JP4319597B2 - モータ装置、及びワイパモータ - Google Patents

モータ装置、及びワイパモータ Download PDF

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Description

本発明は、モータ装置、及びワイパモータに関する。
例えば、車両のウインドガラスを払拭するためのワイパ装置には、駆動源としてモータが用いられている。
ここで、このようなワイパモータにおいて、特に車両のリヤワイパ用モータは、ケース側に回転可能に支持されアーマチャの回転軸に螺合するウォームホイールと、ワイパ軸に結合されたスイングアームと、一端がウォームホイール上の予め定められた位置に結合され、他端がスイングアームに結合された継手部材とを備えた構成となっており、通電することによってアーマチャが回転し、このアーマチャの回転力によってウォームホイールが回転し、さらに、このウォームホイールの回転が継手部材によってスイングアームの往復揺動運動に変換されてワイパ軸が往復回動し、ワイパ軸に直接取り付けられたワイパアームが往復回動されてリヤガラス面を払拭するように構成されている。(特許文献1参照)。
ところで、この種のワイパモータでは、ワイパの不使用時、すなわちワイパブレードが停止しガラス面下縁部位にほぼ水平に置かれているときに、例えば、雪の重量などの外力によってワイパブレード及びワイパアームが下反転位置よりもさらに下方に押圧された場合等では、ワイパ軸及びスイングアームが通常の往復回動範囲を超えて更に回動され、スイングアームに結合された継手部材や、継手部材に結合されたウォームホイールが破損する恐れがある。
このため、前記特許文献1に示されたワイパモータでは、前述の如き各部品の破損を防止するため、及びワイパアームがガラス面外のボディ領域へ回動してボディを傷つけてしまうことを防止するため、スイングアームが所定の回動範囲を超えて回動しないように、スイングアームの所定の回動範囲の外側にスイングアームの回動を阻止する回動範囲規制部を設けるようにしている。
しかしながら、このような構成では、スイングアームが所定の回動範囲を超えずに過大な外力が作用する場合、すなわち、所定の回動範囲(正規の払拭範囲)内の作動途中において過大な外力が作用する場合は、例えば、ワイパ装置の払拭作動時に動作していて下反転位置以外の位置にあるワイパアーム及びワイパブレード上に、車両の屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合においては、当該落雪によってワイパブレード及びワイパアームが拘束もしくは過大な外力が作用した状態となり、ワイパ軸を介してスイングアームや継手部材、ウォームホイール、ウォームギヤなどに過大な外力がそのまま作用してしまい、依然としてそれら各部材が破損する可能性をが残存しており、根本的な解決策にはなっていなかった。
そのため、特許文献1に示されるワイパモータは、これら過大な外力の作用を想定した各部品の強度設計を行う必要があった。
この場合、過大な外力が作用した際にもウォームホイール等の部品の損傷やモータの焼損等を防止できるように、出力軸(ワイパ軸)に所謂摩擦式のクラッチ機構を設けたものも知られているが、このような摩擦式のクラッチ機構は、回転力の伝達効率を大きく低下させる欠点があり、しかも摩擦摺動に伴う異音の発生やクラッチ機構の動作点が摩擦力に依存しているために動作点にバラツキが生じるといった問題の恐れもある。
そこで、これを防止するために、出力軸に「噛合い係合によるクラッチ」を設け、回動範囲(正規の払拭)の作動途中において過大な外力が作用する場合に、揺動機構、減速機構、モータ本体を含む全ての構成を過大外力から保護するように構成することが考えられる。このような噛合い係合によるクラッチでは、出力軸がロックされた場合などの万一の際の部品の損傷やモータの焼損等を防止することができるのみならず、摺動ロスが少なく回転力伝達効率が高効率となり、異音の発生も防止されて静粛である。
しかしながら、このような噛合い係合によるクラッチは、過大外力(過大負荷)によって係合が解除された場合、出力軸(被駆動側)がウォームホイール(駆動側、モータ側)に対して空回りするため、例えば、出力軸に固定されたワイパアームの払拭位置を、ウォームホイール(駆動側、モータ側)に設けられた自動定位置停止装置によって駆動制御している場合には、その停止位置がズレてしまい、定位置で自動停止させることができなくなるといった問題があった。
特開平9−118202号公報
本発明は上記事実を考慮し、万一の際の部品の損傷やモータの焼損等を防止することができるのみならず、出力軸(被駆動側)がモータ側(駆動側)に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、モータ側(駆動側)を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸(被駆動側)をモータ側(駆動側)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができるモータ装置、及びワイパモータを得ることが目的である。
請求項1に係る発明のモータ装置は、所定の角度範囲内において往復回転駆動される出力軸と一体回転するクラッチディスクと、前記クラッチディスクと結合して入力された駆動力を伝達する入力ディスクと、を備え、前記クラッチディスクと前記入力ディスクとの間に所定値以上の駆動伝達力が作用するとき前記クラッチディスクと前記入力ディスクとを空回りさせるクラッチ装置と、前記クラッチ装置を収容する収容部を有し、前記出力軸を回転自在に支持するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記入力ディスクに前記駆動力を供給するモータ本体と、を備えたモータ装置において、前記出力軸の前記往復回転角度範囲よりも大きな所定の角度範囲を制限角度範囲として設定すると共に、前記制限角度範囲を越える前記出力軸の往復回転を制限する回転制限部を前記ハウジングの前記収容部に形成したストッパ突起に設け、かつ、前記クラッチディスクと前記入力ディスクとのクラッチ結合可能位置を、前記出力軸の前記往復回転角度範囲内における一ヵ所に設定した、ことを特徴とする。
請求項1に係る発明のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、通常の使用状態では、入力された駆動力が入力ディスクに入力されると、この駆動力が入力ディスクからクラッチベースに伝達されることで出力軸が所定の角度範囲内において往復回転される。
一方、例えば、出力軸に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸と一体回転するクラッチディスクが入力ディスクに対して空回り(空転)する。これにより、各部品の損傷や駆動側の破損(例えば、モータの焼損等)を防止することができる。またしかも、このような過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の強度設定を行う必要がなくなる。
またここで、請求項1記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、クラッチディスクと入力ディスクとのクラッチ結合可能位置が、出力軸の往復回転角度範囲内における一カ所に設定されている。したがって、前述の如くクラッチ解除状態となった後に通常動作を行うべく再び駆動源からの駆動力を入力ディスクに入力して回転駆動させると、クラッチディスクと入力ディスクとが、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再びクラッチ結合状態となる。すなわち、自動的にクラッチディスクと入力ディスクとが原点(原位置)に復帰し、クラッチ結合状態となる。
例えば、クラッチ解除状態において、クラッチディスクと入力ディスクとの空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸に作用している負荷(荷重)よりも小さい場合には、通常動作を行うべく再び駆動源からの駆動力を入力ディスクに入力して回転駆動させると、出力軸に作用している負荷(荷重)のためにクラッチディスク(出力軸)は入力ディスク(駆動源側)と連れ回りせず、入力ディスクのみが回転され、その後に、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再びクラッチ結合状態となる。
一方、クラッチ解除状態において、クラッチディスクと入力ディスクとの空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸に作用している負荷(荷重)よりも大きい場合には、通常動作を行うべく再び駆動源からの駆動力を入力ディスクに入力して回転駆動させると、クラッチディスク(出力軸)は入力ディスク(駆動源側)と連れ回りし、その後にいずれ、出力軸はストッパ突起に設けられた回転制限部によって回転が制限された状態となる。そして、この回転が制限された出力軸(クラッチディスク)に対し、入力ディスク(駆動源側)のみが更に回転し、その後に、クラッチディスクと入力ディスクとが、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再びクラッチ係合状態となる。
このように、請求項1記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、出力軸(クラッチディスク)が駆動源(入力ディスク)に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、その後に駆動源を動作させて入力ディスクに駆動力を入力することで自動的に原点復帰を行い、再びクラッチディスク(出力軸)を入力ディスク(駆動源)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。さらに、出力軸がロックされた場合などの万一の際の部品の損傷や駆動源側の破損(モータの焼損等)を防止することができる。
請求項2に係る発明のモータ装置は、出力軸と、前記出力軸に対して軸線方向一側へ抜止め状態でかつ回転自在に支持され、駆動力が入力されることによって前記出力軸周りに往復回転すると共に、噛合係合部が設けられた入力ディスクと、前記入力ディスクに対し前記出力軸の軸線方向他側に位置すると共に前記出力軸に対して軸線周りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持され、前記入力ディスクの前記噛合係合部と前記出力軸の軸線方向に沿って噛合い係合する噛合被係合部が設けられたクラッチディスクと、前記クラッチディスクの前記出力軸軸線方向他側に配置され、前記噛合係合部と前記噛合被係合部との噛合い係合状態からの前記クラッチディスクの前記出力軸軸線方向他側へ向けた前記軸方向移動に対して抗力を付与する弾性部材と、を備えたクラッチ装置と、前記クラッチ装置を収容する収容部を有し、前記出力軸を回転自在に支持するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記入力ディスクに前記駆動力を供給するモータ本体と、を備えたモータ装置において、前記出力軸の往復回転角度範囲よりも大きな所定の角度範囲に設定された制限角度範囲を越える前記クラッチディスクの往復回転を制限する回転制限部を前記ハウジングの前記収容部に形成したストッパ突起に設け、前記噛合係合部と前記噛合被係合部との前記噛合い係合可能位置を、前記出力軸の前記往復回転角度範囲内における一ヵ所に設定した、ことを特徴とする。
請求項2記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置は、通常の使用状態では、入力ディスクの噛合係合部がクラッチディスクの噛合被係合部と噛合い係合しており、しかも、この噛合係合部と噛合被係合部の噛合い係合状態からクラッチディスクが出力軸軸線方向に移動しようとしても弾性部材によって所定の抗力が付与されるので、前記噛合い係合状態が維持される。このため、入力ディスクに駆動力が入力されて出力軸周りに往復回転すると、噛合係合部及び噛合被係合部を介して入力ディスクからクラッチディスクへ回転駆動力が伝達される。そして、クラッチディスクは、出力軸に対して軸線周りに回転不能に支持されているため、クラッチディスクへ伝達された回転駆動力はクラッチディスクから出力軸へと伝達されて、このクラッチディスクと一体で出力軸が往復回転される。
一方、例えば、出力軸に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸と一体回転するクラッチディスクには、入力ディスクと相対回転する方向に回転力が作用する。この回転力の一部は、クラッチディスクを出力軸軸線方向に移動させて入力ディスクの噛合係合部とクラッチディスクの噛合被係合部との噛合い係合を解除しようとする分力として作用し、当該回転力(分力)が所定値以上となると、弾性部材により付与されていた抗力に打ち勝って、クラッチディスクが出力軸軸線方向に強制的に移動されて前記噛合い係合状態が解除される。これにより、クラッチディスクすなわち出力軸は、入力ディスクに対して空転する。これにより、各部品の損傷や入力ディスクに接続された例えばモータの焼損等を防止することができる。またしかも、このような過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の強度設定を行う必要がなくなる。
またここで、請求項2記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、通常の使用状態において互いに噛み合い係合している入力ディスクの噛合係合部とクラッチディスクの噛合被係合部とは、前述の如くクラッチ解除状態においては、噛合係合部と噛合被係合部とは回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態(噛合い係合が解除された状態)となる。ところが、これらの噛合係合部と噛合被係合部とは、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所でのみ噛合い係合可能となっている(噛合い可能位置が一義的に決められている)。したがって、前述の如くクラッチ解除状態となった後に通常動作を行うべく再び入力ディスクに駆動力を入力して出力軸周りに回転駆動させると、回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態の噛合係合部と噛合被係合部とが、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。すなわち、自動的に噛合係合部と噛合被係合部とが原点(原位置)に復帰し、クラッチ結合状態となる。
例えば、噛合係合部と噛合被係合部との噛合い係合が解除されたクラッチ解除状態(噛合係合部と噛合被係合部とが回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態)において、入力ディスクとクラッチディスクとの空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸に作用している負荷(荷重)よりも小さい場合には、通常動作を行うべく再び入力ディスクに駆動力を入力して出力軸周りに回転駆動させると、出力軸に作用している負荷(荷重)のためにクラッチディスクは入力ディスクと連れ回りせず、入力ディスクのみが回転され、その後に、噛合係合部と噛合被係合部とが、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。
一方、噛合係合部と噛合被係合部との噛合い係合が解除されたクラッチ解除状態において、入力ディスクとクラッチディスクとの空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸に作用している負荷(荷重)よりも大きい場合には、通常動作を行うべく再び入力ディスクに駆動力を入力して出力軸周りに回転駆動させると、クラッチディスクは入力ディスクと連れ回りし、その後にいずれ、クラッチディスク(出力軸)はストッパ突起に設けられた回転制限部によって回転が制限された状態となる。そして、この回転が制限されたクラッチディスクに対し、入力ディスクのみが更に回転され、その後に、噛合係合部と噛合被係合部とが、出力軸の往復回転角度範囲内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。
このように、請求項2記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、出力軸(被駆動側)がモータ側(駆動側)に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、その後にモータ側(駆動側)を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸(被駆動側)をモータ側(駆動側)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。さらに、払拭動作中に出力軸がロックされた場合などの万一の際の部品の損傷やモータの焼損等を防止することができる。
請求項3に係る発明のモータ装置は、請求項2記載のモータ装置において、前記噛合係合部は、一対二組設けられ、一方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの周方向において互いに反対側に位置すると共に、他方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの周方向において互いに反対側に位置しており、かつ、前記一方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの径方向において前記他方の対の噛合係合部よりも外側に位置している、ことを特徴としている。
請求項3記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、入力ディスクの径方向において、一方の対の噛合係合部は他方の対の噛合係合部よりも外側に位置している。このため、一方の対の噛合係合部は、他方の対の噛合係合部に対応した噛合被係合部に噛合い係合することがなく、同様に、他方の対の噛合係合部は、一方の対の噛合係合部に対応した噛合被係合部に噛合い係合することがない。しかも、一方の対の噛合係合部、他方の対の噛合係合部は、それぞれ、入力ディスクの周方向において互いに反対側に位置している。したがって、例えば、出力軸の往復回転角度範囲よりも大きな角度範囲の制限角度範囲を「180度」として設定しておけば、噛合係合部と噛合被係合部との噛合い係合可能位置を、前記の如く出力軸の往復回転角度範囲内における一カ所に設定した構成を実現することができる。
しかも、噛合係合部(及び、噛合被係合部)は、一対二組設けられた構成(噛合い可能位置は一義的に決められた一カ所であるが係合部分は複数とした構成)であるため、入力ディスク(噛合係合部)からクラッチディスク(噛合被係合部)へ伝達される駆動トルクを大きくすることができ(出力軸を大きなトルクで駆動することができ)、車両のワイパ装置やサンルーフ装置の駆動源に好適に用いることができる。
請求項4に係る発明のモータ装置は、請求項1乃至請求項3記載の何れか1項に記載のモータ装置において、前記ストッパ突起に、前記クラッチディスク及び前記出力軸のうち少なくとも何れか1つが直接的にまたは間接的に当接することにより前記クラッチディスクの前記往復回転が制限される、ことを特徴としている。
請求項4記載のモータ装置では、ストッパ突起に、クラッチディスク及び前記出力軸のうち少なくとも何れか1つが直接的にまたは間接的に当接する。このような構成とすることで、当該ストッパ突起をハウジングと一体成形することができ、当該ストッパ突起による制限角度(回転制限部の制限角度範囲)精度が向上すると共に、構成も簡単になる。
請求項5に係る発明のモータ装置は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のモータ装置において、前記出力軸は、前記クラッチディスクに係合して前記クラッチディスクを一体的に回転させるクラッチベースを有し、前記クラッチディスク及び前記クラッチベースの一方は、前記出力軸の径方向に沿って突設された嵌入部を有し、前記クラッチディスク及びクラッチベースの他方は、前記出力軸の軸線方向に沿って立設形成された周壁を有し、前記周壁は前記嵌入部が前記出力軸の軸線方向に沿って移動可能に嵌入される案内被嵌入部を有する、ことを特徴としている。
当該モータ装置に備えられたクラッチ装置は、クラッチディスクがクラッチベースに対して出力軸周り(回転方向)には一体で回転しかつ出力軸の軸線方向に対しては相対移動可能となる構成であるが、請求項5記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、周壁に設けられた案内被嵌入部に嵌入部が嵌入することで前記構成を実現することができる。
請求項6に係る発明のモータ装置は、請求項5記載のモータ装置において、前記嵌入部は、前記クラッチディスクまたは前記クラッチベースの径方向外側へ向けて突出して形成され、前記ストッパ突起は前記嵌入部の回動軌跡内に位置して設けられ、前記嵌入部が前記ストッパ突起に直接的または間接的に当接する、ことを特徴としている。
請求項6記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、ストッパ突起に直接的または間接的に当接する嵌入部を、クラッチディスクまたはクラッチベースの径方向外側へ向けて突出して形成したため、すなわち、クラッチディスクの往復回転を制限する構成部分を、なるべく出力軸の径方向外側の位置に設定した構成としたため、ストッパ突起及び嵌入部による制限角度(回転制限部の制限角度範囲)精度がより一層向上する。
請求項7に係る発明のモータ装置は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のモータ装置において、前記出力軸は、前記クラッチディスクに係合して前記クラッチディスクを一体的に回転させるクラッチベースを有し、前記弾性部材は、軸線方向移動不能な前記クラッチベースと前記クラッチディスクとの間に、前記出力軸の軸線周りに巻回されて圧縮状態で配置された圧縮コイルスプリングである、ことを特徴としている。
請求項7記載のモータ装置に備えられたクラッチ装置では、弾性部材は、出力軸の軸線周りに巻回されて圧縮状態で配置された圧縮コイルスプリングであるので、バネ特性が安定的である。すなわち、例えば、弾性部材がゴム部材の場合、クラッチ装置に塗布されたグリス等が当該ゴム部材に付着して劣化する恐れがあるが、圧縮コイルスプリングの場合には、グリス等の付着による劣化の恐れがないためバネ特性が安定的である。したがって、結果的に安定したクラッチ性能を得ることができる。
請求項8に係る発明のモータ装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載されたモータ装置において、前記クラッチ装置の前記入力ディスクは、前記モータ本体の回転軸に設けたウォームギヤに噛合して減速回転する、ことを特徴としている。
請求項8記載のモータ装置では、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置が有する効果と同様の効果を奏し、しかも、入力ディスクは、モータ本体の回転軸に設けたウォームギヤに噛合して減速回転されるため、出力軸を大きなトルクで駆動することができ、例えば、車両のワイパ装置やサンルーフ装置の駆動源として好適である。
特にこの場合、例えばワイパ装置の駆動源(ワイパモータ)として適用した場合には、過大な外力(荷重)が作用したときの出力軸(ワイパアーム)以降の駆動力伝達部品(ウォームギヤ等の減速機構、モータ本体の回転軸からアーマチャ側に向けての構成等)を保護することができる。しかも出力軸に固定または連結されたワイパアーム等(被駆動部材)も、クラッチ装置による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。さらに、出力軸(ワイパアーム)がモータ本体側に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、その後にモータ本体(駆動源側)を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸(ワイパアーム)をモータ本体(駆動源側)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
請求項9に係る発明のモータ装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置において、前記ハウジングは、前記出力軸を回転可能に支持する軸支部を有し、前記クラッチ装置の前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの一方は、前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの他方よりも大径でかつ前記出力軸の軸線と同心の円周面を有しており、前記軸支部には、前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの一方の前記円周面を回転可能に保持する軸受部材が固定されている、ことを特徴としている。
請求項9記載のモータ装置では、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置が有する効果と同様の効果を奏する。またしかも、入力ディスク及びクラッチディスクの一方は他方よりも大径でかつ出力軸の軸線と同心の円周面を有しており、出力軸を回転可能に支持する軸支部には、この円周面を回転可能に保持する軸受部材が固定されている。すなわち、入力ディスクまたはクラッチディスクの円周面は軸受部材によって保持されているため、当該部材のハウジングに対する支持強度を向上させることができる。
請求項10に係る発明のワイパモータは、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ本体の回転軸に設けられたウォームギヤと、前記ウォームギヤに噛合して前記回転軸の軸線と垂直な回転軸周りに回転するウォームホイールと、前記ウォームホイールの前記回転軸と異なる位置に一端が連結されると共に他端が前記クラッチ装置の前記入力ディスクに係合し前記ウォームホイールの回転によって往復揺動されることで前記入力ディスクを往復回転駆動する揺動部材と、を有する運動変換機構を備え、前記出力軸に直接的にまたは間接的に連結されたワイパを往復駆動する、ことを特徴としている。
請求項10記載のワイパモータでは、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置が有する効果と同様の効果を奏し、しかも、入力ディスクは、運動変換機構(ウォームギヤ、ウォームホイール、及び揺動部材)によって減速往復回転駆動されるため、出力軸を大きなトルクで駆動することができ、出力軸に連結されたワイパを好適に往復駆動することができる。
また、上記クラッチ装置を設けたことにより、過大な外力(荷重)が作用したときの出力軸以降の駆動力伝達部品(揺動部材、ウォームホイール、ウォームギヤ、モータ本体等の出力軸からアーマチャ側に向けての構成)を保護することができる。しかも出力軸に連結されたワイパも、クラッチ装置による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。さらに、出力軸(ワイパ)がモータ本体側に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、その後にモータ本体(駆動側)を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸(ワイパ)をモータ本体(駆動側)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
また、出力軸は、回転制限部によって、正規(通常)の往復回転角度範囲よりも大きな所定の角度範囲に設定された制限角度範囲内に回転が制限されているため、例えば、出力軸に連結されたワイパ(ワイパアームやワイパブレード)が車両のガラス面を越えてボディ側へ不要に回動してしまうことが防止される。
請求項11に係る発明のワイパモータは、請求項10記載のワイパモータにおいて、前記出力軸と前記クラッチディスクとの回転方向の連結固定強度は、前記出力軸に直接連結された前記ワイパの前記出力軸との回転方向への連結強度よりも大きく設定されている、ことを特徴としている。
請求項11記載のワイパモータでは、出力軸とクラッチディスクとの回転方向の連結固定強度が、ワイパの出力軸への回転方向の連結強度よりも大きく設定されているため、例えば、出力軸の回転が回転制限部によって制限された状態において(既にこの時点ではクラッチ装置が作動した「クラッチ解除状態」である)、更に過大な負荷がワイパに作用した場合には(制限角度範囲を越えて出力軸を回転させようとした場合には)、先ずワイパ(ワイパアーム)が出力軸に対して空転する。これにより、当該過大負荷がモータ内部構造へ伝達されることがなく、出力軸以降の駆動力伝達部品(揺動部材、ウォームホイール、ウォームギヤ、モータ本体等の出力軸からアーマチャ側に向けての構成)を保護することができる。
[第1の実施の形態]
図1及び図2には、本発明の第1の実施の形態に係るクラッチ装置10が適用されて構成されたワイパモータ90の全体構成が斜視図にて示されており、図3には、このワイパモータ90の構成が分解斜視図にて示されている。さらに、図4乃至図8には、ワイパモータ90の構成が断面図にて示されている。
ワイパモータ90は、車両のワイパ装置を駆動するためのワイパ駆動用モータとされており、クラッチ装置10と、モータ本体92と、及び運動変換機構94とによって構成されている。
ここで、図9及び図10には、クラッチ装置10の全体構成が分解斜視図にて示されている。
このクラッチ装置10は、出力軸12を備えている。出力軸12の基端部分(後端部分)には、軸線方向に沿って複数の突条が形成された回止部14と、後端部突端に形成された抜止部16と、回止部14と抜止部16との間に設けられた相対回転軸部18と、が設けられている。
出力軸12の回止部14には、クラッチベース20が固着されている。クラッチベース20は、中央部分に支持孔22が形成された円盤状に形成されており、支持孔22が回止部14に固着されることで常に出力軸12と一体回転する。また、クラッチベース20の周縁には、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出する嵌入部24及び嵌入部26が互いに周方向おいて反対側(180度反対側)に設けられている。嵌入部26は嵌入部24よりも径方向へ長く突出している。これらの嵌入部24及び嵌入部26は、後述するクラッチディスク38に対応している。
また、出力軸12の抜止部16には、入力ディスク28が取り付けられている。入力ディスク28は、中央部分に軸孔30が形成された歯車状に形成されており、軸孔30に出力軸12の抜止部16が挿通すると共に抜止部16の突端に取り付けられた抜止めクリップ32によって抜け止めされることで、出力軸12に対して軸線方向一側(クラッチベース20と反対側)へ抜止め状態でかつ回転自在に支持されている。この入力ディスク28に駆動力が入力されると、入力ディスク28が出力軸12周りに回転する。また、入力ディスク28の表面側(クラッチベース20の側、出力軸12の軸線方向他側)には、クラッチベース20の側へ向けて一対二組の噛合係合部34及び噛合係合部36が突出して設けられている。
ここで、一対の噛合係合部34は、互いに周方向において反対側(180度反対側)に設けられており、また、一対の噛合係合部36は、互いに周方向において反対側(180度反対側)に設けられており、しかも、噛合係合部34及び噛合係合部36はそれぞれ等間隔に(すなわち、周方向に沿って90度の間隔で)形成されている。またしかも、一対の噛合係合部34は、他の一対の噛合係合部36よりも、径方向において外側に位置しており、入力ディスク28の「歯」の部分にまで跨って形成されている。これらの一対二組の噛合係合部34及び噛合係合部36も、後述するクラッチディスク38に対応している。
一方、出力軸12の相対回転軸部18には、クラッチディスク38が支持されている。クラッチディスク38は、出力軸12に対応した軸孔40が形成された底壁42と、この底壁42の周縁から出力軸12の軸線方向に沿って立設形成された周壁44と、を有する有底円筒形に形成されており、軸孔40に出力軸12(相対回転軸部18)が挿通することで、入力ディスク28に対し出力軸12の軸線方向他側(クラッチベース20の側)に位置すると共に出力軸12に対して軸線方向に沿って移動可能に支持されている。
周壁44の開口側周縁部分には、前述したクラッチベース20の嵌入部24及び嵌入部26に対応して、案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48が形成されている。これらの案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48に、クラッチベース20の嵌入部24及び嵌入部26がそれぞれ出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。これにより、クラッチディスク38は、常にクラッチベース20(すなわち、出力軸12)と一体的に回転すると共に、クラッチベース20に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。
また、クラッチディスク38の底壁42の裏面側(入力ディスク28の側、出力軸12の軸線方向一側)には、一対二組の噛合被係合部50及び噛合被係合部52が凹設して(窪んで)設けられている。
これらの噛合被係合部50及び噛合被係合部52は、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36にそれぞれ対応しており、一対の噛合被係合部50は、互いに周方向において反対側(180度反対側)に設けられており、また、一対の噛合被係合部52は、互いに周方向において反対側(180度反対側)に設けられており、しかも、噛合被係合部50及び噛合被係合部52はそれぞれ等間隔に(すなわち、周方向に沿って90度の間隔で)形成されている。この噛合被係合部50に入力ディスク28の噛合係合部34が嵌入可能であり、また、噛合被係合部52に入力ディスク28の噛合係合部36が嵌入可能となっている。これにより、入力ディスク28が回転した場合にこの入力ディスク28の回転力がクラッチディスク38へ伝達されてクラッチディスク38が供に回転される構成である。またこれにより、後に詳述する如く、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、出力軸12の正規の往復回転角度範囲X(図14乃至図18参照、本実施の形態においては、170度程度)内における所定の一カ所でのみ噛合い係合可能となっている(換言すれば、一方の噛合係合部34が他方の噛合被係合部52に嵌入することはなく、また、一方の噛合係合部36が他方の噛合被係合部50に嵌入することはない)。
またここで、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされている(換言すれば、断面形状が所謂「台形」に形成されている)。これにより、入力ディスク28が回転しこの入力ディスク28からクラッチディスク38への回転伝達力によって、クラッチディスク38に出力軸12軸線方向に沿った(クラッチベース20へ向いた)分力が生じる構成となっている。
なお、前述の如く入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52のそれぞれの側壁を共に「傾斜面」とする構成に限らず、少なくとも何れか一方に、出力軸12の周方向に対して傾斜する傾斜面を形成する構成としてもよい。この場合であっても、入力ディスク28からクラッチディスク38への回転伝達力によってクラッチディスク38に出力軸12軸線方向に沿った分力を生じせしめることができる。
またさらに、クラッチディスク38の内部、すなわち底壁42及び周壁44によって形成される内部スペースは収容部54とされており、当該収容部54を閉塞する状態で、クラッチベース20がクラッチディスク38の周壁44の開口側周縁部分に入り込んでいる。
前記収容部54には、弾性部材としての複数(本実施の形態においては、2枚)のウエーブワッシャ56が収容されている。ウエーブワッシャ56は、クラッチディスク38(底壁42)とクラッチベース20との間に配置されており、入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク38の噛合被係合部50、52との係合状態からのクラッチディスク38の出力軸12軸線方向他側(クラッチベース20の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(クラッチディスク38の軸線方向移動によって弾性変形された際の復元力)を付与するようになっている。換言すれば、通常は、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36が、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52に入り込むと共に、ウエーブワッシャ56はこの嵌入状態を維持しており、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36が、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52から抜け出そうとしてクラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて軸線方向移動しようとすると、これに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成されている。
なお、通常状態(クラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて移動しようとしない状態)において、既にウエーブワッシャ56がクラッチベース20とクラッチディスク38との間で押圧力が付与されるように構成してもよく、あるいは、クラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて移動したときだけに(噛合係合部34及び噛合係合部36が、噛合被係合部50及び噛合被係合部52から抜け出そうとした場合に)、ウエーブワッシャ56がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。
以上の構成のクラッチ装置10は、ハウジング96内に収容支持されて出力軸12が外部に突出して設けられている。
さらに、このクラッチ装置10のクラッチベース20に設けられた嵌入部24及び嵌入部26のうち、径方向へ長く突出する一方の嵌入部26に対応して、ハウジング96にはストッパ突起142が形成されている。
ストッパ突起142は円弧状に形成されており、嵌入部26の回動軌跡内に位置している。ストッパ突起142の周方向一端部及び周方向他端部は、それぞれ回転制限部144、回転制限部146とされている。すなわち、ストッパ突起142の回転制限部144及び回転制限部146は、それぞれ嵌入部26に当接可能となっており、嵌入部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した状態では、それ以上のクラッチベース20の回転が阻止される構成である。したがって、入力ディスク28の回転駆動力によってクラッチベース20(出力軸12)がクラッチディスク38と共に回転し嵌入部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した後には、それ以後のクラッチベース20(出力軸12)の回転が強制的に阻止されるため、入力ディスク28が相対回転(空回り)する構成となっている。
このように、嵌入部26がストッパ突起142の回転制限部144と回転制限部146とに当接する間の回転角度範囲(すなわち、出力軸12の回転角度範囲)が、「制限角度範囲Y」として設定された構成である。すなわち、前記「制限角度範囲Y」は、前述した出力軸12(クラッチベース20及びクラッチディスク38)の正規の往復回転角度範囲Xよりも大きく(広く)設定されている。なお、本実施の形態においては、前記「制限角度範囲Y」は、180度に設定されている。
したがって、前述した如く、入力ディスク28の径方向において、一方の対の噛合係合部34は他方の対の噛合係合部36よりも外側に位置しているため、一方の対の噛合係合部34は、他方の対の噛合係合部36に対応した噛合被係合部52に噛合い係合することがなく、同様に、他方の対の噛合係合部36は、一方の対の噛合係合部34に対応した噛合被係合部50に噛合い係合することがなく、しかも、一方の対の噛合係合部34、他方の対の噛合係合部36は、それぞれ、入力ディスク28の周方向において互いに反対側に位置しているため、出力軸12の正規のXよりも大きな角度範囲の「制限角度範囲Y」を180度として設定することで、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、出力軸12の正規の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所でのみ噛合い係合可能となっている。すなわち、図13に概略的に示す如く、往復回転角度範囲X内に設定されている噛合い係合可能な所定の一位置は、「制限角度範囲Y」の両端から出力軸12の往復回転角度∠docに達するまでの領域に設定されている。つまり、「制限角度範囲Y」を設定する端a及び端bから係合可能位置eまでの角度∠αは、往復回転角度∠docよりも小さく設定されている。
また、前述した如く、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36が、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52に入り込むことで、入力ディスク28からクラッチディスク38へ回転力が伝達されるが、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36が、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52から抜け出した状態でも(クラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて移動した状態でも)、前記ウエーブワッシャ56が発揮する付勢力(復元力)によって、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36とクラッチディスク38の底壁42との間に所定の摩擦力が生じ、これにより、入力ディスク28とクラッチディスク38とが供回りするようにウエーブワッシャ56の付勢力等が設定されている。
一方、モータ本体92のヨークハウジング98は、軸線方向一端部が絞り加工された有底でしかも回転軸110の直交方向断面が出力軸12の軸線方向を短手方向とする偏平形状の筒状に形成されており、開口側がハウジング96に一体的に取り付けられている。ヨークハウジング98の底壁100には、軸受102が配置されている。一方、ヨークハウジング98の他端部には、絶縁樹脂製のエンドハウジング104が固定されている。
また、エンドハウジング104の中央部分には軸受106が配置されている。この軸受106及びヨークハウジング98の軸受102とによってアーマチャ108の回転軸110が支持されアーマチャ108がヨークハウジング98内に収容されている。アーマチャ108に対向するヨークハウジング98の内周壁にはマグネット112が固着されている。
エンドハウジング104には、ブラシケースを介してブラシ114が保持されている。ブラシ114は角柱状に形成されており、アーマチャ108のコンミテータ116に圧接されている。また、ブラシ114からは連結用ピッグテール118が引き出されており、ピッグテール118の先端部は、給電用の接続線に接続されている。
モータ本体92(アーマチャ108)の回転軸110は、カップリング120によって運動変換機構94のウォームギヤ122に連結されている。
ウォームギヤ122は、その一端部が軸受124を介してハウジング96に回転自在に支持されると共に、他端部は軸受126を介してハウジング96に回転自在に支持されている。このウォームギヤ122は、ウォームホイール128に噛み合っている。
ウォームホイール128は、ウォームギヤ122に噛合した状態でハウジング96内に収容されており、ウォームギヤ122(回転軸110)の軸線と垂直な回転軸130周りに回転する。
また、ウォームホイール128には、揺動部材としてのセクタギヤ132が連結されている。セクタギヤ132は、図11及び図12に示す如く、ウォームホイール128の回転軸130と異なる位置(径方向に変位した位置)に設けられた支軸134によって一端が回転自在に連結されると共に、他端には歯部136が形成されており、当該歯部136がクラッチ装置10の入力ディスク28に噛合している。またさらに、セクタギヤ132には、保持レバー138の一端が支軸140によって連結されており、さらに、保持レバー138の他端は入力ディスク28の回転中心部分(すなわち、出力軸12)に回転自在に連結されている。これにより、支軸140と出力軸12との軸間ピッチが維持され、セクタギヤ132と入力ディスク28との噛合い状態が維持される。こうして、ウォームホイール128が回転することによってセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、入力ディスク28が往復回転駆動される構成である。
さらに、以上の構成のクラッチ装置10及び運動変換機構94を収容したハウジング96の裏面側は、カバープレート148によって閉鎖されている。
なお、保持レバー138のセクタギヤ132とは反対側には、樹脂材料等からなる摺動部材147が取り付けられており、この摺動部材147は、カバープレート148に摺動可能に当接している。これにより、保持部材138の厚さ方向(出力軸12の軸線方向)に沿った移動が制限されている。
またさらに、ハウジング96から外部に突出して設けられた出力軸12には、ワイパW(図14乃至図18参照)が直接的に連結されており、当該ワイパWが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する構成である。さらにこの場合、ワイパWの出力軸12への回転方向の連結強度よりも、前述した出力軸12(回止部14)とクラッチベース20(支持孔22)との回転方向の固定強度のほうが大きく設定されている。
なお、このように出力軸12にワイパWを直接的に連結する場合に限らず、リンクやロッド等を介して間接的に連結する構成としても良い。
次に、本第1の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ90では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。ウォームホイール128が回転すると、このウォームホイール128の連結されたセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、入力ディスク28が往復回転駆動される。
ここで、通常の使用状態では、クラッチ装置10の入力ディスク28の噛合係合部34、噛合係合部36が、クラッチディスク38の噛合被係合部50、噛合被係合部52と係合しており(互いに嵌り合っており)、しかも、この噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52の係合状態からクラッチディスク38が出力軸12軸線方向に移動しようとしてもウエーブワッシャ56によって所定の抗力が付与されるので、前記係合状態が維持される。また、クラッチディスク38の案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48には、クラッチベース20の嵌入部24及び嵌入部26がそれぞれ出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。このため、図5、図7及び図11に示す如く、クラッチ装置10は「クラッチ結合状態」となっており、入力ディスク28が往復回転駆動されると、噛合係合部34、36及び噛合被係合部50、52を介して入力ディスク28からクラッチディスク38へ回転駆動力が伝達される。そして、クラッチディスク38は、出力軸12に固定されたクラッチベース20と係合しているため、クラッチディスク38へ伝達された回転駆動力はクラッチディスク38からクラッチベース20へと伝達されて、このクラッチディスク38及びクラッチベース20と一体で出力軸12が回転される。
これにより、出力軸12に連結されたワイパWが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する。
ここで、このワイパモータ90では、通常の使用状態(回転状態)においては、前述の如くクラッチ装置10の入力ディスク28から出力軸12への回転駆動力の伝達に際し、各部の何れの箇所においても部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができる。換言すれば、入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク38の噛合被係合部50、52との係合状態維持のために、クラッチディスク38の前記係合状態からの軸線方向移動に対して付与されるウエーブワッシャ56による抗力が、摺動摩擦力として無駄に消費されることがない。したがって、回転伝達効率の低下を防止できる。また、部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、部材の摺動に伴う異音の発生も防止される。
またしかも、前述の如く、噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52との係合状態維持のために当該係合状態からのクラッチディスク38の軸線方向移動に対して付与されるウエーブワッシャ56による抗力は、出力軸12に固定されたクラッチベース20と、出力軸12に対して軸線方向一側へ抜止め状態で支持された入力ディスク28とで受け止められる。すなわち、出力軸12に取り付けられた2つの構成部品(クラッチベース20と入力ディスク28)によって、前記係合状態維持のための力が受け止められる。すなわち、クラッチ装置10は、「出力軸12のサブアッセンブリ」として完結する構成のものであり、ハウジングなどの他の部品等に依存して完結する構成のものでない。したがって、本クラッチ装置10を、「出力軸12サブアッセンブリ」とした1つの部品として取扱いができる。
一方、例えば、ワイパWを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸12(クラッチベース20)と一体回転するクラッチディスク38には、クラッチベース20を介して、入力ディスク28と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、入力ディスク28とクラッチディスク38との間の相対回転力によって、クラッチディスク38に出力軸12軸線方向に沿った(クラッチベース20へ向いた)分力が生じる。すなわち、入力ディスク28とクラッチディスク38との間の相対回転力の一部が、クラッチディスク38を出力軸12軸線方向に移動させて入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク38の噛合被係合部50、52との係合を解除しようとする分力として作用する。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、ウエーブワッシャ56により付与される抗力に打ち勝って、クラッチディスク38が出力軸12軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(入力ディスク28の噛合係合部34、36がクラッチディスク38の噛合被係合部50、52から抜け出して嵌合が解除される)。すなわち、図8及び図12に示す如く、クラッチ装置10は「クラッチ解除状態」となる。これにより、クラッチディスク38すなわち出力軸12は、入力ディスク28に対して空転する。
これにより、クラッチ装置10の各部品、あるいは入力ディスク28に接続されたセクタギヤ132や保持レバー138等の運動変換機構94の各部品の損傷や、モータ本体92の焼損等を防止することができる。またしかも、このような過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の強度設定を行う必要がなくなる。
さらに、このワイパモータ90では、複数の突条が形成された出力軸12の回止部14にクラッチベース20が固着されて一体化されており、特に軸線周りの回転方向に対しては強固に固着されている。一方、入力ディスク28は出力軸12の抜止部16によって抜止め状態とされており、さらに、出力軸12の相対回転軸部18(すなわち、クラッチベース20と入力ディスク28との間)に、クラッチディスク38が軸線方向に移動可能に支持されている。すなわち、何れの部品も出力軸12を基準に取り付けられた構成であり、クラッチベース20と入力ディスク28との間の一定スペース(一定寸法)内にクラッチディスク38が設けられた構成であるため、前述した如きクラッチディスク38の軸線方向移動に要する力(クラッチ解除力)の設定を容易に行うことができる。しかもこの場合、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク38の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため、当該傾斜面の傾斜角度及びウエーブワッシャ56の抗力(弾性変形力)に基づいて、前記クラッチ解除力を容易に設定することができる。
またさらに、このワイパモータ90では、弾性部材をウエーブワッシャ56とし、クラッチディスク38の軸線方向移動に対して付与される抗力を、クラッチディスク38の軸線方向移動によって弾性変形される当該ウエーブワッシャ56の復元力としたので、過大外力(荷重)作用時には、クラッチディスク38がウエーブワッシャ56の弾性変形に伴う復元力に打ち勝って軸線方向移動することにより、クラッチディスク38(噛合被係合部50、52)と入力ディスク28(噛合係合部34、36)との係合状態が解除され、両者が相対的に空転可能となる。
このように、弾性部材をウエーブワッシャ56とすることにより、クラッチディスク38の軸線方向移動に要する力(すなわち、クラッチ解除力)が安定し、クラッチ性能が向上する。またさらに、弾性部材をウエーブワッシャ56とすることにより配置スペースを小さく(薄く)することが可能になり、装置を小型化することができる。またさらに、後述するゴム部材58の弾性圧縮変形を使用した場合のように、グリス等の油分に侵されることがなく、これによっても劣化が防止される。
さらに、このワイパモータ90では、クラッチ装置10のクラッチディスク38の収容部54にウエーブワッシャ56が収容配置され、しかも、収容部54はクラッチベース20によって閉塞状態とされているため、出力軸12周りにクラッチベース20やクラッチディスク38と位置ズレ無くウエーブワッシャ56が配置されることとなり、両部材に安定した押圧力(弾性変形力)を作用させることができる。
また更に、本第1の実施の形態に係るワイパモータ90では、前述の如くクラッチ装置10が「クラッチ解除」した場合であっても、モータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12(ワイパW)をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
すなわち、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、前述の如く、通常の使用状態において互いに噛み合い係合している入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク38の噛合被係合部50、52とは、クラッチ解除状態においては、回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態(噛合い係合が解除された状態)となる。ところが、これらの噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とは、出力軸12(ワイパW)の正規の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所でのみ噛合い係合可能となっている。したがって、前述の如くクラッチ解除状態となった後に通常動作を行うべく再びモータ本体92を作動させて入力ディスク28に駆動力を入力して出力軸12周りに回転駆動させると、回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態の噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とが、出力軸12の正規の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。すなわち、自動的に噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とが原点(原位置)に復帰し、クラッチ結合状態となる。
この点を、図14乃至図18に基づいて更に詳述する。なお、説明の都合上、各図においては一方の噛合係合部34と噛合被係合部50のみを示してあり、以下の説明も同様にする。
図14に示す如く、ワイパモータ90が停止位置で正規に停止している場合には、ワイパW(出力軸12)は所定の反転位置で停止しており、また、噛合係合部34と噛合被係合部50とは噛合い係合状態であり、クラッチベース20の嵌入部26は、ストッパ突起142の一方の回転制限部144の近傍に位置している(非当接状態)。
ここで、例えば、このようなワイパモータ90停止状態において故意にワイパWが中央付近まで引っ張られたとすると、図15に示す如く、クラッチ装置10が解除状態となり、入力ディスク28は不動のままで、出力軸12と共にクラッチベース20及びクラッチディスク38が強制的に回転される。すなわち、クラッチベース20の嵌入部26は、ストッパ突起142の回転制限部144から離間すると共に、噛合被係合部50が噛合係合部34から抜け出して分離状態となる。
更にこの場合、噛合係合部34と噛合被係合部50との噛合い係合が解除されたクラッチ解除状態(噛合係合部34と噛合被係合部50とが回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態:図15図示状態)において、入力ディスク28とクラッチディスク38との空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸12(ワイパW)に作用している負荷(荷重)よりも小さい場合には、通常動作を行うべくユーザーが再びモータ本体92を作動させて入力ディスク28に駆動力を入力して出力軸12周りに回転駆動させると、図16に示す如く、出力軸12(ワイパW)に作用している負荷(荷重)のためにクラッチディスク38は入力ディスク28と連れ回りせず、入力ディスク28のみが回転される。さらにその後に、噛合係合部34と噛合被係合部50とが、出力軸12の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。したがって、以後は通常の作動状態となる。
一方、噛合係合部34と噛合被係合部50との噛合い係合が解除されたクラッチ解除状態(噛合係合部34と噛合被係合部50とが回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態:図15図示状態)において、入力ディスク28とクラッチディスク38との空転トルク(一体回転する最大トルク)が、出力軸12(ワイパW)に作用している負荷(荷重)よりも大きい場合には、通常動作を行うべくユーザーが再びモータ本体92を作動させて入力ディスク28に駆動力を入力して出力軸12周りに回転駆動させると、図17に示す如く、クラッチディスク38が入力ディスク28と連れ回りし、その後にいずれ、クラッチベース20の嵌入部26がストッパ突起142の他方の回転制限部146に当接し、クラッチディスク38は回転が制限された状態となる。この時点では、ワイパWは、所定の「制限角度範囲Y」内に回転が制限された状態となるため、車両のガラス面外のボディ領域へ回動して(はみ出して)ボディを傷つけてしまうことはない。
そして、この回転が制限されたクラッチディスク38に対し、入力ディスク28のみが更に回転され、その後に、図18に示す如く、噛合係合部34と噛合被係合部50とが、出力軸12の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。したがって、以後は通常の作動状態となる。
このように、本実施の形態に係るワイパモータ90(クラッチ装置10)では、クラッチ装置10が「クラッチ解除」した場合、すなわち出力軸12(ワイパW)がモータ本体92に対して空回りした場合であっても、その後にモータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
また、このワイパモータ90では、噛合係合部34、36及び噛合被係合部50、52は、一対二組設けられた構成であるため、入力ディスク28(噛合係合部34、36)からクラッチディスク38(噛合被係合部50、52)へ伝達される駆動トルクを大きくすることができ(出力軸12を大きなトルクで駆動することができ)、車両のワイパ装置やサンルーフ装置の駆動源に好適に用いることができる。
さらに、このワイパモータ90(クラッチ装置10)では、クラッチディスク38(クラッチベース20及び出力軸12)の往復回転を制限する回転制限部144、146を、出力軸12を回転自在に支持するハウジング96に設けたストッパ突起142としたため、当該ストッパ突起142をハウジング96と一体成形することができ、当該ストッパ突起142による制限角度(回転制限部144、146の制限角度範囲Y)精度が向上すると共に、構成も簡単になる。
しかも、ストッパ突起142に当接する嵌入部26を、クラッチディスク38及びクラッチベース20の径方向外側へ向けて突出して形成したため、すなわち、クラッチディスク38(クラッチベース20及び出力軸12)の往復回転を制限する構成部分を、なるべく出力軸12の径方向外側の位置に設定した構成としたため、ストッパ突起142及び嵌入部26による制限角度(回転制限部144、146の制限角度範囲Y)精度がより一層向上する。
またさらに、本第1の実施の形態に係るワイパモータ90(クラッチ装置10)では、出力軸12(回止部14)とクラッチベース20(支持孔22)との回転方向の固定強度が、ワイパWの出力軸12への回転方向の連結強度よりも大きく設定されているため、例えば、前述の如く出力軸12(ワイパW)の回転が回転制限部144、146によって制限された状態において(既にこの時点ではクラッチ装置10が作動した「クラッチ解除状態」である)、更に過大な負荷がワイパWに作用した場合には(「制限角度範囲Y」を越えて出力軸12を回転させようとした場合には)、先ずワイパWが出力軸12(回止部14)に対して空転する。これにより、当該過大負荷がモータ内部構造へ伝達されることがなく、出力軸12以降の駆動力伝達部品(クラッチ装置10の各部品、あるいは入力ディスク28に接続されたセクタギヤ132や保持レバー138等の運動変換機構94の各部品、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)を保護することができる。
以上の如く、本実施の形態に係るワイパモータ90(クラッチ装置10)では、クラッチ装置10が「クラッチ解除」した場合、すなわち出力軸12(ワイパW)がモータ本体92に対して空回りした場合であっても、その後にモータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。さらに、出力軸12(ワイパW)がロックされた場合などの万一の際の部品の損傷や駆動側の破損(モータ本体92の焼損等)を防止することができる。
したがって、本ワイパモータ90は、ワイパWを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用する(例えば、車両の屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って略垂直落下してワイパアームに当たり大きな外力が当該ワイパモータ90に作用する場合等)蓋然性が高い車両、例えばキャブオーバータイプのコックピットを有するトラックや建設機械用のワイパ駆動用モータとしても好適である。
なお、前述した第1の実施の形態においては、クラッチ装置10の弾性部材としてウエーブワッシャ56を適用した構成として説明したが、弾性部材としてはこれに限るものではない。
例えば、図19に示すクラッチ装置11の如く、弾性部材として円盤状のゴム部材58を適用し、クラッチディスク38の軸線方向移動に対して付与される抗力を、弾性圧縮変形される当該ゴム部材58の復元力とする構成としてもよい。このように弾性部材としてゴム部材58を適用した場合には、通常動作時においてクラッチディスク38(噛合被係合部50、52)と入力ディスク28(噛合係合部34、36)との係合状態維持のために押圧力を付与しない設定とすることができるので、変形などに伴う長期ストレスの作用が低減されて劣化が防止される。
また、このようなウエーブワッシャ56やゴム部材58に限らず、圧縮コイルスプリングや皿バネ等であってもよい。
さらに、これらの場合において、通常状態(クラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて移動しようとしない状態)において、既に前記ゴム部材58等の各弾性部材がクラッチベース20とクラッチディスク38との間で押圧力を付与するように構成してもよく、あるいは、クラッチディスク38がクラッチベース20の側へ向けて移動したときだけに(噛合係合部34及び噛合係合部36が、噛合被係合部50及び噛合被係合部52から抜け出そうとした場合に)、前記ゴム部材58等の各弾性部材がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。
次に、本発明に他の実施の形態を説明する。
なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には、前記第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説明を省略する。
[第2の実施の形態]
図20には、第2の実施の形態に係るクラッチ装置60の構成が分解斜視図にて示されている。
クラッチ装置60は、前記第1の実施の形態に係るクラッチ装置10と基本的に同じ構成であるが、クラッチベース20に代えてクラッチベース62を備えると共に、クラッチディスク38に代えてクラッチディスク64を備えている。
クラッチベース62は、出力軸12に対応した支持孔66が形成された底壁68と、この底壁68の周縁から出力軸12の軸線方向に沿って立設形成された周壁70と、を有する有底円筒形に形成されており、支持孔66が出力軸12の回止部14に固着されることで常に出力軸12と一体回転する。また、周壁70の開口側周縁部分には、案内被嵌入部72及び案内被嵌入部74が形成されている。
一方、クラッチディスク64は、出力軸12に対応した軸孔76が形成された円盤状に形成されており、軸孔76に出力軸12(相対回転軸部18)が挿通することで、入力ディスク28に対し出力軸12の軸線方向他側(クラッチベース62の側)に位置すると共に出力軸12に対して軸線方向に沿って移動可能に支持されている。また、クラッチディスク64の周縁には、クラッチベース62の案内被嵌入部72及び案内被嵌入部74に対応して、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出する一対の嵌入部78及び嵌入部80が互いに周方向おいて反対側(180度反対側)に設けられている。これらの嵌入部78、嵌入部80がそれぞれクラッチベース62の案内被嵌入部72、案内被嵌入部74に軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。これにより、クラッチディスク64は、常にクラッチベース62(すなわち、出力軸12)と一体的に回転すると共に、クラッチベース62に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。
また、クラッチディスク64の裏面側(入力ディスク28の側、出力軸12の軸線方向一側)には、前記第1の実施の形態と同様の、一対二組の噛合被係合部50及び噛合被係合部52が凹設して(窪んで)設けられている。
またさらに、クラッチベース62の内部、すなわち底壁68及び周壁70によって形成される内部スペースは収容部82とされており、当該収容部82を閉塞する状態で、クラッチディスク64がクラッチベース62の周壁70の開口側周縁部分に入り込んでいる。
前記収容部82には、弾性部材としてのゴム部材84が収容されている。ゴム部材84は、クラッチベース62(底壁68)とクラッチディスク64との間に配置されており、入力ディスク28の噛合係合部34とクラッチディスク64の噛合被係合部50との係合状態からのクラッチディスク64の出力軸12軸線方向他側(クラッチベース62の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(クラッチディスク64の軸線方向移動によって弾性圧縮変形された際の復元力)を付与するようになっている。
他の構成部品は、前記第1の実施の形態に係るクラッチ装置10と同じ構成である。
なお、前述した第1の実施の形態においては、クラッチ装置10ををワイパモータ90に適用して構成したものとして説明したが、これに限らず、本第2の実施の形態に係るクラッチ装置60を適用してワイパモータを構成してもよい。
この場合に、ストッパ突起142の回転制限部144、回転制限部146に当接する突起71を、クラッチベース62の周壁70に形成する構成とすることができ、これによってクラッチベース62(出力軸12)の回転を所定範囲で制限することができる。
次に、本第2の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のクラッチ装置60(及びこれが適用されたワイパモータ)は、前記第1の実施の形態に係るクラッチ装置10及びワイパモータ90と同様の作用効果を奏する。
すなわち、通常の使用状態では、入力ディスク28に駆動力が入力されて出力軸12周りに回転すると、噛合係合部34、36及び噛合被係合部50、52を介して入力ディスク28からクラッチディスク64へ回転駆動力が伝達される。そして、クラッチディスク64は、出力軸12に固定されたクラッチベース62と係合しているため、クラッチディスク64へ伝達された回転駆動力はクラッチディスク64からクラッチベース62へと伝達されて、このクラッチディスク64及びクラッチベース62と一体で出力軸12が回転される。
ここで、このクラッチ装置60においても、通常の使用状態(回転状態)では、前述の如く入力ディスク28から出力軸12への回転駆動力の伝達に際し、各部の何れの箇所においても部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができる。換言すれば、入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク64の噛合被係合部50、52との係合状態維持のために、クラッチディスク64の前記係合状態からの軸線方向移動に対して付与されるゴム部材84による抗力が、摺動摩擦力として無駄に消費されることがない。したがって、回転伝達効率の低下を防止できる。また、部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、部材の摺動に伴う異音の発生も防止される。
またしかも、前述の如く、噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52との係合状態維持のために当該係合状態からのクラッチディスク64の軸線方向移動に対して付与されるゴム部材84による抗力は、出力軸12に固定されたクラッチベース62と、出力軸12に対して軸線方向一側へ抜止め状態で支持された入力ディスク28とで受け止められる。すなわち、出力軸12に取り付けられた2つの構成部品(クラッチベース62と入力ディスク28)によって、前記係合状態維持のための力が受け止められる。すなわち、本クラッチ装置60は、「出力軸12のサブアッセンブリ」として完結する構成のものであり、ハウジングなどの他の部品等に依存して完結する構成のものでない。したがって、本クラッチ装置60を、「出力軸12サブアッセンブリ」とした1つの部品として取扱いができる。
一方、例えば、出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸12(クラッチベース62)と一体回転するクラッチディスク64には、クラッチベース62を介して、入力ディスク28と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、入力ディスク28の噛合係合部34及び噛合係合部36と、クラッチディスク64の噛合被係合部50及び噛合被係合部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、入力ディスク28とクラッチディスク64との間の相対回転力によって、クラッチディスク64に出力軸12軸線方向に沿った(クラッチベース62へ向いた)分力が生じる。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、ゴム部材84により付与される抗力に打ち勝って、クラッチディスク64が出力軸12軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(入力ディスク28の噛合係合部34、36がクラッチディスク64の噛合被係合部50、52から抜け出して嵌合が解除される)。これにより、クラッチディスク64すなわち出力軸12は、入力ディスク28に対して空転する。
これにより、各部品の損傷や入力ディスク28に接続されたモータ本体92の焼損等を防止することができる。またしかも、このような過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の強度設定を行う必要がなくなる。
また更に、本第2の実施の形態に係るクラッチ装置60(及びこれが適用されたワイパモータ)では、前述の如くクラッチ装置60が「クラッチ解除」した場合であっても、モータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12(ワイパW)をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
すなわち、このクラッチ装置60では、前述の如く、通常の使用状態において互いに噛み合い係合している入力ディスク28の噛合係合部34、36とクラッチディスク64の噛合被係合部50、52とは、クラッチ解除状態においては、回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態(噛合い係合が解除された状態)となる。ところが、これらの噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とは、出力軸12(ワイパW)の正規の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所でのみ噛合い係合可能となっている。したがって、前述の如くクラッチ解除状態となった後に通常動作を行うべく再びモータ本体92を作動させて入力ディスク28に駆動力を入力して出力軸12周りに回転駆動させると、回転方向に沿って互いの位置関係がズレた状態の噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とが、出力軸12の正規の往復回転角度範囲X内における所定の一カ所で再び噛合い係合状態となる。すなわち、自動的に噛合係合部34、36と噛合被係合部50、52とが原点(原位置)に復帰し、クラッチ結合状態となる。
このように、本第2実施の形態に係るクラッチ装置60(及びこれが適用されたワイパモータ)では、クラッチ装置60が「クラッチ解除」した場合、すなわち出力軸12(ワイパW)がモータ本体92に対して空回りした場合であっても、その後にモータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
しかも、ストッパ突起142の回転制限部144、回転制限部146に当接する突起71を、クラッチベース62の周壁70に形成する構成としたため、すなわち、クラッチディスク64(クラッチベース62及び出力軸12)の往復回転を制限する構成部分を、なるべく出力軸12の径方向外側の位置に設定した構成としたため、ストッパ突起142及び突起71による制限角度(回転制限部144、146の制限角度範囲Y)精度がより一層向上する。
以上の如く、本第2の実施の形態に係るクラッチ装置60(及びこれが適用されたワイパモータ)は、前述した第1の実施の形態に係るワイパモータ90(クラッチ装置10)と同様の効果を奏するものであり、出力軸12がロックされた場合などの万一の場合には各部品の損傷やモータ本体92の焼損等を防止することができる。また、出力軸12(被駆動側)がモータ本体92側(駆動側)に対して空回り(クラッチ解除)した場合であっても、モータ本体92側(駆動側)を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12(被駆動側)をモータ本体92側(駆動側)に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
[第3の実施の形態]
図21には、第3の実施の形態に係るモータ装置150の構成が断面図にて示されている。
モータ装置150は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と基本的に同じ構成であり、モータ本体92と、運動変換機構152と、及びクラッチ装置154とによって構成されている。
モータ本体92は、前述した第1の実施の形態に係るモータ本体92と同様構成であるが、第1の実施の形態ではモータ本体92(アーマチャ108)を同一方向に連続回転させるものであり、本実施の形態ではストッパ突起142の回転制限部144、146の間で正逆回転駆動させるものである。
一方、運動変換機構152は、前記第1の実施の形態におけるセクタギヤ132や保持レバー138は省略されており、ウォームギヤ122及びウォームホイール128によって構成されている。
さらに、ウォームホイール128は、クラッチ装置154における「入力ディスク」を兼ねた構成、すなわち、ウォームホイール128自体がクラッチ装置154における「入力ディスク」として機能する構成となっている。換言すれば、クラッチ装置154は、前記第1の実施の形態におけるクラッチ装置10と基本的に同一の構成であるが、その入力ディスク28に、「ウォームホイール歯」を形成しかつウォームギヤ122に噛合させた構成となっている。
このモータ装置150では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。
ここで、ウォームホイール128は、クラッチ装置154における「入力ディスク」を兼ねた構成(ウォームホイール128自体がクラッチ装置154における「入力ディスク」として機能する構成)となっているため、通常の使用状態では、前述した第1の実施の形態において説明した如く、ウォームホイール128と一体で出力軸12が回転される。
このモータ装置150においても、通常の使用状態(回転状態)においては、前述の如くクラッチ装置154における回転駆動力の伝達に際し、各部の何れの箇所においても部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、回転伝達効率の低下を防止できる。また、部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、部材の摺動に伴う異音の発生も防止される。
一方、例えば、出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、前述した第1の実施の形態において説明した如く、出力軸12がウォームホイール128に対して空転する。これにより、クラッチ装置154の各部品、あるいはウォームホイール128に接続されたウォームギヤ122等の運動変換機構152の各部品の損傷や、モータ本体92の焼損等を防止することができる。またしかも、このような過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の強度設定を行う必要がなくなる。
またしかも、本第3実施の形態に係るモータ装置150においても、前述した第1の実施の形態と同様に、クラッチ装置154が「クラッチ解除」した場合、すなわち出力軸12がモータ本体92に対して空回りした場合であっても、その後にモータ本体92を動作させることで自動的に原点復帰を行い、再び出力軸12をモータ本体92側に定位置で連結して(クラッチ接続して)通常の駆動運転を行うことができる。
さらに、ウォームホイール128(クラッチ装置154における「入力ディスク」)は、モータ本体92の回転軸110に設けたウォームギヤ122に噛合して減速回転されるため、出力軸12を大きなトルクで駆動することができ、例えば、車両のワイパ装置やサンルーフ装置の駆動源として好適である。
[第4の実施の形態]
図22には、本発明の第4の実施の形態に係るクラッチ装置210が適用されて構成されたワイパモータ290の全体構成が断面図にて示されている。
ワイパモータ290は、全体としては前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同様の構成とされているが、クラッチ装置210を備えている。
図23及び図24に示す如く、クラッチ装置210が適用された出力軸12は、先端側(図23及び図24では上側)が断面円形に形成されて円柱部213とされ、基端側(図23及び図24では下側)が断面略矩形(周方向において互いに180度反対側に形成された一対の平面と、これらの平面に連続する一対の円周面とを備えた所謂「断面ダブルDカット形状」)に形成されて相対回転規制部214とされている。
出力軸12の円柱部213は、図22に示す如く、ハウジング96に固定された軸受部材250によって回転自在に支持されている。一方、相対回転規制部214の先端側(円柱部213側)には、前記円周面とされた部分に軸線方向に沿った複数の突条が形成されて回止部216が設けられており、基端部突端には抜止部218が設けられている。
相対回転規制部214の回止部216には、出力軸12の径方向に大径とされた大径部としての係合ベース220が出力軸12と同軸的に固着されている。係合ベース220は、中央部分に出力軸12の相対回転規制部214に対応する断面略矩形(断面ダブルDカット形状)の支持孔222が形成された円盤状に形成されており、支持孔222が回止部216に固着されることで常に出力軸12と一体回転する(出力軸12に対して軸線方向移動不能とされる)。また、係合ベース220の周縁には、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出するストッパ部226が設けられている。このストッパ部226は、ハウジング96に形成された後述するストッパ突起142に対応している。
なお、前述の如く出力軸12と係合ベース220とを別体に形成して固着する構成に限らず、例えば、冷間鍛造等により出力軸12と係合ベース220とを一体に形成する構成(出力軸にツバ状の大径部を一体に形成する構成)としてもよい。
一方、相対回転規制部214の抜止部218には、入力ディスクとしての歯車部材228が出力軸12と同軸的に取り付けられている。歯車部材228は、中央部分に断面円形の軸孔230が形成された円筒状に形成されており、軸孔230に出力軸12の抜止部218が挿通すると共に抜止部218の突端に取り付けられた抜止めクリップ32によって抜け止めされることで、出力軸12に対して軸線方向一側(係合ベース220と反対側)へ抜止め状態でかつ回転自在に支持されている。この歯車部材228は、本第4の実施の形態では、粉末合金を成型金型に入れ、圧縮成形し、加熱焼結する所謂「粉末冶金法」により製造された焼結金属であり、該焼結金属内に潤滑油が含油されている。
歯車部材228の軸線方向一端側(係合ベース220とは反対側)の外周には、ギヤ歯234が形成されている。このギヤ歯234は、前述した揺動機構94のセクタギヤ132の歯部136に噛合しており、セクタギヤ132から駆動力が入力されると、歯車部材228が出力軸12周りに回転するようになっている。
また、図24に示す如く、歯車部材228には、ギヤ歯234の軸線方向他端側(係合ベース220側、前述した保持レバー138とは反対側)において、ギヤ歯234の端部を連結する連結壁235が形成されている。この連結壁235は、保持レバー138と共にセクタギヤ132の歯部136を厚さ方向両側で挟み込んでいる(連結壁235が、歯部136厚さ方向一方側の端面に対向すると共に、保持レバー138が歯部136の厚さ方向他方側の端面に対向することで、セクタギヤ132の厚さ方向の移動が制限されている)。
さらに、歯車部材228は、連結壁235を介してギヤ歯234とは反対側の外周が、出力軸12と同心の円周面236とされており、この円周面236は、ハウジング96に固定された軸受部材252によって回転可能に保持(支持)されている。すなわち、歯車部材228は、ギヤ歯234の軸線方向他端側に出力軸12と同軸的な円盤状のツバ部を備えており、このツバ部の外周面(円周面236)が、軸受部材252に支持されている。
またさらに、歯車部材228の軸線方向他端側(係合ベース220の側、出力軸12の軸線方向他側)の端面には、その周縁部に係合ベース220側へ向けて突出する4つの係合突起237が設けられている。これら4つの係合突起237は、歯車部材228に対して同心状に設けられると共に、歯車部材228の周方向に沿って互いに等間隔にならないように(周方向に沿って隣接する間隔がそれぞれ異なるように)設けられている。これらの係合突起237は、後述する係合プレート238の係合凹部242に対応している。
一方、出力軸12の相対回転規制部214には、前述した係合ベース220と歯車部材228との間において、クラッチディスクとしての係合プレート238が出力軸12と同軸的に支持されている。係合プレート238は、相対回転規制部214に対応する断面略矩形(断面ダブルDカット形状)の軸孔240が中央部分に形成された円盤状に形成されており、軸孔240に出力軸12(相対回転規制部218)が挿通することで、歯車部材228に対し出力軸12の軸線方向他側(係合ベース220の側)に位置すると共に、出力軸12に対して軸線回りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持されている。これにより、係合プレート238は、常に出力軸12と一体的に回転すると共に、歯車部材228に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。この係合プレート238は、本第4の実施の形態では、前述した所謂「粉末冶金法」により製造された焼結金属であり、該焼結金属内に潤滑油が含油されている。
係合プレート238の裏面側(歯車部材228の側、出力軸12の軸線方向一側)には、その周縁部において4つの係合凹部242が凹設して(窪んで)設けられている。これらの係合凹部242は、歯車部材228の前述した4つの係合突起237に対応しており、係合プレート238に対して同心状に設けられると共に、係合プレート238の周方向に沿って互いに等間隔にならないように(周方向に沿って隣接する間隔がそれぞれ異なるように)設けられている。
これら4つの係合凹部242には、歯車部材228の4つの係合突起237がそれぞれ嵌入可能となっている(すなわち、係合プレート238は、歯車部材228に噛合係合可能となっている)。これにより、通常の使用状態(回転状態)では、歯車部材228が回転した場合にこの歯車部材228の回転力が係合プレート238へ伝達されて係合プレート238が供に回転される構成である。
但し、前述した如く、各係合突起237と各係合凹部242とは、それぞれ歯車部材228及び係合プレート238の周方向に沿って等間隔にならないように(隣接する間隔がそれぞれ異なるように)設けられているため、係合プレート238(出力軸12及びワイパ)と歯車部材228とは、周方向に沿った相対関係位置が所定の一位置にあるときにのみ噛合係合するようになっている。すなわち、上記所定の一位置以外の位置では、1個の係合突起237が係合凹部242に対応しても、他の3個の係合突起237は係合凹部242に対応しないようになっている。したがって、係合突起237が係合凹部242から抜け出した状態では、係合プレート238は、少なくとも3個の係合突起237を介して歯車部材228と接触するようになっている(3点支持状態となる構成である)。
またここで、歯車部材228の係合突起237と、係合プレート238の係合凹部242とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされている(換言すれば、断面形状が所謂「台形」に形成されている)。これにより、歯車部材228が回転しこの歯車部材228から係合プレート238への回転伝達力によって、係合プレート238に出力軸12軸線方向に沿った(係合ベース220へ向いた)分力が生じる構成となっている。
なお、前述の如く歯車部材228の係合突起237と、係合プレート238の係合凹部242のそれぞれの側壁を共に「傾斜面」とする構成に限らず、少なくとも何れか一方に、出力軸12の周方向に対して傾斜する傾斜面を形成する構成としてもよい。この場合であっても、歯車部材228から係合プレート238への回転伝達力によって係合プレート238に出力軸12軸線方向に沿った分力を生じせしめることができる。
またさらに、係合プレート238と係合ベース220との間には、出力軸12回りに巻き回されて出力軸12の軸線方向に圧縮可能とされた圧縮コイルスプリング244が配置されている。この圧縮コイルスプリング244は、歯車部材228の係合突起237と、係合プレート238の係合凹部242との係合状態からの係合プレート238の出力軸12軸線方向他側(係合ベース220の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(係合プレート238の軸線方向移動によって弾性変形された際の復元力)を付与するようになっている。
換言すれば、通常は、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242に入り込むと共に、圧縮コイルスプリング244はこの嵌入状態を維持しており、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242から抜け出そうとして係合プレート238が係合ベース220の側へ向けて軸線方向移動しようとすると、これに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成されている。
また、前述した如く、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242にそれぞれ入り込むことで、歯車部材228から係合プレート238へ回転力が伝達されるが、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242から抜け出した状態でも(係合プレート238が係合ベース220の側へ向けて移動した状態でも)、前記圧縮コイルスプリング244が発揮する付勢力(復元力)によって、歯車部材228の係合突起237と、係合プレート238の裏面との間に所定の摩擦力が生じ、これにより、歯車部材228と係合プレート238とが供回りするように圧縮コイルスプリング244の付勢力等が設定されている。
なお、通常状態(係合プレート238が係合ベース220の側へ向けて移動しようとしない状態)において、既に圧縮コイルスプリング244が係合ベース220と係合プレート238との間で押圧力が付与されるように構成してもよく、あるいは、係合プレート238が係合状態から係合ベース220の側へ向けて移動したときだけに(係合突起237が、係合凹部242から抜け出そうとした場合に)、圧縮コイルスプリング244がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。
一方、図22に示す如く、ハウジング96には、前述した係合ベース220のストッパ部226に対応して、ストッパ突起142が形成されている。
ストッパ突起142は円弧状に形成されており、ストッパ部226の回転軌跡内に位置している。ストッパ突起142の周方向一端部及び周方向他端部は、それぞれ回転制限部144、回転制限部146とされている。すなわち、ストッパ突起142の回転制限部144及び回転制限部146は、それぞれストッパ部226に当接可能となっており、ストッパ部226がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した状態では、それ以上の係合ベース220(出力軸12)の回転が阻止される構成である。したがって、歯車部材228の回転駆動力によって、係合ベース220(出力軸12)が係合プレート238と共に回転し、ストッパ部226がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した後には、それ以後の係合ベース220(出力軸12)の回転が強制的に阻止されるため、歯車部材228が相対回転(空回り)する構成となっている。
さらに、歯車部材228によって往復回転駆動される出力軸12には、ワイパ(図示省略)が直接的に連結されており、またはリンクやロッド等を介して間接的に連結されており、当該ワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する構成である。
次に、本第4の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ290では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。ウォームホイール128が回転すると、このウォームホイール128に連結されたセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、歯車部材228が往復回転駆動される。
ここで、通常の使用状態では、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242と係合しており(互いに嵌り合っており)、しかも、この係合突起237と係合凹部242の係合状態から係合プレート238が出力軸12軸線方向に移動しようとしても圧縮コイルスプリング244によって所定の抗力が付与されるので、前記係合状態が維持される。また、係合プレート238は、出力軸12に対して軸線回りに回転不能とされている。このため、歯車部材228が往復回転駆動されると、係合突起237及び係合凹部242を介して歯車部材228から係合プレート238へ回転駆動力が伝達されて、この係合プレート238と一体で出力軸12が回転される。
これにより、出力軸12に連結されたワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する。
一方、例えば、ワイパを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸12と一体回転する係合プレート238には、歯車部材228と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、歯車部材228の係合突起237と係合プレート238の係合凹部242とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、歯車部材228と係合プレート238との間の相対回転力によって、係合プレート238に出力軸12軸線方向に沿った(係合ベース220へ向いた)分力が生じる。すなわち、歯車部材228と係合プレート238との間の相対回転力の一部が、係合プレート238を出力軸12軸線方向に移動させて歯車部材228の係合突起237と係合プレート238の係合凹部242との係合を解除しようとする分力として作用する。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、圧縮コイルスプリング244により付与される抗力に打ち勝って、係合プレート238が出力軸12軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(歯車部材228の係合突起237が係合プレート238の係合凹部242から抜け出して嵌合が解除される)。これにより、係合プレート238すなわち出力軸12は、歯車部材228に対して空転する。
したがって、本ワイパモータ290では、例えば、ワイパが回動範囲内での正規の停止位置において凍結して被払拭面に張り付いている状態、或いは正規の停止位置に位置するワイパの上に雪が積もって拘束された状態でモータ本体92が作動され、出力軸12に過大な負荷もしくは急激な負荷が作用した場合などは勿論のこと、ワイパの回動範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中においてワイパを介して出力軸12に過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下側の反転位置以外の位置にあるワイパの上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においても、クラッチ装置210による空転によって、歯車部材228以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)に過大な外力が作用することを防止できる。これにより、歯車部材228以降の前記各部品を保護することができ、前記各部品の損傷及びモータ本体92の焼損等を防止することができる。
また、歯車部材228以降の各部品の強度設計を、歯車部材228と係合プレート238との間の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
またしかも、出力軸12に連結された被駆動部材(ワイパ等)も、クラッチ装置210による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。
またここで、本ワイパモータ290では、セクタギヤ132の揺動中心軸140と出力軸12とは、セクタギヤ132の厚さ方向一方側に設けられた保持レバー138によって連結されているので、セクタギヤ132の揺動中心軸140と出力軸12との軸間距離(軸間ピッチ)が一定に維持される。しかも、セクタギヤ132の歯部136は、その厚さ方向の一方側の保持レバー138と、他方側(係合プレート238側)の歯車部材228の連結壁235とで厚さ方向両側が挟まれているので、セクタギヤ132の厚さ方向両側に保持部材(保持レバー)がなくとも、セクタギヤ132の厚さ方向に沿ったギヤ歯136と歯部234との噛合い代が維持される(セクタギヤ132の厚さ方向のガタツキが抑制される)。これにより、セクタギヤ132と歯車部材228との良好な噛合い状態を維持することができる。
また、このワイパモータ290では、保持レバー138は、セクタギヤ132の厚さ方向においてウォームホイール128とは反対側に配置されている。したがって、保持レバー138がウォームホイール128に干渉することはなく、これにより、セクタギヤ132とウォームホイール128との連結位置の設定自由度が向上する(支軸134のウォームホイール128への取り付け位置の設定自由度が向上する)。
さらに、このワイパモータ290では、従来のワイパモータのように、セクタギヤ132の厚さ方向両側にそれぞれ保持部材(保持レバー)が配置された構成ではなく、セクタギヤ132の厚さ方向一方側に単一の保持レバー138が配置された構成であるので、保持部材の配置のためのスペースを低減でき、これにより、装置の全体構成を小型軽量化できる。
このように、本第4の実施の形態に係るワイパモータ290では、セクタギヤ132と歯車部材228との良好な噛合い状態を維持できると共に、装置の小型化を図ることができる。
また、従来のワイパモータのように、セクタギヤの厚さ方向両側(歯車部材の厚さ方向両側)にそれぞれ保持部材が配置されている場合、一方の保持部材が邪魔になり、クラッチ装置の係合プレートを歯車部材に係合させることができないが、このワイパモータ290では、保持レバー138は、セクタギヤ132の厚さ方向(歯車部材228の厚さ方向)において係合プレート238とは反対側にのみ配置された構成である。したがって、保持レバー138が歯車部材228と係合プレート238との係合の邪魔になることがなく、これにより、クラッチ装置210の配置に制約が生じることを防止できる。
さらに、本ワイパモータ290では、複数の突条が形成された出力軸12の回止部216に係合ベース220(大径部)が固着されて一体化されており、特に軸線周りの回転方向に対しては強固に固着されている。一方、歯車部材228は出力軸12の抜止部218によって抜止め状態とされており、さらに、出力軸12の相対回転規制部214(すなわち、係合ベース220と歯車部材228との間)に、係合プレート238が軸線方向に移動可能に支持されている。すなわち、何れの部品も出力軸12を基準に取り付けられた構成であり、係合ベース220と歯車部材228との間の一定スペース(一定寸法)に係合プレート238及び圧縮コイルスプリング244が設けられた構成である。したがって、前述した如き係合プレート238の軸線方向移動に要する力(クラッチ解除力)の設定を容易に行うことができる。
またさらに、本ワイパモータ290では、弾性部材を圧縮コイルスプリング244としたため、バネ特性が安定的である。すなわち、例えば、弾性部材をゴム部材とした場合、クラッチ装置210に塗布されたグリス等が当該ゴム部材に付着して劣化する恐れがあるが、圧縮コイルスプリング244の場合には、グリス等の付着による劣化の恐れがなくバネ特性が安定的である。
しかも、この圧縮コイルスプリング244は、出力軸12回りに巻き回されると共に、出力軸12の径方向に大径とされた軸方向移動不能な係合ベース220と、係合プレート238との間に配置された構成である。このため、係合プレート238を歯車部材228に対して安定的に押圧できると共に安定的な抗力を付与できる。すなわち、圧縮コイルスプリング244の弾性力は、係合プレート238によって歯車部材228と係合プレート238との係合部分に一様に分布される。したがって、歯車部材228と係合プレート238との係合状態が安定し、歯車部材228と係合プレート238との間(係合突起237と係合凹部242との間)の回転伝達力(クラッチ解除力)の値も安定する。これにより、安定したクラッチ性能を得ることができ、前記クラッチ解除力の値をより好適に設定することができるので、ワイパモータ290の各構成部材をより確実に保護することができる。
また、本ワイパモータ290では、出力軸12に支持された歯車部材228は、連結壁235を介してギヤ歯234とは反対側の外周が円周面236とされており、この円周面236がハウジング96に固定された軸受部材252に回転可能に保持(支持)されている。すなわち、このワイパモータ290では、セクタギヤ132から荷重が入力される歯車部材228が、直接ハウジング96の軸受部材252に支持された構成である。したがって、歯車部材228の支持剛性が向上し、これによっても、歯車部材228とセクタギヤ132との噛合い状態が安定する。しかも、出力軸12は、その基端部が歯車部材228を介してハウジング96(軸受部材252)に支持された構成である。このため、出力軸12の基端部をハウジング96に支持するための特別なスペースが不要(歯車部材228の設置スペースと出力軸12基端部の支持スペースが共通)であると共に、出力軸12の基端部を支持する軸受部材252と、出力軸12の先端側を支持する軸受部材250との出力軸12軸線方向に沿った距離寸法を長く確保できる。これにより、出力軸12のハウジング96に対する支持剛性も向上する。
さらに、本ワイパモータ290では、歯車部材228および係合プレート238の両方が、粉末合金を成型した焼結金属であるので、これらの部材を粉末冶金法により高精度に製造でき、しかも材料の歩留まりがよい。さらに、焼結金属とされた歯車部材228及び係合プレート238は、該焼結金属内に潤滑油を含油しているので、互いに係合する部位(係合突起237及び係合凹部242など)に自己潤滑性を持たせることができると共に、セクタギヤ132の歯部136と係合する歯車部材228のギヤ歯234にも自己潤滑性を持たせることができ、摩耗及び異音発生を防止できる。
またさらに、本ワイパモータ290では、歯車部材228の各係合突起237と係合プレート238の各係合凹部242は、それぞれ歯車部材228及び係合プレート238の周方向に沿って等間隔にならないように(隣接する間隔がそれぞれ異なるように)設けられており、各係合突起237が各係合凹部242から抜け出したクラッチ解除状態においても、係合プレート238は、少なくとも3個の係合突起237を介して歯車部材228に係合するので(3点支持状態となるので)、クラッチ解除状態における係合プレート238と歯車部材228との係合状態が安定する。
しかも、歯車部材228と係合プレート238(出力軸12及びワイパ)とは、周方向に沿った相対位置関係が所定の一位置にあるときにのみ係合可能とされている。このため、各係合突起237が各係合凹部242から抜け出したクラッチ解除状態(歯車部材228と係合プレート238が所定の一位置以外の相対位置関係にあるとき)において、例えば、乗員等が手動によりワイパを回動させれば、必ず所定の一位置にて歯車部材228と係合プレート238とが係合する。したがって、係合プレート238(出力軸12及びワイパ)を、歯車部材228に対して元のセット状態(初期設定状態)に容易かつ迅速に復帰させることができると共に、ワイパ装置を破損させることなく再度作動させることができる。特に、上記所定の一位置を、ストッパ突起142の回転制限部144、回転制限部146によって制限された角度範囲よりも小さな角度範囲で設定された往復回転角度範囲(ワイパの往復払拭回動角範囲)内の所定の一位置とすることにより、過大な外力を取り除いた後でワイパ装置を再び作動させることにより、上記歯車部材228と係合プレート238とがワイパの1往復払拭の間で係合状態が復活し、自己復帰させることができる。
また、本ワイパモータ290のクラッチ装置210では、歯車部材228は、揺動機構94(ウォームギヤ122、ウォームホイール128、及びセクタギヤ132)によって減速往復回転駆動されるため、出力軸12を大きなトルクで駆動することができ、出力軸12に連結されたワイパを好適に往復駆動することができる。
したがって、本ワイパモータ290は、ワイパを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用する(例えば、車両の屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って略垂直落下してワイパアームに当たり大きな外力が当該ワイパモータ290に作用する場合等)蓋然性が高い車両、例えばキャブオーバータイプのコックピットを有するトラックや建設機械用のワイパ駆動用モータとしても好適である。
さらに、このワイパモータ290のクラッチ装置210では、歯車部材228の係合突起237が、係合プレート238の係合凹部242に入り込むことで、歯車部材228から係合プレート238へ回転力が伝達される構成としたので、歯車部材228と係合プレート238との間の駆動力の伝達をより確実に行うことができる。しかも、歯車部材228の係合突起237と、係合プレート238の係合凹部242とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため、当該傾斜面の傾斜角度及び圧縮コイルスプリング244の抗力(弾性変形力)に基づいて、前記クラッチ解除力を容易に設定することができる。
また、このワイパモータ290では、通常の使用状態(回転状態)においては、前述の如くクラッチ装置210の歯車部材228から出力軸12への回転駆動力の伝達に際し、各部の何れの箇所においても部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができる。換言すれば、歯車部材228の係合突起237と係合プレート238の係合凹部242との係合状態維持のために、係合プレート238の前記係合状態からの軸線方向移動に対して付与される圧縮コイルスプリング244による抗力が、摺動摩擦力として無駄に消費されることがない。したがって、回転伝達効率の低下を防止できる。また、部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、部材の摺動に伴う異音の発生も防止される。
またしかも、前述の如く、係合突起237と係合凹部242との係合状態維持のために当該係合状態からの係合プレート238の軸線方向移動に対して付与される圧縮コイルスプリング244による抗力は、出力軸12に固定された係合ベース220と、出力軸12に対して軸線方向一側へ抜止め状態で支持された歯車部材228とで受け止められる。すなわち、出力軸12に取り付けられた2つの構成部品(係合ベース220と歯車部材228)によって、前記係合状態維持のための力が受け止められる。すなわち、本ワイパモータ290のクラッチ装置210は、「出力軸12のサブアッセンブリ」として完結する構成のものであり、ハウジング96などの他の部品等に依存して完結する構成のものでない。したがって、このクラッチ装置210を、「出力軸12サブアッセンブリ」とした1つの部品として取扱いができる。
以上説明した如く、本第4の実施の形態に係るワイパモータ290(クラッチ装置210)では、セクタギヤ132と歯車部材228との良好な噛合い状態を維持できると共に、装置の小型化を図ることができる。
なお、上記第4の実施の形態においては、クラッチ装置210を構成する歯車部材228と係合プレート238の両方を「潤滑油を含油する焼結金属」としたが、これに限らず、歯車部材228と係合プレート238の何れか一方を「潤滑油を含油する焼結金属」としてもよい。
また、上記第4の実施の形態においては、ワイパモータ290は、揺動機構94とクラッチ装置210の両方を備える構成としたが、本発明はこれに限らず、ワイパモータは、クラッチ装置を省略した構成としてもよい。その場合、歯車部材を出力軸に一体的(相対移動不能)に設ける構成となる。
本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータ及びクラッチ装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータ及びクラッチ装置の構成を示す一部を透視した斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータ及びクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す図4の5−5線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す図6の7−7線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示し、クラッチ解除状態における図7に対応した断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータ及びクラッチ装置の主要部分の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータ及びクラッチ装置の主要部分の構成を示し、クラッチ解除状態における図11に対応した斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作のための角度設定を説明するための概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作を説明するための概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作を説明するための概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作を説明するための概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作を説明するための概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るワイパモータのクラッチ装置の原点位置自動復帰動作を説明するための概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ装置の構成を示す平断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るクラッチ装置が適用されたワイパモータの全体構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
10・・・クラッチ装置、12・・・出力軸、14・・・回止部、16・・・抜止部、18・・・対回転軸部、20・・・クラッチベース、24・・・嵌入部、26・・・嵌入部、28・・・入力ディスク、34・・・噛合係合部、36・・・噛合係合部、38・・・クラッチディスク、42・・・底壁、44・・・周壁、46・・・案内被嵌入部、48・・・案内被嵌入部、50・・・噛合被係合部、52・・・噛合被係合部、54・・・収容部、56・・・ウエーブワッシャ(弾性部材)、96・・・ハウジング、142・・・ストッパ突起、144・・・回転制限部、146・・・回転制限部

Claims (11)

  1. 所定の角度範囲内において往復回転駆動される出力軸と一体回転するクラッチディスクと、前記クラッチディスクと結合して入力された駆動力を伝達する入力ディスクと、を備え、前記クラッチディスクと前記入力ディスクとの間に所定値以上の駆動伝達力が作用するとき前記クラッチディスクと前記入力ディスクとを空回りさせるクラッチ装置と、
    前記クラッチ装置を収容する収容部を有し、前記出力軸を回転自在に支持するハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられ、前記入力ディスクに前記駆動力を供給するモータ本体と、
    を備えたモータ装置において、
    前記出力軸の往復回転角度範囲よりも大きな角度範囲を制限角度範囲として設定すると共に、前記制限角度範囲を越える前記出力軸の往復回転を制限する回転制限部を前記ハウジングの前記収容部に形成したストッパ突起に設け、
    かつ、前記クラッチディスクと前記入力ディスクとのクラッチ結合可能位置を、前記出力軸の前記往復回転角度範囲内における一ヵ所に設定した、
    ことを特徴とするモータ装置
  2. 出力軸と、
    前記出力軸に対して軸線方向一側へ抜止め状態でかつ回転自在に支持され、駆動力が入力されることによって前記出力軸周りに往復回転すると共に、噛合係合部が設けられた入力ディスクと、
    前記入力ディスクに対し前記出力軸の軸線方向他側に位置すると共に前記出力軸に対して軸線周りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持され、前記入力ディスクの前記噛合係合部と前記出力軸の軸線方向に沿って噛合い係合する噛合被係合部が設けられたクラッチディスクと、
    前記クラッチディスクの前記出力軸軸線方向他側に配置され、前記噛合係合部と前記噛合被係合部との噛合い係合状態からの前記クラッチディスクの前記出力軸軸線方向他側へ向けた前記軸方向移動に対して抗力を付与する弾性部材と、を備えたクラッチ装置と、
    前記クラッチ装置を収容する収容部を有し、前記出力軸を回転自在に支持するハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられ、前記入力ディスクに前記駆動力を供給するモータ本体と、
    を備えたモータ装置において、
    前記出力軸の往復回転角度範囲よりも大きな所定の角度範囲に設定された制限角度範囲を越える前記クラッチディスクの往復回転を制限する回転制限部を前記ハウジングの前記収容部に形成したストッパ突起に設け、
    前記噛合係合部と前記噛合被係合部との前記噛合い係合可能位置を、前記出力軸の前記往復回転角度範囲内における一ヵ所に設定した、
    ことを特徴とするモータ装置。
  3. 前記噛合係合部は、一対二組設けられ、
    一方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの周方向において互いに反対側に位置すると共に、他方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの周方向において互いに反対側に位置しており、かつ、前記一方の対の噛合係合部は、前記入力ディスクの径方向において前記他方の対の噛合係合部よりも外側に位置している、
    ことを特徴とする請求項2記載のモータ装置
  4. 前記ストッパ突起に、前記クラッチディスク及び前記出力軸のうち少なくとも何れか1つが直接的にまたは間接的に当接することにより前記クラッチディスクの前記往復回転が制限される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のモータ装置。
  5. 前記出力軸は、前記クラッチディスクに係合して前記クラッチディスクを一体的に回転させるクラッチベースを有し、
    前記クラッチディスク及び前記クラッチベースの一方は、前記出力軸の径方向に沿って突設された嵌入部を有し、
    前記クラッチディスク及びクラッチベースの他方は、前記出力軸の軸線方向に沿って立設形成された周壁を有し、前記周壁は前記嵌入部が前記出力軸の軸線方向に沿って移動可能に嵌入される案内被嵌入部を有する、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のモータ装置
  6. 前記嵌入部は、前記クラッチディスクまたは前記クラッチベースの径方向外側へ向けて突出して形成され、
    前記ストッパ突起は前記嵌入部の回動軌跡内に位置して設けられ、
    前記嵌入部が前記ストッパ突起に直接的または間接的に当接する、
    ことを特徴とする請求項5記載のモータ装置
  7. 前記出力軸は、前記クラッチディスクに係合して前記クラッチディスクを一体的に回転させるクラッチベースを有し、
    前記弾性部材は、軸線方向移動不能な前記クラッチベースと前記クラッチディスクとの間に、前記出力軸の軸線周りに巻回されて圧縮状態で配置された圧縮コイルスプリングである、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のモータ装置
  8. 前記クラッチ装置の前記入力ディスクは、前記モータ本体の回転軸に設けたウォームギヤに噛合して減速回転する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置。
  9. 前記ハウジングは、前記出力軸を回転可能に支持する軸支部を有し
    前記クラッチ装置の前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの一方は、前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの他方よりも大径でかつ前記出力軸の軸線と同心の円周面を有しており、
    前記軸支部には、前記入力ディスク及び前記クラッチディスクの一方の前記円周面を回転可能に保持する軸受部材が固定されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ装置。
  10. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のモータ本体の回転軸に設けられたウォームギヤと、前記ウォームギヤに噛合して前記回転軸の軸線と垂直な回転軸周りに回転するウォームホイールと、前記ウォームホイールの前記回転軸と異なる位置に一端が連結されると共に他端が前記クラッチ装置の前記入力ディスクに係合し前記ウォームホイールの回転によって往復揺動されることで前記入力ディスクを往復回転駆動する揺動部材と、を有する運動変換機構を備え、
    前記出力軸に直接的にまたは間接的に連結されたワイパを往復駆動する、
    ことを特徴とするワイパモータ。
  11. 前記出力軸と前記クラッチディスクとの回転方向の連結固定強度は、前記出力軸に直接連結された前記ワイパの前記出力軸との回転方向への連結強度よりも大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項10記載のワイパモータ。
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