JP4305817B2 - 無アルカリガラス基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイやセンサー等の基板、固体撮像素子のカバーガラスに用いられる無アルカリガラス基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フラットパネルディスプレイやセンサー等の基板、固体撮像素子のカバーガラスとしては、矩形状のガラス基板が広く使用されている。
【0003】
この種のガラス基板の表面には、透明導電膜、絶縁膜、半導体膜、金属膜等が成膜され、しかもフォトリソグラフィーエッチング(フォトエッチング)によって種々の回路やパターンが形成される。これらの成膜、フォトエッチング工程において、ガラス基板は、数百度の熱処理を受けると共に、硫酸、塩酸、アルカリ溶液、フッ酸、バッファードフッ酸等の種々の薬品による処理を受ける。
【0004】
この種のガラス基板には、以下のような特性が要求される。
(1)ガラス中にアルカリ金属酸化物が含有されていると、熱処理時に成膜された半導体物質中にアルカリイオンが拡散し、膜特性の劣化を招くため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと。
(2)フォトエッチング工程において使用される種々の酸、アルカリ等の薬品によって劣化しないような耐薬品性を有すること。
(3)成膜等のTFT(薄膜トランジスタ)素子製造工程でガラス基板が熱収縮してパターンずれを起こさないように、高い歪点、具体的には、640℃以上の歪点を有すること。例えば多結晶シリコンTFT−LCDの場合、その工程温度が600℃以上であるため、このような用途のガラス基板には、歪点が640℃以上であることが要求される。
【0005】
また、これ以外にも、次のような特性が要求される。
(4)ガラス中に基板として好ましくない溶融欠陥が発生しないよう溶融性に優れていること。
(5)耐熱衝撃性を向上させて、熱処理工程中での破損を低減させるために、熱膨張係数が小さいこと。
【0006】
更に、これらのデバイスではガラス基板の透過率はきわめて重要であり、紫外域から可視域において、高い透過率を有するガラス基板が望まれている。
【0007】
例えば、液晶ディスプレイの場合、非発光型ディスプレイであり、光の利用効率が悪いため、可視域におけるガラス基板の透過率は高い方が良い。また、TFT(薄膜トランジスタ)素子は、ガラス基板上に透明導電膜、絶縁膜、半導体膜、金属膜等を成膜した後、ガラス基板の裏面より波長300nm付近の紫外線を照射する背面露光法によるフォトリソグラフィによって形成される。そのため、紫外域におけるガラス基板の透過率も高い方が良い。
【0008】
また、近年、注目されている有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの場合、赤、緑、青の有機蛍光体を発光させて表示を行うが、青色の光を発する蛍光体の発光効率が他の蛍光体に比べて低い。そのため、青色の光に対応する波長域におけるガラスの透過率は高い方が良い。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−202208号公報
【特許文献2】
特開2001−261366号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
Fe23は、ガラス中でFe3+又はFe2+の状態で存在し、特に、Fe3+は、380nm付近に吸収ピークを持ち、紫外域、短波長側の可視域における透過率を低下させる。一般に、安価で大量生産されるガラスは、ガラス原料や製造工程中から多量のFe23がガラス中に混入している。そのため、このようなガラスをディスプレイやセンサーの基板として用いると、紫外域、短波長側の可視域における透過率が低いため、ディスプレイやセンサーとしての性能の低下が懸念されている。
【0011】
ガラス中へのFe23の混入を完全に排除するには、高純度ガラス原料を用い、且つ、原料調合設備等から原料へFe23が混入しないような特別に設計された製造設備を使用する必要があり、製造コストが非常に高くなるため、現実的ではない。
【0012】
本発明の目的は、上記した要求特性項目(1)〜(5)の全てを満足し、しかも、コストを上げることなく、透過率の高い無アルカリガラス基板を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、ガラス中にSnO2を添加することで所望の透過率が得られることを見いだし本発明として提案するものである。
【0014】
即ち、本発明の無アルカリガラス基板は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まず、質量%で、SnO2 0.01〜0.3%、As23 0〜0.1%、Sb23 0〜1.0%であり、且つ、ガラス中のFeの含有量が、Fe23に換算して、質量%で0.005〜0.03%であることを特徴とする。
【0015】
【作用】
一般に、ガラス基板上のTFTを作製する際に用いられる紫外線は、主として300nmを中心とした波長の紫外線が使用される。このため、波長300nmにおけるガラス基板の透過率は、できるだけ高い方が良く、少なくとも50%以上(好ましくは60%以上)であることが重要である。この透過率が50%未満であると背面露光を行ってTFTを形成する際に時間がかかり、生産性に支障をきたす虞がある。
【0016】
また、液晶ディスプレイは非発光型ディスプレイであるため、光の利用効率の損失は少ないほうが良い。このため、液晶ディスプレイ用ガラス基板の可視域における透過率はできるだけ高い方が良く、板厚0.7mmで波長400〜800nmにおける透過率は89%以上(好ましくは90%以上)であることが重要である。この透過率が89%未満であるとディスプレイの性能が低下する虞がある。
【0017】
そこで、本発明の無アルカリガラス基板においては、ガラス中のAsを0.1%以下に制限し、SnOを0.01〜0.3%添加する。これによりFeの価数を3価(Fe3+)から2価(Fe2+)へ変化させて、板厚0.7mmで波長300nmにおける透過率を50%以上に保ち、且つ、波長400〜800nmにおける透過率を89%以上にしている。
【0018】
ガラス中にSnO2を0.01〜0.3%含有させると、Sn2++2Fe3+→Sn4++2Fe2+の反応が起こり、Feの価数が変化して、Fe2+が増加し、Fe3+が減少すると考えられ、紫外域や短波長側の可視域の透過率が上昇する。SnO2の含有量が0.01%より少ないと、価数変化するFeの量が少なくなり、紫外域や短波長側の可視域の透過率が低くなるため好ましくない。一方、0.3%より多いとSnO2の結晶が析出しやすくなるため好ましくない。SnO2の好ましい範囲は0.05〜0.3%である。尚、Snと同様にFeの価数変化を起こすものとして、CeやTi等が存在するが、これらは、紫外域に吸収を持つため、好ましくない。
【0019】
また、清澄剤として広く使用されているAs23は紫外域に吸収ピークを持つ。更に、SnO2によるFe2+への価数変化を阻害する働きがある。このため、As23の含有量は0.1%以下に制限される。As23の含有量が0.1%より多いと、紫外域の透過率が低下するため好ましくない。好ましくは0.05%以下である。尚、無アルカリガラスにおいて、清澄剤として用いられているAs23の含有量を減らすと、泡のないガラスを得ることは難しくなるが、透過率を高めるために添加しているSnO2が清澄剤としても働くため、Sb23やClを適宜組み合せることで泡のないガラスを得ることができる。但し、Sb23もAs23と同様に紫外域に吸収ピークを持つため、その含有量は1.0%以下に抑えるべきである。
【0020】
また、SnO2の添加によって、Fe2+が増加しすぎると、Fe2+は1080nm付近に吸収ピークを持つため、長波長側の可視透過率が低下し、波長400〜800nmにおける透過率を89%以上に保つことができなくなる虞がある。これを防止するには、全Fe量を調整する必要があり、Fe23に換算して0.005〜0.03%の範囲内に入るようにすることが重要である。Fe23の含有量が0.03%より多くなると、長波長側の可視透過率が低下するため好ましくない。一方、0.005%より少なくしようとすると、コストが高くなりすぎるため好ましくない。Fe23の好ましい範囲は、0.007〜0.03%である。
【0021】
本発明において使用するガラスは無アルカリガラスである。その理由は、ガラス中にアルカリ金属酸化物(Na2O、K2O、Li2O)を含有すると、ガラス中のアルカリ成分が、ガラス基板上に形成された各種の膜やTFT素子の特性を劣化させるばかりか、アルカリ成分と各種の膜が反応することで白濁し、基板の透過率を低下させる虞があるからである。
【0022】
また、本発明のガラス基板の具体的な組成は、耐薬品性、熱収縮性、溶融性、成形性、熱膨張係数等を考慮して、用途に応じて適宜決定すればよい。好適な組成例として、質量百分率で、SiO2 55〜70%、Al23 12〜20%、B23 5〜15%、MgO 0〜5%、CaO 0〜12%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、ZrO2 0〜5%、Cl 0〜0.5%の無アルカリガラスがあげられる。
【0023】
このようにガラス組成を限定した理由は、次のとおりである。
【0024】
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマーとなる成分であり、ガラスの耐酸性を向上させたり、ガラスの歪点を上昇させてガラス基板の熱収縮を小さくする効果がある。含有量が55〜70%であれば、耐酸性が高く、熱収縮の小さいガラス基板を得ることができる。好ましい範囲は、57〜67%である。尚、SiO2の含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、溶融性が悪化すると共にクリストバライトの失透ブツが析出しやすくなる傾向にある。また、含有量が少なくなると、ガラスの耐酸性や歪点が低下する傾向にある。
【0025】
Al23は、ガラスの歪点を上昇させたり、クリストバライトの失透ブツの析出を抑える成分である。含有量が12〜20%であれば、液相温度が低いガラス基板を得ることができる。好ましい範囲は、13〜18%である。尚、Al23の含有量が多くなると、ガラスの耐バッファードフッ酸性が悪化したり、液相温度が上昇して成形しにくくなる傾向にある。また、含有量が少なくなると、ガラスの歪点が低下する傾向にある。
【0026】
23は、融剤として作用し、ガラスの粘性を下げ、溶融性を改善する成分である。含有量が5〜15%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、7〜14%である。尚、B23の含有量が多くなると、ガラスの歪点が低下したり、耐酸性が悪化する傾向にある。また、含有量が少なくなると、融剤として十分に作用せず溶融性が低下する傾向にある。
【0027】
MgOは、ガラスの歪点を低下させずに高温粘性のみを低下させて、ガラスの溶融性を改善する成分である。含有量が5%以下であれば、ガラスの溶融性を改善することができる。好ましい範囲は、0〜3%である。尚、MgOの含有量が多くなると、エンステタイトの失透ブツが析出しやすくなる。また、耐バッファードフッ酸性が低下し、フォトエッチング工程において、ガラス基板表面が侵食されて、反応生成物がガラス基板表面に付着し、ガラス基板が白濁し易くなる。
【0028】
CaOは、ガラスの歪点を低下させずに高温粘性のみを低下させて、ガラスの溶融性を著しく改善する成分である。含有量が12%以下であれば、ガラスの溶融性を改善することができる。好ましい範囲は、3〜10%である。尚、CaOの含有量が多くなると、耐バッファードフッ酸性が悪化する傾向にある。
【0029】
SrOは、ガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。含有量が10%以下であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は0〜7%である。尚、SrOの含有量が多くなると、ガラスの密度や熱膨張係数が大きくなったり、溶融性が悪化する傾向にある。
【0030】
BaOは、SrOと同様にガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。含有量が10%以下であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は0〜5%である。尚、BaOの含有量が多くなると、ガラスの密度や熱膨張係数が大きくなったり、溶融性が著しく悪化する傾向にある。
【0031】
ZnOは、ガラスの耐バッファードフッ酸性や溶融性を改善する成分である。含有量が3%以下であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜2.5%である。尚、ZnOの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性や歪点が低下する傾向にある。
【0032】
尚、MgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物は、混合して含有させることで、ガラスの溶融性と耐失透性を向上させることができるが、これら成分の合量が多くなると、ガラスの密度が上昇する傾向にあり、ガラス基板の軽量化が困難となるため、合量で11%未満にすることが望ましい。
【0033】
ZrO2は、ガラスの耐酸性を改善する成分である。含有量が1%以下であれば、ガラスの耐酸性を向上させることができる。好ましい範囲は、0〜0.7%である。尚、ZrO2の含有量が多くなると、ジルコンの失透ブツが析出する傾向にある。
【0034】
Clは、ガラスの清澄剤として働く成分である。含有量が多くなると、ガラス融液からの揮発が多くなり、脈理が発生しやすくなるが、含有量が0.5%以下であれば、問題なく上記効果が得られる。好ましい範囲は、0〜0.4%である。
【0035】
次に、本発明の無アルカリガラス基板を製造する方法を説明する。
【0036】
まず、不純物として含まれるFeの量を考慮しながら、無アルカリガラスの原料を選択し、その原料を用いて上記のガラス組成範囲となるように調合する。続いて、調合した原料を連続溶融炉で1520〜1680℃の温度で溶融する。その後、溶融ガラスをスロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法等の方法で板状に成形し徐冷することで無アルカリガラス基板を得ることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0038】
表1〜4は、本発明の実施例(試料No.1〜20)を、表5は、比較例(試料No.21、22)をそれぞれ示している。
【0039】
【表1】
Figure 0004305817
【0040】
【表2】
Figure 0004305817
【0041】
【表3】
Figure 0004305817
【0042】
【表4】
Figure 0004305817
【0043】
【表5】
Figure 0004305817
【0044】
表中の各試料は、次のようにして作製した。
【0045】
まず表の組成となるようにガラス原料を調合し、白金ポットで1600℃で24時間溶融した後、カーボン板上に流し出し、板状に成形した。次いでこれらの板状ガラスの両面を光学研磨することによって、縦寸法が300mm、横寸法が300mm、厚みが0.7mmの大型で薄肉のガラス基板を作製した。
【0046】
このようにして作製した各試料について、各種の特性を評価した。結果を表に示す。
【0047】
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜20はいずれも波長300nmにおける透過率が55%以上と高く、波長400〜800nmにおける透過率も90%以上と高かった。密度は2.43g/cm3以下と低く、基板の軽量化を図ることができる。熱膨張係数は30〜34×10-7/℃であった。歪点は665℃以上と高いため、熱収縮の小さいガラス基板が得られる。また、102.5ポイズに相当する温度は1610℃以下、液相温度は、1120℃以下であるため、溶融性、成形性にも優れていた。更に、耐酸性、耐BHFにも優れていた。
【0048】
一方、比較例である試料No.21及び22は、波長300nmにおける透過率が40%以下と低かった。
【0049】
透過率については、分光光度計にて波長300nm、400nm、600nm、800nmにおける試料の透過率を測定した。
【0050】
密度については、周知のアルキメデス法によって測定した。
【0051】
熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定したものである。
【0052】
歪点は、ASTM C336−71の方法に基づいて測定し、この値が高いほど、ガラスの熱収縮は小さくなる。logη at 102.5は、高温粘度である102.5ポイズの粘度に相当する温度を示すものであり、この温度が低いほど、溶融性に優れていることになる。
【0053】
液相温度については、以下の要領で行った。まず、各試料をそれぞれ300〜500μmの大きさに粉砕、洗浄し、これを白金製のボートに入れて1000〜1300℃の温度勾配炉に移して24時間保持し、温度勾配炉より白金製のボートを取り出した。その後、白金製のボートからガラスを取り出した。このようにして得られたサンプルを偏光顕微鏡で観察し、結晶の析出点を測定し、これを液相温度とした。
【0054】
耐HCl性は、各試料を80℃に保持された10質量%塩酸水溶液に3時間浸漬した後、それらの表面状態を目視で観察することによって評価した。また、耐バッファードフッ酸性は、各試料を20℃に保持された30質量%弗化アンモニウム、6質量%フッ酸からなるバッファードフッ酸に30分間浸漬した後、それらの表面状態を目視で観察することによって評価した。ガラス基板の表面に全く変化のないものは○、変色したものは×で示した。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の無アルカリガラス基板は、可視域全体に亘って透過率が高いため、フラットパネルディスプレイやセンサー等の基板、固体撮像素子のカバーガラスに用いられるガラス基板として好適である。また、紫外域における透過率も高いため、特に、背面露光によってTFT素子を製作するTFT型アクティブマトリックス液晶ディスプレイに使用される無アルカリガラス基板として好適である。

Claims (7)

  1. 実質的にアルカリ金属酸化物を含まず、質量%で、SnO 0.01〜0.3%、As 0〜0.1%、Sb 0〜1.0%であり、且つ、ガラス中のFeの含有量が、Feに換算して、質量%で0.005〜0.03%であることを特徴とする無アルカリガラス基板。
  2. 質量%で、Sb 0〜0.25%、B 5〜15%、MgO 0〜3%であることを特徴とする請求項1に記載の無アルカリガラス基板。
  3. ガラス基板の透過率が、板厚0.7mmで波長300nmにおいて50%以上、波長400〜800nmにおいて89%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の無アルカリガラス基板。
  4. 質量%で、SiO 55〜70%、Al 12〜20%、B 5〜15%、MgO 0〜5%、CaO 0〜12%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、ZrO 0〜5%、Cl 0〜0.5%有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無アルカリガラス基板。
  5. Ti成分およびCe成分を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無アルカリガラス基板。
  6. オーバーフローダウンドロー法またはフロート法で成形されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無アルカリガラス基板。
  7. フラットパネルディスプレイに用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無アルカリガラス基板。
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