JP4109608B2 - ワイパモータ - Google Patents

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Description

本発明は、被払拭面を払拭するワイパを往復回転させるワイパモータに関する。
ワイパを駆動するワイパモータにおいて、特に、車両のリヤワイパ用のワイパモータでは、例えば、モータの回転軸にはウォームギヤが固定されており、このウォームギヤは、ハウジングに回転可能に支持されたウォームホイールと噛み合っている。このウォームホイールには、軸心部とは異なる位置に継手部材の一端部が回転可能に結合されており、この継手部材の他端部は、スイングアームの一端部に回転可能に結合されている。スイングアームの他端部には、ハウジングに回転可能に支持された出力軸が固定されている。これにより、モータの回転軸が回転すると、ウォームギヤを介してウォームホイールが回転し、継手部材によってこのウォームホイールの回転がスイングアームの往復揺動運動に変換される。スイングアームの一端部には出力軸が固定されているため、出力軸が往復回転されることにより、出力軸に取り付けられたワイパアームが往復回転して、リヤガラス面を払拭するようになっている。
ところで、一般的なワイパ装置では、ワイパの不使用時には、ワイパアームはワイパブレードと共にガラス面下縁部位(往復回転の下側の反転位置)にほぼ水平に配置されている。このため、例えば、雪などがワイパブレード及びワイパアームの上に積もった場合には、この雪の重量によってワイパブレード及びワイパアームが下側の反転位置よりもさらに下方に押圧される場合がある。ワイパブレード及びワイパアームが下側の反転位置よりもさらに下方に押圧されると、出力軸及びスイングアームが回転範囲を超えて回転され、スイングアームに結合された継手部材や、継手部材に結合されたウォームホイールが損傷する可能性がある。
このため、これら各部材の損傷を防止するために、スイングアームが回転範囲を超えて回転しないようにスイングアームの回転範囲の外側にスイングアームの回転を阻止する回転範囲規制部を設けたワイパモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この特許文献1に開示されているワイパモータでは、スイングアームが回転範囲を超えない状態で、ワイパブレード及びワイパアームに過大な外力が作用した場合、すなわち、ワイパアームの回転範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中において、ワイパブレード及びワイパアームに過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下反転位置以外の位置にあるワイパアーム及びワイパブレード上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においては、落雪の荷重によってワイパブレード及びワイパアームが拘束もしくは過大な外力が作用した状態となり、出力軸を介してスイングアームや継手部材、ウォームホイール、ウォームギヤなどに過大な外力が作用することになる。したがって、依然として上記各構成部品が損傷する可能性を有しており、根本的な解決にはなっていなかった。このため、このようなワイパモータでは、上記過大な外力の作用を想定した各部品の強度設計を行う必要があった。
特開平09−118202号公報
本発明は、上記事実を考慮し、ワイパの払拭作動時において、出力軸に作用する過大な荷重によって各部品が損傷することを防止できるワイパモータを得ることを目的とする。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、モータ本体と、ハウジングに回転可能に支持されると共に直接的又は間接的にワイパに連結され、往復回転することにより前記ワイパを往復駆動する出力軸と、前記ハウジング内に設けられ、前記モータ本体の回転軸の一方向回転運動を前記出力軸の往復回転運動に変換する揺動機構と、を備えたワイパモータにおいて、前記出力軸と前記揺動機構との間に設けられ、前記揺動機構からの駆動力を前記出力軸に伝達すると共に、前記出力軸に所定値以上の荷重が作用した際には、前記荷重によって前記揺動機構と前記出力軸との間の前記駆動力の伝達を切り離し、前記揺動機構と前記出力軸とを相対的に空転可能とするクラッチ装置を備え、かつ、前記揺動機構は、前記回転軸の一方向回転運動により往復揺動されると共に、歯部が形成された揺動部材と、前記出力軸と前記揺動部材とにそれぞれ連結された保持レバーと、を有し、前記クラッチ装置は、前記出力軸に対して軸線方向一側へ抜止め状態でかつ回転自在に支持されると共に、前記保持レバーに対して前記出力軸の軸線方向他側に位置し、前記保持レバーの前記連結によって前記揺動部材の前記歯部との前記出力軸径方向における噛合状態を維持されると共に、前記揺動部材の往復遥動によって前記出力軸周りに往復回転する歯車部材と、前記歯車部材に対して前記出力軸の軸線方向他側に位置すると共に前記出力軸に対して軸線回りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持され、前記出力軸と一体回転すると共に前記歯車部材に係合可能とされ、前記歯車部材との係合状態では前記歯車部材と一体回転し、かつ、前記揺動部材の前記歯部と前記歯車部材との前記出力軸軸線方向の噛合状態を前記保持レバーとの間に維持する係合プレートと、前記係合プレートに対して前記出力軸の軸線方向他側に位置し、前記歯車部材と前記係合プレートとの前記係合状態を維持すると共に、前記係合状態から前記出力軸軸線方向他側へ向けた前記係合プレートの前記軸線方向移動に対して抗力を付与する弾性部材と、を有する、ことを特徴としている。
請求項記載のワイパモータは、通常の使用状態では、クラッチ装置の歯車部材と係合プレートとが係合しており、しかも、この歯車部材と係合プレートとの係合状態から係合プレートが出力軸軸線方向に移動しようとしても弾性部材によって所定の抗力が付与されるので、前記係合状態が維持される。このため、モータ本体の回転軸が回転し、揺動機構を介して歯車部材が出力軸周りに往復回転されると、歯車部材から係合プレートに駆動力が伝達される。係合プレートは、出力軸に対して相対回転不能に支持されているため、係合プレートと一体で出力軸が回転される。これにより、出力軸に直接的又は間接的に連結されたワイパが、出力軸の往復回転に伴って往復駆動される。
一方、例えば、ワイパを介して出力軸に荷重(過大外力)が作用すると、出力軸が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸と一体に回転する係合プレートには、歯車部材と相対回転する方向の回転力が作用する。この回転力が所定値以上になると(すなわち、出力軸に作用する荷重が所定値以上になると)、弾性部材により付与されていた抗力に打ち勝って、係合プレートが出力軸軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される。これにより、係合プレートすなわち出力軸は、歯車部材に対して空転する。
したがって、本ワイパモータでは、例えば、ワイパが回動範囲内での正規の停止位置において凍結して被払拭面に張り付いている状態、或いは正規の停止位置に位置するワイパの上に雪が積もって拘束された状態でモータ本体が作動され、出力軸に過大な負荷もしくは急激な負荷が作用した場合などは勿論のこと、ワイパの回動範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中においてワイパを介して出力軸に過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下側の反転位置以外の位置にあるワイパの上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においても、クラッチ装置による空転によって、歯車部材以降の各部品(揺動機構やモータ本体等の出力軸からアーマチャ側へ向けての構成)に過大な外力が作用することを防止できる。これにより、歯車部材以降の前記各部品を保護することができ、前記各部品の損傷及びモータ本体の焼損等を防止することができる。
また、各部品の強度設計を、歯車部材と係合プレートとの間の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
またしかも、出力軸に連結された被駆動部材(ワイパなど)も、クラッチ装置による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。
このように、請求項記載のワイパモータでは、ワイパの払拭作動時において、出力軸に作用する過大な荷重によって各部品が損傷することを防止できる。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項記載のワイパモータにおいて、前記クラッチ装置の前記歯車部材及び前記係合プレートの一方は、他方と対向する側に係合突起を有すると共に、前記他方には前記係合突起が係合する係合凹部を有し、前記係合突起及び前記係合凹部のうちの少なくとも一方には、前記出力軸の周方向に対して傾斜する傾斜面が形成されると共に、前記傾斜面は、前記係合プレートと前記歯車部材との間の回転伝達力によって前記係合プレートに前記出力軸軸線方向に沿った分力を生じせしめる、ことを特徴としている。
請求項記載のワイパモータは、通常の使用状態では、歯車部材及び係合プレートの一方に設けられた係合突起が、他方に設けられた係合凹部に係合しており(噛み合っており)、しかも、この係合突起と係合凹部の係合状態から係合プレートが出力軸軸線方向に移動しようとしても弾性部材によって所定の抗力が付与されるので、前記噛合係合状態が維持される。このため、揺動機構からの駆動力により歯車部材が出力軸周りに回転すると、係合突起及び係合凹部を介して歯車部材から係合プレートへ回転駆動力が伝達される。これにより、歯車部材と係合プレートとの間の駆動力の伝達をより確実に行うことができる。
さらに、これら係合突起及び係合凹部のうちの少なくとも一方には、出力軸の周方向に対して傾斜する傾斜面が設けられている。このため、出力軸に過大な外力が作用し、歯車部材と係合プレートとの間(係合突起と係合凹部との間)に出力軸周り(回転方向)の伝達力が作用すると、傾斜面によって出力軸の軸線方向に沿った分力が生じる。この分力が係合プレートに作用し、弾性部材の抗力に抗して係合プレートが軸線方向に移動する。そして、回転方向の伝達力(換言すれば、前記分力)が所定値以上になると、係合突起と係合凹部との係合が解除され(係合突起が係合凹部から抜け出し)、係合プレートが歯車部材との噛合係合状態から解除される。
このように、傾斜面の傾斜角度及び弾性部材の抗力(弾性変形力)に基づいて、歯車部材と係合プレートとの間(係合突起と係合凹部との間)の回転伝達力(換言すれば、クラッチ解除力)を容易に設定することができる。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項記載又は請求項記載のワイパモータにおいて、前記クラッチ装置の前記歯車部材及び前記係合プレートは前記出力軸と同軸的に設けられ、前記係合プレートと前記歯車部材との前記係合部分に前記弾性部材の弾性力を一様に分布させる、ことを特徴としている。
請求項記載のワイパモータでは、歯車部材及び係合プレートは、出力軸と同軸的に設けられており、弾性部材の弾性力は、歯車部材と係合プレートとの係合部分に一様に分布される。これにより、歯車部材と係合プレートとの係合状態が安定するので、歯車部材と係合プレートとの間(請求項3記載のワイパモータにおいては、係合突起と係合凹部との間)の回転伝達力(クラッチ解除力)の値も安定する。これにより、前記クラッチ解除力の値をより好適に設定することができるため、ワイパモータの各構成部品をより確実に保護することが可能となる。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項乃至請求項の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記揺動機構は、前記モータ本体の回転軸に設けられたウォームギヤと、前記ウォームギヤに噛合して前記回転軸の軸線と垂直な回転軸線周りに回転するウォームホイールと、を有し、前記揺動部材は、前記ウォームホイールの前記回転軸線とは異なる位置に一端が回転可能に連結されると共に他端に前記歯部が設けられ、前記ウォームホイールの回転によって往復揺動される、ことを特徴としている。
請求項記載のワイパモータでは、歯車部材は、揺動機構(ウォームギヤ、ウォームホイール、及び揺動部材)によって減速往復回転駆動されるため、出力軸を大きなトルクで駆動することができ、出力軸に連結されたワイパを好適に往復駆動することができる。
また、クラッチ装置が、モータ本体の回転軸の一方向回転運動を出力軸の往復回転運動に変換する揺動機構(揺動部材、ウォームホイール、及びウォームギヤ)よりも駆動力伝達順序でみて出力軸側(出力軸と揺動機構との間)に配置されているので、出力軸に過大な外力(荷重)が作用した場合でも、クラッチ装置による空転によって、クラッチ装置以降の駆動力伝達部材(揺動部材、ウォームホイール、ウォームギヤ、モータ本体等の出力軸からアーマチャ側へ向けての構成)に過大な外力が作用することを防止でき、前記各駆動力伝達部材を保護することができる。またしかも、これら駆動力伝達部材の強度設計を、クラッチ装置の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各駆動力伝達部材の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
[第1の実施の形態]
図1及び図2には、第1の実施の形態に係るワイパモータ90の全体構成が斜視図にて示されており、図3には、このワイパモータ90の構成が分解斜視図にて示されている。さらに、図4乃至図8には、ワイパモータ90の構成が断面図にて示されている。
ワイパモータ90は、車両のワイパ装置を駆動するためのワイパ駆動用モータとされており、モータ本体92、揺動機構94、及びクラッチ装置10を備えている。
図4及び図6に示す如く、モータ本体92は、ヨークハウジング98を備えている。ヨークハウジング98は、軸線方向一端部が絞り加工された有底でしかも回転軸110の直交方向断面が出力軸12の軸線方向を短手方向とする偏平形状の筒状に形成されており、開口側がハウジング96に一体的に取り付けられている。ヨークハウジング98の底壁100には、軸受102が配置されている。一方、ヨークハウジング98の他端部には、絶縁樹脂製のエンドハウジング104が固定されている。
また、エンドハウジング104の中央部分には軸受106が配置されている。この軸受106及びヨークハウジング98の軸受102とによってアーマチャ108の回転軸110が支持されアーマチャ108がヨークハウジング98内に収容されている。アーマチャ108に対向するヨークハウジング98の内周壁にはマグネット112が固着されている。
エンドハウジング104には、ブラシケースを介してブラシ114が保持されている。ブラシ114は角柱状に形成されており、アーマチャ108のコンミテータ116に圧接されている。また、ブラシ114からは連結用ピッグテール118が引き出されており、ピッグテール118の先端部は、給電用の接続線に接続されている。
モータ本体92(アーマチャ108)の回転軸110は、カップリング120によって揺動機構94のウォームギヤ122に連結されている。
ウォームギヤ122は、その一端部が軸受124を介してハウジング96に回転自在に支持されると共に、他端部は軸受126を介してハウジング96に回転自在に支持されている。このウォームギヤ122は、ウォームホイール128に噛み合っている。
ウォームホイール128は、ウォームギヤ122に噛合した状態でハウジング96内に収容されており、ウォームギヤ122(回転軸110)の軸線と垂直な回転軸130回りに回転する。
また、ウォームホイール128には、揺動部材としてのセクタギヤ132が連結されている。セクタギヤ132は、ウォームホイール128の回転軸130と異なる位置(径方向に変位した位置)に設けられた支軸134によって一端が回転自在に連結されると共に、他端には歯部136が形成されている。この歯部136は、後述するクラッチ装置10の歯車部材28に係合(噛合)している。またさらに、セクタギヤ132には、保持レバー138の一端が支軸140によって連結されており、さらに、保持レバー138の他端はハウジング96に回転自在に支持された出力軸12に回転自在に連結されている。これにより、支軸140と出力軸12との軸間ピッチが維持され、セクタギヤ132と入力ディスク28との噛合い状態が維持される。こうして、ウォームホイール128が回転することによってセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、後述する歯車部材28が往復回転駆動される構成である。
ここで、図9及び図10に示す如く、出力軸12の基端部分(後端部分)には、軸線方向に沿って複数の突条が形成された回止部14と、後端部突端に形成された抜止部16と、回止部14と抜止部16との間に設けられた相対回転軸部18と、が設けられている。
出力軸12の回止部14には、クラッチ装置10の係合ベース20が出力軸12と同軸的に固着されている。係合ベース20は、中央部分に支持孔22が形成された円盤状に形成されており、支持孔22が回止部14に固着されることで常に出力軸12と一体回転する。また、係合ベース20の周縁には、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出する嵌入部24及び嵌入部26が互いに周方向において反対側(180度反対側、すなわち出力軸12の軸線を中心に点対称位置)に設けられている。これらの嵌入部24及び嵌入部26は、後述する係合プレート38に対応している。また、嵌入部26は嵌入部24よりも径方向へ長く突出しており、ハウジング96に形成された後述するストッパ突起142に対応している。
また、出力軸12の抜止部16には、前述した歯車部材28が出力軸12と同軸的に取り付けられている。歯車部材28は、中央部分に軸孔30が形成された歯車状に形成されており、軸孔30に出力軸12の抜止部16が挿通すると共に抜止部16の突端に取り付けられた抜止めクリップ32によって抜け止めされることで、出力軸12に対して軸線方向一側(係合ベース20と反対側)へ抜止め状態でかつ回転自在に支持されている。この歯車部材28には、前述した如く揺動機構94のセクタギヤ132が噛合しており、セクタギヤ132から駆動力が入力されると、歯車部材28が出力軸12周りに回転する。また、歯車部材28の表面側(係合ベース20の側、出力軸12の軸線方向他側)には、係合ベース20側へ向けて一対二組の係合突起34及び係合突起36が突出して設けられている。
またここで、一対の係合突起34は、互いに周方向において反対側(180度反対側、すなわち出力軸12の軸線を中心に点対称位置)に設けられており、また、一対の係合突起36は、互いに周方向において反対側(180度反対側、すなわち出力軸12の軸線を中心に点対称位置)に設けられている。しかも、係合突起34及び係合突起36はそれぞれ等間隔に(すなわち、周方向に沿って90度の間隔で)形成されており、一対の係合突起34は、一対の係合突起36よりも、径方向において外側に位置しており、歯車部材28の「歯」の部分にまで跨って形成されている。これらの一対二組の係合突起34及び係合突起36は、後述する係合プレート38に対応している。
一方、出力軸12の相対回転軸部18には、係合プレート38が出力軸12と同軸的に支持されている。係合プレート38は、出力軸12に対応した軸孔40が形成された底壁42と、この底壁42の周縁から出力軸12の軸線方向に沿って立設形成された周壁44と、を有する有底円筒形に形成されており、軸孔40に出力軸12(相対回転軸部18)が挿通することで、歯車部材28に対し出力軸12の軸線方向他側(係合ベース20の側)に位置すると共に出力軸12に対して軸線方向に沿って移動可能に支持されている。
周壁44の開口側周縁部分には、前述した係合ベース20の嵌入部24及び嵌入部26に対応して、案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48が形成されている。これらの案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48に、係合ベース20の嵌入部24及び嵌入部26がそれぞれ出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。これにより、係合プレート38は、常に係合ベース20(すなわち、出力軸12)と一体的に回転すると共に、係合ベース20に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。
また、係合プレート38の底壁42の裏面側(歯車部材28の側、出力軸12の軸線方向一側)には、一対二組の係合凹部50及び係合凹部52が凹設して(窪んで)設けられている。
これらの係合凹部50及び係合凹部52は、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36にそれぞれ対応しており、一対の係合凹部50は、互いに周方向において反対側(180度反対側、すなわち出力軸12の軸線を中心に点対称位置)に設けられており、また、一対の係合凹部52は、互いに周方向において反対側(180度反対側、すなわち出力軸12の軸線を中心に点対称位置)に設けられており、しかも、係合凹部50及び係合凹部52はそれぞれ等間隔に(すなわち、周方向に沿って90度の間隔で)形成されている。この係合凹部50に歯車部材28の係合突起34が嵌入可能であり、また、係合凹部52に歯車部材28の係合突起36が嵌入可能となっている。これにより、通常の使用状態(回転状態)では、歯車部材28が回転した場合にこの歯車部材28の回転力が係合プレート38へ伝達されて係合プレート38が供に回転される構成である。
またここで、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされている(換言すれば、断面形状が所謂「台形」に形成されている)。これにより、歯車部材28が回転しこの歯車部材28から係合プレート38への回転伝達力によって、係合プレート38に出力軸12軸線方向に沿った(係合ベース20へ向いた)分力が生じる構成となっている。
なお、前述の如く歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52のそれぞれの側壁を共に「傾斜面」とする構成に限らず、少なくとも何れか一方に、出力軸12の周方向に対して傾斜する傾斜面を形成する構成としてもよい。この場合であっても、歯車部材28から係合プレート38への回転伝達力によって係合プレート38に出力軸12軸線方向に沿った分力を生じせしめることができる。
またさらに、係合プレート38の内部、すなわち底壁42及び周壁44によって形成される内部スペースは収容部54とされており、当該収容部54を閉塞する状態で、係合ベース20が係合プレート38の周壁44の開口側周縁部分に入り込んでいる。
前記収容部54には、弾性部材としての複数(本実施の形態においては、2枚)のウエーブワッシャ56が出力軸12と同軸的に収容されている。ウエーブワッシャ56は、係合プレート38(底壁42)と係合ベース20との間に配置されており、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52との係合状態からの係合プレート38の出力軸12軸線方向他側(係合ベース20の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(係合プレート38の軸線方向移動によって弾性変形された際の復元力)を付与するようになっている。
換言すれば、通常は、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52に入り込むと共に、ウエーブワッシャ56はこの嵌入状態を維持しており、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52から抜け出そうとして係合プレート38が係合ベース20の側へ向けて軸線方向移動しようとすると、これに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成されている。
また、前述した如く、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52にそれぞれ入り込むことで、歯車部材28から係合プレート38へ回転力が伝達されるが、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52から抜け出した状態でも(係合プレート38が係合ベース20の側へ向けて移動した状態でも)、前記ウエーブワッシャ56が発揮する付勢力(復元力)によって、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の底壁42との間に所定の摩擦力が生じ、これにより、歯車部材28と係合プレート38とが供回りするようにウエーブワッシャ56の付勢力等が設定されている。
なお、通常状態(係合プレート38が係合ベース20の側へ向けて移動しようとしない状態)において、既にウエーブワッシャ56が係合ベース20と係合プレート38との間で押圧力が付与されるように構成してもよく、あるいは、係合プレート38が係合状態から係合ベース20の側へ向けて移動したときだけに(係合突起34及び係合突起36が、係合凹部50および係合凹部52から抜け出そうとした場合に)、ウエーブワッシャ56がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。
一方、図4及び図6に示す如く、ハウジング96には、前述した係合ベース20の嵌入部26に対応して、ストッパ突起142が形成されている。
ストッパ突起142は円弧状に形成されており、嵌入部26の回転軌跡内に位置している。ストッパ突起142の周方向一端部及び周方向他端部は、それぞれ回転制限部144、回転制限部146とされている。すなわち、ストッパ突起142の回転制限部144及び回転制限部146は、それぞれ嵌入部26に当接可能となっており、嵌入部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した状態では、それ以上の係合ベース20の回転が阻止される構成である。したがって、歯車部材28の回転駆動力によって係合ベース20(出力軸12)が係合プレート38と共に回転し嵌入部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した後には、それ以後の係合ベース20(出力軸12)の回転が強制的に阻止されるため、歯車部材28が相対回転(空回り)する構成となっている(図11及び図12参照)。
さらに、歯車部材28によって往復回転駆動される出力軸12には、ワイパ(図示省略)が直接的に連結されており、またはリンクやロッド等を介して間接的に連結されており、当該ワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する構成である。
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ90では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。ウォームホイール128が回転すると、このウォームホイール128に連結されたセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、歯車部材28が往復回転駆動される(図4乃至図7参照)。
ここで、通常の使用状態では、例えば図5及び図11に示す如く、歯車部材28の係合突起34、係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50、係合凹部52と係合しており(互いに嵌り合っており)、しかも、この係合突起34、36と係合凹部50、52の係合状態から係合プレート38が出力軸12軸線方向に移動しようとしてもウエーブワッシャ56によって所定の抗力が付与されるので、前記係合状態が維持される。また、係合プレート38の案内被嵌入部46及び案内被嵌入部48には、係合ベース20の嵌入部24及び嵌入部26がそれぞれ出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。このため、歯車部材28が往復回転駆動されると、係合突起34、36及び係合凹部50、52を介して歯車部材28から係合プレート38へ回転駆動力が伝達される。そして、係合プレート38は、出力軸12に固定された係合ベース20と係合しているため、係合プレート38へと伝達された回転駆動力は係合プレート38から係合ベース20へと伝達されて、この係合プレート38及び係合ベース20と一体で出力軸12が回転される。
これにより、出力軸12に連結されたワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する。
ここで、このワイパモータ90では、通常の使用状態(回転状態)においては、前述の如くクラッチ装置10の歯車部材28から出力軸12への回転駆動力の伝達に際し、各部の何れの箇所においても部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができる。換言すれば、歯車部材28の係合突起34、36と係合プレート38の係合凹部50、52との係合状態維持のために、係合プレート38の前記係合状態からの軸線方向移動に対して付与されるウエーブワッシャ56による抗力が、摺動摩擦力として無駄に消費されることがない。したがって、回転伝達効率の低下を防止できる。また、部材の摺動を発生させることなく回転駆動力を伝達することができるため、部材の摺動に伴う異音の発生も防止される。
またしかも、前述の如く、係合突起34、36と係合凹部50、52との係合状態維持のために当該係合状態からの係合プレート38の軸線方向移動に対して付与されるウエーブワッシャ56による抗力は、出力軸12に固定された係合ベース20と、出力軸12に対して軸線方向一側へ抜止め状態で支持された歯車部材28とで受け止められる。すなわち、出力軸12に取り付けられた2つの構成部品(係合ベース20と歯車部材28)によって、前記係合状態維持のための力が受け止められる。すなわち、本ワイパモータ90のクラッチ装置10は、「出力軸12のサブアッセンブリ」として完結する構成のものであり、ハウジングなどの他の部品等に依存して完結する構成のものでない。したがって、このクラッチ装置10を、「出力軸12サブアッセンブリ」とした1つの部品として取扱いができる。
一方、例えば、ワイパを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸12(係合ベース20)と一体回転する係合プレート38には、係合ベース20を介して、歯車部材28と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、歯車部材28と係合プレート38との間の相対回転力によって、係合プレート38に出力軸12軸線方向に沿った(係合ベース20へ向いた)分力が生じる。すなわち、歯車部材28と係合プレート38との間の相対回転力の一部が、係合プレート38を出力軸12軸線方向に移動させて歯車部材28の係合突起34、36と係合プレート38の係合凹部50、52との係合を解除しようとする分力として作用する。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、ウエーブワッシャ56により付与される抗力に打ち勝って、図8及び図12に示す如く、係合プレート38が出力軸12軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(歯車部材28の係合突起34、36が係合プレート38の係合凹部50、52から抜け出して嵌合が解除される)。これにより、係合プレート38すなわち出力軸12は、歯車部材28に対して空転する。
したがって、本ワイパモータ90では、例えば、ワイパが回動範囲内での正規の停止位置において凍結して被払拭面に張り付いている状態、或いは正規の停止位置に位置するワイパの上に雪が積もって拘束された状態でモータ本体92が作動され、出力軸12に過大な負荷もしくは急激な負荷が作用した場合などは勿論のこと、ワイパの回動範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中においてワイパを介して出力軸12に過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下側の反転位置以外の位置にあるワイパの上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においても、クラッチ装置10による空転によって、歯車部材28以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)に過大な外力が作用することを防止できる。これにより、歯車部材28以降の前記各部品を保護することができ、前記各部品の損傷及びモータ本体92の焼損等を防止することができる。
また、歯車部材28以降の各部品の強度設計を、歯車部材28と係合プレート38との間の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
またしかも、出力軸12に連結された被駆動部材(ワイパ等)も、クラッチ装置10による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。
このように、本第1の実施の形態に係るワイパモータ90では、ワイパの払拭作動時において、出力軸12に作用する過大な荷重によって歯車部材28以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)が損傷することを防止できる。
また、本ワイパモータ90のクラッチ装置10では、歯車部材28は、揺動機構94(ウォームギヤ122、ウォームホイール128、及びセクタギヤ132)によって減速往復回転駆動されるため、出力軸12を大きなトルクで駆動することができ、出力軸12に連結されたワイパを好適に往復駆動することができる。
したがって、本ワイパモータ90は、ワイパを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用する(例えば、車両の屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って略垂直落下してワイパアームに当たり大きな外力が当該ワイパモータ90に作用する場合等)蓋然性が高い車両、例えばキャブオーバータイプのコックピットを有するトラックや建設機械用のワイパ駆動用モータとしても好適である。
さらに、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52に入り込むことで、歯車部材28から係合プレート38へ回転力が伝達される構成としたので、歯車部材28と係合プレート38との間の駆動力の伝達をより確実に行うことができる。しかも、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため、当該傾斜面の傾斜角度及びウエーブワッシャ56の抗力(弾性変形力)に基づいて、前記クラッチ解除力を容易に設定することができる。
また、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、歯車部材28及び係合プレート38は、出力軸12と同軸的に設けられており、ウエーブワッシャ56の弾性力は、係合プレート38によって歯車部材28と係合プレート38との係合部分に一様に分布される。このため、歯車部材28と係合プレート38との係合状態が安定し、歯車部材28と係合プレート38との間(係合突起34、36と係合凹部50、52との間)の回転伝達力(クラッチ解除力)の値も安定する。これにより、前記クラッチ解除力の値をより好適に設定することができるので、ワイパモータ90の各構成部材をより確実に保護することができる。
またさらに、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、複数の突条が形成された出力軸12の回止部14に係合ベース20が固着されて一体化されており、特に軸線周りの回転方向に対しては強固に固着されている。一方、歯車部材28は出力軸12の抜止部16によって抜止め状態とされており、さらに、出力軸12の相対回転軸部18(すなわち、係合ベース20と歯車部材28との間)に、係合プレート38が軸線方向に移動可能に支持されている。すなわち、何れの部品も出力軸12を基準に取り付けられた構成であり、係合ベース20と歯車部材28との間の一定スペース(一定寸法)に係合プレート38が設けられた構成であるため、前述した如き係合プレート38の軸線方向移動に要する力(クラッチ解除力)の設定を容易に行うことができる。
また、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、弾性部材をウエーブワッシャ56とし、係合プレート38の軸線方向移動に対して付与される抗力を、係合プレート38の軸線方向移動によって弾性変形される当該ウエーブワッシャ56の復元力としたので、通常動作時(通常の使用状態)は、弾性変形の無いウエーブワッシャ56が所謂スペーサとして係合プレート38(係合凹部50、52)と歯車部材28(係合突起34、36)との係合状態維持に寄与する。また、過大外力(荷重)作用時には、係合プレート38がウエーブワッシャ56の弾性変形に伴う復元力に打ち勝って軸線方向移動することにより、係合プレート38(係合凹部50、52)と歯車部材28(係合突起34、36)との係合状態が解除され、両者が相対的に空転可能となる。
このように、弾性部材をウエーブワッシャ56とすることにより、後述するゴム部材58の弾性圧縮変形を使用した場合のように、グリス等の油分に侵されることがなく、これにより劣化が防止される。
また、本ワイパモータ90のクラッチ装置10では、係合プレート38の軸線方向移動に対して付与される抗力を、弾性変形される当該ウエーブワッシャ56の復元力としたので、係合プレート38の軸線方向移動に要する力(すなわち、クラッチ解除力)が安定し、クラッチ性能が向上する。またさらに、弾性部材をウエーブワッシャ56とすることにより配置スペースを小さく(薄く)することが可能になり、装置を小型化することができる。
さらに、このワイパモータ90のクラッチ装置10では、係合プレート38の収容部54にウエーブワッシャ56が収容配置され、しかも、収容部54は係合ベース20によって閉塞状態とされているため、出力軸12周りに係合ベース20や係合プレート38と位置ズレ無くウエーブワッシャ56が配置されることとなり、両部材に安定した押圧力(弾性変形力)を作用させることができる。
以上説明した如く、本第1の実施の形態に係るワイパモータ90では、ワイパの払拭作動時において、出力軸12に作用する過大な荷重によって各部品が損傷することを防止できる。
なお、前述した第1の実施の形態においては、弾性部材としてウエーブワッシャ56を適用した構成として説明したが、弾性部材としてはこれに限るものではない。
例えば、図13に示すクラッチ装置11の如く、弾性部材として円盤状のゴム部材58を適用し、係合プレート38の軸線方向移動に対して付与される抗力を、弾性圧縮変形される当該ゴム部材58の復元力とする構成としてもよい。また、このようなウエーブワッシャ56やゴム部材58に限らず、圧縮コイルスプリングや皿バネ等であってもよい。
さらに、これらの場合において、通常状態(係合プレート38が係合ベース20の側へ向けて移動しようとしない状態)において、既に前記ゴム部材58等の各弾性部材が係合ベース20と係合プレート38との間で押圧力を付与するように構成してもよく、あるいは、係合プレート38が係合ベース20の側へ向けて移動したときだけに(係合突起34及び係合突起36が、係合凹部50及び係合凹部52から抜け出そうとした場合に)、前記ゴム部材58等の各弾性部材がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。この後者の場合のように、通常動作時において係合プレート38(係合凹部50、52)と歯車部材28(係合突起34、36)との係合状態維持のために付勢力を付与しない設定とした場合には、変形などに伴う長期ストレスの作用が低減されて前記各弾性部材の劣化が防止される。
また、前述した第1の実施の形態においては、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36が、係合プレート38の係合凹部50及び係合凹部52に入り込むことで、歯車部材28から係合プレート38へ回転力が伝達される構成としたが、これに限らず、係合突起34、36及び係合凹部50、52がない構成としてもよい。この場合、例えば、通常状態(係合プレート38が係合ベース20側へ向けて移動しようとしない状態)において、常に弾性部材としてのウエーブワッシャ56の付勢力によって歯車部材28と係合プレート38との間に所定の摩擦力が生じる構成とすれば、前記所定の摩擦力によって歯車部材28から係合プレート38に回転力を伝達することができると共に、前記所定の摩擦力に対して出力軸12に作用する荷重の方が大きくなったときには、歯車部材28と係合プレート38とを相対的に空転させることができる。この点は以下の実施の形態においても同様である。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には、前記第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説明を省略する。
[第2の実施の形態]
図14には、第2の実施の形態に係るワイパモータ150の全体構成が斜視図にて示されている。
ワイパモータ150は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と基本的に同じ構成であり、モータ本体92、揺動機構94、及びクラッチ装置60を備えている。
モータ本体92及び揺動機構94は、前述した第1の実施の形態に係るモータ本体92及び揺動機構94と同様構成である。
一方、図15に示す如く、クラッチ装置60は、前記第1の実施の形態に係るクラッチ装置10と基本的に同じ構成であるが、係合ベース20に代えて係合ベース62を備えると共に、係合プレート38に代えて係合プレート64を備えている。また、ウエーブワッシャ56に代えて弾性部材としてのゴム部材84を備えている。
係合ベース62は、出力軸12と同軸的に設けられており、出力軸12に対応した支持孔66が中央部に形成された底壁68と、この底壁68の周縁から出力軸12の軸線方向に沿って立設形成された周壁70と、を有する有底円筒形に形成されている。この係合ベース62は、支持孔66が出力軸12の回止部14に固着されることで常に出力軸12と一体回転する。また、周壁70の開口側周縁部分には、案内被嵌入部72及び案内被嵌入部74が形成されている。
さらに、周壁70の外周部分には、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出するブロック状の回止部71が設けられている。この回止部71は、前述した第1の実施の形態に係るハウジング96のストッパ突起142に対応しており、回転制限部144及び回転制限部146に当接可能となっている。回止部71がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した状態では、それ以上の係合ベース62(出力軸12)の回転が阻止される構成である。
一方、係合プレート64は、出力軸12と同軸的に設けられており、出力軸12に対応した軸孔76が中央部に形成された円盤状に形成されている。この係合プレート64は、軸孔76に出力軸12(相対回転軸部18)が挿通することで、歯車部材28に対し出力軸12の軸線方向他側(係合ベース62の側)に位置すると共に出力軸12に対して軸線方向に沿って移動可能に支持されている。また、係合プレート64の周縁には、係合ベース62の案内被嵌入部72及び案内被嵌入部74に対応して、径方向(出力軸12の径方向)に沿って突出する一対の嵌入部78及び嵌入部80が互いに周方向おいて反対側(180度反対側)に設けられている。これらの嵌入部78、嵌入部80がそれぞれ係合ベース62の案内被嵌入部72、案内被嵌入部74に軸線方向に沿って相対移動可能に嵌入している(入り込んでいる)。これにより、係合プレート64は、常に係合ベース62(すなわち、出力軸12)と一体的に回転すると共に、係合ベース62に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。
また、係合プレート64の裏面側(歯車部材28の側、出力軸12の軸線方向一側)には、前記第1の実施の形態と同様の、一対二組の係合凹部50及び係合凹部52が凹設して(窪んで)設けられている。
またさらに、係合ベース62の内部、すなわち底壁68及び周壁70によって形成される内部スペースは収容部82とされており、当該収容部82を閉塞する状態で、係合プレート64が係合ベース62の周壁70の開口側周縁部分に入り込んでいる。
前記収容部82には、弾性部材としてのゴム部材84が出力軸12と同軸的に収容されている。ゴム部材84は、係合ベース62(底壁68)と係合プレート64との間に配置されており、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート64の係合凹部50及び係合凹部52との係合状態からの係合プレート64の出力軸12軸線方向他側(係合ベース62の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(係合プレート64の軸線方向移動によって弾性圧縮変形された際の復元力)を付与するようになっている。
他の構成部品は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同じ構成である。
次に、本第2の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ150は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ150と同様の作用効果を奏する。
すなわち、ワイパモータ150では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。ウォームホイール128が回転すると、このウォームホイール128に連結されたセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、歯車部材28が往復回転駆動される。
ここで、通常の使用状態では、歯車部材28に駆動力が入力されて出力軸12周りに回転すると、係合突起34、36及び係合凹部50、52を介して歯車部材28から係合プレート64へ回転駆動力が伝達される。そして、係合プレート64は、出力軸12に固定された係合ベース62と係合しているため、係合プレート64へ伝達された回転駆動力は係合プレート64から係合ベース62へと伝達されて、この係合プレート64及び係合ベース62と一体で出力軸12が回転される。
これにより、出力軸12に連結されたワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する。
一方、例えば、ワイパを介して出力軸12に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸12が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸12(係合ベース62)と一体回転する係合プレート64には、係合ベース62を介して、歯車部材28と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、歯車部材28の係合突起34及び係合突起36と、係合プレート64の係合凹部50及び係合凹部52とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、歯車部材28と係合プレート64との間の相対回転力によって、係合プレート64に出力軸12軸線方向に沿った(係合ベース62へ向いた)分力が生じる。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、ゴム部材84により付与される抗力に打ち勝って、係合プレート64が出力軸12軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(歯車部材28の係合突起34、36が係合プレート64の係合凹部50、52から抜け出して嵌合が解除される)。これにより、係合プレート64すなわち出力軸12は、歯車部材28に対して空転する。
したがって、本ワイパモータ150では、例えば、ワイパが回動範囲内での正規の停止位置において凍結して被払拭面に張り付いている状態、或いは正規の停止位置に位置するワイパの上に雪が積もって拘束された状態でモータ本体92が作動され、出力軸12に過大な負荷もしくは急激な負荷が作用した場合などは勿論のこと、ワイパの回動範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中においてワイパを介して出力軸12に過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下側の反転位置以外の位置にあるワイパの上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においても、クラッチ装置60による空転によって、歯車部材28以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)に過大な外力が作用することを防止できる。これにより、歯車部材28以降の前記各部品を保護することができ、前記各部品の損傷及びモータ本体92の焼損等を防止することができる。
また、歯車部材28以降の前記各部品の強度設計を、歯車部材28と係合プレート64との間の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
またしかも、出力軸12に連結された被駆動部材(ワイパ等)も、クラッチ装置60による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。
以上の如く、本第2の実施の形態に係るワイパモータ150は、前述した第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同様の作用効果を奏するものであり、ワイパの払拭作動時において、出力軸12に作用する過大な荷重によって歯車部材28以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)が損傷することを防止できる。
[第3の実施の形態]
図16には、第3の実施の形態に係るワイパモータ200の構成部材であるクラッチ装置204を含む周辺の構成が縦断面図にて示されている。
ワイパモータ200は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と基本的に同じ構成であり、モータ本体92、揺動機構202、及びクラッチ装置204を備えている。
モータ本体92は、前述した第1の実施の形態に係るモータ本体92と同様構成である。
一方、揺動機構202は、前述した揺動機構94と基本的に同様の構成であり、保持レバー206のみが異なる構成である。保持レバー206は、前述した保持レバー138と同様に、その一端が支軸140によってセクタギヤ132に連結されると共に、他端に設けられた断面円形の凹部208に出力軸210の基端部が回転自在に挿入されている。そしてさらに、凹部208の出力軸210と反対側の面には樹脂製の摺動部材211が出力軸210の軸線上に取り付けられ、出力軸210に作用するスラスト力を受け止めるようになっている。
また一方、クラッチ装置204は、歯車部材212、係合プレート214、及び捩りコイルスプリング216によって構成されており、前記第1の実施の形態における係合ベース20が省略された構成である。
歯車部材212は、揺動機構202の保持レバー206に対し出力軸210の先端側(図16では上側)に位置しており、出力軸210と同軸的に設けられている。この歯車部材212は、中央部分に軸孔218が形成された歯車状に形成されており、軸孔218に出力軸210の基端部が挿通されることで、出力軸210周りに回転自在に支持されている。なお、図示はしないが、出力軸210の基端部には、前述した第1の実施の形態に係る抜止部16が形成されており、この抜止部16に取り付けられた抜止めクリップ32によって歯車部材212の出力軸210に対する軸線方向一側(保持レバー206側)への移動が制限されている(抜け止めされている)。
また、歯車部材212の表面(保持レバー206とは反対側の端面)には、一対の係合凹部50が凹設して(窪んで)設けられている。この係合凹部50は、前記第1の実施の形態に係る係合凹部50と同様構成であり、係合プレート214に対応している。
係合プレート214は、歯車部材212の前記表面側において出力軸210と同軸的に設けられている。この係合プレート214は、出力軸210に所謂スプライン結合されている。すなわち、係合プレート214に対応する出力軸210の外周の一部には、軸線方向に沿って複数の突条が形成されており、係合プレート214の軸心部に設けられた軸孔220には、この出力軸210の複数の突条が嵌り合う複数の溝が形成されている。このため、係合プレート214は、出力軸210に対して軸線周りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持されており、歯車部材212に当接可能でかつ出力軸210の軸線方向に沿って歯車部材212とは反対側へ移動可能とされている。
また、この係合プレート214の歯車部材212側の面には、歯車部材212の前記一対の係合凹部50に嵌入可能な一対の係合突起34が突設されている。この係合突起34は、前記第1の実施の形態に係る係合突起34と同様構成である。これにより、歯車部材212が回転した場合にこの歯車部材212の回転力が係合プレート214に伝達されて係合プレート214が供に回転される構成である。
一方、係合プレート214の表面側(歯車部材212とは反対側)には、弾性部材としての捩りコイルスプリング216が出力軸210と同軸的に設けられている。この捩りコイルスプリング216は、ハウジング222に形成された環状の溝部224内に挿入されて支持されており、軸線方向一端が溝部224の底壁に当接すると共に、軸線方向他端が係合プレート214に当接している。
この捩りコイルスプリング216は、歯車部材212の係合凹部50と係合プレート214の係合突起34との係合状態からの係合プレート214の出力軸210軸線方向他側(歯車部材212とは反対側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(係合プレート214の軸線方向移動によって弾性圧縮変形された際の復元力)を付与するようになっている。
なお、通常状態(係合プレート214が歯車部材212とは反対側へ向けて移動しようとしない状態)において、既に捩りコイルスプリング216がハウジング222と係合プレート214との間で押圧力が付与されるように構成してもよく、あるいは、係合プレート214が歯車部材212とは反対側へ向けて移動したときだけに(係合突起34が、係合凹部50から抜け出そうとした場合に)、捩りコイルスプリング216がこれに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成してもよい。
一方、図示はしないが、出力軸210には、前記第1の実施の形態と同様に、ワイパが直接的に連結されており、またはリンクやロッド等を介して間接的に連結されており、当該ワイパが出力軸210の往復回転に伴って往復駆動する構成である。
他の構成部品は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同じ構成である。
次に第3の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ200は、前記第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同様の作用効果を奏する。
すなわち、ワイパモータ200では、モータ本体92(アーマチャ108)が回転すると、ウォームギヤ122を介してウォームホイール128へ回転力が伝達されてウォームホイール128が回転する。ウォームホイール128が回転すると、このウォームホイール128に連結されたセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、歯車部材212が往復回転駆動される。
ここで、通常の使用状態では、係合プレート214の係合突起34が、歯車部材212の係合凹部50と係合しており(互いに嵌り合っており)、しかも、この係合突起34と係合凹部50との係合状態から係合プレート214が出力軸210軸線方向に移動しようとしても捩りコイルスプリング216によって所定の抗力が付与されるので、前記係合状態が維持される。このため、歯車部材212に駆動力が入力されて出力軸210周りに回転すると、係合凹部50及び係合突起34を介して歯車部材212から係合プレート214へ回転駆動力が伝達される。係合プレート214は、出力軸210に対して軸線周りに回転不能に結合されているため、この係合プレート214と一体で出力軸210が回転される。
これにより、出力軸210に連結されたワイパが出力軸210の往復回転に伴って往復駆動する。
一方、例えば、ワイパを介して出力軸210に過大外力(荷重)が作用すると、出力軸210が逆転もしくは拘束されることになる。すると、出力軸210と一体回転する係合プレート214には、歯車部材212と相対回転する方向に回転力が作用する。ここで、歯車部材212の係合凹部50と、係合プレート214の係合突起34とは、それぞれ側壁部分が傾斜面とされているため(断面形状が所謂「台形」に形成されているため)、歯車部材212と係合プレート214との間の相対回転力によって、係合プレート214に出力軸210軸線方向に沿った(歯車部材212とは反対側へ向いた)分力が生じる。この相対回転力(分力)が所定値以上となると、捩りコイルスプリング216により付与される抗力に打ち勝って、係合プレート214が出力軸210軸線方向に強制的に移動されて前記係合状態が解除される(係合プレート214の係合突起34が歯車部材212の係合凹部50から抜け出して嵌合が解除される)。これにより、係合プレート214すなわち出力軸210は、歯車部材212に対して空転する。
したがって、本ワイパモータ200では、例えば、ワイパが回動範囲内での正規の停止位置において凍結して被払拭面に張り付いている状態、或いは正規の停止位置に位置するワイパの上に雪が積もって拘束された状態でモータ本体92が作動され、出力軸210に過大な負荷もしくは急激な負荷が作用した場合などは勿論のこと、ワイパの回動範囲内(正規の払拭範囲内)での作動途中においてワイパを介して出力軸210に過大な外力が作用した場合(例えば、ワイパの払拭作動時に下側の反転位置以外の位置にあるワイパの上に屋根に堆積した積雪がガラス面に沿って落下してきた場合など)においても、クラッチ装置204による空転によって、歯車部材212以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)に過大な外力が作用することを防止できる。これにより、歯車部材212以降の前記各部品を保護することができ、前記各部品の損傷及びモータ本体92の焼損等を防止することができる。
また、歯車部材212以降の前記各部品の強度設計を、歯車部材212と係合プレート214との間の回転伝達力(クラッチ解除力)に基づいて設定すればよいため、上記過大な外力(荷重)の作用を想定した各部品の過剰な強度設定を行う必要がなくなり、安価な構成とすることができる。
またしかも、出力軸210に連結された被駆動部材(ワイパ等)も、クラッチ装置202による空転により衝撃が吸収されるので破損から保護することもできる。
以上の如く、本第3の実施の形態に係るワイパモータ200は、前述した第1の実施の形態に係るワイパモータ90と同様の作用効果を奏するものであり、ワイパの払拭作動時において、出力軸210に作用する過大な荷重によって歯車部材212以降の駆動力伝達部品(セクタギヤ132、ウォームホイール128、ウォームギヤ122、モータ本体92等の出力軸12からアーマチャ108側に向けての構成)が損傷することを防止できる。
本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す一部を透視した斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す分解斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す図4の5−5線に沿った断面図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す図6の7−7線に沿った断面図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成を示し、クラッチ解除状態における図7に対応した図面である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置を含む周辺部品の構成を示し、クラッチ連結状態を示す斜視図である。 本第1の実施の形態に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置を含む周辺部品の構成を示し、クラッチ解除状態を示す斜視図である。 本第1の実施の形態の変形例に係るクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本第2の実施の形態に係るワイパモータの構成を示す斜視図である。 本第2の実施の形態に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置を示す分解斜視図である。 本第3の実施の形態に係るワイパモータの部分的な構成を示す縦断面図である。
符号の説明
10・・クラッチ装置、12・・出力軸、28・・歯車部材、34・・係合突起、36・・係合突起、38・・係合プレート、50・・係合凹部、52・・係合凹部、56・・ウエーブワッシャ(弾性部材)、60・・クラッチ装置、64・・係合プレート、84・・ゴム部材(弾性部材)、90・・ワイパモータ、92・・モータ本体、94・・揺動機構、96・・ハウジング、110・・回転軸、122・・ウォームギヤ、128・・ウォームホイール、132・・セクタギヤ(揺動部材)、136・・歯部、150・・ワイパモータ、200・・ワイパモータ、202・・揺動機構、204・・クラッチ装置、210・・出力軸、212・・歯車部材、214・・係合プレート、216・・捩りコイルスプリング(弾性部材)、222・・ハウジング

Claims (4)

  1. モータ本体と、ハウジングに回転可能に支持されると共に直接的又は間接的にワイパに連結され、往復回転することにより前記ワイパを往復駆動する出力軸と、前記ハウジング内に設けられ、前記モータ本体の回転軸の一方向回転運動を前記出力軸の往復回転運動に変換する揺動機構と、を備えたワイパモータにおいて、
    前記出力軸と前記揺動機構との間に設けられ、前記揺動機構からの駆動力を前記出力軸に伝達すると共に、前記出力軸に所定値以上の荷重が作用した際には、前記荷重によって前記揺動機構と前記出力軸との間の前記駆動力の伝達を切り離し、前記揺動機構と前記出力軸とを相対的に空転可能とするクラッチ装置を備え
    かつ、前記揺動機構は、
    前記回転軸の一方向回転運動により往復揺動されると共に、歯部が形成された揺動部材と、
    前記出力軸と前記揺動部材とにそれぞれ連結された保持レバーと、を有し、
    前記クラッチ装置は、
    前記出力軸に対して軸線方向一側への抜止め状態でかつ回転自在に支持されると共に、前記保持レバーに対して前記出力軸の軸線方向他側に位置し、前記保持レバーの前記連結によって前記揺動部材の前記歯部との前記出力軸径方向における噛合状態を維持されると共に、前記揺動部材の往復遥動によって前記出力軸周りに往復回転する歯車部材と、
    前記歯車部材に対して前記出力軸の軸線方向他側に位置すると共に前記出力軸に対して軸線回りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持され、前記出力軸と一体回転すると共に前記歯車部材に係合可能とされ、前記歯車部材との係合状態では前記歯車部材と一体回転し、かつ、前記揺動部材の前記歯部と前記歯車部材との前記出力軸軸線方向の噛合状態を前記保持レバーとの間に維持する係合プレートと、
    前記係合プレートに対して前記出力軸の軸線方向他側に位置し、前記歯車部材と前記係合プレートとの前記係合状態を維持すると共に、前記係合状態から前記出力軸軸線方向他側へ向けた前記係合プレートの前記軸線方向移動に対して抗力を付与する弾性部材と、を有する、
    ことを特徴とするワイパモータ。
  2. 前記クラッチ装置の前記歯車部材及び前記係合プレートの一方は、他方と対向する側に係合突起を有すると共に、前記他方には前記係合突起が係合する係合凹部を有し、
    前記係合突起及び前記係合凹部のうちの少なくとも一方には、前記出力軸の周方向に対して傾斜する傾斜面が形成されると共に、前記傾斜面は、前記係合プレートと前記歯車部材との間の回転伝達力によって前記係合プレートに前記出力軸軸線方向に沿った分力を生じせしめる、
    ことを特徴とする請求項1記載のワイパモータ。
  3. 前記クラッチ装置の前記歯車部材及び前記係合プレートは前記出力軸と同軸的に設けられ、前記係合プレートと前記歯車部材との前記係合部分に前記弾性部材の弾性力を一様に分布させる、
    ことを特徴とする請求項1記載又は請求項2記載のワイパモータ。
  4. 前記揺動機構は、
    前記モータ本体の回転軸に設けられたウォームギヤと、
    前記ウォームギヤに噛合して前記回転軸の軸線と垂直な回転軸線周りに回転するウォームホイールと、を有し、
    前記揺動部材は、前記ウォームホイールの前記回転軸線とは異なる位置に一端が回転可能に連結されると共に他端に前記歯部が設けられ、前記ウォームホイールの回転によって往復揺動される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のワイパモータ。
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