JP2004112140A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スキャン時の画像処理において像域分離データ(文字・写真、色、網点有無)を取得し、HDD12にスキャン画像に付加して蓄積する。配信要求によりHDDから外部PCに配信する画像に対し、像域分離データを用いて各像域に適合する処理条件を設定(ガンマ補正141では文字部の高解像性、写真部の高階調性を保ち、色補正142ではYMCKからRGB系の画像データへの変換の際に色文字、黒文字、網点絵柄の各部に適したパラメータを用い、階調処理では写真部を2値化する)した補正・変換処理を行い、最適化を図る。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク接続したデジタルカラー複写機等のように、カラー原稿の読み取りが可能な手段(スキャナ)を持ち、その読み取り画像データをPC等の利用端末に配信する機能を持つ画像処理装置(システム)に関し、特定すると、原稿画像が文字・写真のような異なる画像種を1画像に像域を分けて持つ画像である場合に、各々の像域に適合する処理条件を設定することにより、画質の劣化を起こさずに、必要なデータを効率よく配信し得る画像データの処理を可能にする手段を備えた前記画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機においてはネットワーク化が進み、複写機が持つ機能をネットワーク接続した他の端末から利用することが可能になってきている。例えば、デジタルカラー複写機にネットワーク接続されたコンピュータ等の他の利用端末へ、複写機のスキャナ部で読み取った画像データを配信する機能が提案され、徐々に活用され始めてきている。
この機能は、一般に配信スキャナ機能と呼ばれている。この機能を使用する場合に、複写機側或いは配信先であるコンピュータ端末から各種の読み取り条件を設定し、設定された読み取り条件に従いスキャナを動作させ、読み取った原稿画像データに所定の処理を施し、配信先に転送するという動作を行う。
この配信スキャナ機能を利用する際に、読み取り条件の設定に従って行われる画像読み取り・画像処理等に関する従来例として、下記特許文献1を示すことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−333026号公報
【0004】
特開2000−333026号には、複写機等の画像形成装置において、プリント・サーバやスキャン画像のサーバとして、機能の拡張を図るために、汎用コンピュータシステムのアーキテクチャをベースにした拡張ボックスを装備させたシステムが提案されている。ここでは、スキャンした画像を拡張ボックス内のハードディスク装置に蓄積し、そこに蓄積された画像ファイルをネットワークに接続されたコンピュータシステムで共有し、その利用を各サーバ機能により実現できることが示されている。
また、特許文献1には、スキャン・ボックス機能(スキャン画像をクライアントコンピュータへ配信する機能の一つ)を利用する場合のスキャン画像の処理について示されている。ここでは、操作入力により設定された処理条件に従って、原稿の読み取り、スキャン原稿画像の処理を行うとしているが、スキャン・ボックス機能は、印刷出力を必ずしも予定していない場合に用いることから、印刷出力に必要になるYMCK系のデータフォーマットを生成せずに、つまり、スキャン画像のRGB系からYMCK系への色変換や階調補正などは省略し、処理後のRGB系データをスキャン・ボックスに蓄積している。その後、ネットワークのクライアントコンピュータは、スキャン・ボックスから、画像データを蓄積時のRGB系のデータのまま取り出し、自身が持つ保存先であるローカル・ディスク等に転送している。クライアントコンピュータでは、転送されてきたRGB系のデータに基づいて、モニタ・ディスプレイでスキャン画像を閲覧することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の配信スキャナ機能では、上記特許文献1にも見られるように、配信先がコンピュータ端末である場合を考慮して、その利用が可能なRGB系のデータ形式で画像データを配信している。
ところで、配信スキャナ機能を利用する場合、上記特許文献1におけるスキャン・ボックス機能のようにYMCK系への変換を省略しRGB系で画像蓄積する方法によらずに、複写機側の利用を優先して、スキャン画像を先ず一旦YMCK系の画像データで蓄積する方法を採用する場合も多い(上記特許文献1のプリント・サーバ機能を開示する実施例にも示されている)。
このYMCK系の画像データで蓄積する方法を採用する場合に、配信スキャナ機能を利用しようとする際には、一般的には、YMCK系の画像フォーマットから、RGB系の画像フォーマットに変換してネットワークへの配信を行っている。
しかしながら、RGB系に変換する方式では、CMYK画像の全面にわたり一括してRGB画像フォーマットへの変換が行なわれている。つまり、画像内に含まれる画像種を考慮せずに一定の処理条件を全面に適用して補正・変換等の処理を行っている。従って、画像が文字・写真、色、網点有無の画像種を異にする画像部分を持つ画像であっても、その違いに一切関係なく同じフォーマット変換が行なわれる為、フォーマット変換後の画像をクライアント側で画像閲覧したときの画質が悪くなる場合がある、という不具合が生じていた。また、画像種に適合した処理条件を用いないために、無駄なデータを配信し、システムの効率を低下させる不具合が生じる場合があった。
本発明は、上述の従来技術における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、カラー原稿の読み取りが可能な手段(スキャナ)を持ち、読み取った画像データを一旦格納した後、コンピュータ等の利用端末に配信する機能を持つ画像処理装置において、画像内に複数の画像種が含まれる画像を配信する際に、配信するスキャン画像に対し、画像内に含まれる各画像種に適合した補正・変換処理を施すことにより、利用側で画質の劣化を起こさず、必要なデータを効率よく配信し得、配信機能の利用の最適化を可能にする前記画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿から読み取られた画像データと該原稿画像データ内を画像種により分離する像域分離データとを関連付けて格納する手段と、画像データを設定が可変な処理条件に従い処理する画像処理手段と、該画像処理手段により処理した画像データを通信媒体を介して送信する送信手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記格納手段に格納した画像データを送信する際に、ガンマ補正、色変換、階調処理の少なくとも一つの処理を、前記像域分離データが示す各像域の画像データに対しそれぞれの画像種に適合する処理条件を設定した処理とし、処理後の画像データを汎用フォーマットに変換することを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記像域分離データに係わる画像種を、文字・写真、色、網点有無の各種別の少なくとも一つとすることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合するガンマ補正を行うことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真、色、網点有無の像域分離データに従って、各々の像域に適合する色補正を行うことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合する階調処理を行うことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明は、読み取った原稿画像データを格納する前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて記録媒体に複写画像を形成する手段を備えることにより、複写機能を複合させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された画像処理装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の画像処理装置を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。以下には、本発明の画像処理装置に係わる実施形態として、読み取り原稿画像を配信する機能を備えたデジタルカラー複写機へ実施した例を示す。
図1は、本実施形態に係わるデジタルカラー複写機のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すデジタルカラー複写機としての画像処理システム10は、コピー機能と配信スキャナ機能を備えるもので、コピー機能を実現する要素として、同図に示すように、コピー部13、システム全体の制御を司るシステム(スキャナ/プリンタ)コントローラ11、スキャン画像を格納・蓄積するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)12を有する。コピー部13には、原稿をカラー画像データとして読み取るスキャナ装置16、スキャン画像に対し利用側で用いる形態の画像データに処理する画像処理部17、画像データに基づいて記録媒体に複写画像を形成しコピー画像を出力するプリンタ装置18よりなるコピー・エンジン部15と、コピー・エンジン部15を制御するコピー・コントローラ19と、ユーザがコピーモード等の処理条件の設定や指令操作の入力を行う操作パネル20を有する。
配信スキャナ機能を実現する要素として、外部I/F用画像処理部14、外部I/F10fと、さらにコピー機能に共通に用いる要素として、システム(スキャナ/プリンタ)コントローラ11、HDD12、操作パネル20を有する。
【0013】
次に、上記した要素により構成されるデジタルカラー複写機の機能を動作とともに、より詳細に説明する。
先ず、コピー機能使用時の処理に関する動作を説明する。
スキャナ装置16は、CCD(光電変換素子)を用いた原稿走査ユニットにより、原稿をスキャニングすることで、R,G,B(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)の3色よりなる色成分のデジタル画像データを生成する。
スキャナ装置16により生成されたRGB画像データは、画像処理部17に入力される。ここでは、RGB画像データに後段のプリンタ装置18でコピー画像を出力するために用いる画像データへ変換・補正等の処理を施す。
図2は、画像処理部17内の処理部の構成をより詳細に示す。
図2に示すように、画像処理部17は、スキャナ装置16から出力されたRGB画像データに対し、文字・写真判定、色判定、網点判定を行い、その像域を示す像域分離データを生成する像域分離部171と、RGB画像データの平滑化、強調を行なうフィルタ部172と、RGB画像データをC,M,Y,K(C:Cyan,M:Magenta,Y:Yellow,K:Black)の4色成分の画像データに変換する色補正部173と、プリンタ装置の特性に合わせた階調処理を行なう階調処理部174からなる。
【0014】
像域分離部171は、処理の対象になる画像が1画像中に文字・写真、色、網点・非網点という異なる画像種を持つ画像である場合に、それぞれの画像種の像域を判定し、像域分離データとして出力する。本実施形態では、像域分離部171内を図3に示すように、色判定部171c、網点検出部171m、エッヂ分離部171e、総合判定部171tの各処理部により構成する。
色判定部171cは、注目画素の有彩、無彩を判定するものであり、この機能を持つ既知の手段を適用することにより、実施することができる(例えば、特開2000−125140(段落[0126]〜[0145]、図16〜図18に関する記載、参照)。
網点検出部171mは、注目画素が網点か、非網点かを判定するものであり、また、エッヂ分離部171eは、注目画素がエッヂか非エッヂかを判定するものである。網点検出、エッヂ分離、いずれも、この機能を持つ既知の手段を適用することにより、実施することができる(例えば、特開平10−108012(段落[0011]〜[0017]、図2〜図5に関する記載、参照)。
総合判定部171tでは、網点検出部171mの判定結果(1:網点、0:非網点)と、エッヂ分離部171eの判定結果(1:エッヂ、0:非エッヂ)を受けて、図4に示すようにその判定を行なう。つまり、エッジ分離(1)かつ網点検出(0)であれば、文字領域信号を発生し、エッヂ分離(0)であれば、網点検出の結果に関係なく写真領域信号を発生する。なお、上記で“写真”領域と表現しているが、実体は上記した条件を満たす領域を指し、これを絵柄領域といっても良いが、ここでは“写真”領域と表現する。
このようにして、像域分離部171は、像域分離データとして文字・写真判定信号、色判定信号、網点信号を発生する。
【0015】
フィルタ部172は、スキャン画像に対し像域分離部171が出力する文字・写真判定信号を用いて、注目画素が文字領域に属する画素であれば、強調処理を施し、写真領域に属する画素であれば、スムージング処理を施して、次の色補正部173にRGB信号を出力する。
色補正部173では、受け取ったRGB信号をCMYK信号に変換し、変換後のCMYK信号をシステム・コントローラ11の操作により一旦HDD12に蓄積する。これは、スキャン画像を用いてコピーのプリントアウトをする時に、紙詰まりを発生し印字を正常に終了しなかった場合においても、再びスキャナで原稿を読み直すことを避けるためであったり、ソート処理を行うためである。
また、HDD12へのスキャン画像データの蓄積時には、蓄積データとして、色補正部173からの出力であるCMYK信号と、像域分離部171からの像域分離データ(文字・写真判定信号、色判定信号、網点検出信号)を記録する。記録された像域分離データは、後述する配信スキャナ機能使用時の動作に用いる。なお、HDD12へ蓄積するスキャン画像データ(CMYK信号)に対し、データ圧縮を行なってデータ量の削減を図ってもよい。
コピー動作としては、色補正部173からのCMYK信号出力を直接、階調処理部174に入力する場合もあるが、上記のように一旦HDD12へ蓄積する場合には、HDD12から取り出して、階調処理部174に入力する。階調処理部174では、入力CMYK信号に対してプリンタ装置の特性に合った階調処理(γ補正、ディザパターンへの変換等)を施す。処理後のCMYK信号を受け取るプリンタ装置18は、このCMYK信号に基づいて記録媒体に複写画像を形成しコピー画像を出力する。
【0016】
次に、配信スキャナ機能使用時の処理に関する動作を、配信時に用いる手段に関する補足をして、説明する。
本発明は、スキャン画像(CMYK信号)を一旦記憶手段(HDD)に格納した後、配信スキャナ機能の使用時に、配信するスキャン画像に対し、画像内に含まれる各画像種に適合した補正・変換処理を施すことにより、PC・WS・サーバなど利用側の各端末で画質の劣化を起こさず、必要なデータを効率よく配信し得、配信機能の利用の最適化を図ることをその目的としている。
このために、本実施形態では、HDD12へ蓄積したCMYK信号のスキャン画像データに対し配信時に、外部I/F用画像処理部14により、上記の像域分離部171で生成され、HDD12に画像データとともに記録された像域分離データ(文字・写真判定信号、色判定信号、網点検出信号)を利用して補正・変換処理を行う。
補正・変換処理の内容は、
(1) 像域の文字部分の解像性の重視と、写真部分の高階調性を両立させる。
(2) 色文字部分の画質向上を図る。
(3) 網点絵柄部の画質向上を図る。
という点にあり、このための手段を用意する。
図5は、配信スキャナ機能使用時の処理に係わる部分のシステム構成を詳細に示した本機(図1参照)のブロック図である。
図5に示すように、外部I/F用画像処理部14は、CMYK画像データのガンマ補正を行なうガンマ補正部141、CMYK系からRGB系へ色補正を行なう色補正部142、色補正後のRGB画像データをJPEGやBMP形式への汎用フォーマットへの変換等を行なう外部出力用処理部147からなる。
【0017】
次いで、図5を参照して、配信までの画像処理の流れを説明する。
本実施形態では、外部I/F10fを介してPC・WS・サーバーなどの各端末からの配信要求の指令により配信機能を起動させ、HDD12に蓄積されている画像データから指定されたファイルを取り出し、その画像データに必要な処理を施した後、配信要求をした端末に配信する、という手順により動作する。ただし、例示した形態に限らず、スキャナ装置16で原稿を読み取る動作から開始するような手順で行うような対応にしても良い。また、本機の操作パネル20からの入力操作により発せられる配信要求の指令により、例示すると同様の配信スキャナ機能の動作を行うことを可能にしても良い。
外部端末からの配信要求の指令に従って、画像データに対して配信処理が指示されると、システムコントローラ11は、HDD12に格納された画像データ(圧縮画像データであれば、それを伸長し復元した画像データ)と像域分離データ(文字・写真判定信号、色判定信号、網点検出信号)を取り出し、これらのデータを配信画像データとしての画像処理を施すために、外部I/F用の画像処理部14に入力する。
【0018】
まず、最初にガンマ補正部141にCMYKの画像データと、像域分離データである文字・写真判定信号が入力されると、ガンマ補正部141では、文字・写真判定信号によってガンマ補正における処理条件の設定を切り替える。例えば、文字判定信号を有する文字部分の像域においては、図6(a)ような、ほぼS字状のガンマカーブを用いて補正を行ない、黒を強調することにより、高解像性を得るようにする。また、写真判定信号を有する写真部分の像域においては、図6(b)のような、リニアなガンマカーブを用いることにより、高階調性を保つ。このように、文字部と写真部の各像域に適合した処理条件に切り替えることにより、画像全体の高画質を維持することを可能にする。
ガンマ補正されたCMYK画像データは、次に色補正部142に入力される。この際に、像域分離データである文字・写真判定信号、色判定信号、網点検出信号も同時に色補正部142に入力する。
色補正部142では、像域分離データの3種の信号によって、入力されたCMYK系の画像データから配信出力するRGB系の画像データへ変換する際の色変換パラメータの設定を切り替える。例えば、3種の像域分離データから図7の表に示すように色文字、黒文字、網点絵柄といった3つの画像データの種別を判定し、この3つの判定種別にしたがって、色補正のパラメータを切り替える。
つまり、色文字と判定された(エッジ分離(1)かつ網点検出(0)かつ色判定(1))画素においては、彩度が高くなるような設定でRGB画像データへの変換を行う。
黒文字と判定された(エッジ分離(1)かつ網点検出(0)かつ色判定(0))画素においては、RGBの各値が等しくなるような設定でRGB画像データへの変換を行う。網点絵柄と判定された(網点検出(1)であれば、エッジ分離と色判定の結果は関係なし)画素においては、網点絵柄部分に適したパラメータの設定でRGB画像データへの変換を行う。
このように、文字部と写真部で処理を異ならせ、さらに文字部においては色文字と黒文字の区別がつきやすいRGB画像データに変換され、また網点絵柄部分においても最適設定で変換が行われて、高画質を保った形態の画像データとして外部出力用処理部147に出力する。
【0019】
外部出力用処理部147は、前段で色補正により変換されたRGB画像データ入力をさらに外部I/F10fに適合する画像データに変換する。そのために、図5に示すように、階調処理部143〜145と画像フォーマット変換部146を有する。この外部出力用処理部147の処理を経て、外部I/F10fへ出力する画像データの形態は、PC・WS・サーバーなどの取り込み側において任意に指定でき、例えば、TIFFやJPEGなどの汎用の画像フォーマットに変換するのが一般的である。指定された形態に従い変換されたデータが外部I/F10fに接続されている各端末へ配信されることになる。
ここで、スキャン画像の配信に関連した外部出力用処理部147の機能について詳細を説明する。
外部出力用処理部147には、入力配信画像データに対し階調処理を行う手段として、単純2値化処理143、2値ディザ144、多値ディザ145といった処理部を用意し、各処理部へ画像データとともに像域分離データである文字・写真判定信号を入力する。
ここで行う階調処理の一つは、例えば、ユーザーが、HDD12に蓄積された画像データを端末側でOCR(Optical Character Reader)などを用いて文字認識を行いたい場合において都合の良いデータ形態である2値化データへの変換処理である。
ここでは、色補正部142の処理後のデータに対し、そのデータに関連付けられている文字・写真判定信号を用いることにより、文字の像域の画像データについては、2値化の閾値を低く設定して、単純2値化処理部143により2値化処理を施す。このように文字の像域で2値化の閾値を低く設定することで、低濃度の文字であっても文字部の再現性をよくすることができ、OCRの認識率を上げることができる。また、多値データを2値化して扱うことによりデータ量を削減することができ、画像データの圧縮率も良くなり、データ量をさらに削減することができ、データ転送時間や転送先のメモリの使用効率を低下させる。また、中間調処理が無いのでハードとしても小さくすることができる。
また、2値ディザ処理144や多値ディザ145の各階調処理部を用いる場合、色補正部142の処理後のデータに対し、そのデータに関連付けられている文字・写真判定信号を用いて、文字の像域の画像データと、写真の像域の画像データにおいて、ディザパターンを変更してディザ処理をする。即ち、画像データの文字像域に2値ディザ処理144を、また、写真像域に多値ディザ145を適用することにより、文字部分の解像力が低下せず、写真部分の階調性が維持される。
上記の階調処理を行った後、画像フォーマット変換部146によってTIFFやJPEGといった汎用フォーマットに変換するので、配信先の各端末でスキャン画像の閲覧をしたり、編集を行ったりすることが容易になる。
【0020】
【発明の効果】
(1) 請求項1,2の発明に対応する効果
蓄積された原稿画像の配信の際に、配信画像に係わる像域分離データが示す各像域の画像データに対してそれぞれの画像種に適合する処理条件を設定して、ガンマ補正、色変換、階調処理の少なくとも一つを行うようにしたことにより、配信先で利用する画像に画質の劣化が生じることなく、配信機能の利用の最適化を図ることが可能になる。また、像域分離データに係わる画像種を、文字・写真、色、網点有無の各種別の少なくとも一つとすることにより、請求項1の発明をより有効な形態で実施化することが可能になる。
(2) 請求項3の発明に対応する効果
文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合するガンマ補正を行うようにしたことにより、文字部分の像域において高解像性を得、写真部分の像域において高階調性を保つようにし、画像全体の高画質を維持することを可能にする。
(3) 請求項4の発明に対応する効果
文字・写真、色、網点有無の像域分離データに従って、各々の像域に適合する色補正を行うようにしたことにより、色文字部分、黒文字部分、網点絵柄部分のそれぞれにおいて高画質を維持することが可能になる。
(4) 請求項5の発明に対応する効果
文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合する階調処理を行うようにしたことにより、文字部分の像域において再現性を良い処理を適用して、データ量を削減することが可能になり、また、文字の像域の画像データと、写真の像域の画像データにおいて、それぞれに適合するディザパターンを用いて、文字部分の解像力を低下させず、写真部分の階調性の維持を可能にする。
(5) 請求項6の発明に対応する効果
複写機能を複合させた画像処理装置において、上記(1)〜(4)の効果を実現することにより、画像処理装置の性能を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるデジタルカラー複写機のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理部の内部構成を示す。
【図3】図2の像域分離部の内部構成を示す。
【図4】像域分離部における画像種(文字・絵柄)の像域判定規則を示す。
【図5】配信スキャナ機能使用時の処理に係わる部分のシステム構成を詳細に示した本機(図1参照)のブロック図である。
【図6】図5のガンマ補正処理部に用いる補正値を示す。
【図7】外部I/F用画像処理部の色補正に用いる画像種の像域判定規則を示す。
【符号の説明】
10…画像処理システム、 11…スキャナ/プリンタ・コントローラ、
12…HDD、 13…コピー部、
14…外部I/F用画像処理部、 15…コピー・エンジン部、
16…スキャナ装置、 17…画像処理部、
18…プリンタ装置、 19…コピー・コントローラ、
20…操作パネル、 10f…外部I/F、
141…ガンマ補正部、 142…色補正部、
143…単純2値化処理部、 144…2値ディザ処理部、
145…多値ディザ処理部、 146…画像フォーマット変換部、
171…画像処理部、 172…フィルタ処理部、
173…色補正部、 174…階調処理部。
Claims (6)
- 原稿から読み取られた画像データと該原稿画像データ内を画像種により分離する像域分離データとを関連付けて格納する手段と、画像データを設定が可変な処理条件に従い処理する画像処理手段と、該画像処理手段により処理した画像データを通信媒体を介して送信する送信手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記格納手段に格納した画像データを送信する際に、ガンマ補正、色変換、階調処理の少なくとも一つの処理を、前記像域分離データが示す各像域の画像データに対しそれぞれの画像種に適合する処理条件を設定した処理とし、処理後の画像データを汎用フォーマットに変換することを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1に記載された画像処理装置において、前記像域分離データに係わる画像種を、文字・写真、色、網点有無の各種別の少なくとも一つとすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合するガンマ補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真、色、網点有無の像域分離データに従って、各々の像域に適合する色補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、文字・写真の像域分離データに従って、各々の像域に適合する階調処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
- 読み取った原稿画像データを格納する前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて記録媒体に複写画像を形成する手段を備えることにより、複写機能を複合させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された画像処理装置。
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