JP4306262B2 - 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品 - Google Patents

樹脂組成物ならびにそれからなる成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂およびポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を含有してなる機械特性、耐薬品性に優れた樹脂組成物ならびにそれからなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリ乳酸樹脂は、高い融点を持ち、また溶融成形可能であることから、実用上優れた生分解性ポリマーとして期待されている。また、将来的にはバイオ原料から作られる汎用ポリマーとしての利用も期待されている。しかしながら、ポリ乳酸樹脂は、結晶化速度が遅いため、結晶化させて成形品として用いるには限界があった。例えばポリ乳酸樹脂を射出成形する場合には、長い成形サイクル時間や成形後の熱処理を必要とすること、および成形時や熱処理時の変形が大きいことなどの実用上大きな問題があった。
【0003】
また、ポリ乳酸樹脂は、耐薬品性にも劣り、その用途展開には限界があった。
【0004】
一方、ポリアセタール樹脂は、機械特性や成形性などバランスに優れた樹脂であることから、射出成形品として広く用いられているが、酸性の薬品に弱いという問題があった。
【0005】
2種またはそれ以上のポリマーを配合して用いる技術は、ポリマーアロイとして広く知られており、このポリマーアロイは、個々のポリマーの欠点を改良する目的で広く利用されている。しかしながら、2種以上のポリマーを混合した場合、多くはポリマー同士の分散性が悪く、ペレットや成形品の形状に加工できなかったり、劣った特性を示す傾向となるが、特にポリアセタールにおいては顕著である。
【0006】
しかし、まれに2種のポリマーが均一な非晶相を形成する場合があり、この種のものは一般に相溶性または混和性ポリマーアロイとして優れた特性を示すことが期待されているが、その例は少ない。
【0007】
ポリ乳酸樹脂と相溶性のあるポリマーとしては、ポリエチレングリコール(例えば、非特許文献1参照)やポリメチルメタクリレート(例えば、非特許文献2参照)が知られているが、これらのポリマーを混合した場合には、ポリ乳酸樹脂の強度や結晶性が大きく低下するという問題があった。
【0008】
また、ポリアセタールと相溶性のあるポリマーとしては、ポリビニルフェノール(例えば、非特許文献3参照)が知られているが、ポリビニルフェノールは分子量が一般に低いことから、混合後の樹脂物性が低下するという問題があった。
【0009】
特許文献1には、ポリアセタールに生分解性を付与する目的で、脂肪族ポリエステルと微量のホルムアルデヒドを含有させた樹脂組成物が開示され、その中で脂肪族ポリエステルの1例として、種々の脂肪族ポリエステルとともにポリ乳酸の使用例が開示されているが、同公報記載の組成物では、上記に記載したポリ乳酸樹脂やポリアセタール樹脂の問題を解決できるものではなかった。また、同公報記載の発明においてポリ乳酸は、他の脂肪族ポリエステルと同等に扱われており、ポリアセタールとの相溶性に関して特別な認識は全くなされていない。
【0010】
【非特許文献1】
Polymer 37(26),5849−5857頁(1996)
【非特許文献2】
Polymer 39(26),6891−6897頁(1998)
【非特許文献3】
Polymer 33(4),760−766頁(1992)
【特許文献1】
特開平5−43772号公報(第2頁、実施例)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0012】
したがって、本発明の目的は、成形性、機械特性、耐熱性、耐薬品性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂およびポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物が上記の目的に合致する優れた特性を有することを見い出し、本発明に到達した。
【0014】
すなわち、本発明は、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂ならびに、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とブタンジオールおよび/もしくはポリテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体から選ばれる熱可塑性ポリエステル樹脂を含有してなる樹脂組成物であって、前記ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記ポリアセタール樹脂の含有量が99重量部以下50重量部超であることを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
【0015】
なお、本発明の樹脂組成物においては、
前記ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量が100重量部以下1重量部以上であること、
前記樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂が相溶化していること、
前記樹脂組成物のポリアセタール樹脂由来の降温時の結晶化温度が、用いたポリアセタール樹脂単独の降温時の結晶化温度よりも低い温度であること、
前記ポリアセタール樹脂がポリアセタールコポリマーであること、
前記ポリ乳酸樹脂が、総乳酸成分の内、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれるポリ乳酸樹脂であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を適用した場合には一層優れた効果の取得を期待することができる。
【0016】
また、本発明の成形品は、上記の樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような共重合成分としては、全単量体成分中通常30モル%以下の含有量とするのが好ましく、10モル%以下であることが好ましい。
【0019】
本発明においては、ポリアセタール樹脂との相溶性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが特に好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが更に好ましく、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることが更に好ましい。また、L体またはD体の含有量の上限は通常100%以下である。
【0020】
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
【0021】
ポリ乳酸樹脂の融点については、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましく、特に160℃以上であることが望ましい。ポリ乳酸樹脂の融点は、通常乳酸成分の光学純度を高くすることにより高くなり、融点が120℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることにより、また融点が150℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることにより、また融点が160℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることにより、得ることができる。
【0022】
ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
【0023】
本発明に用いられるポリアセタール樹脂は、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とするポリマーであり、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを主原料として、重合反応によって得られる、いわゆるポリアセタールホモポリマー、および主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有するいわゆるポリアセタールコポリマーのいずれであってもよく、また他の構成単位を含有するコポリマー、つまりブロックコポリマー、ターポリマーおよび架橋ポリマーのいずれであってもよく、これらは1種または2種以上で用いることができるが、熱安定性の観点からはポリアセタールコポリマーであることが好ましい。
【0024】
本発明におけるポリアセタール樹脂の製造方法については特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。ポリアセタールホモポリマーの代表的な製造方法の例としては、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化することにより製造する方法などが挙げられる。
【0025】
また、代表的なポリアセタールコポリマーの製造方法の例としては、高純度のトリオキサンおよびエチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化を行うことにより製造する方法、あるいは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング型撹拌機の中へトリオキサン、共重合成分および触媒を導入して塊状重合した後、さらに不安定末端を分解除去することにより製造する方法などが挙げられる。
【0026】
これらポリアセタール樹脂の粘度は、成形材料として使用できる程度のものであれば特に制限はないが、ASTMD1238法によるメルトインデックス(MI)が測定可能であり、温度190℃、荷重2.16kgで測定したMIが1.0〜50g/10分の範囲のものであることが好ましく、1.5〜35g/10分のものであることが特に好ましい。
【0027】
また、ポリアセタール樹脂としては、あらかじめ熱安定剤や発生ガス捕捉剤を含有しているものを用いることが好ましく、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、カルシウムリシノレート、シアノグアナジン、ヘキサメチレンビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシアナメート)、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン6/66、ナイロン66/610/6、ナイロン612/6、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシアナメート)]メタン、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
【0028】
なお、ポリアセタール樹脂の分解が促進されることにより組成物の耐久性を損なうなどの組成物自体の特性に強い影響を与える可能性の高いホルムアルデヒドは、配合しない方が好ましく、ポリアセタール樹脂に含まれるホルムアルデヒドを考慮してもポリアセタール樹脂に対して、多くとも500ppm未満にとどめておくのが好ましく、さらに250ppm未満にとどめておくことが好ましく、さらに100ppm未満にとどめておくことが好ましい。このようなホルムアルデヒド含有量を達成するには、前述したようにポリアセタールホモポリマーの重合後、ポリマー末端をアセチル化したり、ポリアセタールコポリマーの重合後、不安定末端を分解除去するなどの方法により安定化処理を行ったポリアセタール樹脂を用いることが好ましい。上記樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量は、樹脂組成物を粉砕して得られる粉体1gを、水100ml中、50℃で6時間撹拌して、ホルムアルデヒドを抽出し、アセチルアセトン法で定量することにより測定することができる。
【0029】
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とブタンジオールおよび/もしくはポリテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体または共重合体であり、ポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂である。
【0033】
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂には、多官能イソシアネート化合物などの架橋成分が少量含まれていても良い。
【0034】
これらの重合体ないしは共重合体の具体例としては、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体が挙げられる。
【0035】
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とブタンジオールおよび/もしくはポリテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体においては、全ジカルボン酸に対するテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体の割合が50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。また、全ジオールに対するブタンジオールおよび/もしくはポリテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体の割合が50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。
【0038】
上記熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1000以上、好ましくは1万以上、さらに5万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
【0039】
上記熱可塑性ポリエステル樹脂は、単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
【0040】
熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量は、ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、100重量部以下1重量部以上であることが好ましく、70重量部以下3重量部以上であることがさらに好ましく、50重量部以下5重量部以上であることが特に好ましい。
【0041】
本発明においては、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂およびポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を配合することにより、成形性、機械特性、耐熱性、耐薬品性に優れた組成物が得られることを特徴とするが、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂との配合組成によって特に効果を奏する特性が異なる。
【0043】
一方、ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリアセタール樹脂99重量部以下50重量部以上超、特に99重量部以下60重量部以上を含有してなる樹脂組成物においては、ポリアセタール樹脂の特性を改良することが可能であり、特に機械特性、耐薬品性の改良に効果がある。
【0044】
本発明においては、通常、組成物中でポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂とが相溶化している。ここでいう「相溶化」とは、分子レベルで非晶相内に両者が均一相を形成することを説明するために用いられる。つまり、配合物の一方または両方が結晶相および非晶相の両方を形成する場合、相溶化とは、非晶相が分子レベルで混合することを意味する。
【0045】
配合物中の相溶性の判断は、いくつかの方法で行うことができる。相溶性について判断する最も一般的な方法は、ガラス転移温度で判断する方法である。相溶性配合物中では、ガラス転移温度が各々単独のものより変化し、多くの場合単一のガラス転移温度を示す。ガラス転移温度の測定方法としては、差動走査熱量計(DSC)で測定する方法、および動的粘弾性試験により測定する方法のいずれも用いることができる。
【0046】
しかしながら、ポリアセタール樹脂は高結晶性であるために、ポリアセタール樹脂の含有量が多い場合には、ガラス転移温度が不明確になるという問題がある。この場合の相溶性の判断としては、ポリアセタール樹脂の結晶化温度を用いることができる。すなわち、ポリアセタール樹脂がそれ自体よりも結晶化速度の遅い樹脂と相溶性配合物を形成した場合には、ポリアセタール樹脂の結晶化速度が単体の場合よりも低下するからである。したがって、この結晶化速度の低下を、DSCで測定した降温時の結晶化温度で判断することができる。
【0047】
例えば、Polymer 38(25),6135−6143(1997)には、脂肪族ポリエステルであるポリ(3−ヒドロキシブチレート)とポリメチレンオキサイド(ポリアセタール)のブレンドが非相溶性であることが報告されているが、この場合、DSCで測定した組成物中のポリアセタールの降温時の結晶化温度は、ポリアセタール単体の結晶化温度とほとんど変わらないことが示されている。
【0048】
一方、上記非特許文献3には、ポリアセタールとポリビニルフェノールが相溶性であることが報告されているが、この場合、組成物中のポリアセタールの降温時の結晶化温度が、ポリアセタール単体の結晶化温度に比べて、低下することが示されている。
【0049】
本発明の樹脂組成物では、樹脂組成物中のポリアセタール樹脂の降温時の結晶化温度が、ポリアセタール樹脂単独の結晶化温度よりも低い温度を示す。好ましい結晶化温度の低下は組成によって異なる。そして、この結晶化温度は、用いるポリ乳酸樹脂の光学純度が高くなると、低下の程度が大きくなる傾向にある。
【0051】
ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂50重量部未満1重量部以上およびポリアセタール樹脂50重量部超99重量部以下を配合する場合には、DSCにより降温速度20℃/分で測定したポリアセタール樹脂の結晶化温度の低下は0.2℃以上であることが好ましく、0.5℃以上であることがさらに好ましく、1℃以上であることが特に好ましい。特に、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂50重量部未満40重量部以上およびポリアセタール樹脂50重量部超60重量部以下を配合した場合には、DSCにより降温速度20℃/分で測定したポリアセタール樹脂の結晶化温度の低下は0.5℃以上であることが好ましく、1℃以上であることがさらに好ましく、2℃以上であることが特に好ましい。
【0052】
ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂にポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を含有した場合には、多くの場合、熱可塑性ポリエステル樹脂は、他の二つの樹脂とは相溶化せず、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂のガラス転移温度や結晶化温度に与える影響は小さい。
【0053】
本発明では、単にポリ乳酸樹脂やポリアセタール樹脂に熱可塑性ポリエステル樹脂に混合する以上に大きな効果を得られる。これは、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の相溶性並びに両者が相溶化したものと熱可塑性ポリエステル樹脂の高い親和性に起因するものである。
【0054】
本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、木粉、紙粉および白土など)、安定剤(酸化防止剤、光安定剤など)、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、アンチモン化合物、メラミン化合物など)、滑剤、離形剤、染料や顔料を含む着色剤、核化剤(タルク、有機カルボン酸金属塩、有機カルボン酸アミドなど)および可塑剤(ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤など)、末端封鎖剤(エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物など)などを添加することができる。
【0055】
また、本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)および熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)及び軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質ポリオレフィン系ポリマー、各種コアシェル型エラストマー、ポリアミドエラストマーなど)などの1種以上をさらに含有させることができる。
【0056】
本発明の樹脂組成物の製造方法については特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、樹脂の融点以上において、1軸または2軸押出機を用いて均一に溶融混練する方法を好ましくあげることができる。また、予めポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂を溶融混練した後に、熱可塑性ポリエステル樹脂、および必要に応じてその他の添加剤を溶融混練する方法も用いることができる。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、独特の特性を持つ組成物であり、射出成形や押出成形などの方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。
【0058】
上記の樹脂組成物から得られる本発明の成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フイルム、シート、ボトルおよび繊維などが挙げられ、未延伸フィルム・シート、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、ラミネートフィルム、発泡シートなどの各種フイルム・シート、および未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として、いずれも好適に利用することができる。また、これらの成形品は、電気・電子部品(各種ハウジング、歯車、ギアなど)、建築土木部材、自動車部品(内装・外装部品など)、農業資材、包装材料、衣料および日用品など各種用途に利用することができる。
【0059】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0066】
[実施例1〜4、比較例1〜4
D体の含有量が1.2%であり、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒に用いゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したPMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂、ASTM法D1238に準じて190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス値が9g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(東レ社製“アミラス”S761)および下記に示した各種熱可塑性ポリエステル樹脂を、それぞれ表に示した割合で混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度220℃(ただし、熱可塑性ポリエステル樹脂としてポリブチレンテレフタレートを使用した場合は230℃)、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
【0067】
なお、表における熱可塑性ポリエステル樹脂の符号は、次の内容を示すものである。
A−1:ポリブチレンテレフタレート(東レ社製“トレコン”1401X31)
A−2:ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)(東レデュポン社製“ハイトレル”4047)。
【0068】
得られた樹脂組成物について、ガラス転移温度(Tg)およびポリアセタール樹脂の降温時の結晶化温度(Tc)を、差動走査熱量計(DSC)を用い、昇降温速度20℃/分で測定した結果を表に併せて示す。
【0069】
また、得られた樹脂組成物について、シリンダー温度220℃、金型温度40℃で射出成形を行ない、3.2mm厚の引張試験用の試験片を得た。このとき、成形時の試験片の変形を目視で観察した。また、得られた試験片を用い、ASTM法D638に準じて引張試験を行った。また、得られた全長21cmの引張試験片を図1に示すように20cmの治具に曲げながら装着し、これを20%の塩酸水溶液に含浸し、クラックが生成する時間を測定した。図1は試験片を治具に装着した概念図であり、試験片1は治具2に曲げられて装着されている。
【0070】
また、試験片を熱風オーブン中、140℃で1時間処理した後の試験片の変形を目視で観察した。結果を表に併せて示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004306262
【0072】
の結果から明らかなように、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂の3者を含有する本発明の樹脂組成物は、比較例に示したものよりも、高い耐薬品性、機械特性を示している。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の樹脂組成物は、優れた機械特性、耐薬品性を有するものであり、この樹脂組成物からなる本発明の成形品は、上記の特性を生かして、電気・電子部品、建築土木部材、自動車部品、農業資材、包装材料、衣料および日用品など各種用途に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例でクラック発生時間の評価用試験片を治具に装着した概念図である。
【符号の説明】
1.試験片
2.治具

Claims (7)

  1. ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂ならびに、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とブタンジオールおよび/もしくはポリテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体から選ばれる熱可塑性ポリエステル樹脂を含有してなる樹脂組成物であって、前記ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記ポリアセタール樹脂の含有量が99重量部以下50重量部超であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量が100重量部以下1重量部以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂が相溶化していることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂組成物のポリアセタール樹脂由来の降温時の結晶化温度が、用いたポリアセタール樹脂単独の降温時の結晶化温度よりも低い温度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリアセタール樹脂がポリアセタールコポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリ乳酸樹脂が、総乳酸成分の内、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれるポリ乳酸樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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