの作用を説明する図である。
【図4】本発明の第二の実施形態の詰め替えパウチにかかり、ノズル部分を説明するための図である。
【図5】第二の実施形態の詰め替え用パウチを用いた詰め替え作業の手順の一例を説明する図である。
【図6】本発明の第三の実施形態の詰め替えパウチにかかり、(a)は、ノズル部分を説明するための拡大断面図、(b)は、(a)のI方向矢視図である。
【図7】注出口の形状を湾曲状又は屈曲状にした場合の作用を説明するための図である。
【図8】本発明の従来例にかかり、詰め替え用パウチの一例を示す図である。
【図9】図8の詰め替え用パウチを用いた詰め替え作業の手順の一例を説明する図である。
【図10】ノズルを長くして、容器の注入口に挿入しやすくした詰め替え用パウチの一例である。
【図11】本発明の従来例にかかり、特許文献2に記載された詰め替え用パウチのノズル部分の説明図である。
【符号の説明】
10,20 詰め替え用パウチ
14,24,34 ノズル
14a,24a,34a 注出口
14b,24b 基部
17 逃げ部
17a 係合部
27a 第一の係合部
28,38 第二の係合部
Claims (7)
- 先端部分を切り取ることで内容物を注出する注出口が開口形成されるノズルを有し、前記内容物を前記ノズルから注出して他の容器に移し替える詰め替え用パウチにおいて、
前記注出口を開口形成したときの前記ノズルの上部の外形が、
直線状に形成した前記ノズルの下部をX−Y座標のX軸と平行に配置し、前記ノズルの下部の先端部に前記X−Y座標の原点Oを配置するとともに、
前記ノズルの下部を、先端側から基部まで、前記X軸方向にm等分した各部分を、前記原点Oを起点として、順に、X0,X1,X2・・・Xn・・・Xmとし、
前記X軸に対する前記注出口の傾斜角度をα0とし、
前記原点Oから前記注出口に沿った前記ノズルの上部先端までの長さをRとしたときに、
下記式でX座標xn及びY座標ynが表される点Pn(xn,yn)をなだらかな曲線又は直線で結んだものとすることで、
xn=−R・cos(α0+(90−α0)・(n/m))+Xm・(n/m)
yn=R・sin(α0+(90−α0)・(n/m))
前記ノズルの任意の位置の幅が、前記基部の最大幅と実質的に同じになるようにし、かつ、
前記ノズルが胴部とは別体にて成形されたことを特徴とする詰め替え用パウチ。 - 前記ノズルの下部の先端側に、前記容器の口部周縁と係合する係合部を形成した請求項1に記載の詰め替え用パウチ。
- 前記係合部が、前記ノズルの下部から突出する突起であることを特徴とする請求項2に記載の詰め替え用パウチ。
- 前記ノズルの基部に、前記容器の口部周縁と係合する係合部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の詰め替え用パウチ。
- 前記係合部が、前記ノズルの基部に形成された凹部であることを特徴とする請求項4に記載の詰め替え用パウチ。
- 前記ノズルの内部に、前記ノズルから注出される前記内容物の注出方向を変更する一つ又は複数の注出方向変換部を設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の詰め替え用パウチ。
- 前記ノズルの基部と詰め替え用パウチの側面との間に逃げ部を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の詰め替え用パウチ。
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