JP4340393B2 - 前輪駆動切換装置の油圧回路 - Google Patents

前輪駆動切換装置の油圧回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両において、旋回時に4輪駆動から前輪増速に油圧クラッチを用いて切り換える場合に、安定して切り換えられるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラクタ等の作業車両において、作業時に圃場端で旋回する場合、4輪駆動状態から前輪増速に切り換えるようにして、圃場が荒らされないようにしており、この4輪駆動と前輪増速の切り換えを行なう前輪駆動切換装置は湿式多板油圧クラッチを用いて行なっていた。この油圧クラッチを作動させるための油圧は、パワーステアリング装置の油圧回路のドレン油を利用したり、新たに分流弁を追加して分流して油圧を取り出したり、或いは、別の油圧ポンプを追加して油圧を得るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パワーステアリング油圧回路や作業機上昇用等の油圧回路のドレン側の圧油を利用すると、圃場端での旋回時に前輪駆動切換装置を作動させるため、旋回時にはパワーステアリングを使用して旋回し、作業機も上昇させるため、油圧が不安定となって、油圧クラッチの接続スピードが変化し、油圧クラッチ作動時のショック低減がやり難く、車体旋回も安定しなくなっていた。また、別に油圧ポンプを付設したり、分流弁を新たに追加したりすると、それを取り付けるスペースを確保する必要があり、重量が増加し、コストアップとなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
【0005】
ステアリングハンドル(17)の操作により油圧シリンダ(12)を駆動して操向操作するパワーステアリング装置を具備し、該ステアリングハンドル(17)の操作角を検出して、油圧式の4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換え、該ステアリングハンドル(17)が直進位置から第一の設定角(α1)まで(0<α≦α1)の間での操作では、4輪駆動クラッチ(51)がONとなり、前輪(8)と後輪(6)が同速で4輪駆動となり、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第一の設定角(α1)を越えて、第二の設定角(α2)まで(α1<α≦α2)の間の操作では、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)は共にOFFとなって、該前輪(8)に動力が伝達されず、後輪(6)のみの駆動となり、同時に昇降制御バルブ(43)を切換えて作業機昇降装置(4)により作業機を上昇し、作業機昇降装置(4)により該作業機が上昇した場合には、作業機水平制御用油圧シリンダ(63)による水平制御をOFFとし、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第二の設定角(α2)以上(α2<α)となると、該前輪増速クラッチ(52)がONとなり、該前輪(8)が後輪(6)よりも高速で駆動される制御を行う前輪駆動切換装置の油圧回路において、パワーステアリング装置用の油圧ポンプとは、別の油圧ポンプ(60)からの圧油を分流弁(61)にて分流し、該分流弁(61)の通常の流路側(61b)には、作業機昇降装置(4)の昇降制御バルブ(43)と接続し、該分流弁(61)の優先流量側(61a)には、前記作業機水平制御用油圧シリンダ(63)を制御する前記作業機水平制御バルブ(62)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)のドレン回路(66)側に、前輪駆動切換電磁弁(31)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)に対して、前輪駆動切換電磁弁(31)を直列接続し、該前輪駆動切換電磁弁(31)の切換により、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換作動すべく構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。図1は本発明の前輪駆動切換装置を装備した作業車の側面図、図2はミッションケース側面図、図3は前輪駆動切換部の側面図断面図、図4は旋回制御の油圧回路図、図5はフロントユニット平面図、図6はフロントユニット側面図、図7は前輪切角検出装置の拡大断面図、図8は検知部の拡大断面図である。
【0007】
まず、本発明に係る前輪駆動切換装置を具備した一実施例であるトラクタの概略構成について説明する。図1、図2において、前部のボンネット1内にエンジン2を搭載して、ボンネット1後方にはオペレーターが搭乗する運転席やステアリングハンドル17等を収納したキャビン3が設けられ、後方には作業機昇降装置4を配置している。エンジン2の後方にはミッションケース5を連設し、該ミッションケース5の後部両側にリアアクスルケース18を介して後輪6を支承している。前記作業機昇降装置4はリフトアーム40とロアリンク39と図示しないトップリンクとリフトロッドからなり、リフトアーム40とロアリンク39は左右一対設けられ、リフトアーム40とロアリンク39を連結するリフトロッドの左右一方には水平制御用シリンダ63が一体的に設けられている。
【0008】
また、ミッションケース5の下部に前輪動力取出ケース7が設けられ、該前輪動力取出ケース7より前方に伝動軸9を介してフロントアクスルケース11に動力を伝え、該フロントアクスルケース11に支持した前輪8を駆動可能に構成している。ミッションケース5上面にはシリンダを内蔵した油圧ケース41と油圧制御装置42が設けられ、油圧ケース41内にはピストンを収納して、該油圧ケース41側面より突出したリフトアーム40を回動駆動できるようにしている。また、油圧制御装置42近傍には昇降用モータ32と分流弁61が配置され、該昇降用モータ32の駆動によりリンク等を回動して後述する昇降制御バルブ43を切り換えるようにしている。また、該油圧制御装置42と、油圧制御装置42下方の前記前輪動力取出ケース7の側面に配置した前輪駆動切換電磁弁31は油圧配管45を介して接続されている。
【0009】
前記前輪動力取出ケース7内には前輪駆動切換装置が収納され、図3に示すように、前輪駆動出力軸50が軸受を介して回転自在に支持され、該前輪駆動出力軸50上に4輪駆動クラッチ51と、その前に前輪増速クラッチ52が配置されている。該4輪駆動クラッチ51と前輪増速クラッチ52の各入力歯車53・54はそれぞれ2連に構成したカウンター歯車55と噛合され、該カウンター歯車55はドライブ軸56上に固設した前輪駆動歯車57と噛合されている。こうして、エンジン2からの動力を変速した後に後輪デフ装置を介して後輪6を駆動し、前輪駆動歯車57、カウンター歯車55より前輪駆動切換装置を介して前輪8に動力を伝達可能としている。
【0010】
そして、前記4輪駆動クラッチ51と前輪増速クラッチ52は湿式多板油圧クラッチにて構成され、前記前輪動力取出ケース7側面には前輪駆動切換電磁弁31が付設され、該前輪駆動切換電磁弁31が後述する制御により切り換えられて、4輪駆動クラッチ51、或いは、前輪増速クラッチ52をON/OFFするようにしている。
【0011】
即ち、図4に示すように、該前輪駆動切換電磁弁31は4ポート3位置切換の電磁弁で構成され、該前輪駆動切換電磁弁31のソレノイド31a・31bは制御回路44と接続され、該制御回路44には後述する検知部13の第一の設定角α1を検出する第一スイッチ25と、第二の設定角α2を検知する第二スイッチ26と接続されている。この第一の設定角α1は第二の設定角α2よりも小さく(α1<α2)、直進方向に対して左右対称となるように設定されている。
【0012】
このような構成において、ステアリングハンドル17が直進位置から第一の設定角α1までの間(0<α≦α1)での操作では、ソレノイド31aが作動されて4輪駆動クラッチ51がONとなり、ドライブ軸56より前輪駆動歯車57→カウンター歯車55→入力歯車53→4輪駆動クラッチ51→前輪駆動出力軸50と伝えられて、前輪8と後輪6が同速で駆動(4輪駆動:4WD)される。
【0013】
そして更にステアリングハンドル17を切って、第一の設定角α1越えて第二の設定角α2までの角度では(α1<α≦α2)、ソレノイド31a・31bは作動されず、4輪駆動クラッチ51と前輪増速クラッチ52はOFFとなって前輪8に動力が伝達されず前輪8はフリーとなり、後輪6のみの駆動(2輪駆動:2WD)となる。
【0014】
更にステアリングハンドル17を切って、第二の設定角α2以上(α2<α)となると、ソレノイド31bが作動されて前輪増速クラッチ52がONとなり、ドライブ軸56より前輪駆動歯車57→カウンター歯車55→入力歯車54→前輪増速クラッチ52→前輪駆動出力軸50と伝えられて、前輪8が後輪6よりも高速で駆動(前輪増速)される。
【0015】
次に、図4において、本発明の油圧回路について説明する。エンジン2の近傍に油圧ポンプ60が配置され、該エンジン2の駆動により油圧ポンプ60が駆動され、一つの油圧ポンプ60から吐出された圧油は分流弁61に送油される。該分流弁61は圧油を二方に分流するが、一方は第一切換弁となる水平制御バルブ62を介して水平制御用アクチュエータとなる油圧シリンダ63と、前記前輪駆動切換電磁弁31を介して4輪駆動クラッチ51と前輪増速クラッチ52に送油可能とされ、他方は昇降制御バルブ43を介して昇降アクチュエータとなる作業機昇降シリンダ(41)に送油可能とされる。
【0016】
前記分流弁61は優先流量側61aと通常の流路61bからなり、優先流量側61aに水平制御バルブ62を接続し、流路61bに昇降制御バルブ43を接続している。該水平制御バルブ62のドレン回路66に前輪駆動切換電磁弁31を接続して直列接続としている。該前輪駆動切換電磁弁31のソレノイド31a・31bは前述のように制御回路44と接続されて、検知部13の信号により制御回路44を介してソレノイド31a・31bに駆動信号が送信されて、前輪駆動切換電磁弁31を切り換えて4輪駆動クラッチ51をON/OFF、前輪増速クラッチ52をON/OFFできるようにしている。
【0017】
また、水平制御バルブ62の二次側にはチェックバルブ等を介して作業機水平制御用シリンダ63と接続され、該水平制御バルブ62のソレノイド62a・62bは制御回路44と接続され、該制御回路44は傾斜センサー64からの検出信号及び設定器65の値を入力して、設定角度になるようにソレノイド62a・62bに信号を送信して水平制御バルブ62を切り換えて作業機水平制御用シリンダ63を作動させ、作業機が水平または設定角度となるようにしている。
【0018】
前記昇降制御バルブ43の二次側は油圧ケース41内の油圧シリンダと接続され、該昇降制御バルブ43のスプールは昇降用モータ32の出力軸に連結されたリンク、及び、座席側部に配置した昇降レバー等と連結され、該昇降モータ32は制御回44と接続され、後述する第一スイッチ25の信号や後進に変速した時等に作動するようにして、旋回時や後進変速時に昇降制御バルブ43が切り換えられて上昇するようにしている。また、運転部に設けた昇降レバーの操作によっても昇降制御バルブ43を切り換えられるようにしている。71・72・73は各アクチュエータの作動油圧を設定するリリーフ弁である。
【0019】
次に、フロントユニット30について、図5〜図8を用いて説明する。フロントユニット30はフロントアクスルケース11と、パワーステアリング装置の油圧シリンダ12と、タイロッド14と、前輪8を回動自在に支持する回動ケース33等より構成される。前記フロントアクスルケース11は左右のケース11R・11Lと、その間に配置されるセンターケース11Mからなり、左右のケース11R・11Lの両外側に回動ケース33・33が取り付けられる。センターケース11Mの後面より、入力軸34が後方に突出され、図示しないユニバーサルジョイント等を介して前記伝動軸9と連結されて、入力軸34に伝えられた動力はフロントアクスルケース11内のデフ装置等を介して前輪8に伝えて駆動できるようにしている。該フロントアクスルケース11の左右中央より前方にセンターピン35が突出されてフロントフレームに左右揺動自在に支持されている。
【0020】
前記センターケース11M前面にはパワーステアリング用油圧シリンダ12が左右水平方向に横設されている。該油圧シリンダ12はピストンロッド12a・12aを両側に突出した両ロッド式とし、該ピストンロッド12aの先端には球形ジョイント15を介してタイロッド14と連結され、該タイロッド14の他端はナックルアーム16に連結されている。該ナックルアーム16は前記回動ケース33の前輪8を支持する側に固定され、該ナックルアーム16を回動することによってキングピンを中心に前輪8を回動できるようにしている。
【0021】
前記センターケース11M前面に検知部13が取り付けられている。該検知部13は支持ケース36と、該支持ケース36に収納されるセンサーシャフト23と、センサーとなる第一スイッチ25と第二スイッチ26から構成されている。前記センサーシャフト23の両端には取付プレート29・29が固定され、該取付プレート29・29の他端は油圧シリンダ12のピストンロッド12a・12aに固定され、センサーシャフト23が左右水平方向に横設され、該センサーシャフト23と油圧シリンダ12が平行となるように構成されている。こうして、ステアリングハンドル17の回動角ではなく、前輪8の旋回方向の角度を直接的に検知できるようにしている。
【0022】
そして、図5、図7に示すように、センサーシャフト23の中央部が支持ケース36に摺動自在に収納され、支持ケース36内において、センサーシャフト23上に止輪37・37を係止して、スプリング28・28を外嵌して、センサーシャフト23が略中央に位置するようにスプリング28・28で付勢している。また、該センサーシャフト23の中央部の外周には旋回アップ(旋回上昇)用の第一の設定角α1を検知するための第一切欠21と、前輪増速用の第二の設定角α2を検知するための第二切欠22がそれぞれ設けてあり、該第一切欠21と第二切欠22は図8に示すように、接線と平行となるように削られた検知面とし、第一切欠21の面と第二切欠22の面は略V字状となるようにしている。そして、図7に示すように、第一切欠21の軸心方向の長さL1は、第二切欠22の軸心方向(長手方向)の長さL2よりも短く(L1<L2)なるように構成され、機体中心に対して左右対称となるように構成している。
【0023】
そして、図8に示すように、前記支持ケース36の外側から該第一切欠21と第二切欠22の左右中央部へ向かって、即ち、センサーシャフト23の略軸心に向かって、取付孔36a・36bが穿設され、支持ケース36内部と連通され、該取付孔36aの中心線と取付孔36bの中心線で形成する面はセンサーシャフト23の軸心方向に対して直角方向となるようにしている。こうして、第一スイッチ25と第二スイッチ26がコンパクトに集中して配置されるようにしている。該取付孔36a・36bにとそれぞれ一つまたは複数のボール27・27を挿入してから第一スイッチ25と第二スイッチ26が取り付けられ、第一切欠21と第二切欠22にそれぞれボール27・27が当接し、第一スイッチ25と第二スイッチ26の検知部がボール27・27にそれぞれ当接するように配設する。但し、ボール27を設けずにスイッチの検知部を延長したりして直接検知する構成とすることも可能である。
【0024】
このような構成において、第一切欠21内にボール27が入り込んでいる時第一スイッチ25はOFFとなり、第一切欠21からボールが押し出されると、第一スイッチ25の検知部が押されてONとなる。第二スイッチ26も同様に第二切欠22内にボールが入っているときはOFF、第二切欠22からボールが押し出されるとONとなっている。
【0025】
以上のような構成において、直進作業中においては、ステアリングハンドル17は切られていない(α=0)ために、ボール27・27は第一切欠21と第二切欠22に嵌まり込んだままとなり、第一スイッチ25と第二スイッチ26はOFFとなっている。このとき、前輪駆動切換電磁弁31はソレノイド31が作動されて4輪駆動クラッチ51がONとされ、4輪駆動状態となっている。また、昇降制御バルブ43と水平制御バルブ62は圃場の凹凸等を傾斜センサー64やリヤカバーセンサーで検知してその信号によって切り換えられ、水平制御用シリンダ63に優先的に圧油は送油される。
【0026】
圃場端に至り回行する時に、ステアリングハンドル17を回動して油圧シリンダ12を作動させ、その切れ角が第一の設定角α1以上になると、ピストンロッド12の伸縮とともにセンサープレート29を介してセンサーシャフト23が摺動され、先に、長さの短い第一切欠21からボール27が押し出され、第一スイッチ25がONとなり、昇降用モータ32を駆動して昇降制御バルブ43を切り換えて作業機昇降装置4を上昇させる。このとき、ステアリングハンドル17は切られても前輪8の切角は小さく、機体はまだ略直進状態となっている。そして同時に、該第一スイッチ25のONによって前輪駆動切換電磁弁31のソレノイド31aがOFFとなり前輪駆動切換電磁弁31は中立となって、4輪駆動クラッチ51がOFFとなり、後輪6のみの駆動となる。
【0027】
つまり、後輪6の2輪駆動となり、前輪8はフリーの状態となって、後輪6により押されて機体が自然増速される。また、ステアリングハンドル17を切ってからパワーステアリング装置の油圧シリンダ12の作動時間は高速で作動せず、また、タイムラグもあるため、作業機が地中より地表へ出るまでの時間を稼ぐことができるのである。なお、この第一切欠21端の位置は、ステアリングハンドル17が第一の設定角α1回動した時と一致し、上昇作動開始角度となる。
【0028】
そして更にステアリングハンドル17を回動して第二の設定角度α2に達すると、ボール27が第二切欠22から出て、第二スイッチ26がONとなる。該第二スイッチ26のONによって前輪駆動切換電磁弁31のソレノイド31bONとなり、前輪増速クラッチ52が作動し、前輪8を増速駆動する。このとき機体は急旋回状態となるが、2輪駆動状態で徐々に増速されており機体が振り回される程大きな影響はなく、作業機は上昇されて地面より上方にあり、枕地を荒らすことはないのである。また、作業機を上昇するときには水平制御は行なわないようにしており、分流弁61の優先流量側61aへ流れた圧油は水平制御用シリンダ63に送油することなくドレン回路66を介して第二切換弁となる前輪駆動切換電磁弁31へ流れて、前輪増速クラッチ52に圧油を送油して確実に切り換えられるようにしている。
【0029】
また、第二切欠22端の位置は、ステアリングハンドル17が第二の設定角α2回動した時と一致し、前輪増速作動開始角度となる。なお、第一の設定角度及び第二の設定角をハンドル軸に角度センサーを設けて検知する構成とすることも可能であるが、角度センサーはスイッチよりも高価であり、また、制御回路も必要となりコストアップとなる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果が得られる。
ステアリングハンドル(17)の操作により油圧シリンダ(12)を駆動して操向操作するパワーステアリング装置を具備し、該ステアリングハンドル(17)の操作角を検出して、油圧式の4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換え、該ステアリングハンドル(17)が直進位置から第一の設定角(α1)まで(0<α≦α1)の間での操作では、4輪駆動クラッチ(51)がONとなり、前輪(8)と後輪(6)が同速で4輪駆動となり、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第一の設定角(α1)を越えて、第二の設定角(α2)まで(α1<α≦α2)の間の操作では、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)は共にOFFとなって、該前輪(8)に動力が伝達されず、後輪(6)のみの駆動となり、同時に昇降制御バルブ(43)を切換えて作業機昇降装置(4)により作業機を上昇し、作業機昇降装置(4)により該作業機が上昇した場合には、作業機水平制御用油圧シリンダ(63)による水平制御をOFFとし、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第二の設定角(α2)以上(α2<α)となると、該前輪増速クラッチ(52)がONとなり、該前輪(8)が後輪(6)よりも高速で駆動される制御を行う前輪駆動切換装置の油圧回路において、パワーステアリング装置用の油圧ポンプとは、別の油圧ポンプ(60)からの圧油を分流弁(61)にて分流し、該分流弁(61)の通常の流路側(61b)には、作業機昇降装置(4)の昇降制御バルブ(43)と接続し、該分流弁(61)の優先流量側(61a)には、前記作業機水平制御用油圧シリンダ(63)を制御する前記作業機水平制御バルブ(62)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)のドレン回路(66)側に、前輪駆動切換電磁弁(31)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)に対して、前輪駆動切換電磁弁(31)を直列接続し、該前輪駆動切換電磁弁(31)の切換により、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換作動すべく構成したので、分流弁の優先流量側の圧油が前輪駆動切換装置の油圧クラッチに送油されるようになり、油圧クラッチの作動時の接続時間が一定となり、複雑な制御をしなくてもソフトエンゲージが可能となる。
また、エンジン回転に変動が生じても優先的に前輪駆動切換装置側に圧油が送油されるため、確実に油圧クラッチを作動させることができるのである。
また、水平制御用の分流弁をそのまま利用できるようになり、新たに分流弁や油圧ポンプを追加する必要がなく、コストアップは最小限で済むこととなり、コンパクト化、軽量化、コスト低減化が図れる。
【0031】
また、前記作業機水平制御バルブ(62)と前輪駆動切換電磁弁(31)を直列接続したので、油圧回路構成が簡単となり、前輪増速に切り換わるときには非作業状態であるので水平制御は殆ど行なわれず、圧油は油圧クラッチを作動させるために利用でき安定して油圧クラッチを作動できる。
また、両切換弁を電磁弁としたので、制御が簡単に行なえるようになり、設定値の変更等も簡単に行なえる。また、単一の油圧ポンプから圧油をアクチュエータや油圧クラッチに供給するようにしたので、油圧ポンプの数を減少できて、重量低減化、コスト低減化が図れるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前輪駆動切換装置を装備した作業車の側面図である。
【図2】 ミッションケース側面図である。
【図3】 前輪駆動切換部の側面図断面図である。
【図4】 旋回制御の油圧回路図である。
【図5】 フロントユニット平面図である。
【図6】 前輪切角検出装置の拡大断面図である。
【図7】 フロントユニット側面図である。
【図8】 検知部の拡大断面図である。
【符号の説明】
31 前輪駆動切換電磁弁
51 4輪駆動クラッチ
52 前輪増速クラッチ
60 油圧ポンプ
61 分流弁
61a 優先流量側
62 作業機水平制御バルブ
63 作業機水平制御用油圧アクチュエータ(シリンダ)
66 ドレン回路

Claims (1)

  1. ステアリングハンドル(17)の操作により油圧シリンダ(12)を駆動して操向操作するパワーステアリング装置を具備し、該ステアリングハンドル(17)の操作角を検出して、油圧式の4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換え、該ステアリングハンドル(17)が直進位置から第一の設定角(α1)まで(0<α≦α1)の間での操作では、4輪駆動クラッチ(51)がONとなり、前輪(8)と後輪(6)が同速で4輪駆動となり、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第一の設定角(α1)を越えて、第二の設定角(α2)まで(α1<α≦α2)の間の操作では、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)は共にOFFとなって、該前輪(8)に動力が伝達されず、後輪(6)のみの駆動となり、同時に昇降制御バルブ(43)を切換えて作業機昇降装置(4)により作業機を上昇し、作業機昇降装置(4)により該作業機が上昇した場合には、作業機水平制御用油圧シリンダ(63)による水平制御をOFFとし、更に、該ステアリングハンドル(17)を切って、第二の設定角(α2)以上(α2<α)となると、該前輪増速クラッチ(52)がONとなり、該前輪(8)が後輪(6)よりも高速で駆動される制御を行う前輪駆動切換装置の油圧回路において、パワーステアリング装置用の油圧ポンプとは、別の油圧ポンプ(60)からの圧油を分流弁(61)にて分流し、該分流弁(61)の通常の流路側(61b)には、作業機昇降装置(4)の昇降制御バルブ(43)と接続し、該分流弁(61)の優先流量側(61a)には、前記作業機水平制御用油圧シリンダ(63)を制御する前記作業機水平制御バルブ(62)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)のドレン回路(66)側に、前輪駆動切換電磁弁(31)を接続し、該作業機水平制御バルブ(62)に対して、前輪駆動切換電磁弁(31)を直列接続し、該前輪駆動切換電磁弁(31)の切換により、4輪駆動クラッチ(51)と前輪増速クラッチ(52)を切換作動すべく構成したことを特徴とする前輪駆動切換装置の油圧回路。
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