JP4050428B2 - 放射線硬化型インキ及びこれを用いた印刷物 - Google Patents

放射線硬化型インキ及びこれを用いた印刷物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線硬化型インキ及びこれを用いた印刷物及び該印刷物上に、さらに1種以上の二次非製版印刷を施して成る二次印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙やフィルム、板などの基材にインクジェット印刷、電子写真、感熱転写などの非製版印刷(活版、スクリーン、グラビア、オフセットなどの製版を用いる印刷ではない印刷)を施す場合、紙金属板、プラスチック、ゴム、セラミックス、布、皮、ガラスなどの基材に予め受理層を印刷又はコートしておくことが行われている。
【0003】
特に基材が合成樹脂である場合、受理層を設ける必要性が高い。前記受理層上に印刷することをここでは二次印刷又は二次的印刷と言う。
【0004】
非製版印刷であるインクジェットプリンタまたは感熱複写紙、電子写真用のインキなどに用いられるポリビニール系のインキが種々知られている。
【0005】
脂肪酸ビニル重合体の部分けん化物をインキ組成物の主要成分とする発明としては、特開平8−102087号公報記載の発明、特開平5−50749号公報記載の発明、特開平9−3336号公報記載の発明がある。
【0006】
特開平8−102087号公報記載の発明は、レーザ光が入射する基板の裏面である保護層側の表面に親水性樹脂膜を設け水性の印刷用インキを定着させて印刷するに際して、親水性樹脂膜としてポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニールのけん化物を用い、また、当該親水性樹脂膜にはアクリル酸エステルなどの光重合性モノマーとシリカ、タルクなどの固体フィラ(顔料)を含む組成物を光開始剤を配合して紫外線硬化性樹脂とすることができると記載されている。
【0007】
しかし、前記発明のポリ酢酸ビニールのけん化物を用いる場合のけん化度がどの程度であるかの開示が無く、二次印刷性の向上効果についの開示は全く無い。
【0008】
また、特開平5−50749号公報記載の発明は感熱記録層上にオーバーコート層を設け、該オーバーコート層のキッド試験法の値を3以上とすることで、オーバーコート層上に電離放射線硬化性樹脂をパターン印刷すると、美麗さ及び他との識別性を高めた感熱記録体が得られると言うものである。
【0009】
前記発明のオーバーコート層として、完全ケン化又は部分ケン化ポリビニルアルコールまたはアセトアセチル化ポリビニルアルコールなどが用いられることが記載され、オーバーコート層の平滑度を出すためにタルク、アルミナ、酸化チタンなどの顔料が添加されること及びUVや電子線で硬化乾燥されることが開示されている。しかし、ポリビニルアルコール系のポリマーを溶解するモノマー成分は含まれていない。
【0010】
さらに、特開平9−3336号公報記載の発明は、インキ吸収能、インキ吸収速度、染料の染着性及び耐水性に優れ、とりわけ水系インキを用いたインクジェットカラープリンタの性能に適合したインキ受容層を形成できる硬化性組成物である「分子内にカチオン基を有する水溶性高分子化合物(P1)と、分子内に2以上のアクリロイル基を有する多官能親水性モノマーまたはオリゴマー(P3)とを含有する硬化性組成物」を用いて印字媒体及び印字物を提供すると言う発明である。
【0011】
また、前記硬化性組成物を基材に塗工し、紫外線を照射することでインキ受容層を形成させることができると記載されている。
【0012】
そして、水溶性高分子化合物(P1)として、例えば、80モル%以上のけん化度を有するポリビニルアルコールの水酸基をカチオン化して分子鎖中に2乃至15%のカチオン基を含有させたカチオン化ポリビニルアルコールを用いることが記載されている。
【0013】
しかし、前記組成物の「分子内に2以上のアクリロイル基を有する多官能親水性モノマーまたはオリゴマー(P3)」は、本発明の成分(b)の「液状重合性モノマー」に類似するが、この組成物の(P1)として用いられるものは「80モル%以上のけん化度を有するポリビニルアルコール」はけん化度が高すぎ、本発明者らの研究では、重合性モノマーに溶解しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前記公開公報記載のインキは脂肪酸ビニール重合体のけん化物のけん化度が明記されていなく、また明記されている特開平9−3336号公報記載のインキはけん化度83〜85モル%のポリビニルアルコールを成分として含むインキである。
【0015】
しかし、本発明者らの研究によると、けん化度50モル%を超える脂肪酸ビニル重合体は、重合性モノマーに溶解しないのでインキとはならない欠点がある。
【0016】
また、前記インキ受理層は二次非製版印刷に使用されるインキの基材への定着性(インキの硬化速度や基材との密着性)の向上、二次印刷の鮮明性の向上、二次印刷の耐擦傷性の向上、二次印刷の耐水性などの向上(以下これらの特性の向上を総称して、二次印刷性の向上という)に寄与するものでなければならない。
【0017】
したがって、二次非製版印刷に使用するインキや印刷方法に対応して受理層の材質も変化するのが一般的であるが、近時、同一受理層上に二種以上の二次非製版印刷を施すなどの要望も発生しているために、可及的に多種の二次的非製版印刷にも対応可能な受理層も要望されている。
【0018】
本発明の課題は、基材、特に合成樹脂基材にコート又は印刷されて一種又は多種の二次非製版印刷にも対応可能な二次印刷性に優れた受理層を形成し得る放射線硬化型インキ、及び該インキを用いた印刷物及び該印刷物上に、さらに1種以上の二次非製版印刷を施して成る二次印刷物を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、脂肪酸ビニル重合体の5モル%以上50モル%未満けん化物であってカチオン性官能基を有する部分けん化物、該重合体けん化物を溶解する液状重合性モノマー、及び固体フィラーを含んで成る放射線硬化型インキを提供する。
【0020】
前記脂肪酸ビニル重合体は、好ましくは、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルのいずれかの重合体あるいは共重合体である。
【0021】
また、例えば、カチオン性官能基としては、第四級アンモニウム塩である。カチオン性官能基を有する脂肪酸ビニル重合体の部分けん化物をインキ受理層に用いることで、インクジェットプリンタ用のアニオン性水性染料を含むインキが受理層に容易に固定される。
【0022】
また、本発明の放射線硬化型インキは、脂肪酸ビニル重合体の5モル%以上50モル%未満けん化物を含むことを必須とするものである。
【0023】
脂肪酸ビニル重合体が5モル%未満及び50モル%以上けん化物であると、これを印刷して形成した受理層上に二次的非製版印刷を行った場合、二次印刷の定着性、鮮明性、耐擦傷性、耐水性が劣ることがある。例えば、脂肪酸ビニル重合体が5モル%未満けん化物であると、受理層上にインクジェットプリンタで用いられる水性インキを印刷したときにインキのにじみがあり、また脂肪酸ビニル重合体が50モル%以上けん化物であると、重合性モノマーとの相溶性が悪くなりインキの安定性がなくなる。
【0024】
本発明において、脂肪酸ビニル重合体のけん化物を溶解する液状重合性モノマーとは、常温において前記けん化物を必要量溶解できる重合性のモノマーである。その例としては多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、N−アルキルアミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、N−アルキル(メタ)アクリル酸アミド、多価アルコールのビニルエーテルなどを挙げることができる。
【0025】
更に具体的な例としてはブタンジオールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどを挙げることができる。また、これらのモノマーの混合物を使用することもできる。
【0026】
本発明の放射線硬化型インキは、固体フィラーを含むものであるが、固体フィラーとしては、シリカ、タルク、クレー、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、雲母、合成雲母、珪藻土、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化チタン、粉末セルローズ、粉末プロテインなど一般に知られたフィラー類を例示することができる。これらのうちで、インキ受理性の向上、耐水性、白色度などの観点から特に好ましい例としては、シリカ、合成雲母、水酸化アルミニウム、アルミナ、粉末セルローズ、粉末プロテインを挙げることができる。これらのフィラーは、一般に体質顔料と称せられるものであるが、一般の着色顔料を含むものであってもよい。
【0027】
本発明で用いられる固体フィラーの平均粒径は好ましくは0.1〜30μmであり、さらに好ましくは0.2〜15μmである。
【0028】
本発明においてモノマーの重合を進行させるための放射線としては電子線、γ線、紫外線、可視光線などを使用することができる。放射線として紫外線、可視光線などを使用する場合は、一般に重合を開始するための光重合開始剤が併用される。従って本発明の他の構成に係る放射線硬化型インキは、光重合開始剤を更に含んで成るものである。
【0029】
光重合開始剤の例としては、光により発生したラジカルや他の活性種がモノマー中の重合性二重結合と反応して重合反応を誘起するものであれば特に制限はない。例としては、ベンゾインエチルエーテル、2−ヒドロキシー2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、ビスアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は1種或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
これらの光重合開始剤の使用量は特に制限されていないが、一般に1〜10重量%程度、好ましくは2〜5重量%程度使用される。
【0031】
さらに本発明のインキは必要に応じてレベリング剤、消泡剤、染料、顔料等を含有してもよい。
【0032】
本発明の放射線硬化型インキは、前記脂肪酸ビニル重合体けん化物、液状の重合性モノマー、及び固体フィラーを含んで成るものであるが、好ましくはこれらの量は、放射線硬化型インキ100重量部中に、前記脂肪酸ビニル重合体けん化物3〜15重量部、液状の重合性モノマー30〜70重量部、及び固体フィラー15〜50重量部である。更に好ましくは、前記脂肪酸ビニル重合体けん化物4〜10重量部、液状の重合性モノマー35〜60重量部、及び固体フィラー20〜40重量部である。
【0033】
脂肪酸ビニル重合体けん化物が15重量部を超えると本発明の放射線硬化型インキの粘度が著しく大きくなり、印刷に支障を生じることがあり、更に塗膜の耐水性が低下することがある。
【0034】
脂肪酸ビニル重合体けん化物が3重量部未満では本発明の放射線硬化型インキの粘度が小さく、スクリーン印刷などが困難となり、印刷膜厚も好ましい範囲に調整することが困難になる。また、このような過少量の脂肪酸ビニルけん化物を含む放射線硬化型インキで、受理層を形成しても、二次印刷性の向上は非常に小さなものとなることが多い。
【0035】
次に固体フィラーの量については目的に応じて放射線硬化型インキ100重量部中に15〜40重量部の範囲で使用されるが、フィラーの量が過少であれば二次印刷性の向上が不十分な場合があり、また過大であれば本発明の放射硬化性インキと合成樹脂基材との密着性に支障を生じる場合などもある。
【0036】
また、本発明の放射線硬化型インキは重合性オリゴマーを含むこともできる。重合性オリゴマーの例は、ポリウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ポリエーテルジアクリレートなどである。また、その添加量は放射線硬化型インキ100重量部中に3〜10重量部程度で添加することが好ましい。
【0037】
また、本発明の放射線硬化型インキには、第四級アンモニウム塩又はカチオン樹脂を更に含ませることができる。
【0038】
第四級アンモニウム塩又はカチオン樹脂を本発明の放射線硬化型インキ中に含ませることにより、インクジェットプリンタ用のインキを印刷すると前記本発明のインキから得られる受理層に良好に固着する。これは、インクジェットプリンタ用のインキがアニオン性染料を含んでいるので、インキ受理層側に塩基性(カチオン性)の成分を含ませておくことで、印刷が鮮明になるためである。
【0039】
第四級アンモニウム塩又はカチオン樹脂の例としては、ドデシル第四級アンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩を含む(メタ)アクリレート(共)重合体、ジエチルアミンとエピクロルヒドリン付加重合体、ジシアンジアミド系カチオン樹脂などを挙げることができる。また、その添加量は放射線硬化型インキ100重量部中に3〜10重量部程度で添加することが好ましい。
【0040】
本発明のインキはグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷など一般にいずれの印刷法によっても印刷できるが、印刷層に十分な受理性能を与えるためには、印刷層の厚みを好ましくは5〜100μm、更に好ましくは10〜40μm程度にすることが望ましい。
【0041】
従って、印刷層の厚みを上記範囲に調整しやすいスクリーン印刷が最も好ましい例である。また本発明のインキはコート法によってコーティングして使用することもできる。
【0042】
いずれにしても本発明のインキは印刷やコートの後に、電子線やγ線のような放射線や光重合開始剤に作用する光を照射することによって短時間で硬化でき、これによって受理性印刷層が与えられる。
【0043】
このようにして得られた印刷層は受理性に富み、好ましい受理層を提供するものである。しかもこの受理層は紙のみならず、プラスチックフィルム、プラスチック板、金属板などの基材の上にも容易に形成できる。
【0044】
本発明のインキによって形成される受理層は、基材の二次印刷性の向上に寄与するものであり、更に付記すれば、前記受理層は水性インキを使用するインクジェット印刷のような二次非製版印刷に対する二次印刷性を向上すると共に、前記インクジェット印刷以外の二次非製版印刷に対しても二次印刷性を向上するものである。
【0045】
つまり、この受理層上にインクジェット印刷、電子写真、感熱転写などの方法で二次印刷を施すと、印刷されたインキは速やか且つ確実に受理層に受理されるので、これらの二次印刷におけるインキの定着性、印刷結果の鮮明性を確保し得る。
【0046】
特に、本発明のインキを使用して、光情報媒体であるコンパクトディスクなどの裏面に受理層を設ければ、インクジェット印刷、感熱転写などのいずれか一種又は全てを用い、若しくは任意の組み合わせで印刷を行うことができる。従って、そのコンパクトディスクの用途、特性などを記録する際に、種々の二次的非製版印刷方法で印刷を行うことができるので極めて利用価値が高い。
【0047】
また、コンパクトディスクに限らず、他の印刷対象に対しても本発明のインキを使用して受理層を形成することにより、複数種の二次非製版印刷を施すことができる。よって、複数種の二次非製版印刷を施した二次印刷物を得ることもできる。また、本発明のインキはインキ受理層のみならず、インキそのものとして被印刷層上に印刷することもできる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下説明する。
下記表1に示す重量割合で本発明の実施例と比較例の各種原料を配合し、これらを攪拌機を用いて分散させ、各種の光硬化型受理性インキを調整した。
【0049】
このようにして用意された紫外線硬化型受理性インキの密着性を向上するために、PET未処理面をコロナ放電などで処理した。PETフィルムに300メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷し、紫外線を照射し、硬化させて厚さ15μmの受理層を形成した。
【0050】
次に、インクジェットプリンター(EPSON PM−750C)を用いて受理層の上にインクジェット用インキ印刷を施し、インクジェット印刷性能を調べた。
【0051】
以下、本発明の実施例と比較例の詳細と得られた画像のにじみ、画像の耐水性、インキの安定性の評価方法を説明する。
1 インキの調整
表1に示す材料を配合し、これらを攪拌機を用いて分散させ、放射線硬化型受理インキを調整した。
2.1 印刷物の作成
調整した放射線硬化型受理インキを、処理PETフィルムに300メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷し、紫外線を照射し硬化させて、厚さ15μmの受理層を形成した。
2.2 紫外線照射条件
メタルハライドランプ80W 2灯、
ベルトスピード 10m/min
ランプ高さ 15cm
(積算光量 220mJ/cm2)
3 にじみの評価方法
1、2の方法で作成した印刷物に、前記インクジェット用インキを用いてインクジェットプリンターを用いて、受理層の上に印刷を施し、画像のにじみ具合を目視で評価した。
◎は、にじみが非常に少なく非常に良好な画像を形成するもの
○は、にじみが少なく良好な画像を形成するもの
△は、ややにじみのある画像を形成するもの
×は、にじみが多く画像が不良なもの
を示す。
4 画像の耐水性
1、2の条件で作成した印刷物に、インクジェットプリンターを用いて受理層の上に印刷を施した。このインクジェット印字部分に水を滴下し、一分間放置後水を拭き取る。この際、水に溶出した染料が拭き取られることによる退色具合を目視で評価した。
◎は、退色が非常に少なく非常に良好な耐水性を示すもの
○は、退色が少なく良好な耐水性を示すもの
△は、退色が認められ耐水性が劣るもの
×は、画像が流れてしまい全く耐水性の無いもの
を示す。
【0052】
5 画像の耐擦傷性
1、2の条件で作成した印刷物に、インクジェットプリンターを用いて受理層の上に印刷を施した。このインクジェット印字部分に、布を巻いたボール圧子(50g荷重)を往復させた。このときの画像の剥離具合を評価した。
○は、ボール圧子往復100回以上でも画像が剥離しないもの
△は、ボール圧子報復11回から99回で画像が剥離するもの
×は、ボール圧子往復10回以下で画像が剥離するもの
を示す。
6 インキの基材への密着性
1、2の条件で作成した印刷物にカッターで傷を付け、その上にセロハンテープを張り付けて剥離させ、その剥離具合を目視で評価した。
○は、テストにより塗膜が剥離しないもの
△は、若干の剥離が見られるもの
×は、塗膜が剥離してしまうもの
を示す。
7 インキの安定性
1の条件で調整したインキを、室温で一晩放置したときのインキの状態を観察した。
○は、成分の分離、沈降、ゲル化の認められないもの
△は、成分の分離、沈降、ゲル化が認められるもの
×は、攪拌により成分が分散せず、インキとして成り立たないもの
を示す。
画像のにじみ、画像の耐水性、インキの安定性について調べた結果を表2に示す。
なお、表2における評価は、◎は非常に良好を表し、○は良好を表し、△はやや不良を表し、そして×は不良を示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004050428
ポリ酢酸ビニル部分けん化物▲1▼ けん化度 38.0〜42.0
ポリ酢酸ビニル部分けん化物▲2▼ けん化度 33.0〜38.0
ポリ酢酸ビニル部分けん化物▲3▼ けん化度 72.5〜74.5
【0054】
【表2】
Figure 0004050428
また、この印刷物上に熱転写プリンターで印刷を施したところ、鮮明な画像を得ることができた。
【0055】
以上説明したとおり、本発明の放射線硬化型インキを用いて基材に予め受理層を印刷又はコートしておくことにより、基材にインクジェット印刷、電子写真、感熱転写などの二次非製版印刷を施した場合の、インキの基材への密着性、二次印刷の鮮明性耐擦傷性及び耐水性等の二次印刷性を向上させることができる。
【0056】
本発明のインキによって形成される受理層は、基材の二次印刷性の向上に寄与するものであり、水性インキを使用するインクジェット印刷のような二次非製版印刷に対する二次印刷性を向上させるのみ成らず、インクジェット印刷以外の二次非製版印刷に対しても二次印刷性を向上させる。よって、多種の二次的非製版印刷にも対応可能な受理層を形成して、同一受理層上に二種以上の二次非製版印刷を施すことが可能となる。
【0057】
また、合成樹脂基材上に本発明のインキによって受理層を形成することにより、印刷困難な合成樹脂基材を同一受理層上に二種以上の二次非製版印刷を施すことが可能なものにすることができる。また、合成樹脂基材がコンパクトディスクであれば、ユーザが二次非製版印刷の種類を適宜選択して、当該コンパクトディスクの用途、特性などを容易に記録することが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したとおり、本発明の放射線硬化型インキを用いて基材に予め受理層を印刷又はコートしておくことにより、基材にインクジェット印刷、電子写真、感熱転写などの二次非製版印刷を施した場合の、インキの基材への定着性、二次印刷の鮮明性、耐擦傷性及び耐水性等の二次印刷性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. 脂肪酸ビニル重合体の5モル%以上50モル%未満けん化物であってカチオン性官能基を有する部分けん化物、該重合体けん化物を溶解する液状重合性モノマー、及び固体フィラーを含んで成る放射線硬化型インキ。
  2. 第四級アンモニウム塩又はカチオン樹脂を更に含んで成る請求項1記載の放射線硬化型インキ。
  3. 光重合開始材を更に含んで成ることを特徴とする請求項1または2記載の放射線硬化型インキ。
  4. 合成樹脂基材上に、請求項1ないしのいずれかに記載された放射線硬化型インキによってコーティング又は印刷を施して得られた印刷物。
  5. 請求項記載の印刷物上に、さらに1種以上の二次非製版印刷を施して成る二次印刷物。
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