JP4322325B2 - 製版装置 - Google Patents

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    • B41J2202/32Thermal head for perforating stencil

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置における製版装置に関し、さらに詳しくはマスタを製版するサーマルヘッドおよびプラテンローラを有する製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方式としてデジタル式感熱孔版印刷装置が知られている。この装置では、発熱素子とも呼ばれている微細な発熱体を主走査方向に複数配列したサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を介してプラテンローラに押圧させ、サーマルヘッドの発熱体にパルス的に通電し発熱させながらプラテンローラで主走査方向と直交する副走査方向(以下、「マスタ搬送方向」というときがある)にマスタを搬送することで、画像情報に基づいて加熱溶融・穿孔製版させた後、マスタを自動搬送して多孔性円筒状の版胴の外周面に自動的に巻き付け、そのマスタに対してプレスローラ等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押し付けてその穿孔部分からインキを通過させ印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成させるようになっている。
【0003】
感熱孔版印刷装置には、上記したような穿孔製版を行う製版装置が装備されている。この製版装置における製版動作時のサーマルヘッドとプラテンローラとの副走査方向における取付け位置関係は、通常、副走査方向におけるプラテンローラ等の関係部品のバラツキおよびサーマルヘッドの発熱体列の位置のバラツキ等を考慮して、少なくてもサーマルヘッドの発熱体列の副走査方向の寸法よりも数倍は大きいニップ部を設け、このニップ部の副走査方向において、サーマルヘッドの発熱体の中心位置をプラテンローラの中心位置に合わせている(後述する図8ないし図10参照)。
【0004】
また、例えば特開平6−328653号公報で開示されているように、サーマルヘッドの発熱体の副走査方向の位置を、ニップ部内におけるプラテンローラの副走査方向の中心位置から副走査方向の上流側にずらすことにより、必要な穿孔後挾圧長さを設定し、実質的に熱可塑性樹脂フイルムのみからなるマスタにも、穿孔部における収縮によるシワの発生なしに製版を行うことができるようにした製版装置が提案されている。
【0005】
ところで、感熱孔版印刷装置に使用されるマスタは、非常に薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」というときがある)と、インキ通過性の多孔質の支持体(以下、「ベース」という)として合成繊維や和紙、あるいは和紙および合成繊維を混抄したものとを貼り合わせたラミネート構造となっている。近年、特に印刷画質を向上する目的で、実質的に熱可塑性樹脂フイルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、従来のマスタ(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ10〜30μm程度)、かつ、マスタのベースに細い合成繊維が100%、あるいは天然繊維に細い合成繊維を混抄したマスタ(以下、「合成繊維ベースマスタ」というときがある)を用いる試みがなされている。この合成繊維ベースマスタは、ベースが天然繊維からなるマスタに対して、剛性が小さく腰が弱いものとなっている(後述する図3および図4に基づく記載参照)。
【0006】
マスタのベース表面側の摩擦係数μおよびフイルム面側の平滑度について、合成繊維ベースマスタとベースが天然繊維からなるマスタとを比較すると、天然繊維からなるマスタのベース表面側の摩擦係数μを1とした場合、合成繊維ベースマスタのベース表面側の摩擦係数μは0.8程度であり、ベースが天然繊維からなるマスタに対して低いものとなっている。また、ベースを形成する繊維の太さによってマスタのフイルム面側の平滑度が変わる。すなわち、例えばベースが天然繊維からなるマスタの場合、合成繊維ベースマスタの合成繊維糸の太さに対して、繊維の太さが太いためベース面が凹凸状となり、その上にフイルムを貼り合わせるので、繊維の太さが細く、かつ、均一な合成繊維ベースマスタに比べて平滑度が低下する。それ故に、合成繊維ベースマスタのフイルム面側の平滑度の方が、ベースが天然繊維からなるマスタのそれに比べて高いものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の製版装置では、例えば従来のマスタよりも厚さが薄く腰が弱く柔らかい合成繊維ベースマスタを用いて、サーマルヘッドで穿孔製版を行い、プラテンローラを回転して製版された合成繊維ベースマスタを搬送する場合では、プラテンローラの外周表面が押圧接触する側の合成繊維ベースマスタのベース側の搬送面(ベース面)の摩擦係数の低下と合成繊維ベースマスタのフイルム面側の平滑度向上とにより、プラテンローラの搬送力が低下し、ベタ製版したときのプラテンローラの蓄熱作用によって合成繊維ベースマスタのフイルムがサーマルヘッドの発熱体表面へ貼り付くこと(以下、この現象を「スティック」という)で、プラテンローラと合成繊維ベースマスタとの間で滑りが多く発生し、製版長さが短くなってしまい、マスタ搬送性が悪化してしまう。
【0008】
上述した内容を図を参照して説明する。図8は、理想的なニップ幅とプラテンローラの蓄熱分布との関係を示している。図8に示すように、微細な発熱体4を主走査方向(紙面に対して垂直な方向)に複数配列したサーマルヘッド3とプラテンローラ6とで合成繊維ベースのマスタ2を押圧するニップ部5を形成し、プラテンローラ6の矢印方向A(時計回り)の回転によってマスタ搬送方向Yにマスタ2を搬送させつつ製版する製版装置においては、理論的には、発熱体4のマスタ搬送方向Yの寸法である発熱体列幅4aに対して、ニップ幅5aが同じに形成させていれば合成繊維ベースマスタ2を加熱溶融し、穿孔2bを形成することができる。図8において、符号2cはマスタ搬送方向Yの穿孔幅を表し、またプラテンローラ6のニップ部5上にハッチングを施して示す山形状の符号αはサーマルヘッド3の発熱体4列により穿孔2bを形成した微小時間におけるプラテンローラ6のニップ部5における穿孔蓄熱分布を表す。
【0009】
ところが、実際上は、上記製版搬送動作に関係するプラテンローラ6等の部品精度および取付け位置のバラツキならびにサーマルヘッド3の発熱体4列に対するプラテンローラ6の取付け位置のバラツキ等があるので、これらの種々のバラツキを考慮して確実に穿孔するために、ニップ幅5aを大きく設定する必要がある。プラテンローラ6に形成されるニップ部5のニップ幅5aは、プラテンローラ6の外径、表面弾性層の厚さ、表面弾性層のゴム硬度およびサーマルヘッド3との押圧力により定まり、これらをその目的および用途に応じて適宜設計設定し適正なニップ幅5aを決めることになる。
【0010】
前者の製版装置では、図9に示すような実際のニップ幅5aとプラテンローラ6の蓄熱分布の関係にあると考えられる。図9において、プラテンローラ6のニップ部5上および回転方向下流側にハッチングを施して示す丘状の符号βはサーマルヘッド3の発熱体4列により穿孔2bを形成する一つ前の発熱体4列の発熱駆動により蓄熱された微小時間におけるプラテンローラ6のニップ部5近傍における予蓄熱分布を表す。なお、穿孔蓄熱分布αおよび予蓄熱分布βの山や丘の高さ形状はそれぞれの蓄熱分布においての定性傾向的な蓄熱温度の高さ分布状況を表しており、予蓄熱分布βの温度の高さが穿孔蓄熱分布αのそれよりも高い状態を表すものではない。図9に示すように、溶融穿孔された後のニップ部5内における合成繊維ベースマスタ2の製版移動長さとしての製版搬送長さLaが大きく長いと、プラテンローラ6の予蓄熱分布βと穿孔蓄熱分布αとによる蓄熱がサーマルヘッド3の発熱体4列による蓄熱に相乗的に作用して、合成繊維ベースマスタ2のフイルム面がサーマルヘッド3の発熱体4列を含む周辺近傍の保護膜に貼り付き、スティックを発生して搬送されにくくなり、マスタ搬送性が悪化してしまう。
【0011】
また、半ベタ製版時には、図10に示すように、溶融穿孔された後のニップ部5内における合成繊維ベースマスタ2の製版搬送長さLaが大きいと、サーマルヘッド3の主走査方向Xの発熱体4列における合成繊維ベースマスタ2の製版部2dと無製版部2eとの間で搬送力の差が生じ、マスタ2の剛性が弱いために、製版シワの発生が顕著となり、マスタ搬送性が著しく低下してしまう。また、マスタ2の全幅に亘って製版部2dのみの場合、マスタ搬送力の低下により画像寸法再現性の低下の原因となる。
【0012】
さらに、ロール状に形成されたマスタロールから繰り出される合成繊維ベースマスタ2の場合において、一度製版シワが発生すると、そのシワが延々と続き、マスタスキュー、マスタ搬送ジャムの原因となってしまう。それらを取り除くために、マスタロールの再セットおよびマスタカットが必要となり、不要な作業およびマスタの無駄が発生していた。
【0013】
上記した問題点は、後者の製版装置でも発生し、またフイルムを有するマスタであれば多かれ少なかれ発生すると考えられる。
【0014】
したがって、本発明はかかる問題点を解決するために、如何なるマスタであっても、製版の種類に拘らず、精度の良い製版長さが得られると共に、マスタを安定して搬送することのできる製版装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、発熱体を主走査方向に複数配列したサーマルヘッドとプラテンローラとでマスタを押圧するニップ部を形成し、上記プラテンローラの回転によって上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタを移動させつつ製版する製版装置において、上記発熱体の上記副走査方向の位置を、上記ニップ部における上記プラテンローラの上記副走査方向の中心位置から上記ニップ部内における上記副走査方向の下流側にずらし、上記ニップ部内における製版されたマスタの製版移動長さを短くし、かつ、上記プラテンローラの上記副走査方向の下流側に、上記プラテンローラの上記副走査方向下流側に位置する製版されたマスタに張力を与えるテンションローラを配設し、上記プラテンローラを回転するプラテンローラ駆動手段と、上記テンションローラを回転するテンションローラ駆動手段とを有し、上記テンションローラと上記テンションローラ駆動手段との間にトルクリミッタを設け、上記テンションローラの周速度を上記プラテンローラのそれよりも大きく設定し、上記プラテンローラと上記テンションローラとの間の製版されたマスタに一定のテンションを与えることによって、テンションの変化によるマスタの製版長さの変化を補償するようにしたことを特徴とする。
【0016】
ここで、「製版移動長さ」とは、ニップ部内におけるサーマルヘッドの発熱体の副走査方向の中心位置から同ニップ部内における副走査方向の最下流側までの長さ寸法を言い、あるいは上記製版移動長さを移動するのに要する製版移動時間を言う。プラテンローラがマスタを搬送する機能を有する場合には、上記製版移動長さ(または製版移動時間)を「製版搬送長さ(または製版搬送時間)」と言い替える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態」という)を説明する。各実施の形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
【0020】
まず、図11を参照して、本実施の形態を適用する印刷装置の一例としての孔版印刷装置の全体構成とその動作について簡単に説明する。
【0021】
図11において、符号50は、装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を構成し、その下方の符号1で示す部分は本実施の形態を具体的に適用する製版装置、その左側に符号100で示す部分は多孔性の印刷ドラム101が配置された印刷ドラム装置、その左の符号70で示す部分は排版装置、製版装置1の下方の符号110で示す部分は給紙装置、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧装置、装置本体フレーム50の左下方の符号130で示す部分は排紙装置を、それぞれ示している。この孔版印刷装置は、感熱デジタル製版式の製版装置1が装置本体フレーム50に一体的に装備されているデジタル製版式感熱孔版印刷装置である。
【0022】
この孔版印刷装置の動作について以下に説明する。
先ず、原稿読取装置80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム装置100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ2が装着されたまま残っている。
【0023】
印刷ドラム101が反時計回り方向に回転し、印刷ドラム101外周面の使用済みのマスタ2の後端部が排版装置70における排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済みのマスタ2の後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、使用済みのマスタ2が印刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離排出された使用済みのマスタ2は、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0024】
排版工程と並行して、原稿読取装置80では原稿読取が行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行なわれる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体フレーム50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力されデジタル画像信号に変換される。
【0025】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版工程が行われる。すなわち、マスタ2は、製版装置1の所定部位にマスタ2を繰り出し可能にセットされ、芯管2aの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール2Aから引き出され、サーマルヘッド3にマスタ2を介して押圧しているプラテンローラ6、および一対のテンションローラ7a,7bの回転によりマスタ搬送方向Yの下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ2に対して、図9に示すようにサーマルヘッド3の主走査方向にライン状に並んだ複数個の微小な発熱体4が、A/D変換基板(図示せず)から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体4に接触しているマスタ2の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ2の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0026】
サーマルヘッド3とプラテンローラ6とのマスタ搬送方向Yにおける取付け位置関係は、図9に示すように、ニップ部5のマスタ搬送方向Yにおいて、サーマルヘッド3の発熱体4列の中心位置とプラテンローラ6の中心位置とが合っている状態にある。
【0027】
プラテンローラ6は、タイミングベルトおよびギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介してプラテン駆動モータ11に連結されていて、プラテン駆動モータ11により回転される。プラテン駆動モータ11は、例えばステッピングモータからなる。プラテン駆動モータ11の回転駆動力は、ギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、テンションローラ対7a,7bおよび電磁クラッチ(図示せず)を介して後述する反転ローラ対8a,8bに伝達されるようになっている。
【0028】
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ2の先端は、ガイド板9上を案内されつつ一対の反転ローラ8a,8bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板12により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタクランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済みのマスタ2を既に除去されている。
【0029】
そして、製版済みのマスタ2の先端が、一定のタイミングでマスタクランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ2を徐々に巻きつけていく。製版済みのマスタ2の後端部はカッタ10により一定の長さに切断される。
【0030】
一版の製版済みのマスタ2が印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版および給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧装置120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済みのマスタ2に押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部および製版済みのマスタ2の穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0031】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0032】
印圧装置120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙装置130における排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙装置130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにして所謂試し刷りが終了する。
【0033】
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0034】
(実施の形態1)
図1ないし図4を参照して、本発明の第1の実施の形態(以下、単に「実施の形態1」という)について説明する。
図1および図2において、符号1Aは、実施の形態1における製版装置の要部のみを示す。この製版装置1Aは、図11に示した従来の製版装置1に対して、サーマルヘッド3とプラテンローラ6とのマスタ搬送方向Yにおける取付け位置関係について、サーマルヘッド3の発熱体4列の中心位置とプラテンローラ6の中心位置とが合っている状態(発熱体4列は仮想線で示されている)に代えて、サーマルヘッド3の発熱体4列のマスタ搬送方向Yの位置を、ニップ部5におけるプラテンローラ6のマスタ搬送方向Yの中心位置から同ニップ部5内におけるマスタ搬送方向Yの下流側に実線で示すようにズレ量L(寸法)だけずらし、ニップ部5内における製版されたマスタ2の製版移動長さとしての製版搬送長さ(または製版搬送時間)を短くしたこと、テンションローラ対7a,7bを回転するテンションローラ駆動手段が後述する回転伝達機構を介してプラテン駆動モータ11に連結していること、およびテンションローラ7aと上記回転伝達機構との間にトルクリミッタ18を設け、テンションローラ7aの周速度をプラテンローラ6のそれよりも大きく設定したことのみ相違する。
【0035】
以下、上記回転伝達機構およびトルクリミッタ18の構成と共に、マスタ2、サーマルヘッド3、プラテンローラ6、テンションローラ対7a,7bおよび反転ローラ対8a,8b周りの構成についても詳述する。
マスタ2は、実施例的に言うと、図3に示すように、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系の細い合成繊維が100%入っているベース2−2(多孔質支持体)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)系の厚さt1:1.5μmの熱可塑性樹脂フィルム2−1とを貼り合わせた厚さt2:25〜30μmのいわゆる合成繊維ベースマスタ(以下、「合成繊維ベースマスタ2」あるいは単に「マスタ2」というときがあり、「従来のマスタ2」と区別する)を用いている。ベース2−2におけるポリエチレンテレフタレート系の糸の径は、4〜14μm(線密度で0.1d〜1.1d、d:デニール)の範囲のものを用い、かつ、均一な太さでできており、ベース2−2はポリエチレンテレフタレート系の細い糸が縦方向および横方向に丁度織り合わされるようにして形成されている。
【0036】
ここで、従来のマスタ2と合成繊維ベースマスタ2とについて、代表特性として曲げ剛性(剛度とも言われている)をL&W剛度試験機(Lorentzen&Wettre社製)で測定した。なお、L&W剛度試験機は、JIS等の測定方法では測定できないくらいマスタ2等の弱い剛度を測定するものである。L&W剛度試験機は、概略図4(a),(b)に示すような試験装置をなすものであり、L&W剛度試験機でのマスタ2の剛度の測定要領を概略的に説明すると、同図に示すように、矩形(50mm×32mm)の試験片35としてのマスタ2の長手方向を水平にして、マスタ2の一端をクランプ装置32で挟み付けクランプし、マスタ2の他端をナイフエッジ33にマスタ2のフィルム面側をセットする。そして、クランプ装置32を垂直回転軸であるピポット軸31の周りに30°回転し、そのときの試験片35(マスタ2)が曲げられることによって生じる力をナイフエッジ33で受け、ナイフエッジ33の位置調整ネジ付きのトランスデューサ34で変換し測定するものである。
【0037】
同試験機における測定条件としては、下記の条件で行った。
試験片 =50mm×32mm
測定スパン=1.0mm
曲げ角 =30°
曲げ速度 =測定時:5°/秒
なお、図4(a)において、測定スパン=1.0mmは、図を見やすくするために実際よりも長い寸法で誇張して描いてある。
従来のマスタ2と合成繊維ベースマスタ2とについて、上記したL&W剛度試験機でタテ剛度およびヨコ剛度を測定し、比較した結果は、次のとおりである。なお、タテ剛度およびヨコ剛度の区分について述べると、従来のマスタ2あるいは合成繊維ベースマスタ2の上記試験片を仮りにマスタ搬送方向Yに平行にセットした状態において、マスタ搬送方向Yの曲げ剛性をタテ剛度と言い、マスタ幅方向Xの曲げ剛性をヨコ剛度と言う。従来のマスタ2の仕様としては、麻が60%入っているベースと、ポリエチレンテレフタレート(PET)系の厚さ:1.5μmの熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせた厚さ:43〜47μmのものを用いて測定した。
【0038】
従来のマスタ2……………約128/70mN(タテ/ヨコ、単位:ミリニュートン)
合成繊維ベースマスタ2……約35/22mN(タテ/ヨコ、単位:ミリニュートン)
サーマルヘッド3は、プラテンローラ6の軸6aと平行に延在して設けられていて、図示を省略したバネおよびカム等を備えた接離手段によりマスタ2を介してプラテンローラ6に接離自在となっている。そのサーマルヘッド押圧力は実施例的に言うと、103N(線圧3.23N/cm)を掛けるようになっている。
【0039】
プラテンローラ6は、図1および図2に示すように、図示を省略した金属製の芯金を介してプラテンローラ軸6aと一体的に形成されている。プラテンローラ6は、プラテンローラ軸6aの両端部が図示を省略した紙面の手前側および奥側に配設された製版側板対に回転可能に支持されていることにより、図中矢印で示す時計回り方向に回転自在となっている。プラテンローラ6の近傍における手前側のプラテンローラ軸6a端部には、プラテンローラギヤ16が固設されている。プラテンローラ6は、実施例的に言うと、プラテンローラ6の上記芯金外周は、マスタ2に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪の良好なシリコーンゴム層で被覆されている。プラテンローラ6は、外径が24mm、ゴム硬度43Hs(JIS−Aスケール)であり、サーマルヘッド3の押圧によりニップ部5のニップ幅5aが2.5〜3.0mmに形成されるように設定されている。プラテンローラ6の近傍における手前側の製版側板には、その出力軸(図示せず)に固設された歯付きのモータプーリ12を有するプラテン駆動モータ11が取付け固定されている。また、プラテンローラ6の近傍には、歯付きの駆動プーリ15が配設されていて、この駆動プーリ15は、手前側の製版側板に回転自在に支持された軸15aに一体的に取付けられている。モータプーリ12と駆動プーリ15との間には、タイミングベルト13が掛け渡されている。一方、プラテン駆動モータ11とプラテンローラ6との間には、駆動プーリ15と同軸15aに固定して設けられプラテンローラギヤ16と噛合する駆動ギヤ14が配設されている。
【0040】
上側のテンションローラ7aは、図2に示すように、軸7cと一体的に形成された駆動ローラを構成している。テンションローラ7aは、軸7cの両端部が上記製版側板対に回転可能に支持されていることにより、図中矢印で示す時計回り方向に回転自在となっている。下側のテンションローラ7bは、軸7dと一体的に形成された従動ローラを構成している。テンションローラ7bは、軸7dの両端部が上記製版側板対に回転可能に支持されていることにより、図中反時計回り方向に回転自在となっている。テンションローラ対7a,7bは、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、プラテンローラ6のマスタ搬送方向Y下流側に位置するマスタ2に張力を与える機能を有する。テンションローラ対7a,7bは、実施例的に言うと、各外周部はシリコーンゴムでできていて、外径が18mm、ゴム硬度33Hs(JIS−Aスケール)であり、各ローラ間の押圧力が20Nとなるように設定されている。
【0041】
プラテンローラ6とテンションローラ7aとの間には、手前側の製版側板に回転自在に支持された軸17aに一体的に取付けられ、プラテンローラギヤ16と噛合するアイドル大径ギヤ17と、アイドル大径ギヤ17と同軸的に設けられ、テンションローラギヤ20と噛合するアイドル小径ギヤ19と、アイドル大径ギヤ17とアイドル小径ギヤ19との間に設けられたトルクリミッタ18とがそれぞれ配設されている。トルクリミッタ18は、実施例的に言うと、摩擦力方式で1kgf・cm(≒0.1N・m)のトルク仕様のものを用いている。なお、トルクリミッタ18は、上記のものに限らず、例えばマグネットと磁性体からなる磁力方式あるいは電磁石と磁性粉体を用いた磁性パウダ方式等を用いても勿論よい。
【0042】
上記したとおり、プラテン駆動モータ11の回転力は、モータプーリ12、タイミングベルト13、駆動プーリ15、駆動ギヤ14、プラテンローラギヤ16、プラテンローラ6へと順次伝達されると共に、プラテンローラギヤ16、アイドル大径ギヤ17、トルクリミッタ18、アイドル小径ギヤ19、テンションローラギヤ20へと順次伝達される。テンションローラ対7a,7bは、トルクリミッタ18との協働作用により、実施例的に言うと、プラテンローラ6の周速度を1とした場合よりも大きな周速度である1.4で回転され、プラテンローラ6とテンションローラ対7a,7bとの間で、サーマルヘッド3の発熱体4列により溶融穿孔された製版済みのマスタ2に上記条件によって設定された張力であるフロントテンション=0.1N・mを付与する。
【0043】
次に、図11に示した製版装置1における製版工程と相違する点を中心に動作を述べる。
製版工程において、プラテン駆動モータ11が回転駆動されることにより、上記回転伝達機構が作動する。すなわち、サーマルヘッド3にマスタ2を介して押圧しているプラテンローラ6、およびテンションローラ対7a,7bが回転され始め、マスタロール2Aからマスタ2が引き出されつつマスタ搬送方向Yの下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ2に対して、図1に示すように、サーマルヘッド3の発熱体4がA/D変換基板(図示せず)から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体4に接触しているマスタ2の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。
【0044】
このとき、テンションローラ対7a,7bは、トルクリミッタ18との協働作用により、プラテンローラ6の周速度(=1)とした場合よりも大きな周速度(1.4)で回転され、プラテンローラ6とテンションローラ対7a,7bとの間で、サーマルヘッド3の発熱体4列により溶融穿孔された製版済みのマスタ2に上記条件によって設定された一定の張力であるフロントテンション=0.1N・mが付与されつつ、テンションローラ対7a,7bの回転によりマスタ搬送方向Yの下流側へ搬送される。
【0045】
(実施例)
次に、図5ないし図7を参照して、実施の形態1の製版装置1Aを使用して、サーマルヘッド3の発熱体4列の中心位置とプラテンローラ6の中心位置とが合っている状態(発熱***置ズレ量:L=0)から、サーマルヘッド3の発熱体4列のマスタ搬送方向Yの位置を、ニップ部5におけるプラテンローラ6のマスタ搬送方向Yの中心位置から同ニップ部5内におけるマスタ搬送方向Yの下流側にズレ量Lずつ徐々にずらした際の画像寸法再現性、製版シワおよび白ヌケについて、繰返し評価したところ、図5の図表に示す実験結果を得た。上記実験は、実施の形態1で実施例的に述べた各関係部品の仕様および機械的条件の下で行ったが、同関係部品仕様および機械的条件を再掲すれば以下のとおりである。
【0046】
マスタ2の仕様:上記した仕様および剛度を有する合成繊維ベースマスタ2
プラテンローラ6:外径24mm、ゴム硬度43Hs
サーマルヘッド3の押圧力:103N(線圧3.23N/cm)
テンションローラ対7a,7bの仕様:外径18mm、ゴム硬度33Hs
テンションローラ対7a,7bの押圧力:20N
フロントテンション:0.1N・m(トルクリミッタ18仕様:1kgf・cm)
ニップ幅5a:2.5〜3.0mm
図5の図表において、2重丸印は画像寸法再現性、製版シワまたは白ヌケの評価結果が良好である場合、丸印は同評価結果が実用的に可の場合、×印は同評価結果が実用的に不可の場合をそれぞれ表す。
【0047】
同図表から明らかなように、画像寸法再現性、製版シワおよび白ヌケの評価結果について、サーマルヘッド3の発熱***置ズレ量Lが0.2mm〜0.8mmである範囲が好ましい範囲であることが分かる。この範囲においては、図6に示すように、溶融穿孔された後のニップ部5内における合成繊維ベースマスタ2の製版搬送長さLa(または製版搬送時間)を短くして、スティックによる影響を少なくすると共に、製版シワおよび白ヌケの発生なしに穿孔製版を行い、精度の良い製版長さを得ることができた。製版搬送長さLa=(5a/2)−Lが上記図表に示した範囲で相対的に短い場合、プラテンローラ6の予蓄熱分布βと穿孔蓄熱分布αおよびサーマルヘッド3の発熱体4列による蓄熱の影響を受けることが少なくなり、合成繊維ベースマスタ2の製版部と無製版部との間でのマスタ搬送力の差が軽減され、製版シワが出にくくなると共に、画像寸法再現性も良好なものとなる。また、合成繊維ベースマスタ2の全幅に亘って製版部のみの場合でも搬送力の低下が抑えられるので、マスタ搬送性がよく、画像寸法再現性も良好なものとなる。
【0048】
さらに、上記範囲においては、プラテンローラ6とテンションローラ対7a,7bとの間の合成繊維ベースマスタ2にテンションを与えるテンションローラ7aを配設したことで、スティックによるプラテンローラ6に与える負荷を軽減し、合成繊維ベースマスタ2の製版長さの縮みを抑えることができる。また、図2に示した回転伝達機構にトルクリミッタ18を配設したことで、上記したような一定のテンションを与えることにより、プラテンローラ6の負荷を一層軽減し、プラテンローラ6と合成繊維ベースマスタ2との滑りを防止することで、上記テンションの変化による合成繊維ベースマスタ2の製版長さの変化を補償し、安定した高精度なマスタ搬送性が得られる。
【0049】
サーマルヘッド3の発熱***置ズレ量Lが0mmの場合は、図9および図10を参照して従来の技術で述べたような現象状態にあると考えられる。
【0050】
サーマルヘッド3の発熱***置ズレ量Lが1.0mmを超える場合は、図7に示すように、関係部品精度のバラツキ等により、サーマルヘッド3の発熱体4列がニップ部5からはずれるときがあり、はずれたときにはマスタ搬送力の差、マスタ搬送力の低下はほとんどなく、正確なマスタ搬送ができるが、白ヌケ部2fが発生する白ヌケ不良の原因となる。
【0051】
なお、上記実施例においては、合成繊維ベースマスタ2を用いた場合の実験結果であったが、従来のマスタや実質的に熱可塑性合成樹脂フィルムのみからなるマスタであっても、上記実験結果に準じた評価結果を得ることが確かめられている。実質的に熱可塑性合成樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみから成るものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有してなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成してなるものを含む。
【0052】
実施の形態1の上記利点をそれ程望まなくてもよいのであれば、実施の形態1の上記回転伝達機構からトルクリミッタ18を除去すると共に、上記回転伝達機構のギヤ比等を適宜変えることにより、テンションローラ対7a,7bの周速度をプラテンローラ6のそれよりも僅かに大きく設定して、テンションローラ対7a,7bとプラテンローラ6との間のマスタ2に略一定のテンションを与えるようにしてもよい。
【0053】
テンションローラ対7a,7bを回転するテンションローラ駆動手段は、上記実施の形態1のようにプラテンローラ駆動手段としてのプラテン駆動モータ11を兼ねる構成に限らず、プラテン駆動モータ11とは別個のステッピングモータ等で回転するようにしてもよい。
【0054】
また、実施の形態1に限らず、マスタ搬送性の向上をそれ程望まなくてもよいのであれば、プラテンローラ駆動手段としてのプラテン駆動モータ11を実施の形態1から除去し、テンションローラ対7a,7bを回転するテンションローラ駆動手段としてのステッピングモータからなるテンションローラ駆動モータを別に配設すると共に、このテンションローラ駆動モータの回転駆動によるテンションローラ対7a,7bの回転によって、マスタ2の搬送を介して、プラテンローラ6を連れ回り・従動回転させることで、マスタ搬送方向Y下流側にマスタ2を移動させるようにしてもよい。
【0055】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施の形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施の形態1等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施の形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、上記構成により、如何なるマスタであっても、製版の種類に拘らず、スティックによる影響を少なくすると共に、製版シワおよび白ヌケの発生なしに製版を行い、画像再現性も良好で精度の良い製版長さが得られ、マスタを安定して搬送することでき、かつ、プラテンローラとテンションローラとの間の製版されたマスタにテンションが与えられるので、スティックによるプラテンローラに与える負荷を軽減し、製版長さの縮みを抑えることができ、なおかつ、トルクリミッタにより一定のテンションを与えることによって、プラテンローラの負荷を一層軽減し、プラテンローラとマスタとの滑りを防止することで、テンションの変化によるマスタの製版長さの変化を補償することができるので、製版シワを確実に抑えて製版シワの発生なしに製版を行い、より一層精度の良い製版長さが得られると共に、安定した高精度なマスタ搬送性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における製版装置のサーマルヘッドの発熱体とプラテンローラとのマスタ搬送方向における取付け位置関係を示す要部の正面図である。
【図2】実施の形態1における製版装置の回転伝達機構を示す要部の正面図である。
【図3】実施の形態1に用いられる合成繊維ベースマスタの正断面図である。
【図4】図4(a)はマスタの剛度を測定する試験機の概要を示す斜視図、図4(b)は同概要を示す平面図である。
【図5】実施の形態1におけるサーマルヘッドの発熱体列のマスタ搬送方向の位置を、ニップ部におけるプラテンローラのマスタ搬送方向の中心位置から同ニップ部内におけるマスタ搬送方向の下流側に徐々にずらした際の画像寸法再現性、製版シワおよび白ヌケについて評価した実験結果を示す図表である。
【図6】図5におけるサーマルヘッドの発熱体列のマスタ搬送方向の位置をニップ部内におけるマスタ搬送方向の最下流側にずらした際の一例の作用を表す一部断面正面図である。
【図7】図5におけるサーマルヘッドの発熱体列のマスタ搬送方向の位置をニップ部内から外れたマスタ搬送方向の下流側にずらした際の一例の作用を表す一部断面正面図である。
【図8】理想的なニップ部におけるサーマルヘッドの発熱体列位置とプラテンローラの穿孔蓄熱分布とが製版搬送長さに与える影響を説明するための一部断面正面図である。
【図9】従来の製版装置のニップ部におけるサーマルヘッドの発熱体列位置とプラテンローラの穿孔蓄熱分布および予蓄熱分布とが製版搬送長さに与える影響を説明するための一部断面正面図である。
【図10】従来の製版装置のニップ部におけるサーマルヘッドの発熱体列位置と、プラテンローラの穿孔蓄熱分布および予蓄熱分布と、製版部および無製版部とが製版搬送長さに与える影響を説明するための一部断面を含む斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態を適用する従来の孔版印刷装置の概略的な正面図である。
【符号の説明】
1A 製版装置
2 マスタ
3 サーマルヘッド
4 発熱体
4a 発熱体列幅
5 ニップ部
5a ニップ部幅
6 プラテンローラ
7a,7b テンションローラ対
11 プラテンローラ駆動手段およびテンションローラ駆動手段を兼ねるプラテン駆動モータ
18 トルクリミッタ
L サーマルヘッドの発熱体のズレ量
La 製版移動長さとしての製版搬送長さ
Y マスタ搬送方向

Claims (1)

  1. 発熱体を主走査方向に複数配列したサーマルヘッドとプラテンローラとでマスタを押圧するニップ部を形成し、上記プラテンローラの回転によって上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタを移動させつつ製版する製版装置において、
    上記発熱体の上記副走査方向の位置を、上記ニップ部における上記プラテンローラの上記副走査方向の中心位置から上記ニップ部内における上記副走査方向の下流側にずらし、上記ニップ部内における製版されたマスタの製版移動長さを短くし、かつ、上記プラテンローラの上記副走査方向の下流側に、上記プラテンローラの上記副走査方向下流側に位置する製版されたマスタに張力を与えるテンションローラを配設し、
    上記プラテンローラを回転するプラテンローラ駆動手段と、上記テンションローラを回転するテンションローラ駆動手段とを有し、
    上記テンションローラと上記テンションローラ駆動手段との間にトルクリミッタを設け、上記テンションローラの周速度を上記プラテンローラのそれよりも大きく設定し、上記プラテンローラと上記テンションローラとの間の製版されたマスタに一定のテンションを与えることによって、テンションの変化によるマスタの製版長さの変化を補償するようにしたことを特徴とする製版装置。
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