JP2009023108A - 液体収納容器、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体収納容器、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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哲也 大橋
Yasuo Kotaki
小瀧  靖夫
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均 高田
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Abstract

【課題】所定範囲内の内部負圧を維持しながらも、インクの漏れや記録ヘッドへのインク供給不良を起こすことなく、インク使用開始から消費完了まで安定した吐出動作を実現可能とするようなインクタンクを提供する。
【解決手段】インク収容室38を画成する可撓性フィルム33と、可撓性フィルム33にインク収容室38の内側から接触する板部材34と、板部材34をインク収容室38を拡大する方向に付勢するばね部材35と、一方向弁39とを備える。インクの消費に伴い板部材34が突出部に徐々に接近し、これと接触することにより、外部からインク収容室38への空気の導入が許容される。また、ある程度の空気が導入されてインク収容室38が拡大すると、板部材34は突出部から離れ、空気の導入は閉塞される。これにより、インク収容室の負圧レベルを所定の水準に抑えることが出来、インクの残量が少量になっても、記録ヘッドに最後まで安定してインクを供給することが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク等の記録液を吐出して記録動作を行う記録装置に使用される液体収納容器(インクタンク)に関する。特に、インクを吸収保持するための多孔質部材などをインクタンク内部に配備することなく、好適な負圧を発生することの出来るインクタンクに関する。
液体であるインクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が急速に普及している。このようなインクジェット記録装置においては、装置内に固定した記録ヘッドに対し記録媒体を移動させることによって画像を形成するものもあるが、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対して移動させることにより画像を形成するものもある。近年のパーソナルユース向けの記録装置においては、より小型化が実現されやすいことから、後者の構成が採用されることが多い。
このような構成のインクジェット記録装置においては、移動しながらインクを吐出する記録ヘッドに対し安定してインクを供給するための方式が求められる。従来のインク供給方式としては、例えば、装置内に固定されたインクタンクから可撓性チューブを介して、キャリッジに搭載される記録ヘッドにインクを供給するチューブ供給方式が挙げられる。この場合、キャリッジ上の記録ヘッドに直接的にインクを供給する中間タンク(サブタンク)を更に設け、装置内に固定されたメインタンクから上記可撓性チューブを介してサブタンクへとインクを供給する形態も含まれる。しかし、このようなチューブ供給方式は、記録装置自体が大型になりがちである。
よって、パーソナルユース向けの記録装置においては、移動走査するキャリッジに対し、記録ヘッドとこれにインクを直接供給するインクタンクとを一体的に搭載する方式が近年一般的に採用されている。この場合、インクタンクは記録ヘッドに対し分離可能であっても分離不可能であってもよい。分離可能な構成であればインクタンク内のインクが完全に消費された段階でインクタンクのみを交換する形態となり、分離不可能な構成であればインクタンクと記録ヘッドを一体的に交換する形態となる。
記録ヘッドに供給されたインクは、一度共通液室に貯留された後、吐出口へと続く複数のノズルに毛細管力によって進入する。この現象により、吐出口からインクが消費されても即座にインクが供給されるようになっている。一方、記録ヘッドにおいては、このような毛細管力によって吐出口からインクが漏れることがないように、吐出口とは反対方向にインクを引くような力も要求される。個々のノズルにおいては、上記毛細管力と反対方向への引力の平衡によって適切なメニスカスが保持され、安定した吐出動作を繰り返し行うことが出来る。
上述したような適度な引力を発生させるための機構としては、インクを吸収保持するための多孔質部材をインクタンク内部に配備し、多孔質部材のインク吸収力によって負圧を発生させる構成が従来は多く採用されていた。しかし、このような構成では、多孔質部材に吸収されたインクの全てを消費することが出来なかったり、顔料インクや粘度の高いインクには好適に使用できなかったりという不具合も生じていた。よって、これとは別に、吸収部材なしでインクを収容しつつ、負圧を発生するための別な機構を備えたインクタンクも既に提案・提供されている。
例えば、弾性力を有し、容積を拡張する方向に張力を発生するゴム等の材料で形成させた袋状の部材内にインクをそのまま充填し、この袋状部材が発生する張力によって内部のインクに負圧を発生させるようにしたものがある。
また、可撓性のフィルムで袋状部材を形成し、その内部または外部に、袋状部材が容積を拡張する方向にフィルムを付勢するばね等を接合することにより、負圧を発生させるようにしたものもある。
さらに特許文献1には、インクを直接収容しその収容量に応じて変形可能な可撓性の密閉袋状部材内にばね部材を設けるインクタンク構成が開示されている。これによれば、基本的に、ばね力と平衡する値に密閉袋状部材部材内の負圧が定まるため、インク消費に伴って袋状部材が収縮するほど、ばね力が高まり、袋状部材内部の負圧も高まっていく。
以上の機構はいずれにおいても、インクタンク内のインク残量が少なくなるにつれ、負圧が徐々に高まる傾向を有している。
これに対し、特許文献2あるいは特許文献3には、インクタンクに疎水性膜と管状の通気口(ボス)とを設け、さらに通気口管内に球体を配設することによって、内部の負圧が必要以上に増大した際に、タンク内部に空気を取り込むようにした機構が開示されている。具体的には、外部から容器内に連通する管状の通気口(ボス)を具備し、外径がボスの内径より小さい球体を、ボス内壁に設けた複数の突起リブに取り付けることで、球体とボスとで略環状のオリフィスを形成する構成となっている。かかるオリフィスは、インクの毛管現象が少量のインクを液体シールとしてオリフィス内に保持するような大きさに選定される。また、容器内負圧が記録ヘッドの動作範囲の限界に近づくときに、その負圧がインクの毛細管現象に打ち勝ち、液体シールが無効とされるような形状とされている。
また、特許文献4には、可撓性シートでなるインク袋内に穴付き板と突起付き板とを対向配置するとともに、それらの間にばね部材を配設する構成が開示されている。同文献によれば、インク残量が減ってインク袋が縮み、内部負圧が所定値を超えるところで突起が穴に挿入し、穴付き板と可撓性シートとを剥離させてタンク内部に空気を取り込む機構となっている。さらにこの機構では、空気の取り込みが行われると穴付き板と可撓性シートとが密接し、その間のインクメニスカス保持力、換言すれば液体シールによってインク漏洩が防止されている。
さらに特許文献5には、可撓性シートでなる袋状部材に液体を収納し、空気導入部に一方向弁を用いてインクタンク内が所定の負圧になると弁を開放して空気導入を行う構成が開示されている。この構成によれば、上記特許文献2〜4に記載される効果のほか、環境変化による空気膨張を許容するバッファ分の確保や、空気導入部のシール信頼性も向上する。
特公平3−24900号公報 特開平7−125240号公報 特開平7−125241号公報 特開平6−183023号公報 特開2003−251826号公報
しかしながら、上述したいずれの構成であっても、個々夫々に様々な問題が誘発されており、インクタンクの使用開始から消費完了まで安定してインクを供給し、信頼性の高い高品位な記録を維持することは困難な状況であった。
例えば、特許文献1などのように、インクタンク内の残量に応じて負圧が高まって行く構成においては、負圧が所定レベルを超えた段階で、記録ヘッドに対しインクを安定して供給することが出来なくなる。結果、インクタンク内のインクを完全に消費することがないまま、インクタンクを交換することが要求される。また、このような構成においては、インクタンク内のインク残量が僅かになった状態で、記録ヘッドにメンテナンスのための吸引動作を行うと、吸引動作直後にインクの逆流が発生する恐れが生じる。
図8(a)および(b)は、上記逆流現象を説明するための模式図である。インクタンク80の内部に備えられ板部材84に接着された可撓性フィルム83は、インク収容室88のインクが消費されていくに従って、図の右側から左側に移動し、インク収容室88の容積を縮小していく。インク供給口90は、不図示の記録ヘッドにインクを供給している。吸引動作を実行する際、回復系ユニット60の先端に備えられたキャップ70が記録ヘッドの吐出口に吸着される。その後、回復形ユニット60の内部に負圧を発生することにより、インクタンク80に連結された記録ヘッドの吐出口から、液体供給路61を介して強制的にインクが排出される。排出された廃インク62は、吸引動作終了後、キャップ70を開放した後に、廃インクタンクへと矢印の方向に流出される。
但し、図に示すような密閉状態においては、吸引動作によってインク収容室88の内部が急激に減圧する。そして、この減圧の程度が所定レベル以上であると、吸引動作終了直後であってキャップ70を開放する前の短い時間内に、一度回復系ユニットに収容された廃インクが、再び記録ヘッドひいてはインク収容室88に逆流する。図8(b)はこのような状態を示している。回復系ユニット内に排出された廃インク62は蒸発等により増粘したり、不純物を含んでいたりして、記録ヘッドの吐出状態に弊害を与える恐れがある。また、複数のインクタンクに対して、1つのキャップ70を用いて上記吸引動作を実行する場合には、複数のインク色が回復系ユニット60内で混色した廃インク62となるので、これが複数の記録ヘッドへと逆流すると、誤った発色の画像弊害が招致される。そして、このように一度インク流路内に混色インクや物性変化したインクが混入すると、これを完全に排出するために更に多量の吸引動作およびインクの消費が必要となる。
これに対し、特許文献2〜5の構成であれば、負圧レベルが所定の水準より大きくならないように工夫されているので、インクを最後まで使い切ることや、逆流を抑制することが出来る。但し、特許文献2〜4の構成においては、液体によるシールを利用しているため、インクが消費され尽くす間際に外気が導入され、インク収容室内が一気に大気圧に戻されるという状況が発生する。このような、インク収容室内の急激な圧力変化は、吐出口近傍に残っているインクを押し出したり、メニスカスが形成されなくなった環状オリフィスから残留インクを漏出させたりする原因となる。
図7(a)および(b)は、インクタンク内部の急激な圧力変化に伴うインク漏れを説明するための模式図である。ここでは、インクの消費に伴い、インクタンクT内に空気が導入されていくインクタンクTが示されている。このようなインクタンクであっても、環境変化(外気圧の低下や温度上昇など)によって容器内の気体の圧力が極端に高まると、図7(b)に示すように、容器内からインクが押し出され、吐出口Nや通気口Aを通じてインクが漏れることがある。
これに対し、特許文献5のように、一方向弁の開閉を制御する構成であれば、環境変化などによる空気膨張を所用するバッファをある程度確保することが出来る。よって、上述したような急激な圧力変化を伴うことなく、インクタンク内の負圧レベルを所定の水準より大きくならないように制御することが出来、また、空気導入部のシールも液体シールではないので信頼性が向上する。
しかしながら、特許文献5に開示されているような構成では、負圧発生機構要素の変動要因、つまり部品精度のばらつきによって、インクタンク内に取り込まれる空気の量すなわちメニスカスの状態が変動する。また、インクタンク内のインク使用途中で空気導入を行うと、インクタンク内にインク領域と空気領域が存在し、インクはインクタンク内で自由に動き易くなる。この場合、キャリッジの運動に伴ってインクタンク内のインクが激しく揺動し、記録ヘッドのインク吐出口近傍におけるインクのメニスカス状態を不安定し、記録不良を招致する。さらに、インク量が少ない場合にはインクタンクの傾斜によって記録ヘッドへのインク供給部に空気が混入し、インク供給不良も発生すれ恐れがある。
以上説明したように、インク吸収部材を設けずインクタンク内に直接インクを収容する形態のインクタンクにおいては、様々な工夫によって改良されてはいるものの、課題も残されている。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、所定範囲内の内部負圧を維持しながらも、インクの漏れや記録ヘッドへのインク供給不良を起こすことなく、インク使用開始から消費完了まで安定した吐出動作を実現可能とするようなインクタンクを提供することである。
そのために本発明においては、筐体の開口周縁部との結合により内壁との間に液体収容室を形成する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムに前記液体収容室の内側から接触する板部材と、前記板部材を前記内壁から離す方向へ付勢するばね部材と、前記液体収容室の内部に収容される液体を導出するための供給口と、前記筐体に前記液体収容室に突出部を有するように配置され、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、かつ前記液体収容室から外部への液体および気体の導出を阻止する一方向弁と、を有する液体収納容器において、前記一方向弁は、前記板部材が前記突出部に接触することにより、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容することを特徴とする。
また、筐体の開口周縁部との結合により内壁との間に液体収容室を形成する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムに前記液体収容室の内側から接触する板部材と、前記板部材を前記内壁から離す方向へ付勢するばね部材と、前記液体収容室の内部に収容される液体を導出するための供給口と、該供給口に配置されて液体を保持することが可能なメニスカス形成部材と、前記筐体に前記液体収容室に突出部を有するように配置され、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、かつ前記液体収容室から外部への液体および気体の導出を阻止する一方向弁と、を有する液体収納容器において、前記一方向弁は、前記板部材が前記突出部に接触することにより、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、該導入により前記液体収容室および前記メニスカス形成部材に保持された液体がなくなった状態において前記メニスカス形成部材は前記液体収容室への気体の導入を許容することを特徴とする。
本発明においては、環境の変化などが起こっても、急激な圧力変化を伴うことなくインク収容室の負圧レベルを所定の水準に抑えることが出来る。また、インクの残量が少量になった場合でも、残ったインクがインク収容室内で自由に移動することはなく、記録ヘッドに最後まで安定してインクを供給することが出来る。
以下、図面を参照して本発明のインクタンクに係る実施形態の基本的構成、及び、作用を説明する。
図5は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置の概観斜視図である。給紙部M3022に積載された複数の記録媒体は、1枚ずつ記録装置本体M1000に給紙され、記録が実行された後、排紙部M1004へと排出される。
図6は、上記インクジェット記録装置の内部構成を説明するための概観図である。シャーシM3019は、装置内部の様々な機構を保持および保護している。キャリッジM4001は、記録ヘッドおよび本実施形態のインクタンクを装着した状態で、図の主走査方向に移動可能になっており、給紙部M3022から給送されて来た記録媒体に対して、1行分の記録動作を実行する。このような1行分の記録走査と、給紙部M3022から排紙部M1044に向けての間欠的な副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に順次画像が形成されていく。
本発明において、記録ヘッドからインクを吐出するための方式は特定されるものではないが、本実施形態で採用する記録ヘッドは、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出口より吐出させる構成とする。このような方式であれば、記録媒体に非接触に記録を行うことが出来るため、様々な種類の記録媒体に記録することが可能である。また、騒音がほとんど発生しない状態で比較的高速に記録動作を行うことが出来る。なお、本実施形態の記録ヘッドは、複数のインクタンク30に着脱可能に接続した状態でキャリッジM4001に搭載されるものとする。
図1は、本実施形態で採用するインクタンク30(液体収納容器)の内部構造を説明するための断面図である。40は、インクタンク30から記録ヘッド(不図示)にインクを導出するためのインク供給口である。本実施形態のインクタンク30と記録ヘッドは、分離可能にあるいは分離不可能に接続した状態で、キャリッジM4001に着脱可能に搭載される。
インクタンク30は、主に、容器筐体31、ばね部材35、板部材34、可撓性フィルム33、蓋部材32、メニスカス形成部材36、押え部材37、および一方向弁である大気開放弁39から構成される。容器筐体31は、例えばポリプロピレンで形成されており、その底部には押え部材37によって支持されたメニスカス形成部材36を備えている。
メニスカス形成部材36は、例えばポリプロピレンの繊維材料から形成され毛細管力を有する毛管部材と、フィルター部材(透過寸法15〜30μm程度、材質は、例えば、ステンレス材料やプリプロピレン等)を組み合わせて形成されている。メニスカス形成部材36と容器筐体31の内部とはインク流路42によって連通しており、メニスカス形成部材36内にインクのメニスカスを形成することで、インク収納部38(液体収容部)に外部から気泡が侵入しないようになっている。
容器筐体31の内部には、その開口周縁部43に可撓性フィルム33が溶着(結合)されており、これによりインク収納室38が画成されている。可撓性フィルム33は、例えば、ポリプロピレンの薄膜を含むフィルム部材(厚み20〜100μm程度)で形成されている。容器筐体31のインク収納室38側の内壁には、ばね部材35が供えられており、これが板部材34を介して可撓性フィルム33を内側から外方に付勢することにより、インク収容室38の内部に負圧が発生するようになっている。ばね部材35と板部材34は、例えばステンレス材料により形成されている。
容器筐体31の開口部には蓋部材32が取り付けられ、外方に凸型となる可撓性フィルム33を保護している。蓋部材32には、不図示の大気連通部が設けられており、容器筐体31内のインク収納室38の外側は大気圧を維持している。
図では、インク収容室38にインクがほぼ充填されている状態を示しているが、記録ヘッドへの供給によってインクが徐々に消費されると、ばね部材35は縮み、板部材34は容器筐体31の内壁に略平行な状態で、図の左側に徐々に移動する。そして、これに伴い、可撓性フィルム33は撓み、インク収納室38の容積は少しずつ減少して行く。板部材34が接近する容器筐体31の内壁部には一方向弁からなる大気連通弁39が設けられおり、インク収容室38内のインクがほぼ完全に消費されるとき、板部材34はインク収容室38内部に突出部を有する大気開放弁39と接触する。
図2は大気開放弁(バルブ)39の詳しい構造を説明するための拡大図である。本実施形態の大気開放弁39は、シール部材50、ばね51、弁カバー53、連通路52、大気連通部54および弁室55から構成され、外部からインク収容室への気体の導入を許容し、かつ液体収容室から外部への液体および気体の導出を阻止している。
大気連通部54により大気圧に維持される弁室55は、連通路52を介してインク収容室38と連通しているが、通常状態においては、ばね51により図の右方向に付勢されシール部材50によって、連通路52は封鎖(シール)されている。本実施形態におけるシール部材50は、ばね51の付勢力を受けて容器筐体31の内壁に接触し、その状態でインク収容室38内のインクが弁室55側に十分漏れないような、樹脂または弾性体で構成されている。一方、シール部材50は、収納容器筐体31の内壁面よりもインク収容室38側に突出して配置されており、板部材34がこれに接触した際には、容器筐体31の内壁から離れ、弁室55とインク収容室38とを連通させる。このような役割を果たすシール部材50には、例えば、樹脂材としてはポリプロピレン、弾性体としては塩素化ブチルゴムまたはEPDMなどを好適に用いることが出来る。
なお、ここで示した大気連通弁(一方向弁)の構造は、その機能を象徴的に説明するための模式的なものであり、図示した状態が弁の開放状態または閉塞状態をそのまま示しているわけではない。
図3(a)〜(c)は、以上説明した本実施形態のインクタンクにおける、インク消費に伴う基本的な動作を説明するための図である。図3(a)は、インク収容室38内に使用可能なインクがある程度残っている状態を示している。この状態から、記録ヘッドによる繰り返しのインク吐出が行われると、インク収容室38のインクはインク供給口40から徐々に消費され、板部材34は容器筐体31の左内壁に徐々に接近する。図3(b)はインク収容室38のインクがほぼ消費され、板部材34が内壁に最も接近した状態を示している。さらにインクが消費されると、板部材34は内壁面から突出したシール部材50に接触し、これを、ばね51の反付勢力方向へと押し出そうとする。大気連通弁39においては、インク収容室38内の負圧力が記録ヘッドのインク吐出動作が正常に行われる範囲を超えないように、ばね部材51の反力が調整されている。すなわち、板部材34の押圧力によって連通路52のシールは外され、インク収容室38が弁室55に連通し、インク収容室38に空気が導入される。図3(c)は、このように大気開放弁39が作動した状態を示している。
図3(c)に見るようにインク収容室38に空気が導入されると、板部材34は導入された空気の量だけインク収容室38の容積を拡張する方向(図の右方向)に移動する。これに伴い、板部材34は大気開放弁39のシール部材から外れ、シール部材50は再び容器筐体31の内壁に当接し、大気開放弁39を閉塞する。結果、インク収容室38は再び密閉状態となり、負圧が維持される。空気導入に伴って、インク収容室38には板部材34の移動可能領域が再び形成されるため、この状態から、インク収容室38に僅かに残るインクをさらに消費し続けることが出来る。このような、大気連通弁39からの大気導入とインク収容室38の拡大は、インク収容室38のインクが略完全に消費されるまで繰り返すことが出来る。
以上説明した本実施形態の構成によれば、インク収容室38の内部は、インクの消費に伴って少しずつ大気を導入しながらも、基本的には適量な負圧が保たれている。結果、大きな圧力変動を伴わない状態で、インク収容室38のインクを最後まで安定して記録ヘッドに供給することが可能となる。
図4(a)〜(c)は、本実施形態のインクタンクに連結した記録ヘッドに対し、インク収容室38のインクが残りわずかになった状態で吸引動作を行った際の、インクタンクの状態を説明するための模式的概略図である。図4(a)は、インク収容室38のインクはほとんど消費されているが、大気開放弁39はまだ開放されていない状態を示している。この段階において、インク収容室38に含まれる空気は、インク注入時と、物流や使用期間に各部材を透過(エア透過)して侵入する微量の空気のみとなる。インク収容室38内のインクはほぼ消費されているため、このままの状態でインクタンク30を交換することが好ましいが、記録装置のシーケンス設定によっては、この状態で回復系ユニット60による吸引動作が行われることもある。図4(a)では、吸引動作を実行するために、記録ヘッドの吐出口面に対し、回復形ユニット60のキャップ70を押し当てた状態を示している。
図4(b)は、同図(a)の状態から吸引動作を実行した際の、インクタンクの状態を示している。回復系ユニット60内に負圧を生じさせることにより、インク収容室38に残っているインクはインク流路42を介して吸引され、廃インク62となる。この吸引動作によってインク収容室38の容積は縮小し、板部材34がシール部材50を押し出して、大気開放弁39を開放する。大気開放弁39が開放されると、上述した記録動作の際と同様に、インク収容室38には空気が導入されインク収容室38の容積は拡大する。そして、板部材34は容器筐体31の内壁から離れ、大気開放弁39は再び閉塞される。
さらに吸引動作を継続すると、大気連通弁39からの大気導入とインク収容室38の拡大が繰り返され、回復系ユニット60には大気連通弁から導入された空気71が吸引されるようになる。
図4(c)は、吸引動作を継続した結果の、インクタンク30の状態を示す図である。図において、インク収容室38、メニスカス形成部材部材36および回復形ユニット60のインク流路61インクは、全て空気に置換されている。メニスカス形成部材36のインクが排出されると、ここにおけるインクメニスカスシールも開放されるので、インク供給口40からメニスカス形成部材36を通してインク収容室38に空気が導入され、インク収容室38は大気開放状態となる。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、インク収容室38の内圧は、複数回に渡る大気連通弁39からの大気導入と、インクの吸引が繰り返されながら、徐々に大気圧に等しくなっていく。よって、従来課題となっていたような、急激な圧力変化に起因する逆流なども招致されず、インク収容室38および全てのインク供給排出経路のインクが好適に吸引消費され、空気に置き換えられる。
本実施形態の構成によれば、環境の変化などが起こっても、急激な圧力変化を伴うことなくインク収容室の負圧レベルを所定の水準に抑えることが出来るという点では特許文献5と同様である。但し、インクの残量が少量になった場合に空気の導入は行われるが、特許文献5に開示されているように、残ったインクがインク収容室内で自由に移動することはない。よって、キャリッジの運動に伴ってインクタンク内のインクが激しく揺動したり、インクタンクの傾斜によって記録ヘッドへ空気を混入させたりすることもなく、記録ヘッドに最後まで安定してインクを供給することが出来る。
本発明の実施形態で採用するインクタンクの内部構造を説明するための断面図である。 大気開放弁(バルブ)の詳しい構造を説明するための拡大図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態のインクタンクにおける、インク消費に伴う基本的な動作を説明するための図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態のインクタンクに連結した記録ヘッドに対し、インク収容室のインクが残りわずかになった状態で吸引動作を行った際の、インクタンクの状態を説明するための模式的概略図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置の概観斜視図である。 インクジェット記録装置の内部構成を説明するための概観図である。 (a)および(b)は、インクタンク内部の急激な圧力変化に伴うインク漏れを説明するための模式図である。 (a)および(b)は、吸引動作に伴う逆流現象を説明するための模式図である。
符号の説明
30 インクタンク
31 容器筐体
32 蓋部材
33 可撓性フィルム
34 板部材
35 ばね部材
36 メニスカス形成部材
37 押さえ部材
38 インク収容室
39 大気開放弁
40 インク供給口
42 インク流路
43 開口周辺部
50 シール部材
51 ばね
52 連通路
53 弁カバー
54 大気連通部
55 弁室
60 回復系ユニット
61 インク流路
62 廃インク
70 キャップ
71 空気

Claims (8)

  1. 筐体の開口周縁部との結合により内壁との間に液体収容室を形成する可撓性フィルムと、
    該可撓性フィルムに前記液体収容室の内側から接触する板部材と、
    前記板部材を前記内壁から離す方向へ付勢するばね部材と、
    前記液体収容室の内部に収容される液体を導出するための供給口と、
    前記筐体に前記液体収容室に突出部を有するように配置され、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、かつ前記液体収容室から外部への液体および気体の導出を阻止する一方向弁と、を有する液体収納容器において、
    前記一方向弁は、前記板部材が前記突出部に接触することにより、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容することを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記一方向弁は、
    大気に開放された弁室と、
    該弁室と前記液体収容室を接続する連通路と、
    前記突出部を備え、前記連通路と前記弁室の接続の閉塞および開放を制御するシール部材と、
    前記連通路と前記弁室の連通を閉塞するように前記シール部材を付勢するばねと
    を有することを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
  3. 前記シール部材は、前記板部材が前記突出部に接触する状態において前記連通路と前記弁室の連通を開放し、前記板部材が前記突出部に接触しない状態において前記連通路と前記弁室の連通を閉塞することを特徴とする請求項2に記載の液体収納容器。
  4. 筐体の開口周縁部との結合により内壁との間に液体収容室を形成する可撓性フィルムと、
    該可撓性フィルムに前記液体収容室の内側から接触する板部材と、
    前記板部材を前記内壁から離す方向へ付勢するばね部材と、
    前記液体収容室の内部に収容される液体を導出するための供給口と、
    該供給口に配置されて液体を保持することが可能なメニスカス形成部材と、
    前記筐体に前記液体収容室に突出部を有するように配置され、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、かつ前記液体収容室から外部への液体および気体の導出を阻止する一方向弁と、を有する液体収納容器において、
    前記一方向弁は、前記板部材が前記突出部に接触することにより、外部から前記液体収容室への気体の導入を許容し、
    該導入により前記液体収容室および前記メニスカス形成部材に保持された液体がなくなった状態において前記メニスカス形成部材は前記液体収容室への気体の導入を許容することを特徴とする液体収納容器。
  5. 前記一方向弁は、
    大気に開放された弁室と、
    該弁室と前記液体収容室を接続する連通路と、
    前記突出部を備え、前記連通路と前記弁室の接続の閉塞および開放を制御するシール部材と、
    前記連通路と前記弁室の連通を閉塞するように前記シール部材を付勢するばねと
    を有することを特徴とする請求項4に記載の液体収納容器。
  6. 前記シール部材は、前記板部材が前記突出部に接触する状態において前記連通路と前記弁室の連通を開放し、前記板部材が前記突出部に接触しない状態において前記連通路と前記弁室の連通を閉塞することを特徴とする請求項5に記載の液体収納容器。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体収納容器に接続され、前記供給口から供給された液体を吐出口より吐出することを特徴とする記録ヘッド。
  8. 前記記録ヘッドを使用し、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置。
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