JP4320893B2 - 車両用シートの格納構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のフロア上に設けた車両用シートを、シートバックをシートクッション上に折り畳んだ状態で、車体のフロアに開口する収容部内に格納するようにした車両用シートの格納構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷物収納面積を広げるために、車両用シート特に後部座席シートを折り畳んで車体のフロアに開口した収容部内に格納する技術としては、例えば実開平6−65073号公報や特開平9−207637号公報に開示されたものがある。これらの技術は、いずれもシートバックがシートクッション上に重ね合わさるように折り畳んだ状態で、車両用シートをシートクッションの後端部下側に設けた横方向軸線を中心として後側に180度回転し、シートバックが下側となるように折り返して、フロアに開口した収容部内に格納している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、車両用シートを横方向軸線を中心として後側に180度折り返し回転してフロアに開口した収容部内に格納しているが、車両用シートの前部を持ち上げて回転させるのは相当な力を要するので前側から行う必要があり、また衝撃を与えないで収容部内に車両用シートを収納するには相当な力を要するので後側から行う必要がある。したがって、この車両用シートの格納は前後各1名で行わなければならないので操作が面倒である。
【0004】
また上記従来技術ではシートベルトの取り付けが考慮されていないのでその取り付けはシートクッションフレームに行うことが考えられるが、車両用シートを複数人掛けとした場合にはシートクッションフレームの中間部に取り付けるシートベルトのためにシートクッションフレームの剛性を高めければならず、そのため重量が増大し構造が複雑化するという問題がある。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用シートの格納構造は、車体のフロア上に設けたシートクッションとその後部に起倒可能に設けられたシートバックよりなる車両用シートを、シートクッション上にシートバックを折り畳んだ状態で、上側がフロアに開口する収容部内に格納するようにした車両用シートの格納構造において、リンクロッドの基端部を収容部内の底部に横方向軸線回りに回転可能に支持するとともにリンクロッドの先端部にシートクッションのシートクッションフレームの後部を横方向軸線回りに回転可能に連結し、リンクロッドが起立した状態ではシートクッションフレームの前部をロック機構を介して車体の一部に離脱可能に係止してシートクッションを使用位置とし、リンクロッドが後側に倒れた状態では折り畳んだ状態の車両用シートがシートバックを上側として収容部内に収納されるようにし、リンクロッドの中間部とシートクッションフレームの前部の間に設けられて長手方向に沿って伸長方向に付勢力が与えられた細長い形状のスプリング装置によりリンクロッドを前述したような起立した状態に向けて付勢し、折り畳んだ状態の車両用シートが収容部内に完全に収納された状態ではスプリング装置の付勢力の作用線がリンクロッドの基端側の回転軸線付近に位置していることを特徴とするものである。基端部が収容部内の底部に回転可能に支持されたリンクロッドは、長手方向に沿って伸長方向に付勢力が与えられた細長い形状のスプリング装置により前述したような起立した状態に向けて付勢されている。また折り畳んだ状態の車両用シートが収容部内に完全に収納された状態では、スプリング装置の付勢力の作用線がリンクロッドの基端側の回転軸線付近に位置しているので車両用シートを使用位置に向かって付勢する力は生じない。
【0008】
前項の発明のスプリング装置は、リンクロッドの中間部とシートクッションフレームの前部の間に設けられ圧縮ガスが封入されて伸長方向の付勢力が与えられたダンパステーとすることが好ましい。
【0009】
前各項の発明のリンクロッドをシートクッションフレームの両側部に設けた側部リンクロッドよりなるものとし、各側部リンクロッドの先端部は横方向軸線を有する側部支持ピンを介してシートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、側部支持ピンにはシートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートを取り付けることが好ましい。このようにすればシートベルト装置に加わる力はシートクッションフレームを介することなく側部リンクロッドから収容部を介して車体に伝達される。
【0010】
前項の発明のリンクロッドはさらにシートクッションフレームの横方向中間部に配置した少なくとも1つの中央リンクロッドを備えてなるものとし、中央リンクロッドの先端部は横方向軸線を有する中央支持ピンを介してシートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、中央支持ピンにはシートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートを取り付けることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面に示す実施の形態により、本発明による車両用シートの格納構造の説明をする。この実施の形態の車両用シートAは2人掛けの後部シートで、シートクッション20とその後部に起倒可能に設けられたシートバック29により構成されている。乗員が着座する使用位置では、車両用シートAは、図1の実線20および二点鎖線29Bに示すように、車体10のフロア11の上側に保持されており、使用位置におけるシートクッション20の後半部より後側となるフロア11には、このフロア11に上側が開口する箱状の収容部12が形成されている。シートクッション20上にシートバック29を重ね合わせて折り畳んだ車両用シートAは、図1の二点鎖線20Aおよび29Aに示すように、この収容部12内に収納可能である。
【0012】
主として図2および図3に示すように、シートクッション20はシートクッションフレーム21の上側に表皮により覆われたクッションパッド28を取り付けたものである。シートクッションフレーム21は、クッションパッド28の下側ほゞ全面を支持する板金製の底板22と、その後縁ほゞ全長にわたり溶接固定された後部パイプ23を主要な構成部材としている。後部パイプ23には、両端に平板状の側部ブラケット24が、中央部の前側に上から見てコ字形の中央ブラケット25が溶接固定されている。シートクッションフレーム21の両側には側部ブラケット24よりも外側に位置してクッションパッド28の両側面を覆う側板26がねじ止め固定され、各側板26の前部内側には後述するロック機構40の係止機構41が固定されている。
【0013】
シートバック29の基端部両側は、シートクッション20の各側板26の後部外側に固定された支持ブラケット27に支持軸27aを介して回転自在に支持され、二点鎖線29Bに示す起立位置と実線29に示すようにシートクッション20上に重ね合わされた折り畳み位置との間で起倒可能である。起立位置ではシートバック29はロック機構(図示省略)により離脱可能にロックされている。
【0014】
この実施の形態では、シートクッションフレーム21は3本のリンクロッド30,33によりフロア11に連結支持されている。図1および図2に示すように、両側の側部リンクロッド30は、基端部が収容部12の底面に固定されたブラケット31に枢支ピン31aを介して横方向軸線回りに回転自在に連結され、先端部はシートクッションフレーム21の側部ブラケット24に側部支持ピン32を介して横方向軸線回りに回転自在に連結されている。側部ブラケット24の下部から外向きに突出するストッパピン24aは、図1においてシートクッションフレーム21が側部リンクロッド30に対し所定角度時計回転方向に回転すると側部リンクロッド30の後縁に当接し、部材30と21の間のそれ以上の相対回転を阻止する。
【0015】
図2および図3に示すように、中央のリンクロッド33は前側が開いたコ字断面形状で、基端部が収容部12の底面に固定されたコ形ブラケット34に左右1対の枢支ピン34aを介して横方向軸線回りに回転自在に連結され、先端部はシートクッションフレーム21の中央ブラケット25に中央支持ピン35を介して横方向軸線回りに回転自在に連結されている。この枢支ピン34aと中央支持ピン35は、それぞれ上述した側部リンクロッド30の枢支ピン31aおよび側部支持ピン32と同軸的に配置されている。
【0016】
中央リンクロッド33の長手方向中間部と、シートクッションフレーム21の前部中央下面に固定したL形ブラケット38の間には細長いスプリング装置36が設けられている。この実施の形態のスプリング装置36は、ダンパオイルと圧縮ガスを封入したシリンダ36aとピストンロッド36bよりなるダンパステーで、伸長方向の付勢力を与えるものであり、シリンダ36aの基端部はピン37を介して中央リンクロッド33に連結され、ピストンロッド36bの先端部はピン38aを介してL形ブラケット38に連結されている。このスプリング装置36はシートクッションフレーム21と中央リンクロッド33の間の角度を増大させるように作用し、これによりシートクッション20は前部が上向きに付勢され、また中央リンクロッド33は起立する向きに付勢される。スプリング装置36はこのようなダンパステーに限らず、中央リンクロッド33の長手方向中間部とシートクッションフレーム21のL形ブラケット38の間に伸長方向の付勢力を与えるものであれば、コイルスプリングなどを使用したものでもよい。
【0017】
シートクッション20の前部両側を車体10に離脱可能に係止するロック機構40は、シートクッション20の各側板26の前部内側に固定された係止機構41と車体10の一部に固定されたストライカ42よりなるものである。係止機構41は手動によりフック41aを解放(その機構は図示省略)した状態で上方からストライカ42に接近させ、ストライカ42上側のロッド部がノッチ41b内に入ってその奥に達すれば、図1に示すようにフック41aがロッド部に係合してシートクッション20の前部両側の車体10に対する係止がなされる。なおこの状態では、シートクッションフレーム21の側部ブラケット24のストッパピン24aは側部リンクロッド30の上部後縁に当接し、あるいは当接する直前である。
【0018】
次にシートベルト装置45の取付構造につき説明する。主として図2に示すように、短いベルト47を介してバックル48が連結された両側のアンカプレート46は、各側部リンクロッド30の先端部を側部ブラケット24に回転自在に連結する側部支持ピン32に回転自在に連結支持されている。また離脱可能にバックル48に係止されるタングプレート(図示省略)を先端に取り付けた1対のベルト47aが連結された各アンカプレート46aは、中央リンクロッド33の先端部を中央ブラケット25に回転自在に連結する中央支持ピン35の両端部に回転自在に連結支持されている。これは2点式シートベルト装置の場合であるが、3点式シートベルト装置の場合には中央側のアンカプレート46aにバックルを取り付け、リトラクタで上方に巻き取るようにしたベルトの下端を外側のアンカプレート46に取り付け、ベルトの途中に摺動可能に挿通した腰部タングプレートを中央側のバックルに離脱可能に係止するようにすればよい。
【0019】
次に上記実施の形態の作用の説明をする。乗員が着座する使用状態では、車両用シートAは、図1の実線20および二点鎖線29Bに示すように、車体10のフロア11の上側に保持されており、この状態では各リンクロッド30,33は起立され、シートクッション20の前部両側はロック機構40により車体10に係止されている。衝突の際などには乗員に作用する前向きの慣性力は、シートベルト装置45のアンカプレート46,46aから各支持ピン32,35、リンクロッド30,33、ブラケット31,34を経て車体10の一部である収容部12に伝達され、シートクッションフレーム21にはこの慣性力は加わらない。したがってこのような衝突に対する対策としてシートクッションフレーム21の剛性を高める必要がないので、シートクッションフレーム21の重量の増大および構造の複雑化を防止することができる。特に上記実施の形態では、2人掛けの車両用シートAの中央に設けたリンクロッド33に中央支持ピン35を介してアンカプレート46aを取り付けたので、このアンカプレート46aに加わる慣性力も中央リンクロッド33を介して車体10に伝達され、シートクッションフレーム21には加わらない。
【0020】
使用位置にある車両用シートAを収容部12内に収納するには、先ず起立状態にあるシートバック29のロック機構を解除して、図1の実線29に示すようにシートクッション20上に重なるように折り畳み、ロック機構40の係止機構41のフック41aを車両用シートAの後側から手動により開いて車体10に対するシートクッション20の係止を解除する。そして折り畳んだ車両用シートAの前部を少し持ち上げて係止機構41のノッチ41bをストライカ42から外し、後方に移動させればリンクロッド30,33が基端部の枢支ピン31a,34aを中心として回転し、同時にシートクッション20とリンクロッド30,33の間の角度が減少してダンパステー36は短縮され、シートクッション20およびシートバック29は、図1の二点鎖線20Aおよび29Aに示すように、シートバック29が上側になって収容部12内に収納される。
【0021】
この収納の際、車両用シートAは後方に移動してから下がるだけであるが、前半の後方への移動では車両用シートAは殆ど上昇することはないので操作に要する力はわずかであり、車両用シートAの後側から及び腰でも行うことができる。また後半の下方への移動は車両用シートAの重量を支えて行うので力を要するが、後側からならば腰を据えた安定した姿勢で行うことができるので操作は容易である。したがって車両用シートAを収容部12内に収納する操作は、後側から1人で行うことができる。なおこの際にダンパステー36が付勢力に抗して短縮されるので車両用シートAの重量の一部が相殺され、収納操作の特に後半に要する力は低減される。したがって収容部12内への車両用シートAの収納は極めて容易である。
【0022】
図1の二点鎖線20A,29Bに示すように収容部12内に収納した状態では、折り畳んだ車両用シートAはその重量により収容部12内に安定して保持される。またこの状態においては、ダンパステー36は二点鎖線36Aに示すようにその付勢力の作用線(ダンパステー36両端のピン37,38aを結ぶ線)が枢支ピン31a,34aの中心軸線よりわずか下方に位置しており、この付勢力も車両用シートAを下向きに押圧するように作用する。しかしながらダンパステー36の付勢力の作用線が枢支ピン31a,34aの中心軸線付近にあれば、この付勢力は車両用シートAの重量に比して小さいので、この作用線は枢支ピン31a,34aの中心軸線より多少上方に位置していてもよい。折り畳んだ車両用シートAが収納された状態では、収容部12の上側の開口は蓋板13により覆われる。
【0023】
収容部12内に収納された車両用シートAを使用位置に取り出す際は、前述と逆の手順で操作すればよく、取り出し操作前半における比較的力を要する収容部12内からの車両用シートAの持ち上げは後側から腰を据えた安定した姿勢で行うことができるので操作は容易であり、後半における前方への移動はわずかの力で行えるので後側から及び腰でも行うことができる。また収納された車両用シートAを多少持ち上げてダンパステー36の付勢力の作用線がリンクロッド30,33の基端側の回転軸線より上側となった状態では、ダンパステー36の付勢力は車両用シートAの前部を持ち上げるとともにリンクロッド30,33を起立させるように作用する。したがって収容部12内からの車両用シートAの取り出しも、後側から1人で行うことができる。この取り出し操作の最後のストライカ42に対する係止機構41の係止は、ストライカ42がノッチ41bに入った状態で押し下げれば、自動的になされる。
【0024】
上記実施の形態では、車両用シートAを2人掛けとした場合につき説明したが、本発明は1人掛けの車両用シートにも適用することができ、その場合は中央リンクロッド33を省略し、ダンパステー36はリンクロッド30の中間部とシートクッションフレーム21の前部との間に設ければよい。また3人掛け以上の車両用シートに適用する場合には、2本以上の中央リンクロッド33を設けて、各乗員のためのシートベルト装置45の片方のアンカプレート46,46aを各中央リンクロッド33の先端部に取り付ければよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、基端部が収容部内の底部に回転可能に支持されたリンクロッドは、長手方向に沿って伸長方向に付勢力が与えられた細長い形状のスプリング装置により前述したような起立した状態に向けて付勢されており、車両用シートの収容部内への収納および取り出し操作に要する力わずかで足りるので、これらの操作は何れも車両用シートの後側から1人で容易に行うことができる。また折り畳んだ状態の車両用シートが収容部内に完全に収納された状態では、スプリング装置の付勢力の作用線がリンクロッドの基端側の回転軸線付近に位置しており、車両用シートを使用位置に向かって付勢する力は生じないので、収納された車両用シートはその位置に安定して保持される。
【0029】
前項の発明のスプリング装置を、リンクロッドの中間部とシートクッションフレームの前部の間に設けられ圧縮ガスが封入されて伸長方向の付勢力が与えられたダンパステーとしたものによれば、収納された車両用シートを多少持ち上げてスプリング装置の付勢力の作用線がリンクロッドの基端側の回転軸線より上側となった状態では、スプリング装置の付勢力は車両用シートの前部を持ち上げるとともにリンクロッドを起立させるように作用するので、車両用シートを収容部内から取り出す操作はさらに一層容易となる。
【0030】
前各項の発明のリンクロッドをシートクッションフレームの両側部に設けた側部リンクロッドよりなるものとし、各側部リンクロッドの先端部は側部支持ピンを介してシートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、側部支持ピンにはシートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートを取り付けるようにしたものによれば、シートベルト装置に加わる力はシートクッションフレームを介することなく側部リンクロッドから収容部を介して車体に伝達され、シートクッションフレームの剛性を高める必要がないので、シートクッションフレームの重量の増大および構造の複雑化を防止することができる。
【0031】
前項の発明のリンクロッドをさらにシートクッションフレームの横方向中間部に配置した少なくとも1つの中央リンクロッドを備えてなるものとし、中央リンクロッドの先端部は中央支持ピンを介してシートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、中央支持ピンにはシートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートを取り付けるようにしたものによれば、各リンクロッドの間に着座する人をそれぞれ拘束するシートベルト装置が得られ、各シートベルト装置に加わる力はシートクッションフレームを介することなく各リンクロッドから収容部を介して車体に伝達され、シートクッションフレームの剛性を高める必要がないので、シートクッションフレームの重量の増大および構造の複雑化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による車両用シートの格納構造の一実施形態の全体構造を示す側面図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 図2の3−3断面図である。
【符号の説明】
10…車体、11…フロア、12…収容部、20…シートクッション、21…シートクッションフレーム、29…シートバック、30…側部リンクロッド、32…側部支持ピン、33…中央リンクロッド、35…中央支持ピン、36…スプリング装置(ダンパステー)、40…ロック機構、45…シートベルト装置、46,46a…アンカプレート、47,47a…ベルト、A…車両用シート。
Claims (4)
- 車体のフロア上に設けたシートクッションとその後部に起倒可能に設けられたシートバックよりなる車両用シートを、前記シートクッション上に前記シートバックを折り畳んだ状態で、上側が前記フロアに開口する収容部内に格納するようにした車両用シートの格納構造において、リンクロッドの基端部を前記収容部内の底部に横方向軸線回りに回転可能に支持するとともに前記リンクロッドの先端部に前記シートクッションのシートクッションフレームの後部を横方向軸線回りに回転可能に連結し、前記リンクロッドが起立した状態では前記シートクッションフレームの前部をロック機構を介して前記車体の一部に離脱可能に係止して前記シートクッションを使用位置とし、前記リンクロッドが後側に倒れた状態では前記折り畳んだ状態の車両用シートが前記シートバックを上側として前記収容部内に収納されるようにし、前記リンクロッドの中間部と前記シートクッションフレームの前部の間に設けられて長手方向に沿って伸長方向に付勢力が与えられた細長い形状のスプリング装置により前記起立した状態に向けて付勢し、前記折り畳んだ状態の車両用シートが前記収容部内に完全に収納された状態では前記スプリング装置の付勢力の作用線が前記リンクロッドの基端側の回転軸線付近に位置していることを特徴とする車両用シートの格納構造。
- 前記スプリング装置は、前記リンクロッドの中間部と前記シートクッションフレームの前部の間に設けられ圧縮ガスが封入されて伸長方向の付勢力が与られたダンパステーである請求項1に記載の車両用シートの格納構造。
- 前記リンクロッドは前記シートクッションフレームの両側部に設けた側部リンクロッドよりなり、前記各側部リンクロッドの先端部は横方向軸線を有する側部支持ピンを介して前記シートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、前記側部支持ピンにはシートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートが取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シートの格納構造。
- 前記リンクロッドはさらに前記シートクッションフレームの横方向中間部に配置した少なくとも1つの中央リンクロッドを備えてなり、前記中央リンクロッドの先端部は横方向軸線を有する中央支持ピンを介して前記シートクッションフレームの後部を回転可能に支持し、前記中央支持ピンには前記シートベルト装置のベルトを支持するアンカプレートが取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートの格納構造。
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