JP4341454B2 - 固体電解質型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素透過性金属層と電解質層と電極とを備える燃料電池の製造方法に関する。
従来から、様々な構造の燃料電池が提案されている。例えば、下記特許文献1には、プロトン伝導性を有する電解質層のアノード側に、水素透過性を有するパラジウム系金属膜を配設した燃料電池が開示されている。このような燃料電池として、例えば、金属薄膜である水素透過性金属層上に、セラミックスなどの固体電解質層を成膜し、その膜上にカソード電極を薄く、かつ、均一に成膜することによって単セルを製造し、この単セルと集電体としてのセパレータとを積層して構成することができる。こうした燃料電池の製造には、様々な成膜方法を用いることができる。例えば、レーザアブレーション法を用いて、高温条件下で水素透過性金属層上に緻密な固体電解質層を成膜し、それをチャンバ内部から取り出して、スパッタ法などの一般的な成膜方法を用いてカソード電極の成膜を行なうことができる。こうした複数の膜を成膜する場合には、全体の成膜速度や価格の面から、膜の種類に応じた成膜方法が選択されるのが一般的である。
特開平5−299105号公報
しかしながら、こうした方法で製造した燃料電池では、水素透過性金属層とカソード電極との間で短絡が生じるという問題があった。この問題は、高温条件下で水素透過性金属層上に固体電解質層が成膜されて形成される電解質膜をこの成膜に使用した装置外に取り出す際に冷却してしまい、さらに水素透過性金属層と固体電解質層との熱膨張差が関与して固体電解質層に欠損が発生するために生じる。こうした固体電解質層上の欠損箇所に、カソード電極の成膜過程において電極用材料が入り込み、水素透過性金属層とカソード電極との間が短絡してしまう。この結果、燃料電池の性能低下が発生していた。こうした問題は、電解質層として固体酸化物や固体高分子を用いる燃料電池に共通の課題であった。
本発明は、こうした問題を踏まえて、電解質層の欠損の発生自体を低減し、水素透過性金属層とカソード電極との間の短絡を抑制する燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池の製造方法は、上記課題に鑑み、以下の手法を採った。すなわち、水素透過性金属を含有する水素透過性金属層と、該水素透過性金属層上に積層されると共にプロトン伝導性を有する電解質層とからなる電解質膜と、該電解質層における該水素透過性金属層が積層された面と反対側の面に積層される電極とを有する固体電解質型燃料電池の製造方法であって、(a)前記水素透過性金属層上に、所定の温度条件の下で、前記電解質層を成膜して前記電解質膜を形成する工程と、(b)前記電解質膜の熱膨張に起因して前記電解質層に欠損が生じ難い温度条件を保持しながら、前記工程(a)において成膜された前記電解質層上に前記電極を成膜する工程とを備えたことを要旨としている。
本発明の製造方法によれば、電極の成膜の際、水素透過性金属層上に成膜した電解質層上に熱膨張に起因した欠損が生じ難い温度条件に保持される。つまり、水素透過性金属層上に成膜した電解質層の温度条件を管理することで、電解質層でのクラックなどの欠損の発生が抑制される。こうした電解質層上に電極を成膜するため、電極用の材料が欠損箇所に入り込むことで生じる水素透過性金属層と電極との短絡を抑制することができる。
上記の燃料電池の製造方法において、前記工程(a)で形成された前記電解質膜を、該形成を行なった装置内に保持したまま、前記工程(b)により前記電極を成膜するものとしても良い。
かかる燃料電池の製造方法によれば、電極を成膜するまで、電解質膜を成膜を行なった装置内に保持する。つまり、電解質膜は、成膜時の温度条件雰囲気のもと、そのままの状態で電極の成膜工程に移る。したがって、電解質膜を取り出すことによる冷却を回避し、電解質層の欠損発生を抑えることができる。その結果、水素透過性金属層と電極との短絡を抑制することができる。
上記の構成を有する燃料電池の製造方法の工程(b)において保持する温度条件は、前記工程(a)における前記所定の温度条件を基準に、±100℃以内の温度差であるものとしても良い。かかる製造方法によれば、電解質層の成膜の際の温度条件から±100℃以内の範囲の温度を保持して電極は成膜される。この範囲の温度を保持することで、熱膨張に起因して電解質層にかかる応力を緩和することができ、電解質層の欠損を抑制することができる。
上記の構成を有する燃料電池の製造方法において、前記工程(a)で成膜する電解質層は、プロトン伝導性を有するセラミック層としてのSrZrO 系ペロブスカイトであり、前記工程(b)において保持する温度条件は、前記工程(a)における前記所定の温度条件との温度差が−75℃から+40℃の範囲内であるものとすることができる。
かかる製造方法によれば、電解質層の成膜温度から−75℃から+40℃の範囲内の温度差を保持しながら、電極の成膜が行なわれる。特に、電解質層がSrZrO系ペロブスカイトの場合には、電解質層の強度に対して、熱膨張に起因して生じる負荷応力を許容範囲内に収めることができる。したがって、電解質層に欠損が生じる頻度を著しく低下させることができる。
上記の構成を有する燃料電池の製造方法の前記工程(b)は、前記工程(a)における前記所定の温度条件を保持しながら、前記電解質層上に前記電極を成膜する工程であるものとしても良い。かかる製造方法によれば、工程(a)の温度条件と同じ温度条件を保持しながら、電極を成膜する。したがって、電極の成膜時に、電解質層に欠損が生じることはなく、短絡の発生を抑制することができる。
上記の構成を有する燃料電池の製造方法において、電解質層とカソード電極との成膜方法は、成膜時の温度条件を管理すればどのような方法を用いても良いが、前記工程(a)では、前記電解質層の材料を、レーザアブレーション法によって蒸発させることで、前記水素透過性金属層上への前記電解質層の成膜を行い、前記工程(b)では、前記電極の材料を、レーザアブレーション法によって蒸発させることで、前記電解質層上への前記電極の成膜を行うこととしてもよい。

かかる製造方法によれば、電解質層および電極をレーザアブレーション法により、成膜する。特に、レーザアブレーション法を用いることで、緻密な電解質層を形成することができる。電解質層の成膜に引き続き、温度条件を管理して電極をレーザアブレーション法で成膜する。こうした一つの成膜方法により、一連の製造をすることで、温度条件の管理を容易とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて次の順序で説明する。
A.燃料電池の構造:
B.MEAの製造方法:
C.温度条件:
A.燃料電池の構造:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池を構成する単セルの概略構成を示す断面模式図である。本実施例の燃料電池は、燃料ガス中から水素を分離する水素分離膜を備えた水素分離膜型燃料電池であり、図1に示す単セル10を複数積層し、両端から締結力を与えることで複数の単セル10を直列に接続したスタック構造をしている。なお、本実施例の燃料電池は、アノードガスの流れの方向とカソードガスの流れの方向とが直交方向である直交流型であるが、図示を簡単にするため、図1は平行流型としている。
図1に示すように、この単セル10は、主に、燃料電池での電気化学反応に使用する燃料ガスや酸化ガスの流路となるガスセパレータ60,70、電解質膜50とカソード電極40とを一体で備えたMEA100(Membrane-Electrode Assembly)等からなり、ガスセパレータ60,70でMEA100を両側から挟みこんで形成されている。ここでは図示は省略するが、スタック構造の内部温度を調整するために、各単セル間に、または所定数の単セルを積層する毎に、燃料電池を冷却する冷媒の通過する冷媒流路を設けるものとしても良い。
ガスセパレータ60,70は、カーボンや金属などの導電性材料で形成され、燃料ガス,酸化ガスを透過させない緻密質体で構成されている。ガスセパレータ60の表面には燃料ガスを単セル10内部に導く燃料ガス流路65を形成する凹凸形状が、ガスセパレータ70の表面には酸化ガスを単セル10内部に導く酸化ガス流路75を形成する凹凸形状が、それぞれ形成されている。
こうしたガスセパレータ60,70の流路のうち、燃料ガス流路65には燃料ガスとしての炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスが、酸化ガス流路75には酸化ガスとしての空気が、それぞれ供給される。ガスセパレータ60,70は、供給された水素リッチガス中の水素と空気中の酸素との電気化学反応にて発生する電気を集電する機能を有している。
MEA100は、水素分離膜としての水素透過性金属層20,電解質層30からなる電解質膜50と、カソード電極40等から構成されている。
水素透過性金属層20は、水素透過性を有する金属からなる層であり、例えば、パラジウム(Pd),Pd合金等により形成することができる。水素透過性金属層20は、燃料ガス流路65を介して供給される水素リッチガスのうち、水素リッチガスに含まれる水素のみを選択的に透過させる。本実施例では、この水素透過性金属層20は、水素分離膜としての機能に加え、水素のイオン(プロトン)化を活性する触媒機能およびアノード電極としての機能を有する。なお、水素透過性金属層20には、バナジウム(V)を基材として、その両面にパラジウム(Pd)を積層した複合金属膜を用いるものとしても良い。
電解質層30は、プロトン伝導性を有する固体電解質からなり、電気的な絶縁性を有する層である。電解質層30には、例えば、固体酸化物であるBaCeO、SrCeO、SrZrO系のペロブスカイトやパイロクロア等を用いることができる。こうした電解質層30は、緻密な水素透過性金属層20上に薄膜として成膜される。したがって、薄膜化により、膜抵抗を低減することができる。
カソード電極40は、電解質層30上に成膜された金属からなる層であり、例えば、Pd等により形成することができる。このカソード電極40は、電気化学反応を促進する触媒活性を有する貴金属により形成することができる。なお、電気化学反応を促進するため、白金(Pt)等の触媒層を設けるものとしても良い。
B.MEAの製造方法:
次に、上記の燃料電池を構成するMEA100の製造方法について説明する。図2は、MEA100の製造工程を示す工程図である。本実施例では、MEA100の製造方法として、ターゲット材料にレーザを照射し、ターゲット材料より放出された原子、分子、イオンなどを基板上に成膜させる方法であるレーザアブレーション法を用いている。この方法は、スパッタ法、蒸着法の様に内部ガス圧に依存しないため、酸素などのガスが内部に含まれる材料の作製に適している。
図2に示すように、MEA100の製造に際し、まず、水素透過性金属層20を構成する水素透過性金属の基板を準備し、これを成膜用のチャンバKLに入れ、チャンバKL内の温度を約500(℃)前後に上昇する(ステップS200)。この結果、基板の温度も500(℃)前後に上昇する。本実施例では、水素透過性金属としてPd合金を使用して基板を生成している。この工程で、水素透過性金属の基板をセットしたチャンバKL内は、所定の圧力に減圧され、高温雰囲気下に所定量の酸素が供給される。供給された酸素は、後述する電解質層の成膜に使用される。
続いて、ターゲット材料に電解質層30を構成する固体酸化物を使用し、ターゲット材料にレーザを照射することで水素透過性金属の基板上に固体酸化物を成膜する(ステップS210)。この成膜に用いる固体酸化物としては、前述のSrZrO系ペロブスカイトを使用している。こうしたターゲット材料へのレーザ照射により放出される原子等の内、酸素成分は基板まで到達し難いが、上述のステップS200で供給している高温雰囲気中の酸素を取り込むことで、均一、かつ、緻密な電解質層20を成膜する。
こうして水素透過性金属層20上に電解質層30を積層した電解質膜50を形成した状態の雰囲気温度を、そのまま管理すると共に、ターゲット材料をカソード電極40の電極材料に変更する(ステップS220)。つまり、電解質層30を成膜した電解質膜50は、チャンバKL内に保持されたまま、カソード電極40の成膜へと移行する。ターゲット材料には、カソード電極40を構成するパラジウムを使用している。なお、この工程では、不要となった酸素をチャンバKL内から排出し、チャンバKL内を真空状態としている。
続いて、変更したターゲット材料にレーザを照射することで、水素透過性金属層20に形成した電解質層30上にパラジウムからなるカソード電極40を成膜し(ステップS230)、MEA100が完成する。この工程では、パラジウムの膜厚を薄くし、多孔質体としてカソード電極40を成膜している。
こうしたレーザアブレーション法を用いた製造方法では、電解質層30の成膜に引き続き、同等な温度条件で、カソード電極40を成膜する。つまり、MEA100を製造する一連の過程における電解質膜50の温度はほぼ500(℃)前後に保持されている。
一般的なカソード電極40の成膜方法としては、エネルギ効率に優れ、成膜速度のはやいスパッタ法が用いられることが多い。この場合、レーザアブレーション法を用いて水素透過性金属層上に緻密な電解質層を形成した後、それをチャンバKL内から取り出して、スパッタ法を用いたカソード電極の形成が行われる。
本実施例の製造方法において、電解質膜50は製造工程を通してチャンバKL内に留め置かれる。そのため、高温状態の電解質膜50がチャンバKL内から取り出されて冷却されることが抑制される。その結果、冷却に伴い、異なる熱膨張率の材料(水素透過性金属層20と電解質層30)に収縮が生じ、薄膜の電解質層30側に収縮時の応力による欠損の発生が抑制される。したがって、電解質層30の欠損を低減することができ、電解質層30の薄膜化が可能となる。
さらに、温度条件を保持してカソード電極40まで製造した後に、冷却による電解質層30の欠損が発生しても、欠損部分に電極材料が入り込むことが抑制される。したがって、カソード電極40の形成による水素透過性金属層20とカソード電極40との間の短絡を抑制することができる。
こうして製造されたMEA100は、図1に示したように、両端からガスセパレータ60,70により挟持され、単セル10を構成する。この単セル10は、水素透過性金属層20とカソード電極40との間の短絡発生が抑制されたものとなる。燃料電池スタックは、この単セル10を所定数、直列に積層して製造される。
本実施例の方法により製造された燃料電池スタックは、発電性能の低下を抑制することができる。つまり、各単セル10の短絡の抑制は、複数の単セル10を積層することで特に発電性能の低下の抑制に大きな効果を奏する。
本実施例では、電解質層30およびカソード電極40の成膜を、レーザアブレーション法を用いて実行しているが、温度条件を管理すれば、各膜に応じて成膜方法を変更するものとしても良い。つまり、水素透過性金属層20上に電解質層30を成膜する温度条件を保持することを条件とすれば、カソード電極40の成膜にスパッタ法を用いることも可能である。
また、本実施例では、電解質層30およびカソード電極40の成膜の温度を500(℃)前後としているが、両者の成膜の温度は、必ずしも同等にする必要はない。両者の成膜温度の差は、±100(℃)前後の範囲内であれば、熱膨張に起因する電解質層30の欠損を低減するのに効果を奏する。
C.温度条件:
上述の成膜温度の差による電解質層の欠損の頻度は、成膜する電解質層の材料によって異なる。図3は、SrZrO系ペロブスカイト(以下、ペロブスカイトと呼ぶ)を電解質層の材料とした場合の成膜温度差と電解質層にかかる応力との関係を示す説明図である。図3の横軸は、ペロブスカイトの成膜時の温度との温度差(℃)を示し、縦軸は、ペロブスカイトにかかる最大主応力(MPa)を示している。
図示するように、ペロブスカイトの成膜時の温度を基準として、温度差が大きくなるのに伴い、ペロブスカイトにかかる応力がほぼ直線的に増加する。例えば、ペロブスカイトの成膜時より100(℃)上げた温度でカソード電極を成膜する場合には、ペロブスカイトには約130(MPa)の引張応力がかかる。また、ペロブスカイトの成膜時より100(℃)下げた温度でカソード電極を成膜する場合には、ペロブスカイトには約130(MPa)の圧縮応力がかかる。
こうした温度差と応力との関係に対して、ペロブスカイトの許容応力を設定することで、許容できる温度差の範囲を特定することができる。例えば、ペロブスカイトの引張強度を基に、安全率を加味した引張側の応力と圧縮側の応力とを、それぞれ設定する。図3に示した一例では、圧縮側の許容応力を100(MPa)、引張側の許容応力を50(MPa)に設定している。つまり、図示する斜線の範囲内は、電解質層であるペロブスカイトに欠損(クラック)が生じる頻度(確率)が低い範囲を示している。
この斜線の範囲内に収まる温度差は、電解質層にほとんど欠損が生じない許容温度差範囲となる。本実施例の電解質層30であるSrZrO系ペロブスカイトの場合には、電解質層30の成膜温度から−75(℃)から+40(℃)の範囲内の温度差を保持しながら、カソード電極40の成膜を行なうことが好ましい。換言すると、SrZrO系ペロブスカイトの許容温度差範囲は、−75(℃)から+40(℃)の範囲となる。
図3では、SrZrO3系ペロブスカイトを例として説明したが、その他の電解質層となる材料、特に固体酸化物型の燃料電池に使用されるBaCeO、SrCeO系ペロブスカイトなどについても、同様に温度差と応力との関係から許容温度差の範囲を特定することができる。こうした範囲内の温度差を保持しながら、カソード電極の成膜を行なうことで、水素透過性金属層20とカソード電極40との間の短絡を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施し得ることは勿論である。本実施例では、各層の成膜方法として、レーザアブレーション法を用いて説明したが、蒸着法などを用いるものとしても良い。
本発明の一実施例としての燃料電池を構成する単セルの概略構成を示す断面模式図である。 MEAの製造工程を示す工程図である。 ペロブスカイトを電解質層の材料とした場合の成膜温度差と電解質層にかかる応力との関係を示す説明図である。
符号の説明
10...単セル
20...水素透過性金属層
30...電解質層
40...カソード電極
50...電解質膜
60,70...ガスセパレータ
65,75...ガス流路
100...MEA

Claims (6)

  1. 水素透過性金属を含有する水素透過性金属層と、該水素透過性金属層上に積層されると共にプロトン伝導性を有する電解質層とからなる電解質膜と、該電解質層における該水素透過性金属層が積層された面と反対側の面に積層される電極とを有する固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    (a)前記水素透過性金属層上に、所定の温度条件の下で、前記電解質層を成膜して前記電解質膜を形成する工程と、
    (b)前記電解質膜の熱膨張に起因して前記電解質層に欠損が生じ難い温度条件を保持しながら、前記工程(a)において成膜された前記電解質層上に前記電極を成膜する工程と
    を備えた固体電解質型燃料電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(a)で形成された前記電解質膜を、該形成を行なった装置内に保持したまま、前記工程(b)により前記電極を成膜する固体電解質型燃料電池の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(b)において保持する温度条件は、前記工程(a)における前記所定の温度条件を基準に、±100℃以内の温度差である固体電解質型燃料電池の製造方法。
  4. 請求項3に記載の固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(a)で成膜する電解質層は、プロトン伝導性を有するセラミック層としてのSrZrO系ペロブスカイトであり、
    前記工程(b)において保持する温度条件は、前記工程(a)における前記所定の温度条件との温度差が−75℃から+40℃の範囲内である固体電解質型燃料電池の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記工程(a)における前記所定の温度条件を保持しながら、前記電解質層上に前記電極を成膜する工程である固体電解質型燃料電池の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の固体電解質型燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(a)では、前記電解質層の材料を、レーザアブレーション法によって蒸発させることで、前記水素透過性金属層上への前記電解質層の成膜を行い、
    前記工程(b)では、前記電極の材料を、レーザアブレーション法によって蒸発させることで、前記電解質層上への前記電極の成膜を行う
    固体電解質型燃料電池の製造方法。
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