JP4337170B2 - 再生可能な偽造防止策を施した用紙及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、株券、債券、商品券、宝くじ等の紙からなる有価証券類の偽造防止に関するもので、さらに詳しくは、電子複写機による偽造や改竄をしたときに該用紙の真偽判定が容易に、かつ、確実にできると同時に古紙回収し易くリサイクル性に優れ、更には万一自然界に放置された場合でも紙層間に入ったフィルムも含めて全て生分解する環境問題に対応した用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、紙は紙幣をはじめ、株券、債券、商品券、宝くじ等々金銭的価値を有する有価証券として幅広く使用されており、その様な有価証券類に用いられている用紙には容易に偽造又は変造出来ない様に、紙自身にすかしを施したり、あるいはマイクロ文字や凹版、隠し文字、蛍光印刷等の特殊な印刷を施したり、金属光沢を有する箔やホログラム箔などを転写またはシールで施してあるのが一般的である。
また、海外のパスポートや証書などには印刷入りの細いスレッドが、最近ではホログラムフィルムや蒸着フィルムをウインドタイプのスレッドで施した紙を用いた商品券やギフト券が実用化されており、偽造防止効果が高いとして年々その数は増加しつつづけている。
【0003】
これらの有価証券類を偽造する場合は主に印刷による方法と電子複写機による方法があるが、今日では電子複写機の解像度が格段に良くなり、電子複写機さえあれば手軽に本物と見分けがつかないくらい複写出来ることから、電子複写による偽造が増加している。この場合、マイクロ文字や隠し文字といったパターン印刷法ではオリジナルとコピーを見分けることが困難になっている。
【0004】
そこで、こういった電子写真を用いた偽造手段には金属光沢の鏡面反射を有する箔やホログラム箔またはシール(OVD箔、OVDシール)などが複写防止効果が高いとして一部の商品券や保証書などその他いろいろと採用されている。なぜならばこれらの金属光沢を有する箔を複写すると、ほとんど黒く複写されてしまうため一目見て複写物であることがわかるためである。
OVD(Optical Variable Device)は、金属光沢の鏡面反射を有する箔やホログラム箔のように見る角度、位置によって色調や絵柄が変化する物の総称である。
ところが、この金属光沢を有する箔やホログラム箔は用紙の上に層を形成しているため、複写物のその部分上に使用済の箔またはシールを溶剤等で上手に剥がし張り付けたり、極めて似た箔を作って張り付けすると本物と見分けがつかない等の問題があった。
【0005】
ところが、この様なスレッド入りの用紙を用いた場合、従来何も施されていない用紙に比べ、古紙回収・再生利用という点においてはやっかいなものになっていることが指摘されている。即ち、ポリエステル(PET)フィルム等からなるストリップ状のスレッドは抄紙時における再生利用または古紙回収の再生紙を作る際に、紙の様に繊維状にはならず、ほぼそのままの形を保持するため異物となって工程上の障害となるからである。その為こういったことを避けるため特開平4−146299号公報の様に糸状のスレッドに熱水溶解性のフィルムとアルカリ可溶性ニトロセルロース系樹脂保護膜を形成したものを用いる方法があるが、これだといくら熱水溶解とはいいながら水中では膨潤し、引っ張り強度が著しく低下するため実用的な抄紙は困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点に着目してなされたものであり、その課題とするところは、ストリップ状のスレッドフィルムによって有価証券類の高い偽造防止効果を持たせながら古紙の再生利用が可能で、かつ、万一自然界に放置されてもスレッドも含めて生分解する極めて自然に優しい用紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の本発明は、鹸化度88%以上のポリビニルアルコールからなる支持体の両面に、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドキシカルボン酸のコポリマーを主成分とするポリマー組成物からなるアルカリ可溶層を積層した積層体の片面に金属蒸着層を積層したOVDフィルムでウインドタイプのスレッドを設けたことを特徴とする再生可能な偽造防止策を施した用紙である。
【0008】
更に請求項2に記載の本発明は、前記金属蒸着層が積層された側のアルカリ可溶層に、OVD形成層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の再生可能な偽造防止策を施した用紙である。
【0009】
更に請求項3に記載の本発明は、鹸化度88%以上のポリビニルアルコールからなる支持体の両面をポリ乳酸または乳酸とその他のヒドキシカルボン酸のコポリマーを主成分とするポリマー組成物からなるアルカリ可溶層で挟み込んだ積層体を共押し出し法にて押し出しし、該積層体の片面に金属を蒸着して金属蒸着層を形成したOVDフィルムでウインドタイプのスレッドを設けたことを特徴とする再生可能な偽造防止策を施した用紙の製造方法である。
【0010】
更に請求項4に記載の本発明は、前記積層体の片面にOVD形成層を形成した後に、金属蒸着層を形成することを特徴とする請求項に記載の再生可能な偽造防止策を施した用紙の製造方法である。
【0011】
ポリ乳酸は、乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合して得られたもの、または、乳酸の環状2量体であるラクタイドを開環重合させたものを使用することができ、これらのポリマーは水には溶けないがアルカリ加水分解するとういう性質を持っていると同時に良好な生分解性を有している。また、熱水溶解性であるポリビニルアルコールは、鹸化度が88%以下だと冷水に溶解してしまうが、鹸化度が97%以上の完全鹸化では熱水でなければ溶解しない。更にポリビニルアルコールには生分解性を有しており、環境中では完全に分解して水と二酸化炭素になってしまう。
【0012】
【作用】
本発明の用紙は熱水溶解性フィルムをベースにしたスレッドは、膨潤し、引っ張り強度が著しく低下するため実用的な抄紙は困難であることを解決するためにポリ乳酸とその他のヒドキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする中性の水では溶解しなく、かつ、アルカリ溶解性の生分解性樹脂を積層した。このことにより、抄紙段階では水に溶けない抄紙適性の高いスレッドフィルムが、用紙の用済み後再生紙製造の段階ではアルカリ可溶性なフィルムとなり、その後問題なく再生紙が製造できるものとなる。また、これらの用紙は、万一自然界に放置されてもスレッド自身に生分解性があるため用紙はもちろん、このフィルムも含めて生分解することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
水溶性の支持体フィルムには、澱粉系、メチルセルロース系、カルボキシル化メチルセルロース系、ヒドロキシエチルセルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ビニルエチルエーテルー無水マレイン酸共重合系、ポリアクリル酸系、ポリエチレンオキサイド系等のフィルムがある。
本発明に用いる支持体フィルムは、熱水にて溶解するものでポリビニルアルコールが使用でき、鹸化度の高いもの特に88%以上のポリビニルアルコールを用いることができる。スレッドに用いるフィルムの厚さは2〜50μmがよく、好ましくは12〜20μmの厚みであるが、本発明は後に積層する生分解性の樹脂があるので、その厚みを勘案しながら適宜選定する。
【0014】
上記熱水溶解性の支持体に積層するポリマー組成物は、ポリ乳酸系ポリマーが主成分として用いられ、その他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が用いられる。ポリ乳酸系ポリマーは、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から直接脱水重縮合するか、乳酸の環状2量体であるラクタイドまたはヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えばグリコール酸の2量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトン等の共重合モノマーを適宜用いて開環重合させたものでもよい。そしてこれらの樹脂を支持体に積層する方法は、溶融押し出し法を用いることができるが、特に乳酸がL-乳酸、D-乳酸またはそれらの混合物である場合は加熱乾燥コーティング法等の方法で行うことができる。
【0015】
かかるスレッド用フィルム上には金属蒸着層を設けることができ、アルミニウム、スズ、亜鉛、クロム、ニッケル、コバルト、銅、金、銀等の金属蒸着層を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法で形成する。そして、その後該フィルムに印刷層やホログラムエンボスなど施してOVDフィルムを得ることができる。
【0016】
また、これらのフィルムには用紙とフィルムの接着性を上げるために必要に応じて適当な接着層を設けることができる。
【0017】
本発明に用いる用紙は、植物繊維または合成繊維を原料とし、水中にて叩解し抄いて絡ませた後、脱水・乾燥させて作られる。この時紙は原料であるセルロースの水酸基間の水素結合で繊維間の強度が得られる。また、紙に用いるてん料としてはクレイ、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン等があり、サイズ剤としてはロジン、アルキル・ケテン・ダイマー、無水ステアリン酸、アルケニル無水こはく酸、ワックス等があり、紙力増強剤には変性デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、ポリエチレンイミン等があり、これらの材料をそれぞれ抄紙時に加え、長網抄紙機や円網抄紙機を用いて抄造する。
【0018】
これらに用いる原紙は、紙なら何でもよいが機械的に強度のあるOCR用紙や証券用紙が最も適している。証券用紙の場合、坪量50〜200g/m2のものが使えるが、好ましくは80〜120g/m2のものである。紙基材の原料となるパルプ繊維としては、針葉樹や広葉樹、イネ、エスパルト、バガス、麻、亜麻、ケナフ、カンナビス等の木材パルプと、セルロース系の合成繊維などを用いる。
【0019】
抄紙方法は、通常の植物繊維紙の製造に用いられる方法でよく、原料濃度0.1〜5%、好ましくは0.3〜0.6%の水希薄原料で十分に膨潤させた繊維をよく混練しスダレ・網目状のワイヤー等に流して並べ、搾水後加温により水分を蒸発させて作られる
【0020】
また、植物繊維以外の例えば合成繊維を混入した紙の場合は合成繊維間に水素結合などの結合力を持たないため結着剤を必要とすることが多いので、合成繊維比率と結着剤量は、紙の強度を落とさない程度に適宜決めるのが望ましい。
また、本発明は後に再生利用や自然界の生分解を考えているために結着剤の量は多くない方が好ましい。
【0021】
スレッド入り紙の製造はいろいろな方法で行われるが、一つは既に形成された紙を貼り合わせながら紙と紙の間にスレッドを挿入し一体とする方法と、円網多槽抄あるいは短網または円網と長網との組み合わせ等によって二層以上の湿紙を形成し各湿紙を一体に抄合わる工程中にスレッドを紙層間に挿入一体とする二種の方法に分類される。
【0022】
抄紙工程では、一層のみでは地合の良い紙や坪量が均一な紙ができないので、その場合は通常抄紙機を2基以上並べて抄く方法を用いる。そして、抄合わせ法や場合によっては混合抄紙法などにより、支持体上に熱可塑性樹脂と着色層の混合物からなるストリップ状のフィルムのをウインドタイプスレッドとして紙の中に抄き込むことができる。
【0023】
本発明の偽造防止用紙は、株券、債券、小切手、通帳、商品券、ギフト券、といった証券類の他、伝票、宝くじ、乗車券、定期券などの証券関連商品に適用できる。
【0024】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、詳細に説明する。
【0025】
第1図は、本発明の再生可能な偽造防止策を施した用紙を説明するものであり、(A)は平面図、(B)はa−a線における表面にスレッドが見える部分の断面図、(C)はb−b線におけるスレッドが紙層間にある部分の断面図、(D)は下記の実施例1に用いたスレッドの構成断面図である。
【0026】
【実施例】
<実施例1>
実施例1として図1の構成のものを以下に説明する。
まず、熱水溶解性支持体(21)として鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(クラレ:ポバールPVA124)、アルカリ可溶層(22)としてポリ乳酸(三井化学:レイシア)を共押し出し法にてポリビニルアルコールを挟み込む形で押し出しし、厚みが2μm:12μm:2μmの比でスレッド用フィルムを得、かかるフィルムに版面温度120℃でホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その上に金属蒸着層(23)としてAlを1000Åの厚さで蒸着したものをスレッド用フィルムとした。
針葉樹パルプを水中で叩解後、円網式抄紙機を用いて抄き合わせ法で第一層目を70g/m2(乾燥時)に抄き、第二層目を50g/m2(乾燥時)に抄くが、第一層目と第二層目の間に上記で得られたフィルムを1.5mm幅でスリットしたスレッドを抄き入れて偽造防止用紙(1)を作成した。
【0027】
参考例1
熱水溶解性支持体(21)として、鹸化度98%で15μmのポリビニルアルコール(アイセロ化学NP25)フィルムに版面温度120℃でホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その上に金属蒸着層(23)としてAlを1000Åの厚さで蒸着した。その後該フィルムの両面にポリ乳酸(三井化学:レイシア)を各々2μmの厚みで溶融コーテイングして図4に示す構成断面図のスレッド用フィルムを得た。
このフィルムはスレッド用に供するため2mm幅にスリットし、以下の用紙の中に抄き込んだ。
針葉樹パルプを水中で叩解後、長網式抄紙機を用いて抄き合わせ法で第一層目を50g/m2(乾燥時)に抄き、第二層目を50g/m2(乾燥時)に抄くが、第一層目と第二層目の間に上記のスレッドを帯状に抄き入れて偽造防止用紙を作成した。
【0028】
<比較例1>
比較例1として図5に示す構成のスレッドを作成した。
実施例1のスレッドフィルムの代わりに、12μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム(24)にホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その後Al蒸着を施したものを使った以外は実施例1と同様に抄き込んで比較例1の偽造防止用紙を得た。
【0029】
<比較例2>
比較例2として図6に示す構成のスレッドを作成した。
熱水溶解性支持体(21)フィルムとして完全鹸化のポリビニルアルコール(クラレ:ポバールPVA124)フィルムを用いてホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その後Al蒸着を施したものを使った以外は実施例2と同様に抄き込んで比較例2の偽造防止用紙を得た。
【0030】
<比較例3>
比較例3として図7の構成のスレッドを作成した。
熱水溶解性支持体(21)フィルムとして完全鹸化のポリビニルアルコール(クラレ::ポバールPVA124)フィルムを用い、この両面にアクリル樹脂層(25)をコーティングしたものにホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その後Al蒸着を施したものを使った以外は実施例2と同様に抄き込んで比較例3の偽造防止用紙を得た。
【0031】
これらの実施例1,2と比較例1,2,3の用紙の抄紙適性、リサイクル適性及び環境中での生分解性を比較した結果を下表に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004337170
【0033】
実施例1、2及び比較例1〜3はどれもOVD付のスレッドが入っており、見た目には同じだが、実施例1、2は古紙のリサイクル適性、すなわち抄紙し直すという点で熱水及びアルカリ可溶性のフィルムを用いているため適性を有しており、また、紙も含めてどれも生分解性を有しているので自然環境中での生分解をするため環境に優しい用紙であると言える。
一方、比較例1はPETフィルムを用いているため、抄紙適性は良好であるが、古紙のリサイクル適性及び生分解性のどちらも有していない。
また、比較例2は熱水溶解性支持体フィルムのスレッドを用いているため、古紙のリサイクル適性及び生分解性のどちらも有しているが、水に膨潤するフィルムだけなので抄紙が極めて難しい。
更に、比較例3は抄紙適性やリサイクル性を有しているが、自然環境中で生分解されないアクリル樹脂層を設けているため、フィルム部分がゴミとして残ってしまう。
【0034】
上記の実施例1、実施例2の構成のものに限らず、図2、図3に示す様に、抄き込む工程の適性を満足させるような各層の厚さを適宜設計し、熱水溶解性支持体とアルカリ可溶層を積層したフィルムにホログラムエンボスを施してOVD形成層を、その後Al蒸着を施したOVDフィルムを作製し、スレッドとして抄き込んで用紙を作成しても構わない。
【0035】
【発明の効果】
以上述べた様に、実施例1、2と比較例1〜3では見たところなんら変わらないOVD付スレッド入りの用紙であるが、比較例1では使用しているPETフィルムがリサイクル適性、生分解性が無く、また、比較例2では抄紙適性のないフィルムを用いているためスレッド入りの用紙が作成し難く、更には比較例3では比較例1と同様自然環境中に放置されても生分解がない。しかし、本発明に記載した熱水溶解性とアルカリ可溶性の複合フィルムを用いることで、リサイクル適性のあるスレッド用紙を作ることが出来るようになった。更に、これらの用紙は、自然環境中に放置されてもそのままの形で残ることなく生分解するため、環境に優しい用紙であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の用紙を説明するものであり、
(A)は平面図、
(B)はa−a線における表面にスレッドが見える部分の断面図、
(C)はb−b線におけるスレッドが紙層間にある部分の断面図、
(D)はスレッドの構成断面図である。
【図2】熱水溶解支持体/アルカリ溶解層の積層フィルムの熱水溶解支持体面にOVD形成層を設けたスレッドの構成断面図である。
【図3】熱水溶解支持体/アルカリ溶解層の積層フィルムのアルカリ溶解層面にOVD形成層を設けたスレッドの構成断面図である。
【図4】本発明の実施例2に用いたスレッドの構成断面図である。
【図5】比較例1に用いたスレッドの構成断面図である。
【図6】比較例2に用いたスレッドの構成断面図である。
【図7】比較例3に用いたスレッドの構成断面図である。
【符号の説明】
1…用紙 2…パルプ 20…スレッド 21…熱水溶解性支持体
22…アルカリ可溶層 23…金属蒸着層 24…PET
25…アクリル樹脂層

Claims (4)

  1. 鹸化度88%以上のポリビニルアルコールからなる支持体の両面に、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドキシカルボン酸のコポリマーを主成分とするポリマー組成物からなるアルカリ可溶層を積層した積層体の片面に金属蒸着層を積層したOVDフィルムでウインドタイプのスレッドを設けたことを特徴とする再生可能な偽造防止策を施した用紙。
  2. 前記金属蒸着層が積層された側のアルカリ可溶層に、OVD形成層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の再生可能な偽造防止策を施した用紙。
  3. 鹸化度88%以上のポリビニルアルコールからなる支持体の両面をポリ乳酸または乳酸とその他のヒドキシカルボン酸のコポリマーを主成分とするポリマー組成物からなるアルカリ可溶層で挟み込んだ積層体を共押し出し法にて押し出しし、該積層体の片面に金属を蒸着して金属蒸着層を形成したOVDフィルムでウインドタイプのスレッドを設けたことを特徴とする再生可能な偽造防止策を施した用紙の製造方法。
  4. 前記積層体の片面にOVD形成層を形成した後に、金属蒸着層を形成することを特徴とする請求項3に記載の再生可能な偽造防止策を施した用紙の製造方法。
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