JP4307413B2 - スライドファスナー用開離嵌挿具 - Google Patents

Description

この発明は、スライドファスナーにおける開離嵌挿具であり、開離嵌挿具は箱棒と蝶棒とから形成され上開き用のスライダーと逆開き用のスライダーとをファスナーチエンに挿通し、箱棒と蝶棒に改良を加え、円滑な開離嵌挿操作が行える開離嵌挿具に関するものである。

従来のスライドファスナーの開離嵌挿具は、図９に示すように、箱棒の先端における外側面に蝶棒が退避できる膨張部を設けるとともに、逆開き用スライダーが抜脱できない状態にするため、箱棒の先端における隅角部分の裏面に突部を設けて、逆開き用スライダーの下翼板の前端に当接し係止できるように形成し、蝶棒は逆開き用スライダーに設置した停止爪を順次押上げることができる斜面を蝶棒の表面先端から停止爪を収容できる凹部まで斜設したスライドファスナー用開離嵌挿具が知られている。
特開２００２−１３６３０９号公報

前述の図９に示す逆開き用スライダーを備えたファスナーチエンは、ファスナーチエンの下端において、挿通した逆開き用スライダーと上開き用スライダーとを箱棒上で当接した状態で、上方から上開き用スライダーに蝶棒を挿入すると、蝶棒の先端が逆開き用スライダーの案内柱の上端に当接し、円滑に蝶棒の嵌挿操作ができない。また箱棒の先端における隅角部分の裏面に突部を設け、逆開き用スライダーの下翼板の前端に当接させ係止できるように形成しているため、箱棒を完全にスライダーの胴体内に収納して隠蔽することが難しく、スライドファスナーの体裁がよくないなど問題点がある。

この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、この発明のうち請求項１記載の発明は、ファスナーチエンの両端から開閉でき、逆開き用スライダーに上開き用スライダーを当接した状態で、蝶棒を挿入したとき、逆開き用スライダーの案内柱に衝突することなく円滑に嵌挿操作が行えるスライドファスナーに形成でき、また下側の斜面は逆開き用スライダーの案内柱を回避しており、開離嵌挿具側が開く操作が円滑にできるスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが主たる目的である。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明の目的に加え、突出部が蝶棒に最も近づく位置が案内柱の頂点と同一線上または頂点より蝶棒側に位置するようにしたので、蝶棒の嵌挿操作が容易かつ確実に行えるスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

請求項３記載の発明は、請求項１記載の発明の目的に加え、箱棒に側面方向へ突出する突出部を設け、この突出部によって挿入される蝶棒が逆開き用スライダーの案内柱と衝突することなく、円滑かつ的確に蝶棒の嵌挿操作が行えるスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

請求項４記載の発明は、請求項１記載の発明の目的に加え、箱棒は側面に凹部を設けることによって、蝶棒を上開き用スライダーおよび逆開き用スライダーに容易かつ円滑に挿入できる形態に形成したスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

請求項５記載の発明は、請求項１記載の発明の目的に加え、箱棒の表裏両面に逆開き用スライダーの脱落防止用の突部を突設し、箱棒が逆開き用スライダーの胴体内に収容され体裁のよいスライドファスナーに形成したスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

請求項６記載の発明は、請求項５記載の発明の目的に加え、箱棒を逆開き用スライダーの胴体内に完全に隠蔽し、かつ箱棒を逆開き用スライダーの胴体に確実に係止できるスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

請求項７記載の発明は、請求項１記載の発明の目的に加え、ファスナーチエンに装備する上開き用スライダーおよび逆開き用スライダーは、停止爪を備え付けた自動停止機構を具有するスライダーを用いたスライドファスナー用開離嵌挿具を提供することが目的である。

前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項１記載の発明は、ファスナーチエン１の両端から開閉できるファスナーチエン１において、少なくとも一方の端部には開離嵌挿用の箱棒５と蝶棒６とを備え付け、箱棒５の形態は先端に蝶棒６と対面し、対向面１２から突出する突出部１０を設け、突出部１０は蝶棒６に近づく方向へ傾斜する斜面１１を上下に備えたスライドファスナー用開離嵌挿具を主な構成とするものである。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加え、箱棒５に設置する突出部１０が蝶棒６に近づく位置は、逆開き用スライダー８の案内柱２８の頂点と同一線上または頂点より蝶棒６側に位置するように形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

請求項３記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加え、箱棒５に設置する突出部１０は三角状を呈し、下側の斜面１１が逆開き用スライダー８の案内柱２８に当接し、上側の斜面１１が蝶棒６の先端に対面できるように形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

請求項４記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加え、箱棒５に設置する突出部１０の上側の斜面１１と、蝶棒６の凹凸条２３と接触する突条形の当接部１６との間に上側の斜面１１と連続して箱棒５の側面に全体が凹状に窪んだ凹部１５を形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

請求項５記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加え、箱棒５における表裏両面にスライダー、例えば逆開き用スライダー８の脱落を防止するための突部１４を突設したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

請求項６記載の発明は、請求項５記載の発明の構成に加え、箱棒５に設置する突部１４は、箱棒５の先端がファスナーチエン１の内側へ突出した部分の両面に突設し、この突部１４を逆開き用スライダー８の肩口内面に形成した凹状の凹面部２９に当接できるように形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

請求項７記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加え、箱棒５、蝶棒６に設置する停止爪３０を収容できる凹陥部１３，２２は、箱棒５と蝶棒６とでは互いに反する表面に凹設し、スライダーは上開き用スライダー７と逆開き用スライダー８とをファスナーチエン１に挿通し、各スライダー７，８は一面に停止爪３０が突出することができる自動停止機構を具備したスライダーを挿通したスライドファスナー用開離嵌挿具である。

この発明の効果として、請求項１記載の発明は、両端から開閉できるファスナーチエンにおいて、少なくとも一方に開離嵌挿具用の箱棒と蝶棒とを備え、箱棒の先端に蝶棒と対面し、対向面から突出した突出部を設け、突出部は蝶棒に近づく方向へ傾斜する斜面を上下に備えたことによって、下記の効果を奏する。

箱棒の先端側に対向面から突出する突出部を設け、その突出部は上下で蝶棒に近づく斜面を備えているので、上側の斜面は、蝶棒を円滑にガイドすることができ、蝶棒の逆開き用スライダーに対する嵌挿操作が容易かつ確実に行うことができ、下側の斜面は逆開き用スライダーの案内柱を回避し、開離嵌挿具側から開く操作が円滑にできる効果がある。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明の効果に加え、箱棒に設置する突出部が蝶棒に最も近づく位置を案内柱の頂点と同一線上または頂点より蝶棒側としたので、より蝶棒の嵌挿操作が容易かつ確実に行うことができ、下側の斜面は逆開き用スライダーの案内柱を回避し、開離嵌挿具側から開く操作が円滑にできる効果がある。

請求項３記載の発明は、請求項１記載の発明の効果に加え、箱棒に設置する突出部は三角状に突出し、下側の斜面が逆開き用スライダーの案内柱、上側の斜面が蝶棒の先端に対面して形成したことによって、箱棒の突出部は逆開き用スライダーの案内柱の内端および蝶棒の先端隅角部分を的確に当接させることができ、蝶棒を逆開き用スライダーに対して挿入操作を円滑に行うことができる効果がある。

請求項４記載の発明は、請求項１記載の発明の効果に加え、箱棒に設置する突出部の上側の斜面と蝶棒の凹凸条と接触する当接部との間に上側の斜面と連続して凹部を形成したことによって、箱棒の側面に凹部を形成しているので、蝶棒を逆開き用スライダーに挿入する際、蝶棒の先端を逆開き用スライダーの停止爪に衝突しないように回避できるので、余裕をもってガイドでき、円滑な挿入が果せる効果がある。

請求項５記載の発明は、請求項１記載の発明の効果に加え、箱棒の表裏両面に突部を突設しているので、箱棒をはじめ、係合している蝶棒を逆開き用スライダーの胴体内に収納し、外部へ露呈していないから、箱棒及び蝶棒が他物に引っ掛かり損傷する恐れがなく体裁のよいファスナーチエンに仕上げる効果がある。

請求項６記載の発明は、請求項５記載の発明の効果に加え、箱棒に設置する突部は、箱棒の先端が内側へ突出した部分の両面に突設し、突部を逆開き用スライダーの肩口内面に形成した凹面部に当接可能に形成したことによって、箱棒の両面に突部を設け、スライダーの胴体の内面に設けた凹面部に当接させるから、箱棒を的確に逆開き用スライダーの胴体内に収容でき、従って箱棒と係合する蝶棒も胴体内に容易に収容し、箱棒と蝶棒を完全に隠蔽することができる効果がある。

請求項７記載の発明は、請求項１記載の発明の効果に加え、箱棒、蝶棒に設置する停止爪用の凹陥部は、箱棒と蝶棒とが互いに反する面に凹設し、スライダーは上開き用スライダーと逆開き用スライダーとをファスナーチエンに挿通し、各スライダーは一面に停止爪が突出する自動停止装置付スライダーから形成したことによって、ファスナーチエンに挿通する上開き用スライダーおよび逆開き用スライダーは共に自動停止機構を具備したスライダーであり、停止爪に対し最適な箱棒と蝶棒から形成することができ、優れた作用効果が発揮できる開離嵌挿具を実現できる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。

この発明におけるスライドファスナー用開離嵌挿具は、図１〜７に示すように、ファスナーチエン１におけるファスナーストリンガー２を構成するファスナーテープ３の側縁に熱可塑性樹脂製の単体のファスナーエレメント３７を射出成形手段によって取り付け、ファスナーチエン１におけるファスナーエレメント３７を除去したスペース部を作製し、このスペース部に補強テープ３８を貼着して補強する。このスペース部の一方に略直方体の箱棒５と他方に略直方体の蝶棒６を熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段によって取り付ける。

箱棒５の形態は、下端部の外側すなわち蝶棒６と対面する対向面１２に三角状に突出する突出部１０を設け、上側の斜面１１は蝶棒６をガイドし、下側の斜面１１は逆開き用スライダー８の案内柱２８に当接し、箱棒５の対向面１２の上側に、蝶棒６に設けた凹凸形の凹凸条２３と係合する突条形の当接部１６を形成し、この当接部１６と突出部１０との間に表面が凹状に窪んだ凹部１５を形成する。また突出部１０を設けた箱棒５の表裏両面における隅角部分に突部１４を突出状に設けて、逆開き用スライダー８がこの突部１４に当接して箱棒５から脱落するのを阻止する。

箱棒５はファスナーチエン１に対し、向って左側に配置されたとき、箱棒５の表面に逆開き用スライダー８に設置した停止爪３０に対応できる部分に凹状の凹陥部１３を設けることによって、停止爪３０を的確に収容する。

蝶棒６の形態は、箱棒５と対面する側面は直線状に形成し、上端の外側に箱棒５に設けた突条形の当接部１６と係合する凹凸条２３を形成し、この凹凸条２３の下側であって箱棒５と対面したとき、蝶棒６における外側の隅角部分を斜状に切り欠いて面取り部２０を形成し、逆開き用スライダー８の停止爪３０を蝶棒６の挿入時に衝突しないように回避できるように形成する。

面取り部２０を形成した反対面には、蝶棒６を右差しタイプで使用した場合において、逆開き用スライダー８に設けた停止爪３０を収容できる凹状に窪んだ凹陥部２２を設け、また蝶棒６の先端における内側の隅角部分を斜面状に切り欠いた斜面部２１を形成することによって、上開き用スライダー７および逆開き用スライダー８に対して挿入操作が容易に行うことができる。

この発明におけるスライドファスナー用開離嵌挿具について説明すると、図１〜７に示す実施例１のスライドファスナー用開離嵌挿具は、ファスナーチエン１におけるファスナーストリンガー２を構成するファスナーテープ３の一側縁に固定したファスナーテープ３よりも膨大状の芯紐４０上に熱可塑性樹脂たとえばポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどを用いて、単体のファスナーエレメント３７を射出成形手段によって取り付け、ファスナーエレメント３７を取り付けたファスナーチエン１において一定間隔でファスナーエレメント３７のみを除去してスペース部を作製し、このスペース部に補強テープ３８としてポリアミド、ポリアセタールなどの樹脂フィルムを貼着してファスナーテープ３を補強する。この補強テープ３８の上から一方のファスナーストリンガー２には、略直方体の箱棒５を前記樹脂を用いて射出成形し、他方のファスナーストリンガー２には、略直方体の蝶棒６を射出成形して取り付ける。

箱棒５の形態は、箱棒５の下端部の外側すなわち蝶棒６と対面する対向面１２に三角状に突出する突出部１０を設け、この突出部１０の上側の斜面１１すなわちファスナーエレメント３７が取り付けられる側は挿入される蝶棒６の先端を箱棒５から離れる方向にガイドして誘導し、下側の斜面１１はファスナーストリンガー２に挿通されている逆開き用スライダー８の案内柱２８の内面に当接し、上下側の斜面１１が合わさる頂点は逆開き用スライダー８の案内柱２８の頂点より蝶棒６側に位置することが好ましく箱棒５の対向面１２の上側には、蝶棒６の対向面１２に設けた凹凸形を呈する凹凸条２３と、係合することができる密条形を呈する当接部１６を形成する。この当接部１６と突出部１０との間の箱棒５の表面が全体に凹状に窪んだ凹部１５を形成し、この凹部１５は逆開き用スライダー８内に配された箱棒５に対して蝶棒６を挿入する際、安定した状態でガイドするため、蝶棒６の先端が箱棒５と衝突して挿入が妨げられないようにしている。なお斜面１１は直線状に限らず円弧状であってもよい。

箱棒５の下端における内側すなわちファスナーテープ３の縁部から内側の表裏両面の隅角部分に外方へ突出する突部１４を設け、ファスナーストリンガー２に挿通された逆開き用スライダー８の凹面部２９によって形成された段差部分がこの突部１４に当接して箱棒５から脱出しファスナーストリンガー２から脱落するのを未然に阻止する。さらに箱棒５はファスナーチエン１に対し、向って左側に配置されたとき、箱棒５の表面に逆開き用スライダー８に設置した自動停止機構の停止爪３０と対応できる部分に凹状の凹陥部１３を設けることによって、停止爪３０を的確かつ容易に収容する。

蝶棒６の形態は、蝶棒６が箱棒５と対面する対向面１２を直線状に形成し、蝶棒６の上端部における対向面１２に、箱棒５に設置した突条形を呈する当接部１６と係合する凹凸形を呈する凹凸条２３を形成し、この凹凸条２３の下側と先端との間で、箱棒５に形成した凹陥部１３側の表面と合致する蝶棒６の隅角部分を斜状に切り欠いて面取り部２０を形成し、蝶棒７を上開き用スライダー７および逆開き用スライダー８に挿入の際、自動停止機構の停止爪３０をそれぞれ回避できるように形成する。

蝶棒６に形成した面取り部２０の反対面には、蝶棒６を右差しタイプで使用する場合、すなわち図７に示す場合において、逆開き用スライダー８に設けた自動停止機構の停止爪３０を収容できる凹状に窪んだ凹陥部２２を蝶棒６の表面に設け、また蝶棒６の先端における内側の隅角部分を図２に示すように斜面状に切り欠いて斜面部２１を形成する。この斜面部２１を設けることによって、ファスナーチエン１に挿通した上開き用スライダー７および逆開き用スライダー８に対して蝶棒６の挿入操作が容易に行うことができる。特に図７のように右差しの場合、逆開き用スライダー８の停止爪３０を持ち上げるようにガイドして、蝶棒６の挿入が行い易い。

使用される上開き用スライダー７および逆開き用スライダー８は、ともに図６に示すように同じタイプのスライダーから形成されている。スライダー７，８は共に胴体２６に上下の翼板２７を案内柱２８によって連結し、上翼板２７の前後に取付柱３３を立設し、この取付柱３３の間に爪杆３１に設けた停止爪３０が胴体２６内に突出できる爪孔３４を設ける。胴体２６は前後の取付柱３３間であって、胴体２６の肩口側に爪杆３１の一端を揺動可能に軸支し、爪杆３１の中間下側に引手３６の枢軸を載置し、その上方からスプリング３２およびカバー３５を取付柱３３に固定する。上下の翼板２７の案内柱２８側には、他の部分より肉厚を薄くした凹面部２９を形成し、箱棒５の突部１４が入り込む。なお凹面部２９は箱棒５側のみに設けてもよい。また、逆開き用スライダー８を専用のスライダーを用いてもよい。この専用スライダーは胴体の両側が平行状であり、正面（上方）からみると方形状を呈し、上端には上開き用スライダーを受容できる凹部が形成されている。

スライドファスナー用開離嵌挿具の使用態様を説明すると、ファスナーチエン１における一方のファスナーストリンガー２たとえば箱棒５を取り付けたファスナーストリンガー２のファスナーエレメント３７に連続して芯紐４０上に常時は蝶棒６側の上止と協働して上開き用スライダー７が脱落するのを防ぐことができる上止を樹脂の射出成形手段によって取り付ける。勿論上止は金属製であってもよい。また他方のファスナーストリンガー２たとえば蝶棒６を取り付けたファスナーストリンガー２のファスナーエレメント３７に連続して芯紐４０上に常時は箱棒５側の上止と協働して上開き用スライダー７の脱落を防ぐものである。

最初に箱棒５を取り付けたファスナーストリンガー２の上止側から逆開き用スライダー８を挿通して箱棒５に挿着し、次にこのファスナーストリンガー２の上止側から上開き用スライダー７を挿通して箱棒５上に挿着された逆開き用スライダー８に重ね合わせる。この状態で蝶棒６を取り付けたファスナーストリンガー２を蝶棒６から図３に示すように上開き用スライダー７および逆開き用スライダー８に挿入し、次の操作で図４に示す状態に挿入した後、上開き用スライダー７を上方へ摺動してファスナーチエン１を閉鎖する。

ファスナーチエン１を開放したいときは、上開き用スライダー７をファスナーチエン１の端部に配置された逆開き用スライダー８に重ね合わせた後、蝶棒６を逆開き用スライダー８および上開き用スライダー７から抜き取ればファスナーチエン１は左右のファスナーストリンガー２に開放することができる。また、逆開き用スライダー８を上止の方向に摺動することで、箱棒５、蝶棒６側から開くことができ、これによって両端から開閉できるファスナーチエン１となっている。

図８に示す実施例２のスライドファスナー用開離嵌挿具は、ファスナーストリンガー２に取り付けた箱棒５の変形例を示すものであり、箱棒５の形態はファスナーテープ３の芯紐４０上に樹脂の射出成形によって取り付けられた箱棒５は略直方体であって、上側の蝶棒６に対する対向面１２には、蝶棒６に設けた凹凸形を呈する凹凸条２３と係合できる突条形の当接部１６を設ける。また下端部の対向面１２には三角状に突出する突出部１０を設けるとともに、表裏両面の隅角部分に突部１４を設け、一面に自動停止機構の停止爪３０を収容できる凹陥部１３を設けている。前記実施例の箱棒５と異なる形態は、箱棒５における対向面１２の当接部１６と突出部１０との間に凹部を設置していない点が異なる以外は前例と同一である。

この発明のスライドファスナー用開離嵌挿具を端部に取り付けたファスナーチエンは、衣服の前立てをはじめ衣服の開口部、その他バッグ、袋物などのあらゆる製品の開閉部分に用いるファスナーチエンとして用いる。

実施例１に基づく逆開きタイプの開離嵌挿具の箱棒と蝶棒を示す斜視図である。 同上開離嵌挿具の箱棒と蝶棒の背面を示す斜視図である。 同上開離嵌挿具における蝶棒の嵌挿中期の状態を示す部分断面図である。 同上開離嵌挿具における蝶棒の嵌挿完了時の状態を示す部分断面図である。 同上開離嵌挿具の図３におけるＡ−Ａ断面図である。 同上開離嵌挿具の図４におけるＢ−Ｂ断面図である。 同上開離嵌挿具における図４の背面を示す部分断面図である。 実施例２に基づく開離嵌挿具における箱棒を示す斜視図である。 公知の開離嵌挿具における蝶棒の嵌挿初期の状態を示す部分断面図である。

符号の説明

１ ファスナーチエン
５ 箱棒
６ 蝶棒
７ 上開き用スライダー
８ 逆開き用スライダー
１０ 突出部
１１ 斜面
１２ 対向面
１３ 凹陥部（箱棒）
１４ 突部
１５ 凹部
１６ 当接部
２０ 面取り部
２１ 斜面部
２２ 凹陥部（蝶棒）
２３ 凹凸条
２８ 案内柱
２９ 凹面部
３０ 停止爪

Claims (7)

1. 両端から開閉できるファスナーチエン１において、少なくとも一方に開離嵌挿用の箱棒５と蝶棒６とを備え、箱棒５の先端に蝶棒６と対面し、対向面１２から突出した突出部１０を設け、突出部１０は蝶棒６に近づく方向へ傾斜する斜面１１を上下に備えてなることを特徴とするスライドファスナー用開離嵌挿具。
2. 箱棒５に設置する突出部１０が蝶棒６に最も近づく位置は、逆開き用スライダー８の案内柱２８の頂点と同一線上または頂点より蝶棒６側に位置することを特徴とする請求項１記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
3. 箱棒５に設置する突出部１０は三角状に突出し、下側の斜面１１が逆開き用スライダー８の案内柱２８、上側の斜面１１が蝶棒６の先端に対面して形成してなる請求項１記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
4. 箱棒５に設置する突出部１０の上側の斜面１１と蝶棒６の凹凸条２３と接触する当接部１６との間に上側の斜面１１と連続して凹部１５を形成してなる請求項１記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
5. 箱棒５の表裏両面に逆開き用スライダー８の脱落防止用の突部１４を突設してなる請求項１記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
6. 箱棒５に設置する突部１４は、箱棒５の先端部分の両面に突設し、該突部１４を逆開き用スライダー８の肩口内面に形成した凹面部２９に当接可能に形成してなる請求項５記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
7. 箱棒５、蝶棒６に設置する停止爪３０用の凹陥部１３，２２は、箱棒５と蝶棒６とが互いに反する面に凹設し、スライダーは上開き用スライダー７と逆開き用スライダー８とをファスナーチエン１に挿通し、各スライダー７，８は一面に停止爪３０が突出する自動停止装置付スライダー７，８からなる請求項１記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。

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