JP4302404B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば脳神経外科や眼科等で微細部位の手術に使用される手術用顕微鏡に関し、より詳しくは主術者側の第1の顕微鏡と異なる助手用の第2の顕微鏡で術部の補助観察が可能な手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば眼科や脳神経外科領域では、より微細な手術を確実に行うために術部を立体で拡大観察する手術用顕微鏡が従来から多く利用されている。このような手術用顕微鏡は、術部を立体拡大観察してその処置を行う主の術者(主術者)が操作する主側顕微鏡(第1の顕微鏡)を備えている。さらに、この主側顕微鏡の側方には、この主術者に加えてその介助者である助手がその処置作業を介助する目的から術部の立体拡大観察を行う助手用顕微鏡(第2の顕微鏡)がしばしば用いられている。
【0003】
一般に、手術用顕微鏡を用いた手術は非常に緻密な作業が要求されるため、主術者に多大な疲労を与える。このため、助手は助手用顕微鏡を用いて、主術者の作業(手術)をより早く、また確実に処置するためにその手術作業を介助する。助手の介助の内容としては術部の洗浄や、高周波で焼灼した後の組織の切除といった主術者の作業を直接的に補佐するものである。さらに、前述の作業に加えて、主術者からは観察できない部位を助手が観察することで、効率的に主術者の補佐を行ったり、より広範囲の体組織の剥離作業等を行うことができる。さらに、助手は主術者の次の作業を推測し、予め次の術部の前処置を行うことができるようになるなど、補佐内容は多岐にわたる。
【0004】
例えば特許文献1には主側顕微鏡の対物レンズの下方で、その入射光束(入射光軸)を2分割するハーフミラーを設けた構成が示されている。ここで、分割した一方の光軸を主側顕微鏡の対物レンズに、他方を助手用顕微鏡の対物レンズに導いて助手用顕微鏡で術部を観察する。このため、助手は主側顕微鏡を観察する主術者と全く同じ観察像を立体画像として拡大観察することができる。
【0005】
また、図15に示すように、特許文献2には、助手用顕微鏡101が主側顕微鏡100の側方に一体的に取り付けられた構成が示されている。助手用顕微鏡101は、術部Pから観察光軸103を備え、主側顕微鏡100は同一の術部Pからの観察光軸102を備えている。そして、助手用顕微鏡101は、主側顕微鏡100とは独立した導光手段(ミラー)および対物レンズなどの観察光学系を備えている。このため、助手用顕微鏡101は、主側顕微鏡100とは独立して、主側顕微鏡100の観察者に対して斜め側方から術部を観察することができる。
【0006】
さらに、特許文献3には特許文献2と同様に、助手用顕微鏡が主側顕微鏡の側方に取り付けられた構成が示されている。ここでは、特許文献1と同様に主側顕微鏡の観察光軸上には、助手用顕微鏡の観察光学系方向に光を導く反射部材が設けられている。さらに、反射部材は、助手用顕微鏡の観察光軸上に術部から主側顕微鏡の入射光軸とは異なる入射光軸で観察光を取り込むように複数配置されている。そして、各反射部材を助手用顕微鏡の観察光軸上に挿入/退避させる切換え手段を備えている。このため、切換え手段によって、助手は特許文献1と同様に主術者と全く同一の観察像(同軸観察状態)と、特許文献2と同様の主術者に対して斜め側方からの観察像(斜め側方観察状態)とのいずれかを選択できる。なお、ここでは、同軸観察と2つの斜め側方観察とを可能とするによる合計3ヶ所の切換え手段が示されている。
【0007】
また、図16に示すように、特許文献4には特許文献2や特許文献3と同様に、助手用顕微鏡101が主側顕微鏡100の側方に取り付けられた構成が示されている。その観察光軸103上には特許文献2と同様に、術部からの光を助手用顕微鏡101の観察光学系内に導く反射部材を配置している。さらに、この反射部材は助手用顕微鏡101の観察光軸103との交点を中心に傾斜させる傾斜手段を備えている。傾斜手段を傾斜させることによって、助手は反射部材の術部Pからの入射光軸を連続的に変更する。すなわち助手は、主術者による術部の観察状態や術部処置位置に対応するようにその観察位置を変更することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−91321号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭64−511号公報
【0010】
【特許文献3】
実用新案登録第2516007号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2001−208979号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、助手用顕微鏡(第2の顕微鏡)で観察する観察物体の位置は常に主術者の主側顕微鏡(第1の顕微鏡)と同一である。つまり、主側顕微鏡で焦点位置を合わせた観察位置のみを助手用顕微鏡で観察可能である。このため、助手の介助作業のうち上述した直接的に補佐する作業は行えるが、第2の手としての作業を行うことができない。このように、助手用顕微鏡の観察位置や焦点位置(距離)が主側顕微鏡の観察位置や焦点位置(距離)によって依存する、つまり主側顕微鏡に制限される。このため、助手用顕微鏡では、例えば上述した前処置をすることができないなど、不便なことがあった。
【0013】
特許文献2は特許文献1と異なり、術部に対して斜め側方からの観察が可能である。このため、主術者が観察できない角度からの観察が可能となり、術部側面の処置が可能となる。一方、術者と全く同じ角度から観察することができない。このため、高周波で焼灼した後の組織の切除などを行う際、しばしば主術者が把持している処置具や主術者の手などが邪魔になって処置部を観察することができないという問題が生じる。このような場合、例えば主術者が作業を一旦止めて術部から手を抜くといった工程が必要となるので、作業効率の悪化を招いていた。さらに、図15に示すように術部Pが術部の入口部Xに対して奥深い位置にある場合、主側顕微鏡100の観察光軸102に対して助手用顕微鏡101の観察光軸103が一定の角度θを有する。このため、この観察光軸103が術部Pの入口部X付近で遮られてしまい助手用顕微鏡101では主側顕微鏡100の観察位置を観察できないという問題があった。したがって、助手用顕微鏡による観察位置や焦点位置(距離)が主側顕微鏡の観察位置や焦点位置(距離)によって制限されることがあった。
【0014】
これに対して特許文献3では、助手は助手用顕微鏡内の観察光軸上に配置した反射部材を切換えることにより、同軸観察状態および斜め側方観察状態を自由に切換えることが可能である。つまり、助手用顕微鏡で主側顕微鏡の観察位置と同じ位置を観察することが可能である。しかし、切換え手段は、同軸観察状態と2つの斜め側方観察状態との合計3ヶ所に切換えるのみである。したがって、助手用顕微鏡による観察位置や焦点位置(距離)が主側顕微鏡の観察位置によって制限されることがあり、このため助手用顕微鏡は、手術の進行状態や処置部位などに応じて最適な観察状態を得ることは難しい。
【0015】
また、特許文献4では特許文献3と同様に助手用顕微鏡側の観察光軸上の反射部材がその反射面と観察光軸との交点を中心として傾斜可能である。このため、助手は観察位置を自由に変更することができる。しかし、その反射部材の傾斜中心はある一点で固定されているため、視野の変更は自由にできるもののその観察位置を主側顕微鏡と一致させた状態で固定しながら主術者の観察光軸との角度のズレを補正することはできない。したがって、高周波で焼灼した後に組織の切除などを行う際、しばしば主術者が把持している処置具や主術者の手などが邪魔になってその術部を観察することができないという特許文献2と同様な問題が生じる。さらに通常、手術の進行によって術部がより深くなっていくため、主術者は対物レンズのレンズ間距離を移動させて焦点距離を変更しながら(長くしながら)手術を進める。助手もこれに合わせて助手用顕微鏡の観察位置や対物レンズの焦点位置を調整していく。しかし、特許文献4の構成では、図16に示すように、例えば術部が点Pから点P’に進行すると、主側顕微鏡100の観察光軸102と助手用顕微鏡101の観察光軸103との成す角度はθからθ’に大きくなる。このため、助手用顕微鏡101で術部Pは観察できても、術部P’を観察する場合、その観察光軸103が術部の入口部近傍Xで遮られてしまう。したがって、助手用顕微鏡101による観察位置や焦点位置(距離)が主側顕微鏡100の観察位置によって制限され、術部P’を観察できなくなることがあった。そして、助手用顕微鏡101でも術部P’を観察したいときには、主術者は主側顕微鏡100全体を移動させる必要が生じるので、手術全体の効率を低下させていた。
【0016】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、第2の顕微鏡の観察位置および焦点距離が第1の顕微鏡の観察位置に制限されることなく、所定の範囲内で自由に観察位置および焦点距離を変更可能な手術用顕微鏡を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の、観察物体からの光を入射させて観察するための第1の入射光軸を有する第1の顕微鏡と、この第1の顕微鏡の側方に配設され、前記観察物体からの光を前記第1の顕微鏡の第1の入射光軸と異なる第2の入射光軸で入射させて観察するための第2の顕微鏡とを備えた手術用顕微鏡においては、前記第2の顕微鏡に入射させる第2の入射光軸の角度を変更する角度変更手段と、前記第2の顕微鏡への第2の入射光軸を前記第1の顕微鏡への第1の入射光軸に対して略直交する方向に移動させる移動手段とをさらに備え、前記角度変更手段および前記移動手段の少なくとも一方によって第1の顕微鏡に対して前記第2の顕微鏡の観察位置および焦点距離を自由に変更可能としたことを特徴とする。
【0018】
このように、第1の顕微鏡と異なる光軸上の光を観察する第2の顕微鏡はその観察位置を決定する第2の顕微鏡への入射光軸角度を変更可能である。このため、第2の顕微鏡を観察する観察者は、第1の顕微鏡の観察位置に関わらず所定の範囲内で自由な位置の観察を行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について図1ないし図5を用いて説明する。
[構成]
図1に示すように、この実施の形態に係わる手術用顕微鏡1は、主術者(第1の観察者)が操作する第1の観察光学系として主側顕微鏡(主術者用顕微鏡、第1の顕微鏡)2を備えている。この主側顕微鏡2は、その観察位置を3次元的に自由な位置に変更/固定可能にするべく、その本体部(鏡体、ハウジング)2aに一体的に取り付けられた鏡体保持アーム2bによって保持されている。なお、この鏡体保持アーム2bは、例えば図示しない架台アーム(バランスアーム)に支持されている。また、手術用顕微鏡1は、主術者を介助する助手(第2の観察者)が操作する第2の観察光学系として助手用顕微鏡(補助側顕微鏡、第2の顕微鏡)3を備えている。そして、主側顕微鏡2と助手用顕微鏡3とは、主側顕微鏡2に対する助手用顕微鏡3の位置を変化可能に支持した状態で両者を接続する接続部4aによって接続されている。
【0021】
次に、上述した主側顕微鏡2の鏡体2a内に設けられ中心軸O1を有する第1の観察光学系の概略的な光学的構成について説明する。主側顕微鏡2の本体部2aは、例えば脳などの観察物体の術部Pからの中心光軸O1上の光が入射される第1の対物光学系を構成する焦点距離可変式の対物レンズ5を備えている。この対物レンズ5は複数のレンズを光軸O1に沿って並設したレンズ群を備えている。そして、図示しないモータやカム機構などによってレンズ群間距離を変更可能な駆動手段によってその焦点距離fが変更可能となっている。対物レンズ5からの出射光(中心軸O1、左右観察光軸O1L,O1R)上には、左右1対の第1のズーム光学系(変倍光学系)6a,6bが配設されて対物レンズ5と光学的に接続されている。ズーム光学系6a,6bの出射光(左右観察光軸O1L,O1R)上には、対物レンズ5から出射された光束を結像する第1の結像光学系として左右1対の結像レンズ7a,7bが配設されている。さらに、結像レンズ7a,7bの出射光(左右観察光軸O1L,O1R)上には、結像レンズ7a,7bにより生成される観察像を主術者の眼に導く第1の接眼光学系として左右1対の接眼レンズ8a,8bが配設されている。
【0022】
次に、中心軸O2を有する上述した助手用顕微鏡3の概略的な光学的構成について説明する。ところで、図1において助手用顕微鏡3の光学系は便宜上1つの観察光軸のみ示しているが、光学部材によっては主側顕微鏡2と同様にその紙面に対して直交する方向に対して左右1対の光学的構成および光軸を備えている。すなわち、中心軸O2は、図示しない左右観察光軸O2L,O2Rを包含する。図3ないし図5についても同様である。
助手用顕微鏡3の本体部(鏡体、ハウジング)3aは、観察物体の術部Pからの中心軸O2上の光が入射されると、上述した主側顕微鏡2の中心軸O1と略直交する方向に光を反射する反射部材(光軸方向変更手段)であるミラー9を備えている。このミラー9からの反射光(中心軸O2)上には、主側顕微鏡2の対物レンズ5と同様に焦点距離可変式の対物レンズ10が配設されている。そして、対物レンズ10のレンズ群間距離を変更する駆動手段によってその焦点距離gが変更可能となっている。このように、ミラー9および対物レンズ10によってこの実施の形態における助手用顕微鏡3、すなわち第2の対物光学系を構成している。
【0023】
そして、対物レンズ10からの出射光(中心軸O2、左右観察光軸O2)上には、その観察光軸O2を略直交させる垂直方向(上方向)に反射させる反射プリズム11が配設されている。このプリズム11からの出射光(中心軸O2、左右観察光軸O2)上には、左右1対の第2のズーム光学系(変倍光学系)12a,12bが配設されて対物レンズ10と光学的に接続されている。ズーム光学系12a,12bの出射光(左右観察光軸O2)上には、対物レンズ10から出射された光束を結像する第2の結像光学系として左右1対の結像レンズ13a,13bが配設されている。結像レンズ13a,13bからの出射光(左右観察光軸O2)上には、その観察光軸O2の向きを偏向させるプリズム14が配設されている。さらに、プリズム14からの出射光(左右観察光軸O2)上には、結像レンズ13a,13bにより生成される観察像を助手の眼に導く第2の接眼光学系として左右1対の接眼レンズ15a,15bが配設されている。なお、この実施の形態においては第2の対物光学系の一部を構成する反射部材をミラー9で構成しているが、例えばプリズムであっても構わない。
【0024】
次に、図2を用いて主側顕微鏡2と助手用顕微鏡3とを接続する接続部4aの詳細について説明する。図2に示すように、主側顕微鏡2の本体部2aには、水平方向の1軸方向に直線状に延び、例えば矩形断面を有する支持アーム20が一体的に取り付けられている。この支持アーム20は、例えば上面に平面部が形成され、この平面部にギヤとしてラック21が形成されている。そして、この支持アーム20には、矩形の支持アーム20が貫通する貫通孔を少なくとも備え、支持アーム20の軸方向に沿って移動する移動部(可動部)22が配設されている。なお、貫通孔の形状は、支持アーム20の断面形状に依存し、例えば支持アーム20の断面が半円形状などであっても良い。
【0025】
移動部22には、ピニオンギヤ23が支持アーム20の軸方向に対して直交する方向の軸24に一体的に支持されて内蔵されている。このピニオンギヤ23は、支持アーム20の平面部側で支持アーム20のラック21に係合される位置に配置されている。また、ピニオンギヤ23を支持する軸24は、移動部22のハウジングを貫通して配設されている。この軸24の一端には、軸24がその軸回りに回転されるとピニオンギヤ23が同時に回転されるツマミ25が一体的に取り付けられている。このため、ツマミ25が回転させられると、ピニオンギヤ23に係合したラック21上を移動部22が主側顕微鏡2に対して移動する。すなわち、助手用顕微鏡3が主側顕微鏡2に対して接離する方向である矢印30方向(支持アーム20の軸方向)に沿って移動する移動手段、言い換えると反射部材(ミラー9)を主側顕微鏡2の観察光軸O1に対して接離させる反射部材位置変更手段が構成されている。このように、ツマミ25が回転させられると、助手用顕微鏡3の本体部3aが水平方向に移動(スライド)するようになっている。
【0026】
また、助手用顕微鏡3の本体部3aには、一体的に把持部26が設けられている。そして、この把持部26と、移動部22の支持アーム20の貫通孔よりも下部の移動部22との両者には、上述した軸24と平行に設けられていることが好適な軸27が貫通されている。このため、把持部26は、軸27を枢軸として移動部22に対して矢印31の方向に傾斜可能に連結されている。すなわち、助手用顕微鏡3の本体部3aは、軸27を枢軸として移動部22に対して傾斜可能に連結されている。したがって、把持部26、軸27および移動部22により本体部3aを傾斜させる傾斜手段(本体部3aに入射される光軸O2の角度を変更する角度変更手段)が構成されている。なお、この軸27の一端には、軸27を軸中心として回転させるツマミ28が一体的に取り付けられて操作が容易となっている。このように、ツマミ28が回転させられると、助手用顕微鏡3の本体部3aが軸27回り方向(矢印31方向)に傾斜するようになっている。
【0027】
ところで、主側顕微鏡2の中心軸O1と、助手用顕微鏡3のミラー9への入射光軸O2との間の角度は、図1に示す初期状態(基準状態)では例えばαとなっている。このとき、主側顕微鏡2の中心軸O1と、ミラー9を反射した助手用顕微鏡3の中心軸O2とは例えば略直交した状態に設定されている。
【0028】
[作用]
次に、以上の構成による手術用顕微鏡1の作用について説明する。
主術者は主側顕微鏡2を図示しない架台アームを操作して所望の位置に配置して固定する。その後、対物レンズ5の焦点距離を調整して観察焦点位置を観察物(被観察物)の術部P(焦点距離f(図1参照))に合わせる。術部Pからの光(入射光軸O1、左右観察光軸O1L,O1R)が対物レンズ5、ズーム光学系6a,6b、結像レンズ7a,7bおよび接眼レンズ8a,8bを通して所望の観察倍率で主術者に立体観察される。すなわち、主術者は所望の観察倍率で術部Pの観察を行う。
一方、助手は助手用顕微鏡3の対物レンズ10の焦点距離を調整してその焦点位置を術部P(焦点距離g(図1参照))に合わせる。術部Pからの光は主側顕微鏡2への光の入射と同様に、主側顕微鏡2の中心軸(入射光軸)O1に対して角度αだけ傾斜した方向にある助手用顕微鏡3内に中心軸(入射光軸)O2の光が入射される。この助手用顕微鏡3内への入射光束はミラー9、対物レンズ10、プリズム11、変倍光学系12a,12b、結像レンズ13a,13b、プリズム14および接眼レンズ15a,15bを通して助手は立体観察を行う。したがって、助手は、術部Pの主術者の観察画像とは異なる方向から見た同一位置の術部Pの観察画像を、主術者が観察する観察倍率と同一または所望の観察倍率で観察を行う。
【0029】
次に、助手が術部Pとは異なる部位、例えば図3に示す部位Qを観察し、処置をする場合について説明する。この場合、助手は助手用顕微鏡3の把持部26に設けられたツマミ28(図2参照)を助手用顕微鏡3本体が矢印32(図3参照)の方向に傾斜するように回転させる。すなわち、その観察光軸O2は観察光軸O1に対してそのなす角度が角度変更手段によってαからα’に変更される。このため、この角度変更手段は、ミラー9の角度を変更する反射角度変更機構としての機能を備えている。そして、助手は図示しない駆動手段を操作して対物レンズ10の焦点距離gをその観察光軸O2が患部と交差する位置Qに調整する。すなわち、助手は主術者が観察処置している術部Pとは異なる術部Qの立体観察を行うとともに、術部Qの処置を行う。
【0030】
次に、主術者が術部Pの処置を進めるにつれ、術部Pの位置は深く進行する。その位置を便宜上術部P’、その際の対物レンズ5の焦点距離をf’とする(図4参照)。図4に示すように、助手が新たな術部P’を観察する場合、前述と同様に図2に示すツマミ28を回転させ、助手用顕微鏡3を矢印33(図4参照)方向に傾斜させる。すると、その観察光軸O2は術部の入口部Rで遮られてしまい、観察不能となる。そこで、助手は図2に示すツマミ25を回転させる。すると、軸24が回転してラック21に係合されたピニオンギヤ23が回転する。ラック21は主側顕微鏡2に一体的に取り付けられている支持アーム20に設けられているので、移動部22は支持アーム20上をその軸方向に水平移動させられる。つまり、図5に示すように、助手用顕微鏡3が主側顕微鏡2に近接する方向(矢印34の方向)に移動手段によって移動する。このため、主側顕微鏡2と移動部22との間の距離は距離Lよりも小さい距離L’に短縮される。ここで、助手は再度図2に示すツマミ28および対物レンズ10の焦点距離を適当に調整して焦点位置を術部P’に合わせる。このとき、焦点距離はg’である。
【0031】
また、このとき、図5に示すように、主側顕微鏡2の対物レンズ5の中心軸O1と助手用顕微鏡3の観察光軸O2とのなす角度はβからβ’に変更される。助手用顕微鏡3自体が主側顕微鏡2本体に近接しているため、角度β’は図4に示す角度βと比較して縮小され、助手用顕微鏡3の観察光軸O1と主側観察光軸O2との同軸度が上がる。したがって、術部P’からの光は術部の入口部R近傍で遮られることなく助手用顕微鏡3に入射され、助手は主術者と同じ術部P’位置の立体拡大観察を行う。
【0032】
[効果]
以上説明したように、この実施の形態によれば以下のような効果が得られる。この実施の形態においては、助手用顕微鏡3を支持する接続部4aに主側顕微鏡2に対して助手用顕微鏡3の位置をスライドさせる、また、傾斜させるといった簡単な機構を設けた。そうすると、助手は主術者の主側顕微鏡2の観察位置に制限されることなく、簡単な操作で所望の位置の観察を行うことができる。すなわち、主術者および助手はそれぞれ主側顕微鏡2および助手用顕微鏡3の観察位置を所定の範囲内で独立して設定することができる。したがって、助手は、主術者の処置を行い易くするためにより広範囲の組織の剥離作業、また、主術者の次の作業を推測した次の術部の前処置といったような処置などを容易に行うことができる。なお、この手術用顕微鏡1で支持アーム20を長く形成し、軸27回りの回動角度を大きく取れば、より広範囲の術部を観察し、処置することができる。
【0033】
また、主側顕微鏡2の観察光軸O1に対して助手用顕微鏡3の観察光軸O2が接続部4aの水平方向および所定の中心軸に対して傾斜する回転軸方向に対して可変である。術部Pが術部Pの入口部Rに対して奥深い位置P’にある場合、助手はこの観察光軸O2が術部Pの入口部R近傍で遮られることなく観察できるように自由に設定することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図6および図7を用いて第2実施の形態を説明する。但し、この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0035】
[構成]
図6に示すように、第1の実施の形態で説明した助手用顕微鏡3には、主側顕微鏡2に接続する接続部4bとして一体的に支持部40が形成されている。この支持部40は、主側顕微鏡2の中心軸O1に対して直交する方向に延びていることが好適である。そして、この支持部40の助手用顕微鏡3の本体部3a側に対して反対側には、例えばリング状の回転支持部41が一体的に形成されている。そして、主側顕微鏡2の鏡体2aの外周には、リング状に凹溝が形成され、この凹溝に回転支持部41が配設されている。このため、助手用顕微鏡3は、主側顕微鏡2の観察光軸O1回りの矢印42方向に回転可能となっている。このため、主側顕微鏡2の中心軸(入射光軸)O1に対して支持部40の腕の長さ回りに助手用顕微鏡3の中心軸(入射光軸)O2の角度(位置)を変更する第1の角度変更手段が形成されている。したがって、主側顕微鏡2と助手用顕微鏡3とが例えば図1に示す術部P(同一位置)を観察しているときには、その観察方向を様々な方向(360°)から観察することができるようになっている。したがって、所望の方向から観察可能となっている。
【0036】
また、助手用顕微鏡3の鏡体3aには、ミラー9に対して対物レンズ10がある側の反対側に、ミラー9に反射され対物レンズ10に入射される光軸O2と同一軸上に穴部51が形成されている。この穴部51の軸方向に沿って移動可能な軸部46aが設けられている。この軸部46aの先端部には、鏡体3a内で2又に分岐された例えばU字部46bが一体的に形成されている。そして、軸部46aとU字部46bとで例えば音叉を軸方向に潰して横方向に膨らませたような形状を有するフレーム46が形成されている。なお、軸部46aの基端部は、例えば助手が把持して穴部51の軸方向に沿ってスライドさせるスライドツマミ50として形成されている。
【0037】
また、このU字部46bの先端部間にミラー9が配置されている。このミラー9の背面には、このミラー9を一体的に保持するミラー座43が固着されている。このミラー座43はミラー9に反射され対物レンズ10に入射される光軸O2と直交する方向であって、U字部46bの先端部間方向に軸受部44を備えている。この軸受部44には、軸45が一体的に固着されている。そして、この軸45の両端部は、U字部46bの2又状の先端部にそれぞれ支持されている。すなわち、この軸45はフレーム46によって矢印47方向に傾斜可能に支持されている。
【0038】
さらに、助手用顕微鏡3のハウジング3aには、ミラー9に反射され対物レンズ10に入射される光軸O2に沿って1対の長溝48が設けられている。そして、軸45の両端部は、この長溝48で支持されている。また、軸45の両端にはツマミ49が設けられている。すなわち、ミラー座43、軸45およびフレーム46によって反射部材角度変更機構(第2の角度変更手段)が構成されている。また、ミラー座43、軸45、フレーム46および長溝48によって反射部材移動機構(移動手段)が構成されている。
【0039】
[作用]
次に、以上の構成による手術用顕微鏡1の作用について説明する。
主術者は第1の実施の形態と同様に、主側顕微鏡2の位置および対物レンズ5の焦点距離を調整して、その焦点位置を術部Pに合わせて術部Pの立体拡大観察を行う。助手は、その観察位置を術部Pから術部Qに変更させる(図7参照)際、スライドツマミ50を矢印52方向(図6参照)に進退させる。すると、フレーム46に挿入された軸45が長溝48に沿って、同じく矢印52方向に移動する。このため、ミラー座43すなわちミラー9も矢印52方向に移動する。なお、このとき、軸部46aによっても支持されているため、ミラー9は1つの軸方向(矢印52方向)にのみ移動する。
【0040】
さらに、図6に示すツマミ49を矢印47方向に回転させると、軸45が回転してミラー9が矢印47方向に傾斜する。すなわち、図7に実線で示す助手用顕微鏡3の位置において、ミラー9はその実線位置から破線で示す符号53の位置へと移動する。このため、その観察光軸はO2からO2’に変更される。次に、助手は図示しない駆動手段を操作して、その対物レンズ10の焦点距離を調整し、その観察光軸O2’と患部が交差する点である術部Qに焦点位置を合わせる。このため、助手は術者とは異なる術部の観察が可能となる。さらに、異なる術部を観察したい場合には、同様の操作を繰り返して所望の位置の立体拡大観察を行う。
【0041】
また、手術スタイル等により図7に示すような助手用顕微鏡3を主側顕微鏡2に対して左側面に配置できない場合、助手は助手用顕微鏡3全体を把持して、矢印42方向に力をかける。助手用顕微鏡3はその支持部40が回転支持部41に沿って回転させられる。つまり、助手用顕微鏡3は主側顕微鏡2の観察光軸O1回りに回転され、図7に破線で示す符号54の位置に移動する。さらに、助手用顕微鏡3が符号54の位置にある状態で、上述したようにミラー9の角度を符号55の位置で調整し、上述した方向(実線でミラー9を示す位置)とは例えば180°異なる方向(反対方向)から同一の術部Qの立体拡大観察を行う。
【0042】
[効果]
以上説明したように、この実施の形態によれば以下のような効果が得られる。なお、第1の実施の形態と同一の効果については記述を省略する。
本実施の形態では、助手用顕微鏡3内に設けられ、術部P,Qの光を観察光学系(対物レンズ10)に導くミラー9の角度および位置を調整可能とした。このため、助手の眼の位置、すなわちアイポイントを移動することなく、助手は術部の観察位置の変更が可能となる。また、助手が術部の観察位置を変更しても助手用顕微鏡3自体の位置が変わらないため、助手の観察位置の変更に伴い、手術作業空間が減る等、主術者の手術作業に支障をきたすことを防止することができる。
【0043】
さらに、助手用顕微鏡3の本体部3aを主側顕微鏡2に対してその本体部2aの観察光軸O1回りに回転可能に支持した。このため、様々な手術スタイルに応じて助手用顕微鏡3を配置することができる。
【0044】
以下、第1および第2の実施の形態に係わる手術用顕微鏡1の他の構成例(第1および第2の構成例)について説明する。
(第1の構成例)
まず、図8ないし図11を用いて第1の構成例について説明する。但し、この第1の構成例は、上述した第1および第2の実施の形態の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0045】
[構成]
図8に示すように、主側顕微鏡2の鏡体2aと助手用顕微鏡3の鏡体3aとの間にこれらを接続し、助手用顕微鏡3の鏡体3aを移動させる鏡体移動手段に相当する接続部4cが設けられている。
【0046】
次に、図9を用いてこの接続部4cの詳細について説明する。助手用顕微鏡3の鏡体(ハウジング)3aには、例えば矩形断面を有するスライド部材62が例えば鉛直方向に長手方向軸を有するように設けられている。このスライド部材62は、例えば一面に平面部が形成され、この平面部にギヤとしてラック63が形成されている。
【0047】
また、このスライド部材62には、矩形のスライド部材62を貫通する貫通孔56aを少なくとも備え、スライド部材62の軸方向に沿って移動する移動部(可動部)56が配設されている。この移動部56は、スライド部材62に対して直交する方向(水平方向)に軸を有する支持アーム58が設けられ、この支持アーム58に上述した貫通孔56aが形成されている。また、支持アーム58の一端には、リング状の回転支持部61が一体的に形成されている。そして、主側顕微鏡2の鏡体2aの外周には、リング状に凹溝が形成され、この凹溝に回転支持部61が配設されている。このため、助手用顕微鏡3は、主側顕微鏡2の観察光軸O1回り方向に回転可能となっている。このように、主側顕微鏡2の中心軸(入射光軸)O1に対して支持アーム58の腕の長さ回りに助手用顕微鏡3の中心軸(入射光軸)O2の角度(位置)を変更する第1の角度変更手段が形成されている。
【0048】
また、支持アーム58の内部には、ピニオンギヤ64が支持アーム58の軸方向に対して直交する方向の軸に一体的に支持されて内蔵されている。このピニオンギヤ64は、支持アーム58の平面部側で支持アーム58のラック63に係合される位置にある。また、ピニオンギヤ64を支持する軸は、支持アーム58のハウジングを貫通して配設されている。この軸の一端には、その軸回り(矢印66方向)に回転させられるとピニオンギヤ64が同時に回転させられるモータ67が一体的に取り付けられている。このモータ67は、ピニオンギヤ64の中心軸65にその出力軸が取り付けられ、そのモータ67の本体は支持アーム58のハウジングに固定されている。また、中心軸65の他端には、このピニオンギヤ64の回転数を検出するエンコーダ68が設けられている。このため、助手用顕微鏡3の鏡体3aは、主側顕微鏡2の鏡体2aに対して鉛直方向(矢印69方向)に移動可能となっている。
【0049】
次に、図10を用いて制御手段としてモータ67の制御回路について説明する。主側顕微鏡2の鏡体2a内に配置されている対物レンズ5には、第1の焦点距離変更手段として、そのレンズ間距離を変更するモータ70が設けられている。このモータ70の出力軸には、このモータ70の回転数を検出するエンコーダ71が取り付けられている。モータ70には、このモータ70を駆動するドライブ回路73が電気的に接続されている。また、このドライブ回路73には、例えばフットスイッチ等、このドライブ回路73に信号を入力する入力スイッチ72が接続されている。上述したエンコーダ71には、このエンコーダ71からの入力信号に応じて主側顕微鏡2の対物レンズ5の焦点距離を算出する演算回路74が接続されている。また、この演算回路74には、演算回路74からの入力信号に応じて、第2の焦点距離変更手段であるモータ67を駆動するドライブ回路75が接続されている。さらに、モータ67には、モータ67の回転角度を演算回路74に出力するように電気的に接続されたエンコーダ68が配設されている。
【0050】
[作用]
次に、以上の構成による手術用顕微鏡1の作用について説明する。
主術者は第1の実施の形態と同様に、主側顕微鏡2を図示しない架台アームを用いて所望の位置に配置固定する。次に、入力スイッチ72をONにする。ドライブ回路73は、入力スイッチ72からの入力信号により、対物レンズ5を構成するレンズ群のレンズ間隔を変更するモータ70に駆動信号を入力する。これにより、レンズ群を構成する少なくとも一部のレンズが光軸O1方向に移動し、対物レンズ5の焦点距離が変更される。主術者は対物レンズ5の焦点位置が術部Pに一致したことを確認すると、入力スイッチ72から手を離す。すると、ドライブ回路73によるモータ70の駆動が停止する。このようにして主術者は、術部Pの拡大立体観察を行う。またこのとき、助手は主術者と同様に図示しない駆動手段によって助手用顕微鏡3の対物レンズ10の焦点距離を変更して術部Pにその焦点位置を合わせる。このようにして助手は、主術者と同様に術部Pの拡大立体観察を行う。また、演算回路74はこの状態を初期状態として記憶する。
【0051】
手術を進行するにつれ、術部はより深い部位へと進んでいく。例えば、図11に示すように、術部Pから術部P’へと進んでいく。このとき、主術者は入力スイッチ72(図10参照)をONにして、対物レンズ5の焦点位置を術部PからP’に変更していく。ドライブ回路73は入力スイッチ72からの入力信号に応じて、すなわち主術者が入力スイッチ72をOFFにするまでの間、モータ70を駆動する。モータ70は駆動信号に応じて対物レンズ5を構成するレンズ群の少なくとも一部を観察光軸O1方向に移動させる。このとき、モータ70に取り付けられたエンコーダ71はこのモータ70の回転角度を検出し、その検出結果を演算回路74に入力する。演算回路74はエンコーダ71からの入力信号に基づいて対物レンズ5の焦点距離の変化量F(=f’−f)を算出し、モータ67を駆動するドライブ回路75に入力信号を出力する。このモータ67は、ドライブ回路75からの駆動信号に応じて駆動される。すると、回転支持部61のハウジング内部に設けられたピニオンギヤ64が回転する。このため、ピニオンギヤ64の回転に応じて、このピニオンギヤ64に係合されるラック63、すなわちスライド部材62が矢印69方向に移動する。一方、モータ67の出力軸が一体的に取り付けられ、ピニオンギヤ64の中心軸65の他端に取り付けられたエンコーダ68はモータ67の回転角を検出し、その検出結果を演算回路74に出力する。演算回路74はエンコーダ68からの入力信号により、スライド部材62、すなわち助手用顕微鏡3の矢印69方向の移動量を算出する。演算回路74は、助手用顕微鏡3の移動量が、対物レンズ5の焦点距離の変化量Fに等しくなった際、ドライブ回路75への信号出力を停止する。すると、助手用顕微鏡3の矢印69方向への移動が停止する。すなわち、助手用顕微鏡3の焦点位置は、術部P’に一致した状態となる。このようにして、助手用顕微鏡3は、主側顕微鏡2の観察位置の変更による焦点距離の変更に追従して、その観察位置の焦点距離が自動調整される。すなわち、助手用顕微鏡3の焦点位置が主側顕微鏡2の焦点位置に常に一致するように自動調整される。このため、助手は対物レンズ10の焦点調整を行うことなく、術部P’の立体拡大観察を行う。
【0052】
[効果]
以上説明したように、この技術によれば以下のような効果が得られる。
本技術においては、手術の進行に従って主術者が主側顕微鏡の焦点位置を変更した際、その変化分だけ助手用顕微鏡の位置を光軸方向に移動させる鏡体移動手段を設けた。このため、助手は、主術者の観察状態に応じて助手用顕微鏡の焦点位置を変更する必要がなく、常に主術者が観察する術部の観察が可能となる。したがって、助手は常に介助作業に専念することができる。
【0053】
また、主術者は、助手による助手用顕微鏡のセッティング変更に伴う手術作業の中断が生じないので、常に手術に集中することができる。このため、主術者は助手の手術の効率アップを図るとともに自らの手術の効率アップを図ることができる。
【0054】
(第2の構成例)
次に、図12ないし図14を用いて第2の構成例について説明する。但し、この第2の構成例は、上述した第1および第2の実施の形態、第1の構成例の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0055】
[構成]
図12に示すように、主側顕微鏡2の鏡体2aと助手用顕微鏡3の鏡体3aとの間にこれらを接続し、助手用顕微鏡3の鏡体3aを移動させる鏡体移動手段に相当する接続部4bが設けられている。
【0056】
ミラー9の背面には、このミラー9を一体的に保持するミラー座81が固着されている。このミラー座81はミラー9に反射され対物レンズ10に入射される光軸O2と直交する方向であって、支持部40の軸方向に対してその面内で直交する方向に平行に軸受部82を備えている。そして、この軸受部82に軸83が一体的に固着されている。この軸83は助手用顕微鏡3のハウジング3aを貫通しており、その一端にはモータ84の出力軸が一体的に取り付けられている。このモータ84は助手用顕微鏡3のハウジング3aに固定されている。また、軸83の他端にはモータ84の回転角度、すなわち、ミラー9の回転角度を検出するエンコーダ85が装着されている。
【0057】
次に、図13を用いて制御手段としてモータ70,84,88の制御回路について説明する。助手用顕微鏡3の鏡体3a内に配置されている対物レンズ10には、第2の焦点距離変更手段としてそのレンズ間距離を変更するモータ88が設けられている。このモータ88の出力軸には、このモータ88の回転数(角度)を検出するエンコーダ89が取り付けられている。また、上述した演算回路74には、演算回路74からの入力信号に応じて、モータ84に駆動信号を出力するドライブ回路86が接続されている。このドライブ回路86には、上述したモータ84およびエンコーダ85が順次接続されている。また、この演算回路74には、演算回路74からの入力信号に応じて、上述のモータ88に駆動信号を出力するドライブ回路87が接続されている。そして、このモータ88に接続されたエンコーダ89、および上述したモータ84に接続されたエンコーダ85は、その検出結果を演算回路74に出力するように演算回路74に電気的に接続されている。
【0058】
[作用]
次に、以上の構成による手術用顕微鏡1の作用について説明する。この第2の構成例は第1の構成例の変形例であるので、同一の作用については記述を省略する。
第1の構成例と同様に、主術者および助手はそれぞれ主側顕微鏡2および助手用顕微鏡3の焦点位置をそれぞれ術部Pに合わせ、演算回路74はこの状態を初期状態として記憶する。
【0059】
次に、観察対象部位が変更された際、第1の構成例と同様、主術者は入力スイッチ72をONし、主側顕微鏡2の対物レンズ5の焦点位置を変更する。演算回路74は第1の構成例と同様にエンコーダ71からの入力信号に基づいて対物レンズ5の焦点距離の変更量F(=f’−f)を算出する。この計算結果に応じてドライブ回路86に入力信号を出力する。ドライブ回路86はこの入力信号に従って、モータ84に駆動信号を出力する。モータ84はこの駆動信号に従って軸83をその中心軸回りに回転させる。すなわち、ミラー9が矢印90方向に俯仰する。すると、助手用顕微鏡3の観察光軸O2は矢印91方向(観察光軸O2)に回転する。また、ミラー9の俯仰角度がエンコーダ85によって検出されて演算回路74に入力され、演算回路74はミラー9の回転角度から観察光軸O2の回転角度を算出する。そして、観察光軸O2の延長線上に術部P’が位置されるまで、ドライブ回路86に入力信号を出力する。すなわち、モータ84は、エンコーダ85と協働して、観察位置を所望の位置に移動させる移動手段となっている。
【0060】
さらに、演算回路74は術部P’に助手用顕微鏡の観察光軸O2が一致した状態(図14に示す光軸O2’)における、助手用顕微鏡3の対物レンズ10の焦点位置ズレ量G(=g’−g)を算出する。この計算結果に応じて、演算回路74はドライブ回路87に入力信号を出力し、ドライブ回路87はこの入力信号に従ってモータ88に駆動信号を出力する。この駆動信号に従ってモータ88が駆動され、助手用顕微鏡3の焦点距離が変更される。また、エンコーダ89によってモータ88の回転角度が検出され、演算回路74にフィードバックされる。演算回路74はエンコーダ89からの入力信号に基づいて助手用顕微鏡3の対物レンズ10の焦点距離が前述のズレ量Gだけ修正されるまで、ドライブ回路87に入力信号を出力する。すなわち、助手用顕微鏡3の焦点位置は術部P’上に導かれる。このように、助手は、第1の構成例と同様に対物レンズ10の焦点調整を行うことなく、術部P’の立体拡大観察を行う。
【0061】
[効果]
以上説明したように、この第2の構成例によれば以下のような効果が得られる。
本技術においては、主術者による主側顕微鏡2の焦点位置の変更に応じて助手用顕微鏡3内の対物レンズ10の焦点距離および入射光軸O2の入射角度を変更させる調整手段を設けた。このため、助手の眼の位置、すなわちアイポイントを上下方向に移動させることなく、常に主側顕微鏡2の観察位置を観察することが可能となる。したがって、主術者の観察状態に応じて助手の観察状態(観察姿勢)に影響を与えない。さらに、助手用顕微鏡3自体の位置が変わらないため、助手の観察状態によって手術作業空間を減らすことができる等、主術者の手術作業に支障をきたすことがない。
【0062】
また、この構成例の変形例について説明する。図14に示す助手側顕微鏡3の観察位置が主側顕微鏡1の観察位置P’と同じ位置を観察しているか(両者の焦点位置が合っているか)否かを判断する判断材料として、以下のような構成を備えている。
【0063】
主側顕微鏡2および助手用顕微鏡3には、図示しないが顕微鏡2,3から術部P,P’までの焦点距離を測定する焦点距離計測装置を備えている。この計測装置としては、例えばフォコメータ(focometer)が使用される。このため、顕微鏡2,3から術部P,P’までの実際の焦点距離が計測可能となっている。
【0064】
実測した光軸O2の焦点距離g’から、光軸O1の焦点距離f’は、(式1)として、
f’=g’cosθ+(対物レンズ5とミラー9との間の距離)
としても算出される。また、実測した焦点距離f’からg’を算出することも可能である。ただし、θは、光軸O1と光軸O2との間の角度である。また、対物レンズ5とミラー9との間の距離は、光軸O1に沿う方向の距離である。
【0065】
また、顕微鏡2,3の焦点距離は、対物レンズ5,10のレンズ群のレンズの組み合わせやレンズ間距離によって変化する。つまり、対物レンズ5,10の駆動手段で可変可能である。各レンズは、予め使用者(顕微鏡製作者)が設定したものであるので、焦点距離が分かっている。また、上述したように、対物レンズ5,10の駆動手段のモータ70,88にはエンコーダ71,89が設けられている。このため、レンズ群のレンズ間距離を計測することができる。したがって、これらの情報から焦点距離を算出可能である。
【0066】
したがって、(1)焦点距離計測装置で実測した焦点距離(焦点位置)、(2)式1から算出される焦点距離、および、(3)エンコーダ70,88を用いた焦点距離を比較する。すると、図14に示す助手側顕微鏡3の観察位置が主側顕微鏡1の観察位置P’と同じ位置を観察しているか(焦点位置が合っているか)否かを判断する判断材料とすることができる。
【0067】
これまで、いくつかの実施の形態や実施について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0068】
[付記]
(付記項1) 観察物体からの光を入射させる第1の対物光学系と、この第1の対物光学系から出射される光束を結像する第1の結像光学系と、この第1の結像光学系により生成される第1の観察像を第1の観察者の眼に導く第1の接眼光学系と、前記観察物体に対する前記第1の対物光学系の入射光軸とは異なる角度の入射光軸を有する第2の対物光学系と、この第2の対物光学系から出射される光束を結像する第2の結像光学系と、この第2の結像光学系により生成される第2の観察像を第2の観察者の眼に導く第2の接眼光学系とを有する手術用顕微鏡において、
前記第1の対物光学系の入射光軸と前記第2の対物光学系の入射光軸とが成す角度を変更する角度変更手段と、
前記第2の対物光学系の入射光軸を前記第1の対物光学系の入射光軸に略直交する方向に移動させる移動手段と
を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項2) 観察物体からの光を入射する対物光学系と、この対物光学系から出射される光束を結像する結像光学系と、この結像光学系により生成される観察像を観察者の眼に導く接眼光学系と、前記観察物体に対する前記対物光学系の入射光軸とは異なる角度の入射光軸を有する第2の対物光学系と、この第2の対物光学系から出射される光束を結像する第2の結像光学系と、この第2の結像光学系により生成される観察像を第2の術者の眼に導く第2の接眼光学系を有する手術用顕微鏡において、
前記対物光学系の入射光軸と前記第2の対物光学系の入射光軸の成す角度を変更する角度変更手段と、
前記第2の対物光学系の入射光軸を前記対物光学系の入射光軸に略直交する方向に移動する移動手段と
を有したことを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項3) 観察物体からの光を入射する対物光学系と、この対物光学系から出射される光束を結像する結像光学系と、この結像光学系により生成される観察像を観察者の眼に導く接眼光学系からなる主側顕微鏡と、前記観察物体に対する前記主側顕微鏡の対物光学系の入射光軸とは異なる角度の入射光軸を有する第2の対物光学系と、この第2の対物光学系から出射される光束を結像する第2の結像光学系と、この第2の結像光学系により生成される観察像を第2の術者の眼に導く第2の接眼光学系を有する助手用顕微鏡を有する手術用顕微鏡において、
前記助手用顕微鏡を前記主側顕微鏡に対して傾斜させる傾斜手段と、
前記主側顕微鏡の対物光学系の入射光軸に対して略直交する方向に移動する移動手段と
を有したことを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項1ないし付記項3の作用)
主側顕微鏡(対物光学系)に取り付けられた助手用顕微鏡(第2の対物光学系)はその観察位置を決定する焦点距離および対物レンズヘの入射光軸角度が変更可能であるため、助手により主側顕微鏡に対して自由な所望の位置が観察される。
【0069】
(付記項4) 前記第2の対物光学系は観察物体からの光を一方向に反射させる反射部材を有するとともに、前記角度変更手段は、この反射部材の角度を変更する反射角度変更機構からなり、前記移動手段は前記反射部材を光軸方向に移動させる反射部材移動機構からなることを特徴とする付記項1もしくは付記項2に記載の手術用顕微鏡。
(付記項5) 前記第2の対物光学系と、第2の結像光学系と、第2の接眼光学系とを有する助手用顕微鏡を、前記対物光学系と、結像光学系と、接眼光学系とを有する主側顕微鏡に対して、前記対物光学系の入射光軸を中心に回転可能に支持する支持部材を有したことを特徴とする付記項1ないし付記項3のいずれか1に記載の手術用顕微鏡。
(付記項6) 前記対物光学系および第2の対物光学系が、その焦点距離を変更可能な焦点距離可変対物光学系からなることを特徴とする付記項1ないし付記項3のいずれか1に記載の手術用顕微鏡。
(付記項7) 立体観察可能な変倍・焦準光学系を有する鏡体と、この鏡体の対物光軸に対して異なる角度の対物光軸を有する側視鏡とを有する手術用顕微鏡において、
前記鏡体の対物光軸に対して前記側視鏡の対物光軸を移動させる移動手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項8) 前記移動手段は、対物レンズの光軸の傾きが調整可能な角度調整手段であることを特徴とする付記項7に記載の手術用顕微鏡。
(付記項9) 前記調整手段は、前記鏡体の変倍・焦準操作に連動することを特徴とする付記項7または付記項8に記載の手術用顕微鏡。
【0070】
(付記項10) 観察物体からの光を入射し、その焦点距離を変更可能な焦点距離可変対物光学系と、この焦点距離可変対物光学系から出射される光束を結像する結像光学系と、この結像光学系により生成される観察像を観察者の眼に導く接眼光学系と、前記観察物体に対する前記対物光学系の入射光軸とは異なる角度の入射光軸を有する第2の対物光学系と、この第2の対物光学系から出射される光束を結像する第2の結像光学系と、この第2の結像光学系により生成される観察像を第2の術者の眼に導く第2の接眼光学系と、前記第2の対物光学系の焦点位置を変更する焦準手段(焦点変更手段)とを有する手術用顕微鏡において、前記焦点距離可変対物光学系による焦点距離の変更に連動して、前記焦準手段を制御する制御手段を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項10の従来技術および課題)
例えば脳神経外科手術においては、しばしば脳腫瘍などの患部が頭蓋内奥深くに形成されている。このような場合、上述のようにその術部は脳表部から脳深部へと進めて行く必要がある。このようなとき、術部手前側で出血等が発生し、主術者は手前側の処置を再度行わなければならないことも多い。さらに、脳神経外科手術では、術部を様々な方向から観察することが要求される。そのため、助手用顕微鏡を一体的に保持する主側顕微鏡はいわゆるバランスアームと呼ばれる架台アームで支持され、3次元的に自由な位置に配置、固定される。そして、主術者は顕微鏡の位置を変更する度に主側顕微鏡の対物レンズの焦点距離を術部に合わせる。すなわち、主術者は術中、頻繁にその焦点距離を変更して手術を進めていく。
そして、上述した特許文献4に記載の助手用顕微鏡では、助手は主術者が主側顕微鏡の焦準操作を行った後、助手用顕微鏡内の上述した反射部材の反射角度を調整したり、その焦点距離を調整したりする必要がある。しかし、前述のように助手用顕微鏡は主側顕微鏡に一体的に取り付けられているため助手がこのような調整操作を行った場合、例えば顕微鏡全体が揺れるといったことが発生する。すなわち、主術者も助手の調整操作が終了するまで手術作業を中断する必要があり、結果として手術全体の効率低下を招いていた。
このため、主側顕微鏡の焦点距離の変更に応じて助手用顕微鏡の焦点距離の変更作業を要することを除外することができ、常に助手用顕微鏡の焦点位置を主側顕微鏡の焦点位置と一致させる手術用顕微鏡を提供することが望まれていた。
【0071】
(付記項10の作用)
主側顕微鏡(焦点距離可変対物光学系)に取り付けられた助手用顕微鏡(第2の対物光学系)は、主側顕微鏡の焦点距離の変更に応じて常にその焦点位置が主側顕微鏡の焦点位置に一致するべく自動調整される。
【0072】
(付記項11) 観察物体からの光を入射させてその焦点距離を可変可能な第1の焦点変更手段(焦準手段)を有する第1の対物光学系と、この第1の対物光学系から出射される光を入射させて観察者の眼に導く第1の接眼レンズと、前記第1の対物光学系に対する入射光軸とは異なる角度の入射光軸を有し、その焦点距離を可変可能な第2の焦点変更手段(焦準手段)を有する第2の対物光学系と、この第2の対物光学系から出射される光を入射させて観察者の眼に導く第2の接眼レンズとを備えた手術用顕微鏡において、
前記第1の対物光学系の第1の焦点変更手段による焦点距離の変更に連動して、前記第2の対物光学系の焦点距離を第2の焦点変更手段を制御して変更させる制御手段をさらに具備することを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項12) 前記焦準手段は、前記第2の対物光学系と第2の結像光学系と第2の接眼光学系とを有する助手用顕微鏡を、前記焦点距離可変対物光学系と結像光学系と接眼光学系とを有する主側顕微鏡に対して移動させる鏡体移動手段からなることを特徴とする付記項10または付記項11に記載の手術用顕微鏡。
(付記項13) 前記焦準手段は、前記第2の対物光学系において、その焦点距離を変更する焦点距離可変対物光学系からなることを特徴とする付記項10または付記項11に記載の手術用顕微鏡。
(付記項14) 前記制御手段は、前記焦点距離可変対物光学系による焦点位置と前記第2の対物光学系による焦点位置とを常に一致させるべく、前記焦準手段を制御することを特徴とする付記項10または付記項11に記載の手術用顕微鏡。
【0073】
(付記項15) 被観察物からの光を入射させて前記観察物を観察可能な第1の顕微鏡と、
光学像を観察可能な第2の顕微鏡と、
前記第1の顕微鏡に設けられ前記第2の顕微鏡が前記被観察物を観察できるように前記第2の顕微鏡を保持する保持手段と、
前記第2の顕微鏡が前記第1の顕微鏡に対して前記第1の顕微鏡に入射する入射光軸と交わる方向に移動自在になるように前記保持手段に設けられる可動自在の可動部と
を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
(付記項16) 被観察物からの光を入射させて前記観察物を観察可能な第1の顕微鏡と、
前記第1の顕微鏡に保持されて前記被観察物を観察可能な第2の顕微鏡と、
前記第2の顕微鏡に設けられ観察者が前記被観察物の像を観察するための接眼光学系と、
前記被観察物の像が接眼光学系により観察できるように前記第2の顕微鏡に入射させる前記被観察物の光を前記第2の顕微鏡内の所定の位置に反射させる反射部材と、
前記反射部材を前記第1の顕微鏡に入射する入射光軸と交わる方向に移動自在に前記第2の顕微鏡に保持する保持手段と
を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0074】
【発明の効果】
助手用顕微鏡の観察光軸を術部に対して変更可能とした。このため、助手は様々な手術状態、スタイルや手術の進行に応じて好みの観察位置を確実に観察することができる。以上説明したように、本発明によれば、第2の顕微鏡の観察位置および焦点距離が第1の顕微鏡の観察位置に制限されることなく、所定の範囲内で自由に観察位置および焦点距離を変更可能な手術用顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わる手術用顕微鏡鏡体部の概略構成を示す図。
【図2】主側顕微鏡と助手用顕微鏡の取り付け部の詳細を示す図。
【図3】助手用顕微鏡による術部の観察状態を示す概略図。
【図4】助手用顕微鏡による術部の観察状態を示す概略図。
【図5】助手用顕微鏡による術部の観察状態を示す概略図。
【図6】第2の実施の形態に係わる助手用顕微鏡の主側顕微鏡への取り付け、および術部の光を導く光学系の詳細を示す図。
【図7】助手用顕微鏡による術部の観察状態を示す図。
【図8】第1の構成例に係わる主側顕微鏡および助手用顕微鏡からなる顕微鏡鏡体部の概略構成を示す図。
【図9】主側顕微鏡と助手用顕微鏡を接続する接続部の詳細を示す図。
【図10】第1の構成例に係わる助手用顕微鏡の焦点位置を制御する制御回路を示すブロック図。
【図11】観察部位と助手用顕微鏡の観察光軸の関係を示す図。
【図12】第2の構成例に係わる助手用顕微鏡の主側顕微鏡への取り付け、および術部の光を導く光学系の詳細を示す図。
【図13】助手用顕微鏡の焦点位置を制御する制御回路を示すブロック図
【図14】観察部位における助手用顕微鏡の観察光軸の関係を示す図。
【図15】従来の技術に係わる手術用顕微鏡の概略図。
【図16】従来の技術に係わる手術用顕微鏡の概略図。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡、2…主側顕微鏡(第1の顕微鏡)、2a…鏡体(本体部)、2b…鏡体保持アーム、3…助手用顕微鏡(第2の顕微鏡)、3a…鏡体(本体部)、4a…接続部、20…支持アーム、21…ラック、22…移動部、23…ピニオンギヤ、24,27…軸、25,28…ツマミ、26…把持部

Claims (1)

  1. 観察物体からの光を入射させて観察するための第1の入射光軸を有する第1の顕微鏡と、
    この第1の顕微鏡の側方に配設され、前記観察物体からの光を前記第1の顕微鏡の第1の入射光軸と異なる第2の入射光軸で入射させて観察するための第2の顕微鏡と
    を備えた手術用顕微鏡において、
    前記第2の顕微鏡に入射させる第2の入射光軸の角度を変更する角度変更手段と、
    前記第2の顕微鏡への第2の入射光軸を前記第1の顕微鏡への第1の入射光軸に対して略直交する方向に移動させる移動手段と
    をさらに備え、前記角度変更手段および前記移動手段の少なくとも一方によって第1の顕微鏡に対して前記第2の顕微鏡の観察位置および焦点距離を自由に変更可能としたことを特徴とする手術用顕微鏡。
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