JP4337195B2 - ブレーキ液圧制御用電磁弁及びそれを備えたブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両におけるブレーキ液圧制御用電磁弁及びそれを備えたブレーキ液圧制御装置に関し、例えば車両におけるブレーキ液圧を増減圧することによって、車輪のロック傾向を回避するというABS制御を行うABSアクチュエータに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
ABS制御に用いられるABSアクチュエータには、ABS制御を行うための油圧回路が備えられている。ABSアクチュエータは、この油圧回路を構成する各管路の連通・遮断状態を各種制御弁で制御することによりホイールシリンダにかかるブレーキ液圧の増減圧を行っている。
【0003】
この各種制御弁として、マスタシリンダとホイールシリンダを結ぶ管路の連通・遮断状態を制御する増圧制御弁(ノーマリオープン弁)がある。
【0004】
この増圧制御弁は、通常ブレーキ時(非ABS制御時)には連通状態にされており、マスタシリンダ側からホイールシリンダ側へのブレーキ液の流動を許容するように動作する。
【0005】
そして、増圧制御弁は、ABS制御中の保持タイミング時や減圧タイミング時には遮断状態にされて、マスタシリンダ側からホイールシリンダ側へのブレーキ液の流動を禁止するように動作し、ABS制御中の増圧タイミング時には連通状態にされてマスタシリンダ側からホイールシリンダ側へのブレーキ液の流動を許容するように動作する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の増圧制御弁では、弁孔の径を通常ブレーキ時にブレーキ液の流動が確保できる程度に設定する必要があるため、ABS制御中の増圧タイミング時に連通状態にされると瞬間的に大量のブレーキ液を流動させてしまう。
【0007】
この大量のブレーキ液の流動による油撃が大きな脈動圧力を発生させ、圧力振動による騒音を発生させるという問題がある。
【0008】
また、このような問題は減圧制御弁(ノーマリオフ弁)についても同様のことが言える。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みて成され、圧力振動による騒音を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1乃至5に記載の発明においては、ブレーキ液が流動する第1の導通経路(13)を有し、第1の弁座(14)を構成する第1のシートバルブ(15)と、第1の弁座に着座することによって第1の導通経路を遮断させる第1の弁体(10)を有し、ブレーキ液が流動する第2の導通経路(11)が形成されていると共に該第2の導通経路(11)に第2の弁座(16a)を構成する第2のシートバルブ(16)が配置されてなる第1のプランジャ(12)と、第1のシートバルブと第1のプランジャとの間に配設され、第1の弁体が第1の弁座に着座する方向に第1のプランジャを付勢する第1のスプリング(24)と、第1のプランジャに直列に配置され、第2の弁座(16a)に着座することによって第2の導通経路を遮断させる第2の弁体(17)を有した第2のプランジャ(18)と、第1のプランジャと第2のプランジャとの間に配設され、該第1のプランジャ及び第2のプランジャが互いに離れる方向に付勢する第2のスプリング(23)と、第1、第2のプランジャの周囲に配置され、通電によって第1、第2のプランジャが互いに近づくように駆動するための励磁回路を形成するコイル(25)とを備え、第1の弁体が第1の弁座から離れていると共に、第2の弁体が第2の弁座から離れており、第1、第2の導通経路を共に導通状態とする全開状態と、第1の弁体が第1の弁座に着座して第1の導通経路を遮断状態にしており、第2の弁体が第2の弁座から離れて第2の導通経路を連通状態にしている半開状態と、第1の弁体が第1の弁座に着座していると共に、第2の弁体が第2の弁座に着座しており、第1、第2の導通経路を共に遮断状態とする全閉状態とに制御され、第2のスプリングの弾性力は、第1のスプリングの弾性力よりも大きくなっており、全開状態は、第2のスプリングの弾性力が第1のスプリングの弾性力に打ち勝って、第1の弁体が第1の弁座から離れるようになっていることを特徴としている。
【0011】
このように、第1、第2のプランジャを駆動することによって、第1、第2の導通経路を共に連通状態にする全開状態と、第1の導通経路を遮断状態にすると共に第2の導通経路を連通状態にする半開状態と、第1、第2の導通経路を共に遮断状態にする全閉状態とが制御できるようにしている。このため、ブレーキ制御の増圧時は半開状態にすることで全開状態の場合と比べてブレーキ液の流動を少なくすることができ、大量のブレーキ液の流動に基づく圧力振動をなくすことができる。
【0013】
さらに、第1、第2のスプリングを配置し、第1のスプリングの弾性力よりも第2のスプリングの弾性力が打ち勝つようにすることで、全開状態の際には第1の弁体が第1の弁座から離れ、第1の導通経路が連通状態となるようにできる。
【0014】
請求項3に記載の発明においては、半開状態において、第1の弁体に対して、該第1の弁体の上流側からかかるブレーキ液圧と、該第1の弁体の下流側からかかるブレーキ液圧との圧力差が、第1のスプリングと第2のスプリングとの合力よりも大きくなるように、第1の弁体の受圧面積が設定されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成とすることにより、第1の弁体に対して、該第1の弁体の上流側からかかるブレーキ液圧と、該第1の弁体の下流側からかかるブレーキ液圧との圧力差が、第1のスプリングと第2のスプリングとの合力よりも大きくなって、コイルへの通電を行わない状態において、半開状態を保持することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明においては、第1の弁体は、第2のシートバルブで構成されていることを特徴としている。
【0017】
このように、第1の弁体を第2のシートバルブで構成することにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明においては、コイルはヨーク(27)で囲まれており、第1のシートバルブとヨークの間には、磁性材料からなるリング部材(28)のみが配置されていることを特徴としている。
【0019】
このように、第1のシートバルブとヨークの間にリング部材のみが配置されるようにすることにより、コイルが形成する励磁回路が非磁性部材であるスリーブを一回しか通過しないようにできるため、磁気効率を向上させることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明におては、第1、第2のプランジャ(12、18)は、孔を有する筒状のスリーブ(19)内に収容されており、スリーブ(19)のうち、第1、第2のプランジャ(12、18)の間の間隙の外周部のみが非磁性体で構成されていることを特徴としている。
【0021】
このような構成により、励磁回路が非磁性体を通過しなくてもすむため、磁気効率の向上を図ることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明においては、第1のシートバルブ(15)を、スリーブ(19)の孔内に収容されるようにすることを特徴としている。
【0023】
このような構成とすれば、電磁弁をブレーキ液圧制御装置のハウジング(7)に組付ける際に必要とされる組付け構造を第1のシートバルブ(15)ではなく、スリーブ(19)に形成すればよいため、第1のシートバルブ(15)の構成を簡略化することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明においては、第1のシートバルブ(15)は、第1の弁座(14)及び第1の導通経路(13)を構成する略円筒形状のシートバルブ部(15A)と、シートバルブ部(15A)の外周部を囲む略円筒形状のガイド部(15B)とを有して構成されており、ガイド部(15B)の内径は、第1、第2のプランジャ(12、18)の外径よりも大きくなっていることを特徴としている。
【0025】
このような構成においては、ガイド部(15B)の中空部を通じて第1、第2のプランジャ(12、18)等を組付けることができるため、各種部品を一方向から組付ける一方向組付けが可能となり、組付けの容易化を図ることができる。
【0026】
請求項11に記載の発明においては、第1のシートバルブ(15)にはチェックバルブ(40、40a、41)が備えられていることを特徴としている。
【0027】
このように、チェックバルブを備えることにより、運転者がブレーキペダルを戻した時にブレーキ液の返流を速やかに行え、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
【0028】
請求項12に記載の発明においては、ブレーキ液が流動する第1の導通経路(53)を有すると共に該第1の導通経路(53)に第1の弁座(54)を構成し、さらに、ブレーキ液が流動する第2の導通経路(11)が形成されていると共に該第2の導通経路(51)に第2の弁座(52)を構成するシートバルブ(50)を備えており、1つの部材で2つのシートバルブを構成していることを特徴としている。
【0029】
このように、精密加工、硬度が要求されるシートバルブを1つの部材で形成することにより、他の部品の製造の容易化を図ることができ、生産性を向上させることができる。
【0030】
なお、請求項13に示すように、請求項1乃至12に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁が、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に配置されてなるブレーキ液圧制御装置は、第1及び第2の導通経路よりも上流側をマスタシリンダ(1)に接続し、第1及び第2の導通経路よりも下流側がホイールシリンダ(2)に接続するように配置される。
【0031】
また、請求項14に記載の発明においては、第1、第2の導通経路(13、53、71、51、73)のいずれか一方はブレーキ液の流動を制限する絞り部を有してなり、第1、第2のプランジャ(12、18)が、それぞれの間に隙間を有して軸方向に連続的に配置されてなる電磁弁であって、コイル手段(19、25、27)へ通電を行うと、第1、第2のプランジャが互いに近づくように、該第1、第2のプランジャをスプリング手段(23、24)の付勢力に抗して摺動させ、第1の手段(14、77)がブレーキ液の流動方向の上流側から下流側に動き、第2の手段(17、75)がブレーキ液の流動方向の下流側から上流側に動くように構成され、コイル手段への通電を制御することにより、第1、第2の導通経路が共に連通している全開状態と、第1、第2の導通経路のうち絞り部を有する方が連通している半開状態と、第1、第2の連通通路が共に遮断している全閉状態とに制御されることを特徴としている。
【0032】
このように、第1、第2のプランジャを駆動することによって、第1、第2の導通経路を共に連通状態にする全開状態と、第1の導通経路と第2の導通経路のうち絞り部が備えられた側を連通状態にする半開状態と、第1、第2の導通経路を共に遮断状態にする全閉状態とが制御できるようにしている。このため、ブレーキ制御の増圧時は半開状態にすることで全開状態の場合と比べてブレーキ液の流動を少なくすることができ、大量のブレーキ液の流動に基づく圧力振動をなくすことができる。
【0033】
例えば、請求項15に示すように、第2の導通経路が絞り部を有している場合、コイル手段に通電が行われていないときには全開状態となり、コイル手段に通電が行われているときには全閉状態となり、コイル手段に通電が行われてコイル手段に対する通電が終了した後、第1の導通経路が遮断されるとともに第2の導通経路が連通する半開状態となるように構成することができる。
【0034】
また、請求項16に示すように、第1の導通経路が絞り部を有している場合、コイル手段に通電が行われていないときには全閉状態となり、コイル手段に通電が行われているときには全開状態となり、コイル手段に通電が行われてコイル手段に対する通電が終了した後、第2の導通経路が遮断されるとともに第1の導通経路が連通する半開状態となるように構成してもよい。
【0035】
請求項19に記載の発明においては、スプリング手段は、第1、第2のプランジャの間に配置され、第1第2のプランジャが互いに離れる方向へ力を発生させる第1のスプリング(23)と、第1のプランジャと第1の部材との間に配置され、第1のプランジャが第2のプランジャに近づくように力を発生させる第2のスプリング(24)とを有し、第1のスプリングの力は第2のスプリングの力よりも大きく、第1、第2のスプリングの合力がスプリング手段の力になっていることを特徴としている。
【0036】
このような構成とすることにより、ノーマリオープンの電磁弁においては、全開状態の際には第1の連通通路が連通状態となるようにでき、ノーマリオフの電磁弁においては第1の連通通路が遮断状態となるようにできる。
【0037】
請求項22に記載の発明においては、第1の手段のうちブレーキ液流動方向の上流側においてブレーキ液圧を受ける領域は、第1の手段のうち上流側にかかるブレーキ液圧と下流側にかかるブレーキ液圧との圧力差が、スプリング手段の力よりも大きくなるように設定されていることを特徴としている。また、請求項23に記載の発明においては、第1の手段の上流側においてブレーキ液圧を受ける領域は、第1の手段のうち上流側にかかるブレーキ液圧と下流側にかかるブレーキ液圧との圧力差が、第1のスプリングと第2のスプリングの力の合力よりも大きくなるように設定されていることを特徴としている。これらのような構成とすることにより、請求項3と同様の効果を得ることができる請求項26に記載の発明においては、第2のシートバルブと第1の弁体は、同じ部材で構成されていることを特徴としている。これにより、請求項6と同様の効果を得ることができる。
【0038】
請求項27に記載の発明においては、コイル手段は、コイル(25)と、コイルの外周を囲うように配置されたヨーク(27)と、円筒形状を成す非磁性体材料で構成され、第1、第2のプランジャを収容するスリーブ(19)とを有し、さらに、ヨークと第1のシートバルブの間においては、スリーブが介在せず磁性材料からなるリング部材(28)が配置されていることを特徴としている。このような構成により、請求項7と同様の効果を得ることができる。
【0039】
請求項28に記載の発明においては、コイル手段は、円筒形状を成す基本的に磁性材料からなるスリーブ(19)を有し、第1、第2のプランジャはスリーブ内に収容されるようになっており、スリーブは、第1のプランジャと第2のプランジャとの間の間隙の外周に相当する位置が非磁性材料(19a)で構成されていることを特徴としている。これにより、請求項8と同様の効果を得ることができる。
【0040】
請求項29に記載の発明においては、第1のシートバルブは、第1、第2のプランジャと共にスリーブの孔内に収容されていることを特徴としている。これにより、請求項9と同様の効果を得ることができる。
【0041】
請求項30に記載の発明においては、第1のシートバルブは、第1の弁座および第1の導通経路を構成する略円筒形状のシートバルブ部(50)と、シートバブル部の外周部を囲む略円筒形状のガイド部(59)とを有して構成されており、ガイド部の内径は第1、第2のプランジャの外径よりも大きくなっていることを特徴としている。これにより、請求項10と同様の効果を得ることができる。
【0042】
請求項31に記載の発明においては、第1のシートバルブは、第1の導通経路に並列な管路(40)を有し、また、ブレーキ液流動方向の下流側のブレーキ液圧が上流側のブレーキ液圧よりも高くなるときにのみ管路においてブレーキ液の流動を許容するチェックバルブ(41)を有していることを特徴としている。このような構成により、請求項11と同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、上記した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0045】
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態であるABSアクチュエータを採用するブレーキ装置の配管構成を示す。
【0046】
図1に示すように、マスタシリンダ(以下、M/Cという)1とホイールシリンダ(以下、W/Cという)2との間は管路Aによって接続されている。この管路Aを通じて、M/C1側からW/C2側にブレーキ液が流動できるようになっている。この管路Aには増圧制御弁3が備えられており、この増圧制御弁3によって管路Aの連通・遮断状態を制御できるようになっている。なお、この増圧制御弁3にはW/C2側からM/C1側へのブレーキ液の流動のみを許容する逆止弁が含まれる。
【0047】
そして、管路Aのうち、増圧制御弁3よりもW/C2側(下流側)には、リザーバ4につながる管路Bが接続されている。この管路Bには減圧制御弁5が備えられており、この減圧制御弁5によって管路Bの連通・遮断状態を制御できるようになっている。この減圧制御弁5は、通常ブレーキ時には遮断状態とされており、ABS制御中の減圧タイミング時に連通状態にされて管路A内のブレーキ液をリザーバ4に逃がし、W/C圧の減圧を行うように作動する。
【0048】
さらに、管路Aのうち増圧制御弁3よりもM/C1側(上流側)と、リザーバ4との間が管路Cによって接続されている。この管路Cにはポンプ6が備えられており、リザーバ4に逃がされたブレーキ液の吸入吐出を行い、管路Aにブレーキ液を返流できるようになっている。
【0049】
次に、図2に、増圧制御弁3をABSアクチュエータのハウジング7に配置した時の断面構成を示す。以下、この図に基づき増圧制御弁3の構成を説明する。
【0050】
この増圧制御弁3は、ポペットタイプの電磁弁で構成されており、ハウジング7に予め形成された凹部7aに収容されたのち、ハウジング7の一部をかしめることによってハウジング7に固定される。なお、ハウジング7に形成された凹部7aは、ハウジング7に備えられた管路Aに連通するように形成されており、増圧制御弁3よりも上流側の管路A1がM/C1に接続され、下流側の管路A2がW/C2に接続される構成となっている。
【0051】
この増圧制御弁3には、先端部が第1の手段としての弁体10を成していると共に軸方向に貫通する導通経路(貫通孔)11が形成された中空形状を成している第1のプランジャ12、ブレーキ液の導通経路(弁孔)13が形成されていると共に第1のプランジャ12の弁体10が着座する弁座14を備えてなる第1のシートバルブ(第1の部材)15、第1のプランジャ12の導通経路11内に備えられた第2のシートバルブ(第2の部材)16、第2のシートバルブ16に着座する第2の手段としての弁体17を備えた第2のプランジャ18、第1、第2のプランジャ12、18を収容するスリーブ19が備えられている。
【0052】
第1、第2のプランジャ12、18を収容するスリーブ19は、例えば非磁性体であるステンレスで形成されている。このスリーブ19は、一面が開口したコップ形状を成しており、コップ底面が略球形状を成している。第1のプランジャ12はコップ形状を成すスリーブ19の入口側に配置され、先端部12aがスリーブ19の外部に突き出た状態になっている。一方、第2のプランジャ18はスリーブ19の底面側に配置されている。そして、スリーブ19内を第1、第2のプランジャ12、18がそれぞれ摺動するようになっている。なお、第2のプランジャ18はスリーブ19の底面に接するようになっており、第2のプランジャ18がスリーブ19底面に接すると、第2のプランジャ18の紙面上方向への摺動が規制されるようになっている。
【0053】
第1のシートバルブ15は、ハウジング7に形成された凹部7a内に嵌入されており、ハウジング7の一部がかしめられて、ハウジング7に固定されるようになっている。第1のシートバルブ15の導通経路13はブレーキ液の流動方向の上流側を下流側よりも径大とした段突き部を有しており、この段突き部のコーナー位置がテーパ形状にされていて弁座14を構成している。また、径が小さくなっている下流側の部位において、導通経路13には第1のプランジャ12の先端部12aが嵌入されている。そして、導通経路13の径が大きくされた部位まで第1のプランジャ12の先端部12aが突き出た状態にされ、この突き出た部分の外周を囲むように弁体10が備えられている。そして、第1のプランジャ12がスリーブ19内を紙面上方向に摺動することにより、弁体10が弁座14に着座して導通経路13を遮断できるようになっている。
【0054】
第1のシートバルブ15の側壁には、導通経路13と第1のシートバルブ15の外部とを連通させる貫通孔15aが形成されている。この貫通孔15aを通じて管路A1のブレーキ液が管路A2に流動されるようになっている。この貫通孔15aの径の設定は任意に行えるが、本実施形態では通常ブレーキ時において管路A1から管路A2へ十分にブレーキ液が流動できる程度の径に設定している。
【0055】
なお、第1のシートバルブ15に形成された導通経路13の入口(管路A1側の開口部)及び貫通孔15aの入口(管路A2側の開口部)には、それぞれフィルタ20、21が備えられており、増圧制御弁3内にブレーキ液に混入した異物が入り込まないようになっている。
【0056】
第1のプランジャ12の導通経路11を形成する内壁面は、ブレーキ液の上流側から下流側に向かって段階的に径が大きくされた段突き形状を成している。この段突き形状の所定位置に第2のシートバルブ16が圧入固定されて、第1のプランジャ12と一体になっている。この第2のシートバルブ16の弁孔16bによって導通経路11に絞り効果が得られるようになっている。また、導通経路11内には、第2のプランジャ18の弁体17が挿入された状態となっている。そして、第2のプランジャ18がスリーブ19内を紙面下方向に摺動することにより、球状にされた弁体17の先端部17aが第2のシートバルブ16の弁座16aに着座して導通経路11を遮断できるように構成されている。なお、第2のプランジャ18の弁体17のリフト量L1(第2のシートバルブ16の弁座から最も離れる時の移動量)は、第1のプランジャ12の弁体10のリフト量L2(第1のシートバルブ15の弁座14から最も離れる時の移動量)よりも大きくなっている。
【0057】
また、第1のプランジャ12の外周には、第1のプランジャ12の軸方向に延設された溝22(図中の二点鎖線部)が形成されており、管路A1から導通経路11内を通じて流動してきたブレーキ液が溝22を通過したのち、第1のシートバルブ15に形成された貫通孔15aを通じて管路A2に流動されるようになっている。このように導通経路11を通じて流動されるブレーキ液の流動量は、第2のシートバルブ16に備えられた絞り部による絞り効果によって制御することができる。
【0058】
さらに、導通経路11内には部分的にスプリング23が嵌入されており、このスプリング23によって第1のプランジャ12及び第2のプランジャ18に、それぞれが互いに離れる方向に力が加えられるようになっている。
【0059】
また、第1のプランジャ12と第1のシートバルブ15との間にはスプリング24が配置されており、このスプリング24によって第1のプランジャ12に第1のシートバルブ15から離れる方向(弁体10が第1のシートバルブ15に着座する方向)に力が加えられるようになっている。
【0060】
但し、スプリング24に比べてスプリング23の方が弾性力が大きくされており、スプリング24の弾性力によって第1のプランジャ12が第2のプランジャ18に接する(弁体17が弁座16aに着座する)ということはない。なお、これらスプリング23、24がスプリング手段を構成している。
【0061】
スリーブ19の周囲には、励磁回路を構成するコイル25が配置されている。このコイル25からはターミナル26が延設されており、ターミナル26を介してコイル25への通電が行えるようになっている。
【0062】
さらに、コイル25の外周にはヨーク27が配置されている。ヨーク27は入口が円形を成す略コップ形状を成しており、コップ形状の入口側からコイル2 5やスリーブ19等が収容できるようになっている。
【0063】
ハウジング7に形成された凹部7aの入口の形状は、ヨーク27と同様に円形を成しており、この凹部7aの入口はヨーク27の外径よりも若干大きな径で構成されている。また、凹部7aはヨークの先端が位置する部位において段差形状を成しており、この段差部分によって凹部7aへの挿入方向においてヨーク27の位置決めが成されるようになっている。そして、ヨーク27を凹部7aに圧入すること、若しくはヨーク27を凹部7a内に挿入したのちヨーク27の外周部においてハウジング7をかしめることによってヨーク27がハウジング7に固定されるようになっている。
【0064】
なお、ヨーク27とスリーブ19の間には磁性体である金属製のリング部材28が配置されており(例えば、ヨーク27側に圧入されており)、このリング部材28によってスリーブ19がヨーク27に対して位置決め固定され、ヨーク27と第1、第2のプランジャ12、18との位置決めがなされている。また、これらスリーブ19、コイル25、ヨーク27等がコイル手段を構成している。
【0065】
このように構成される増圧制御弁3の作動説明を行う。図3〜図5に増圧制御弁3の各作動状態を示し、これらの図に基づいて上記説明を行う。
【0066】
図3は、通常ブレーキ時、つまりコイル非通電時における増圧制御弁3の作動を示している。コイル非通電時においては、スプリング23がスプリング24の弾性力よりも大きくなっていることから第2のプランジャ18はスリーブ19の底面に接し、第1のプランジャ12と第2のプランジャ18の間が最も離れた状態になる。そして、第1のプランジャ12の弁体10は第1のシートバルブ15の弁座14から離れた状態となり、また第2のプランジャ18の弁体17も第2のシートバルブ16の弁座から離れた状態になる。
【0067】
このため、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、図中の矢印で示したように、導通経路13→貫通孔15aの順に行われると共に、導通経路11→溝22→貫通孔15aの順に行われる。これにより、通常ブレーキ時には乗員の要望に応じて十分に管路A1から管路A2にブレーキ液が流動されるようになっている。以下、この図3のような状態(非通電時)を全開状態という。
【0068】
図4は、ABS制御中の増圧タイミング時、つまりパルス増圧としてのコイル通電を行った後に通電を停止した場合における増圧制御弁3の作動を示している。ABS制御中の増圧制御時には、通常ブレーキ時と比べて少量のブレーキ液を管路A1から管路A2に流動させるようにする。このため、第1のプランジャ12の弁体10が第1のシートバルブ15の弁座14に着座するまで第1のプランジャ12を紙面上方向に摺動させ、かつ第2のプランジャ18はスリーブ19の底面に接したままの状態とする。
【0069】
これにより、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、図中の矢印で示したように、導通経路11→溝22→貫通孔15aの順に行われる。つまり、通常ブレーキ時に対して、導通経路13→貫通孔15aの順に行われるブレーキ液の流動がなくなる。
【0070】
このときの管路A1から管路A2のブレーキ液の流動量は、第2のシートバルブ16による絞り効果によって制御されるため、パルス増圧に相応する流動量に設定することができる。以下、この図4のような状態を半開状態という。
【0071】
図5は、ABS制御中の減圧タイミング時及び保持タイミング時、つまり増圧制御弁3を閉弁する時における増圧制御弁3の作動を示している。このときには、第1のプランジャ12の弁体10が第1のシートバルブ15の弁座14に接するまで第1のプランジャ12を紙面上方向に摺動させると共に、第2のプランジャ18の先端が第2のシートバルブ16に着座するまで第2のプランジャ18を紙面下方向に摺動させる。
【0072】
これにより、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動が絶たれ、増圧制御弁3が閉弁する。以下、この図5のような状態を全閉状態という。
【0073】
このように、通常ブレーキ時には全開状態、ABS制御中の減圧及び保持タイミング時には全閉状態、ABS制御中の増圧タイミング時には半開状態となって管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動を制御する。
【0074】
そして、ABS制御中の増圧タイミングになると、全閉状態とされていた増圧制御弁3が開かれて管路A1から管路A2へブレーキ液が流動されるようになるが、上述したように増圧制御弁3が半開状態とされることによってブレーキ液の流動量を制限できるため、通常ブレーキ時と同等の大量のブレーキ液が瞬間的に流動してしまうということはない。これにより、ブレーキ液の流動による油撃が脈動圧力を発生させることもなく、圧力振動による騒音の発生を防止することができる。
【0075】
なお、上記した各弁動作が良好に行えるように、本実施形態では、各弁動作時に第1、第2のプランジャ12、18に加わる力(コイル通電による磁気吸引力)を以下のように設定している。図6に、増圧制御弁3の動作状態と第1、第2のプランジャ12、18に加わる力の関係を示し、この図に基づいて上記設定についての説明を行う。
【0076】
まず、全開状態から全閉状態に移行する際には、コイル通電により、第1のプランジャ12が紙面上方向に摺動できる磁気吸引力を発生させるようにする。このため、磁気吸引力がスプリング23とスプリング24の合力に打ち勝ち増圧制御弁3は全閉開状態への移行の過程において半開状態にされる。
【0077】
次に、半開状態になると、第1のプランジャ12の弁体10が第1のシートバルブ15の弁座14に着座して導通経路13が遮断されるため、弁体10は第2のシートバルブ16の絞り効果による圧力差を受ける。そして、第2のシートバルブ16の絞り効果によって管路A1側の方が管路A2側よりも高圧となるため、第1のプランジャ12は紙面上方向の力を受ける。一方、第1のプランジャ12はスプリング23によって紙面下方向に力を受ける。このため、圧力差による紙面上方向の力がスプリング23による紙面下方向に受ける力よりも大きくなる関係を満たせば、磁気吸引力がなくても増圧制御弁3を半開状態のままにできる。このため、本実施形態では、弁体10の受圧面積の設定とスプリング23の弾性力が上記圧力差よりも小さくなるようにすることで、上記関係が満たされるようにしており、半開状態は、コイル通電を止めた状態で維持される。
【0078】
さらに、半開状態から全閉状態に移行する際には、コイル通電により、第2のプランジャ18の弁体17が第2のシートバルブ16の弁座に着座できる磁気吸引力を発生させる。このように弁体17が弁座に着座する状態においては、弁体17に管路A1側と管路A2側の圧力差による力が作用するため、第2のプランジャ18は紙面上方向の力を受ける。さらに、第2のプランジャ18はスプリング23の弾性力によって紙面上側の力を受ける。従って、全閉状態に移行するために、弁体17が受ける圧力差とスプリング23の弾性力の合力よりも磁気吸引力が大きくなるようにしている。
【0079】
このように、各弁動作に応じた磁気吸引力にすることにより、増圧制御弁3の弁動作が良好に行えるようにしている。
【0080】
そして、第1、第2のプランジャ12、18という2つのプランジャを個々に磁気吸引力によって摺動させると共に、M/C1側のブレーキ液圧とW/C2側のブレーキ液圧との圧力差を利用しているため、シール(例えばOリング)等を用いて圧力差を発生させ、構成を複雑にしたり、部品の信頼性を低下させたりすることがない。
【0081】
(第2実施形態)
図7に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第1実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものであり、増圧制御弁3の基本的作動については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0082】
図7に示すように、本実施形態では、第2のシートバルブ16と弁体10(第1のプランジャ12の先端部12aを含む)を一部材で構成している。これにより、第2のシートバルブ16と弁体10を別構成とする場合に比して、部品点数を削減することができる。
【0083】
そして、第2のプランジャ18の弁体17を長くすると共に、第2のシートバルブ16よりも下流側において、第1のプランジャ12の側壁には導通経路11と第1のプランジャ12の外部とを連通する貫通孔12bが形成されている。これにより、ブレーキ液が貫通孔12bを通じて第1のプランジャ12の外部に流動できるため、実質的に導通経路11の長さの短縮化を図ることができる。
【0084】
このように、第2のシートバルブ16にて、第1のプランジャ12の弁体10の部分を構成することによって部品点数の削減を図ることができ、さらに第1のプランジャ12の側壁に貫通孔12bを設けることにより、導通経路11の長さの短縮化を図ることができる。
【0085】
(第3実施形態)
図8に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第1実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものであり、増圧制御弁3の基本的作動については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0086】
図8に示すように、本実施形態では、第2のプランジャ18の先端に備えられた弁体17をボールで構成している。そして、第2のシートバルブ16が第1のプランジャ12を貫通するように構成すると共に、第2のシートバルブ16の先端部に弁体10を圧入固定している。
【0087】
このように、第2のプランジャ18の弁体17をボールで構成してもよく、また、第2のシートバルブ16の先端に弁体10を配置するようにしてもよい。
【0088】
(第4実施形態)
図9に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第1実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものであり、増圧制御弁3の基本的作動については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0089】
図9に示すように、本実施形態では、第1のシートバルブ15内に第1のプランジャ12が挿入されるようにすると共に、リング部材28が第1のシートバルブ15に接して第1のシートバルブ15とヨーク27との位置決めが成されるようになっている。
【0090】
つまり、第1実施形態では、非磁性体で構成されたスリーブ19を介して、ヨーク27と第1、第2のプランジャ12、18との位置決めが成されているが、本実施形態ではスリーブ19を介さずにヨーク17と第1、第2のプランジャ12、18との位置決めが成されるようにしている。
【0091】
このように構成すると、コイル25が形成する励磁回路は、ヨーク27→リング部材23→第1のシートバルブ15→第1のプランジャ12→第2のプランジャ18→スリーブ19→ヨーク27という経路を通過する。
【0092】
これに対して、第1実施形態における増圧制御弁3では、コイル25が形成する励磁回路は、ヨーク27→リング部材23→スリーブ19→第1のプランジャ12→第2のプランジャ18→スリーブ19→ヨーク27という経路を通過する。
【0093】
つまり、第1実施形態では励磁回路が非磁性体であるスリーブ19を2度通過するのに対して、本実施形態では励磁回路がスリーブ19を一度しか通過しないようにできる。
【0094】
このように、励磁回路が非磁性体を通過する回数を少なくする(磁気的なギャップ部を減らし、ロスを防止する)ことにより、励磁回路の磁気効率を向上させることができる。
【0095】
(第5実施形態)
図10に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第2実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものである。なお、増圧制御弁3の基本的作動については第1実施形態と同様であるため省略する。
【0096】
本実施形態は、磁性体で構成されたスリーブ19の孔内に第1のシートバルブ15が圧入固定されるようにし、スリーブ19を凹部7aに挿入したのちハウジング7をかしめることによって、スリーブ19と共に第1のシートバルブ15がハウジング7に固定されるようにしている。
【0097】
そして、この磁性体で構成されたスリーブ19のうち、第1のプランジャ12と第2のプランジャ18との間隙30の外周部に位置する部分19aを、非磁性体(非磁性材料)で構成している。例えば、スリーブ19をすべて磁性体で構成したのち、部分19aに熱処理等による非磁性化変態処理を行うことによって、部分19aが非磁性体となるようにできる。
【0098】
このような構成においては、第1のシートバルブ15を凹部7aに直接固定するようにした場合よりも構成の簡素化を図ることができる。また、非磁性体とする領域を部分19aのみとしているため、励磁回路が非磁性体を通過しないですみ、より磁気効率を向上させることができる。
【0099】
また、スリーブ19の孔内に第1、第2のプランジャ12、18や第1のシートバルブ15等を配置したのちに、これらをスリーブ19と共に凹部7aに固定することができるため、一方向への組付けとすることができ、組付けの簡素化も図れる。
【0100】
(第6実施形態)
図11に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第2実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものであるため、変更した部分についてのみ説明する。
【0101】
本実施形態では、第2実施形態におけるスプリング24を廃止している。このような構成の増圧制御弁3においては、管路A1から管路A2に向けてブレーキ液が流動するようになっているため、このブレーキ液の流動力によって弁体10及び第2のシートバルブ16を構成する部材と第1のプランジャ12を移動させ、第1実施形態と同様の弁動作を行うことも可能である。
【0102】
このように、第2実施形態に示しているスプリング24を廃止することも可能であり、これにより構成の簡略化を図ることができる。
【0103】
なお、増圧制御弁3の他の基本的作動については第1実施形態と同様であるため省略する。
【0104】
本実施形態では、第2実施形態を比較例に挙げて説明したが、第1、第3実施形態についても同様にスプリング24を無くすことは可能である。
【0105】
(第7実施形態)
図12に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第2実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものである。なお、増圧制御弁3の基本的作動については、第1実施形態と同様であるため省略する。
【0106】
本実施形態では、油圧回路として油路13と並列を成す通路(管路)40を第1のシートバルブ15に設け、この通路40内にボール弁を配設することによりチェックバルブを備えた構成としている。つまり、第1のシートバルブ15の内側に至る通路40を設け、この通路40のうちの第1のシートバルブ15の外周側を径大として段差部を形成し、この段差部を弁座40aとしてボール41が着座するようにしてチェックバルブを構成している。これにより管路A2側のブレーキ液が通路40を通じて管路A1に流動することを許容するようになっている。
【0107】
このように第1のシートバルブ15にチェックバルブを備えることにより、運転者がブレーキペダルを戻して、W/C2側のブレーキ液がM/C1側に返流される際に、ブレーキ液が速やかに返流されるようにできるため、運転者のブレーキペダル戻し時におけるブレーキ操作フィーリングを向上させることができる。
【0108】
(第8実施形態)
図13に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は、第2実施形態に対して増圧制御弁3の構成を変更したものである。なお、本実施形態では、第2実施形態と同じ若しくは均等の構成の部分については、第2実施形態と同じ符号を付してある。
【0109】
第2実施形態では、第1のプランジャ12と弁体10及び第2のシートバルブ16とを一体としていたが、本実施形態では、第1、第2のシートバルブ(第1、第2の部材)を一つのシートバルブ50で構成している。
【0110】
図13に示すように、シートバルブ50の中央位置には第2のシートバルブを構成する導通経路(弁孔)51が形成されている。この導通経路51のうちブレーキ液の流動方向下流側において、シートバルブ50のコーナー位置がテーパ形状とされていて弁座52を構成している。この弁座52に第2のプランジャ18によって駆動される弁体17が着座し、導通経路51を遮断できるようになっている。
【0111】
また、シートバルブ50には、第1のシートバルブを構成する導通経路53が、導通経路51と平行に形成されている。この導通経路53のうちブレーキ液の流動方向上流側において、シートバルブ50のコーナー位置がテーパ形状とされていて弁座54を構成している。この弁座54には弁体(第1の手段)としてのボール55が配置されている。このボール55はスプリング56によって弁座54方向に付勢されるようになっており、スプリング56によってボール55を弁座54に着座させ導通経路53を遮断できるようになっている。
【0112】
ただし、導通経路53内にはピン57が配設されており、ボール55が弁座54方向に移動することを規制している。このため、コイル通電によって第1のプランジャ12を紙面上方に移動させたときに、ボール55が弁座54に着座するようになっている。
【0113】
また、シートバルブ50には、第1のプランジャ12が配置される側の端面から外周面に至る貫通孔58が設けられており、この貫通孔58を介して管路A1及び導通経路51、53から流動してきたブレーキ液が管路A2に流れるようになっている。
【0114】
なお、本実施形態では、シートバルブ50は中空形状のガイド59内に圧入固定された状態で、ハウジング7の凹部7aに固定されている。
【0115】
このように構成された増圧制御弁3においては、精密加工及び硬度が要求される第1、第2のシートバルブを1部品に集中させて構成しているため、シートバルブ50の加工を容易にすることができると共に、他の部品の製造容易化を図ることができる。これにより、増圧制御弁3を構成する各部品の生産性を向上することができる。
【0116】
参考として、本実施形態における増圧制御弁3の作動について説明する。
【0117】
まず、コイル通電を行っていない時には、ピン57によってボール55が弁座54から離された状態にされているため導通経路53が連通状態となっており、かつ、弁体17が弁座52から離された状態にされているため導通経路51が連通状態となっている。このため、この時には、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、導通経路51→貫通孔58の順に行われると共に、導通経路53→貫通孔58の順に行われ、全開状態となる。
【0118】
次に、ABS制御中の増圧タイミング時のコイル通電を行った場合には、第1のプランジャ12が紙面上方に摺動すると共に、スプリング56の付勢力によってピン57及びボール55が紙面上方に移動し、ボール55が弁座54に着座する。従って、導通経路51が遮断状態とされる。このため、この時には、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、導通経路51→貫通孔58の順に行われ、半開状態となる。なお、半開状態におけるコイル通電の制御方法は第1実施形態と同様である。
【0119】
さらに、ABS制御中の減圧タイミング時及び保持タイミング時のコイル通電を行った場合には、第2のプランジャ18が紙面下方に摺動し、弁体17が弁座52に着座する。従って、導通経路51は遮断状態とされる。このため、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は遮断され、全閉状態となる。
【0120】
このように、本実施形態における増圧制御弁3においても上記実施形態と同様の作動を行う。
【0121】
(第9実施形態)
図14に本実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す。本実施形態は第2実施形態に対して増圧制御弁3の組付けの容易化を図ったものである。従って、第2実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0122】
本実施形態では、第1実施形態に示した第1のシートバルブ15をシートバルブ部15Aとガイド部15Bの2つに分割している。
【0123】
シートバルブ部15Aは、略円筒状を成しており、第2のシートバルブ16及び弁体10を構成する部材(以下、複合部品10、16という)が挿入される導通経路13を構成していると共に、弁体10が着座する弁座14を構成している。
【0124】
ガイド部15Bは中空状の略円筒形状を成しており、シートバルブ部15Aの外周を囲みシートバルブ部15Aをハウジング7の凹部7aに固定する役割を果たす。このガイド部15Bの中空部の内径は、第1、第2のプランジャ12、18の外径よりも大きくなっており、中空部内を第1、第2のプランジャ12、18が通過できる程度にされている。そして、ガイド部15Bの中空部内にスリーブ19の入口側が圧入又は溶接固定されるようになっている。
【0125】
なお、シートバルブ部15Aは、第1のプランジャ12側が径細とされており、この径細とされた部分においてシートバルブ部15Aとガイド部15Bとが圧入結合されている。ガイド部15Bの導通穴60を通じてブレーキ液の流動が可能にされている。
【0126】
このように構成された増圧制御弁3の組付けについて説明する。
【0127】
まず、ガイド部15Bの中空部内にスリーブ19を固定し、サブアッシーを構成する。そして、コイル25及びリング部材28が配置されたヨーク27内に、ガイド部15B及びスリーブ19からなるサブアッシーを挿入する。
【0128】
一方、スプリング24と共に第1のプランジャ12とシートバルブ部15Aとを位置合わせしたのち、シートバルブ部15A側から複合部品10、16を第1のプランジャ12の導通経路11に嵌め込み、一体化しておく。
【0129】
続いて、ガイド部15B及びスリーブ19によるサブアッシーをベースとして、このサブアッシー内に第2のプランジャ18、スプリング23を挿入し、さらに、一体化した第1のプランジャ12、複合部品10、16及びシートバルブ部15Aをサブアッシー内に圧入する。その後、フィルタ20をシートバルブ部15Aに固定すると共に、フィルタ21をガイド部15Bに固定する。これにより、本実施形態における増圧制御弁3が完成する。
【0130】
このように、本実施形態では、ガイド部15B及びスリーブ19によるサブアッシーをベースとして、各種部品を配置するときに、各種部品をサブアッシーに対して一方向から組付けることによって増圧制御弁3を完成させることができる。
【0131】
これに対し、第2実施形態における増圧制御弁3の組付けは、以下のようにして行われる(図7参照)。
【0132】
まず、スプリング24と共に第1のプランジャ12と第1のシートバルブ15を位置合わせしたのち、第1のシートバルブ15側から複合部品10、16を第1のプランジャ12の導通経路11に嵌め込み、サブアッシーを構成する。
【0133】
次に、サブアッシーをベースとして、サブアッシーの一方向側からスプリング23を導通経路11内に挿入すると共に、第2のプランジャ18に固定された弁体17を挿入する。その後、上記と同方向側からスリーブ19を第1、第2のプランジャ12、18等に被せ、スリーブ19を第1のシートバルブ15に圧入又は溶接固定する。さらに。上記と同方向側からリング部材28及びコイル25が配置されたヨーク27を組付け、スリーブ29をヨーク27内に差し込む。
【0134】
続いて、サブアッシーの他方向側から、フィルタ20及びフィルタ21を第1のシートバルブ15に固定する。これにより、増圧制御弁3が完成する。
【0135】
このように、第2実施形態においては、サブアッシーをベースとして、各種部品を配置するときに、各種部品をサブアッシーに対して複数の方向から組付けなければ、増圧制御弁3を完成させることができない。
【0136】
通常、各種部品の組付けは機械化されているが、機械によって各種部品を組付ける際には、サブアッシー化した部品をベースとし、このベースに各種部品を組付けていくという手順が踏まれる。
【0137】
このように機械化された組付けにおいては、組付けの方向性が重要となり、一方向から組付けを行えるようにすることで、組付けの際にベースを回転させたりする必要性をなくすことができ、組付けの容易化を図ることができる。
【0138】
このように、本実施形態のように第1のシートバルブをシートバルブ部とガイド部に分割すると共に、ガイド部の内径が第1、第2のプランジャ12、18の外径よりも大きくすることにより、各種部品の一方向組付けを可能にし、組付けの容易化を図ることができる。
【0139】
(第10実施形態)
図15に本実施形態における電磁弁の断面構成を示す。本実施形態は、ノーマリクローズの電磁弁に本発明を適用したものである。
【0140】
図15に示すように、シートバルブ(第1、第2の部材)70には導通経路71が形成されている。導通経路71は、導通経路71を流れるブレーキ液の流動方向下流側において、シートバルブ70の端部をテーパ形状することで構成された弁座72を有している。第1の手段としての弁体77を構成するボール弁は、第1プランジャ12と一体となっており、コイル25への非通電時に弁座72に着座して導通経路71を遮断するようになっている。
【0141】
また、シートバルブ70は、導通経路71に並列的に設けられ、弁座74を有する導通経路73を備えている。弁座74は、導通経路73を流れるブレーキ液の流動方向下流側において、シートバルブ70の端部をテーパ形状とすることで構成されている。第2の手段としての弁体75は、第2のプランジャ18から延設されており、基体75bと先端部75aとによって構成されている。基体75bと先端部75aは、第1のプランジャ12の導通経路11の中に、間隙を有して配置されている。コイル25への非通電時には、導通経路73が遮断されるように、スプリング76によって弁体75を弁座74の方向に不勢させて、弁体75の先端部75aが弁座74に着座するようになっている。
【0142】
コイル25への通電によって基体75bが図の下方向に移動すると、基体75aと先端部75aとの空隙が消滅し、基体75bによって先端部75aが押され、弁座74から先端部75aが離れる。
【0143】
シートバルブ70は、第1のプランジャ12に面する端面から外周面に伸びる貫通孔78を有している。ブレーキ液は、管路A1から、導通経路71および導通経路73を通過し、貫通孔78を通じて管路A2へ流動する。
【0144】
シートバルブ70は、中空形状のガイド59の内周壁に圧入され、ガイド59と共にハウジング7の凹部7aに固定される。
【0145】
次に、本実施形態の電磁弁の作動説明を行う。
【0146】
コイル25の非通電時には、導通経路73が遮断状態になるように、弁体75の先端部75aは弁座74に着座している。導通経路71もまた、弁体77が弁座72に着座することによって遮断状態になっている。このため、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、導通経路71からも導通経路73からも行われず、電磁弁は全閉状態となる。
【0147】
コイル25へ一旦通電を行い、コイル25への通電を停止したときには、弁体77が弁座72から離れて導通経路71が連通状態になるように、第1のプランジャ12が図の上方向に摺動する。管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、導通経路71と貫通孔78を通じてのみ行われ、電磁弁は半開状態となる。なお、半開状態におけるコイル25への通電の制御方法は、第1実施形態と同様である。
【0148】
さらに、コイル25へ通電を行った時には、第2のプランジャ18が図の下方向に移動し、弁体75の先端部75aが弁座74から離れ、導通経路73が連通状態となるようにする。これにより、管路A1から管路A2へのブレーキ液の流動は、導通経路71のみでなく導通経路73も通じ、貫通孔78を介して行われ、電磁弁は全開状態となる。
【0149】
このように、ノーマリクローズの電磁弁においても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用するブレーキ装置の配管構成を示す図である。
【図2】第1実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図3】図2に示す増圧制御弁3の全開状態を示す図である。
【図4】図2に示す増圧制御弁3の半開状態を示す図である。
【図5】図2に示す増圧制御弁3の全閉状態を示す図である。
【図6】図2に示す増圧制御弁3の第1、第2のプランジャ12、18が受ける力の関係を説明するための図である。
【図7】第2実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図8】第3実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図9】第4実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図10】第5実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図11】第6実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図12】第7実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図13】第8実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図14】第9実施形態における増圧制御弁3の断面構成を示す図である。
【図15】第10実施形態における制御弁の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…マスタシリンダ(M/C)、2…ホイールシリンダ(W/C)、
3…増圧制御弁、7…ハウジング、7a…凹部、10…弁体、11…導通経路、
12…第1のプランジャ、12a…先端部、12b…貫通孔13…導通経路、
14…弁座、15…第1のシートバルブ、15a…貫通孔、
16…第2のシートバルブ、16a…弁座、17…弁体、
18…第2のプランジャ、19…スリーブ、22…溝。
Claims (32)
- ブレーキ液が流動する第1の導通経路(13)を有し、第1の弁座(14)を構成する第1のシートバルブ(15)と、
前記第1の弁座(14)に着座することによって前記第1の導通経路(13)を遮断させる第1の弁体(10)を有し、ブレーキ液が流動する第2の導通経路(11)が形成されていると共に該第2の導通経路(11)に第2の弁座(16a)を構成する第2のシートバルブ(16)が配置されてなる第1のプランジャ(12)と、
前記第1のシートバルブ(15)と前記第1のプランジャ(12)との間に配設され、前記第1の弁体(10)が前記第1の弁座(14)に着座する方向に前記第1のプランジャ(12)を付勢する第1のスプリング(24)と、
前記第1のプランジャ(12)に直列に配置され、前記第2の弁座(16a)に着座することによって前記第2の導通経路(11)を遮断させる第2の弁体(17)を有した第2のプランジャ(18)と、
前記第1のプランジャ(12)と前記第2のプランジャ(18)との間に配設され、該第1のプランジャ(12)及び第2のプランジャ(18)が互いに離れる方向に付勢する第2のスプリング(23)と、
前記第1、第2のプランジャ(12、18)の周囲に配置され、通電によって前記第1、第2のプランジャ(18)が互いに近づくように駆動するための励磁回路を形成するコイル(25)とを備え、
前記第1の弁体(10)が前記第1の弁座(14)から離れていると共に、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(16a)から離れており、前記第1、第2の導通経路(13、11)を共に導通状態とする全開状態と、
前記第1の弁体(10)が前記第1の弁座(14)に着座して前記第1の導通経路(13)を遮断状態にしており、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(16a)から離れて前記第2の導通経路(11)を連通状態にしている半開状態と、
前記第1の弁体(10)が前記第1の弁座(14)に着座していると共に、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(16a)に着座しており、前記第1、第2の導通経路(13、11)を共に遮断状態とする全閉状態とに制御され、
前記第2のスプリング(23)の弾性力は、前記第1のスプリング(24)の弾性力よりも大きくなっており、前記全開状態には、前記第2のスプリング(23)の弾性力が前記第1のスプリング(24)の弾性力に打ち勝って、前記第1の弁体(10)が前記第1の弁座(14)から離れるようになっていることを特徴とするブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1のシートバルブ(15)に形成された第1の導通経路(13)は、ブレーキ液の流動方向の上流側を下流側よりも径大とした段突き部を有していると共に、該段突き部にて前記第1の弁座(14)を構成しており、
前記第1のプランジャ(12)の先端部は、前記第1の導通経路(13)に挿入され、前記第1の弁座(14)よりも上流側まで突出した状態になっていると共に、該突出した部分に前記第1の弁体(10)を備えており、前記コイル(25)への通電を行うことにより前記第1の弁体(10)を下流方向に移動させて前記第1の弁座(14)に着座させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記半開状態において、前記第1の弁体(10)に対して、該第1の弁体(10)の上流側からかかるブレーキ液圧と、該第1の弁体(10)の下流側からかかるブレーキ液圧との圧力差が、前記第1のスプリング(24)と前記第2のスプリング(23)との合力よりも大きくなるように、前記第1の弁体(10)の受圧面積が設定されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1の弁体(10)のリフト量よりも前記第2の弁体(17)のリフト量の方が多くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブ(15)には、該第1のシートバルブ(15)の外部に連通される貫通孔(15a)が形成されており、この貫通孔(15a)を通じて前記第1の導通経路(13)のうち前記第1の弁座(14)よりも下流側が該第1のシートバルブ(15)の外部と連通するように構成されており、この孔径を任意に設定できるようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1の弁体(10)は、前記第2のシートバルブ(16)で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記コイル(25)はヨーク(27)で囲まれており、前記第1のシートバルブ(15)と前記ヨーク(27)の間には、磁性材料からなるリング部材(28)のみが配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1、第2のプランジャ(12、18)は、孔を有する筒状のスリーブ(19)内に収容されており、前記スリーブ(19)のうち、前記第1、第2のプランジャ(12、18)の間の間隙の外周部のみが非磁性体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブ(15)は、前記スリーブ(19)の孔内に収容されていることを特徴とする請求項8に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブ(15)は、前記第1の弁座(14)及び前記第1の導通経路(13)を構成する略円筒形状のシートバルブ部(15A)と、前記シートバルブ部(15A)の外周部を囲む略円筒形状のガイド部(15B)とを有して構成されており、前記ガイド部(15B)の内径は、前記第1、第2のプランジャ(12、18)の外径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至8に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブ(15)にはチェックバルブ(40、40a、41)が備えられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- ブレーキ液が流動する第1の導通経路(53)を有すると共に該第1の導通経路(53)に第1の弁座(54)を構成し、さらに、ブレーキ液が流動する第2の導通経路(51)が形成されていると共に該第2の導通経路(51)に第2の弁座(52)を構成するシートバルブ(50)と、
前記第1の弁座(54)に着座することによって前記第1の導通経路(53)を遮断させる第1の弁体(55)と、
前記第1の導通経路(53)内に配置され、前記第1の弁座(54)からの前記第1の弁体(55)のリフト量を制御するピン(57)と、
前記第1の弁体(55)のリフト方向における前記ピン(57)の移動を制御する第1のプランジャ(12)と、
前記第1のプランジャ(12)に直列に配置され、前記第2の弁座(52)に着座することによって前記第2の導通経路(51)を遮断させる第2の弁体(17)を有した第2のプランジャ(18)と、
前記第1、第2のプランジャ(12、18)の周囲に配置され、通電によって前記第1、第2のプランジャ(18)を駆動するための励磁回路を形成するコイル(25)とを備え、
前記第1の弁体(55)が前記第1の弁座(54)から離れていると共に、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(52)から離れており、前記第1、第2の導通経路(53、51)を共に導通状態とする全開状態と、前記第1の弁体(55)が前記第1の弁座(54)に着座して前記第1の導通経路(53)を遮断状態にしており、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(52)から離れて前記第2の導通経路(51)を連通状態にしている半開状態と、前記第1の弁体(55)が前記第1の弁座(54)に着座していると共に、前記第2の弁体(17)が前記第2の弁座(52)に着座しており、前記第1、第2の導通経路(53、51)を共に遮断状態とする全閉状態とに制御されることを特徴とするブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 請求項1乃至12に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁を備え、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に配置されてなるブレーキ液圧制御装置であって、
前記第1及び前記第2の導通経路(13、11)よりも上流側が前記マスタシリンダ(1)に接続され、前記第1及び前記第2の導通経路(13、11)よりも下流側が前記ホイールシリンダ(2)に接続されていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。 - ブレーキ液が流動する第1の導通経路(13、53、71)を有する第1の部材(15、50、70)と、
ブレーキ液が流動し、前記第1の導通経路に並列的に設けられた第2の導通経路(16b、51、73)を有している第2の部材(16、50、70)と、
前記第1の導通経路を遮断もしくは連通させるために、前記第1の部材と接触するように構成された第1の手段(10、55、77)を有すると共に、前記第2の導通経路につながる貫通孔(11)を有している第1のプランジャ(12)と、
前記貫通孔内もしくは該貫通孔を通じて動けるように構成されていると共に、前記第2の導通経路を遮断もしくは連通させるために第2の部材と接触するように構成された第2の手段(17、75)を有する第2のプランジャ(18)と、
少なくとも前記第1、第2のプランジャの間に配置され、該第1、第2のプランジャが互いに離れる方向に付勢するスプリング手段(23、24)と、
前記第1の、第2のプランジャの周囲に配置され、電気駆動力を発生させるコイル手段(19、25、27)とを備え、
前記第1、第2の導通経路のいずれか一方はブレーキ液の流動を制限する絞り部を有してなり、
前記第1、第2のプランジャが、それぞれの間に隙間を有して軸方向に連続的に配置されてなる電磁弁であって、
前記コイル手段へ通電を行うと、前記第1、第2のプランジャが互いに近づくように、該第1、第2のプランジャをスプリング手段の付勢力に抗して摺動させ、前記第1の手段がブレーキ液の流動方向の上流側から下流側に動き、前記第2の手段がブレーキ液の流動方向の下流側から上流側に動くように構成され、
前記コイル手段への通電を制御することにより、前記第1、第2の導通経路が共に連通している全開状態と、前記第1、第2の導通経路のうち前記絞り部を有する方が連通している半開状態と、前記第1、第2の連通通路が共に遮断している全閉状態とに制御されることを特徴とするブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第2の導通経路(16b、51)は絞り部を有しており、
前記コイル手段に通電が行われていないときには全開状態となり、前記コイル手段に通電が行われているときには全閉状態となり、前記コイル手段に通電が行われて前記コイル手段に対する通電が終了した後、前記第1の導通経路が遮断されるとともに前記第2の導通経路が連通する半開状態となることを特徴とする請求項14に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1の導通経路(71)は絞り部を有し、
前記コイル手段に通電が行われていないときには全閉状態となり、前記コイル手段に通電が行われているときには全開状態となり、前記コイル手段に通電が行われて前記コイル手段に対する通電が終了した後、前記第2の導通経路が遮断されるとともに前記第1の導通経路が連通する半開状態となることを特徴とする請求項14に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1の部材は、前記第2のプランジャの反対側において前記第1のプランジャに面するように配置されており、前記第1の導通経路(13)に形成された第1の弁座(14)を有する第1のシートバルブ(15)を備え、
前記第2の部材は、前記貫通孔の一部が前記第2の導通経路を構成するように前記第1のプランジャと一体的になっているとともに、前記絞り部および前記第2の導通経路に形成された第2の弁座(16a)を有する第2のシートバルブ(16)を備え、
前記第1の手段は、前記第1の弁座(14)に着座する第1の弁体(10)を有しており、
前記第2の手段は、前記第2の弁座(16a)に着座する第2の弁体(17)を有していることを特徴とする請求項14又は15に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1、第2の部材は、前記第1のプランジャを挟み前記第2のプランジャの反対側において、前記第1のプランジャに面するように配置されており、前記第1の導通経路(53、71)に形成された第1の弁座(54、72)と前記第2の導通経路(51、73)に形成された第2の弁座(52、74)とを有するシートバルブ(50、70)を備え、
前記第1の手段は、前記第1の弁座に着座する第1の弁体(55、77)を有しており、
前記第2の手段は、前記第2の弁座に着座する第2の弁体(17、75)を有していることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記スプリング手段は、
前記第1、第2のプランジャの間に配置され、前記第1第2のプランジャが互いに離れる方向へ力を発生させる第1のスプリング(23)と、
前記第1のプランジャと前記第1の部材との間に配置され、前記第1のプランジャが前記第2のプランジャに近づくように力を発生させる第2のスプリング(24)とを有し、
前記第1のスプリングの力は前記第2のスプリングの力よりも大きく、前記第1、第2のスプリングの合力が前記スプリング手段の力になっていることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1の弁座(14)は、前記第1の導通経路(13)のうちブレーキ液流動方向の上流側の終端位置に形成された段突き部によって構成され、該段突き部の外径はブレーキ液流動方向の上流側が下流側よりも大きくなっており、
前記第1の手段は、前記第1の導通経路に挿入され、前記第1の弁座よりも上流側まで突出した状態になっており、前記コイル手段への通電を行ったときに、前記第1の手段の突出した部分がブレーキ液流動方向の下流側に移動され、第1の弁座に着座するようになっていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1の弁座(54)は、前記第1の導通経路(53)のうちブレーキ液流動方向の上流側の終端位置に形成された段突き部によって構成され、該段突き部の外径はブレーキ液流動方向の上流側が下流側よりも大きくなっており、
前記第1の手段は、第1の弁座の上流側において前記第1の弁座の近傍に配置され、該第1の弁座の方向に付勢力を受ける前記第1の弁体(55)と、前記第1の導通経路に挿入され、コイル手段非通電時に、第1の弁体が第1の弁座に着座することを妨げるピン(57)とを有し、
前記コイル手段への通電を行ったときに、前記付勢力によって前記ピンと共に第1の弁体がブレーキ液流動方向の下流側に移動され、前記第1の弁座に着座するようになっていることを特徴とする請求項18に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1の手段のうちブレーキ液流動方向の上流側においてブレーキ液圧を受ける領域は、前記第1の手段のうち上流側にかかるブレーキ液圧と下流側にかかるブレーキ液圧との圧力差が、前記スプリング手段の力よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項14乃至21のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1の手段の上流側においてブレーキ液圧を受ける領域は、前記第1の手段のうち上流側にかかるブレーキ液圧と下流側にかかるブレーキ液圧との圧力差が、前記第1のスプリングと前記第2のスプリングの力の合力よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項19に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第2のプランジャの移動量は、前記第2の手段のリフト量が前記第1の手段のリフト量よりも大きくなるように、前記第1のプランジャの移動量よりも大きくなっていることを特徴とする請求項14乃至23のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブ(15)は、第1の導通経路(13)のうち第1の弁座(14)よりも下流側と外部とを接続する貫通孔(40)を有していることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第2のシートバルブと第1の弁体は、同じ部材で構成されていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記コイル手段は、
コイル(25)と、
前記コイルの外周を囲うように配置されたヨーク(27)と、
円筒形状を成す非磁性体材料で構成され、前記第1、第2のプランジャを収容するスリーブ(19)とを有し、
さらに、前記ヨークと前記第1のシートバルブの間においては、前記スリーブが介在せず磁性材料からなるリング部材(28)が配置されていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記コイル手段は、
円筒形状を成す基本的に磁性材料からなるスリーブ(19)を有し、
前記第1、第2のプランジャは前記スリーブ内に収容されるようになっており、
前記スリーブは、前記第1のプランジャと前記第2のプランジャとの間の間隙の外周に相当する位置が非磁性材料(19a)で構成されていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。 - 前記第1のシートバルブは、前記第1、第2のプランジャと共に前記スリーブの孔内に収容されていることを特徴とする請求項27又は28に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブは、前記第1の弁座および前記第1の導通経路を構成する略円筒形状のシートバルブ部(50)と、シートバブル部の外周部を囲む略円筒形状のガイド部(59)とを有して構成されており、ガイド部の内径は前記第1、第2のプランジャの外径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 前記第1のシートバルブは、前記第1の導通経路に並列な管路(40)を有し、また、ブレーキ液流動方向の下流側のブレーキ液圧が上流側のブレーキ液圧よりも高くなるときにのみ前記管路においてブレーキ液の流動を許容するチェックバルブ(41)を有していることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁。
- 請求項14乃至31に記載のブレーキ液圧制御用電磁弁を備え、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に配置されてなるブレーキ液圧制御装置であって、
前記第1、前記第2の導通経路よりも上流側が前記マスタシリンダ(1)に接続され、
前記第1及び前記第2の導通経路よりも下流側が前記ホイールシリンダ(2)に接続されていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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