JP4309318B2 - インク受理層形成用組成物および被印刷基材 - Google Patents

インク受理層形成用組成物および被印刷基材 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット方式により文字情報や画像情報の印字が可能なインク受理層を形成する組成物に関する。また、本発明は、インク受理層形成用組成物を用いて形成されたインク受理層を有する被印刷基材に関する。
近年、レーザーによる情報の書き込みや読み取りが可能なCD方式やDVD方式の光記録媒体が広く普及し始めている。少量多品種の光記録媒体を扱う業者には、インクジェット方式により、光記録媒体の記録内容を表す画像や文字を印刷できることが求められている。さらに、光記録媒体の使用が一般ユーザーに広がることに伴い、この様な記録媒体への印刷が可能なプリンターが発売され、ディスクのレーベル面(光学的書き込み/読み取りを行う面とは反対側の面)のデザインを目的として、記録内容を表す文字だけでなく、写真のような高品位の画像を印刷したいという要望が高まってきている。
このような背景から、インクジェットプリンターで印刷可能なレーベル面を有している光記録媒体も数多く販売されるようになってきている。インクジェット方式で用いられるインクは、通常水性のインクが使用される。そのため、レーベル面の表面には吸水性を有するインク受理層が形成されている。このインク受理層を形成する組成物は、生産性の観点から紫外線等の放射線硬化性の組成物が多く用いられる。
インク受理層には、インクの速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性が求められる。このようなコーティング用組成物として、親水性のインク受理層表面に凹凸構造を設けることによってインク吸収を促進するとともに解像度を向上するコーティング組成物が特許文献1に挙げられる。
また、親水性樹脂に無機フィラーや有機フィラーを添加することによって、速乾性、画像の鮮明性を向上するコーティング用組成物も提案されている。無機フィラーとして、多孔質体のスメクタイトを含むコーティング組成物が特許文献2に挙げられる。
さらに、無機フィラーとして、多孔質体のアルミナを含むコーティング組成物が特許文献3に挙げられる。
有機フィラーとしては、吸水性の樹脂粒子を含むコーティング組成物が特許文献4に挙げられる。
また、有機フィラーとして、天然素材を用いるコーティング組成物が特許文献5に挙げられる。
また、インク受理層の耐水性を向上させるために有機カチオンを含むコーティング組成物も多く提案されている。インクジェット方式においてインクに用いられる染料は、酸性染料が一般的に用いられる。このため、有機カチオンをインク受理層に添加することによって、反対の電荷を持つ染料分子を固着させようとする試みである。具体的な例として、特許文献6が挙げられる。
特開平6−60432号公報 特開平7−272441号公報 特開11−213445号公報 特開平7−169100号公報 特開平10−259340号公報 特開平2001−311022号公報
しかしながら、上記従来の無機フィラーや有機フィラーを添加したインク受理層では、速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性の特性の両立が困難なことがある。また、多孔質の無機フィラーを樹脂中に混合する場合には、フィラー細孔内に樹脂が浸入してしまい、十分な吸水性が得られず、乾燥性が悪くなるばかりでなく、毛細管現象により、滲みが発生しやすくなることもある。また、吸水性の高い有機フィラーを用いるとインク吸収性は良くなるが、一方、乾燥性および耐水性が劣る結果になりやすい。そのため、速乾性、画像の鮮明性および耐水性のさらなる向上が図られたインク受理層が望まれている。
本発明の目的は、速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性に優れたインク受理層を形成することができるインク受理層形成用組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上述のインク受理層形成用組成物を用いて形成されたインク受理層を有する被印刷基材を提供することにある。
本発明のインク受理層形成用組成物は、(A)単官能モノマーを含むモノマー成分と、(B)卵白成分を含むフィラーと、を含む。
本発明のインク受理層形成用組成物は、さらに、下記の態様をとることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、前記(A)成分は、さらに、2官能以上のモノマーを含むことができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、前記(B)成分は、乾燥卵白粒子であることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、前記(B)成分は、無機粒子または有機粒子の表面を卵白成分で覆ったものであることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、前記(B)成分の平均粒径は、0.01〜30μmであることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分100重量部に対して、5〜200重量部であることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物は、さらに、重合開始剤を含み、該重合開始剤の含有量は、前記(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることができる。
本発明の被印刷基材は、支持基材と、
該支持基材の上に設けられ、本発明のインク受理層形成用組成物を用いて形成されたインク受理層と、を有する。
本発明の被印刷基材において、前記支持基材は、光学的書き込み/読み取りを行う光記録媒体であることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物は、インクジェット方式により印刷が行われるインク受理層の形成に好適に用いることができるものである。本発明のインク受理層形成用組成物には、(B)成分として卵白成分を含むフィラーが含まれている。卵白成分は、水溶性のタンパク質であるために、吸水性があり、また、その分子内にアミノ基を有するためにインクの固着性を高めることができる。そのため、本発明のインク受理層形成用組成物によれば、速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性に優れたインク受理層を形成することができる。
以下に、本発明の実施の形態の一例について説明する。
本発明のインク受理層形成用組成物は、(A)単官能モノマーを含むモノマー成分と、(B)卵白成分を含むフィラーと、を含む。
まず、(A)成分について説明する。
(A)成分に含まれる単官能モノマーとしては、たとえば、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メトキシ−ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどモノマーを挙げることができる。また、これらのモノマーの混合物を使用することもできる。
さらに、常温で固体のモノマーとして、N−ビニルアセトアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、さらに第4級アンモニウム塩を側鎖に有するモノマーとしてトリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−ヒドロキシ−3−(アクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライドを挙げることができる。これら固体のモノマーを上記液状モノマーに溶解して用いることもできる。
本発明の(A)成分は、さらに、2官能以上の多官能モノマーを含んでいることができる。
多官能モノマーとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリヒドロキシエチルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、これらの化合物のエチレンオキシド変性物あるいはプロピレンオキシド変性物、さらには(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、各種ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。また、これらのモノマーの混合物を使用することもできる。
多官能モノマーは、架橋剤としてはたらき、塗膜硬度、塗膜の吸水性および耐水性の制御のために用いられる。(A)成分において、単官能モノマーと多官能モノマーとを共に用いる場合には、単官能モノマーが70〜99重量%であり、2官能以上の多官能モノマーが1〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、単官能モノマーが80〜98重量%であり、多官能モノマーが2〜20重量%である。
多官能モノマーが1重量%未満である場合には、組成物の硬化性や塗膜強度に問題が生じやすく、また、十分な耐水性が得られにくいことがある。一方、30重量%を超えると、得られるインク受理層の吸水性が低下することにより印字性が低下することがある。また、硬化収縮による基板のそりや密着性の低下が見られることがある。
(A)成分は、支持基材に塗布することを考慮すると、液状であることが好ましい。このとき、それ自体が液状であるモノマーや、液状であるモノマーに固体状のモノマーを溶解したものを挙げることができる。また、硬化方法として、熱硬化を用いる場合には、固体状のモノマーを公知の有機溶剤に溶かしたものをモノマー成分としてもよい。
次に(B)卵白成分を含むフィラーについて説明する。
本発明において、卵白成分とは、卵白液をその水分が20%以下となるまで乾燥したものをいう。原料である卵白液は、殻付卵を割卵して卵黄を除いたもの、凍結卵白を解凍したもの、酵素処理をして加水分解したもの、脱塩処理したもの、リゾチーム等卵白中のある成分を除いたもの、卵白蛋白に脂肪酸や糖類等で化学修飾したもの、酵素、酵母、細菌等により脱糖処理したものなどを用いることができる。なお、ここでいう卵白成分は、卵白成分以外の他の混入物、たとえば、卵黄成分など、が若干含まれている場合も含む。
(B)成分としては、卵白成分そのものである乾燥卵白粒子および他のフィラーの表面を卵白成分で覆った粒子を用いることができる。
乾燥卵白粒子は、市販されている乾燥卵白粒子が用いられる。乾燥卵白粒子は、卵白液を乾燥することで得られ、卵白液の乾燥方法としては、公知の方法が用いられ、たとえば、噴霧乾燥、凍結乾燥、浅盤乾燥などの常法が挙げられる。また、乾燥した後、必要に応じて、乾燥物を粉砕してもよい。乾燥卵白粒子は、乾燥した後に殺菌等の目的のために熱蔵したものを用いてもよい。また、殻付卵を割卵して卵黄を除いたもの、凍結卵白を解凍したものをアルコールやアセトン等の水溶性有機溶剤へ再沈殿させて回収した卵白成分を用いることもできる。
他のフィラーの表面を卵白成分で覆った粒子としては、他の有機フィラーまたは無機フィラー表面を卵白成分でコーティングした粒子を用いることができる。このように他の有機フィラーまたは無機フィラーの表面を卵白成分でコーティングする場合の利点として、次のことを挙げることができる。上述の乾燥卵白粒子を用いる場合において、その平均粒径は所望の範囲にあることが好ましい(後述の説明を参照)。しかし、乾燥卵白粒子の一般的な製造方法において、平均粒径の制御を精度高く行う場合には、コストや時間を費やす必要がある場合がある。このような場合に、他の有機フィラーまたは無機フィラーの表面を卵白成分で覆うと、平均粒径の制御がより効率良く行われたフィラーを得ることができる。また、その表面が卵白成分で覆われていることにより、染料の固着性をも確保することもできるのである。
他のフィラー表面へのコーティングは、他のフィラーと、殻付卵を割卵して卵黄を除いたもの、凍結卵白を解凍したもの、または上記乾燥卵白粒子を水に再溶解したものとを混合して乾燥することによって簡便に行うことができる。
このように、卵白成分によりその表面がコーティングされるものとしては、セルロースやシルクプロティンなどの有機フィラーや、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、合成マイカなどの無機フィラーを挙げることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、(B)成分の平均粒径は、0.01〜30μmであることが好ましい。より好ましくは、(B)成分の平均粒径は、0.05〜20μmである。平均粒径が0.01μmであると、吸水性が低下しやすく、乾燥性や画像鮮明性が低下することがある。一方、30μmを越えると塗膜平滑性が悪くなり、外観が悪くなるとともにやはり画像鮮明性が低下することがある。
ここで、平均粒径とは、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めて算出された粒径のことである。この方法により平均粒径を測定する装置としては、たとえば、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000A(島津製作所製)を挙げることができる。
本発明のインク受理層形成用組成物において、(B)成分は、(A)成分100重量部に対して、5〜200重量部添加されていることが好ましい。より好ましい(B)成分の添加量は、10〜150重量部である。さらに好ましくは、20〜100重量部である。(B)成分の添加量が5重量部より少ない場合は、画像鮮明性および耐水性が不十分となりやすい。一方、200重量部を越える場合には、乾燥性が低下する傾向がある。さらに、塗工性が低下する場合がある。
本発明のインク受理層形成用組成物は、上述の単官能および多官能のモノマー混合物と、卵白成分を含むフィラーと、を混ぜあわせることにより得られる。
さらに、本発明のインク受理層形成用組成物は必要に応じて重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、モノマー以外の樹脂などを含有してもよい。また、白色顔料として酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、合成マイカ等の微粒子を本発明の目的を損なわない程度に含有してもよい。
本発明のインク受理層形成用組成物には、さらに、紫外線や可視光線などの放射線の照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が含まれていることができる。これらの光重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の光重合開始剤を用いることができる。光開始重合剤としては、たとえば、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンソイン、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、o−ヘンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェン、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトン等が挙げられる。なお、光重合開始剤として、複数の化合物を併用してもよい。光重合開始剤の含有量は、(A)成分の100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部程度とすれば良い。光重合開始剤の含有量が(A)成分の100重量部に対して、0.01重量部より少ない場合には、硬化が不十分となり、塗膜のべたつきや、印刷時にインクの滲みが生じて画質が低下してしまうことがある。また、10重量部を超える場合には、塗膜の黄変や着色が見られることがある。
塗膜に照射する紫外線源としては、メタルハライドランプ、水銀ランプなどの通常のものを用いればよい。
本発明によれば、速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性に優れたインク受理層を形成することができるインク受理層形成用組成物を提供することができる。本発明のインク受理層形成用組成物に含まれる(B)成分は、卵白成分を含む。卵白成分は、水溶性のタンパク質であるため、水性インクの吸収性に優れたフィラーとして用いることができる。さらには、タンパク質はその分子内にアミノ基などの官能基を多く有する。これらは、酸性染料に対して結合性ないしは親和性を持つため染料固着性を有する。このように、(B)成分が適度な吸水性と染料固着性を有するため、速乾性、画像の鮮明性、耐水性等の画像保存性に優れたインク受理層を形成できるインク受理層形成用組成物を提供することができるのである。
本発明の被印刷基材は、支持基材と、支持基材の上に設けられたインク受理層とからなる。インク受理層は、上述のインク受理層形成用組成物を用いて形成された層である。
支持基材としては、たとえば、紙や、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などのプラスチック基材などを挙げることができる。
インク受理層の形成は、インク受理層形成用組成物をスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷など一般にいずれの印刷法やスピンコート、ディップコート、バーコート、ロールコート等のコート法によって支持基材に塗布した後、放射線の照射によって硬化することにより行われる。硬化を行うための放射線としては電子線、紫外線、可視光線などを使用することができる。このようにして形成されたインク受理層の膜厚は、5〜100μm、さらに好ましくは10〜30μm程度にすることが望ましい。
本発明の被印刷基材は、インクジェット方式に好適なインク受理層を有するものである。上述したように、このインク受理層は、速乾性、画像鮮明性などの画像特性に優れるため、本発明によれば、画像特性に優れた印刷が可能となる被印刷基材を提供することができる。特に、支持基材が光記録媒体である場合、一般ユーザーがディスクのレーベル面のデザインを目的として、記録内容を表す文字や写真のような高品位の画像を印刷したいという要請に応じた光記録媒体を提供することができる。被印刷基材が光記録媒体である場合には、光記録媒体は、ポリカーボネート樹脂等の透明な各種熱可塑性樹脂から形成されるディスク状基板上に、色素を主成分とする塗布型の記録層、反射層および保護膜をこの順で有し、保護膜上に本発明のコーティング用組成物の放射線硬化物からなるインク受理層を設けるという構成になる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1
参考例1では、乾燥卵白粒子を(B)成分として用いた。乾燥卵白粒子は、キユーピー株式会社製の乾燥卵白Kタイプを、ジェットミルにより粉砕したものを用いた。得られた乾燥卵白粒子の平均粒径は、7μmであった。なお、平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000A(島津製作所製)で行った(参考例2、3および実施例1も同様)。
この(B)成分と、下記の表1に示す割合で各化合物とを混合して攪拌機にて撹拌することで、参考例1にかかるインク受理層形成用組成物が得られた。
ついで、125μmの厚みの二軸延伸ポリエステルフィルムの上に、インク受理層形成用組成物を用いてバーコーティング法により塗布層を形成した。その後、直ちにメタルハライドランプを用いて紫外線を照射し、硬化させ、膜厚が21μmのインク受理層を形成した。
(参考例2
参考例2では、(B)成分として、参考例1で使用したのと同様の乾燥卵白粒子およびルミナス(炭酸カルシウム:丸尾カルシウム株式会社製)を用いた。
下記の表1に示す化合物を混合して、撹拌機にて撹拌することで、参考例2にかかるインク受理層形成用組成物が得られた。
ついで、このインク受理層形成用組成物を用いて、参考例1と同様にしてインク受理層を形成した。得られたインク受理層の膜厚は、20μmであった。
(参考例3
参考例3では、(B)成分として、疎水化処理が施された卵白成分からなるフィラーを用いた。まず、参考例1で用いた乾燥卵白25gを水225mlに溶解した。次に、これをアセトン1000mlに滴下した。これにより、生じた沈殿物を濾過することで回収した。その後、40℃で乾燥させた。得られた粒子(以下、「再沈殿卵白粒子」という)の平均粒径は、0.6μmであった。得られた(B)成分と、下記の表1に示す各化合物を混合して、攪拌機にて撹拌することで、参考例3にかかるインク受理層形成用組成物が得られた。
ついで、このインク受理層形成用組成物を用いて、参考例1と同様にして、インク受理層を形成した。得られたインク受理層の膜厚は、18μmであった。
実施例1)
実施例では、無機フィラーであるシリカゲルを卵白成分でコーティングしたものを(B)成分として用いた。(B)成分は、次のようにして調整した。まず、乾燥卵白25gを水225mlに溶解した。次に、サイリシア350(シリカ:富士シリシア化学株式会社製)25gを加えて撹拌した。その後、濾過することで水を留去し、回収された濾物を40℃で加熱乾燥することにより卵白成分でその表面をコーティングされたサイリシア350(以下、「卵白コーティング粒子」という)を得た。得られた粒子の平均粒径は、2.4μmであった。得られた(B)成分と、下記の表1に示す各化合物とを混合して、撹拌機にて撹拌することで、実施例にかかるインク受理層形成用組成物が得られた。
ついで、インク受理層形成用組成物を用いて、参考例1と同様にして、インク受理層を形成した。得られたインク受理層の膜厚は、20μmであった。
[比較例1〜3]
比較例1〜3では、下記の表1に示す重量割合で各化合物を配合し、これを攪拌機にて攪拌し、比較例1〜3にかかるインク受理層形成用組成物を得た。
ついで、比較例1〜3にかかるインク受理層形成用組成物を用いて、参考例1と同様にして、それぞれインク受理層を形成した。得られたインク受理層の膜厚は、比較例1が20μm、比較例2が22μm、比較例3が20μmであった。
(評価)
上述の実施例1、参考例1〜3および比較例1〜3により得られたインク受理層の上にインクジェットプリンターPM−G700(セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷を施し、下記の評価方法に従ってインク乾燥性、画像鮮明性、耐水性を評価した。その結果を表1に示す。
インク乾燥性;インクジェットプリンターでの印刷面に紙を押し当て、インクが紙に転写しなくなるまでの時間を測定し、下記の基準に従って判定した。
○:乾燥時間が30秒以内。
△:乾燥時間が30秒から2分。
×:乾燥時間が2分以上。
画像鮮明性;画像印刷面を目視および光学顕微鏡(倍率:100倍)を使って観察し、下記の基準に従って判定した。
○:画像に滲みがなく、鮮明である。
△:画像に若干の滲みが認められる。
×:画像がひどく滲む、またはインクをはじく。
耐水性(経時に伴う画質の劣化に対する耐性);60℃、90%で24時間保存した後、画像の変化を目視および光学顕微鏡(倍率:100倍)を使って観察し、下記の基準に従って判定した。
○:高温高湿保存前後での変化が小さく、画像鮮明度を維持している。
△:画像に色調変化、滲みが見られる。
×:インクが流れ、画像に著しい滲みが見られる。
Figure 0004309318
表1に示す結果から明らかなように、実施例のインキは乾燥性、耐水性、印字品質に優れるインク受理層を形成することができる。
以上述べたように、本発明のインク受理層形成用組成物によれば、被印刷基材の表面に、インク乾燥性、画像の鮮明性および耐水性に優れたインク受理層形成することができる。

Claims (10)

  1. (A)単官能モノマーを含むモノマー成分と、
    (B)卵白成分を含むフィラーと、
    を含
    前記(B)成分は、無機粒子または有機粒子の表面を卵白成分で覆ったものである、インク受理層形成用組成物。
  2. 請求項1において、
    前記(A)成分は、さらに、2官能以上のモノマーを含む、インク受理層形成用組成物。
  3. 請求項1または2において、
    前記(B)成分の平均粒径は、0.01〜30μmである、インク受理層形成用組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分の100重量部に対して、5〜200重量部である、インク受理層形成用組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    さらに、重合開始剤を含み、該重合開始剤の含有量は、前記(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部である、インク受理層形成用組成物。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    放射線により硬化される、インク受理形成用組成物。
  7. 支持基材と、
    前記支持基材の上に設けられ、請求項1ないしのいずれかに記載のインク受理層形成用組成物を用いて形成されたインク受理層と、を有する、被印刷基材。
  8. 請求項において、
    前記インク受理層は、前記支持材の上に塗膜を形成し、該塗膜を放射線により硬化させたものである、被印刷基材。
  9. 請求項またはにおいて、
    インクジェット方式により印刷が行われる、被印刷基材。
  10. 請求項ないし9のいずれかにおいて、
    前記支持基材は、書き込みおよび読み取りの少なくともいずれか一方が光学的に行われる光記録媒体である、被印刷基材。
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