JP2002138821A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
する。 【解決手段】 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コ
ンバータと、該触媒コンバータの下流側に設けられた第
1の排ガス検出手段と、該第1の排ガス検出手段からの
排ガス情報に基づき、触媒コンバータを排ガスの浄化に
最適な状態に制御する触媒最適化手段と、触媒コンバー
タの下流側に設けられた第2の排ガス検出手段とを備
え、触媒最適化手段により触媒コンバータが最適な状態
にあるとき(S40)、劣化診断手段により、第2の排ガス
検出手段からの情報に基づいて触媒コンバータの劣化度
合いを診断するようにした(S42,S44)。
Description
り、詳しくは、触媒コンバータの劣化を診断する技術に
関する。
いては、触媒に付加された酸素ストレージ能力がHC浄
化性能、即ち触媒性能と相関性が高いことから、特にセ
リア(Ce)等の酸素吸蔵物質を多く含むような触媒コ
ンバータにおいては、触媒劣化検出方法として、当該酸
素ストレージ能力の変化を検出することで触媒コンバー
タの劣化を判定する手法が広く知られている。
タに流入する排気空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比
間において所定周期、振幅で空燃比変調させると、酸素
ストレージ能力が高ければ酸素が触媒コンバータに吸蔵
されるために触媒下流の排気空燃比の応答が遅く、一方
酸素ストレージ能力が低いと酸素は触媒コンバータにあ
まり吸蔵されることなく排出されて触媒下流の排気空燃
比の応答が速くなるという特性を利用しており、例え
ば、触媒下流に設けた酸素センサ(O2センサ)或いは
空燃比センサ(LAFS)からの酸素濃度出力値の周波
数または周期を検出し、当該検出値が所定の基準値以上
であると、酸素ストレージ能力が低下、即ち触媒コンバ
ータが劣化したと判定するようにしている(特開平5−
179935号公報等)。
路の後方に設けるとともに小型触媒コンバータを内燃機
関の排気マニホールド近傍にも設けるような排気浄化装
置では、小型触媒コンバータにある程度の容積があるた
め、排ガスが主触媒コンバータに達したときには空燃比
変調が緩和されており、酸素ストレージ能力が低下して
も主触媒コンバータ下流における排気空燃比の応答がそ
れほど速くならず、精度の高い劣化判定は困難である。
出方法は、セリア等の酸素吸蔵物質を多く含み十分な酸
素ストレージ能力を有する触媒コンバータには有効であ
るが、NOx吸蔵触媒のようにセリア等を多く含まず酸
素ストレージ能力のもともと低い弱酸素ストレージ能力
の触媒コンバータでは、触媒コンバータに酸素があまり
吸蔵されないために、劣化していなくても触媒下流の排
気空燃比の応答が速くなり、やはり劣化検出は困難であ
る。
を監視する以外に触媒の劣化を判定する方法が求められ
ており、例えば、触媒の周囲雰囲気が還元雰囲気である
ときのNOx浄化能力を監視することで触媒の劣化を判
定する方法が知られている(特開平11−229849
号公報等)。この方法は、HCの酸化反応もNOxの還
元反応も共に同一の貴金属が関与していると考えられる
ことから、NOx浄化性能を診断することによって、貴
金属の状態、ひいてはHC浄化性能、即ち触媒の劣化を
診断しようというものである。
時のような還元雰囲気状態においては、CO等の還元剤
が貴金属に吸着しやすいためにNOxの貴金属への吸着
が阻害され易いという問題があり、また、上記セリア
(Ce)はCeO2の状態では水性ガス反応(CO+H2O
→ H2+CO2)を促進し、これにより生成されたH
2は(2NO+2H 2 → N2+2H2O)のように反応
してNOxを浄化するのであるが、還元雰囲気中にはC
Oが多いことから水性ガス反応の不活性(CeO2+CO
→ Ce2O 3+CO2)が起こり、この状態では水性ガ
ス反応が促進されずにその分NOxの浄化効率が低下す
るという問題がある(これらを総称して還元被毒とい
う)。
来の劣化診断方法では、空燃比を変調させたとしても、
還元雰囲気期間が長いと、実際には触媒が劣化しておら
ず酸化雰囲気にすればNOx浄化能力が回復するにも拘
わらず、触媒が劣化したと誤って判定してしまうおそれ
があり、当該方法は触媒劣化診断方法としてそれほど信
頼性の高いものではない。
になされたもので、その目的とするところは、精度よく
劣化判定可能な排気浄化装置を提供することにある。
ために、請求項1の発明では、内燃機関の排気通路に設
けられた触媒コンバータと、該触媒コンバータの下流側
に設けられた第1の排ガス検出手段と、該第1の排ガス
検出手段からの排ガス情報に基づき、前記触媒コンバー
タを排ガスの浄化に最適な状態に制御する触媒最適化手
段と、前記触媒コンバータの下流側に設けられた第2の
排ガス検出手段と、前記触媒最適化手段により前記触媒
コンバータが最適な状態にあるとき、該第2の排ガス検
出手段により前記触媒コンバータの劣化度合いを診断す
る劣化診断手段とを備えたことを特徴としている。
れた第1の排ガス検出手段からの排ガス情報に基づけ
ば、触媒コンバータの排ガスの浄化状況を知ることがで
き、先ず、触媒最適化手段により、この浄化状況が最良
となるよう触媒コンバータが排ガスの浄化に最適な状態
に制御される。そして、このように触媒コンバータが最
適な状態でありながら、第2の排ガス検出手段によって
触媒コンバータから排出される他の排ガス成分の変化が
検出されると、劣化診断手段により、触媒コンバータに
異常があるとみなされ、その排ガス成分変化の程度に応
じて触媒コンバータの劣化度合いが診断される。
ガス検出手段はNOxセンサであり、前記劣化診断手段
は、前記NOxセンサからのNOx排出量に応じて前記触
媒コンバータの劣化度合いを診断することを特徴として
いる。従って、触媒最適化手段によって触媒コンバータ
が排ガスの浄化に最適な状態に制御されていれば、触媒
コンバータが還元雰囲気にあっても上記還元被毒の影響
なくNOx浄化能力が高く維持されることになるが、触
媒コンバータがこのようにNOx浄化能力が高い状況に
も拘わらず、触媒コンバータ下流のNOxセンサにより
NOxの排出が検出されると、その排出の程度に応じ、
上述したNOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化との関
係に基づいて触媒コンバータの劣化度合いが診断され
る。
の周期、振幅で空燃比を強制的に変動可能な空燃比強制
変動手段を備えるとともに、前記第1の排ガス検出手段
は酸素濃度を検出する酸素センサであり、前記触媒最適
化手段は、前記空燃比強制変動手段により前記酸素セン
サの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲
内となるように空燃比を変動させることで前記触媒コン
バータを最適な状態に制御することを特徴としている。
ンサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範
囲内となるように空燃比を変動させることで、触媒コン
バータの浄化効率の最適化が図られる。そして、このよ
うな最適な状態でありながら、第2の排ガス検出手段に
よって触媒コンバータから排出される排ガス成分変化が
検出されると、劣化診断手段により、触媒コンバータに
異常があるとみなされ、その排ガス成分変化の程度に応
じて触媒コンバータの劣化度合いが診断される。
見に基づきなされており、以下当該請求項3における触
媒最適化手法について詳しく述べる。空燃比強制変動手
段によって内燃機関の空燃比を変動させると、排気空燃
比が周期的にリーン空燃比とリッチ空燃比間で変動する
ことになり酸化雰囲気と還元雰囲気とが交互に発生して
HC、CO及びNOxがそれぞれ浄化されることになる
のであるが、その際、出願人が触媒コンバータ(三元触
媒)の下流に設けた酸素センサの出力値を調査したとこ
ろ、図6に示すように、酸素センサの出力値とNOx浄
化効率との間には一定の関係があることが確認された。
空燃比とリーン空燃比とに周期的に変動させると、図6
に実線で示すように、酸素センサ(例えば、デンソー製
065500−2991またはこれと同等の出力電圧特
性を有するO2センサ)の出力値の大部分が第1所定値
(0.55V(ボルト))以上第2所定値(0.85V
(ボルト))以下の一定範囲ではNOx浄化効率が最適
値(NOxの殆どが浄化される状態)を示すことが確認
された。
が第1所定値(0.55V)以上第2所定値(0.85
V)以下の所定範囲となるように変調度合いを設定して
空燃比をリッチ空燃比とリーン空燃比との間で変動させ
るようにすれば、NOx浄化効率を還元被毒の影響なく
最適の状態に維持することが可能となる。故に、第1所
定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように空燃
比を変動させることで、触媒コンバータの浄化効率の最
適化を図ることが可能となる。
制変動手段は前記酸素センサの出力値が第1所定値以上
第2所定値以下の所定範囲内となるよう排気輸送遅れが
大きいほど前記出力値の目標値を前記所定範囲内で大側
に設定して空燃比を変動させることを特徴としている。
従って、空燃比強制変動手段により酸素センサの出力値
が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるよ
うに空燃比を変動させ、この際、排気輸送遅れが大きい
ほど出力値の目標値を所定範囲内で大側に設定して空燃
比を変動させることにより、排気輸送遅れにより目標値
に対する制御応答性が鈍化したとしても、確実に触媒コ
ンバータの浄化効率の最適化が図られる。そして、この
ような最適な状態でありながら、第2の排ガス検出手段
によって触媒コンバータから排出される排ガス成分変化
が検出されると、劣化診断手段により、触媒コンバータ
に異常があるとみなされ、その排ガス成分変化の程度に
応じて触媒コンバータの劣化度合いが診断される。
見に基づきなされており、以下当該請求項4における空
燃比強制変動手法について詳しく述べる。出願人の実験
によれば、内燃機関回転速度が小さいときのように排気
流速が遅く排気輸送遅れが大きい場合には、輸送遅れが
小さい場合に比べてNOx浄化効率が最適値(NOxの殆
どが浄化される状態)を示す一定の出力範囲が大側に広
がることが確認されている。つまり、図6には排気輸送
遅れが大の場合のNOx浄化効率が実線で示され、排気
輸送遅れが小の場合のNOx浄化効率が破線で示されて
いるが、このように、排気輸送遅れが大きくなるにつれ
てNOx浄化効率が最適値を示す酸素センサの出力値の
上限値が大側にシフトする。そして、その上限値の最大
値が第2所定値(0.85V)近傍となる。
御目標値を定めてフィードバック制御を実施した場合、
排気輸送遅れが大きくなり応答性が鈍化すると、制御目
標値からのバラツキが大きくなる。つまり、図6に実線
矢印で示すように排気輸送遅れが小さければ制御目標値
からのバラツキは小さく、排気輸送遅れが大きくなると
バラツキは大きくなる。そして、このように制御目標値
からのバラツキが大きくなると、制御目標値が同一のま
までは排気輸送遅れが大きい場合に一時的に酸素センサ
の出力が第1所定値(0.55V)から外れ、NOx浄
化効率が低くなってしまうことが生じうる。
の最適化を図るためには、当該制御目標値からのバラツ
キの範囲についても所定範囲内に納めることが必要であ
る。従って、上述の如くNOx浄化効率が最適値を示す
出力範囲が大側にシフトするという特性を参酌すると、
排気輸送遅れが小さいときには酸素センサの出力値の目
標値を比較的第1所定値(0.55V)側に設定してお
くのがよく、一方、排気輸送遅れが大きくなるにつれて
当該目標値を大側にシフトして設定するのがよいと考え
られる。
験に基づくマップが示されているが、当該図7のマップ
に示すように排気輸送遅れが大きいほど出力値の目標値
を所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動させるよう
にすれば、排気輸送遅れにより目標値に対する応答性が
鈍化し制御目標値からのバラツキが大きくなったとして
も、図6に破線矢印で示すように酸素センサの出力の大
部分は常に第1所定値(0.55V)以上の所定範囲内
に収まることになり、これにより確実に触媒コンバータ
の浄化効率の最適化を図ることが可能となる。
値は0.55ボルトであり、前記第2所定値は0.85
ボルトであることを特徴としている。従って、空燃比強
制変動手段により酸素センサの出力値の大部分が0.5
5Vから0.85Vの所定範囲内となるように空燃比を
変動させることで、確実に触媒コンバータの浄化効率の
最適化を図ることが可能である。
素センサ(例えば、デンソー製065500−2991
またはこれと同等の出力電圧特性を有するO2センサ)
において、上記第1所定値は0.55Vであり、第2所
定値は0.85Vであり、故に0.55Vから0.85
Vの範囲内であれば、確実に触媒コンバータの浄化効率
の最適化を図ることが可能となる。
に基づいて説明する。図1を参照すると、車両に搭載さ
れた本発明に係る排気浄化装置の概略構成図が示されて
おり、以下同図に基づいて本発明に係る排気浄化装置の
構成を説明する。
単にエンジンという)1としては、例えば、燃料噴射モ
ードを切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程
噴射)とともに圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)
を実施可能な筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジンが
採用される。この筒内噴射型のエンジン1は、容易にし
て理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比で
の運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運
転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
ヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式
の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃
料を燃焼室内に直接噴射可能である。点火プラグ4には
高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。ま
た、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タン
クを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されてい
る。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプ
と高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃
料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高
燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向
けて所望の燃圧で噴射可能である。この際、燃料噴射量
は高圧燃料ポンプの燃料吐出圧Pinjと燃料噴射弁6の
開弁時間、即ち燃料噴射時間Tinjとから決定される。
方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連
通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞ
れ接続されている。また、シリンダヘッド2には、各気
筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排
気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の
一端がそれぞれ接続されている。
公知のものであるため、その構成の詳細については説明
を省略する。同図に示すように、吸気マニホールド10
には吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁14及
び当該スロットル弁14の開度θthを検出するスロット
ルポジションセンサ(TPS)16が設けられており、
さらに、スロットル弁14の上流には、吸入空気量を計
測するエアフローセンサ18が介装されている。エアフ
ローセンサ18としては、カルマン渦式エアフローセン
サが使用される。
(排気通路)20が接続されており、この排気管20に
は、排気浄化触媒装置として三元触媒(触媒コンバー
タ)30が介装されている。この三元触媒30は、担体
に活性貴金属として銅(Cu),コバルト(Co),銀
(Ag),白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウ
ム(Rh)のいずれかを有するとともにセリア(Ce)
が添加されており、酸素吸蔵機能(O2ストレージ機
能)を有した三元触媒として構成されている。つまり、
活性貴金属やセリア(Ce)は排気空燃比がリーン空燃
比である酸化雰囲気中において酸素(O2)を吸着する
と、排気空燃比がリッチ空燃比となり還元雰囲気となっ
てもそのO2を吸着した状態を維持する性質を有してお
り、これにより、当該三元触媒30は還元雰囲気状態に
おいても担体表面にO2を有してHC(炭化水素)やC
O(一酸化炭素)を酸化除去可能である。また、活性貴
金属は、排気空燃比がリッチ空燃比である還元雰囲気に
おいて、HC、CO、H2(水素)等の還元剤を吸着
し、排気空燃比がリーン空燃比となり酸化雰囲気となっ
てもその還元剤を吸着した状態を維持する性質を有して
おり、これにより、当該三元触媒30は酸化雰囲気にお
いても担体表面に還元剤を有してNOx(窒素酸化物)
を還元除去可能である。即ち、O2ストレージ機能とと
もに還元剤ストレージ機能を有した当該三元触媒30
は、酸化雰囲気でHC、COを浄化できるのは勿論のこ
とNOxを浄化でき、吸蔵されたO2により還元雰囲気中
においてもNOxの浄化のみならずHC、COを浄化可
能である。
る流速センサ22が配設されており、さらに、三元触媒
30の下流にはO2センサ(第1の排ガスセンサ、酸素
センサ)24及びNOxセンサ(第2の排ガスセンサ)
26が配設されている。O2センサ24としては、ここ
ではデンソー製のO2センサ(型番号065500−2
991または234000−8181または23400
0−8211)或いはこれと同等の出力特性を有するO
2センサが使用される。NOxセンサ26はNOx量を検
出するものである。
AM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、
タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユ
ニット)40が設置されており、このECU40によ
り、エンジン1を含めた燃焼制御装置の総合的な制御が
行われる。ECU40の入力側には、上述したTPS1
6、エアフローセンサ18、流速センサ22、O2セン
サ24及びNOxセンサ26等の各種センサ類が接続さ
れており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。
料噴射弁6や点火コイル8等の各種出力デバイスが接続
されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類
からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量、燃料噴
射時期、点火時期等がそれぞれ出力され、これにより、
燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正なタイミングで噴
射され、点火プラグ4により適正なタイミングで火花点
火が実施される。
排気浄化装置の作用を説明する。本発明に係る排気浄化
装置では、三元触媒30の能力を最大限発揮するため
に、ECU40によって空燃比をリッチ空燃比とリーン
空燃比との間で強制的に交互に振るようにしている。つ
まり、ここでは、図2に示すように、空燃比(A/F)
を一定期間(リーン時間)に亘りリーン空燃比(例えば
値16)とした後一定期間リッチ空燃比(例えば値1
4)とするように変調させ、リーン空燃比とリッチ空燃
比とを周期的に繰り返すようにしている(空燃比強制変
動手段)。なお、変調波形は、ここでは矩形波であるが
三角波であってもよい。
ときにはHC、COが良好に浄化されるとともに三元触
媒30のO2ストレージ機能によりO2が吸蔵され且つ還
元剤ストレージ機能によりNOxが浄化され、一方、排
気空燃比がリッチ空燃比のときには還元剤が吸蔵される
とともにNOxが良好に浄化され且つ吸蔵されたO2によ
ってHC、COが継続的に浄化され続ける。
下流に設けた酸素センサ、即ちO2センサ24の出力値
とNOx浄化効率との間に一定の関係があることが確認
されたことに基づき、O2センサ24の出力に基づいて
三元触媒30の排気浄化効率の最適化を図るようにして
おり(触媒最適化手段)、このように三元触媒30の排
気浄化効率が最適化された状態で、やはり触媒下流に設
けたNOxセンサ26の出力情報に基づき三元触媒30
の劣化診断を行うようにしている(劣化診断手段)。
に応じた触媒最適化制御の制御ルーチンがフローチャー
トで示されており、以下当該フローチャートに基づき本
発明に係る触媒最適化制御の制御手順について説明す
る。ステップS10では、先ず、O2センサ24が活性
状態にあるか否かを判別する。判別結果が偽(No)で
O2センサ24が活性状態にない場合には当該ルーチン
を抜け、一方、判別結果が真(Yes)の場合には、次
にステップS12に進む。
空燃比の変調度合い、即ち周期Tに対するリーン空燃比
の時間(リーン時間tl)の比である空燃比デューティ
Dを求め、当該デューティDが所定値D1より小さいか
否か(D<D1)を判別する。 (空燃比デューティ)D=(リーン時間)tl/(周期)T …(1) なお、リーン空燃比の値とリッチ空燃比の値は上述した
所定のリーン空燃比(例えば値16)及び所定のリッチ
空燃比(例えば値14)にそれぞれ固定する必要はな
く、各運転条件に応じて最適な値とするようにしてもよ
い。
1sec)であってもよいし、運転状態(例えば、排気流
量、吸気流量、車速、触媒温度、排気管温度、エンジン
回転速度、正味平均有効圧、図示平均有効圧、体積効
率、排気マニホールド圧、冷却水温、潤滑油温の少なく
ともいずれか一つ)に応じて変更するようにしてもよ
い。また、時間ベースであってもよいし、燃焼サイクル
ベースであってもよい。
のトルク差がないように空燃比、点火時期等を設定する
と、フィーリングが改善される。上述したように、三元
触媒30の排気浄化効率の最適化を図るべく空燃比を変
調制御するためには、O2センサ24の出力値(出力
S)が0.55V(第1所定値)から0.85V(第2
所定値)の間の最適範囲になるように空燃比の変調度合
い、即ちデューティDを設定すればよい。そして、出力
Sを当該所望の範囲内とすることができるデューティD
の上限(D2)、下限(D1)は実験により予め設定され
ている。
別値である所定値D1は出力Sの上限値0.85Vに対
応したデューティD1である。ところが、吸気流量計、
燃料噴射弁等の誤差により、実際のリーン空燃比あるい
はリッチ空燃比が所望の範囲から外れている場合があ
り、このとき、空燃比の変調度合いを調整しても出力S
を0.55V(第1所定値)から0.85V(第2所定
値)の範囲内とすることができない。
が本制御の出力Sの上限に対応したデューティD1より
小さいか否か、即ち出力Sを当該所望の範囲内に制御す
ることができないくらい空燃比がリーン側にずれている
可能性の有無を判別する。ステップS12の判別結果が
真(Yes)でデューティDが所定値D1より小さいと
判定された場合には、次にステップS14に進む。
力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)よりも小さいか否
か(S<S1+ΔS1)を判別する。制御目標値S1は上
記0.55Vと0.85Vの範囲内となる値であり、不
感帯ΔS1は例えば0.01Vとする。ところで、上述
したように、制御目標値を定めてフィードバック制御を
行うと、排気輸送遅れが大きい場合、O2センサ24の
出力Sの制御目標値に対するバラツキが大きくなる。つ
まり、出力Sの制御目標値からのバラツキによって出力
Sが一時的に制御目標上限値を越えてしまうことにな
る。
出力Sの大部分が0.55Vから0.85Vの範囲内に
収まるよう、図6に示したように、出力Sの制御目標値
S1を設定するようにしている。つまり、NOx浄化効率
が最適値を示す出力範囲は、排気輸送遅れが小さいとき
には狭く排気輸送遅れが大きいときには大側に拡大する
ことから、図7のマップに基づき、排気輸送遅れが小さ
いときにはO2センサ24の出力Sの目標値を下限値
0.55V寄りに設定し、排気輸送遅れが大きくなるに
つれて当該目標値を大側にシフトして設定する。
空気量、車速、酸素センサ上流排気系容積、内燃機関回
転速度、正味平均有効圧、図示平均有効圧、体積効率、
吸気マニホールド圧、排気温度及び排気流量のいずれに
よっても検出可能であるが、ここでは、流速センサ22
により検出される排気流速情報に基づいて排気輸送遅れ
を検出する。即ち、排気流速が大きければ排気輸送遅れ
は小さく、一方排気流速が小さければ排気輸送遅れは大
きいと判断する。
用いられるが、平滑化処理を行った平均値を用いてもよ
い。この場合、例えば空燃比の変調周期間の平均値を用
いてもよいし、所定期間の平均値を用いてもよい。通常
ならば、ステップS12の判別結果が真(Yes)であ
れば、空燃比の指令値は過剰にリッチとなっており、出
力Sは制御目標上限値(S1+ΔS1)を越えるはずあ
る。しかしながら、ステップS12の判別結果が真(Y
es)でありながらステップS14の判別結果が真(Y
es)で出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)よりも
小さい場合には、上記吸気流量計、燃料噴射弁等の異常
により燃料噴射量、吸入空気量の実際値と測定値との間
に何らかの制御誤差が生じ、空燃比の指令値に対して実
際の空燃比がリーン空燃比寄りになっていると考えられ
る。従って、ステップS14の判別結果が真(Yes)
の場合には、次にステップS16に進む。
際の空燃比に合わせるべく、空燃比の指令値を次式(2)
により補正する。つまり、上記所定のリーン空燃比(例
えば値16)及び所定のリッチ空燃比(例えば値14)
の指令値を実際値との整合を図るべくリッチ側に補正す
る。即ち上下限A/Fリッチ化補正を行う。 (補正A/F)(n)=(補正A/F)(n-1)+G1 …(2) ここに、G1は補正ゲインであり、O2センサ24の出力
Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
6は、空燃比の指令値と実際の空燃比とが整合するまで
繰り返し実行される。一方、ステップS14の判別結果
が偽(No)で出力Sが制御目標上限値(S1+ΔS1)
以上と判定された場合には、空燃比の指令値と実際の空
燃比との整合はとれていると考えられる。従って、この
場合には、ステップS30に進み、出力Sが制御目標値
S1となるように空燃比の変調度合いを調整する。即
ち、空燃比の変調度合いを調節することで、図2に示す
平均A/Fをリーン空燃比寄りに調整する。
ューティDを変える方法、酸化剤或いは還元剤の供給度
合い(即ち空燃比A/F)を変える方法等が考えられる
が、ここでは、空燃比デューティDを変える方法を採用
し、次式(3)に示すように、リーン空燃比の時間比率を
大きく、つまり空燃比デューティDを大きくすることに
より平均A/Fをリーン化して変調度合いを調整する。
Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。ところ
で、O2センサ24の出力Sは、図5に実線で示すよう
に、空気過剰率に対し非線形であって空気過剰率1.0
近傍で急変するものであり、このような非線形な制御対
象を制御することは困難である。
(0.55V〜0.85V)が主として空気過剰率1.
0よりも小側の領域であることから、図5中に破線で示
すように、出力Sに対応する疑似出力を設定し出力Sを
線形化して出力S方向のスパンを広げ、その疑似出力上
に疑似目標値を設定するようにし、これにより制御を容
易且つ精度の高いものにしている。
サ24の出力Sが目標値に到達するまで、即ちバラツキ
を含めて大部分の出力Sが0.55Vから0.85Vの
範囲内となるまで繰り返し実行される。これにより、三
元触媒30の浄化効率の最適化が図られる。上記ステッ
プS12の判別結果が偽(No)でデューティDが所定
値D1以上と判定された場合には、次にステップS18
に進む。
が所定値D2より大きいか否か(D>D2)を判別す
る。判別値である所定値D2は上述したように出力Sの
下限値0.55Vに対応したデューティD2であり、こ
こではデューティDが本制御の出力Sの下限に対応した
デューティD2より大きいか否か、即ち出力Sを当該所
望の範囲内に制御することができないくらい空燃比がリ
ッチ側にずれている可能性の有無を判別する。
でデューティDが所定値D2より大きいと判定された場
合には、次にステップS20に進む。ステップS20で
は、O2センサ24の出力Sが制御目標下限値(S1−Δ
S1)よりも大きいか否か(S>S1−ΔS1)を判別す
る。通常ならば、ステップS18の判別結果が真(Ye
s)であれば、空燃比の指令値は過剰にリーンとなって
おり、出力Sは制御目標下限値(S1−ΔS1)を下回る
はずある。しかしながら、ステップS18の判別結果が
真(Yes)でありながらステップS20の判別結果が
真(Yes)で出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)
よりも大きい場合には、上記同様、空燃比の指令値に対
して実際の空燃比がリッチ空燃比寄りになっていると考
えられる。従って、ステップS20の判別結果が真(Y
es)の場合には、次にステップS22に進む。
際の空燃比に合わせるべく、空燃比の指令値を次式(4)
により補正する。つまり、上記所定のリーン空燃比(例
えば値16)及び所定のリッチ空燃比(例えば値14)
の指令値を実際値との整合を図るべくリーン補正する。
即ち上下限A/Fリーン化補正を行う。 (補正A/F)(n)=(補正A/F)(n-1)−G2 …(4) ここに、G2は補正ゲインであり、O2センサ24の出力
Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
S16と同様、ステップS18乃至ステップS22は、
空燃比の指令値と実際の空燃比とが整合するまで繰り返
し実行される。一方、ステップS20の判別結果が偽
(No)で出力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)以下
と判定された場合には、空燃比の指令値と実際の空燃比
との整合はとれていると考えられる。従って、この場合
には、ステップS26に進み、出力Sが制御目標値S1
となるように空燃比の変調度合いを調整する。即ち、空
燃比の変調度合いを調節することで、図2に示す平均A
/Fをリッチ空燃比寄りに調整する。
燃比デューティDを変える方法を採用し、次式(5)に示
すように、リッチ空燃比の時間比率を大きく、つまり空
燃比デューティDを小さくすることにより平均A/Fを
リッチ化して変調度合いを調整する。 D(n)=D(n-1)−G4 …(5) ここに、G4は補正ゲインであり、O2センサ24の出力
Sと制御目標値S1との偏差に応じて増減する。
サ24の出力Sが目標値に到達するまで、即ちバラツキ
を含めて大部分の出力Sが0.55Vから0.85Vの
範囲内となるまで繰り返し実行される。これにより、や
はり三元触媒30の浄化効率の最適化が図られる。この
ように、ステップS26或いはステップS30において
空燃比デューティDが変更されると、当該デューティD
は所定値D1以上所定値D2以下の範囲に入るようにな
る。従って、この場合には、ステップS18の判別結果
は偽(No)となり、次にステップS24に進む。
力Sが制御目標下限値(S1−ΔS1)よりも小さいか否
か(S<S1−ΔS1)を判別する。同じく、ステップS
28では、O2センサ24の出力Sが制御目標上限値
(S1+ΔS1)よりも大きいか否か(S>S1+ΔS1)
を判別する。ステップS24、ステップS28の判別結
果がそれぞれ真(Yes)の場合には、前述したよう
に、ステップS26或いはステップS30で空燃比の変
調度合いが調整され、その結果、O2センサ24の出力
Sが不感帯ΔS1内のバラツキを許容して制御目標値S1
に一致する。
に当該出力Sが0.55Vから0.85Vの範囲内とな
るよう制御できることになり、三元触媒30の浄化効率
を安定して最適な状態に維持することができる。つま
り、ステップS24及びステップS28の判別結果がと
もに偽(No)となった場合には、ステップS32にお
いて、触媒最適と判定し、三元触媒30が最適化された
ことを記憶する。
の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下
当該フローチャートに基づき本発明に係る触媒劣化診断
の制御手順について説明する。ステップS40では、上
記触媒最適化制御の実施により、三元触媒30が最適化
された状態にあるか否かを判別する。判別結果が真(Y
es)で、上記ステップS32の実行により触媒最適と
判定された場合には、次にステップS42に進む。
より検出されるNOx量情報に基づき、NOx量が所定量
X1を越えているか否か((NOx量)>X1)を判別す
る。ステップS42の判別結果が真(Yes)で、三元
触媒30が最適化されているにも拘わらずNOx量が所
定量X1を越えていると判定されるような場合には、上
記NOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化の関係に基づ
き、三元触媒30が劣化して浄化機能が低下していると
考えられる。つまり、図8に示すように、最適化されて
高く維持されていたNOx浄化効率(実線)が二点鎖線
で示すように低下していると考えられる。
4において触媒劣化と診断する。具体的には、異常ラン
プを点灯する等して運転者に異常を知らせ、修理を促
す。一方、ステップS40の判別結果が偽(No)の場
合には、三元触媒30が最適化された状態にないので、
当該劣化診断を行うことなく当該ルーチンを抜ける。ま
た、ステップS42の判別結果が偽(No)の場合に
は、触媒下流にNOxが殆ど排出されておらず、三元触
媒30はNOx浄化効率を高く維持して劣化していない
と判定できるので、やはり当該ルーチンを抜ける。
は、一旦三元触媒30を最適化し、NOx浄化効率を最
適値にした状態で、三元触媒30下流のNOxの排出状
況を監視するようにしている。従って、触媒下流に設け
たNOxセンサ24によりNOxが所定量X1を越えて排
出されていることが検出されると、NOx浄化性能、貴
金属及び触媒の劣化の関係に基づいて直ちに三元触媒3
0が劣化したと診断できることになり、容易にして精度
よく適正に触媒劣化診断を行うことができる。
において、式(2)乃至式(5)に基づき上下限A/F及び平
均A/Fをリッチ化或いはリーン化したが、これらリッ
チ化及びリーン化の処理を比例制御、積分制御、微分制
御の少なくともいずれか一つを用いて行うようにしても
よく、また、現代制御理論を用いて行うようにしてもよ
い。
触媒30のみ配設された場合を説明したが、本発明は、
排気通路に三元触媒が複数配設された場合にも適用可能
である。例えば、排気管後方に通常の三元触媒(後方触
媒)を配するとともにエンジン1の近傍に三元触媒(前
方触媒)を配し、それぞれの三元触媒の直下流にO2セ
ンサを設けるようにし、低温始動時のような後方触媒を
十分に活性できないような状況下では前方触媒下流のO
2センサの出力値を用いて触媒最適化制御を行い、一
方、後方触媒が十分活性した後は当該後方触媒下流のO
2センサの出力値を用いて触媒最適化制御を行うように
切換えて触媒劣化診断を行うようにしてもよい。なお、
この切換えは運転状態(例えば、冷却水温、始動後経過
時間、後方触媒温度、前方触媒温度、排気温度の少なく
ともいずれか一つ)に基づいて行えばよく、O2センサ
の出力値を完全に切換えることなく上記運転状態に応じ
て各O2センサの出力値にそれぞれ重み付けをするよう
にしてもよい。
してセリア(Ce)の添加された三元触媒を用いるよう
にしたが、セリア(Ce)が添加されていないような酸
素吸蔵能力の低い三元触媒であっても、酸素吸蔵能力に
拘わらず、本発明を好適に適用可能である。また、ここ
では、触媒コンバータとして一般的な三元触媒を例に説
明したが、触媒コンバータはNOx選択還元型三元触媒
であってもよいし、NOx吸蔵触媒であってもよく、さ
らにはこれらの組み合わせであってもよい。
センサ24を用いて触媒最適化制御を行うようにした
が、O2センサ24の代わりにA/Fセンサ等の排ガス
センサを触媒下流に設け、当該排ガスセンサからの情報
に基づき触媒最適化制御を行うようにしてもよい。ま
た、触媒下流のO2センサにより空燃比を制御すること
は、O2センサ上流の触媒等によって機関燃焼空燃比の
変化に対しての遅れが大きくなる傾向にある。従って、
この遅れが問題となる場合には、触媒上流にさらにO2
センサ或いはA/Fセンサ等の排ガスセンサを取り付
け、その出力を基に補正を行うようにしてもよい。
点火式ガソリンエンジンを例に説明したが、当該発明を
ディーゼルエンジンに適用するようにしてもよい。ま
た、上記実施形態では、O2センサ(第1の排ガス検出
手段)24とNOxセンサ(第2の排ガス検出手段)2
6とをそれぞれ個別に設けるようにしたが、構造上O2
センサの機能を有するタイプのNOxセンサ(例えば、
限界電流方式或いは混成電位方式)のみを設けるように
してもよい。
求項1の排気浄化装置によれば、触媒コンバータの下流
側に設けられた第1の排ガス検出手段からの排ガス情報
に基づけば、触媒コンバータの排ガスの浄化状況を知る
ことができ、触媒最適化手段により、この浄化状況が最
良となるよう触媒コンバータを排ガスの浄化に最適な状
態に制御できる。そして、このように触媒コンバータが
最適な状態でありながら、第2の排ガス検出手段によっ
て触媒コンバータから排出される排ガス成分変化が検出
された場合には、劣化診断手段により、触媒コンバータ
に異常があるとみなすことができ、その排ガス成分変化
の程度に応じて触媒コンバータの劣化度合いを精度よく
適正に診断することができる。
触媒最適化手段によって触媒コンバータが排ガスの浄化
に最適な状態に制御されていれば、触媒コンバータが還
元雰囲気にあっても上記還元被毒の影響なくNOx浄化
能力が高く維持されることになるが、触媒コンバータが
このようにNOx浄化能力が高い状況にも拘わらず、触
媒コンバータ下流のNOxセンサによってNOxの排出が
検出された場合には、その排出の程度に応じ、上述した
NOx浄化性能、貴金属及び触媒の劣化の関係に基づい
て触媒コンバータの劣化度合いを精度よく適正に診断す
ることができる。
空燃比強制変動手段により酸素センサの出力値が第1所
定値以上第2所定値以下の所定範囲内となるように空燃
比を変動させることで、容易にして触媒コンバータの浄
化効率の最適化を図ることができる。また、請求項4の
排気浄化装置によれば、空燃比強制変動手段により酸素
センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定
範囲内となるように空燃比を変動させ、この際、排気輸
送遅れが大きいほど出力値の目標値を所定範囲内で大側
に設定して空燃比を変動させることにより、排気輸送遅
れにより目標値に対する制御応答性が鈍化したとして
も、確実に触媒コンバータの浄化効率の最適化を図るこ
とができる。
空燃比強制変動手段により酸素センサの出力値の大部分
が0.55Vから0.85Vの所定範囲内となるように
空燃比を変動させることで、確実に触媒コンバータの浄
化効率の最適化を図ることができる。
概略構成図である。
御ルーチンを示すフローチャートである。
すフローチャートである。
る。
浄化効率との関係を示す実験結果である。
標値を示すマップである。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コ
ンバータと、 該触媒コンバータの下流側に設けられた第1の排ガス検
出手段と、 該第1の排ガス検出手段からの排ガス情報に基づき、前
記触媒コンバータを排ガスの浄化に最適な状態に制御す
る触媒最適化手段と、 前記触媒コンバータの下流側に設けられた第2の排ガス
検出手段と、 前記触媒最適化手段により前記触媒コンバータが最適な
状態にあるとき、該第2の排ガス検出手段により前記触
媒コンバータの劣化度合いを診断する劣化診断手段と、 を備えたことを特徴とする排気浄化装置。 - 【請求項2】 前記第2の排ガス検出手段はNOxセン
サであり、前記劣化診断手段は、前記NOxセンサから
のNOx排出量に応じて前記触媒コンバータの劣化度合
いを診断することを特徴とする、請求項1記載の排気浄
化装置。 - 【請求項3】 さらに、所定の周期、振幅で空燃比を強
制的に変動可能な空燃比強制変動手段を備えるととも
に、前記第1の排ガス検出手段は酸素濃度を検出する酸
素センサであり、 前記触媒最適化手段は、前記空燃比強制変動手段により
前記酸素センサの出力値が第1所定値以上第2所定値以
下の所定範囲内となるように空燃比を変動させることで
前記触媒コンバータを最適な状態に制御することを特徴
とする、請求項1または2記載の排気浄化装置。 - 【請求項4】 前記空燃比強制変動手段は前記酸素セン
サの出力値が第1所定値以上第2所定値以下の所定範囲
内となるよう排気輸送遅れが大きいほど前記出力値の目
標値を前記所定範囲内で大側に設定して空燃比を変動さ
せることを特徴とする、請求項3記載の排気浄化装置。 - 【請求項5】 前記第1所定値は0.55ボルトであ
り、前記第2所定値は0.85ボルトであることを特徴
とする、請求項3または4記載の排気浄化装置。
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