例えば、カラーMFP機に関するもので、入力された画像データを、複数色の各色の記録色データに補正する入力補正手段と、該入力された画像データが画像の文字領域か写真領域かを表す像域分離データを発生する像域分離手段と、各色の記録色データを、像域分離データが表す像域に対応した変換特性で、カラープリンタのプリント出力用の色成分出力データに変換する出力変換手段と、該色成分出力データに基づいて画像を形成するカラープリント手段と、データを転送するデータバスと、前記入力補正手段が補正した記録色データを圧縮して、圧縮データと前記像域分離手段が発生した像域分離データを前記データバスに送出し、該データバス上に読出された圧縮データを伸張して該データバス上に読出された像域分離データと共に前記出力変換手段に送出する、データ制御手段と、データメモリ、および、前記データバス上に送出された圧縮データおよび像域分離データを前記データメモリに書込み、該データメモリの圧縮データおよび像域分離データを前記データバスに読出す、メモリ制御手段と、を備え、原稿画像データを処理し、転写画像を得るカラー画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。また、この特許文献1と同様な従来のカラーMFP機における処理動作について以下に説明する。なお、図1は、画像処理装置のシステムブロックの構成を示唆しており、MFPの制御構成を示唆するものである。
原稿を光学的に読み取る読取ユニット(1)は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。なお、受光素子(例えば、CCD)は、センサ・ボード・ユニット(SBU)(2)に搭載され、受光素子において電気信号に変換された画像信号がデジタル信号に変換された後、SBU(2)から出力されることになる。SBU(2)から出力される画像信号は画像処理プロセッサ(IPU)(3)に転送され、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化とする)を補正し、圧縮/伸張及びデータインタフェース制御部(CDIC)(4)に入力される。なお、機能デバイス及びデータバス間における画像データの伝送は、CDIC(4)が全て制御することになる。
CDIC(4)は、画像データに関し、SBU(2)、パラレルバス(10)、IPU(3)間のデータ転送、全体制御を司るシステムコントローラ(11)と画像データに対するプロセスコントローラ(22)間の通信を行う。IPU(3)からCDIC(4)へ転送されたデータは、CDIC(4)からパラレルバス(10)を経由して画像メモリアクセス制御(IMAC)(15)に送られる。このIMAC(15)では、システムコントローラ(11)の制御に基づき、画像データとメモリモジュール(MEM)(17)のアクセス制御、外部PC(パソコン)(16)のプリント用データの展開、メモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行うことになる。
IMAC(15)へ送られたデータは、データ圧縮後、MEM(17)に蓄積し、そのMEM(17)に蓄積した蓄積データを必要に応じて読み出すことになる。その読み出したデータは、伸張し、本来の画像データに戻し、IMAC(15)からパラレルバス(10)経由でCDIC(4)へ戻されることになる。
CDIC(4)からIPU(3)への転送後は、IPU(3)による画質処理、及び、ビデオデータ制御部(VDC)(5)でのパルス制御を行い、作像ユニット(6)において転写紙上に再生画像を形成することになる。なお、画像データの流れに於いて、パラレルバス(10)及びCDIC(4)でのバス制御により、MFPの機能を実現することになる。
FAX送信機能は、読み取り画像データに対して、IPU(3)において画像処理を実施し、その画像処理を実施した画像データを、CDIC(4)、及び、パラレルバス(10)を経由してFAX制御ユニット(FCU)(19)へ転送する。FCU(19)にて通信網へのデータ変換を行い、PN(公衆回線)(20)へFAXデータとして送信することになる。
FAX受信機能は、PN(20)からの回線データをFCU(19)にて画像データへ変換し、パラレルバス(10)、及び、CDIC(4)を経由してIPU(3)へ転送される。この場合、特別な画質処理は行わずに、VDC(5)においてドット再配置、及び、パルス制御を行い、作像ユニット(6)に於いて転写紙上に再生画像を形成することになる。
複数ジョブ、例えば、コピー機能、FAX送受信機能、プリンタ出力機能が並行に動作する状況に於いて、読取ユニット(1)、作像ユニット(6)、及び、パラレルバス(10)使用権のジョブへの割り振りを、システムコントローラ(11)、及び、プロセスコントローラ(22)にて制御する。
プロセスコントローラ(22)は、画像データの流れを制御し、システムコントローラ(11)は、システム全体を制御し、各リソース起動を管理する。
MFPの機能選択は、操作パネル(操作部)(14)にて選択入力し、コピー機能、FAX機能等の処理内容を設定する。システムコントローラ(11)と、プロセスコントローラ(22)と、はパラレルバス(10)、CDIC(4)及びシリアルバス(21)を介して相互に通信を行う。CDIC(4)内に於いて、パラレルバス(10)とシリアルバス(21)とのデータインタフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
また、スキャナアプリでは、読取ユニット(1)、及び、センサ・ボード・ユニット(SBU)(2)にて取得した原稿画像データに対して、IPU(3)において画質処理を行い、その画像処理を行った画像データは、CDIC(4)からパラレルバス(10)、IMAC(15)を介してメモリ(MEM)(17)、あるいは、ハードディスク(HDD)(18)に格納され、そこから必要に応じてパソコン(PC)(16)に原稿画像データが送られることになる。
次に、図2を参照しながら、図1に示唆する画像処理プロセッサ(IPU)(3)における処理動作について説明する。なお、図2は、IPU(3)における画像処理の概略構成を示唆する。
画像処理プロセッサ(IPU)(3)は、図2に示唆するように、入力I/Fと、出力I/Fと、スキャナ画像処理部と、画質処理部と、コマンド制御部と、を有して構成されている。
読み取り画像は、図1に示唆するSBU(2)を介して、図2に示唆する、IPU(3)の具備する入力I/Fからスキャナ画像処理部へ伝達されることになる。スキャナ処理部では、読み取り画像信号の劣化補正を目的とし、シェーディング補正、スキャナγ補正、MTF補正等を行うことになる。そして、スキャナ処理部において、読み取り画像データの補正処理を終了した後、出力I/Fを介して、図1に示唆するCDIC(4)へ画像データを転送することになる。
転写紙への出力は、図1に示唆するCDIC(4)からの画像データを、図2に示唆する、IPU(3)の具備する入力I/Fで受け付け、画質処理部に於いて面積階調処理を行う。画質処理後のデータは、出力I/Fを介して、図1に示唆するVDC(5)へ出力されることになる。
なお、面積階調処理は、濃度変換、ディザ処理、誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。一旦、スキャナ画像処理された画像データを、メモリ(MEM)(17)に蓄積しておけば、画質処理を変えることで、種々の再生画像を確認することができる。例えば、再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりすることで、再生画像の雰囲気を変更することが可能となる。この時、処理を変更する度に、画像を読取ユニット(1)から読み込み直す必要はなく、メモリ(MEM)(17)から格納画像を読み出せば、同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できることになる。また、単体スキャナの場合は、スキャナ画像処理と階調処理とを合わせて実施し、図1に示唆するCDIC(4)へ出力することになる。処理の切り替え、処理手順の変更等は、図2に示唆するコマンド制御部に於いて管理する。
次に、図3を参照しながら、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)における処理動作について説明する。なお、図3は、CDIC(4)の概略構成を示唆するものである。
画像データ制御部(CDIC)(4)は、コマンド制御部と、画像データ入力制御部と、データ圧縮部と、データ変換部と、データ伸張部と、画像データ出力制御部と、パラレルデータI/Fと、2つのシリアルデータI/Fと、を有して構成されている。
画像データ制御部(CDIC)(4)は、図1に示唆するIPU(3)でスキャナ画像を補正したデータが、画像データ入力制御部に入力されることになる。その入力データは、図1に示唆するパラレルバス(10)での転送効率を高めるために、データ圧縮部に於いて、データ圧縮を行うことになる。そして、パラレルデータI/Fを介して、図1に示唆するパラレルバス(10)へ送出されることになる。
図1に示唆するパラレルデータバス(10)から、図3に示唆するCDIC(4)の具備するパラレルデータI/Fを介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部で伸張されることになる。伸張された画像データは画像データ出力制御部に於いてIPU(3)へ転送されることになる。
なお、CDIC(4)は、パラレルデータとシリアルデータとの変換機能を併せ持つ。図1に示唆するシステムコントローラ(11)は、パラレルバス(10)にデータを転送し、図1に示唆するプロセスコントローラ(11)は、シリアルバス(21)にデータを転送する。CDIC(4)は、この2つのコントローラ(11、21)の通信のためにデータ変換を行うことになる。なお、CDIC(4)の具備するシリアルデータI/Fは、IPU(3)用にも更に1系統持ち、CDIC(4)は、図1に示唆するように、IPU(3)ともI/Fを行うことになる。
次に、図4を参照しながら、図1に示唆するビデオデータ制御部(VDC)(5)における処理動作について説明する。なお、図4は、VDC(5)の概略構成を示唆するものである。
ビデオデータ制御部(VDC)(5)は、パラレルデータI/Fと、データ変換部と、シリアルデータI/Fと、エッジ平滑処理部と、パルス制御部と、を有して構成され、入力される画像データに対し、図1に示唆する作像ユニット(6)の特性に応じて、追加の処理を行うことになる。
エッジ平滑処理部は、ドットの再配置処理を行い、パルス制御部は、ドット形成のための画像信号のパルス制御を行い、図1に示唆する作像ユニット(6)を対象として画像データが出力されることになる。なお、ビデオデータ制御部(VDC)(5)は、パラレルデータI/Fと、データ変換部と、シリアルデータI/Fと、を有し、画像データの変換とは別に、パラレルデータとシリアルデータとのフォーマット変換機能を併せ持ち、ビデオデータ制御部(VDC)(5)単体でもシステムコントローラ(11)とプロセスコントローラ(22)との通信に対応することが可能となる。
次に、図5を参照しながら、図1に示唆する画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)における処理動作について説明する。なお、図5は、画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)の概略構成を示唆する。
画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)は、システムコントローラI/Fと、ビデオ制御部と、ラインバッファと、データ変換部と、パラレルデータI/Fと、データ圧縮部と、データ伸張部と、メモリアクセス制御部と、を有して構成されている。
画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)は、パラレルデータI/Fに於いて、パラレルバスとの画像データのインタフェースを管理することになる。構成的には、図1に示唆するMEM(17)への画像データの格納/読み出しと、外部のPC(16)から入力されるコードデータの画像データへの展開と、を制御する。
画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)に入力されたコードデータは、ラインバッファにおいて、ローカル領域でのデータの格納を行うことになる。そして、ラインバッファに格納されたコードデータは、図1に示唆するシステムコントローラ(11)から、システムコントローラI/Fを介して入力された展開処理命令に基づき、ビデオ制御部に於いて、画像データに展開されることになる。なお、画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)は、展開された画像データ、もしくは、図1に示唆するパラレルバス(10)からパラレルデータI/Fを介して入力された画像データを、図1に示唆するMEM(17)に格納することになる。この場合、画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)は、データ変換部に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部にて、図1に示唆するMEM(17)のアドレスを管理しながらMEM(17)に画像データを格納することになる。なお、MEM(17)に格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部にて、読み出し先アドレスを制御し、MEM(17)から読み出された画像データをデータ伸張部にて伸張する。その伸張された画像データを、図1に示唆するパラレルバス(10)へ転送する場合は、パラレルデータI/Fを介してデータ転送を行うことになる。
次に、図6を参照しながら、図1に示唆するファクシミリ制御ユニット(FCU)(19)における処理動作について説明する。なお、図6は、ファクシミリ制御ユニット(FCU)(19)の一構成例を示唆する。
ファクシミリ制御ユニット(FCU)(19)の具備するFAX送受信部は、外部I/F部と、FAX画像処理部と、画像メモリと、メモリ制御部と、ファクシミリ制御部と、画像圧縮伸張部と、モデムと、網制御装置と、を有して構成されている。
FAX送受信部は、画像データを通信形式に変換し、外部回線に送信する。また、FAX送受信部は、外部からのデータを画像データに戻し、外部I/F部、及び、パラレルバスを介して、図1に示唆する作像ユニット(6)において記録出力することになる。
なお、FAX画像処理部におけるFAX画像処理に関し、受信画像に対する2値スムージング処理は、図4に示唆するビデオデータ制御部(VDC)(5)の具備するエッジ平滑処理部において行うことになる。また、画像メモリに関しても、出力バッファ機能に関しては、図1に示唆する画像メモリアクセス制御部(IMAC)(15)、及び、メモリ(MEM)(17)にその機能の一部を移行する。
なお、図6に示唆する、FAX送受信部は、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部がメモリ制御部に指令し、画像メモリに蓄積されている画像情報を、メモリ制御部が順次読み出すことになる。そして、メモリ制御部が読み出した画像情報は、FAX画像処理部により、元の信号に復元されるとともに、密度変換処理、及び、変倍処理が行われ、ファクシミリ制御部に加えられることになる。ファクシミリ制御部に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部により符号圧縮され、モデムにより変調された後、網制御装置を介して宛先へと送出されることになる。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリから削除されることになる。また、受信時には、受信画像が、一旦、画像メモリに蓄積され、受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力されることになる。また、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリの使用率が所定値、例えば、80%に達するまでは画像メモリに蓄積し、画像メモリの使用率が80%に達した場合に、その時に実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリから読み出し、記録出力させることになる。このとき画像メモリから読み出した受信画像は、画像メモリから削除し、画像メモリの使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力させている。また、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時における書き込み動作のための各種パラメータを内部的に退避させ、再開時に、パラメータを内部的に復帰させることになる。
次に、図7を参照しながら、複合機能デジタル複写機における処理動作について説明する。なお、図7は、複合機能デジタル複写機の概観を示唆するものである。
複合機能デジタル複写機は、概略的には、図7に示唆するように、自動原稿送り装置(ADF)と、操作ボード(OPB)と、スキャナ(SCR)と、プリンタ(PTR)と、図示しない、ステープラ及び作像された用紙を搭載可能なトレイ付きのフィニッシャと、給紙バンクの各ユニットと、で構成されている。機内の画像データ処理装置は、パソコン(PC)とLAN(Local Area Network)で接続されており、また、ファクシミリコントロールユニット(FCU)には、電話回線(PN)(ファクシミリ通信回線)に接続された交換機(PBX)が接続されている。プリンタ(PTR)にてプリント済みの用紙は、排紙トレイ上、または、フィニッシャに排出されることになる。
次に、図8を参照しながら、図7に示唆する複合機能デジタル複写機に搭載される原稿読取ユニットについて説明する。なお、図8は、原稿読取ユニットの概略構成を示唆する。
原稿読取ユニットは、原稿台に置かれた原稿を、一枚ずつコンタクトガラスに給紙し、原稿上の画像データを読み取ることになる。原稿を光学的に読み取る読取ユニットは、光源から発せられる光により原稿の反射画像が得られ、ミラー1、ミラー2、ミラー3と、送られ、レンズを通して受光素子(図8では、CCD)にて電気信号に変換され、画像処理システムへと送られることになる。なお、原稿全面の画像を得るには、光源、ミラー1、ミラー2、ミラー3から成るスキャンユニットが原稿下を移動し、スキャンすることで実現することになる。以下、図9を参照しながら、原稿画像を取得する際の処理動作について説明する。
図9(a)は、スキャナユニットに原稿を配置した様子を斜め上方向から見た概念図である。原稿画像を取得するには、図9(a)に示唆するように、コンタクトガラスの上に原稿を配置し、コンタクトガラスの下をスキャンユニットが走査することで、コンタクトガラス上に配置した原稿の画像データが読み取られることになる。図9(b)は、スキャナを上方から見た概念図である。本明細書において、図9(b)に示唆するように、スキャンユニットが移動する方向を副走査方向、副走査を構成する各ライン方向を主走査方向と定義する。
次に、図10を参照しながら、図2に示唆する画像処理プロセッサ(IPU)(3)の内部処理について説明する。なお、図10は、図2に示すIPU(3)の内部構成を示唆したもので、原稿の拡大、及び、縮小の変倍をIPU(3)で実施する場合の構成である。
図1に示唆するSBU(2)より入力された原稿画像データ(RGBデータ)は、入力インタフェース(30)にて取り込まれ、シェーディング補正(31)、スキャナγ(33)、フィルタ処理(34)、副走査変倍(35)、主走査変倍(36)と転送されることになる。
この後、コピー時は、セレクタ(40)にて、色補正(39)後のデータが選択され、出力インタフェース(41)から、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)へと転送されることになる。
なお、スキャナアプリの2値化モード時は、主走査変倍後のデータが、2値化(37)、パッキング(38)と転送され、セレクタ(40)にてパッキング後のデータを選択し、出力インタフェース(41)から、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)へ転送されることになる。
また、スキャナアプリの多値モード時は、主走査変倍後のRGB多値データをセレクタ(40)で選択し、出力インタフェース(41)から、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)へ送られることになる。
また、スキャナアプリACSモノクロ2値モードでは、RGB多値データと、モノクロ2値データと、が送られ、スキャナアプリACSモノクロ多値モードでは、RGB多値データと、モノクロ多値データと、が、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)へ送られることになる。
原稿検知ACS(32)は、シェーディング後のRGBデータを監視し、原稿がモノクロ原稿なのか、あるいは、カラー原稿なのかを検知し、その結果をコマンド制御部(54)へ送ることになる。なお、ACSとは、自動カラーセレクト機能を示唆する。
原稿検知ACS(32)は、通常1枚の原稿の最後まで読み取らないと、判定処理を行うことができない。これは、モノクロ原稿に検印がされている場合など、原稿の端にカラー情報が存在する場合があるからである。原稿がモノクロ原稿であったか、あるいは、カラー原稿であったかの原稿検知ACS結果は、コマンド制御部(54)に送られ、図1に示唆するプロセスコントローラ(22)において、図10に示唆するコマンド制御部(54)にアクセスすることで、原稿が読み取られ、その後、システムコントローラ(11)に転送される。そして、読み取った原稿が、カラー原稿であったと判定した場合は、図1に示唆するメモリ(MEM)(17)に格納されたRGB多値データをそのまま使用することになる。一般に、このようなカラー多値データは、その後、汎用フォーマットのJPEGなどの形式にPC等によって変換されることになる。
一方、読み取った原稿が、モノクロ原稿であったと判定した場合は、メモリ(MEM)(17)に格納されているモノクロ2値データ、あるいは、モノクロ多値データを使用することになる。
コピーのプリント時は、図1に示唆する画像データ制御部(CDIC)(4)からの画像データを、入力インタフェース(50)にて取り込み、プリンタγ(51)、階調処理(52)、出力インタフェース(53)と送られ、図1に示唆するビデオデータ制御部(VDC)(5)に出力されることになる。
次に、図11を参照しながら、図2に示唆する画像処理プロセッサ(IPU)(3)における別の内部処理について説明する。なお、図11は、図2に示すIPU(3)における別の処理を行うための第2の内部構成を示唆したもので、副走査方向の変倍を、前述のスキャナユニットで、スキャンユニットの移動速度の調整によりメカ的に実行する場合である。従って、副走査変倍が不要になり、図11では、前述の図10に示唆する副走査変倍(35)が搭載されていないことになる。なお、これ以外の構成は、前述の図10の構成と同様である。
ここで、副走査方向の変倍を前述のスキャナユニットで、スキャンユニットの移動速度の調整によりメカ的に実行する場合について述べる。
図12は、600dpi読取スキャナにてA4サイズの原稿(a)を等倍(b)、縮小(c)、拡大(d)して読み取る様子を示唆する。ここで、dpiとは、dot per inchを示し、600dpiとは、1インチ(=25.4mm)当たり、600ドットで読み取る読取解像度を示す。ここで、等倍で読み取る場合は、前述の図8及び図9で示したスキャンユニットを所定の一定の速度で原稿をスキャンすることで実現することになる。
なお、図12(c)のように、例えば66.7%に縮小(600→400dpi)する場合は、前述の図8及び図9で示したスキャンユニットを等倍の場合より1.5倍(=600/400)早くスキャンさせることで実現することになる。
また、図12(d)のように、例えば200%に拡大(600→1200dpi)する場合は、前述の図8及び図9で示したスキャンユニットを等倍の場合より遅くスキャンすればよく、200%の場合は、等倍の場合より0.5倍(=600/1200)、すなわち、半分の速度でスキャンさせることで実現することになる。
図13は、図10、あるいは、図11に示唆するセレクタ(40)を示したものである。また、図14は、出力選択信号SELにより出力される信号を示唆する。
図14に示唆するように、選択信号SELがSEL=‘0’のときは、スキャナアプリ用のRGBの各2値信号が選択、出力される。また、選択信号SELが、SEL=‘1’のときは、スキャナアプリ用のRGBの各多値信号が選択、出力される。また、選択信号SELが、SEL=‘2’のときは、コピーアプリ用のCMYKの各多値信号が選択、出力される。また、選択信号SELが、SEL=‘3’のときは、スキャナアプリ用のRGBの各多値信号と、黒2値データと、が選択、出力される。そして、選択信号SELが、SEL=‘4’のときは、スキャナアプリ用のRGBの各多値信号と、黒多値データと、が選択、出力される。
前述したように、図14でスキャナアプリの2値モード時(SEL=‘0’)は、RGBの各2値データが選択され、それぞれチャネル0〜2に出力されるが、その時の画像フォーマットを、図15(a)に示す。ここでは、1画素2値のデータの8画素分がパッキングされている。Red(赤)の先頭画素が、R0で、2画素目が、R1、8画素目が、R7となる。同様に、Green(緑)の先頭画素が、G0で、2画素目が、G1、8画素目が、G7となる。さらに、Blue(青)の先頭画素が、B0で、2画素目が、B1、8画素目が、B7となる。このときのメモリ(MEM)(17)に格納される様子は、図16(a)のようになり、メモリ(MEM)(17)上に各RGBの格納領域が確保され、記憶されることになる。
スキャナアプリの多値モード時(SEL=‘1’)は、RGBの各多値データ、ここでは一例として8ビットデータが選択され、それぞれチャネル0〜2に出力されることになる。その時の画像フォーマットを、図15(b)に示唆する。ここでは、1画素8bitのデータが示されている。さらに、メモリ(MEM)(17)に格納される様子は、図16(b)のようになり、メモリ(MEM)(17)上に各RGBの格納領域が確保され、記憶されることになるが、1画素が多値のため、格納領域は、図16(a)の2値に比べて大きくなる。
コピー時(SEL=‘2’)は、CMYKの多値データ、ここでは一例として8ビットデータが選択され、それぞれチャネル0〜3に出力される。その時の画像フォーマットを、図15(c)に示す。ここでは、1画素8bitのデータが示されている。さらに、メモリ(MEM)(17)に格納される様子は、図16(c)のようになる。
スキャナアプリACS(原稿自動選択)時(SEL=‘3’or‘4’)について次に述べる。
読み取り原稿の画像を、図1に示唆するコントローラ側のハードディスク(HDD)(18)やPC(16)に取り込むスキャナアプリにおいて、原稿がモノクロ原稿と、カラー原稿と、が混載している場合、モノクロ原稿は、モノクロ2値で、カラー原稿は、RGBの多値で取り込みたいという要求が強い。このような使い方は、モノクロ原稿は、黒白の2値で十分だが、カラー原稿は、色情報まできれいに読み取りたい場合など、一般に頻繁に使用されることになる。
まず、読み取り原稿の画像を、図1に示唆するコントローラ側ハードディスク(HDD)(18)やPC(16)に取り込むスキャナアプリにおいて、原稿がモノクロ原稿と、カラー原稿と、が混載している場合に、モノクロ原稿は、モノクロ2値で、カラー原稿は、RGBの多値で取り込む場合に、図13に示唆するセレクタ(40)の出力は、図14に示唆するように、スキャナアプリ時のACSモードを設け、この場合のSEL=‘3’のときには、チャネル0〜2には、図10、あるいは、図11の主走査変倍(36)からのRGB多値データを出力させ、チャネル3には、RGBのGデータ(黒成分とみなす)に対して、2値化(37)し、パッキング(38)後のGの2値データを出力させる。そして、これらの4チャンネル分の画像データを、図1に示唆するコントローラ側メモリ(MEM)(17)に転送し、格納する。このとき、セレクタ(40)から出力されるデータフォーマットを、図15(d)に、コントローラ側メモリ(MEM)(17)のマッピングの様子を、図16(d)に示唆する。このときのコントローラ側の処理フローは、図17に示唆する通りとなる。以下、図17を参照しながら、コントローラ側の処理動作について説明する。
まず、原稿読み込みをスタートさせ、原稿読み込みが終了したか否かを判定する。この判定により、原稿読み込みが終了したと判定した場合は、ACS結果をリードし、カラー原稿か否かを判定することになる。そして、カラー原稿であると判定した場合は、RGB画像データを最終データとして処理することになる。また、カラー原稿でないと判定した場合は、2値化データを最終データとして処理することになる。
これにより、読み取った原稿が、カラー原稿と判明した場合は、メモリ(MEM)(17)に格納されたRGBの多値データを使用し、2値データは無効とされ捨てられることになる。一方、読み取った原稿が、モノクロ原稿と判明した場合は、メモリ(MEM)(17)に格納されたKの2値データを選択し、使用され、RGBの多値データは、無効とされ捨てられることになる。
次に、読み取り原稿の画像を、図1に示唆するコントローラ側ハードディスク(HDD)(18)やPC(16)に取り込むスキャナアプリにおいて、原稿がモノクロ原稿と、カラー原稿と、が混載している場合、モノクロ原稿は、モノクロ多値で、カラー原稿は、RGBの多値で取り込む場合について述べる。このとき、図13に示すセレクタ(40)の出力は、図14に示唆するように、スキャナアプリ時のACS多値モードを設け、この場合のsel=‘4’のときには、チャネル0〜2には、図10、あるいは、図11に示唆する主走査変倍(36)からのRGB多値データを出力させ、チャネル3には、RGBの多値データから色補正ブロック(39)内で最適処理された黒の多値データを出力させることになる。そして、これらの4チャンネル分の画像データを、図1に示唆するコントローラ側メモリ(MEM)(17)に転送し、格納する。このとき、セレクタ(40)から出力されるデータフォーマットを、図15(e)に、コントローラ側メモリ(MEM)(17)のマッピングの様子を図16(e)に示唆する。このときのコントローラ側の処理フローは、図18に示す通りとなる。以下、図18を参照しながら、コントローラ側の処理動作について説明する。
まず、原稿読み込みをスタートさせ、原稿読み込みが終了したか否かを判定する。この判定により、原稿読み込みが終了したと判定した場合は、ACS結果をリードし、カラー原稿か否かを判定することになる。そして、カラー原稿であると判定した場合は、RGB画像データを最終データとして処理することになる。また、カラー原稿でないと判定した場合は、黒多値データを最終データとして処理することになる。
これにより、読み取った原稿が、カラー原稿と判明した場合は、メモリ(MEM)(17)に格納されたRGBの多値データを使用し、黒多値データは無効とされ捨てられることになる。一方、読み取った原稿が、モノクロ原稿と判明した場合は、メモリ(MEM)(17)に格納された黒多値データを選択し使用し、RGBの多値データは無効とされ捨てられることになる。ここで、図10のACS対応の場合、副走査変倍、及び、主走査変倍を実行した後、そのままRGBデータとして、一部はモノクロ2値化データ、あるいは、モノクロ多値データとして出力されるため、双方のデータの変倍率は同じとならざるを得ない。これでは、ユーザの欲しいデータとしては不十分となる。
図19は、A4サイズ原稿を600dpi解像度で読み取り、400dpiのスキャナ画像を得る場合である。A4サイズは、210mm×297mmでこれを600dpiの解像度で読み取ると、4960画素×7016画素となる。1画素8ビットでRGBを読み取ると、トータルで99.6MByteとなる。このままでは、画像サイズが大き過ぎるので、400dpiに変倍(変倍率66.7%)すると、カラー原稿では、図19(b)に示唆するように、44.3MByteとなり、モノクロ原稿では、図19(c)に示唆するように5.53MByteとなる。
図20は、A4サイズ原稿を600dpi解像度で読み取り、200dpiのスキャナ画像を得る場合である。読み取り画像から200dpiに変倍(変倍率33.3%)すると、カラー原稿では、図20(b)に示唆するように11.1MByteとなり、モノクロ原稿では、図20(c)に示唆するように1.38MByteとなる。
特開2003−162382号公報
次に、第2の実施例について説明する。
なお、図2に示唆するIPU(3)における本発明の第2の実施例を図22に示唆する。
図22と、図11と、の違いとして、図22では、副走査変倍(35)と、2値化(37)及び色補正(39)用のセレクタ(44)、主走査変倍(36)と、セレクタ(40)入力用のセレクタ(45)、主走査変倍(43)と、を別々に設けたことである。
ここで、図23に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は300dpi多値データで、モノクロ原稿時は、200dpi2値データで読み取る場合について、図22にて説明する。
まず、図23のカラー原稿時の変倍率50.0%と、モノクロ原稿時の変倍率33.3%から、50.0%の方が、変倍率が大きいため、この50.0%の副走査の変倍を読取ユニット(1)内のスキャンユニットの移動速度調整でメカ的に実行する。今、50.0%なので、等倍時よりスキャンユニットの移動速度を2.0倍早く(=600/300)することで、50.0%の副走査変倍後の画像データを読取ユニット(1)にて得ることができる。この後、カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、セレクタ(45)にてフィルタ(34)後の画像データを選択し、主走査変倍(43)にて50.0%変倍を行い、セレクタ(40)に出力する。
一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)にて66.7%変倍(300dpi→200dpi)を行い、セレクタ(44)にて副走査変倍(35)後のデータを選択し、主走査変倍(36)にて33.3%変倍を行い、これらを2値化(37)後、パッキング(38)してセレクタ(40)に出力する。
セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘3’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ2値データを出力する。このとき、RGB多値データは、50.0%変倍、モノクロ2値データは、33.3%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
次に、図24に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は、200dpi多値データで、モノクロ原稿時は、300dpi2値データで読み取る場合について、図22にて説明する。
まず、図24のカラー原稿時の変倍率33.3%と、モノクロ原稿時の変倍率50.0%から、50.0%の方が、変倍率が大きいため、この50.0%の副走査の変倍を読取ユニット(1)内のスキャンユニットの移動速度調整でメカ的に実行する。
今、50.0%なので、等倍時よりスキャンユニットの移動速度を2.0倍早く(=600/300)することで、50.0%の副走査変倍後の画像データを、読取ユニット(1)にて得ることが可能となる。この後、カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)にて66.7%変倍(300dpi→200dpi)を行い、セレクタ(45)にて副走査変倍(35)後のデータを選択し、主走査変倍(43)にて33.3%変倍を行いセレクタ(40)に出力する。
一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、セレクタ(44)にてフィルタ(34)後のデータを選択し、主走査変倍(36)にて50.0%変倍を行い、これらを2値化(37)後、パッキング(38)してセレクタ(40)に出力する。セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘3’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ2値データを出力する。このとき、RGB多値データは、33.3%変倍、モノクロ2値データは、50.0%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
このように、本発明にかかる複合機能デジタル複写機は、原稿がカラー原稿のときの変倍率と、原稿がモノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する際に、変倍率の大きい方の変倍を、読取ユニットの読み取り速度の調整で行い、変倍率が小さい方の変倍は、読み取り速度の調整による変倍率にデジタルデータ処理により実行する変倍の変倍率を乗じた値で実行することで、カラー原稿のときの変倍率と、モノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する場合、変倍率の大きい方を読取ユニット内のスキャンユニットの移動速度の調整で行い、変倍率の小さい方の変倍をスキャンユニットの移動速度による変倍率にデータ処理による変倍率の積で実現できるため、画像処理ユニット(IPU)内で副走査変倍器を減らすことができ、回路規模を低減化することが可能となる。
また、カラー原稿のときの変倍率がモノクロ原稿の変倍率より大きい場合は、モノクロ画像の画像処理で変倍器を介すように画像パスを選択し、一方、カラー原稿のときの変倍率がモノクロ原稿の変倍率より小さい場合は、カラー原稿画像の画像処理で変倍器を介すように画像パスを選択することで、カラー原稿のときの変倍率と、モノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する場合に、変倍率の大きい方を読取ユニット内のスキャンユニットの移動速度の調整で行い、変倍率の小さい方の変倍をスキャンユニットの移動速度による変倍率にデータ処理による変倍率の積で実現できるため、画像処理ユニット(IPU)内で必要な副走査変倍器を必要最低限持ち、任意に選択できるようにしているため、回路規模を低減化することが可能となる。
次に、図25に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は、300dpi多値データで、モノクロ原稿時は、200dpi多値データで読取る場合について、図21にて説明する。
カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(42)、及び、主走査変倍(43)にて50.0%変倍を行い、セレクタ(40)に出力する。一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)、及び、主走査変倍(36)にて33.3%変倍を行い、この後のモノクロ多値データに対して色補正(39)を行い、セレクタ(40)に出力する。セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘4’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ多値データを出力する。このとき、RGB多値データは50.0%変倍、モノクロ多値データは、33.3%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
次に、図26に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は、200dpi多値データで、モノクロ原稿時は、300dpi多値データで読み取る場合について、図21にて説明する。
カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(42)、及び、主走査変倍(43)にて33.3%変倍を行い、セレクタ(40)に出力する。一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)、及び、主走査変倍(36)にて50.0%変倍を行い、色補正処理(39)後、セレクタ(40)に出力する。
セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘4’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ多値データを出力する。このとき、RGB多値データは、33.3%変倍、モノクロ多値データは、50.0%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
このように、本発明にかかる複合機能デジタル複写機は、同一の原稿画像に対し、単一の読取ユニットにより一回の読み取り走査でR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各色成分の多値データと、黒成分の多値データと、を生成し、メモリ(MEM)へ格納すると同時に、上記読み取った原稿が、モノクロ原稿か、または、カラー原稿か、を識別する機能を有し、上記読み取った原稿が、モノクロ原稿と判定した場合は、メモリ(MEM)に格納された黒成分の多値データを選択し、上記読み取った原稿が、カラー原稿と判定した場合は、メモリ(MEM)に格納されたRGBの多値データを選択し、有効画像データとして処理し、RGBの各色成分の多値データ生成用の、拡大、あるいは、縮小を行う変倍機能と、黒成分の多値データ生成用の、拡大、あるいは、縮小を行う変倍機能と、を別々に持ち、RGBの各色成分多値データと、黒成分の多値データと、の各々に異なった変倍率を設定し、変倍を行うことで、読取り原稿としてカラー原稿と、モノクロ原稿と、が混載されている場合で、カラー原稿のときはRGB多値データをある所定の解像度で、また、モノクロ原稿のときは、モノクロ多値データでカラー原稿とは異なる解像度の画像データを要求している場合に、1スキャンで必要な画像データを高速に得ることが可能となる。また、カラー原稿と、モノクロ原稿と、の解像度を別々に設定できるため、原稿の種類に応じて最適な画像ファイルサイズを選ぶことができ、ファイルを格納するメモリの容量を削減し、ユーザの所望するデータを高速に得ることが可能となる。
次に、図25に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は、300dpi多値データで、モノクロ原稿時は、200dpi多値データで読み取る場合について、図22にて説明する。
まず、図25のカラー原稿時の変倍率50.0%と、モノクロ原稿時の変倍率33.3%から、50.0%の方が、変倍率が大きいため、この50.0%の副走査の変倍を読取ユニット(1)内のスキャンユニットの移動速度調整でメカ的に実行する。
今、50.0%なので、等倍時よりスキャンユニットの移動速度を2.0倍早く(=600/300)することで、50.0%の副走査変倍後の画像データを読取ユニット(1)にて得ることが可能となる。この後、カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、セレクタ(45)にてフィルタ(34)後の画像データを選択し、主走査変倍(43)にて50.0%変倍を行い、セレクタ(40)に出力する。
一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)にて66.7%変倍(300dpi→200dpi)を行い、セレクタ(44)にて副走査変倍(35)後のデータを選択し、主走査変倍(36)にて33.3%変倍を行い、色補正処理(39)後、セレクタ(40)に出力する。
セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘4’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ多値データを出力する。このとき、RGB多値データは、50.0%変倍、モノクロ多値データは、33.3%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
次に、図26に示唆するように、600dpi読み取り原稿に対して、カラー原稿時は、200dpi多値データで、モノクロ原稿時は、300dpi多値データで読み取る場合について、図22にて説明する。
まず、図26のカラー原稿時の変倍率33.3%と、モノクロ原稿時の変倍率50.0%から、50.0%の方が、変倍率が大きいため、この50.0%の副走査の変倍を読取ユニット(1)内のスキャンユニットの移動速度調整でメカ的に実行する。
今、50.0%なので、等倍時よりスキャンユニットの移動速度を2.0倍早く(=600/300)することで、50.0%の副走査変倍後の画像データを読取ユニット(1)にて得ることが可能となる。この後、カラー原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、副走査変倍(35)にて66.7%変倍(300dpi→200dpi)を行い、セレクタ(45)にて副走査変倍(35)後のデータを選択し、主走査変倍(43)にて33.3%変倍を行い、セレクタ(40)に出力する。
一方、モノクロ原稿の場合の画像処理パスは、フィルタ(34)後、セレクタ(44)にてフィルタ(34)後のデータを選択し、主走査変倍(36)にて50.0%変倍を行い、モノクロ多値データに対して色補正処理(39)後、セレクタ(40)に出力する。
セレクタ(40)は、図14のスキャナアプリACS(SEL=‘4’)に示唆するように、チャネル0〜2に、RGB多値データを、チャネル3に、モノクロ多値データを出力する。このとき、RGB多値データは、33.3%変倍、モノクロ多値データは、50.0%変倍された画像となり、各々変倍率の異なる画像データを得ることが可能となる。
このように、本発明にかかる複合機能デジタル複写機は、原稿がカラー原稿のときの変倍率と、原稿がモノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する際に、変倍率の大きい方の変倍を、読取ユニットの読み取り速度の調整で行い、変倍率が小さい方の変倍は、読み取り速度の調整による変倍率にデジタルデータ処理により実行する変倍の変倍率を乗じた値で実行することで、カラー原稿のときの変倍率と、モノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する場合、変倍率の大きい方を読取ユニット内のスキャンユニットの移動速度の調整で行い、変倍率の小さい方の変倍をスキャンユニットの移動速度による変倍率にデータ処理による変倍率の積で実現できるため、画像処理ユニット(IPU)内で副走査変倍器を減らすことができ、回路規模を低減化することが可能となる。
また、カラー原稿のときの変倍率がモノクロ原稿の変倍率より大きい場合は、モノクロ画像の画像処理で変倍器を介すように画像パスを選択し、一方、カラー原稿のときの変倍率がモノクロ原稿の変倍率より小さい場合は、カラー原稿画像の画像処理で変倍器を介すように画像パスを選択することで、カラー原稿のときの変倍率と、モノクロ原稿のときの変倍率と、を別々に設定する場合に、変倍率の大きい方を読取ユニット内のスキャンユニットの移動速度の調整で行い、変倍率の小さい方の変倍をスキャンユニットの移動速度による変倍率にデータ処理による変倍率の積で実現できるため、画像処理ユニット(IPU)内で必要な副走査変倍器を必要最低限持ち、任意に選択できるようにしているため、回路規模を低減化することが可能となる。
なお、上記の実施例は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施例は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態で実施することは可能である。例えば、上述した実施例は、画像形成装置単体での処理動作について説明したが、複数の画像形成装置を連結させた連結画像形成システムにも本実施例は適用可能である。また、上述した実施例の画像形成装置における処理動作は、画像形成装置に組み込まれたコンピュータプログラムにより実行することも可能であり、例えば、このプログラムを、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または、半導体等の記録媒体に記録し、該記録した記録媒体から画像形成装置に読み込むことで、本実施例の画像形成装置における処理動作を実施することは可能となる。また、所定のネットワークを介して接続されている外部の接続機器から画像形成装置にダウンロードすることでも本実施例の画像形成装置における処理動作を実施することは可能である。