JPS6242836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートベルト付折畳みシート装置に
関するものである。

従来、シートバツクを前倒ししてシートクツシ
ヨン上に重ね、さらに、その状態でシートクツシ
ヨンを前方に回動させて倒立させるようになされ
た折畳みシート装置においては、タング側のシー
トベルトをシートクツシヨンに取付けると、該シ
ートクツシヨンに車両の衝突等により大きな引張
り荷重が掛つた場合、該荷重により後脚が浮上が
りシートクツシヨンが前方に回動してしまう虞れ
があるため、該シートベルトは車体の床面上に固
定していた。

しかしながら、タング側のシートベルトを床面
上に固定したものにおいては、シートを前方に回
動させて床の有効面積を広くした場合、シートベ
ルートが床面上に残されたまゝとなるので、該シ
ートベルトが積荷等で汚損される虞れがある。し
たがつて、再びシートをセツトし、シートベルト
を着用するときには、該シートベルトの汚損によ
り乗員の衣服を汚してしまうという問題があつ
た。

そこで本考案は、前記従来の問題点に鑑みてな
されたものであつて、タング側のシートベルトを
シートクツシヨンに取付けても、シートベルトに
係かる引張り荷重によつて、後脚が浮上がること
のない折畳みシート装置を提供し、該シートベル
トの汚損をなくし、かつ、床面を広く有効に利用
できるようにすることを目的とするものである。

そのため本考案では該シート装置を、シートク
ツシヨン下面に、ガイド溝が穿設されたスライド
ブラケツトが前後方向に配設されて固着され、該
ガイド溝にロツドの一端が移動可能に取付けら
れ、該ロツドの他端は、シートクツシヨン前端部
近傍と対応する床面上に固着された軸受に回動可
能に枢着され、かつ、前記ロツドの一端に補強杆
の一端が回動可能に枢着され、該補強杆の他端
は、、上端が前記シートクツシヨン後端部に回動
可能に枢着された後脚の下端部側に回動可能に枢
着され、該後脚は、該後脚を前記シートクツシヨ
ンに対して起立させ、該後脚の下端を床面上に当
接させたとき、前記シートクツシヨンが着座状態
になるような長さに形成され、シートクツシヨン
の着座状態において、該後脚の下端を床面上に設
けられた係止部材により係脱可能に係止されるよ
うになされ、前記ロツドはシートクツシヨンの着
座状態において、その一端が前記ガイド溝の後端
部に位置するような長さに設定され、シートクツ
シヨンを前方に回動させたとき、該ロツドが回動
して該ロツドの一端が前方に移動すると共に、前
記補強杆を介して後脚が回動してシートクツシヨ
ン下面に収納されるようになされ、又、前記シー
トクツシヨン後端部には、タング側もしくはリト
ラクタ側シートベルトの基端が取付けられている
構造として所期の目的を達成するようにしたもの
である。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

シートクツシヨン２の前端両側下面において該
シートクツシヨン２のクツシヨンフレーム９に前
脚１０が固着され、該前脚１０は床面３上に立設
された軸受部材１１に支軸４を介して回動可能に
枢着され、該シートクツシヨン２を前方に回動さ
せることにより、該シートクツシヨン２を後述す
るシートバツク１と共に折畳んだ状態で倒立可能
に保持するようになされている。又、該シートク
ツシヨン２の後端下面において前記クツシヨンフ
レーム９に後脚取付用ブラケツト２３が固着さ
れ、該ブラケツト２３には略コ字状をなす後脚８
の両側の上端が支軸１２を介して回動可能に枢着
されている。該シートクツシヨン２が着座状態に
あるとき、前記後脚８の下端部を形成する水平部
８ａは床面３上に当接して、該着座状態を保持す
るようになされている。さらに、該シートクツシ
ヨン２の後端両側には取付ベース２４が固着され
ている。

シートバツク１の下端両側は前記取付ベース２
４に支軸２５を介して回動可能に枢着され、該シ
ートバツク１を前倒しすることにより、該シート
バツク１を前記シートクツシヨン２上に重ねられ
て折畳まれるようになされている。

前記シートクツシヨン２の下面の左右方向の中
央には、スライドブラケツト１４が、その後端が
シートクツシヨン２の後端に位置するようにして
前後方向に配設されて固着されている。該スライ
ドブラケツト１４には長手方向に沿つてガイド溝
１３が穿設されている。

尚、実施例では、スライドブラケツト１４をシ
ートクツシヨン２の下面の左右方向の中央に配設
したが、これに限るものではなく、シートクツシ
ヨン２の下面であれば、右側に寄つていもよく、
又、左側に寄つていてもよく、その位置は自由に
設定できる。

前記ガイド溝１３にはロツド６の一端がピン１
５を介して移動可能に取付けられている。該ロツ
ド６の他端は、シートクツシヨン２の前端部近傍
と対応する床面３上に固着された軸受５にピン１
６を介して回動可能に枢着されている。該ロツド
６はシートクツシヨンの着座状態において、その
一端が前記ガイド溝１３の後端部に位置するよう
な長さを有している。そして、シートクツシヨン
２を第２図の鎖線に示すように、前脚１０の支軸
４を中心として前方に回動させて倒立させたとき
には、軸受５側のピン１６を中心として回動する
と共に、スライドブラケツト１４側のピン１５
は、ガイド溝１３の前方（シートクツシヨン２が
倒立している状態では下方）に移動するようにな
されている。

前記ロツド６の一端をガイド溝１３に移動可能
に取付けたピン１５には補強杆７の一端が回動可
能に枢着されている。該補強杆７の他端は、前記
後脚８の水平部８ａの中央に設けられたブラケツ
ト２６にピン１７を介して回動可能に枢着されて
いる。したがつて、該補強杆７は、前記シートク
ツシヨン２の倒立時において、その一端は前記ピ
ン１５の前方移動に伴つて前方移動する。これに
よつて後脚８の水平部８ａは、前記補強杆７の他
端によつて前方に引張られるため、該後脚８はピ
ン１２を中心として前方に回動し、シートクツシ
ヨン２の下面に収納される。

なお、実施例では補強杆７の他端を、後脚８の
下端部である水平部８ａの中央に設けたが、中央
に限るものではなく、前記スライドブラケツト１
４と対応する下端部側であればその取付位置は自
由に設定できる。

１８はタング側シートベルトであつて、該シー
トベルト１８の基端は前記クツシヨンフレーム９
の後側の略中央に取付片２７を介して固着されて
いる。該シートベルト１８の先端は、シートクツ
シヨン２とシートバツク１の間を通つてシートク
ツシヨン２上に置かれている。１９はリトラクタ
側のシートベルトであつて、該シートベルト１９
は車体側に固定されたリトラクタ２０に巻取り可
能に収納され、シートベルトの装着時において、
該シートベルト１９を引出し前記タング側のシー
トベルト１８と連結する。

尚、前記実施例では、リトラクタ２０を車体側
に固定したもので説明したが、該リトラクタ２０
はシート側に固定し、シート側のシートベルトを
リトラクタ側シートベルト１９としてもよい。

２１は後脚８を固定するロツクレバーであつ
て、シートをセツトしたとき、床面３に固定され
たラツチ２２に係止するようになされている。

次に前記実施例によるシート装置の作用につい
て説明する。

シートをセツト（着座状態）から前方に倒立さ
せる場合には、先ず、シートバツク１をシートク
ツシヨン２上に前倒しして折畳み、然る後、ロツ
クレバー２１をラツチ２２から外し、シートクツ
シヨン２をシートバツク１と共に前方に回動させ
て倒立させる。

前記のようにしてシートを倒立させると、ロツ
ド６と補強杆７の一端はスライドブラケツト１４
のガイド溝１３に沿つて前方に移動すると共に、
後脚８は支軸１２を中心として回動し、シートク
ツシヨン２の下面に収納される。

以上述べたように本考案は、シートクツシヨン
下面に、ガイド溝が穿設されたスライドブラケツ
トを前後方向に配設して固着し、該ガイド溝にロ
ツドの一端を移動可能に取付け、該ロツドの他端
を、シートクツシヨン前端部近傍と対応する床面
上に固着された軸受に回動可能に枢着し、かつ、
前記ロツドの一端に補強杆の一端を回動可能に枢
着し、該補強杆の他端を、上端が前記シートクツ
シヨン後端部に回動可能に枢着された後脚の下端
部側に回動可能に枢着し、該後脚は、該後脚を前
記シートクツシヨンに対して起立させ、該後脚の
下端を床面上に当接させたとき、前記シートクツ
シヨンが着座状態になるような長さに形成され、
シートクツシヨンの着座状態において、該後脚の
下端を床面上に設けた係止部材により係脱可能に
係止するようになされ、前記ロツドはシートクツ
シヨンの着座状態において、その一端が前記ガイ
ド溝の後端部に位置するような長さに設定されて
いると共に、前記シートクツシヨン後端部に、タ
ング側もしくはリトラクタ側シートベルトの基端
を取付けたので、シートに乗員が着座した状態
で、該車両の衝突等により、乗員に前方向への衝
撃が加わり、該衝撃がシートベルトを介してシー
トクツシヨンに大荷量が掛つたとしても、該シー
トベルトの取付部における前記衝撃の入力の分力
方向にロツドと補強杆が設けられているので、該
シートベルトの取付部における前記衝撃力は、前
脚の支軸及びガイド溝のピンを介して軸受部材、
ロツド及び補強杆に伝達される。そして、ロツド
に伝達された分力は軸受で受けるため、シートク
ツシヨンが前脚のピンを中心に前倒れするのが抑
止される。そのため、後脚の下端を床面上に係止
している係止部材（ロツクレバー、ラツチ）に掛
かる入力が少なくなり、係止部材の外れ、破損が
なくなり、乗員の安全性が向上する。又、ロツド
によりシートクツシヨンの前方移動が抑止され、
前脚に掛かる荷重も少なくなり、強度上有利とな
り、衝撃時の安全性が向上する。したがつて、後
脚の強度を上げなくても、シートベルトをシート
側に固定することができる。よつて、シートを折
畳んでも、従来のようにシートベルトを汚損した
りすることがない。

又、本考案によれば、補強杆が後脚折畳み用リ
ンクの役目を兼ねるので、シートを前倒しするこ
とによつて、後脚も自動的に収納できるので、該
後脚を折畳む作業を省くことができる。しかも、
シートを前倒しした状態では、ロツド及び補強杆
もシートバツク下面に沿つて前方に移動するの
で、床面を広く有効に利用することができる等の
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるシートベルト付折畳みシ
ート装置の一実施例を示す斜視図、第２図は同上
の拡大縦断面図である。 １はシートバツク、２はシートクツシヨン、３
は床面、５は軸受、６はロツド、７は補強杆、８
は後脚、１０は前脚、１１は軸受部材、１３はガ
イド溝、１４はスライドブラケツト、１８はシー
トベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンの後端両側にシートバツクの
   下端両側が回動可能に枢着され、前記シートクツ
   シヨンの前端両側下面に前脚が固着され、該前脚
   は、床面上に立設された軸受部材に回動可能に枢
   着され、前記シートバツクを前倒ししてシートク
   ツシヨン上に重ね、さらに、シートクツシヨンを
   前方に回動させ、倒立可能に保持するようになさ
   れた折畳みシート装置において、前記シートクツ
   シヨン下面に、ガイド溝が穿設されたスライドブ
   ラケツトが前後方向に配設されて固着され、該ガ
   イド溝にロツドの一端が移動可能に取付けられ、
   該ロツドの他端は、シートクツシヨン前端部近傍
   と対応する床面上に固着された軸受に回転可能に
   枢着され、かつ、前記ロツドの一端に補強杆の一
   端が回動可能に枢着され、該補強杆の他端は、上
   端が前記シートクツシヨン後端部に回動可能に枢
   着された後脚の下端部側に回動可能に枢着され、
   該後脚は、該後脚を前記シートクツシヨンに対し
   て起立させ、該後脚の下端を床面上に当接させた
   とき、前記シートクツシヨンが着座状態になるよ
   うな長さに形成され、シートクツシヨンの着座状
   態において、該後脚の下端を床面上に設けられた
   係止部材により係脱可能に係止されるようになさ
   れ、前記ロツドはシートクツシヨンの着座状態に
   おいて、その一端が前記ガイド溝の後端部に位置
   するような長さに設定され、シートクツシヨンを
   前方に回動させたとき、該ロツドが回動して該ロ
   ツドの一端が前方に移動すると共に、前記補強杆
   を介して後脚が回動してシートクツシヨン下面に
   収納されるようになされ、又、前記シートクツシ
   ヨン後端部には、タング側もしくはリトラクタ側
   シートベルトの基端が取付けられていることを特
   徴とするシートベルト付折畳みシート装置。