JP4301276B2 - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
光変調装置としては、例えば、1対の基板間に液晶が密閉封入された光変調素子(液晶パネル)が一般的に採用される。また、一般的に、光変調素子の光束入射側および光束射出側には、所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
上記のような光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板等の光学素子を備えたプロジェクタでは、光源からの光束により、液晶層、ブラックマトリクス、および各種配線等による光吸収により光変調素子が温度上昇しやすく、また、偏光板にも熱が発生しやすい。
このため、上記のような光学素子を内部に有するプロジェクタにおいて、ヒートパイプを用いて光学素子を冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、液晶パネル等の光学素子から離間した位置にヒートパイプを配設し、ヒートパイプの吸熱部(蒸発部)に冷却フィンを熱的に接触させる。そして、液晶パネル等の光学素子近傍の空気の熱が冷却フィンに伝達され、ヒートパイプにより冷却フィンの熱が奪われ、ヒートパイプの放熱部(凝縮部)に搬送されて放熱される。
ここで、光学素子としては、光変調素子、入射側偏光板、射出側偏光板等の光学素子本体と、光学素子本体を保持する保持枠とを備えた構成や、保持枠を省略し、光学素子本体のみの構成が採用できる。
さらにまた、光学素子およびヒートパイプとしては、互いに接続する各接続部(光学素子側接続部および導熱部材側接続部)が面接触する形状を有していればよく、光学素子側接続部を光学素子の外面とし光学素子の外面の形状に合致するように導熱部材側接続部を形成する構成、導熱部材側接続部をヒートパイプの外面としヒートパイプの外面の形状に合致するように光学素子側接続部を形成する構成、あるいは、光学素子側接続部および導熱部材側接続部が互いに面接触するように各接続部をそれぞれ形成する構成等が例示できる。
また、光学素子およびヒートパイプは、互いに接続する各接続部(光学素子側接続部および導熱部材側接続部)が面接触する形状を有している。このことにより、光学素子およびヒートパイプ間の接触面積を大きくでき、光学素子からヒートパイプへの熱伝達特性を良好とすることができる。
したがって、光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できる。
本発明では、ヒートパイプは、基端部および一対の延出部を有する平面視コ字状に形成され、一対の延出部に導熱部材側接続部がそれぞれ形成されている。そして、ヒートパイプは、一対の延出部に形成された各導熱部材側接続部にて光学素子における互いに対向する各側端部に形成された各光学素子側接続部にそれぞれ熱伝達可能に接続する。すなわち、ヒートパイプは、一対の延出部の少なくとも一部が熱を取り込む蒸発部としてそれぞれ機能し、各蒸発部から離間した側(例えば、基端部)が熱を放熱する凝縮部として機能することとなる。このことにより、ヒートパイプにおいて、管内部での冷媒の還流経路を、各延出部の少なくとも一部の各蒸発部と、各蒸発部から離間した側の凝縮部(例えば、基端部)との間での複数の経路(例えば、2経路)とすることができ、管内部における熱の移動量を増加させることができ、上述した光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できるという効果をより好適に図れる。また、光学素子を効果的に冷却するために、例えば、2つのヒートパイプを光学素子における互いに対向する各側端部にそれぞれ熱伝達可能に接続する構成が考えられるが、本発明の構成では、1つのヒートパイプにて光学素子を効果的に冷却できるため、光学装置の構造を簡素化し、光学装置のコスト低減が図れる。
本発明では、ヒートパイプは、光学素子の外周端部を囲む環形状を有し、環形状の内側部分に互いに対向するように導熱部材側接続部がそれぞれ形成されている。そして、ヒートパイプは、環形状の内側部分に互いに対向するように形成された各導熱部材側接続部にて光学素子における互いに対向する各側端部に形成された各光学素子接続部にそれぞれ熱伝達可能に接続する。すなわち、ヒートパイプは、各導熱部材側接続部が形成された各部位の少なくとも一部が熱を吸熱する蒸発部としてそれぞれ機能し、各蒸発部から離間した側の各導熱部材側接続部間に位置する各部位が熱を放熱する凝縮部としてそれぞれ機能することとなる。このことにより、ヒートパイプにおいて、管内部での冷媒の還流経路を、各導熱部材側接続部が形成された各部位の少なくとも一部の各蒸発部と、各蒸発部から離間した側の各凝縮部(各導熱部材側接続部間に位置する各部位)との間での複数の経路(例えば、4経路)とすることができ、管内部における熱の移動量を増加させることができ、上述した光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できるという効果をより好適に図れる。また、光学素子を効果的に冷却するために、例えば、2つのヒートパイプを光学素子における互いに対向する各側端部にそれぞれ熱伝達可能に接続する構成が考えられるが、本発明の構成では、1つのヒートパイプにて光学素子を効果的に冷却し光学素子の温度上昇を抑制できるため、光学装置の構造を簡素化し、光学装置のコスト低減が図れる。
ところで、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、熱を放熱する凝縮部から熱を吸熱する蒸発部への冷媒(液化した状態)の移動として、重力を利用した方がヒートパイプ内の熱移動が迅速に行われる。このため、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部を蒸発部よりも上方側に配設することが好ましい。しかしながら、このように構成した場合には、例えば、光学装置が搭載されるプロジェクタにおいて、正置き姿勢(机等の設置面上に載置した状態)から天吊り姿勢(正置き姿勢に対して上下が逆となるように天井等から吊下げた状態)に姿勢状態を変更した場合や、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態に姿勢状態を変更した場合等に、凝縮部が蒸発部よりも下方側に位置すると、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施されないこととなる。
また、ヒートパイプの毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部と凝縮部との熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ内の熱移動をより素早く行い、光学素子の冷却効率をより向上させることができる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用および効果を享受できる。
また、プロジェクタは、光学素子を効果的に冷却できる光学装置を備えているので、光学素子の熱劣化を抑制し、投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの概略構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調してカラー画像(光学像)を形成し、このカラー画像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4等を備える。
なお、図1において、具体的な図示は省略したが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等を備えた冷却ユニット、およびプロジェクタ1内部の各構成部材を制御する制御装置等が配置されるものとする。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、光学ユニット4にて形成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投射する。
光学ユニット4は、前記制御装置による制御の下、画像情報に応じてカラー画像(画像光)を形成するものであり、図1に示すように、外装筺体2の前面側から背面側に向けて延出し、延出方向端部が背面に沿って屈曲して延出し、さらに、前面側に向けて屈曲して延出する平面視略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図1に示すように、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、光学部品用筐体46とを備える。
光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、光源ランプ411から射出された光束を略平行化して反射するパラボラリフレクタを用いている。なお、リフレクタ412としては、パラボラリフレクタの他、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ411から射出された光束を所定位置に収束するように反射する楕円面リフレクタを用いてもよい。
第1レンズアレイ421は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ422は、上述した第1レンズアレイ421により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ421と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
この偏光変換素子423は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜および反射膜を交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子423の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子423を用いることにより、光源装置41から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置45で利用する光源光の利用率を向上することができる。
ダイクロイックミラー431,432は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段に配置されるダイクロイックミラー431は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー432は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
また、駆動基板4511Aの外面には、駆動基板4511Aの外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラス4511D(図10参照)が貼り付けられている。対向基板4511Bの外面にも同様に、対向基板4511Bの外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラス4511E(図10参照)が貼り付けられている。そして、これら防塵ガラス4511D,4511Eを貼り付けることで、液晶パネル4511外面に塵埃が付着しても、塵埃がフォーカス位置からずれた状態となり、該塵埃が投影画像上に影となって表示されることを防止できる。
本実施形態では、透光性基板4531としては、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
光学補償フィルム4532は、液晶パネル4511で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償し、液晶パネル4511の明視特性を改善するものである。この光学補償フィルム4532は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向き、かつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この光学補償フィルム4532としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向膜を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
なお、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、偏光軸が平行となるように配置されるとともに、入射側偏光板452の偏光軸と略直交するように配置される。
図2および図3は、光学装置本体45Aの概略構成を示す図である。具体的に、図2は、光変調装置451G側から光学装置本体45Aを見た斜視図である。図3は、光学装置本体45Aの分解斜視図である。なお、図3では、光学装置本体45Aにおいて、光変調装置451G側のみを分解しているが、各光変調装置451R,451B側も光変調装置451G側と同様の構成を有しているものとする。
光学装置本体45Aは、上述した各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455の他、図2または図3に示すように、支持構造体456と、3つの光学素子保持体457と、3つの導熱部材458とを備え、これら各部材451,453〜458が一体化されたものである。
ここで、3つの射出側偏光板454において、各第2射出側偏光板4542は、図2または図3に示すように、偏光膜4542Bが光束入射側に向いた状態でクロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面にそれぞれ接着剤等により固定される。
図4は、光変調装置451の概略構成を示す図である。具体的に、図4(A)は、光変調装置451を光束入射側から見た斜視図である。図4(B)は、光変調装置451を光束射出側から見た斜視図である。なお、図4では、説明の便宜上、光変調装置451から射出される光束の光軸をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をX軸(水平軸)およびY軸(鉛直軸)とする。
保持枠4512は、液晶パネル4511を収納保持する部材であり、図4に示すように、光束入射側に配置される平面視矩形状の保持枠本体4512Aと、光束射出側に配置される平面視矩形状の遮光板4512Bとを備える。
また、保持枠本体4512Aにおいて、光束射出側には、具体的な図示は省略するが、開口部4512A1の周縁部分に、液晶パネル4511における外形形状(段付状)に対応した凹部が形成され、該凹部にて液晶パネル4511を収納保持する。
さらに、保持枠本体4512Aにおいて、四隅角部分には、図4に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、光変調装置451を光学素子保持体457に固定するための固定用孔4512A2がそれぞれ形成されている。
また、保持枠本体4512Aにおいて、下方側(−Y軸方向側)の2つの固定用孔4512A2間の部位は、上方側(+Y軸方向側)に窪み平面視コ字形状の凹部4512A3が形成されている。
さらに、保持枠本体4512Aにおいて、X軸方向両端縁(左右両端縁)におけるY軸方向略中央部分には、図4に示すように、平面視矩形状の凹部4512A4が形成されている。また、凹部4512A4の底面部分には、図4に示すように、遮光板4512Bと接続するためのフック4512A5が形成されている。
この遮光板4512Bにおいて、X軸方向両端縁におけるY軸方向略中央部分には、図4に示すように、保持枠本体4512Aの凹部4512A4と略同一の平面形状を有し、凹部4512A4に形成されたフック4512A5に係合するフック係合部4512B2が形成されている。そして、フック係合部4512B2をフック4512A5に係合させることで、保持枠本体4512Aに遮光板4512Bが固定される。
また、上述した保持枠4512は、熱伝導性を有する材料にて構成されている。
この熱伝導性を有する材料としては、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等のニッケル−鉄合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス等の金属、または、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)等が例示できる。なお、保持枠4512としては、保持枠本体4512Aおよび遮光板4512Bを上述した材料のうち同一の材料で構成してもよく、異なる材料で構成してもよい。このように熱伝導性を有する材料で保持枠4512を構成することで、光束の照射により液晶パネル4511で生じた熱を効率的に保持枠4512に放熱することができる。
この支持構造体456には、図2または図3に示すように、四隅角部分から外側に向けて延出し、光学部品用筐体46の前記部品収納部に接続する腕部4561が形成されている。そして、腕部4561を光学部品用筐体46の前記部品収納部に接続することで、光学装置本体45A全体が前記部品収納部に固定される。
第1支持部4571は、図3に示すように、平面視略矩形状の板状部4571Aと、板状部4571Aの左右両端縁から光束入射側に向けて突出する突出部4571Bとで構成される。
各突出部4571Bには、図3に示すように、鉛直方向に沿って並列する3つの開口部4571B1がそれぞれ形成されている。これら開口部4571B1は、図3に示すように、各突出部4571Bの突出方向に沿って延びる平面視矩形形状を有している。
そして、第1支持部4571は、各突出部4571Bにて第2支持部4572を支持する。また、第1支持部4571は、クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に固定された第2射出側偏光板4542に対して、偏光膜4542Bが開口部4571A1に挿通した状態で板状部4571Aの光束射出側端面が透光性基板4542Aの光束入射側端面に接着剤等により固定される。
第2支持部本体4573は、図3に示すように、平面視略矩形状の板状部4573Aと、板状部4573Aの左右両端縁から光束射出側に向けて突出する突出部4573Bとで構成され、第1支持部4571の各突出部4571B間に配設される。
板状部4573Aには、図3に示すように、図3中、下方側端縁から上方側に向けて切り欠かれ、光束を透過させるための平面視コ字形状の切り欠き4573A1が形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、四隅角部分には、図3に示すように、光変調装置451を固定するための固定用孔4573A2がそれぞれ形成されている。そして、4つの固定用孔4573A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4573A2、および光変調装置451の保持枠4512に形成された4つの固定用孔4512A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4512A2を介して、第2支持部本体4573および保持枠4512を各ねじ459(図3)にて接続することで、光変調装置451が第2支持部本体4573に固定される。
また、この板状部4573Aにおいて、図3中、上方側端部における各角隅部分には、光束射出側に突出し、第2支持部4572にて視野角補償板453を支持した状態で、視野角補償板453の上方側端部に当接し、視野角補償板453の鉛直方向の位置を規制する第1位置規制部4573A4がそれぞれ形成されている。
また、各先端部分4573B1において、図3中、下方側端部には、光束入射側に突出し、第2支持部4572にて第1射出側偏光板4541を支持した状態で、第1射出側偏光板4541の下方側端部に当接し、第1射出側偏光板4541の鉛直方向の位置を規制する第2位置規制部4573B3がそれぞれ形成されている。
また、各突出部4573Bの基端部分4573B2の外側面には、図3に示すように、第1支持部4571の各開口部4571B1に対応して鉛直方向に並列する3つの凸部4573B4がそれぞれ形成されている。そして、これら凸部4573B4は、第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部4572を配設した際に、各開口部4571B1に遊嵌状態で嵌合する。このような構成により、各開口部4571B1(第1支持部4571)に対して各凸部4573B4(第2支持部4572)を摺動させることが可能となり、すなわち、第2支持部4572に固定された光変調装置451(液晶パネル4511)をクロスダイクロイックプリズム455に対して近接隔離する方向に移動させ、フォーカス調整を可能とする。
すなわち、第2支持部本体4573における板状部4573Aおよび各突出部4573Bで囲まれる空間に、光学補償フィルム4532が光束入射側に向いた状態の視野角補償板453、一対の付勢部材4574、および偏光膜が光束射出側に向いた状態の第1射出側偏光板4541を配設する。この状態では、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453が光束入射側に押圧され、視野角補償板453における透光性基板4531の光束入射側端面が第2支持部4572における板状部4573Aの光束射出側端面に当接する。また、一対の付勢部材4574による付勢力により、第1射出側偏光板4541が光束射出側に押圧され、第1射出側偏光板4541における透光性基板4541Aの光束射出側端面が第2支持部4572における各突出部4573Bの各先端部分4573B1に当接する。以上のように、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が第2支持部4572に支持固定される。
ここで、具体的な図示は省略するが、導熱部材458の毛細管構造は、パウダー状の焼結型ウィックで構成されている。また、冷媒としては、水を採用している。なお、前記毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、あるいは、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
この導熱部材458は、プレス加工が施されることで、図5に示すように、光変調装置451の外形形状に対応して光変調装置451の−Y軸方向側端面に沿ってX軸方向に延出する基端部458A、および光変調装置451のX軸方向両側端面に沿ってY軸方向にそれぞれ延出する一対の延出部458B,458Cを有する平面視コ字形状となるように屈曲形成されているとともに、光変調装置451の光学素子側接続部4512C,4512Dに対応してコ字状内側端面がYZ平面に平行する平坦状となる断面視矩形状に形成されている。また、導熱部材458は、図5に示すように、一対の延出部458B,458C間の離間寸法(X軸方向の離間寸法)が光変調装置451におけるX軸方向の外形寸法と略同一となるように形成されているとともに、一対の延出部458B,458Cの延出方向(Y軸方向)の長さ寸法が光変調装置451におけるY軸方向の外形寸法よりも長くなるように形成されている。そして、導熱部材458において、一対の延出部458B,458Cの互いに対向する対向面4581B,4581Cが光変調装置451に熱伝達可能に接続する導熱部材側接続部となる。
上述したように、導熱部材458および光変調装置451が熱伝達可能に接続した状態では、光束の照射により液晶パネル4511に生じた熱は、以下に示すように放熱される。
例えば、液晶パネル4511に生じた熱は、図5の矢印R1に示すように、導熱部材458に熱伝達可能に接続する光学素子側接続部4512C,4512Dに向けて、X軸方向に移動し、保持枠4512に伝達される。
保持枠4512に伝達された熱は、図5の矢印R1に示すように、導熱部材458における保持枠4512に熱伝達可能に接続する導熱部材側接続部4581B,4581Cを介して一対の延出部458B,458CにおけるY軸方向略中央部分に伝達される。
ここで、一対の延出部458B,458CのY軸方向略中央部分の内部では、伝達された熱により冷媒が熱せられて蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として熱が取り込まれる。すなわち、一対の延出部458B,458CのY軸方向略中央部分は、導熱部材458における蒸発部4582A,4582Bとして機能する。
以上のように、液晶パネル4511に生じた熱は、図5の矢印R1に示すように、液晶パネル4511〜保持枠4512〜導熱部材458の熱伝達経路を辿り、導熱部材458における蒸発部4582A,4582Bから凝縮部4583A,4583B,4584への熱移動によって、凝縮部4583A,4583B,4584から外部に放熱される。
本実施形態では、導熱部材458は、ヒートパイプで構成され、光変調装置451に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、導熱部材458が光変調装置451との間に空気を介すことなく、直接、光変調装置451に接続しているので、光変調装置451〜導熱部材458の熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
また、光変調装置451および導熱部材458は、互いに接続する各接続部(光学素子側接続部4512C,4512Dおよび導熱部材側接続部4581B,4581C)が面接触する形状を有している。このことにより、光変調装置451および導熱部材458間の接触面積を大きくでき、光変調装置451から導熱部材458への熱伝達特性を良好とすることができる。
したがって、光変調装置451を効果的に冷却でき、光変調装置451の温度上昇を抑制して光変調装置451(液晶パネル4511)の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、導熱部材458の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部4582A,4582Bと凝縮部4583A,4583B,4584との熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、導熱部材458内の熱移動をより素早く行い、光変調装置451の冷却効率をより向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図6は、第2実施形態における導熱部材558の構造、および導熱部材558と光変調装置451との接続構造を示す斜視図である。なお、図6では、説明の便宜上、光変調装置451から射出される光束の光軸をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をX軸(水平軸)およびY軸(鉛直軸)とする。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図6に示すように、導熱部材558の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
この導熱部材558は、プレス加工が施されることで、図6に示すように、光変調装置451の外形形状に対応して光変調装置451の外周側端部を囲む平面視矩形状の環形状となるように屈曲形成されているとともに、光変調装置451の光学素子側接続部4512C,4512Dに対応して環状内側端面がYZ平面に平行する平坦状となる断面視矩形状に形成されている。また、導熱部材558は、図6に示すように、環状内側部分のX軸方向の長さ寸法が光変調装置451におけるX軸方向の外形寸法と略同一となるように形成されているとともに、Y軸方向の長さ寸法が光変調装置451におけるY軸方向の外形寸法よりも長くなるように形成されている。そして、導熱部材558において、環状内側端面におけるX軸方向に互いに対向する各対向面5581B,5581Cが光変調装置451に熱伝達可能に接続する導熱部材側接続部となる。
なお、第2実施形態における放熱構造は、前記第1実施形態で説明した放熱構造と略同様であり、異なる点は、以下の通りである。
本実施形態では、導熱部材558は、上述したように、前記第1実施形態で説明した導熱部材458に対して一対の延出部458B,458Cの各先端部間が互いに接続し環形状を有しているため、図6に示すように、互いに平行してY軸方向に延出する部分(前記第1実施形態で説明した一対の延出部458B,458Cに対応する部分)のY軸方向略中央部分が蒸発部5582A,5582Bとして機能し、低温側(各蒸発部5582A,5582Bから離間した側)である各蒸発部5582A,5582Bの間に位置する各部位(前記第1実施形態で説明した一対の延出部458B,458Cの各先端部分に対応する部位、前記第1実施形態で説明した基端部に対応する部位、および+Y軸方向側でX軸方向に沿って延びる部位)が凝縮部5583A,5583B,5584,5585として機能する。
そして、液晶パネル4511に生じた熱は、図6の矢印R2に示すように、液晶パネル4511〜保持枠4512〜導熱部材558の熱伝達経路を辿り、導熱部材558における蒸発部5582A,5582Bから凝縮部5583A,5583B,5584,5585への熱移動によって、凝縮部5583A,5583B,5584,5585から外部に放熱される。
本実施形態では、導熱部材558は、光変調装置451の外周端部を囲む環状に形成されている。このことにより、導熱部材558において、前記第1実施形態で説明した導熱部材458における蒸発部4582A,4582Bおよび凝縮部4583A,4583B,4584に対応した蒸発部5582A,5582Bおよび凝縮部5583A,5583B,5584の他、+Y軸方向側でX軸方向に沿って延出する凝縮部5585を設けることができる。すなわち、導熱部材558においては、前記第1実施形態で説明した導熱部材458と比較して、熱を放熱する凝縮部の領域を大きくして放熱面積を大きいものとし、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。したがって、光変調装置451をより効果的に冷却できる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図7は、第3実施形態における導熱部材658の構造、および導熱部材658と光変調装置451との接続構造を示す斜視図である。
図8は、導熱部材658の構造を模式的に示す断面図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図7または図8に示すように、導熱部材658の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
ヒートパイプ6581は、前記第1実施形態で説明した導熱部材458と同様の機能を有するヒートパイプであり、図7または図8に示すように、断面略円形状を有し、光変調装置451の外形形状に対応して光変調装置451の−Y軸方向側端面に沿って延出する基端部、および光変調装置451のX軸方向両側端面に沿って延出する一対の延出部を有する平面視コ字形状となるように屈曲形成されている。また、ヒートパイプ6581は、具体的な図示は省略するが、前記一対の延出部の離間寸法(X軸方向の離間寸法)が光変調装置451におけるX軸方向の外形寸法よりも長くなるように形成されているとともに、前記一対の延出部における延出方向(Y軸方向)の長さ寸法が光変調装置451におけるY軸方向の外形寸法よりも長くなるように形成されている。
そして、この外枠体6582は、図8に示すように、2体に分割形成された第1外枠体6582Aおよび第2外枠体6582Bで構成され、第1外枠体6582Aおよび第2外枠体6582Bが互いに組み合うことでヒートパイプ6581の外周面に熱伝達可能に接続する。
そして、導熱部材658におけるコ字状内側部分に光変調装置451を嵌合する(光変調装置451の−Y軸方向側端部を基端部658Aに当接した状態)ことで、光変調装置451の光学素子側接続部4512C,4512Dと導熱部材658の導熱部材側接続部6582C1,6582C2とが面接触し、光変調装置451および導熱部材658が互いに熱伝達可能に接続する。ここで、導熱部材658および光変調装置451の接続構造としては、前記第1実施形態と同様に、例えば、光学素子側接続部4512C,4512Dと導熱部材側接続部6582C1,6582C2とを半田等により接着固定する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用しても構わない。
なお、第3実施形態における放熱構造は、前記第1実施形態で説明した放熱構造に対して、保持枠4512〜ヒートパイプ6581の熱伝達経路において、外枠体6582が介在している点が異なるのみである。すなわち、液晶パネル4511に生じた熱は、図7の矢印R3に示すように、液晶パネル4511〜保持枠4512〜外枠体6582〜ヒートパイプ6581の熱伝達経路を辿り、導熱部材658(ヒートパイプ6581)における蒸発部6583A,6583Bから凝縮部6584A,6584B,6585への熱移動によって、凝縮部6584A,6584B,6585から外部に放熱される。
本実施形態では、導熱部材658は、ヒートパイプ6581および外枠体6582を備え、ヒートパイプ6581および光変調装置451間に外枠体6582が介在配置された状態で、光変調装置451と面接触する。このことにより、前記第1実施形態で説明した導熱部材458と比較して、光変調装置451およびヒートパイプ6581間に外枠体6582を介在配置させる構成であるので、ヒートパイプ6581にプレス加工等を施す必要がなく、外枠体6582の外面の導熱部材側接続部6582C1,6582C2を光変調装置451の外面(光学素子側接続部4512C,4512D)の形状に合致させる形状に加工するだけでよく、ヒートパイプ6581の特性を良好に維持しつつ、光変調装置451を効果的に冷却でき、光変調装置451の温度上昇を抑制して光変調装置451(液晶パネル4511)の熱劣化を効果的に防止できるという効果を好適に図れる。
また、外枠体6582は、第1外枠体6582Aおよび第2外枠体6582Bの2体に分割形成された構成であるので、ヒートパイプ6581に対する取り付けを容易に実施できる。
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9および図10は、第4実施形態における導熱部材758の構造、および導熱部材758と液晶パネル4511との接続構造を示す図である。具体的に、図9(A)は、光束入射側から見た斜視図である。図9(B)は、光束射出側から見た斜視図である。図10(A)は、側方から見た断面図である。図10(B)は、上方側から見た断面図である。なお、図9および図10では、説明の便宜上、液晶パネル4511から射出される光束の光軸をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をX軸(水平軸)およびY軸(鉛直軸)とする。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図9または図10に示すように、導熱部材758の構造が異なるとともに、光変調装置451における保持枠4512が省略され、導熱部材758が光学素子としての液晶パネル4511を保持固定し、液晶パネル4511を所定位置に配設可能に構成されている点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
この導熱部材758は、プレス加工が施されることで、図9に示すように、液晶パネル4511の外形形状に対応して液晶パネル4511の+Y軸方向側端面に沿って延出する基端部758A、および液晶パネル4511のX軸方向両側端面に沿って延出する一対の延出部758B,758Cを有する平面視コ字形状となるように屈曲形成されている。
また、導熱部材758は、プレス加工が施されることで、図9(A)に示すように、−Z軸方向側(光束入射側)の外面が平坦状に形成されている。そして、前記平坦状の外面7581は、光路前段側に配置される光学素子(例えば、入射側偏光板452)を支持する支持面として機能する。
さらに、導熱部材758は、プレス加工が施されることで、図10に示すように、+Z軸方向側(光束射出側)のコ字状周縁部分が液晶パネル4511の外形形状に対応して−Z軸方向側に窪む平面視コ字状の凹部7582が形成されている。より具体的に、この凹部7582は、図10に示すように、液晶パネル4511の対向基板4511Bおよび防塵ガラス4511Eの外形形状に対応した形状を有し、該凹部7582に対して液晶パネル4511の対向基板4511Bおよび防塵ガラス4511Eを遊嵌状態で嵌合可能に構成されている。また、この凹部7582の底面部分は、図10に示すように、平坦状に形成されている。そして、導熱部材758において、凹部7582の底面部分7582Aが液晶パネル4511に熱伝達可能に接続する導熱部材側接続部となる。
すなわち、導熱部材758を上述した構造とすることで、液晶パネル4511を直接、保持固定するとともに、例えば、光学素子保持体457に対する所定位置に導熱部材758を固定することで液晶パネル4511を所定位置に配設したり、光学部品用筐体46内部に導熱部材758を固定することで液晶パネル4511を所定位置に配設可能とする。
なお、第4実施形態における放熱構造は、前記第1実施形態で説明した放熱構造に対して、液晶パネル4511〜導熱部材758の熱伝達経路において、保持枠4512が省略された点が異なるのみである。すなわち、液晶パネル4511に生じた熱は、図9(A)の矢印R4に示すように、液晶パネル4511〜導熱部材758の熱伝達経路を辿り、導熱部材758における蒸発部7583A,7583Bから凝縮部7584A,7584B,7585への熱移動により、凝縮部7584A,7584B,7585から外部に放熱される。
本実施形態では、導熱部材758は、基端部758Aおよび一対の延出部758B,758Cを有する平面視コ字形状を有し、コ字状内周縁に形成された凹部7582の底面部分(導熱部材側接続部7582A)にて液晶パネル4511を保持固定し、液晶パネル4511を所定位置に配設可能に構成されている。すなわち、前記第1実施形態で説明した光変調装置451に対して保持枠4512を省略し、導熱部材758自体に液晶パネル4511を保持する保持枠としての機能を持たせることができる。このため、保持枠4512を省略でき、光学装置本体45Aの構造を簡素化し、光学装置本体45Aのコスト低減が図れ、ひいては、プロジェクタ1のコスト低減が図れる。
また、保持枠4512を省略できるので、保持枠4512を介することなく、液晶パネル4511に生じた熱を導熱部材758に直接、放熱でき、液晶パネル4511〜導熱部材758間の熱伝達特性を良好にでき、液晶パネル4511の冷却効率を向上できる。
前記各実施形態では、導熱部材458,558,658,758を用いて、光変調装置451や液晶パネル4511を冷却する構成を説明したが、これに限らず、その他の光学素子、例えば、偏光変換素子423、入射側偏光板452、射出側偏光板454等を冷却するように構成しても構わない。
前記各実施形態では、導熱部材458,558,658,758は、平面視コ字形状や、環形状を有するように形成されていたが、光変調装置451の保持枠4512や液晶パネル4511に面接触した状態で熱伝達可能に接続する形状であれば、いずれの形状でも構わない。
前記各実施形態では、光学素子側接続部4512C,4512Dおよび導熱部材側接続部4581B,4581C,5581B,5581C,6582C1,6582C2,7582Aが平坦状に形成されていたが、これに限らず、その他の形状、曲面形状、あるいは、凹凸形状に形成しても構わない。
前記第1実施形態では、導熱部材458は、プレス加工により、断面視略矩形状に形成されていたが、一対の延出部458B,458Cの互いに対向する各対向面4581B,4581Cが平面状に形成されていれば、断面形状は特に限定されない。例えば、図11に示すように、導熱部材458をプレス加工により断面視略三角形状に形成してもよく、あるいは、導熱部材458をプレス加工により断面視半円形状に形成してもよい。
また、前記第3実施形態では、外枠体6582を断面視矩形状に形成していたが、一対の延出部658B,658Cの互いに対向する各対向面6582C1,6582C2が平面状に形成されていれば、断面形状は特に限定されず、上記同様に断面視三角形状や断面視半円形状を有するように形成しても構わない。
本発明では、導熱部材と光変調装置の保持枠や液晶パネルとが互いに面接触した状態で熱伝達可能に接続する構成であればよく、例えば、以下に示す構成を採用しても構わない。
例えば、図13(A)に示すように、光変調装置451´を構成する保持枠4512´の側端部に断面視円形状の導熱部材(ヒートパイプ)458´に対応した切り欠き4512A´を形成しておく。そして、図13(A)の破線に示すように、切り欠き4512A´の先端部分を熱かしめにより折り曲げ、切り欠き4512A´の内壁面を導熱部材458´の外面に面接触させて接続する。
また、例えば、図13(B)に示すように、光変調装置451´´を構成する保持枠4512´´の側端部側に断面視円形状の導熱部材(ヒートパイプ)458´´を挿通可能とする挿通孔4512A´´を形成しておく。そして、図13(B)の破線に示すように、導熱部材458´´の製造時において、導熱部材458´´を挿通孔4512A´´に挿通した状態で、導熱部材458´´を加熱しながら、導熱部材458´´の管内部を加圧して膨らませ、導熱部材458´´の外面を挿通孔4512A´´の内壁面に面接触させて接続する。そして、導熱部材458´´の各端部を封止する。
また、前記各実施形態では、光源装置41を1つのみ用い色分離光学装置43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学装置43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の入射側偏光板452および射出側偏光板454は省略できる。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 入射光束を光学的に変換して射出する光学素子と、
内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記光学素子に熱伝達可能に接続して前記光学素子を冷却するヒートパイプとを備え、
前記ヒートパイプは、前記光学素子の外形形状に合致するようにプレス加工により屈曲形成されるとともに、前記光学素子を遊嵌状態で嵌合させる凹部を備え、
前記凹部と前記光学素子の光束入射側端面とが面接触している
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記ヒートパイプは、平面視コ字状に形成されている
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項1または請求項2に記載の光学装置において、
前記ヒートパイプは、前記光学素子の外周端部を囲む環形状を有している
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されている
ことを特徴とする光学装置。 - 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置を備えている
ことを特徴とするプロジェクタ。
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