JP4330678B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、２枚のプレート間の流路を溶接でシールするカセット構造の溶接プレートをガスケットを介して複数枚積層してなるプレート式熱交換器に関するものであり、詳しくは、溶接プレートを上下のガイドバーに係合させるハンガー部の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
種々の熱交換器のうち、溶接型のプレート式熱交換器は、図７に示すカセット構造の溶接プレート１を複数枚積層することにより構成されている。
【０００３】
上記溶接プレート１は、矩形状をした金属板からなり、四隅に流体の出入口となる通路孔２，３，４，５を有し、その中間に波形断面形状の伝熱面６を有するプレート７を、２枚１組として重合し、これを図９の点線で示した溶接ラインＷに沿うように、即ち、伝熱面６と一側上下の通路孔２，３が連通する略台形領域の周囲および他側上下の通路孔４，５の各々周囲を囲繞するようにレーザー溶接などで溶接することにより、プレート７間に溶接ラインＷによってシールされた流路を形成している。
【０００４】
そして、この溶接プレート１に、伝熱面６と他側上下の通路孔４，５が連通する略台形領域の周囲を囲繞するようにガスケット８を装着するとともに、一側上下の通路孔２，３の周囲を囲繞するように通路孔ガスケット９，１０をそれぞれ装着し、これを複数枚積層させることにより溶接プレート１間にガスケット８によってシールされた流路を形成させて溶接ラインＷによってシールされた流路とガスケット８によってシールされた流路とが交互に形成される溶接型プレート式熱交換器を構成している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記溶接プレート１は、図８に示すように、その上端中央に切欠き形成されたハンガー部１１が上部ガイドバー１２に係合して懸垂支持され、また、その下端中央に切欠き形成されたハンガー部１３が下部ガイドバー１４に係合して位置決めされており、プレート締付け時および分解時には上下のハンガー部１１，１３が上下のガイドバー１２，１４の長手方向に沿って摺動する。従って、溶接プレート１の締付け／分解を多数繰り返すと、２枚のプレート７が合わさった溶接プレート１のハンガー部１１，１３は、上下のガイドバー１２，１４の凸凹などにより摺動抵抗が大きくなって引っ掛かりが生じ、一方（１枚目）のプレート７のハンガー部１１，１３を変形させ、次に他方（２枚目）のプレート７のハンガー部１１，１３を変形させる。溶接プレート１のハンガー部１１，１３の変形が大きくなると、積層された溶接プレート１間の位置ズレが大きくなり、シール性能の低下をもたらすことになる。
【０００６】
このような溶接プレート１のハンガー部１１，１３の変形は、溶接プレート１が２枚のプレート７を溶接によって一体化したカセット構造であるために従来の１枚プレートよりも重いこと、また、溶接プレート１は２枚のプレート７を溶接によって一体としているが、溶接している箇所は、２枚のプレート７間の流路を形成する溶接ラインＷに限られており、上下のハンガー部１１，１３は２枚のプレート７が合わさった構造であり、一体構造となっていないことで摺動方向の変形に対する強度が弱いことが要因である。
【０００７】
このように溶接プレート１のハンガー部１１，１３が変形すると、新しい溶接プレート１に入れ替えねばならないため、コストが高くつくとともに、熱交換器の運転を長期に亘って停止しなければならない。
【０００８】
本発明は、斯かる事情に鑑みて提案されたもので、溶接プレートの締付け時や分解時の摺動によるハンガー部の変形を防止することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、２枚のプレート間の流路を溶接でシールするカセット構造の溶接プレートをガスケットを介して立設状態で複数枚積層してなるプレート式熱交換器において、上記溶接プレートの上下にガイドバーに取付けるために形成したハンガー部を設け、上側のハンガー部がガイドバーに係合することで溶接プレートが懸垂支持され、上側のハンガー部の周辺部分、あるいは、周縁部分を、溶接・接着・ろう付けのいずれか一つ、またはそれらの組み合わせから選択した手段で固着したものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプレート式熱交換器を図１乃至図６に示す実施の形態を図面に基いて説明する。図１乃至図６は本発明のプレート式熱交換器の第１乃至第６の実施の形態における溶接プレート１の上部ハンガー部１１を示すものである。
【００１１】
図１に示す第１の実施の形態では、溶接プレート１のハンガー部１１の周辺部分を、例えば、スポット溶接、ろう付けなどの高強度を有する固着手段１５によって点状に接合することにより、溶接プレート１の２枚のプレート７をハンガー部１１で一体に固着している。
【００１２】
図２に示す第２の実施の形態では、溶接プレート１のハンガー部１１の周辺部分を溶接１６によって線状に接合することにより、溶接プレート１の２枚のプレート７をハンガー部１１で一体に固着している。
【００１３】
図３乃至図５に示す第３乃至第５の実施例では、溶接プレート１のハンガー部１１の周縁部分（切欠き端面）を溶接１７，１８，１９によって接合することにより、溶接プレート１の２枚のプレート７をハンガー部１１で一体に固着している。
【００１４】
図６に示す第６の実施の形態では、溶接プレート１のハンガー部１１の周辺部分を接着剤２０などによって接着することにより、溶接プレート１の２枚のプレート７をハンガー部１１で一体に固着している。
【００１５】
上記第１乃至第６の実施の形態では、溶接プレート１のハンガー部１１の周辺部分、あるいは、周縁部分に溶接プレート１の２枚のプレート７を固着するための高強度を有する手段を施して溶接プレート１の２枚のプレート７をハンガー部１１で一体に固着したから、溶接プレート１の締付け時や分解時に上部ガイドバー１２との摺動による溶接プレート１のハンガー部１１の変形を防止できる。このように溶接プレート１のハンガー部１１の変形を防止できるため、積層された溶接プレート１間の位置ズレを回避することができ、シール性能の低下をまぬがれる。
【００１６】
尚、上記実施の形態では、溶接プレート１の上部ハンガー部１１について述べているが、溶接プレート１の下部ハンガー部１３についても、上記実施の形態と同様なので説明を省略する。
【００１７】
また、本発明は、上記実施の形態に示す固着手段の大きさ、長さに限定されるものではなく、これらに類似したものおよびこれらを組み合せたものでも構わない。
【００１８】
更に、図示した溶接プレート１のハンガー部１１，１３は略図として平板で描いているが、各種の凸凹模様が形成されたものでも構わない。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カセット構造の溶接プレートを上下のガイドバーに取付けるために溶接プレートの上下に形成したハンガー部の周辺部分、あるいは、周縁部分に高強度を有する固着手段を施したことにより、溶接プレートの締付け時や分解時の摺動による溶接プレートのハンガー部の変形を防止でき、積層された溶接プレート間の位置ズレを回避させてシール性能の低下をまぬがれる。この結果、コスト的にも有利であるとともに、熱交換器の運転停止の期間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のプレート式熱交換器の第１の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図２】 本発明のプレート式熱交換器の第２の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図３】 本発明のプレート式熱交換器の第３の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図４】 本発明のプレート式熱交換器の第４の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図５】 本発明のプレート式熱交換器の第５の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図６】 本発明のプレート式熱交換器の第６の実施の形態における溶接プレートの上部ハンガー部の正面図である。
【図７】 カセット構造の溶接プレートの平面図である。
【図８】 溶接プレートの懸垂支持状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 溶接プレート
７ プレート
１１ 上部ハンガー部
１２ 上部ガイドバー
１３ 下部ハンガー部
１４ 下部ガイドバー
１５ 固着手段
１６，１７，１８，１９ 溶接
２０ 接着剤
Claims (1)
- ２枚のプレート間の流路を溶接でシールするカセット構造の溶接プレートをガスケットを介して立設状態で複数枚積層してなるプレート式熱交換器において、
上記溶接プレートの上下にガイドバーに取付けるために形成したハンガー部を設け、上側のハンガー部がガイドバーに係合することで溶接プレートが懸垂支持され、上側のハンガー部の周辺部分、あるいは、周縁部分を、溶接・接着・ろう付けのいずれか一つ、またはそれらの組み合わせから選択した手段で固着したことを特徴とするプレート式熱交換器。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP27575398A JP4330678B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | プレート式熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27575398A JP4330678B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | プレート式熱交換器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000105094A JP2000105094A (ja) | 2000-04-11 |
| JP4330678B2 true JP4330678B2 (ja) | 2009-09-16 |
Family
ID=17559921
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27575398A Expired - Fee Related JP4330678B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | プレート式熱交換器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4330678B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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|---|---|---|---|---|
| WO2020129130A1 (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 三菱電機株式会社 | 熱交換素子及び熱交換換気装置 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP27575398A patent/JP4330678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2000105094A (ja) | 2000-04-11 |
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