JP4332236B2 - 混合界面活性剤および会合性増粘剤を含有する水性組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、疎水性変性ポリマーを有する界面活性剤混合物の水性組成物に関する。特に、本発明は、選定された界面活性剤混合物を、疎水性変性ポリマーのレオロジー変性剤(増粘剤)とともに使用して、従来の界面活性剤/増粘剤の組み合わせ物では達成できない増加した増粘効率を提供することに関する。本発明の組成物は、装飾用および保護用の塗料、紙被覆剤、化粧品、パーソナル ケアーアイテム(personal care items)、洗剤、薬剤、接着剤、封入剤、農業用配合物、石油掘削用流体およびクリーナーのような種々な配合物の増粘剤として有用である。
【0002】
レオロジー変性剤または増粘剤は、水性系においていくつかの役割を有している。それらは、特定の加工条件下および最終用途の状態において、必要とするレベルに粘度を増加し、かつ粘度を維持する。ラテックスの装飾用塗料においては、例えば、増粘剤は改良された安定性、顔料分散性および塗布特性を提供する。化粧品およびパーソナル ケアー アイテムにおいては、増粘剤は、滑らですべすべした皮膚を与え、製品をより美的な好ましい物にする。石油掘削用流体においては、増粘剤は、切削物の分散を改良し、それらの除去効率を増加させる。
【0003】
天然および合成の両方を含めて多くのレオロジー変性剤が知られている。天然レオロジー変性剤には、例えばカゼイン、アルギネート、トラガカントゴム、および変性セルロース(これにはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボメトキシセルロースが包含される)が含まれている。これらの天然生成物は、増粘効率が変化し、一般的に劣った流動性および均展性を提供する。また、天然生成物は微生物の汚染を受け、抗菌剤を存在させることが必要である。合成レオロジー変性剤には、種々のアクリルポリマーおよび無水マレイン酸コポリマーが含まれる。これらのある種のものは、pHに依存することが見出され、他の物は加水分解に対して不安定であり、またある種のものは粘度を効果的に増加させるために多量の増粘剤を必要とし、他の物は水性塗料中に通常見出される種々の成分に感受性である。
【0004】
水性溶液の増粘性を改良するために種々の方法が使用されてきた。例えば、疎水性変性ウレタン−エトキシル化ポリマーの存在下における水性相に添加された界面活性剤の粘度についての効果は、M.Huldenにより“Colloids and Surfaces A:Physicochemical andEngineering Aspects, 82, pp 263−277(1996)”に開示されている。同様に、界面活性剤/増粘剤の相互作用は、C.E.Jonesにより“A Study of the Interaction of Hydrophobically−Modified Polyols with Surfactants”, Proceedings of the 4th World Surfactants Congress,CESIO,Barcelona,2,pp 439−450 (1996)、およびP.Reeveにより“Tailoring the Properties of Polymeric Rheology Modifiersto the Characteristics and Requirements of Personal Care Formulations”,Proceeding of International Federation of Society of Cosmetic Chemists,IFSCC, Budapest, April 1997 に開示されている。界面活性剤との共増粘剤としてマクロモノマーで変性したポリマーを使用する水性溶液の増粘性を改良するための他のやり方は、米国特許第5,292,843号に開示されている。
【0005】
本発明によって扱われる問題は、低使用量において、適合性の問題を起こさずに広範囲の配合物添加剤(例えば、界面活性剤、塩、および顔料)の存在において使用することができる増粘剤組成物を提供することによって、水性系の粘度を増加させるのに使用された従来方法の課題を解決することである。
【0006】
本発明により、
(a)(i)ノニオン性、アニオン性、カチオン性および両性イオン性の界面活性剤から選ばれた2種以上の界面活性剤、および
(ii)疎水性変性(hydrophobically−modified)ヒドロキシエチルセルロース、疎水性変性ノニオン性ポリオールおよび疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマーの1種以上から選ばれた少なくとも1種の会合性増粘剤(associative thickener)
を含む混合界面活性剤/会合性増粘剤;および
(b)水;
を含む水性組成物であって、2種以上の界面活性剤の第1の界面活性剤は第2の界面活性剤の計算HLB値よりも低い計算HLB値を有し、第1の界面活性剤のHLB値は少なくとも1.0HLB単位だけ第2の界面活性剤から異なっており;第1の界面活性剤:第2の界面活性剤の重量比は、30/70〜99.5/0.5であり;そして第1および第2の界面活性剤は、15.0HLB単位以下の重量平均HLB値を有している、前記の水性組成物が提供される。
【0007】
本発明により、更に、配合組成物の重量に基づいて、前述の混合界面活性剤/会合性増粘剤の0.05〜30重量%を含む配合組成物であって、前記の配合組成物は、ペイント配合物、塗料配合物、毛髪コンディショナー配合物、毛髪シャンプー配合物、アストリンゼン配合物、脱毛用配合物、日焼け止め用配合物、顔のメイキャップ用配合物、ハンドクリーム配合物、ハンドローション配合物、クリーニング配合物、掘削用流体配合物、織物柔軟剤配合物、織物仕上用配合物、酸性パーソナルケアー配合物、有害生物防除用配合物および農業用配合物から選ばれる、前記の配合組成物が提供される。
【0008】
他の態様において、本発明により、水性組成物の増粘効率を増加させる方法であって、水性組成物中に、
(a)前記水性組成物の重量に基づいて、ノニオン性、アニオン性、カチオン性および両イオン性の界面活性剤から選ばれた2種以上の界面活性剤の0.04〜30重量%、および
(b)前記水性組成物の重量に基づいて、疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース、疎水性変性ノニオン性ポリオールおよび疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマーの1種以上から選ばれた少なくとも1種の会合性増粘剤の0.01〜5重量%
を組み合わせて含み、
2種以上の界面活性剤の第1の界面活性剤は第2の界面活性剤の計算HLB値よりも低い計算HLB値を有し、第1の界面活性剤のHLB値は少なくとも1.0HLB単位だけ第2の界面活性剤から異なっており;第1の界面活性剤:第2の界面活性剤の重量比は、30/70〜99.5/0.5であり;そして第1および第2の界面活性剤は、15.0HLB単位以下の重量平均HLB値を有している、前記の水性組成物の増粘効率の増加方法が提供される。
【0009】
本発明者は、ある種の構造および性質の違いを有し、かつ選定された比で組み合わせた2種以上の界面活性剤の混合物を、水性系においてある種の疎水性変性ポリマーの増粘剤と組み合わせた場合に、ただ1種の界面活性剤と疎水性変性ポリマーの増粘剤との従来の組み合わせ物と比較したときに、予期できないほど改良された粘度特性を提供することを見出した。
【0010】
本明細書に使用されている言及されたすべての百分率は、特にことわりがなければ重量%を表している。用語「増粘効率を増加した/増加する」は、水性系の(例えば、ブルックフィールド粘度計によって測定されるような)観察された粘度が、比較のために使用された会合性増粘剤とただ1種の界面活性剤とを有する水性系の粘度以上に、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、そして更に好ましくは少なくとも50%増加することを意味する。用語「(メタ)アクリル」は、それらが酸、アミドまたはエステル誘導体の文言とともに使用した場合、アクリリックまたはメタクリリックであることを意味する。本明細書に使用されている用語「レオロジー変性剤(rheology modifier)」および「増粘剤」は、同様の意味で使用できるが、本明細書においては、用語「増粘剤」を使用する。本明細書に使用されている用語「水性組成物」は、水性ベースの組成物を意味し、実質的に水性である水性の溶液および組成物が含まれる。
【0011】
増粘剤は種々の案によって、例えば、それらが合成物であるかまたは天然から誘導された物であるかによって、分子上の荷電(アニオン性、ノニオン性またはカチオン性)、可溶性または膨潤性、そして「会合性」または「非会合性」によって、分類することができる。本明細書で使用される用語「会合性」増粘剤は、従来の界面活性剤と同様に疎水性会合が可能である化学的に結合した基を有する水溶性または水膨潤性のポリマーとして定義される。本明細書に使用されている結合した「疎水性物質または疎水性基」は、水不溶性を促進するすべての化学基であり、例えば、約4〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基およびアルアルキル基が含まれる。また、疎水性基には、例えば、ヒドロキシル反応体、アミノ反応体またはイソシアネート反応体(後述される)の炭化水素残基、およびポリエーテルアルコール反応体(後述される)の部分またはセグメント(segments)以外の部分またはセグメントを包含する水不溶性に寄与するポリマー反応生成物(後述される)のすべての部分またはセグメントが含まれる。
【0012】
本発明に興味のある増粘剤には、会合性タイプの増粘剤例えば、(1)疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)のような天然物から誘導されたノニオン性増粘剤、(2)疎水性変性ノニオン性ポリオール(HNP)のような合成により誘導されたノニオン性増粘剤、および(3)疎水性変性アルカリ可溶性(または膨潤性)エマルジョン(HASE)のような合成により誘導されたアニオン性増粘剤がある。
【0013】
会合性増粘剤は、それら自体で、界面活性剤と、またはそれらの環境内の他の不溶性(疎水性)部分と、会合できる。会合の効率は、ポリマー−ポリマーの相互作用、ポリマー−界面活性剤の相互作用およびポリマー−部分(moiety)の相互作用の間の平衡によって調節される。
【0014】
(1)疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース(HMHEC):
前述したような疎水性基(4〜30個の炭素原子を含有するアルキル基およびアルアルキル基)で変性したセルロース誘導体は、本発明に有用である。疎水性基は、典型的には、既知方法によって導入され、セルロースポリマー中の遊離ヒドロキシル基のいくつかの部分が官能化される。HMHECの例はセチルヒドロキシエチルセルロースである。
【0015】
(2)疎水性変性ノニオン性ポリオール(HNP):
ラテックス組成物の会合性増粘剤として使用されることが知られているポリエーテルウレタン(またはポリアルコキシル化ウレタン)は、HNPの1つのタイプであり、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの縮合ポリマーである。米国特許第4,079,028号には、ポリエーテルウレタン増粘剤のタイプおよびそれらの製造に関する一般的および具体的な詳細が述べられている。
【0016】
一般的に、ポリエーテルウレタンはそれらの末端基により特徴づけられる。末端基の1つのタイプは、末端イソシアネートとポリエーテルアルコールとの反応生成物であり、以後「ポリエーテル末端基」と称する。末端基の他のタイプは、末端イソシアネートと反応体との反応生成物であり、この末端基は更に重合できないし、またこの反応がいったん生起すると更にどんな反応にも寄与することはできないものであり、これを以後「非官能性末端基」と称する。ポリエーテルウレタンの末端基はどのようなシーケンスであってもよく、連続しており、そしてポリマーが、分枝鎖、星形または更に複雑な構造に導くようなさらなる末端基を含む可能性を排除しない。ポリエーテルアルコールと末端イソシアネートとの反応生成物であるすべての末端基については、ポリエーテル末端基は反応が生起した後は更に重合することができないよう、ポリエーテルアルコールは末端イソシアネートと反応できるただ1つの末端ヒドロキシル部分を有する。
【0017】
非官能性末端基は、末端イソシアネート基と反応できる1個の水素原子を含有する1個のみの基、例えば一官能性アルコール、一官能性アミン、一官能性酸または一官能性メルカプタンを有している、一官能性の反応体から誘導される。
【0018】
ポリエーテルウレタンは、非水媒質中で造られ、少なくとも反応体(a)および(c)の反応生成物であり、そしてポリマーは下記に示される反応体(b)および(d)に相応する単位を随意に含んでいてよい:
(a)1個以上のヒドロキシル基を含有する少なくとも1種の水溶性ポリエーテルアルコール、
(b)少なくとも1種の水不溶性有機ポリイソシアネート、
(c)有機モノイソシアネート(c1)および一官能性活性水素含有化合物(c2)から選ばれた少なくとも1種の一官能性疎水性有機化合物、および
(d)少なくとも1種の多価アルコールまたは多価アルコールエーテル。
【0019】
1個以上の官能性ヒドロキシル基を含有するポリエーテルアルコール、反応体(a)には、例えば、アルキルおよびアリールポリエーテルアルコールが含まれ、典型的には、脂肪族、脂環式、または芳香族ポリヒドロキシ化合物の付加物、例えばアルキレンオキサイドと多価アルコールまたは多価アルコールエーテルとの付加物、そのような付加物と有機ポリイソシアネートとのヒドロキシル末端基プレポリマー、またはそのような付加物とそのようなプレポリマーとの混合物がある。随意ではあるが、ポリエーテルアルコールは、アルキルポリエチレングリコール、アルキルアリールポリエチレングリコール、またはアルキル基が1〜20個の炭素原子(直鎖または分枝差)を含む多環式アルキルポリエチレングリコールのような1個のみのヒドロキシル基を含有していてもよい。適当なアルカノール/アルキレンオキサイドおよびアルキルフェノール/アルキレンオキサイド付加物には、例えば、1〜250個のエチレンオキサイド基またはプロピレンオキサイドを含有する、メタノール、エタノール、プロパノール、ラウリルアルコール、t−オクチルフェノールまたはノニルフェノール/エチレンまたはプロピレンオキサイド付加物、例えば、15〜50個のアルキレンオキサイド基を含有する、ポリエチレングリコールメチルエーテルおよびポリプロピレングリコールメチルエーテルが含まれる。
【0020】
親水性ポリエーテルポリオール付加物の都合のよい源は、分子量約200〜約20,000の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリブチレングリコールのようなポリアルキレングリコール(また、ポリオキシアルキレンジオールとして知られている)がある。しかし、アルキレンオキサイドと脂肪アルコール、フェノールまたはアミンのような一官能性反応体との付加物、またはアルキレンオキサイドとアルカノールアミン(例えば、エタノールアミン)のような二官能性反応体との付加物もまた有用である。また、そのような付加物は、ジオールエーテルおよびアルカノールアミンエーテルとして知られている。
【0021】
また、ポリエーテルセグメントを提供するのに適当な化合物には、式NH2(CH2CH2O)xH(式中、xは、約10〜200の範囲である)のアミノ末端基ポリオキシエチレンが含まれる。
【0022】
反応体(c)、一官能性疎水性有機化合物は、反応体(a)および(b)の反応生成物の1個または両方の末端官能基と反応し、反応生成物の末端官能基のための「キャッピング(capping)」化合物として作用する。一官能性疎水性有機化合物には、有機物モノイソシアネート(c1)および一官能性活性水素含有化合物(c2)の両方が含まれる。
【0023】
モノイソシアネート(c1)には、(C6−C18)直鎖、分枝鎖、および環式のイソシアネート、例えば、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネートおよびシクロヘキシルイソシアネートが含まれる。これらのイソシアネートは、単独でまたはこれらの2種以上の混合物で使用してもよい。
【0024】
有機モノイソシアネート(C1)の他に、反応体(c)は、一官能性活性水素含有化合物(C2)であってもよい。本明細書に記載されているような用語「一官能性活性水素含有化合物」は、イソシアネートと反応性である基をただ1個有し、そのような基は活性水素原子を含有しており、かつもし存在する場合には、他の官能基は実質的にイソシアネートに反応しないものである有機化合物を意味する。そのような化合物には、アルコール、アルコールエーテルおよびモノアミンのようなモノヒドロキシ化合物、イソシアネートに対して一官能性である多官能性化合物も含まれる。本発明に有用な一官能性活性水素含有化合物の間には、例えば、脂肪(C1−C40)アルコール、例えばメタノール、エタノール、シクロヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、オクタデカノール(ステアリルアルコール)およびベヘニルアルコール、(C14−C20)アルキルアルコールが好ましい;フェノール類、例えばフェノール、クレゾール、t−オクチルフェノール、ノニルフェノールおよびドデシルフェノール;アルコールエーテル、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテル、およびジエチレングリコールの類似エーテル;アルキルおよびアルカリルポリエーテルアルコール、例えば直鎖または分枝鎖(C1−C22)アルカノール/エチレンオキサイドおよびアルキルフェノール/エチレンオキサイド付加物がある。
【0025】
アミノ化合物は、疎水性一官能性活性水素含有化合物としての、モノヒドロキシ化合物の全部または1部の代わりに使用してもよい。アミノ化合物には、例えば、第一級および第二級の脂肪族、脂環式および芳香族のアミン、例えばアルキル基中に約1〜約20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルアミンおよびそれらの混合物が含まれる。適当なアミンには、例えば、n−およびt−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、(C12−C14)または(C18−C20)t−アルキルアミン混合物、および第二級アミン、例えばN,N−ジベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミンおよびN,N−ジフェニルアミンが含まれる。アミノ化合物は、第一級アミンのように、通常の反応条件下ではイソシアネート基に対しては一官能性だけであることを条件として、1個より多くの活性水素を含んでいてもよい。
【0026】
また、多官能性酸は、モノヒドロキシ化合物の全部または1部の代わりに使用してもよく、例えば、(C8−C22)アルキルカルボン酸、例えばオクタン酸、デカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸およびドコサン酸;天然に生じる酸の混合物、例えばココア酸、牛脂酸、菜種酸およびこれらの酸の水素化形態;芳香族酸、例えば安息香酸およびナフテン酸;アルキル置換芳香族酸、例えばオクチル安息香酸およびドデシル安息香酸;脂環式の酸、例えばシクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸およびシクロオクタンカルボン酸;およびアクリル酸のアルコールのマイケル付加(Michael addition)から誘導されたアルコキシプロピル酸、例えば3−オクチルオキシプロパン酸、3−ドデシルオキシプロパン酸および3−オクタデシルオキシプロパン酸が含まれる。
【0027】
また、官能性メルカプタンを、モノヒドロキシ化合物の全部または1部の代わりに使用してもよく、(C1−C30)アルキルメルカプタン、例えばオクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、およびオクタデシルメルカプタンが含まれる。
【0028】
有機ポリイソシアネート、反応体(b)には、ジ−およびトリ−イソシアネート、そのような多価アルコールと有機ジ−またはトリ−イソシアネートとのイソシアネートを末端基とする付加物、並びにポリアルキレンエーテルグリコールと有機ジ−またはトリ−イソシアネートとのイソシアネートを末端基とするプレポリマーも含まれる。反応体(b)が有機ポリイソシアネートであるのが好ましいが、イソシアネート以外の1種以上の官能基を含有する反応体もまた好ましい。次の化合物は、反応体(b)として使用することができるモノマーの例である。これらのモノマーは、単独で使用してもよいし、また1種以上の他の反応体(b)モノマーと一緒に使用してもよい:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);トリレン2,4−および2,6−ジイソシアネート(TDI);4,4’−メチレンジフェニルイソシアネート(MDI);4,4’−ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI);イソホロンジイソシアネート(IDI);商標名デスモジュールN(Desmodur N)で販売されている、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの加水分解三量体化物の脂肪族トリイソシアネート生成物。
【0029】
また、ポリイソシアネートには、前述のイソシアネートの任意のものと少なくとも2つの官能価を有する活性水素含有化合物との反応から誘導され、少なくとも1個のイソシアネートが未反応で残留する任意の多官能性イソシアネートが含まれる。そのようなイソシアネートの使用はポリエーテルウレタンの合成でよく知られているやり方で、少なくとも2個の活性水素を含有する反応体でイソシアネートを末端基とするイソシアネート/ジオール反応生成物を鎖伸長することに同等である。
【0030】
イソシアネートは、必要とする程度の疎水性の特性を提供するのに有効な任意の炭素原子数を含有してよい。一般的に、約4〜30個の炭素原子で十分であり、その選択は、生成物中の他の疎水性基および親水性の割合に依存する。
【0031】
反応体(d)、多価アルコールまたは多価コールエーテルは、イソシアネートの官能価を停止し、またはイソシアネートを末端基とする反応中間物を連結するのに使用される。多価アルコールまたは多価アルコールエーテルは、(ペンタエリトリトールのような)脂肪族、脂環式または芳香族であることができる。単独で、またはどちらかのタイプの混合物として、または2種のタイプの混合物として使用してもよい。
【0032】
反応体および反応条件(これらには、反応体の割合および分子量が含まれる)の適当な選択により、種々なポリマー生成物が得られ、それらポリマー生成物は、構造において線状または複雑な構造、例えば分枝鎖、星形状、または親水性セグメントを散在させた疎水性物質および疎水性セグメントのネットワークを形成する線状、分枝鎖およびサブ分枝鎖(sub−branched)の混合物であってもよい。要約すると、生成される反応生成物には、例えば、次の化合物が含まれる:
【0033】
(i)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1種の水溶性ポリエーテルアルコール反応体(a)、水不溶性有機ポリイソシアネート反応体(b)、および有機モノイソシアネート(c1)である一官能性疎水性有機化合物反応体(c)の反応生成物:
【0034】
(ii)水溶性ポリエーテルアルコール反応体(a)および有機モノイソシアネート反応体(c1)の反応生成物;
【0035】
(iii)反応体(a)、反応体(b)、有機モノイソシアネート反応体(c1)および多価アルコールまたは多価アルコールエーテル反応体(d)の反応生成物;
【0036】
(iv)反応体(a)、2個のイソシアネートを含有する反応体(b)、および一官能性活性水素含有化合物(c2)である一官能性疎水性有機化合物反応体(c)の反応生成物;
【0037】
(v)反応体(a)、少なくとも3個のイソシアネート基を含有する反応体(b)、および一官能性活性水素含有化合物反応体(c2)の反応生成物。
【0038】
ポリマーは、一般的に、ウレタンを合成する既知技術によって造られ、好ましくはイソシアネートが未反応で残らないようにする。水は、イソシアネートの官能価を消費するので、反応から排除しなければならない。所望により、反応における粘度を減少させ、高分子量生成物へと導くため、反応は溶媒媒質中で行ってもよい。一般的に、溶媒は、30,000またはそれより高い(数平均)分子量となるときに有用である。溶媒は、イソシアネートに不活性であり、かつ反応温度においてポリオキシアルキレン反応体およびウレタン生成物を溶解可能でなければならない。ポリエーテルウレタン合成の公知の原理に従って、添加の順序、反応体の割合および触媒の選択のような反応の他の条件を変えて、生成物のジオメトリー(geometry)、分子量および他の特性を調節することができる。
【0039】
本発明の1つの態様において、好ましいHNPは、(a)少なくとも2個の末端基(ただし、各末端基は末端イソシアネートおよびポリエーテルを含んでいる)を有する第1のポリエーテルウレタンの5〜30%、好ましくは8〜25%、更に好ましくは12〜25%;(b)少なくとも2個の末端基(ただし、各末端基は末端イソシアネート基および非官能基を含んでいる)を有する第2のポリエーテルウレタンの20〜80%、好ましくは25〜75%、更に好ましくは25〜60%;および(c)少なくとも2個の末端基(ただし、1個の末端基は末端イソシアネートおよびポリエーテルを含んでおり、そして1個の他の末端基は末端イソシアネートおよび非官能性基を含んでいる)を有する第3のポリエーテルウレタンの15〜60%、好ましくは17〜50%、更に好ましくは25〜50%(ただし、すべての%は、使用する反応体の全モル数に基づいたモル%により表されている)を含有するポリエーテルウレタンの混合物である。
【0040】
ポリエーテルウレタンの前述の混合物が本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤の増粘剤部分として使用されるときは、(i)ポリエーテルはアルキルまたはアリールポリエーテルアルコールから選ばれ;更に好ましくは、ポリエーテルは、ポリエチレングリコールメチルエーテル(例えば、約550の分子量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテル)またはポリプロピレングリコールメチルエーテルであり;(ii)非官能基はオクタデカノール(ステアリルアルコール)であり;(iii)ポリエーテルウレタンセグメントは、ポリエチレングリコール(分子量8,000)およびHMDIに基づいており;そしてポリエーテルウレタンの分子量は約60,000であるのが好ましい。米国特許第5,281,654号には、前述のポリエーテルウレタンに基づいたHNPに関する一般的および具体的な詳細が製造方法も含めて述べられている。
【0041】
米国特許第4,426,485号および同第4,496,708号には、「くし状(comb−like)」構造を有するポリエーテルウレタン増粘剤のタイプおよびそれらの製造に関する一般的および具体的な詳細が述べられている。ポリエチレングリコール(分子量=8000)、TDIおよびIDIから選ばれたポリイソシアネート、および3−ノニルフェノキシ−1,2−プロパンジオールおよび1,2−ヘキサデカンジオールから選ばれた多価アルコールに基づいたポリエーテルウレタンが好ましい。
【0042】
(3)疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマー(HASE):
アクリリックカルボキシレートのエマルジョンポリマーは、ラテックス塗料、掘穿泥水(drilling muds)および化粧品を含む広範囲の種々な増粘用適用に使用できることが知られている。米国特許第4,384,096号には、会合性アクリリックカルボキシレートエマルジョン増粘剤のタイプおよびそれらの製造に関する一般的および具体的な詳細が述べられている。アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーは水溶性ではないが、pHを約5.5〜約12に調節したときは水溶性となり、増粘する。会合性増粘剤として本発明に有用であるアクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーは、(1)少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸、(2)アルコキシル化炭化水素または複雑な疎水性物質のアルコール(complexed hydrophobe alcohol)の少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル、(3)少なくとも1種のノニオン性(C2−C12)モノエチレン性不飽和モノマー、および任意に(4)1種以上の多エチレン性不飽和モノマーまたは連鎖移動剤から造られる。詳細には、会合性タイプのアクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーを生成するためのモノマー(1)、(2)、(3)、および(4)は、次のとおりである:
【0043】
(1)(メタ)アクリル酸、イタコン酸およびアリールオキシプロピオン酸の1以上から選択されるモノエチレン性不飽和カルボン酸;アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。コポリマーのカルボン酸部分は酸の形態で存在させるか、または任意の一般的な塩基性アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、低分子量アミン、または第四級塩水酸化物で中和して、水溶性塩を生成させてもよい。
【0044】
(2)少なくとも2個のオキシアルキレン単位および70個ほどのオキシアルキレン単位、好ましくは10〜40個のオキシアルキレン単位を有する、アルコキシル化した(C8−C30)アルキル、アルキルアリール、多環式炭化水素または複雑な疎水性物質のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル。このエステルは次の一般式(I)を有している:
【0045】
【化2】
【0046】
〔式中、
R1は、HまたはCH3であり、後者が好ましい;
nは、2〜70、好ましくは10〜60、更に好ましくは10〜40である;
R2は、疎水性基、例えば(C8−C30)アルキル、アルキルアリールまたは多環式アルキル基;または前記のような疎水性アルキルまたはアルキルアリール基でキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)分枝鎖を含有する複雑な分枝鎖疎水性物質;好ましくは、R2は、(C16−C18)アルキルまたはアルキルアリール基である;
そして
R3は、HまたはCH3であり、前者が好ましい〕
【0047】
(3)(メタ)アクリル酸(C1−C4)アルキル、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの1種以上から選ばれたノニオン性(C1−C12)モノエチレン性不飽和モノマー;好ましくは、モノマーは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルまたはメタクリル酸メチルである。
【0048】
(4)随意的に、多エチレン性不飽和モノマーまたは連鎖移動剤。
【0049】
多エチレン性不飽和モノマー、モノマー(4)は、少し架橋することによってより大きな分子量を提供する。少し架橋するために使用される典型的なモノマーには、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレートおよびエチレングリコールジメタクリレートが含まれる。代わりに、もしより低分子量が所望であれば、連鎖移動剤を重合中に使用することができる。連鎖移動剤として有用な典型的モノマーには、例えば、四塩化炭素、ブロロホルム、ブロモトリクロロメタン、ヒドロキシエチルメルカプタン、β−メルカプトプロピオン酸;および長鎖アルキルメルカプタンおよびチオエステル、例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレートおよびドデシルチオグリコレートが含まれる。
【0050】
会合性増粘剤タイプのアクリリックカルボキシレートエマルジョンは、約50,000〜約1,500,000の分子量(数平均)を有する。好ましくは、分子量は50,000〜600,000である。
【0051】
アルコキシル化した炭化水素アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(モノマー(2))としては、R2は、典型的には、(C8−C24)アルキル、アルキルアリールまたはラノリンまたはコレステロールのような多環式炭化水素化合物の残基であることができる。アルキル基には、例えば、オクチル(C8)、ラウリル(C12)、トリデシル(C13)、ミリスチル(C14)、ペンタデシル(C15)、セチル(C16)、パルミチル(C17)、ステアリル(C18)、エイコシル(C20)およびベヘニルまたはドコシル(C22)が含まれる。また、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、およびパルミチルアルコールの混合物のアルコキシル化から生じるアルキル基のような混合物を使用してもよい。好ましくは、エステルはエトキシル化誘導体(モノマー(2)のR3がHである)である。アルキルアリール基には、オクチルフェニルおよびノニルフェニルのようなアルキルフェニルが含まれる。モノマー2(ただし、R2基は、(C8−C30)アルキル、アルキルアリールまたは多環式アルキル基である)を製造するのに適当な方法は、当業界に知られており、米国特許第4,384,096号に要約されている。米国特許第5,292,843号には、会合性アクリリックカルボキシレートエマルジョン増粘剤のタイプおよびそれらの製造方法(ただし、モノマー(2)のR2基は、疎水性アルキル基またはアルキルアリール基でキャップされたポリ(アルキレンオキシド分枝鎖)を含有する複雑な分枝疎水性物質である)に関する一般的および具体的な詳細が述べられている。
【0052】
会合性アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーのためのモノマー成分は、使用されるモノマーの重量に基づいて、モノマー(1)のためのモノエチレン性不飽和カルボン酸の15〜60%、好ましくは20〜50%;使用されるモノマーの重量に基づいて、モノマー(2)のためのアルコキシル化した炭化水素または複雑な疎水性物質のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの約1〜30%、好ましくは5〜25%;および使用されるモノマーの重量に基づいて、モノマー(3)のためのノニオン性(C2−C12)モノエチレン性不飽和モノマー(ただし、モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸(C1−C4)アルキルである)の15〜80%、好ましくは少なくとも30%、更に好ましくは40〜60%;の範囲において使用される。任意のモノマー(4)としては、連鎖移動剤は、低分子量を得るために、モノマーの重量に基づいて、約0.1〜5%のレベルにおいて使用され;もし高分子量のポリマーが所望されるならば、モノマーの重量に基づいて、約0.05〜1%のレベルにおける多エチレン性不飽和共重合性モノマーを架橋のために使用することができる。
【0053】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤の界面活性剤成分として有用な界面活性剤には、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、および両性(双性イオン性)の界面活性剤が含まれ、お互いに組み合わせて使用してもよく、その選択は、使用する界面活性剤の間の相溶性および増粘される水性組成物の他の成分との相溶性に依存する。
【0054】
ノニオン性界面活性剤は、水性溶液に溶解または分散されたときに電荷を有しない界面活性剤である。本発明に有用な典型的なノニオン性界面活性剤には、例えば、(C6−C18)アルキルフェノールアルコキシレート(例えば、1〜70個、好ましくは5〜16個のエチレンオキサイド単位を有するt−オクチルフェノールエトキシレート、およびノニルフェノールエトキシレート)、(C12−C20)アルカノールアルコキシレートおよびエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックコポリマーが含まれ;任意には、ポリアルキレンオキサイドの末端基はブロックすることができ、それによりポリアルキレンオキサイドの遊離OH基を、エーテル化、エステル化、アセタール化および/またはアミン化することができる。他の変性は、ポリアルキレンオキサイドの遊離OH基をイソシアネートと反応させることから成っている。また、有用なノニオン性界面活性剤には、例えば、(C4−C18)アルキルグルコシド、アルコキシル化によってそれらから得られるアルコキシル化生成物、特にアルキルグルコシドとエチレンオキサイドとの反応によって得られる生成物も含まれる。
【0055】
アニオン性界面活性剤は、水性溶液中で負に帯電した状態の親水性官能基を有する界面活性剤である。本発明に有用な典型的なアニオン性界面活性剤には、例えば、(C8−C18)アルキルカルボン酸、(C12−C20)スルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン化したアルキルアリール化合物)、(C10−C20)硫酸エステル(ラウリルサルフェートおよびセチルサルフェートの硫酸化アルコール、ナトリウム塩)、リン酸エステルおよびそれらの塩が含まれる。カチオン性界面活性剤は、親水性官能基を含有しており、水性溶液に溶解または分散したときに、官能基の電荷は正である。本発明に有用な典型的なカチオン性界面活性剤には、例えば、(C12−C20)アミン化合物(例えば、ラウリルピリジニウムクロライド、オクチルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびドデシルトリメチルアンモニウムクロライド)、酸素含有アミンおよび第四級アミン塩が含まれる。両性界面活性剤または双性界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタイン)は、酸性および塩基性の両方の親水性基を含有しており、本発明に使用することができる。
【0056】
一般的に、アルコールエトキシレートのようなノニオン性界面活性剤が本発明に使用するのに好ましい。しかし、ノニオン性とアニオン性との混合物、ノニオン性とカチオン性との混合物、ノニオン性と両性との混合物、アニオン性と両性との混合物、およびカチオン性と両性との界面活性剤の混合物は、それらが相溶性であり、かつ後述する親水性−親油性の性質のバランスを満足する限り使用してもよい。
【0057】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤に使用される疎水性変性ポリマー増粘剤の典型的な量は、水性組成物の重量に基づいて、0.01〜5%、好ましくは0.05〜3%、更に好ましくは0.1〜2%である。
【0058】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤に使用される2種以上の界面活性剤の組み合わせの典型的な量は、水性組成物の重量に基づいて、0.04〜30%、好ましくは0.1〜20%、更に好ましくは0.5〜15%である。
【0059】
水性組成物の界面活性剤の少なくとも2種は、それらのHLB〔親水性/親油性のバランス〕特性において、少なくとも1.0HLB単位だけ、好ましくは少なくとも2.0単位だけ、更に好ましくは少なくとも4.0単位だけ、そして最も好ましくは少なくとも6.0単位だけ異なることが重要である。HLBは、本発明のポリエーテルウレタン会合性増粘剤および選ばれた界面活性剤のような分子の親水性部分および親油性部分の相対割合を特徴づける値であり、より高いHLB値(50に近い値)はより多く親水性の分子を表し、より低いHLB値(約6〜10の値)はより多く疎水性の分子を表す。HLB値は、種々な既知手段、例えば“Surfactants and Interfacial Phenomena” by Milton J.Rosen,John Wiley and Son,New York,NY,page 244 (1978)および“Interfacial Phenomena” by J.T.Davies and E.K.Rideal,Academic Press,2nd Edition,pp 373−383 (1963)に記載されている手順によって計算しまたは決めることができる。
【0060】
2種以上の界面活性剤の第1の界面活性剤(以下、S1と称する)は、第2の界面活性剤(以下、S2と称する)のHLBより低い計算HLBを有している。計算されたHLBに関するS1およびS2の間の差の大きさは、本発明の水性組成物における所望の増加した増粘効果を生じるのに要するS1/S2の相対重量比を示している。一般的に、S1/S2の重量比は、30/70〜99.5/0.5、好ましくは40/60〜97.5/2.5、更に好ましくは50/50〜95/5である。一般的に、S1およびS2のHLB値の差の大きさが増加するにつれて、S1/S2の好ましい比は増加する。すなわち、より親水性(より高いHLB)の界面活性剤に対してより多量のより疎水性(より低いHLB)の界面活性剤の使用が、最良の増粘効果を提供するであろう。
【0061】
2種以上の界面活性剤のHLB値の差およびS1/S2の必要とする比の他に、S1界面活性剤およびS2界面活性剤の全重量平均HLB値が重要なパラメータである。
(〔S1の重量割合〕×〔HLB(S1)〕
+〔S2の重量割合〕×〔HLB(S2)〕) 式(II)
一般的に、上記の式IIで計算される重量平均HLB値は15.0以下、好ましくは13.0以下、更に好ましくは12.0以下である(ただし、重量割合はS1およびS2の合計重量に基づいてる)。約15以上の重量平均HLBのためには、増加した増粘効果は無視できる程度であると考えられる。なぜなら、界面活性剤の組み合わせ物の全親水性は、界面活性剤と会合性増粘剤との間の有意の疎水性相互作用を無効にし、それ故、混合界面活性剤/会合性増粘剤の増加した増粘効果を生ずると考えられる巨大分子相互作用の現象を減少させるからである。
【0062】
一般的に、本発明の水性組成物における、2種以上の界面活性剤、S1およびS2の合計量:会合性増粘剤の量の比は、約0.5/1〜20/1、好ましくは0.5/1〜10/1、更に好ましくは1/1〜5/1である。
【0063】
理論によって縛られることは欲しないが、本発明者は、本発明のケースにおいて、ある種の比率における前述の構造的および物理的性質のパラメーターにおいて異なる界面活性剤を選択することにより、会合性増粘剤と界面活性剤の疎水性部分との相互作用によって形成される従来の水性網状構造が崩壊し、そのために水性網状組織の構造的再配列が起こり、その結果として、溶媒和した界面活性剤−増粘剤マトリックスの「増加された」会合を生じ、水性相の全体にわたり、より安定で耐久性のあるネットワークを作りだし、そのため増粘効果が、従来のただ1種の界面活性剤/会合性増粘剤の組み合わせ物で観察される増粘効果以上に大きくなると考えている。
【0064】
前記のパラメーターの限定から得られる界面活性剤混合物のより低い全HLBにおいて、会合性増粘剤は、水性相の中に存在する界面活性剤の構造の中に更にしっかりとかつ深く結合すると考えられる。そのうえ、異なるHLB値を有する2種以上の界面活性剤が存在しているので、本発明者は、界面活性剤の構造自体が、ランダムの動きを有する界面活性剤の従来の球形界面活性剤ミセルから、より構造化され、かつ秩序だった系に変わり、会合性増粘剤の存在は、水性溶液の「上昇した」または増加した粘度を生じる構造を更に増大させるはずであると考えている。
【0065】
アルキルフェノールポリエチレンオキサイド OP〔CH2CH2O〕x−H(表1を参照)に基づいたノニオン性界面活性剤を使用して、種々の会合性増粘剤と一緒にする混合界面活性剤成分を提供した。会合性増粘剤A、BおよびCは、前述のポリエーテルウレタンのために与えられた反応体の記載に基づいて、後述される。表2〜5には、会合性増粘剤と一緒にただ1種の界面活性剤の使用(OP−9界面活性剤の粘度を、類似の平均HLBを有する「単一の」界面活性剤/会合性増粘剤の粘度のために予想される粘度の代表例として表中に示した)する場合に対する、種々の会合性界面活性剤と一緒に混合界面活性剤(界面活性剤の各々は、同量50/50において存在する)を使用する場合の有効な効果が示されている。(5%における)混合界面活性剤を、試験される水性溶液中で、(1および2%レベルにおける)会合性増粘剤と一緒にした。増加した増粘効果は、使用した2種の界面活性剤の間のHLB値の差にほぼ比例している。
【0066】
【表1】
【0067】
次の試験において使用した会合性増粘剤A、BおよびCは、次に記載したような水性溶液として提供した:会合性増粘剤Aは、35%ポリプロピレングリコール共溶媒を含有する35%水性溶液として提供した;会合性増粘剤Bは、共溶媒として15%ブチルカルビトールを含有する17%水性溶液として提供した;会合性増粘剤Cは、流動性を維持するために酵素で変性された澱粉、4%を含有する15%水性溶液として提供した。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
表6は、水性系における増粘効果を増加させるために、異なったHLB特性を有する混合界面活性剤を使用することによる有効な効果を更に例示している。これは、結局、公知の増粘剤の多量の使用によって従来達成されていた所望の増粘を達成させるために、使用する増粘剤のかなりの低量化を可能にする。表6におけるD(ただ1種の界面活性剤/会合性増粘剤)、E、F、GおよびHの界面活性剤/会合性増粘剤混合物のための混合界面活性剤の平均HLBおよび△HLB値は、それぞれ、12.0および0、13.0および1.1、13.1および2.2、13.4および4.9、13.3および4.2である。会合性増粘剤AおよびBを含有する混合界面活性剤/会合性増粘剤系は、増加した粘度について最も有効な効果を示し、GおよびHの混合界面活性剤/会合性増粘剤の組み合わせ物の場合には最大の効果を示している。
【0074】
【表7】
【0075】
表7は、会合性増粘剤Cと一緒にする混合界面活性剤成分を提供するために、アルキルポリエチレンオキサイド、RO〔CH2CH2O〕x−H(後述の界面活性剤R−1、R−2およびR−3を参照)に基づいたノニオン性界面活性剤の使用についてのデータを示している。これらのデータは、混合界面活性剤のHLB値の差の原因となる親水性(アルキレンオキサイド)部分ではなく、会合性増粘剤との相互作用を強化するための界面活性剤の疎水性物質部分を変えることによる効果を示している。
【0076】
界面活性剤R−1:R=(C12−C15)アルキル、x=7、12.3のHLBを 有する
界面活性剤R−2:R=(C14−C15)アルキル、x=7、11.8のHLBを 有する
界面活性剤R−3:R=(C12−C15)アルキル、x=3、10.8のHLBを 有する
【0077】
粘度を増加させるために試験した混合界面活性剤/会合性増粘剤溶液は、溶液X(会合性増粘剤Cを含有している)の50部および溶液Y(界面活性剤を含有している)の50部を一緒にすることにより造った。溶液Xは、水の83.3%、会合性増粘剤Cの水溶液(15%)の6.67%、ノニルノンオキシノール−40(nonyl nonoxynol−40)の1.0%、エタノールアミンの4.0%、およびコカミドプロピルベタインの30%水性溶液の5%を含んでいた。溶液Yは、水の80%および界面活性剤R−2、界面活性剤R−1/R3(50/50)および、界面活性剤R−2/R−3(50/50)を、それぞれ20%を含んでいた。一緒にした溶液は、会合性増粘剤Cを1%および全界面活性剤を10%を有していた。
【0078】
ただ1種の界面活性剤/会合性増粘剤混合物および混合界面活性剤/会合性増粘剤混合物の界面活性剤成分の平均HLBおよび△HLBは表7に示され、更にまた、会合性増粘剤と一緒にしたときの溶液粘度について、異なったHLB値を有する混合界面活性剤の優れた効果が示されている。
【0079】
【表8】
【0080】
表8は、会合性増粘剤A、BおよびCと一緒に使用する混合界面活性剤成分を提供するために、アニオン性界面活性剤であるナトリウム(C12)ラウリルサルフェート(SLS)および(C16)セチルサルフェート(CS)と共にアルキルフェノールポリエチレンオキサイド界面活性剤、OP−5およびOP−7(表1を参照)を使用することについてのデータを示している。これらのデータは、会合性増粘剤との相互作用を強化するために必要とする界面活性剤の所望のHLBの差を達成させるためのアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の混合の効果を示している。会合性増粘剤AおよびBと一緒にした時のOP−5の粘度が比較のために示される。これは、あらゆるただ1種の界面活性剤(アニオン性またはノニオン性)と一緒の会合性増粘剤の粘度の代表であると考えられる。
CS=約20のHLB
SLS=約40のHLB
【0081】
ただ1種の界面活性剤/会合性増粘剤混合物および混合界面活性剤/会合性増粘剤混合物の平均HLBおよび△HLBは表8に示され、会合性増粘剤と一緒にしたときの溶液粘度について、異なったHLB値を有する混合界面活性剤の優れた効果が示されている。
【0082】
【表9】
【0083】
本発明に有用な混合界面活性剤/会合性増粘剤は、具体的配合物の重量に基づいて、0.05%〜30%、好ましくは0.1%〜20%、更に好ましくは0.2%〜10%および最も好ましくは0.5%〜5%の範囲にの量において異なった配合の組成物中に加えることができる。会合性増粘剤成分は、公知の混合装置、例えば高速度分散機、ボールミル、サンドミル、ペブルミル(pebble mille)および櫂形ミキサーを使用して配合された組成物中に混入することができる。会合性増粘剤は、乾燥粉末、予め混合した水性溶液またはスラリーまたは水混和性溶媒の溶液の形態である。これに関連して、溶媒は、会合性増粘剤を調製し、それを水性組成物中に直接混合できるように選択することができる。また、組成物には、例えば顔料、消泡剤および防腐剤のような公知の配合物において公知の成分を含ませてもよく、その量は具体的な最終用途に依存する。典型的には、混合界面活性剤/増粘剤の界面活性成分は、液体または液体溶液として配合物に添加する。
【0084】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤を含有するこちができる典型的な配合組成物には、例えば、ペイント、塗料、合成プラスター、化粧品、パーソナル ケア アイテム(例えば、シャンプー、毛髪コンディショナー、毛髪用染料、ハンドローション、ハンドクリーム、日焼け止め剤、顔のメイキャップ用品、アストリンゼン、脱毛薬、発汗抑制剤)、接着剤、シーラント、インキ、穿孔用流体、パッカー用流体(packer fluid)、局所用薬剤、クリーナー、織物柔軟剤、織物仕上げ剤、有害生物防除用組成物、農業用組成物、および増粘を必要とする任意の水性組成物が含まれる。限定された量の種々な添加剤および公知の助剤は、それらが、本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤の性能または性質を変化させず、また有意に影響を及ぼさない限り、配合物の1部として存在させてもよいことが理解されよう。そのような添加剤および助剤には、例えば、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤、蛋白質、合成油、植物油、動物油、シリコーン、ワックス、樹脂、ガム、保湿剤、顔料、酸性化剤、アルカリ性化剤、防腐剤、分散剤、増粘剤、懸濁剤、皮膚軟化薬、(C1−C20)アルコール溶媒、日焼け止め剤および香料が含まれる。
【0085】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤は、特にラテックス塗料組成物、特にペイントに有用である。水性組成物の粘度を増加するために有用であるが、混合界面活性剤/会合性増粘剤は、良好な垂れ下がり抵抗性を、組成物を含有するペイント配合物に与える。本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤で増粘された水性組成物は、構造化されて固体のようであり、ゲルの特性を示す。混合界面活性剤/会合性増粘剤によって生じるゲル構造は、ペイント配合物の垂れ下がり抵抗性を助ける。さらに、ゲル構造を有する組成物は、ペイントブラシまたはペイントローラーから容易にたれ落ちない。本発明の混合活性剤/会合性増粘剤の更なる利点は、それが、微生物の汚染に対して抵抗性であり、かつ他の水性組成物の中に容易に混合できることである。また、混合界面活性剤/会合性増粘剤は、垂れ下がり抵抗性を有し、例えば流動性およびレベリングのような他の性質との所望のバランスを有する水性組成物を得るために、他の増粘剤との共増粘剤として使用することができる。「垂れ下がり」は、塗布およびセッティングの時間の間に垂直面上において塗料が下方に動くことであり、その結果として最低部に厚い末端を有する平らでない塗装を生じる。生じた垂れ下がりは、たいてい、垂直面の特定領域に限定され、ひだを付けたカーテンのような特徴ある外観を有する。それ故、垂れ下がりは美的に望ましくない。更に、垂れ下がり抵抗性の塗料は、ペイント用ブラシまたはペイント用ローラーから容易にしたたり落ちないし、また例えば天井のような水平面からしたたり落ちない。本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤で増粘されたペイント配合物は、垂れ下がり抵抗性を有する。
【0086】
また、本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤の組み合わせ物で増粘された塗料組成物は、良好な流動性およびレベリング性を有している。本明細書においてしようされている用語「レベリング」は、塗料の塗布後に、塗料が流動し、塗料を適用する機械的方法によって造られた、例えばブラシマーク、「オレンジピール」、突出部、クレーターのようなあらゆる表面の不規則を残さないで消してしまう程度を称する。それ故、本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤で増粘された水性塗料は、乾燥したときに望ましい滑らかな外観を有している。
【0087】
後述の配合物には、本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤の典型的なレベルが含まれている。しかし、これらに限定されることは意味していない。
【0088】
また、本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤を含有する典型的なラテックス塗料配合物は、顔料、充填剤およびエキステンダー、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルクおよびシリカを含有している。本発明の水性組成物を含有する典型的なペイント配合物には、例えば、次の成分が含まれる:水、メチルカルビトール、親水性アクリル系分散剤、プロピレングリコール、消泡剤、二酸化チタン、クレー、アクリル系バインダー、造膜助剤、消泡剤および混合界面活性剤/会合性増粘剤(0.3〜2%)。
【0089】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤を含有する典型的な化粧用配合物およびパーソナル ケアー配合物には、例えば(a)第四級アンモニウム塩界面活性剤(例えば、ジセチルジメチルアンモニウムクロライド)および混合界面活性剤/会合性増粘剤(1%)を含有する毛髪コンディショナー;(b)活性成分として亜鉛化合物(例えば、それぞれ、ジンクピリチオン、ジンクフェノールおよび酸化亜鉛)および分散液中に亜鉛塩を保持するための混合界面活性剤/会合性増粘剤(2%)を含有するふけ取りシャンプー、アストリンゼンおよび日焼け止め剤;(c)活性成分としてチオグリコール酸のカルシウム塩およびカルシウム塩を沈降から防ぐための混合界面活性剤/会合性増粘剤(2%)を含有する脱毛薬;(d)ナトリウム塩/界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリクアテリウム−10(polyquaterium−10)(セルロース−2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシ−3−〔トリメチルアンモニオ〕プロピルエーテル、クロライド))および所望の粘度を維持するための混合界面活性剤/会合性増粘剤(5〜10%)を含有するシャンプー;(e)顔料(例えば、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)および皮膚に適用したときに所望のコンシステンシーを提供するための混合界面活性剤/会合性増粘剤(1%)を含有する顔のメイキャップ用品(例えば、アイシャドーおよびフェースパウダー)および日焼け止め剤;(f)種々な油および鉱物油/水の分離を防ぎ、かつ適用について所望のコンシステンシーおよび感触を提供するための混合界面活性剤/会合性増粘剤(2%)を含有するハンドクリームおよびハンドローション;および(g)酸性のパーソナルケアー製品、例えば、カチオン性界面活性剤、穏やかに作用する有機酸(例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸および果物の酸)および混合界面活性剤/会合性増粘剤(1〜2%)を含有するα−ヒドロキシ酸が含まれる。
【0090】
本発明の混合界面活性剤/会合性増粘剤を含有する典型的なクリーニング用配合物には、次の成分:クリーニング剤としての酸(例えば、リン酸、硫酸、またはクエン酸の5〜10%)および酸性環境において混和性であり、かつ所望の最終使用粘度を提供しなければならない混合界面活性剤/会合性増粘剤(2%)を含有している、例えば、金属用クリーナー、脱スケール剤、便器用クリーナー、家事用クリーナー、自動皿洗い機用すすぎ剤、運送業用クリーナー、金属つや出し剤、乳業用クリーナー、および液体研磨用クリーナーが含まれる。
Claims (11)
- (a)(i)ノニオン性の界面活性剤から選ばれた2種以上の界面活性剤、および
(ii)疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース、疎水性変性ノニオン性ポリオールおよび疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマーの1種以上から選ばれた少なくとも1種の会合性増粘剤を含む混合界面活性剤/会合性増粘剤;および
(b)水;
を含む水性組成物であって、2種以上の界面活性剤の第1の界面活性剤は第2の界面活性剤の計算HLB値よりも低い計算HLB値を有し、第1の界面活性剤のHLB値は少なくとも4.0HLB単位だけ第2の界面活性剤から異なっており;第1の界面活性剤:第2の界面活性剤の重量比は、30/70〜99.5/0.5であり;そして第1および第2の界面活性剤は、15.0HLB単位以下の重量平均HLB値を有している、前記の水性組成物。 - 水性組成物の全重量に基づいて、2種以上の界面活性剤の0.04〜30重量%を含む、請求項1に記載の水性組成物。
- 水性組成物の全重量に基づいて、会合性増粘剤の0.01〜5重量%を含む、請求項1に記載の水性組成物。
- 第1の界面活性剤:第2の界面活性剤の重量比が50/50〜95/5である、請求項1に記載の水性組成物。
- 第1および第2の界面活性剤の重量平均HLB値が13.0HLB単位以下である、請求項1に記載の水性組成物。
- 疎水性変性ノニオン性ポリオールは、
(i)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1種の水溶性ポリエーテルアルコール反応体(a)、水不溶性有機ポリイソシアネート反応体(b)、および有機モノイソシアネート(c1)である一官能性疎水性有機化合物反応体(c)の反応生成物:
(ii)水溶性ポリエーテルアルコール反応体(a)および有機モノイソシアネート反応体(c1)の反応生成物;
(iii)反応体(a)、反応体(b)、有機モノイソシアネート反応体(c1)および多価アルコールまたは多価アルコールエーテル反応体(d)の反応生成物;
(iv)反応体(a)、2個のイソシアネートを含有する反応体(b)、および一官能性活性水素含有化合物(c2)である一官能性疎水性有機化合物反応体(c)の反応生成物;
(v)反応体(a)、少なくとも3個のイソシアネート基を含有する反応体(b)、および一官能性活性水素含有化合物反応体(c2)の反応生成物、
の1種以上から選ばれた反応生成物を含むポリエーテルウレタンである、請求項1に記載の水性組成物。 - 反応体(a)はポリエチレングリコールであり、反応体(b)は、トリレン2,4−ジイソシアネートおよび4,4’−ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネートの1種以上から選ばれ、そして反応体(c)は、オクタデカノール、デカノールおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテルの1種以上から選ばれる、請求項6に記載の水性組成物。
- 疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマーは、
(i)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、アリールオキシプロピオン酸およびそれらの塩の1種以上から選ばれた少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸を、アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーの重量に基づいて、15〜60重量%、
(ii)式、
R1は、HまたはCH3であり;
nは、2〜70であり;
R2は、疎水性(C8−C30)アルキル、アルキルアリールまたは多環式アルキル基;または上記の疎水性アルキルまたはアルキルアリール基でキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)分枝鎖を含有する複雑な分枝鎖疎水性物質であり;
R3は、HまたはCH3である〕
を有するアルコキシ化アルキル、アルキルアリール、多環式炭化水素基または複雑な疎水性物質アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種を、アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーの重量に基づいて、1〜30重量%;および
(iii)アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーの重量に基づいて、(C1−C4)アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトニル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの1種以上から選ばれたノニオン性(C2−C12)モノエチレン性不飽和モノマーを、アクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーの重量に基づいて、15〜80重量%、
から生成されたアクリリックカルボキシレートエマルジョンポリマーを含む、請求項1に記載の水性組成物。 - 配合組成物の重量に基づいて、請求項1の混合界面活性剤/会合性増粘剤の0.05〜30重量%を含む配合組成物であって、前記の配合組成物は、ペイント配合物、塗料配合物、毛髪コンディショナー配合物、毛髪シャンプー配合物、毛髪用染料配合物、アストリンゼン配合物、脱毛用配合物、日焼け止め用配合物、顔のメイキャップ用配合物、ハンドクリーム配合物、ハンドローション配合物、クリーニング用配合物、掘削用流体配合物、織物柔軟剤配合物、織物仕上用配合物、酸性パーソナルケアー配合物、有害生物防除用配合物および農業用配合物から選ばれる、前記の配合組成物。
- クリーニング用配合物は、金属用クリーナー、便器用クリーナー、家事用クリーナー、自動皿洗い用すすぎ剤、乳業用クリーナーおよび液体研磨用クリーナーから選ばれる、請求項9に記載の配合組成物。
- 水性組成物の増粘効率を増加させる方法であって、水性組成物中に、
(a)前記水性組成物の重量に基づいて、ノニオン性の界面活性剤から選ばれた2種以上の界面活性剤の0.04〜30重量%、および
(b)前記水性組成物の重量に基づいて、疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース、疎水性変性ノニオン性ポリオールおよび疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョンポリマーの1種以上から選ばれた少なくとも1種の会合性増粘剤の0.01〜5重量%
を組み合わせて含み、
2種以上の界面活性剤の第1の界面活性剤は第2の界面活性剤の計算HLB値よりも低い計算HLB値を有し、第1の界面活性剤のHLB値は少なくとも4.0HLB単位だけ第2の界面活性剤から異なっており;第1の界面活性剤:第2の界面活性剤の重量比は、30/70〜99.5/0.5であり;そして第1および第2の界面活性剤は、15.0HLB単位以下の重量平均HLB値を有している、前記の水性組成物の増粘効率の増加方法。
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