JP4308107B2 - ガスセンサ - Google Patents
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このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、従来、例えば燃料電池の酸素極側の排出系に水素検出器(ガスセンサ)を備え、この水素検出器によって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、水素検出器としては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素ガスの濃度を検出するガス接触燃焼式の水素検出器が知られている。
このため、上記従来技術の一例に係る燃料電池の保護装置においては、燃料電池から排出される高湿潤のオフガスによって、オフガスの流路内に配置された水素検出器等に結露が発生する場合があり、この場合には、水素検出器の劣化や破損等が生じる虞がある。特に、上述した固体高分子膜型燃料電池では、通常作動温度が水の蒸気化温度よりも低く、オフガスは多湿度で水分量が多いガスとなって排出されるため、オフガス中の水分が結露しやすいという問題がある。そして、前述のガス接触燃焼式の水素検出器を、特に燃料電池の酸素極側の排出系に備える場合等において、ガス検出素子に加湿水、反応生成水等が付着した状態で通電を行うと、素子表面に局所的な温度分布の不均一が発生し、素子破壊や感度低下が生じる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ガスセンサの破損、劣化、検出精度の低下を防止することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
さらに、ガス検出室の筒状部の内壁面上を被覆する除湿材は、ガス検出室内において相対的に熱伝導率が高い金属等により形成されることによって結露が発生しやすい筒状部の内壁面上において、結露の発生を抑制することができる。
制御装置2は、酸素極側の出口側配管9に取り付けられたガスセンサ1に接続され、例えば、ガスセンサ1から出力される検出信号と、記憶装置3に格納されている所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置4によって警報等を出力する。ここで、記憶装置3は、燃料電池5の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力等に応じた、ガスセンサ1の検出値に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶している。
燃料極に入口側配管6から供給された水素などの燃料ガスにより、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管7を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管8、9から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
また、例えば図3に示すように、ケース21の厚さ方向の端面には筒状部26が形成され、筒状部26の内部はガス検出室27として形成され、ガス検出室27の内部側面には、内側に向かってフランジ部28が形成され、フランジ部28の内周部分がガス導入部29として開口形成されている。
温度補償素子32は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子31と同等のコイル32aの表面がアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子31の触媒31bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子31と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子31よりも低温の温度補償素子32との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
また、ガス検出室27にはガス検出室27内の温度および湿度等を検出するセンサ37が取り付けられている。
各除湿材38a,38bは、例えばシリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、吸水ポリマー等のように雰囲気ガスの湿度状態に応じて物理的に水を吸着する吸着材からなり、水を吸着した除湿材38a,38bはヒータ36等により加熱されることで吸着した水を脱着して除湿材38a,38bの雰囲気ガス中に蒸発させることが可能であり、吸着および脱着の可逆性を有する吸着材とされている。
そして、除湿材38aが配置される位置よりもガス導入部29側にずれた位置には、ガス導入部29に向かい順次、検査対象ガスを透過可能な焼結フィルタ39と、撥水フィルタ40とが配置されている。
すなわち、出口側配管9内を流通するオフガスは、順次、撥水フィルタ40と、焼結フィルタ39とを透過してガス検出室27内に流通するようになっている。
例えば、制御装置2は、センサ37の検出温度に基づいてヒータ36への通電を制御し、センサ37から検出されるガス検出室27内の温度が、少なくとも露点温度よりも高い所定温度範囲の温度となるように、また、センサ37から検出されるガス検出室27内の相対湿度が、例えば所定湿度範囲の相対湿度や、例えば予め作成されたガス検出室27内の温度状態に応じた相対湿度のマップ等から得られる相対湿度の検索値等となるように、ヒータ36への通電開始および通電停止のタイミングや通電量を制御する。
例えば、制御装置2は、燃料電池5の負荷状態が高負荷状態に変化する場合等において、酸素極側の出口側配管9内を流通するオフガスの流量が増大してオフガスに曝されるガスセンサ1のガス検出室27内の温度が低下したり、例えば燃料電池5にて生成されオフガスに含まれる生成水の量が増大してガス検出室27内の相対湿度が増大する虞がある場合には、ヒータ36への通電量を増大させてガス検出室27内の温度を上昇させることでガス検出室27内に結露が発生することを防止する。一方、燃料電池5の負荷状態が低負荷状態に変化する場合等においては、制御装置2は、ヒータ36への通電量を低下させて過剰なエネルギ消費を抑制する。
また、制御装置2は、燃料電池5の作動開始時において、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通開始に先立って、ガスセンサ1の各素子31,32と、ヒータ36とに対する通電を開始し、燃料電池5の作動停止時において、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通を停止した後に、ガスセンサ1の各素子31,32と、ヒータ36とに対する通電を停止する。
ガス検出室27内に配置された各除湿材38a,38bは、ガス検出室27内の雰囲気ガスの湿度状態に応じて水の吸着または脱着を行う。
例えば、ガスセンサ1の作動時においてヒータ36への通電が実行されている際には、ガス検出室27内の温度が相対的に高くなることに伴い、ガス検出室27内の相対湿度が低下し、各除湿材38a,38bは水が脱着した状態、つまり吸着可能な水の量が増大した状態となる。
そして、燃料電池5の作動停止に伴い、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通が停止された後にヒータ36への通電が停止されると、ガス検出室27内の温度が低下することに伴い、ガス検出室27内の相対湿度が増大する。このとき各除湿材38a,38bは吸着可能な水の量に応じて、ガス検出室27内の雰囲気ガス中の水蒸気を含む水を吸着する。これにより、ガス検出室27内において結露が発生すること、つまりガス検出室27内の相対湿度が100%に到達したり、ガス検出室27内の温度が露点温度以下に低下することを防止することができると共に、たとえばガス検出室27内において局所的に温度が露点温度以下に低下して結露が発生した場合であっても、生成された結露水を各除湿材38a,38bにて吸着することができる。
特に、ガス検出室27内の各素子31,32とガス導入部29との間においてヒータ36が配置される位置よりもガス導入部29側にずれた位置に配置された除湿材38aは、各素子31、32の表面が曝される雰囲気ガスの相対湿度を低下させることができ、各素子31、32の表面上にて結露が生じることを防止することができる。
また、ガス検出室27の筒状部26の内壁面上を被覆する除湿材38bは、ガス検出室27内において相対的に熱伝導率が高い金属等により形成されることによって結露が発生しやすい筒状部26の内壁面上において、結露の発生を抑制することができる。
また、例えばヒータ36の作動停止による局所的な温度低下等に伴って結露が発生する場合であっても、発生した結露水を各除湿材38a,38bにて吸着することができ、次回の作動開始時にガスセンサ1に結露が発生している状態となることを防止することができると共に、次回の作動開始に備えてガス検出室27内の相対湿度を予め低下させておくことができる。
また、上述した実施の形態においては、ガスセンサ1を接触燃焼式のセンサとしたが、これに限定されず、例えば半導体式等の他の方式によるセンサであってもよい。
また、上述した実施の形態においては、各素子31,32を接続してなる回路をブリッジ回路としたが、これに限定されず、例えば直列回路等のその他の回路であってもよく、検出素子31の抵抗値R4に関連した状態量として、所定接点間の電圧や電流の検出値が制御装置2へ出力されてもよい。
また、上述した実施の形態においては、ヒータ36は検出素子31と温度補償素子32との間に配置されるとしたが、これに限定されず、例えばガス検出室27内の各素子31,32とガス導入部29との間において除湿材38aが配置される位置よりも各素子31,32側にずれた位置に配置されてもよい。
なお、以下において上述した実施の形態と同一部分については説明を省略する。
この参考例においては、例えば図5に示すように、ガス導入部29に撥水フィルタ40が装着され、この撥水フィルタ40に隣接するようにしてガス検出室27内には、例えばシリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、吸水ポリマー等のように雰囲気ガスの湿度状態に応じて物理的に水を吸着する吸着材からなる除湿材38が配置されている。
この除湿材38には除湿材温度センサ50が備えられ、この除湿材温度センサ50により検出される除湿材38の温度の検出信号は、制御装置2に備えられたヒータ通電制御部51へ出力されている。
そして、ヒータ通電制御部51により通電制御される適宜の抵抗体からなるヒータ36が除湿材38に一体的に設けられるようにして直接的に接触させられており、ヒータ通電制御部51は、除湿材温度センサ50により検出される除湿材38の温度が所定温度、例えば除湿材38に吸着された水が水蒸気等となって除湿材38から脱着する温度、あるいは、この温度以上の適宜の温度となるようにして、ヒータ36へ供給する通電量を制御する。
これにより、除湿材38を、水を吸着可能な状態に保持することができ、ガス検出室27内にて結露が生じることを抑制することができると共に、ガス検出室内27に導入される検査対象ガスが除湿材38内を流通する際における所望のガス透過性を確保することができる。
なお、この参考例においては、さらに、複数の除湿材38,…,38をガス検出室27の内壁面上に配置してもよい。
27 ガス検出室
29 ガス導入部(開口部)
31 検出素子
32 温度補償素子(補償素子)
36 ヒータ(除湿材温度変更手段)
38a、38b 除湿材
50 除湿材温度センサ(温度検出手段)
51 ヒータ通電制御部(除湿材温度制御手段)
Claims (1)
- 筒状部の一端側に開口形成されたガス導入部から検査対象ガスが導入されるガス検出室内の前記筒状部の他端側に配置された検出素子と補償素子との電気抵抗値の差異に基づき前記検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、
前記筒状部の内壁面上を被覆するようにして可逆的に水を吸着および脱着可能な除湿材を前記ガス検出室内に備えることを特徴とするガスセンサ。
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