JP4344907B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4344907B2
JP4344907B2 JP2000336115A JP2000336115A JP4344907B2 JP 4344907 B2 JP4344907 B2 JP 4344907B2 JP 2000336115 A JP2000336115 A JP 2000336115A JP 2000336115 A JP2000336115 A JP 2000336115A JP 4344907 B2 JP4344907 B2 JP 4344907B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
air
value
exhaust
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000336115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002138821A (ja
Inventor
保樹 田村
公二郎 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2000336115A priority Critical patent/JP4344907B2/ja
Publication of JP2002138821A publication Critical patent/JP2002138821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4344907B2 publication Critical patent/JP4344907B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気浄化装置に係り、詳しくは、触媒コンバータの劣化を診断する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
排気浄化用の触媒コンバータにおいては、触媒に付加された酸素ストレージ能力がHC浄化性能、即ち触媒性能と相関性が高いことから、特にセリア(Ce)等の酸素吸蔵物質を多く含むような触媒コンバータにおいては、触媒劣化検出方法として、当該酸素ストレージ能力の変化を検出することで触媒コンバータの劣化を判定する手法が広く知られている。
【0003】
この触媒劣化検出方法では、触媒コンバータに流入する排気空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比間において所定周期、振幅で空燃比変調させると、酸素ストレージ能力が高ければ酸素が触媒コンバータに吸蔵されるために触媒下流の排気空燃比の応答が遅く、一方酸素ストレージ能力が低いと酸素は触媒コンバータにあまり吸蔵されることなく排出されて触媒下流の排気空燃比の応答が速くなるという特性を利用しており、例えば、触媒下流に設けた酸素センサ(O2センサ)或いは空燃比センサ(LAFS)からの酸素濃度出力値の周波数または周期を検出し、当該検出値が所定の基準値以上であると、酸素ストレージ能力が低下、即ち触媒コンバータが劣化したと判定するようにしている(特開平5−179935号公報等)。
【0004】
しかしながら、主触媒コンバータを排気通路の後方に設けるとともに小型触媒コンバータを内燃機関の排気マニホールド近傍にも設けるような排気浄化装置では、小型触媒コンバータにある程度の容積があるため、排ガスが主触媒コンバータに達したときには空燃比変調が緩和されており、酸素ストレージ能力が低下しても主触媒コンバータ下流における排気空燃比の応答がそれほど速くならず、精度の高い劣化判定は困難である。
【0005】
また、上記空燃比の変調による触媒劣化検出方法は、セリア等の酸素吸蔵物質を多く含み十分な酸素ストレージ能力を有する触媒コンバータには有効であるが、NOx吸蔵触媒のようにセリア等を多く含まず酸素ストレージ能力のもともと低い弱酸素ストレージ能力の触媒コンバータでは、触媒コンバータに酸素があまり吸蔵されないために、劣化していなくても触媒下流の排気空燃比の応答が速くなり、やはり劣化検出は困難である。
【0006】
このようなことから、酸素ストレージ能力を監視する以外に触媒の劣化を判定する方法が求められており、例えば、触媒の周囲雰囲気が還元雰囲気であるときのNOx浄化能力を監視することで触媒の劣化を判定する方法が知られている(特開平11−229849号公報等)。
この方法は、HCの酸化反応もNOxの還元反応も共に同一の貴金属が関与していると考えられることから、NOx浄化性能を診断することによって、貴金属の状態、ひいてはHC浄化性能、即ち触媒の劣化を診断しようというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高負荷運転時のような還元雰囲気状態においては、CO等の還元剤が貴金属に吸着しやすいためにNOxの貴金属への吸着が阻害され易いという問題があり、また、上記セリア(Ce)はCeO2の状態では水性ガス反応(CO+H2O → H2+CO2)を促進し、これにより生成されたH2は(2NO+2H2 → N2+2H2O)のように反応してNOxを浄化するのであるが、還元雰囲気中にはCOが多いことから水性ガス反応の不活性(CeO2+CO → Ce23+CO2)が起こり、この状態では水性ガス反応が促進されずにその分NOxの浄化効率が低下するという問題がある(これらを総称して還元被毒という)。
【0008】
従って、NOx浄化能力を監視する上記従来の劣化診断方法では、空燃比を変調させたとしても、還元雰囲気期間が長いと、実際には触媒が劣化しておらず酸化雰囲気にすればNOx浄化能力が回復するにも拘わらず、触媒が劣化したと誤って判定してしまうおそれがあり、当該方法は触媒劣化診断方法としてそれほど信頼性の高いものではない。
【0009】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、精度よく劣化判定可能な排気浄化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、前記内燃機関の空燃比を所定の周期、振幅で強制的に変動可能な空燃比強制変動手段と、前記触媒コンバータの下流側に設けられて排ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサと、前記酸素センサの出力値が、前記触媒コンバータの浄化効率が最適値を示す範囲として予め設定された第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、前記空燃比強制変動手段により空燃比を変動させることで前記触媒コンバータを排ガスの浄化に最適な状態に制御する触媒最適化手段と、前記触媒コンバータの下流側に設けられたNOxセンサと、前記触媒最適化手段により前記触媒コンバータが最適な状態にあるとき、前記NOxセンサからのNOx排出量に応じて前記触媒コンバータの劣化度合いを診断する劣化診断手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
って、触媒コンバータの下流側に設けられた酸素センサの出力値に基づけば、触媒コンバータの排ガスの浄化状況を知ることができ、先ず、触媒最適化手段により、酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように空燃比を変動させることで、触媒コンバータの浄化効率の最適化が図られる。そして、触媒最適化手段によって触媒コンバータが排ガスの浄化に最適な状態に制御されていれば、触媒コンバータが還元雰囲気にあっても上記還元被毒の影響なくNOx浄化能力が高く維持されることになるが、触媒コンバータがこのようにNOx浄化能力が高い状況にも拘わらず、触媒コンバータ下流のNOxセンサによりNOxの排出が検出されると、その排出の程度に応じ、上述したNOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化との関係に基づいて触媒コンバータの劣化度合いが診断される。
【0015】
ここに、本発明の請求項は次のような所見に基づきなされており、以下当該請求項における触媒最適化手法について詳しく述べる。
空燃比強制変動手段によって内燃機関の空燃比を変動させると、排気空燃比が周期的にリーン空燃比とリッチ空燃比間で変動することになり酸化雰囲気と還元雰囲気とが交互に発生してHC、CO及びNOxがそれぞれ浄化されることになるのであるが、その際、出願人が触媒コンバータ(三元触媒)の下流に設けた酸素センサの出力値を調査したところ、図6に示すように、酸素センサの出力値とNOx浄化効率との間には一定の関係があることが確認された。
【0016】
つまり、空燃比をある変調度合いでリッチ空燃比とリーン空燃比とに周期的に変動させると、図6に実線で示すように、酸素センサ(例えば、デンソー製065500−2991またはこれと同等の出力電圧特性を有するO2センサ)の出力値の大部分が第1所定値(0.55V(ボルト))以上第2所定値(0.85V(ボルト))以下の一定範囲ではNOx浄化効率が最適値(NOxの殆どが浄化される状態)を示すことが確認された。
【0017】
このようなことから、酸素センサの出力値が第1所定値(0.55V)以上第2所定値(0.85V)以下の所定範囲となるように変調度合いを設定して空燃比をリッチ空燃比とリーン空燃比との間で変動させるようにすれば、NOx浄化効率を還元被毒の影響なく最適の状態に維持することが可能となる。故に、第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように空燃比を変動させることで、触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることが可能となる。
【0018】
また、請求項の発明では、前記触媒最適化手段は前記酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、該所定範囲内に前記出力値の目標値を定めたフィードバック制御に基づき空燃比を変動させるとともに、前記内燃機関の運転変化に伴う排気輸送遅れの増加に応じて前記所定範囲の上限値が大側にシフトする特性に倣って、前記排気輸送遅れが大きいほど前記出力値の目標値を前記所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させることを特徴としている。
従って、触媒最適化手段により酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、所定範囲内に出力値の目標値を定めたフィードバック制御に基づき空燃比を変動させ、この際、排気輸送遅れが大きいほど出力値の目標値を所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させることにより、排気輸送遅れにより目標値に対する制御応答性が鈍化したとしても、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化が図られる。そして、このような最適な状態でありながら、NOxセンサによってNOxの排出が検出されると、劣化診断手段により、触媒コンバータに異常があるとみなされ、その排出の程度に応じて触媒コンバータの劣化度合いが診断される。
【0019】
ここに、本発明の請求項は次のような所見に基づきなされており、以下当該請求項における空燃比強制変動手法について詳しく述べる。
出願人の実験によれば、内燃機関回転速度が小さいときのように排気流速が遅く排気輸送遅れが大きい場合には、輸送遅れが小さい場合に比べてNOx浄化効率が最適値(NOxの殆どが浄化される状態)を示す一定の出力範囲が大側に広がることが確認されている。つまり、図6には排気輸送遅れが大の場合のNOx浄化効率が実線で示され、排気輸送遅れが小の場合のNOx浄化効率が破線で示されているが、このように、排気輸送遅れが大きくなるにつれてNOx浄化効率が最適値を示す酸素センサの出力値の上限値が大側にシフトする。そして、その上限値の最大値が第2所定値(0.85V)近傍となる。
【0020】
また一方、酸素センサの出力値について制御目標値を定めてフィードバック制御を実施した場合、排気輸送遅れが大きくなり応答性が鈍化すると、制御目標値からのバラツキが大きくなる。つまり、図6に実線矢印で示すように排気輸送遅れが小さければ制御目標値からのバラツキは小さく、排気輸送遅れが大きくなるとバラツキは大きくなる。そして、このように制御目標値からのバラツキが大きくなると、制御目標値が同一のままでは排気輸送遅れが大きい場合に一時的に酸素センサの出力が第1所定値(0.55V)から外れ、NOx浄化効率が低くなってしまうことが生じうる。
【0021】
しかしながら、触媒コンバータの浄化効率の最適化を図るためには、当該制御目標値からのバラツキの範囲についても所定範囲内に納めることが必要である。従って、上述の如くNOx浄化効率が最適値を示す出力範囲が大側にシフトするという特性を参酌すると、排気輸送遅れが小さいときには酸素センサの出力値の目標値を比較的第1所定値(0.55V)側に設定しておくのがよく、一方、排気輸送遅れが大きくなるにつれて当該目標値を大側にシフトして設定するのがよいと考えられる。
【0022】
このようなことから、図7を参照すると実験に基づくマップが示されているが、当該図7のマップに示すように排気輸送遅れが大きいほど出力値の目標値を所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させるようにすれば、排気輸送遅れにより目標値に対する応答性が鈍化し制御目標値からのバラツキが大きくなったとしても、図6に破線矢印で示すように酸素センサの出力の大部分は常に第1所定値(0.55V)以上の所定範囲内に収まることになり、これにより確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることが可能となる。
【0023】
また、請求項の発明では、前記第1所定値は0.55ボルトであり、前記第2所定値は0.85ボルトであることを特徴としている。
従って、空燃比強制変動手段により酸素センサの出力値の大部分が0.55Vから0.85Vの所定範囲内となるように空燃比を変動させることで、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることが可能である。
【0024】
つまり、上述した実験結果に基づけば、酸素センサ(例えば、デンソー製065500−2991またはこれと同等の出力電圧特性を有するO2センサ)において、上記第1所定値は0.55Vであり、第2所定値は0.85Vであり、故に0.55Vから0.85Vの範囲内であれば、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る排気浄化装置の概略構成図が示されており、以下同図に基づいて本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
【0026】
同図に示すように、エンジン本体(以下、単にエンジンという)1としては、例えば、燃料噴射モードを切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射)とともに圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)を実施可能な筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジンが採用される。この筒内噴射型のエンジン1は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
【0027】
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃料を燃焼室内に直接噴射可能である。
点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。また、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の燃圧で噴射可能である。この際、燃料噴射量は高圧燃料ポンプの燃料吐出圧Pinjと燃料噴射弁6の開弁時間、即ち燃料噴射時間Tinjとから決定される。
【0028】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
【0029】
なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に公知のものであるため、その構成の詳細については説明を省略する。
同図に示すように、吸気マニホールド10には吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁14及び当該スロットル弁14の開度θthを検出するスロットルポジションセンサ(TPS)16が設けられており、さらに、スロットル弁14の上流には、吸入空気量を計測するエアフローセンサ18が介装されている。エアフローセンサ18としては、カルマン渦式エアフローセンサが使用される。
【0030】
一方、排気マニホールド12には排気管(排気通路)20が接続されており、この排気管20には、排気浄化触媒装置として三元触媒(触媒コンバータ)30が介装されている。
この三元触媒30は、担体に活性貴金属として銅(Cu),コバルト(Co),銀(Ag),白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)のいずれかを有するとともにセリア(Ce)が添加されており、酸素吸蔵機能(O2ストレージ機能)を有した三元触媒として構成されている。つまり、活性貴金属やセリア(Ce)は排気空燃比がリーン空燃比である酸化雰囲気中において酸素(O2)を吸着すると、排気空燃比がリッチ空燃比となり還元雰囲気となってもそのO2を吸着した状態を維持する性質を有しており、これにより、当該三元触媒30は還元雰囲気状態においても担体表面にO2を有してHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)を酸化除去可能である。また、活性貴金属は、排気空燃比がリッチ空燃比である還元雰囲気において、HC、CO、H2(水素)等の還元剤を吸着し、排気空燃比がリーン空燃比となり酸化雰囲気となってもその還元剤を吸着した状態を維持する性質を有しており、これにより、当該三元触媒30は酸化雰囲気においても担体表面に還元剤を有してNOx(窒素酸化物)を還元除去可能である。即ち、O2ストレージ機能とともに還元剤ストレージ機能を有した当該三元触媒30は、酸化雰囲気でHC、COを浄化できるのは勿論のことNOxを浄化でき、吸蔵されたO2により還元雰囲気中においてもNOxの浄化のみならずHC、COを浄化可能である。
【0031】
また、排気管20には、排気流速を測定する流速センサ22が配設されており、さらに、三元触媒30の下流にはO2センサ(第1の排ガスセンサ、酸素センサ)24及びNOxセンサ(第2の排ガスセンサ)26が配設されている。O2センサ24としては、ここではデンソー製のO2センサ(型番号065500−2991または234000−8181または234000−8211)或いはこれと同等の出力特性を有するO2センサが使用される。NOxセンサ26はNOx量を検出するものである。
【0032】
また、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)40が設置されており、このECU40により、エンジン1を含めた燃焼制御装置の総合的な制御が行われる。
ECU40の入力側には、上述したTPS16、エアフローセンサ18、流速センサ22、O2センサ24及びNOxセンサ26等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。
【0033】
一方、ECU40の出力側には、上述の燃料噴射弁6や点火コイル8等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等がそれぞれ出力され、これにより、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ4により適正なタイミングで火花点火が実施される。
【0034】
以下、このように構成された本発明に係る排気浄化装置の作用を説明する。
本発明に係る排気浄化装置では、三元触媒30の能力を最大限発揮するために、ECU40によって空燃比をリッチ空燃比とリーン空燃比との間で強制的に交互に振るようにしている。つまり、ここでは、図2に示すように、空燃比(A/F)を一定期間(リーン時間)に亘りリーン空燃比(例えば値16)とした後一定期間リッチ空燃比(例えば値14)とするように変調させ、リーン空燃比とリッチ空燃比とを周期的に繰り返すようにしている(空燃比強制変動手段)。なお、変調波形は、ここでは矩形波であるが三角波であってもよい。
【0035】
これにより、排気空燃比がリーン空燃比のときにはHC、COが良好に浄化されるとともに三元触媒30のO2ストレージ機能によりO2が吸蔵され且つ還元剤ストレージ機能によりNOxが浄化され、一方、排気空燃比がリッチ空燃比のときには還元剤が吸蔵されるとともにNOxが良好に浄化され且つ吸蔵されたO2によってHC、COが継続的に浄化され続ける。
【0036】
さらに、本発明では、上述したように触媒下流に設けた酸素センサ、即ちO2センサ24の出力値とNOx浄化効率との間に一定の関係があることが確認されたことに基づき、O2センサ24の出力に基づいて三元触媒30の排気浄化効率の最適化を図るようにしており(触媒最適化手段)、このように三元触媒30の排気浄化効率が最適化された状態で、やはり触媒下流に設けたNOxセンサ26の出力情報に基づき三元触媒30の劣化診断を行うようにしている(劣化診断手段)。
【0037】
図3を参照すると、O2センサ24の出力に応じた触媒最適化制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下当該フローチャートに基づき本発明に係る触媒最適化制御の制御手順について説明する。
ステップS10では、先ず、O2センサ24が活性状態にあるか否かを判別する。判別結果が偽(No)でO2センサ24が活性状態にない場合には当該ルーチンを抜け、一方、判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS12に進む。
【0038】
ステップS12では、次式(1)から現在の空燃比の変調度合い、即ち周期Tに対するリーン空燃比の時間(リーン時間tl)の比である空燃比デューティDを求め、当該デューティDが所定値D1より小さいか否か(D<D1)を判別する。
(空燃比デューティ)D=(リーン時間)tl/(周期)T …(1)
なお、リーン空燃比の値とリッチ空燃比の値は上述した所定のリーン空燃比(例えば値16)及び所定のリッチ空燃比(例えば値14)にそれぞれ固定する必要はなく、各運転条件に応じて最適な値とするようにしてもよい。
【0039】
また、周期Tについては、固定値(例えば1sec)であってもよいし、運転状態(例えば、排気流量、吸気流量、車速、触媒温度、排気管温度、エンジン回転速度、正味平均有効圧、図示平均有効圧、体積効率、排気マニホールド圧、冷却水温、潤滑油温の少なくともいずれか一つ)に応じて変更するようにしてもよい。また、時間ベースであってもよいし、燃焼サイクルベースであってもよい。
【0040】
さらに、リーン空燃比時とリッチ空燃比時のトルク差がないように空燃比、点火時期等を設定すると、フィーリングが改善される。
上述したように、三元触媒30の排気浄化効率の最適化を図るべく空燃比を変調制御するためには、O2センサ24の出力値(出力S)が0.55V(第1所定値)から0.85V(第2所定値)の間の最適範囲になるように空燃比の変調度合い、即ちデューティDを設定すればよい。そして、出力Sを当該所望の範囲内とすることができるデューティDの上限(D2)、下限(D1)は実験により予め設定されている。
【0041】
つまり、当該ステップS12において、判別値である所定値D1は出力Sの上限値0.85Vに対応したデューティD1である。
ところが、吸気流量計、燃料噴射弁等の誤差により、実際のリーン空燃比あるいはリッチ空燃比が所望の範囲から外れている場合があり、このとき、空燃比の変調度合いを調整しても出力Sを0.55V(第1所定値)から0.85V(第2所定値)の範囲内とすることができない。
【0042】
そこで、ステップS12ではデューティDが本制御の出力Sの上限に対応したデューティD1より小さいか否か、即ち出力Sを当該所望の範囲内に制御することができないくらい空燃比がリーン側にずれている可能性の有無を判別する。
ステップS12の判別結果が真(Yes)でデューティDが所定値D1より小さいと判定された場合には、次にステップS14に進む。
【0043】
ステップS14では、O2センサ24の出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)よりも小さいか否か(S<S1+ΔS1)を判別する。
制御目標値S1は上記0.55Vと0.85Vの範囲内となる値であり、不感帯ΔS1は例えば0.01Vとする。
ところで、上述したように、制御目標値を定めてフィードバック制御を行うと、排気輸送遅れが大きい場合、O2センサ24の出力Sの制御目標値に対するバラツキが大きくなる。つまり、出力Sの制御目標値からのバラツキによって出力Sが一時的に制御目標上限値を越えてしまうことになる。
【0044】
従って、実際には、このバラツキを含めて出力Sの大部分が0.55Vから0.85Vの範囲内に収まるよう、図6に示したように、出力Sの制御目標値S1を設定するようにしている。つまり、NOx浄化効率が最適値を示す出力範囲は、排気輸送遅れが小さいときには狭く排気輸送遅れが大きいときには大側に拡大することから、図7のマップに基づき、排気輸送遅れが小さいときにはO2センサ24の出力Sの目標値を下限値0.55V寄りに設定し、排気輸送遅れが大きくなるにつれて当該目標値を大側にシフトして設定する。
【0045】
ここに、排気輸送遅れは、排気流速、吸入空気量、車速、酸素センサ上流排気系容積、内燃機関回転速度、正味平均有効圧、図示平均有効圧、体積効率、吸気マニホールド圧、排気温度及び排気流量のいずれによっても検出可能であるが、ここでは、流速センサ22により検出される排気流速情報に基づいて排気輸送遅れを検出する。即ち、排気流速が大きければ排気輸送遅れは小さく、一方排気流速が小さければ排気輸送遅れは大きいと判断する。
【0046】
なお、出力SはO2センサ24の瞬時値が用いられるが、平滑化処理を行った平均値を用いてもよい。この場合、例えば空燃比の変調周期間の平均値を用いてもよいし、所定期間の平均値を用いてもよい。
通常ならば、ステップS12の判別結果が真(Yes)であれば、空燃比の指令値は過剰にリッチとなっており、出力Sは制御目標上限値(S1+ΔS1)を越えるはずある。しかしながら、ステップS12の判別結果が真(Yes)でありながらステップS14の判別結果が真(Yes)で出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)よりも小さい場合には、上記吸気流量計、燃料噴射弁等の異常により燃料噴射量、吸入空気量の実際値と測定値との間に何らかの制御誤差が生じ、空燃比の指令値に対して実際の空燃比がリーン空燃比寄りになっていると考えられる。従って、ステップS14の判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS16に進む。
【0047】
ステップS16では、空燃比の指令値を実際の空燃比に合わせるべく、空燃比の指令値を次式(2)により補正する。つまり、上記所定のリーン空燃比(例えば値16)及び所定のリッチ空燃比(例えば値14)の指令値を実際値との整合を図るべくリッチ側に補正する。即ち上下限A/Fリッチ化補正を行う。
(補正A/F)(n)=(補正A/F)(n-1)+G1 …(2)
ここに、G1は補正ゲインであり、O2センサ24の出力Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
【0048】
そして、ステップS12乃至ステップS16は、空燃比の指令値と実際の空燃比とが整合するまで繰り返し実行される。
一方、ステップS14の判別結果が偽(No)で出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)以上と判定された場合には、空燃比の指令値と実際の空燃比との整合はとれていると考えられる。従って、この場合には、ステップS30に進み、出力Sが制御目標値S1となるように空燃比の変調度合いを調整する。即ち、空燃比の変調度合いを調節することで、図2に示す平均A/Fをリーン空燃比寄りに調整する。
【0049】
変調度合いの調整方法としては、空燃比デューティDを変える方法、酸化剤或いは還元剤の供給度合い(即ち空燃比A/F)を変える方法等が考えられるが、ここでは、空燃比デューティDを変える方法を採用し、次式(3)に示すように、リーン空燃比の時間比率を大きく、つまり空燃比デューティDを大きくすることにより平均A/Fをリーン化して変調度合いを調整する。
【0050】
D(n)=D(n-1)+G3 …(3)
ここに、G3は補正ゲインであり、O2センサ24の出力Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
ところで、O2センサ24の出力Sは、図5に実線で示すように、空気過剰率に対し非線形であって空気過剰率1.0近傍で急変するものであり、このような非線形な制御対象を制御することは困難である。
【0051】
そこで、ここでは、制御目標値の範囲(0.55V〜0.85V)が主として空気過剰率1.0よりも小側の領域であることから、図5中に破線で示すように、出力Sに対応する疑似出力を設定し出力Sを線形化して出力S方向のスパンを広げ、その疑似出力上に疑似目標値を設定するようにし、これにより制御を容易且つ精度の高いものにしている。
【0052】
そして、このステップS30は、O2センサ24の出力Sが目標値に到達するまで、即ちバラツキを含めて大部分の出力Sが0.55Vから0.85Vの範囲内となるまで繰り返し実行される。
これにより、三元触媒30の浄化効率の最適化が図られる。
上記ステップS12の判別結果が偽(No)でデューティDが所定値D1以上と判定された場合には、次にステップS18に進む。
【0053】
ステップS18では、今度はデューティDが所定値D2より大きいか否か(D>D2)を判別する。
判別値である所定値D2は上述したように出力Sの下限値0.55Vに対応したデューティD2であり、ここではデューティDが本制御の出力Sの下限に対応したデューティD2より大きいか否か、即ち出力Sを当該所望の範囲内に制御することができないくらい空燃比がリッチ側にずれている可能性の有無を判別する。
【0054】
ステップS18の判別結果が真(Yes)でデューティDが所定値D2より大きいと判定された場合には、次にステップS20に進む。
ステップS20では、O2センサ24の出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)よりも大きいか否か(S>S1−ΔS1)を判別する。
通常ならば、ステップS18の判別結果が真(Yes)であれば、空燃比の指令値は過剰にリーンとなっており、出力Sは制御目標下限値(S1−ΔS1)を下回るはずある。しかしながら、ステップS18の判別結果が真(Yes)でありながらステップS20の判別結果が真(Yes)で出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)よりも大きい場合には、上記同様、空燃比の指令値に対して実際の空燃比がリッチ空燃比寄りになっていると考えられる。従って、ステップS20の判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS22に進む。
【0055】
ステップS22では、空燃比の指令値を実際の空燃比に合わせるべく、空燃比の指令値を次式(4)により補正する。つまり、上記所定のリーン空燃比(例えば値16)及び所定のリッチ空燃比(例えば値14)の指令値を実際値との整合を図るべくリーン補正する。即ち上下限A/Fリーン化補正を行う。
(補正A/F)(n)=(補正A/F)(n-1)−G2 …(4)
ここに、G2は補正ゲインであり、O2センサ24の出力Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
【0056】
そして、上記ステップS12乃至ステップS16と同様、ステップS18乃至ステップS22は、空燃比の指令値と実際の空燃比とが整合するまで繰り返し実行される。
一方、ステップS20の判別結果が偽(No)で出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)以下と判定された場合には、空燃比の指令値と実際の空燃比との整合はとれていると考えられる。従って、この場合には、ステップS26に進み、出力Sが制御目標値S1となるように空燃比の変調度合いを調整する。即ち、空燃比の変調度合いを調節することで、図2に示す平均A/Fをリッチ空燃比寄りに調整する。
【0057】
上記ステップS30と同様、ここでは、空燃比デューティDを変える方法を採用し、次式(5)に示すように、リッチ空燃比の時間比率を大きく、つまり空燃比デューティDを小さくすることにより平均A/Fをリッチ化して変調度合いを調整する。
D(n)=D(n-1)−G4 …(5)
ここに、G4は補正ゲインであり、O2センサ24の出力Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
【0058】
そして、このステップS26は、O2センサ24の出力Sが目標値に到達するまで、即ちバラツキを含めて大部分の出力Sが0.55Vから0.85Vの範囲内となるまで繰り返し実行される。
これにより、やはり三元触媒30の浄化効率の最適化が図られる。
このように、ステップS26或いはステップS30において空燃比デューティDが変更されると、当該デューティDは所定値D1以上所定値D2以下の範囲に入るようになる。従って、この場合には、ステップS18の判別結果は偽(No)となり、次にステップS24に進む。
【0059】
ステップS24では、O2センサ24の出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)よりも小さいか否か(S<S1−ΔS1)を判別する。
同じく、ステップS28では、O2センサ24の出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)よりも大きいか否か(S>S1+ΔS1)を判別する。
ステップS24、ステップS28の判別結果がそれぞれ真(Yes)の場合には、前述したように、ステップS26或いはステップS30で空燃比の変調度合いが調整され、その結果、O2センサ24の出力Sが不感帯ΔS1内のバラツキを許容して制御目標値S1に一致する。
【0060】
これにより、O2センサ24の出力Sを常に当該出力Sが0.55Vから0.85Vの範囲内となるよう制御できることになり、三元触媒30の浄化効率を安定して最適な状態に維持することができる。
つまり、ステップS24及びステップS28の判別結果がともに偽(No)となった場合には、ステップS32において、触媒最適と判定し、三元触媒30が最適化されたことを記憶する。
【0061】
さらに、図4を参照すると、触媒劣化診断の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下当該フローチャートに基づき本発明に係る触媒劣化診断の制御手順について説明する。
ステップS40では、上記触媒最適化制御の実施により、三元触媒30が最適化された状態にあるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で、上記ステップS32の実行により触媒最適と判定された場合には、次にステップS42に進む。
【0062】
ステップS42では、NOxセンサ26により検出されるNOx量情報に基づき、NOx量が所定量X1を越えているか否か((NOx量)>X1)を判別する。
ステップS42の判別結果が真(Yes)で、三元触媒30が最適化されているにも拘わらずNOx量が所定量X1を越えていると判定されるような場合には、上記NOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化の関係に基づき、三元触媒30が劣化して浄化機能が低下していると考えられる。つまり、図8に示すように、最適化されて高く維持されていたNOx浄化効率(実線)が二点鎖線で示すように低下していると考えられる。
【0063】
従って、この場合には、次のステップS44において触媒劣化と診断する。具体的には、異常ランプを点灯する等して運転者に異常を知らせ、修理を促す。
一方、ステップS40の判別結果が偽(No)の場合には、三元触媒30が最適化された状態にないので、当該劣化診断を行うことなく当該ルーチンを抜ける。また、ステップS42の判別結果が偽(No)の場合には、触媒下流にNOxが殆ど排出されておらず、三元触媒30はNOx浄化効率を高く維持して劣化していないと判定できるので、やはり当該ルーチンを抜ける。
【0064】
以上のように、本発明の排気浄化装置では、一旦三元触媒30を最適化し、NOx浄化効率を最適値にした状態で、三元触媒30下流のNOxの排出状況を監視するようにしている。従って、触媒下流に設けたNOxセンサ24によりNOxが所定量X1を越えて排出されていることが検出されると、NOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化の関係に基づいて直ちに三元触媒30が劣化したと診断できることになり、容易にして精度よく適正に触媒劣化診断を行うことができる。
【0065】
なお、上記実施形態では、触媒最適化制御において、式(2)乃至式(5)に基づき上下限A/F及び平均A/Fをリッチ化或いはリーン化したが、これらリッチ化及びリーン化の処理を比例制御、積分制御、微分制御の少なくともいずれか一つを用いて行うようにしてもよく、また、現代制御理論を用いて行うようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、排気通路に三元触媒30のみ配設された場合を説明したが、本発明は、排気通路に三元触媒が複数配設された場合にも適用可能である。例えば、排気管後方に通常の三元触媒(後方触媒)を配するとともにエンジン1の近傍に三元触媒(前方触媒)を配し、それぞれの三元触媒の直下流にO2センサを設けるようにし、低温始動時のような後方触媒を十分に活性できないような状況下では前方触媒下流のO2センサの出力値を用いて触媒最適化制御を行い、一方、後方触媒が十分活性した後は当該後方触媒下流のO2センサの出力値を用いて触媒最適化制御を行うように切換えて触媒劣化診断を行うようにしてもよい。なお、この切換えは運転状態(例えば、冷却水温、始動後経過時間、後方触媒温度、前方触媒温度、排気温度の少なくともいずれか一つ)に基づいて行えばよく、O2センサの出力値を完全に切換えることなく上記運転状態に応じて各O2センサの出力値にそれぞれ重み付けをするようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、三元触媒30としてセリア(Ce)の添加された三元触媒を用いるようにしたが、セリア(Ce)が添加されていないような酸素吸蔵能力の低い三元触媒であっても、酸素吸蔵能力に拘わらず、本発明を好適に適用可能である。
また、ここでは、触媒コンバータとして一般的な三元触媒を例に説明したが、触媒コンバータはNOx選択還元型三元触媒であってもよいし、NOx吸蔵触媒であってもよく、さらにはこれらの組み合わせであってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、触媒下流のO2センサ24を用いて触媒最適化制御を行うようにしたが、O2センサ24の代わりにA/Fセンサ等の排ガスセンサを触媒下流に設け、当該排ガスセンサからの情報に基づき触媒最適化制御を行うようにしてもよい。
また、触媒下流のO2センサにより空燃比を制御することは、O2センサ上流の触媒等によって機関燃焼空燃比の変化に対しての遅れが大きくなる傾向にある。従って、この遅れが問題となる場合には、触媒上流にさらにO2センサ或いはA/Fセンサ等の排ガスセンサを取り付け、その出力を基に補正を行うようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジンを例に説明したが、当該発明をディーゼルエンジンに適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、Oセンサ24とNOxセンサ26とをそれぞれ個別に設けるようにしたが、構造上Oセンサの機能を有するタイプのNOxセンサ(例えば、限界電流方式或いは混成電位方式)のみを設けるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の排気浄化装置によれば、触媒コンバータの下流側に設けられた酸素センサの出力値に基づけば、触媒コンバータの排ガスの浄化状況を知ることができ、触媒最適化手段により、この酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように空燃比を変動させることで、触媒コンバータを排ガスの浄化に最適な状態に制御できる。そして、このように触媒コンバータのNOx浄化能力が高い状況にも拘わらず、触媒コンバータ下流のNOxセンサによってNOxの排出が検出された場合には、劣化診断手段により、触媒コンバータに異常があるとみなすことができ、その排出の程度に応じ、上述したNOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化の関係に基づいて触媒コンバータの劣化度合いを精度よく適正に診断することができる。
【0072】
た、請求項の排気浄化装置によれば、触媒最適化手段により酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、所定範囲内に出力値の目標値を定めたフィードバック制御に基づき空燃比を変動させ、この際、排気輸送遅れが大きいほど出力値の目標値を所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させることにより、排気輸送遅れにより目標値に対する制御応答性が鈍化したとしても、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることができる。
【0073】
また、請求項の排気浄化装置によれば、空燃比強制変動手段により酸素センサの出力値の大部分が0.55Vから0.85Vの所定範囲内となるように空燃比を変動させることで、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された本発明に係る排気浄化装置の概略構成図である。
【図2】空燃比(A/F)の変調波形を示す図である。
【図3】O2センサの出力に応じた触媒最適化制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る触媒劣化診断の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】O2センサの出力Sの線形化手法を示す図である。
【図6】三元触媒下流に設けたO2センサの出力とNOx浄化効率との関係を示す実験結果である。
【図7】排気輸送遅れに応じたO2センサの出力値の目標値を示すマップである。
【図8】触媒劣化時のNOx浄化効率の低下を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
4 点火プラグ
6 燃料噴射弁
10 吸気マニホールド
12 排気マニホールド
14 スロットル弁
16 スロットルポジションセンサ(TPS)
18 エアフローセンサ
20 排気管(排気通路)
22 流速センサ
24 Oセンサ(酸素センサ)
26 NOxセン
0 三元触媒(触媒コンバータ)
40 ECU(電子コントロールユニット)

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、
    前記内燃機関の空燃比を所定の周期、振幅で強制的に変動可能な空燃比強制変動手段と、
    前記触媒コンバータの下流側に設けられて排ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサと、
    前記酸素センサの出力値が、前記触媒コンバータの浄化効率が最適値を示す範囲として予め設定された第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、前記空燃比強制変動手段により空燃比を変動させることで前記触媒コンバータを排ガスの浄化に最適な状態に制御する触媒最適化手段と、
    前記触媒コンバータの下流側に設けられたNOxセンサと、
    前記触媒最適化手段により前記触媒コンバータが最適な状態にあるとき、前記NOxセンサからのNOx排出量に応じて前記触媒コンバータの劣化度合いを診断する劣化診断手段と、
    を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記触媒最適化手段は前記酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように、該所定範囲内に前記出力値の目標値を定めたフィードバック制御に基づき空燃比を変動させるとともに、前記内燃機関の運転変化に伴う排気輸送遅れの増加に応じて前記所定範囲の上限値が大側にシフトする特性に倣って、前記排気輸送遅れが大きいほど前記出力値の目標値を前記所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させることを特徴とする、請求項記載の排気浄化装置。
  3. 前記第1所定値は0.55ボルトであり、前記第2所定値は0.85ボルトであることを特徴とする、請求項または記載の排気浄化装置。
JP2000336115A 2000-11-02 2000-11-02 排気浄化装置 Expired - Fee Related JP4344907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000336115A JP4344907B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000336115A JP4344907B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002138821A JP2002138821A (ja) 2002-05-17
JP4344907B2 true JP4344907B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=18811742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000336115A Expired - Fee Related JP4344907B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4344907B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101991260B1 (ko) * 2019-05-07 2019-09-30 주식회사 가센 초저공해 가스엔진 및 그 연료량 제어방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4487971B2 (ja) 2006-04-24 2010-06-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
JP5224188B2 (ja) * 2010-03-12 2013-07-03 独立行政法人交通安全環境研究所 排気ガス浄化装置
DE102018107664A1 (de) * 2017-03-31 2018-10-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abgasreinigungssystem eines Verbrennungsmotors
JP6614223B2 (ja) 2017-03-31 2019-12-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP7169826B2 (ja) 2018-09-21 2022-11-11 日本碍子株式会社 触媒劣化診断システムおよび触媒劣化診断方法
JP7265449B2 (ja) * 2019-08-21 2023-04-26 日本碍子株式会社 触媒劣化診断方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101991260B1 (ko) * 2019-05-07 2019-09-30 주식회사 가센 초저공해 가스엔진 및 그 연료량 제어방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002138821A (ja) 2002-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4665923B2 (ja) 触媒劣化判定装置
JP5552488B2 (ja) Scr触媒コンバータとその上流側に取付けられた酸化触媒作用のある排ガス浄化コンポーネントを備えた排ガス浄化装置を作動させるための方法
JPH09133032A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005240717A (ja) 触媒の劣化診断装置
JP2008175173A (ja) 空燃比制御装置
EP3401522B1 (en) Exhaust gas control system for internal combustion engine and method of controlling exhaust gas control system for internal combustion engine
JP4344907B2 (ja) 排気浄化装置
JP4419150B2 (ja) NOx触媒の異常診断装置及び異常診断方法
JP3832550B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3962892B2 (ja) 排気浄化装置
US6601383B2 (en) Emission control apparatus for engine and method for reducing emissions of engine
JP4328968B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
KR100408757B1 (ko) 내연기관의 배기 정화장치
JP2008255972A (ja) 空燃比制御装置
JP2005240716A (ja) 触媒の劣化診断装置
JP3838139B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4211444B2 (ja) 排気ガス浄化触媒の低温作動機能診断装置
JP3750766B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2002256856A (ja) 排気浄化触媒の劣化検出装置
JP3915874B2 (ja) 排気浄化装置
JP4379232B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP4507426B2 (ja) 排気浄化触媒の劣化検出装置
JP3661464B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2001323812A (ja) 排気浄化触媒の劣化検出装置
JP4366588B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090630

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4344907

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140724

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees