JP4311998B2 - 耐油処理紙 - Google Patents

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Description

本発明は、洋紙ないし板紙を基材として調製される耐油処理紙(耐油紙)に関し、特に、サイズプレスやオフコータを用いて耐油処理して製造する場合に好適な構成を備えている耐油処理紙及びその製造方法に関する。
従来、食品分野、特にファーストフード関係の分野において、製品包装材として紙ベースのものが多く使用されている。当該分野においては油を含んだ食品が多いことから、耐油性を有しない紙を使用すると、経時的に食品に含まれる油分が紙に浸透し、包装の外側に染み出してくるという問題が発生する。そのため、耐油剤と称される表面処理剤を紙表面に固形分(塗膜形成要素)塗布量:0.1〜0.5g/m2で塗布して、油の浸透を防止することが行われてきた。
耐油性付与を目的とした紙用表面処理剤としては、ふっ素系のエマルション型塗工剤が一般的に使用されている。しかし、近年の地球環境への影響の観点からふっ素系薬品は直接、あるいは間接的に、大気中のオゾン層破壊を引き起こす原因となりかねない懸念がある。また、ふっ素系薬品を製造する工程において発ガン性の問題も指摘されており、環境及び人体により優しい表面処理剤が必要とされつつある。
そして、ふっ素系薬品を使用しないで耐油性を紙表面に付与する塗工剤(表面処理剤)として、例えば、特許文献1〜3が存在する。
特許文献1には、ジカルボン酸澱粉エステルをベースとして使用する紙のサイズ剤が、特許文献2には、原紙にクレーコート層を作り、その上に耐油層を形成した耐油紙が、特許文献3には、疎水性に化工された澱粉(アルキルジカルボン酸澱粉エステル;オクテニルコハク酸澱粉エステル等)を原紙に塗布した耐油紙が、それぞれ記載されている。
特開昭55−107598号公報 特開2002−38398公報 特開2002−69889公報
本発明は、上記にかんがみて、環境に対して悪影響のない、また、製造過程においても発ガン性などの問題を生じない、新しい耐油剤とそれを使用した耐油処理紙を提供することを目的(課題)とする。
具体的な課題は、耐油処理紙(耐油紙)は、直接食品に接触して使用される用途が多々見受けられるため、人体へ悪影響のないこと、即ち、食品或いは食品添加物として、更には、それらの用途に適応可能な安全性の高い撥水性/耐水性樹脂と、食品として使用され、安全性の高い未変性澱粉又は変性澱粉(澱粉誘導体)とを耐油処理塗膜の塗膜形成成分とする耐油処理紙を提供することにある。
本発明に係る耐油処理紙は、上記課題を下記構成により解決するものである。
紙基材の片面又は両面に耐油処理層を備え、
該耐油処理層は、それぞれ糊液塗布による下塗り塗膜(アンダーコート)と上塗り塗膜(トップコート)とを備え、
該上塗り塗膜は、酸化澱粉又は酸処理澱粉から選択される分解澱粉又は該分解澱粉の糊化可能な水酸基水素置換体の澱粉誘導体が塗膜主成分であり、
前記下塗り塗膜は、エラストマー水系コロイドと糊化可能澱粉類との前者/後者(固形分質量比)=/95〜95/5の混合物が塗膜主成分であることを特徴とする。
本発明における上塗り塗膜は、低粘度化澱粉を基本とすることにより、澱粉の糊化を高濃度で行なうことが可能となり、紙基材上でのフィルム形成能を増大させることができる。
さらに、該低粘度化澱粉の澱粉ポリマーの水酸基水素を置換封鎖することにより、上記フィルム形成能に加えて、耐老化増粘性を付与できるとともに適度の耐水性を付与可能となる。
そして、下塗り塗膜は、糊化可能澱粉類をエラストマー水系コロイド又は保水性/吸水性ポリマーとを混合したものを塗膜主成分とすることにより、上塗りの折り曲げ耐性が向上する。澱粉類ポリマーの本来的特性である脆性が、それぞれ、下記理由により低減されるためと推定される。
エラストマー水系コロイドの場合は、エラストマー粒子(コロイド)が澱粉類ポリマー間に分散して柔軟性が付与される。また、吸水性/保水性ポリマーの場合は、澱粉ポリマーの水分が適度に保持されて柔軟性を維持する。
上記エラストマー水系コロイドの場合は、ゴムラテックスを好適に使用可能である。
上記水酸基水素置換体は、通常、エステル化澱粉又はエーテル化澱粉とする。
上記エステル化澱粉としては、
(a)炭素数2〜16の飽和・不飽和脂肪酸及び芳香族カルボン酸のアシル残基置換体であり、かつ、水酸基置換度(DS)が約0.001〜1.8であるもの、
(b)コハク酸、マレイン酸又はそれらの炭素数1〜26のアルキル・アルケニル変性基を有する誘導体のモノアシル残基置換体(片エステル化物)であり、かつ、水酸基置換度(DS)が約0.001〜0.5であるもの、
を好適に使用可能である。
また、上記エーテル化澱粉としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は総炭素数1〜8である一価・二価アルキルアルコールのモノ・ジグリシジルエーテルのヒドロキシアルキル化物であり、かつ、分子置換度(MS)が約0.01〜0.5であるものを、好適に使用可能である。
上記構成において、少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、吸湿性鉱酸塩を添加することが望ましい。前記吸湿性鉱酸塩を添加することにより、澱粉類ポリマーの紙基材に対する浸透性が促進されて、澱粉類ポリマーの持つ耐油性が紙基材まで付与されて結果的に耐油処理紙の耐油性が向上する。
上記各構成において、少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、無機充填剤を含有させることが望ましい。印刷セット性を改善できるためである。
そして、通常、本発明の耐油処理紙は、上記各構成において、紙基材を坪量400g/m2以下とし、前記下塗り塗膜及び上塗り塗膜における各塗膜形成成分量が、0.1〜20g/mとすることが望ましい。
また、本発明の耐油処理紙の製造方法は、下記構成となる。
エラストマー水系コロイドと糊化可能澱粉類との前者/後者(質量比)=約5/95〜95/5の混合物の糊液に必要により副資材が添加された下塗り塗料を前記紙基材に塗布して下塗り塗膜を形成後、
該下塗り塗膜上に前記糊化可能澱粉の糊液に必要により副資材が添加された上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜形成し、更に、乾燥させることを特徴とする。
以下、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明を行う。なお、本明細書において、配合を表す「部」、「%」等は、質量単位でありかつ乾燥状態を基準とするものである。
本発明の耐油処理紙は、紙基材12の片面又は両面(図例では片面)に耐油処理層14を備えているものである。
ここで、耐油処理(耐油付与処理)を行なう紙基材としては、洋紙、板紙を問わず、特に限定されない。通常、坪量400g/m2以下、望ましくは約300〜25g/m2の紙基材とする。坪量が大きすぎると、折り曲げ時の屈折部伸びが塗膜の伸びを越えるようになる。
なお、紙基材は、紙の製造工程において、ポリアクリルアマイド・各種ワックス類を予め内添したり外添したりして、ベースの紙の湿潤物性(湿潤強度・吸水性など)を最終用途に向けて必要なレベルまで上げておいてもよい。
そして、該耐油処理層14は、それぞれ糊液塗布による下塗り塗膜(アンダーコート)16と上塗り塗膜(トップコート)18とを備えている。
ここで、下塗り塗膜16及び上塗り塗膜18の、各塗膜形成成分量は、紙基材の種類・厚さ、要求される耐油性等により異なるが、通常、0.1〜20g/m
、望ましくは、約0.5〜15g/mとする。
該上塗り塗膜は、低粘度化澱粉(分解澱粉)又は該分解澱粉の糊化可能な水酸基水素置換体が塗膜主成分(塗膜形成成分)である。
ここで、低粘度化澱粉は、通常、酸化澱粉又は酸処理澱粉とし、50℃における固形分8%の糊液粘度が約0.01〜4Pa・s、望ましくは約0.05〜0.4Pa・sとする。分解レベルが低すぎると(粘度が高過ぎると)、高濃度糊液による表面処理がし難く、逆に、分解レベルが高過ぎると(粘度が低すぎると)、塗膜強度と良好な形成能を得難くなる。
ここで、原料澱粉としては、特に限定されず、小麦澱粉、コーンスターチ等の地上澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉等の地下澱粉、及びそれらの複合体を使用可能である。これらのうちで、相対的に高粘度のものが得易い地下澱粉が望ましい。
また、酸化澱粉及び酸処理澱粉は、次亜塩素酸ソーダ、過マンガン酸カリウム、過酸化水素等の酸化剤、及び、硫酸、酢酸、塩酸、燐酸などの有機酸又は無機酸をそれぞれ使用可能である。
上記水酸基水素置換体は、通常、エステル化澱粉又はエーテル化澱粉とする。
そして、エステル化澱粉(アシル残基置換体)としては、特に限定されず、スルフォン酸のアシル残基置換体でもよいが、(a)炭素数2〜16(望ましくは2〜8)の飽和・不飽和脂肪酸及び芳香族カルボン酸のアシル残基置換体であり、かつ、水酸基置換度(DS)が約0.001〜1.8(望ましくは約0.005〜1.5)であるもの、又は、(b)コハク酸、マレイン酸又はそれらの炭素数1〜26(望ましくは6〜26)のアルキル・アルケニル変性基を有する誘導体のモノアシル残基置換体(片エステル化物)であり、かつ、水酸基置換度(DS)が約0.001〜0.5(望ましくは約0.005〜0.3)であるものを好適に使用可能である。
上記において、水酸基置換度(DS)が高過ぎると、短鎖置換基においては冷水に対して可溶化する傾向が強くなり、澱粉の水スラリー中からの回収が困難になり、長鎖になると糊化操作において、十分なクッキング(糊化)が行われないことから糊の皮膜形成能に悪影響を及ぼすようになる。
より具体的には、飽和脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を、不飽和脂肪族カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸等を、芳香族カルボン酸としては安息香酸等を好適に使用できる。
また、上記エーテル化澱粉としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は総炭素数1〜8(望ましくは2〜4)の一価・二価アルキルアルコールのモノ・ジグリシジルエーテルのヒドロキシアルキル化物であり、かつ、分子置換度(MS)が約0.01〜0.5(望ましくは約0.05〜0.3)のものを好適に使用できる。分子置換度(MS)が、高すぎると、上記エステル化澱粉の場合と同様、短鎖置換基においては冷水に対して可溶化する傾向が強くなり、澱粉の水スラリー中からの回収が困難になり、長鎖になると糊化操作において、十分なクッキング(糊化)が行われないことから糊の皮膜形成能に悪影響を及ぼすようになる。
そして、下塗り塗膜は、エラストマー又は保水性/吸水性ポリマーと糊化可能澱粉類との前者/後者(質量比)=約5/95〜95/5(望ましくは約20/80〜80/20、さらに望ましくは約40/60〜60/40)の混合物を塗膜主成分とする。
ここで、エラストマーとしては、天然ゴム(NR)や、SBR、IIR等の合成ゴム、更には、各種、熱可塑性エラストマー(オレフィン系、スチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系)を使用可能である。
また、保水性/吸水性ポリマーも特に限定されず、ポリアセタール等も使用可能であるが、ポリアクリルアミド(PAAM)又はポリビニルアルコール(PVAL)を好適に使用できる。
ここで、糊化可能澱粉類とは、低粘度化されかつ高置換度でなく糊化可能なものをいい、それらの糊液も含むものとする。
そして、必要により、少なくとも上塗り塗膜には、吸湿性鉱酸塩を、糊化可能澱粉100部に対して約0.01〜10部(望ましくは約0.05〜5部)を含有させる。特に、板紙の様に、比較的厚い紙の場合は、折り曲げ加工などの操作が行われることから、紙表面だけのフィルム形成では十分な耐油性は期待できない場合には、紙層内部への澱粉(糊液)の浸透と、紙層内部での糊のフィルム形成が大きく影響してくるため、効果的である。
ここで、吸湿性鉱酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等を好適に使用できる。当然、下塗り塗膜にも含有させてもよい。
また、必要により、少なくとも上塗り塗膜には、無機充填剤を、糊化可能澱粉100部に対して約5〜50部(望ましくは約10〜30部)を含有させる。特に、塗布紙(耐油処理紙)に印刷を施す場合に、澱粉又は化工澱粉だけの表面塗布の場合、印刷インキ(オフセット・グラビア・フレキソインキなど)のセット性が、澱粉の塗布量を増加させるに連れて劣る様になることが防止でき、効果的である。
ここで、無機充填剤の平均粒子径は、約5μm以下とすることが望ましい。約5μmを超えると塗布表面の平滑性が落ちることから好ましくは無い。
また、無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、酸化チタンなどの水不溶性の無機化合物又は金属酸化物が挙げられる。これらのうちで、インキなどのセット性を向上させる面とコストの面から、炭酸カルシウム、カオリン、タルクが好適に用いられる。当然、これらは、1種又は2種以上の混合して使用することも可能である。
上記耐油処理が行われた耐油紙の用途としては、食品包装に使用される紙、袋、箱、カップ、ペットフードの袋など、湿潤状態或いは乾燥状態に関わらず、油を含む食品の容器包装に、更には、非食品接触用途で製品化の際に油を使用する用途に使用される紙など、あらゆる分野での使用が可能である。
次に、上記構成の耐油処理紙の製造方法について説明をする。
上記要件を満たすように、それぞれ、下塗り塗料及び上塗り塗料の糊液を調製する。このとき、下塗り塗膜においてエラストマーを混合する場合には、エラストマーの微粒分散系の形態で供給する。ここで、下塗り塗料において、エラストマーを使用する場合は、通常、エラストマー微粒子(分散質)が水系や有機溶剤の分散媒中に分散させたエマルション(ラテックス)やサスペンション分散系の形で糊液と混合する。これらのうちで、SBRラテックスのようなゴムラテックスが好適に使用できる。ゴムラテックッスは柔軟性・耐水性付与と伸びの点で優れているためである。
そして、下塗り塗膜(アンダーコート)及び上塗り塗膜(トップコート)の塗布に関しては、特殊な設備を必要とするものでは無く、一般に製紙工程で使用される2ロールサイズプレス・ゲートロールサイズプレス・ブレードコーター・エアーナイフコーターなどの表面処理装置が使用可能である。
以下に、本発明に関わる実施例と比較例を記載したが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではないことは明らかである。
使用した各化工澱粉はそれぞれ下記のものである。
酸化澱粉・・・「SK−20」日本コーンスターチ社製;原料:コーンスターチ
酢酸澱粉・・・「AC30」日本コーンスターチ社製;原料:タピオカ澱粉、DS:0.03
片エステル化澱粉・・・コーンスターチ(アミロース含量35%)を水スラリー中で硫酸により低粘度化させ、これにオクテニルコハク酸無水物を対澱粉3部添加反応させて調製したもの。
ふっ素系耐油剤・・・「アサヒガード」旭硝子株式会社製、
SBRラテックス・・・「L1662」旭化成社製
PVAL・・・「N−300」日本合成化学社製
PAAM・・・「ハマコートP−3800」ミサワセラミックス社製
なお、各下塗り・上塗り塗料(糊液)は、何れも各澱粉の15%糊液を用いた。各種澱粉糊液は、10〜15%の濃度の澱粉スラリーをガラス容器に移した後、スチームバスにより攪拌しながら加熱して調製した。
表1に示す処方に従って調製した各実施例・比較例の下塗り・上塗り塗料を洋紙(50g/m2)又は板紙(200g/m2)に、設定塗布量(下塗り:2〜3g/m2、上塗り:4〜5g/m2g)をコーティンロッドNo.6(TAPPI)を使用して塗布し、60℃で風乾後、105℃で1分間キュアリングして試料耐油紙を調製した。なお、下塗り・上塗り塗膜の塗布量は、表2、3に示す結果となった。なお、塗布量の測定は、糊液の塗布前後の紙の重量を測定し、1m2当たりに換算して算出した。
そして、各実施例・比較例の乾燥(キュア)直後及び24時間調湿後(23℃、65%RH)の各耐油処理紙について、表2、3に示す各項目の耐油度を測定した。
表2、3において、「10秒コブ」とは、ガーレコブサイズテスターで測定したものであり、「折り目」とは、耐油剤を塗布した後の紙を、塗布面を内側にして折り曲げた場合の折目部分の耐油度である。
「高温加湿」とは、耐油剤を塗布した紙を80℃・95%RHの湿度下に24時間放置した後、取り出して測定した耐油度であり、「高温保持」とは、耐油剤を塗布した紙を80℃の乾燥機の中に30分間入れ乾燥状態にした後に測定した耐油度である。
なお、耐油度の測定は、キット耐油度TAPPI・RC−338(3Mキット(JIS))法に準じて行い、また、湿潤耐油度については、ガーレコブサイズテスターを用い、水との接触時間10秒間経過後乾燥した吸取紙にのせ、吸水していない水を除去後、直ちにキット耐油度を測定した(吸水度Cobb法(JIS)を採用した。)。
試験結果は表示のとおりであり、本発明に関わる実施例1−8の耐油処理紙は、比較例1−2の従来技術に対しては明らかに優位なものであり、また、比較例3の従来汎用的に使用されてきた耐油剤を塗布した紙の耐油度に匹敵する効果を示している。
なお、参考までに、板紙の耐油性の目安は、キット耐油度で6級以上、また洗剤、包装用としては9級以上である。
さらに本発明者等は、エーテル化澱粉には劣るが酸化澱粉、酸処理澱粉でも効果を奏することを確認している。
Figure 0004311998
Figure 0004311998
Figure 0004311998
本発明の耐油処理紙のモデル断面図である。
符号の説明
12 耐油処理紙
14 耐油処理層
16 下塗り塗膜
18 上塗り塗膜

Claims (13)

  1. 紙基材の片面又は両面に耐油処理層を備え、
    該耐油処理層は、それぞれ糊液塗布による下塗り塗膜(アンダーコート)と上塗り塗膜(トップコート)とを備え、
    該上塗り塗膜は、酸化澱粉又は酸処理澱粉から選択される分解澱粉又は該分解澱粉の糊化可能な水酸基水素置換体が塗膜主成分であり、
    前記下塗り塗膜は、エラストマー水系コロイドと糊化可能澱粉類との前者/後者(固形分質量比)=/95〜95/5の混合物が塗膜主成分であることを特徴とする耐油処理紙。
  2. 前記エラストマー水系コロイドがゴムラテックスであることを特徴とする請求項1記載の耐油処理紙。
  3. 前記ゴムラテックスがSBRラテックスであることを特徴とする請求項2記載の耐油処理紙。
  4. 前記水酸基水素置換体がエステル化澱粉(アシル残基置換体)又はエーテル化澱粉であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の耐油処理紙。
  5. 前記エステル化澱粉が、炭素数2〜16の飽和・不飽和脂肪酸又は芳香族カルボン酸のアシル残基置換体であり、かつ、水酸基置換度(DS)が0.001〜1.8であることを特徴とする請求項4記載の耐油処理紙。
  6. 前記エステル化澱粉が、コハク酸、マレイン酸又はそれらの炭素数1〜26のアルキル・アルケニル変性基を有する誘導体のモノアシル残基置換体(片エステル基導入体)であり、かつ、水酸基置換度(DS)が0.001〜0.5であることを特徴とする請求項4記載の耐油処理紙。
  7. 前記エーテル化澱粉が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は総炭素数1〜8である一価・二価アルキルアルコールのモノ・ジグリシジルエーテルのヒドロキシアルキル化物であり、かつ、分子置換度(MS)が0.01〜0.5であることを特徴とする請求項4記載の耐油処理紙。
  8. 少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムの群から選択される吸湿性鉱酸塩が浸透性改善剤として含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐油処理紙。
  9. 少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムの群から選択される吸湿性鉱酸塩が前記糊化可能澱粉類100質量部に対して0.01〜10質量部を含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐油処理紙。
  10. 少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、カオリン及び酸化チタンの群から選択される無機充填剤が印刷セット性改善剤として含有されていることを特徴とする請求項8記載の耐油処理紙。
  11. 少なくとも前記上塗り塗膜に、更に、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、カオリン及び酸化チタンの群から選択される無機充填剤が前記糊化可能澱粉類100質量部に対して〜50質量部を含有されていることを特徴とする請求項9記載の耐油処理紙。
  12. 前記紙基材が坪量400g/m2以下であり、前記下塗り塗膜及び上塗り塗膜における塗膜形成成分量が、0.1〜20g/mであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の耐油処理紙。
  13. 請求項12に記載の耐油処理紙の製造方法であって、
    前記エラストマー水系コロイドと糊化可能澱粉類との前者/後者(質量比)=5/95〜95/5の混合物の糊液に必要により副資材が添加された下塗り塗料を前記基材紙に塗布して下塗り塗膜を形成後、
    該下塗り塗膜上に前記糊化可能澱粉の糊液に必要により副資材が添加された上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成し、
    更に、乾燥させることを特徴とする耐油処理紙の製造方法。
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