JP4337512B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
これは、感光体等の像担持体に対向し且つトナーを担持するドナーロールと、このドナーロールに対向し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を担持するトナー搬送ロールとを備え、磁気ブラシによりトナー搬送ロールから大量の現像剤を供給し、ドナーロール上にトナー層を形成するようにしたものである(例えば特許文献1参照)。
このハイブリッド現像方式では、通常、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるため十分な帯電量を確保しやすく、また、トナー搬送ロールからドナーロールへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、ドナーロールに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。従って、像担持体の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、ドナーロールにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの像担持体への付着も防止される等の利点がある。
そこで、トナー供給用ロールとは別に、新たにトナー回収用ロールを加え、ドナーロール上のトナーをトナー回収用ロールで掻き取る方式も開示されている(例えば特許文献2参照)。
特に、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間で、現像剤がストレスを受け易く、現像剤の流動性が低下してくると、一層顕著となる。
しかしながら、この場合、二本のロール間のバイアスリークの問題が発生しやすく、特にトナー濃度が低下し且つ動作環境が高湿状況にあるときに顕著となる。更に、二本のロール間に入り込んだ現像剤がストレスを受け、現像剤の劣化が生じ易く、かぶりが発生する問題もあり、長期間に亘って安定した現像特性が得られない課題がある。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤の供給量が安定し、濃度むらを長期に亘って抑止できると共に、長期に亘る現像特性の安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
また、トナー担持体2は、少なくとも表面が弾性部材であることが好ましいが、金属であっても差し支えなく、弾性部材の場合、像担持体1とは接触しても差し支えない。
そして、二つの現像剤担持体3,4は、内部に磁界発生手段を具備し、二成分現像剤を担持搬送するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
更に、磁界発生手段は、複数の磁極を有しているものであればよく、例えば、磁極の構成例としては、現像に寄与するための現像磁極や、現像剤を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極や、現像剤を搬送する搬送磁極等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定してよい。
更にまた、トナーを二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2との間で有効に受け渡す観点からは、供給用現像剤担持体3とトナー担持体2との間、及び、回収用現像剤担持体4とトナー担持体2との間には、トナー担持体2に対しトナーを供給若しくは回収するための所定のバイアスが形成されていることが好ましく、このとき、現像剤担持体3,4へ印加するバイアス電圧は、直流電圧でもよいし、交流重畳直流電圧であっても差し支えない。
また、搬送部材5は、二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、同一方向に回転することが好ましく、このことにより、搬送部材5と二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、現像剤のストレスが軽減されることとなる。尚、搬送部材5と現像剤担持体3,4とが異なる方向に回転する態様であっても、現像剤の流れにストレスを与えないような態様であれば差し支えない。
本発明で使用されるトナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよい。
この「溜り」について検討してみるに次の様になる。図2(a)は、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位における現像剤Gの様子を示している。今、現像剤Gが矢印A方向に流れているとき、上流側のB部を流れる単位時間当たりの現像剤量が、下流側のC部を流れる単位時間当たりの現像剤量より多くなれば、この対向部位での現像剤Gの流れが阻害され、B部から上流側には徐々に現像剤Gの「溜り」が発生する。
この「溜り」が発生すると、現像剤Gの全体的な流れそのものが損なわれ、その結果、濃度むら等の画像欠陥の発生に繋がるようになる。
例えば、図2(b)のように、現像剤Gが供給用現像剤担持体3から搬送部材5を介して回収用現像剤担持体4側に流れているとき、搬送部材5上の現像剤Gの量(α領域)と回収用現像剤担持体4上の現像剤Gの量(β領域)との間で、β領域の現像剤Gがα領域の現像剤Gより少なくなると、現像剤Gの「溜り」がトナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位から上流側(γ領域)に発生する。
これらの提案は、現像装置が定常モードにあるときの現像剤Gの搬送挙動に着目したものであり、本件発明者らは、「溜り」の原因について更に検討したところ、定常モード開始時の現像剤Gの搬送挙動が「溜り」発生に関係することを見出した。
ここで、本願でいう現像準備モード7では、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位における二成分現像剤が定常モード6に比べて回収用現像剤担持体4の現像剤搬送方向に流れ易くなるように前記定常モード6とは異なる駆動条件にてトナー担持体2と回収用現像剤担持体4との間の電位差及び回収用現像剤担持体4の速度の少なくともいずれか一方が設定されるものであり、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位での現像剤の流れをつくり、定常モード6において現像剤の「溜り」を生じないようにしようとするものである。そして、この現像準備モード7にて一旦安定して現像剤が流れ始めれば、定常モード6での駆動を行っても「溜り」の発生は抑止されるようになる。
更に、両者が共に現像準備モード7で駆動制御されても差し支えない。また、現像準備モード7は、「装置の電源投入時」や「プリント開始時」等にも実施されることが好ましい。
更にまた、現像準備モード7は、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との間の電位差及び回収用現像剤担持体4の速度の少なくともいずれか一方を、段階的に変化させるようにしても、同様に「溜り」発生を抑止するようになる。ここで、「段階的に変化させる」とは、その段階の数は特に制限されず、現像準備モード7が完了した後に、最終的に定常モード6に移行することを意味する。
このとき、現像準備モード7の時間は、例えば、現像剤交換後や現像装置が長期間放置された場合等に長くする方向が好ましく、切替手段によって、現像剤交換時には現像剤未交換時より現像準備モード7の時間を長くすることが好ましい。
そして、本件は、画像形成装置をも対象とする。
特に、本発明にあっては、通常の現像駆動条件である定常モードを行う前に、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向部位に位置する現像剤を回収用現像剤担持体の現像剤搬送方向に定常モードに比べて流れ易くなるように定常モードとは異なる現像準備モードを行う駆動制御手段を設けたので、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向部位に対し回収用現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側で現像剤の溜り発生を抑止することが可能になる。
また、この現像装置を用いることで、長期に亘って現像特性が安定した画像形成装置を提供できる。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。
この静電潜像は、光の当たった部分の感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
本実施の形態では、感光体21上のトナー画像は、現像装置30によって可視像化された後、転写ロール26によって、記録材28上に転写され、この転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50により記録材28上のトナー画像が定着されるように構成されている。尚、定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることで、トナー画像を記録材28に定着するように構成されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31(図3参照)を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、ドナーロール32を回動自在に収容している。このドナーロール32にはバイアス電源37が接続され、所定の現像バイアスVBが印加されるようになっている。
本実施の形態では、このドナーロール32の外周部は弾性部材で被覆した構成を採っているが、例えば、アルミニウムやステンレス等からなる金属ロールであっても差し支えない。また、ドナーロール32と感光体21とは接触した構成を採っているが、非接触であっても差し支えない。
また、これらのトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34には、夫々バイアス電源38,39が接続され、トナー供給ロール33からドナーロール32へトナーを供給するための供給バイアスVS、ドナーロール32からトナー回収ロール34へトナーを回収するための回収バイアスVRが印加されるようになっている。
更に、これらトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の後部には、トナー供給ロール33の外周部の二成分現像剤(現像剤)Gをトナー回収ロール34へ受け渡すように現像剤Gを担持搬送する搬送ロール35が配設されている。
トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に複数の磁極(S2,N1,S1,N2,N3)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2と磁極N3のほぼ中間が搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極の磁極N2,N3が反発磁極として作用するようになっている。
更に、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(S4,N4,S3,N5,N6)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S3を設け、磁極S4を搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極の磁極N5,N6が反発磁極として作用するようになっている。
また、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S5,N7,S6)の内、磁極S5がトナー供給ロール33と対向する位置になるように配置されている。
尚、本実施の形態において、夫々の磁極の配置や数は本形態に限定されるものではなく、適宜選定して差し支えない。
そして、本実施の形態では、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の回転方向は、ドナーロール32と同様(反時計回り)であり、搬送ロール35の回転方向はこれらと逆方向(時計回り)になっており、現像剤Gは、トナー供給ロール33から搬送ロール35を経由してトナー回収ロール34に流れるようになっている。
尚、本実施の形態で用いる二成分現像剤Gは、トナーと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
尚、準備モードが完了すると、バイアス電源39は定常モードでの回収バイアスVRが印加されるように切り替わる。
そして、現像剤Gは、トリマ42の近傍に達すると、磁極S2により穂立ちを形成する。
更に、この現像剤Gの穂立ちは、トリマ42で制御されることにより、現像剤層としてトナー供給ロール33の外周上に保持され、回転スリーブ33aの回転と共に反時計回りに搬送される。このとき、現像剤Gは磁石体33bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
一方、トナーを失った磁性キャリア及びトナー供給領域を通過した現像剤Gは、トナー供給ロール33の磁石体33bと搬送ロール35の磁石体35bとの吸引磁界によって、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する領域で、トナー供給ロール33から搬送ロール35に受け渡される。
搬送ロール35に受け渡された現像剤Gは、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持され、その外周上を搬送された後、搬送ロール35の磁石体35bとトナー回収ロール34の磁石体34bとの吸引磁界によって、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する領域で、搬送ロール35からトナー回収ロール34に受け渡される。
そして、トナー回収ロール34の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極S3近傍のトナー回収領域でドナーロール32上のトナーを回収した後、トナー回収ロール34の外周を搬送され、磁極N5と磁極N6との反発磁界により、トナー回収ロール34から離れ、第二のガイド片44に沿って、撹拌部材41に供給される。
トナー回収領域に搬送されたトナーは、ドナーロール32とトナー回収ロール34との間に形成されている電界の影響を受け、トナー回収領域では、マイナス極性に帯電しているトナーがドナーロール32より高電位のトナー回収ロール34に吸引されると共に、トナー回収ロール34に形成されている磁気ブラシに掻き取られて、トナー回収ロール34側へ回収される。
したがって、トナー回収領域を通過したドナーロール32にはトナー消費パターンがなく、このトナー消費パターンがその後に現像されたトナー画像に現れることもない。
また、現像剤Gを、トナー供給ロール33から搬送ロール35へ、また、搬送ロール35からトナー回収ロール34へ受け渡す際の、対向するロール表面の移動方向が同じ(具体的には、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する部位と、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する部位で、互いの表面の移動方向が同じ)であるため、現像剤Gの移動量が夫々のロール軸方向で安定すると共に、現像剤供給量も安定することから、トナー回収領域でのトナー回収性能が安定化し、現像履歴や濃度むら等の発生を抑止することが可能となる。
特に、本発明者らは、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位から現像剤Gの搬送方向上流側での「溜り」発生について、その要因を詳細に検討し、現像装置駆動前の現像剤Gの状態によって、現像装置駆動開始時における、この対向部位での現像剤Gの挙動が異なることを確認した。
すなわち、図5に示すように、本実施の形態では、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位にて、一旦現像剤Gの流れが形成されると、以降の現像剤Gの「溜り」発生が抑制され、現像剤Gの流れが損なわれることもなく、画像欠陥を防ぐことが可能になる。
また、例えば、現像剤Gを新たに導入した後や現像剤Gを交換した後のように、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位に現像剤Gが存在しない状態で現像装置30を駆動すると、図7(a)に示すように、搬送ロール35からピックオフされた現像剤Gは、現像剤G相互の磁気チェーンを形成し難く、勢いドナーロール32側にも飛散し易くなる。このとき、ドナーロール32とトナー回収ロール34との間の電位差に強く影響され、一部がドナーロール32に付着するようになる。この付着した現像剤Gは、図7(b)に示すように、トナー回収ロール34の磁気力が弱まる方向にドナーロール32上を移動するため、トナー回収ロール34側に移動できず、更に、後続の現像剤Gと相俟って、γ領域での現像剤Gの「溜り」に繋がる可能性がある。
また、現像装置30に現像剤Gを新たに導入した場合にも、現像剤Gをドナーロール32側に引きつける静電引力がないため、ピックオフされた現像剤Gの一部がドナーロール32へ付着することが少なくなる。その結果、搬送ロール35からの搬送された現像剤Gは、トナー回収ロール34と磁気チェーンを作り易くなり、現像剤Gの搬送経路が安定し、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位で初期の現像剤Gの流れを確保できるようになる。そして、定常モードでの現像剤Gの流れは安定する。
従って、上述のいずれの場合にも、この安定した現像剤Gの搬送性により、濃度むらの発生を一層抑止することが可能となる。
仮に、現像装置30が長期間放置された場合は、準備モードとして、トナー回収ロール34の速度を遅くすることで、軽くパッキングされていた現像剤Gにせん断力を与え、ほぐれ易くすると共に、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位で現像剤Gへの摩擦力(現像剤Gを上流側へ戻そうとする力)の増加を抑制し、現像剤Gを下流側に流し易くなり、結果的にこの対向部位での現像剤Gの流れがスムーズになる。そして、このことは、トナー回収ロール34の速度を準備モードとして、ゼロとしたり、段階的に変化させても同様の効果を示すこととなる。
一方、現像剤Gを新たに導入した場合は、準備モードとして、トナー回収ロール34の速度を遅くすることで、ドナーロール32とトナー回収ロール34との対向部位での単位時間当たりの現像剤流量を減らすことが可能となり、ドナーロール32とトナー回収ロール34間での現像剤Gへの摩擦力(現像剤Gを上流側へ戻そうとする力)の増加を抑制し、この対向部位での現像剤Gの流れがスムーズになる。更に、トナー回収ロール34上にある程度の量の現像剤Gを蓄積することができ、現像剤G相互の磁気チェーンが形成され易くなる。そして、一旦磁気チェーンが形成されると、後続の現像剤Gはこの磁気チェーンの影響でトナー回収ロール34側に吸引され易くなり、結果的にこの対向部位での現像剤Gの流れがスムーズになる。
更に、準備モードとしてトナー回収ロール34の速度をゼロとしたり、段階的に変化させるようにしても同様の作動により、同等の効果を得ることができる。
更に、現像装置30に切替スイッチ(図示せず)を備え、この切替スイッチを切り替えることで、準備モードの時間を変更させることができ、溜り発生が一層有効に抑止される。これは、例えば、現像剤交換時とそれ以外の準備モード時間を切り替え、現像剤交換時の場合に準備モード時間を長くするようにすればよい。
本実施例では、実施の形態1と同様の構成で行い、現像剤を交換後に、現像準備モード(以降、本実施例では「準備モード」と称す)として、トナー回収ロールへ印加する回収バイアスを−300V、−400V、−500Vの3水準で変化させ、また、トナー回収ロール速度を240mm/s、480mm/sの2水準で変化させた。尚、準備モードの時間としては、1秒及び5秒での確認を行った。
そして、その他の条件は次の通りとした。
ドナーロールへ印加する現像バイアス:−500V、
トナー供給ロールへ印加する供給バイアス:−550V、
ドナーロール速度:240mm/s、
トリマギャップ(トリマとトナー回収ロール間ギャップ):1mm、
ドナーロールとトナー供給ロールの間隔:0.6mm、
ドナーロールとトナー回収ロールの間隔:0.6mm。
尚、トナー回収ロール、トナー供給ロール、搬送ロールの速度は全て同一に変化させた。
評価は、ドナーロールとトナー回収ロールとの対向部位での現像剤の溜り発生状況を目視判定した。
評価結果は、図10に示すように、次の点が確認された。
(1)準備モードを行わず、定常モードで開始すると、溜りが発生した。
(2)ドナーロールとトナー回収ロール間の電位差を200V(定常モードと同様にトナー回収ロールに−300Vを印加)とし、準備モードとしてトナー回収ロールの速度を各種変更すると、いずれの場合も溜りの発生はなかった。
(3)準備モードとして、ドナーロールとトナー回収ロール間の電位差を100V(トナー回収ロールに−400Vを印加)とし、トナー回収ロールの速度を定常モードと同様の480mm/sとした場合は、電位差が100Vのときの時間が1秒では溜りが発生したが、5秒では発生しなかった。
(4)その他の条件では、現像剤の溜りの発生は確認されなかった。
よって、この評価結果からも、準備モードとして、ドナーロールとトナー回収ロール間の電位差を定常モードより小さくしたり、トナー回収ロール速度を小さくすることで、現像剤の溜り発生を抑止でき、画像性能が安定した現像装置を提供できることが確認された。
更に、本件の効果を詳細に確認するため、長期間放置(具体的には1週間放置)後の現像剤においても本実施例と同様の評価を行ったが、本実施例と同様の効果が確認された。
Claims (10)
- 静電潜像を担持する像担持体に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体と、
このトナー担持体に対向する位置に配設されてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体へトナーを供給する供給用現像剤担持体と、
トナー担持体に対向する位置に配設され、トナー担持体との対向部位にてトナー搬送方向と逆方向に向かって二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体からトナーを回収する回収用現像剤担持体と、
この二つの現像剤担持体とトナー担持体とに対向して配設され、回転軸を中心に回転することで回転軸の周方向に二成分現像剤を搬送し且つ前記供給用現像剤担持体から受け取った二成分現像剤を前記回収用現像剤担持体に受け渡す搬送部材と、
トナー担持体、二つの現像剤担持体及び搬送部材の各駆動対象を駆動制御する駆動制御手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記各駆動対象に対する通常の現像動作に必要な現像駆動条件が予め設定される定常モードと、
この定常モードにて各駆動対象が駆動される前に、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向部位における二成分現像剤が定常モードに比べて回収用現像剤担持体の現像剤搬送方向に流れ易くなるように前記定常モードとは異なる駆動条件にてトナー担持体と回収用現像剤担持体との間の電位差及び回収用現像剤担持体の速度の少なくともいずれか一方が設定される現像準備モードとを実行するものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
現像準備モードは、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向部位に当該対向部位を埋めるように二成分現像剤が滞留している条件下で実行されるものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
現像準備モードは、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向部位に当該対向部位を埋めるように二成分現像剤が滞留していない条件下では、トナー担持体への二成分現像剤の付着を定常モードに比べて抑えながら、前記対向部位に現像剤を供給するものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
現像準備モードは、トナー担持体が回転駆動した状態で、少なくとも回収用現像剤担持体が定常モードよりも低速で回転することを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
現像準備モードは、トナー担持体と回収用現像剤担持体との間の電位差が定常モードよりも小さいことを特徴とする現像装置。 - 請求項4記載の現像装置において、
現像準備モードは、回収用現像剤担持体の速度が、少なくともゼロを含むことを特徴とする現像装置。 - 請求項5記載の現像装置において、
現像準備モードは、トナー担持体と回収用現像剤担持体との間の電位差が少なくとも0Vを含むことを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
現像準備モードの長さを可変可能にする切替手段を備えていることを特徴とする現像装置。 - 請求項8記載の現像装置において、
切替手段は、現像剤交換時には現像剤未交換時より現像準備モードの時間を長くすることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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