JP4344713B2 - インクカートリッジ及びインクジェット記録システム - Google Patents

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Description

本発明は、吐出方式の記録ヘッドに供給されるインクを収納するインクカートリッジ及びこのインクカートリッジを使用するインクジェット記録システムに関するものである。
インクを吐出する吐出口が設けられたインク吐出方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドからインクを液滴として吐出しこれを用紙に付着させて画像を記録する、いわゆるインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、インクを収納するインクタンクが設けられており、このインクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。記録ヘッドは、例えば、吐出口が形成されたノズルと、ピエゾ素子によって駆動される振動板とを備えており、振動板の振動による圧力変化を利用して、インクタンクからインクをノズルへ吸引して吐出口から噴射する。
インクは消耗品であるため、その補充の便宜を考慮して、インクタンクは、インクジェット記録装置に交換可能に取り付けられるカートリッジタイプのものが多い。このカートリッジタイプのインクタンク(以下、インクカートリッジという)は、インクが使い切られて空になると、インクが充填された新しいインクカートリッジに交換される。インクカートリッジが取り付けられるカートリッジ装着部には、記録ヘッドへインクを供給するためのインク供給針が配置されており、インクカートリッジをカートリッジ装着部に装着すると、インク供給針が、インクカートリッジに形成されたインク供給口に差し込まれる。これにより、インクカートリッジとノズルとの間に、インク供給針を含むインク供給路が確立される。
また、インクカートリッジには、インク供給口とは別に、インク収納室に大気を導入する大気導入口が設けられている。記録ヘッドによってインク収納室内のインクが消費されると、インク収納室内の圧力が低下する。この圧力が低下しすぎると、ノズル内のインクのメニスカスが破壊されて、ノズルの吐出口から大気が流入して、吐出不良の原因となる。大気導入口は、記録ヘッドによるインク消費量に見合った分の大気をインク収納室に取り込むためのもので、こうした大気の取り込みによって、ノズルの圧力が所定の範囲に維持される。
インクが空になっていない使用途中のインクカートリッジがインクジェット記録装置から取り外された際に、こうしたインク供給口や大気導入口からインクが外部に漏れてしまうことを防止するために、インク供給口と大気導入口のそれぞれを封止する2つの弁を設けたインクカートリッジが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。これら各弁は、インクカートリッジがインクジェット記録装置から取り外されたときに、バネによって閉じ位置に付勢されるようになっており、これによりインク漏れが防止される。
特開2004−243778号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクカートリッジは、インクカートリッジをインクジェット記録装置に装着されたときに弁を開放するための可動部が外部に露呈されてしまっているため、インクカートリッジのハンドリング中に、可動部が何かと接触すると、不用意に弁が開いてしまうおそれがある。また、このインクカートリッジの大気導入口は完全には封止されておらず、インク収納室は、多孔質材料からなるフイルタ及び大気導入口を通じて大気に開放されている。そのため、フイルタ自体の破損や、衝撃によりフイルタの空隙中に含まれたインクのメニスカスの破壊が生じると、大気導入口を通じてインク漏れが生じる懸念がある。
本発明は、衝撃や振動を与えてもインク漏れのないインクカートリッジ及びこのインクカートリッジを使用するインクジェット記録システムを提供することを目的とする。
本発明のインクカートリッジは、吐出方式の記録ヘッドを備えこの記録ヘッドにより画像を記録するインクジェット記録装置に着脱自在にセットされ、前記記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を備えた本体と、前記インク収納室内のインクを前記記録ヘッドへ供給するためのインク供給部と、前記インク収納室内の圧力に応じて前記インク収納室内に大気を導入する大気導入部とを備えたインクカートリッジにおいて、前記大気導入部は、前記本体外から前記大気導入部内に大気を導入する一次導入口を開閉する一次弁と、前記一次導入口から前記大気導入部内に導入した大気を前記インク収納室内に送り込む二次導入口と、前記二次導入口を開閉する二次弁とを設けたことを特徴とする。
前記一次弁及び二次弁は、例えば、前記一次及び二次の各導入口のそれぞれを閉じる閉じ位置に向けて付勢部材によって付勢されていることが好ましい。前記二次弁は、電磁石によって開閉可能なマグネット弁である。
前記大気導入部には、前記一次導入口から前記二次導入口へ至る導入経路内に、周壁の一部が可撓性部材で形成され、一次導入口及び二次導入口から流入する空気を受け入れるバッファ室が設けられていることが好ましい。
前記二次弁は、前記インク収納室の圧力が前記大気導入部の圧力よりも上昇したときに、その圧力差によって、前記付勢部材の付勢力に抗して前記二次導入口を開く開位置に移動可能なことが好ましい。
本発明のインクジェット記録システムは、吐出方式の記録ヘッドを備えこの記録ヘッドにより画像を記録するインクジェット記録装置と、このインクジェット記録装置に着脱自在にセットされ、前記記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を備えた本体と、前記インク収納室内のインクを前記記録ヘッドへ供給するためのインク供給部と、前記インク収納室内の圧力に応じて前記インク収納室内に大気を導入する大気導入部とを備えたインクカートリッジとからなるインクジェット記録システムにおいて、前記インクカートリッジは、前記大気導入部に形成された一次導入口を開閉する一次弁と、一次導入口から導入された大気を前記インク収納室に送り込むための二次導入口と、前記二次導入口を開閉する二次弁とを有しており、前記インクジェット記録装置は、前記一次弁と前記二次弁とをそれぞれ独立して開閉させる2つの駆動部を有することを特徴とする。
図1に示すインクジェット記録装置10は、用紙11に対してインクを吐出して付着させることにより画像を記録する記録ヘッド12を備えている。記録ヘッド12は、インクを吐出する吐出口が形成された複数のノズルを備えており、これら複数のノズルの吐出口が配列された吐出面が用紙11の記録面と対面するように配置される。記録ヘッド12は、用紙11の幅方向(主走査方向X)に移動自在なキャリッジ13に取り付けられており、キャリッジ13の底面に形成された開口から前記吐出面が露呈される。記録ヘッド12は、キャリッジ13の移動に伴って用紙11の幅方向に沿って往復動しながら、画像をライン記録する。この記録ヘッド12が1往復動する毎に、図示しない搬送ローラによって用紙11が副走査方向Yへ、記録ヘッド12の1往復動による記録幅分送られる。こうした動作が繰り返されて、1画面分の画像が記録される。
キャリッジ13は、ガイド棒14a,14bにスライド自在に取り付けられており、ベルト16と1対のプーリ17とからなるベルト機構18によって駆動される。キャリッジ13には、記録ヘッド12の上方に、例えば、Y,M,C,Kの4色のインクがそれぞれ収納された4つのインクカートリッジ21が着脱自在に取り付けられる。符合20は、キャリッジ13に着脱自在に取り付けられ、装着されたインクカートリッジ21を覆うためのカバーである。
キャリッジ13には、各インクカートリッジ21が差し込まれる複数のスロットが形成されている。これら各スロットには、記録ヘッド12へインクを送り込む流路が形成された中空状のインク供給針36(図2参照)が設けられており、スロットへインクカートリッジ21が差し込まれると、インクカートリッジ21の底部に設けられたインク供給部26(図2参照)にインク供給針36が突き刺さるようになっている。インクカートリッジ21に収納されたインクは、このインク供給針36を通じて記録ヘッド12へ供給される。記録ヘッド12には、各ノズルに対応してピエゾ素子によって駆動される振動板が設けられており、この振動板の振動による圧力変化により、インクカートリッジ21内のインクがノズルへ吸引され、吐出口から噴射される。
図2に示すように、インクカートリッジ21は、例えば、プラスチック材料で形成された本体22に、インク23を収納するインク収納室24が形成されている。本体22の底部には、インク収納室24に対応する位置に、記録ヘッド12へインク23を供給するインク供給部26が設けられている。
インク供給部26は、下方に向けて略円筒形状に突出しており、この突出部分がキャリッジ13のスロットに嵌合するようになっている。インク供給部26の底面には、インク供給針36が進入するインク供給口27が形成されている。インク供給部26の内部には、インク供給口27を開閉する供給弁28が設けられている。供給弁28は、インク供給口27を閉じる閉じ位置(図上二点鎖線で示す)とそれを開く開き位置(図上実線で示す)との間で移動自在に設けられており、バネ29によって閉じ位置に向けて付勢されている。
供給弁28は、例えば、その外周面がゴムなどの弾性材料で形成されており、それが閉じ位置にあるときには、インク供給部26の内壁と密着して、インク供給口27を気密に封止する。この供給弁28は、インク供給部26内に格納されているので、インクカートリッジ21のハンドリング中に、インク供給部26のインク供給口27付近が何かと接触しても、不用意に開いてしまうことはない。
キャリッジ13にインクカートリッジ21が装着されると、供給針36は、その先端が供給弁28に当接して、供給弁28をバネ29の付勢に抗して開き位置に押し上げる。これにより、インク収納室24のインクが内部開口30からインク供給部26に流れ込み、インク供給針36を通じて記録ヘッド12へ供給可能になる。そして、キャリッジ13からインクカートリッジ21が取り外されると、バネ29の付勢によって供給弁28が閉じ位置に移動してインク供給口27が閉じられる。これにより、インク供給口27からのインク漏れが防止される。
本体22の側端部には、インクの消費に伴うインク収納室24の減圧に応じてインク収納室24へ送り込む大気を本体22内に導入する大気導入部31が設けられている。インク収納室24と大気導入部31とは隔壁38によって仕切られている。インク収納室24は、非装着時(インクカートリッジ21がキャリッジ13から取り外されている時)には、ほぼ大気圧にされるが、インクカートリッジ21がキャリッジ13に装着された直後、インクジェット記録装置10に設けられた吸引装置(図示せず)によって、ノズルを通じてインクが吸引されて負圧(大気圧に対して)にされる。こうすることで、インク供給針36を通じてインク収納室24と接続されるノズルの吐出口の内圧を負圧にして、吐出口からのインク漏れを防止する。
しかし、インクの消費によってインク収納室24の圧力が低くなりすぎると、ノズル内のインクのメニスカスが破壊されて、ノズル内にその吐出口から大気が流入してしまう。ノズル内に流入した大気は、圧電素子の変形による圧力変化を吸収するダンパとなり、不吐出の原因となる。サーマル方式の記録ヘッドの場合は、発熱部が空焚き状態となり不吐出の原因となる。さらに、発熱部が焼け焦げる、コゲーションを引き起こすおそれもある。このように、インク収納室24の圧力は、低すぎても問題があるため、規定範囲に維持する必要がある。そのため、大気導入部31によって、インク消費に伴うインク収納室24の圧力低下を補う分の大気がインク収納室24に導入される。これにより、インク収納室24内の圧力が規定範囲内に維持される。
大気導入部31は、インク供給部26と同様に、その底部が下方に向けて略円筒形状に突出しており、この突出部分がキャリッジ13のスロットに嵌合するようになっている。大気導入部31の底面には、本体22外から、大気導入部31内に大気を導入する一次導入口32が形成されている。大気導入部31の内部には、一次導入口32を開閉する一次弁33が設けられている。一次弁33は、一次導入口32を閉じる閉じ位置(図上実線で示す)とそれを開く開き位置(図上二点鎖線で示す)との間で移動自在に設けられており、バネ34によって閉じ位置に向けて付勢されている。
一次弁33は、例えば、その外周面がゴムなどの弾性材料で形成されており、それが閉じ位置にあるときには、大気導入部31の内壁と密着して一次導入口32を気密に封止する。この一次弁33は、大気導入部31内に格納されているので、インクカートリッジ21のハンドリング中に、大気導入部31の一次導入口32付近が何かと接触しても、不用意に開いてしまうことはない。
インクジェット記録装置10には、一次弁33を開閉させるピン39が設けられている。ピン39は、一次導入口32から大気導入部31に進入して一次弁33と当接して、それをバネ34の付勢に抗して開き位置に押し上げる。ピン39は、例えば、ソレノイドなどによって構成されるピン駆動機構41によって駆動される。ピン駆動機構41は、インクジェット記録装置10のコントローラ42に接続されており、コントローラ42からの指令に従って、ピン39を駆動する。
コントローラ42は、インクカートリッジ21がキャリッジ13にセットされている間、インク収納室24の圧力を規定範囲に維持するために、その圧力変化に応じて、一次弁33を開閉させる。インク収納室24の圧力は、例えば、記録ヘッド12のノズル近傍に設けられた圧力センサ44によって測定される。コントローラ42は、圧力センサ44の測定値に基づいて、一次導入口32の開き時間を決定する。ピン駆動機構41は、その開き時間だけ一次導入口32を開くように、ピン39を駆動する。一次弁33が開くと、一次導入口32及び内部開口46を通じて、大気導入部31内に大気が進入する。
なお、本例では、圧力センサをノズル近傍に設けているが、インク供給路内であれば、例えば、インク供給口付近に設けてもよい。また、圧力センサによらず、ノズルの吐出回数をカウントしてインク収納室の圧力を推定し、それに応じて、一次導入口の開き時間を決定するようにしてもよい。
また、隔壁38の上部には、一次導入口32から大気導入部31内に導入した大気をインク収納室24に送り込む二次導入口51が形成されている。二次導入口51のインク収納室24側には、フイルタ47が設けられている。このフイルタ47は、例えば、多孔質材料で形成されており、大気導入部31からインク収納室24に流入する大気を通過させるとともに、その大気内に含まれる塵や埃を吸着し、インク収納室24への進入を阻止する。また、フイルタ47は、インク収納室24から大気導入部31に向けてインクが流出することを防止する。
大気導入部31には、二次導入口51を開閉するための二次弁52が設けられている。二次弁52は、二次導入口51を閉じる閉じ位置(図上実線で示す)とそれを開く開き位置(図上二点鎖線で示す)との間で移動自在に設けられており、バネ53によって閉じ位置に向けて付勢されている。二次弁52は、その内部に、磁石が埋め込まれており、外周面がゴムなどの弾性材料で被覆されたマグネット弁である。二次弁52が閉じ位置にあるときには、隔壁38の壁面と密着して二次導入口51が封止され、インク収納室24が密閉される。
二次弁52は、一次弁33と同様に、インクカートリッジ21がキャリッジ13にセットされている間、インク消費に伴うインク収納室24の圧力変化に応じて開閉して、一次導入口32から大気導入部31内に取り込まれた大気を、インク収納室24に送り込み、その内圧を調節する。二次弁52は、弁駆動部54によって駆動される。
弁駆動部54は、給電により二次弁52内の磁石と反対の極性の磁力を発生する電磁石と、この電磁石に電力を供給する回路とからなる。弁駆動部54が電磁石に電流を流すと、その間だけ電磁石が磁力を発生して、二次弁52がバネ53の付勢に抗して開き位置に移動する。弁駆動部54が電磁石への給電をオフすると、二次弁52はバネ53の付勢によって閉じ位置に復帰する。弁駆動部54は、コントローラ42に接続されており、コントローラ42は、弁駆動部54を通じて、二次弁52を開くタイミング及びその開き時間を制御する。
また、二次弁52は、例えば、温度上昇などによってインク収納室24の圧力が上昇しすぎた場合に、インク収納室24内の空気を大気導入部31に向けて逃がす役割も担っている。インク収納室24内の空気の温度が上昇して圧力が高くなると、空気がインク23に溶解しやすくなり、インク23中の溶存気体量が増加してしまう。溶解した気体は、キャリッジ13の往復動に伴う振動や、記録ヘッド12によるインク吸引時の圧力変化により、気泡化しやすくなる。こうしたインク23がノズルへ供給されると吐出不良の原因となる。
また、インク収納室24内の圧力が高い状態でインクカートリッジ21をキャリッジ13に取り付けると、インク供給針36によって一次弁33が開かれた瞬間、インク収納室24内の圧力が解放されて内部開口30からインクが噴き出し、最悪の場合には、インク供給口27からインクが外部にこぼれてしまう。そのため、インク収納室24の圧力が上昇しすぎた場合には、その圧力によって二次弁52がバネ53の付勢力に抗して開かれる。こうすることで、二次導入口51を通じてインク収納室24内の空気を大気導入部31へ逃がし、インク収納室24内の圧力が低下するようにしている。このように、インク収納室24の圧力上昇によって二次弁52が開き位置に移動するように、二次弁52は、大気導入部31側から、二次導入口51を封止するように配置されている。
このように、二次弁52は、インク収納室24の圧力上昇によって開かれるため、そのバネ53の付勢力は、比較的弱い。そのため、インクカートリッジ21に加えられる外部からの衝撃によって、フイルタ47自体が破損したり、フイルタ47の空隙中に含まれたインクのメニスカスが破壊されるような場合には、その衝撃によって二次弁52が開いてしまうことも懸念される。二次弁52が開いてしまうと、二次導入口51からインクが漏れ出てしまうおそれもある。しかし、大気導入部31には、一次弁33と二次弁52の2つの弁が設けられているので、仮に二次導入口51からインク漏れが生じても、一次弁33によって本体22の外部への流出が阻止される。
また、大気導入部31には、一次導入口32から二次導入口51へ至る大気導入経路内に、一次導入口32及び二次導入口51から流入する空気を受け入れるバッファ室56が設けられている。このバッファ室56の周壁の一部は、可撓性を有するシート58で形成されており、その内圧に応じてシート58が撓み、バッファ室56の容積が変化するようになっている。これにより、インク収納室24の圧力が上昇して二次弁52が開いた場合には、シート58が外側に向けて撓むことで、バッファ室56の体積が膨張して、インク収納室24内の空気が二次導入口51を通じて取り込まれる。これにより、インク収納室24内の過剰圧力が吸収される。
また、バッファ室56は、インクカートリッジ21をキャリッジ13から取り外す際に、インク収納室24への急激な大気の流入を和らげる役割も担っている。インク収納室24は、上述したとおり、インクカートリッジ21がキャリッジ13に装着された直後に吸引装置によって負圧にされ、キャリッジ13に装着されている間、その状態が維持される。しかし、その状態のまま、インクカートリッジ21をキャリッジ13から取り外すと、インク供給口27からインク収納室24へ大気が流入する。インク収納室24に大気が流入すると、インクの泡立ちが生じて、インク中へ空気が溶け込みやすくなる。さらに、インク収納室にスポンジなど、毛管力によってインクを吸収して保持するインク吸収体が収納されている場合には、インク供給口付近でインク吸収体が流入した大気を吸い込んでしまう。こうなると、記録ヘッド12が吸引を行った場合に、ノズルへインクが供給されず、大気がノズル内に送り込まれてしまう。ノズルへの大気の流入は、上述の通り吐出不良の原因となる。
そのため、インクジェット記録装置10は、インクカートリッジ21がキャリッジ13から取り外される前に、大気導入部31を通じてインク収納室24に大気を送り込み、インク収納室24を大気圧に近づけるようにしている。こうすることで、インクカートリッジ21が取り外される際に、インク供給口27からインク収納室24への大気の流入を防止している。
しかし、インク収納室24の圧力が低すぎる状態で、一次弁33と二次弁52とを同時に開くと、インク収納室24内に急激に大気が流入してしまう。そのため、二次弁52よりも一次弁33を先に開いて、いったんバッファ室56を大気圧にした後、一次弁33を閉じ、その後、二次弁52を開いて、バッファ室56内の空気をインク収納室24へ送り込むようにしている。これにより、インク供給口27からの大気の流入をゆるやかにできる。
インクジェット記録装置10には、カバー20の開閉を検知するカバー開閉検知センサ61が設けられている。カバー開閉検知センサ61としては、例えば、カバー20の有無に応じたレベルの信号を出力するセンサが使用される。コントローラ42は、このカバー開閉検知センサ61からの信号に基づいて、カバー20がキャリッジ13から取り外されたことを検知して、インクカートリッジ21の取り外し準備操作が開始されたと判定する。そして、一次弁33を所定時間開き一次導入口32から大気をバッファ室56に導入して、バッファ室56を大気圧にする。こうした後、二次弁52を開いてバッファ室56内の空気がインク収納室24へ送り込まれる。
以下、上記構成による作用について、図3に示す弁開閉状態と圧力状態を示す表と、図4に示すカートリッジ取り外し手順を示すフローチャートを参照しながら説明する。図3に示すように、まず、インクカートリッジ21をキャリッジ13に装着する前においては、基本的には、インク供給弁28,一次弁33,二次弁52の各弁は、すべて閉じ位置にあり、インク供給口27,一次導入口32,二次導入口51はすべて封止されている。ただし、インク収納室24の圧力がバッファ室56よりも高い場合には、その圧力差によって二次弁52が自動的に開かれて、インク収納室24内の圧力がバッファ室56へ解放される。こうした圧力調整により、インク収納室24及びバッファ室56の圧力状態は、どちらも、大気圧に近い状態にされている。
このインクカートリッジ21をキャリッジ13に装着すると、インク供給針36によって一次弁33が開かれる。この装着直後は、一次弁33及び二次弁52は、閉じられたままである。そして、吸引装置によってインク供給針36を通じて、インク収納室24内のインクが吸引されて、インク収納室24が負圧にされる。この際に、二次弁52が一瞬開かれて、バッファ室56も負圧にされる。インクカートリッジ21は、この状態で印画を待機する。
印画が開始されると、一次弁33及び二次弁52がインク使用量に応じて開閉されて、インク収納室24の圧力が下がりすぎないように大気が導入され、その圧力が規定範囲に維持される。こうした印画中のインク収納室24内の圧力調節を行う場合に、一次弁33と二次弁52の二つの弁の開閉タイミングをずらしたり、開き時間を変化させることで、一つの弁を使用する場合と比べて、より細かな圧力調節を行うことができる。
また、温度上昇によりインク収納室24内の圧力が上昇した場合には、二次弁52が開いて、インク収納室24からバッファ室56へ空気が逃げるので、インク収納室24内の過剰圧力が吸収される。このため、インク23への気体の溶解が抑制される。このため、キャリッジ13の往復動に伴う振動やインク吸引時の圧力変動によって、インク23に溶解した気体が再度気泡化してしまうことを抑制でき、ノズルの吐出不良が抑えられる。
インクカートリッジ21をキャリッジ13から取り外す際には、まず、カバー20がキャリッジ13から取り外される。図4に示すように、コントローラ42は、カバー20が取り外されたことを検知すると、インクカートリッジ21の取り出し準備操作が開始されたと判定し、まず、二次弁52を所定時間開く。これにより、二次導入口51を通じて、インク収納室24とバッファ室56とが連通して、バッファ室56内の大気がインク収納室24へ導入されて、インク収納室24の負圧が軽減される。
そして、二次弁52をいったん閉じた後、一次弁33が所定時間開かれる。バッファ室56は、負圧になっているので、一次導入口32からバッファ室56へ大気が導入される。これにより、バッファ室56が大気圧になる。この後、一次弁33を閉じて、再び二次弁52を所定時間開く。これにより、二次導入口51を通じて、インク収納室24とバッファ室56とが連通して、バッファ室56内の大気がインク収納室24へ導入されて、インク収納室24が大気圧近くになる。
この状態でインクカートリッジ21がキャリッジ13から取り外される。インク収納室24は大気圧近くになっているので、インク供給針36がインク供給口27から引き抜かれても、インク供給口27からインク収納室24への大気の流入が抑制される。
取り外されたインクカートリッジ21は、保管される環境の温度上昇によって、インク収納室24内の圧力が上昇した場合でも、二次弁52が開いて、バッファ室56によってインク収納室24の過剰圧力が吸収されるので、インクカートリッジ21に振動が加えられた場合でも、インク23中への気体の溶け込みが抑制される。
また、インク供給弁26、一次弁33及び二次弁52は、それぞれ本体22内に格納されているため、衝撃等により各弁が不用意に開放されてしまうことはない。また、仮に衝撃等によって、フイルタ47が破損したり、フイルタ47内のインクのメニスカスが破壊されて、大気導入部31内にインク23が流入しても、一次弁33によって外部への漏洩は防止される。
なお、上記実施形態では、インク収納室にインクのみを収納したインクカートリッジの例で説明したが、インク収納室にインクを吸収して保持し、その毛管力の作用によって負圧を発生させるスポンジなどの負圧発生部材を収納してもよい。
インクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。 インクカートリッジの構成図である。 インクカートリッジの弁開閉状態及び圧力状態を示す表である。 インクカートリッジの取り外し手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
11 用紙
12 記録ヘッド
13 キャリッジ
21 インクカートリッジ
22 本体
24 インク収納室
26 インク供給部
27 インク供給口
28 供給弁
31 大気導入部
32 一次導入口
33 一次弁
51 二次導入口
52 二次弁
56 バッファ室

Claims (9)

  1. 吐出方式の記録ヘッドを備えこの記録ヘッドにより画像を記録するインクジェット記録装置に着脱自在にセットされ、前記記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を備えた本体と、前記インク収納室内のインクを前記記録ヘッドへ供給するためのインク供給部と、前記インク収納室内の圧力に応じて前記インク収納室内に大気を導入する大気導入部とを備えたインクカートリッジにおいて、
    前記大気導入部は、前記本体外から前記大気導入部内に大気を導入する一次導入口を開閉する一次弁と、
    前記一次導入口から前記大気導入部内に導入した大気を前記インク収納室内に送り込む二次導入口と、
    前記二次導入口を開閉する二次弁とを有し、
    前記一次弁は、使用前は閉、使用時は第一駆動部によって開閉を制御され、
    前記二次弁は、前記インク収納室と前記大気導入部の圧力差に応じて自動で開閉されるとともに、使用時は、前記第一駆動部とは異なる第二駆動部によって開閉を制御されることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記一次弁及び二次弁は、前記一次及び二次の各導入口のそれぞれを閉じる閉じ位置に向けて付勢部材によって付勢されていることを特徴とする請求項1記載のインクカートリッジ。
  3. 前記二次弁は、電磁石によって開閉可能なマグネット弁であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクカートリッジ。
  4. 前記大気導入部には、前記一次導入口から前記二次導入口へ至る導入経路内に、周壁の一部が可撓性部材で形成され、一次導入口及び二次導入口から流入する空気を受け入れるバッファ室が設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のインクカートリッジ。
  5. 前記二次弁は、前記インク収納室の圧力が前記大気導入部の圧力よりも上昇したときに、その圧力差によって、前記付勢部材の付勢力に抗して前記二次導入口を開く開位置に移動可能なことを特徴とする請求項2〜4いずれか記載のインクカートリッジ。
  6. 請求項1〜5いずれか記載のインクカートリッジをインクジェット記録装置から取り外す方法であって、
    前記第二駆動部によって前記二次弁を開いた後に閉じ、
    前記二次弁を閉じた後、前記第一駆動部によって前記一次弁を開いた後に閉じ、
    前記一次弁を閉じた後、再び前記第二駆動部によって前記二次弁を開くことを特徴とするインクカートリッジの取り外し方法。
  7. 吐出方式の記録ヘッドを備えこの記録ヘッドにより画像を記録するインクジェット記録装置と、
    このインクジェット記録装置に着脱自在にセットされ、前記記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を備えた本体と、前記インク収納室内のインクを前記記録ヘッドへ供給するためのインク供給部と、前記インク収納室の圧力に応じて前記インク収納室内に大気を導入する大気導入部とを備えたインクカートリッジとからなるインクジェット記録システムにおいて、
    前記インクカートリッジは、使用前は閉じられ、前記大気導入部に形成された一次導入口を開閉する一次弁と、一次導入口から導入された大気を前記インク収納室に送り込むための二次導入口と、前記二次導入口を開閉し、使用時以外では前記インク収納室と前記大気導入部の圧力差に応じて自動で開閉される二次弁とを有しており、
    前記インクジェット記録装置は、前記一次弁の開閉を制御する第一駆動部と、
    使用時に前記二次弁の開閉を制御する、前記第一駆動部とは異なる第二駆動部とを有することを特徴とするインクジェット記録システム。
  8. 前記インクジェット記録装置から前記インクカートリッジを取り外す際、前記第二駆動部によって前記二次弁を開いた後に閉じ、
    前記二次弁を閉じた後、前記第一駆動部によって前記一次弁を開いた後に閉じ、
    前記一次弁を閉じた後、再び前記第二駆動部によって前記二次弁を開くことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録システム。
  9. 前記インクジェット記録装置は、前記インクカートリッジが取り外されることを検知する取り外し検知手段を有し、
    前記第二駆動部は、前記取り外し検知手段で前記インクカートリッジの取り外しが検知されたことに応じて、前記二次弁を開くことを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録システム。
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