JP4294814B2 - ポリ乳酸系フラットヤーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有する乳酸系ポリマーを主成分とした熱可塑性ポリマーからなり、現行の織機で連続製織可能であり、長期間の使用でも優れた強度を保持し、かつ、廃棄後すみやかに分解され、自然環境下に蓄積することのないフラットヤーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、海岸や河川岸側に使用される土のう袋や廃材を入れるフレコンバッグは、古くからポリエチレンやポリプロピレンといった素材から構成されている。これら素材からなる土のう袋やフレコンバッグは、機械的物性に優れ、しかも非常に安価であるため多量に使用されているが、一旦その使命を終え廃棄処分をする際には、内容物を分離しなければならず、手間とコストが非常にかかるという問題があった。
また、これら問題を解決するために、特許第2808192号には、生分解性プラスチックを用いた土のう袋などが例示されている。しかし、上記特許の生分解性プラスチックは、微生物生産のポリエステルからなるプラスチックであるため、分解速度が速く、使用期間が6週間以内と極めて短期間であり、短期間での使用には十分耐えられるものの、ある程度長期にわたり使用される土のう袋などには、不向きであった。
また、近年、微生物分解性脂肪族ポリエステルを用いて押出成形することによりフラットヤーンを得、製袋工程を経て、生分解性の土のう袋やフレコンバッグを作製する試みもなされているが、フラットヤーンの引張強度および結節強度が低く、製袋時の切断が多く、生産ロスが非常に高いことに加え、微生物分解型であるため、短・中期の使用には適するが、長期使用には不向きといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生分解性を有し、現行の織機で連続製織可能で、長期間の使用でも優れた強度を保持したフラットヤーンを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、特定の複屈折を有し、主成分がポリ乳酸である1軸延伸フィルムをスリットして得たフラットヤーンは、現行の織機で安定して製織可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、滑剤を含有する主としてポリ乳酸からなる1軸延伸フィルムを用いたフラットヤーンであって、該フラットヤーンは、ポリ乳酸と実質的に非相溶である生分解性脂肪族ポリエステルを5〜20重量%含有し、該フラットヤーンの相対粘度が1.8以上、複屈折が0.035以下であることを特徴とする土壌分解性ポリ乳酸系フラットヤーンである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のフラットヤーンは、滑剤を含有する主としてポリ乳酸から構成される。ポリ乳酸の構成割合は75重量%以上であることが好ましい。ポリ乳酸成分が75重量%未満では、フラットヤーンに必要な強度が低下する。
ポリ乳酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体であり、数平均分子量は9万〜11万である。
また、本発明の目的から外れない範囲でポリ乳酸に少量の共重合成分を含有していてもよく、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSのアルキレンオキシド付加物等のグリコール成分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分が挙げられる。
【0006】
本発明において、フラットヤーンは滑剤を含有していることが必要である。すなわち、ポリ乳酸の1軸延伸フィルムは、そのままでは滑り性に劣ると共に、縦割れ(フィブリル化)が激しく、織機におけるフラットヤーンの送りがスムーズにいかず、製織工程時の操業性を悪化させる場合があるため、フラットヤーンの滑り性向上とフィブリル化防止のために、滑剤を添加する。
滑剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機物系滑剤、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンなどの脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの長鎖エステルワックスなどの脂肪酸エステル系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられ、特に無機滑剤と有機滑剤の併用は好ましく、具体的には、シリカとエルカ酸アミドあるいはシリカとエルカ酸アミドとステアリン酸アルミニウムなどの併用が好ましい。
【0007】
滑剤の添加には、マスターバッチにより添加する方法や直接添加する方法、あるいは、予めポリ乳酸と実質的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステル中に分散させておき、これをポリ乳酸に添加する方法があり、また、これらの方法を併用することもできる。特に、この両方法を併用して滑剤を添加する場合、マトリックスであるポリ乳酸中に分散した滑剤が与える滑り効果に加え、ポリ乳酸中にミクロ分散した非相溶の樹脂中の滑剤がさらに滑り性を向上させるため好ましい。また、ポリ乳酸にマスターバッチや直接添加される滑剤とポリ乳酸と実質的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステル中に分散させる滑剤とは、同種であっても異なっていてもよい。
滑剤の添加量は、ポリ乳酸と実質的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステルに含有する滑剤量を含め、フラットヤーンの0.5〜5重量%が好ましい。滑剤添加量が0.5重量%未満では、実質的に効果がなく、5重量%を超えるとフィルム製膜時にパック圧が上昇するといった製造トラブルを招くため好ましくない。
【0008】
本発明において、フィブリル化防止やフィルムおよびフラットヤーンに粘りを付与するために、ポリ乳酸と実質的に非相溶である生分解性脂肪族ポリエステルを配合することが必要である
ポリ乳酸と実質的に非相溶である生分解性ポリエステルの具体例としては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステルなどが挙げられる。
脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジオールであるエチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどと、脂肪族ジカルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などの中から、それぞれ1種類以上選んで縮合重合して得られる。
必要に応じてイソシアネート化合物などでジャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。
環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどが代表的に挙げられ、これらから1種類以上選ばれて重合される。
合成系脂肪族ポリエステルとしては、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどとの共重合体などが挙げられる。
生分解性脂肪族ポリエステルとして特に好ましく用いられるのは、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルであり、その具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシルアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙げられる。
【0009】
ポリ乳酸と実質的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステルを配合することにより、フラットヤーンにしっとり感と粘りを与え、収束性を向上させ、フィブリル化を起こりにくくするとともに、フラットヤーンの結節強度が向上する効果もある。生分解性脂肪族ポリエステルの配合量は、フラットヤーンの5〜20重量%が必要である。生分解性脂肪族ポリエステルの配合量が5重量%未満であると、得られるフラットヤーンにしっとり感と収束性を付与できず、フィブリル化が激しくなる。また20重量%を超えると、ポリ乳酸の良好な機械的特性が損なわれる。
【0010】
本発明のポリ乳酸系フラットヤーンには、本発明の目的を損なわない範囲において、滑剤の他にアンチブロッキング剤、および制電、難燃、耐光、防汚、紫外線防止、可塑剤等の機能性の付与を目的とした添加剤、艶消剤、顔料等を配合しても差し支えない。
【0011】
本発明のフラットヤーンの相対粘度は、少なくとも1.8以上、好ましくは1.95以上であることが必要である。ここでいう相対粘度とは、溶媒としてフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用い、温度20℃、濃度0.5g/dlの条件で測定した溶液粘度をいう。フラットヤーンの相対粘度が1.8に満たない場合は、フラットヤーンの引張強度が低く、製織時に切断し、好ましくない。
【0012】
本発明のフラットヤーンで重要な特性は、フィルムの複屈折である。複屈折は0.035以下、好ましくは0.033以下であることが必要である。ここでいう複屈折は、偏光顕微鏡を用いたレターデーション法で測定する。複屈折が0.035を超えると、配向が進んでいるためにトラバースによる紙管での巻き取り時にフラットヤーンがこすれて縦割れ(フィブリル化)を起こし、製織工程においてフィブリル化が原因で切断し、操業性が著しく悪化するため好ましくない。
【0013】
また、本発明のフラットヤーンは繊度が500〜6000デシテックス、引張強度が2.2cN/dtex以上、かつ、結節強度が2.2cN/dtex以上であることが好ましい。
フラットヤーンの繊度が500デシテックスよりも小さいと、絶対強力が不足し、織機における製織工程中にフラットヤーンが引きちぎれてしまうとともに、仮に製袋できたとしても袋としての強力が低く、作業中に破袋してしまう恐れがあるため好ましくない。一方、6000デシテックスを超えると、織機の規格に合わず製織できないことがある。また、結節強度が2.2cN/dtex未満であると、織機での製織工程において、フラットヤーンが切断してしまう。
フィルムの厚さや幅は特に限定されないが、製織するときの作業性や、必要強度を考えて上記繊度の範囲に入るよう設計すればよい。
【0014】
本発明のポリ乳酸系フラットヤーンの材料として用いられるポリ乳酸系フィルムを製膜する方法としては、例えば、溶融キャスト法、溶融押出法、カレンダー法などの方法を用いることができるが、工業的には溶融押出法が一般的である。
溶融押出法としては、公知のTダイ法、インフレーション法などを適用することができる。押出温度は、170〜250℃、好ましくは、190〜230℃の範囲である。成形温度が低すぎると、製膜成形が不安定となり、高すぎるとポリ乳酸が分解して、得られるフィルムの強度が低下したり、着色するなどの問題が発生し好ましくない。
本発明におけるポリ乳酸系フィルムは、1軸延伸することが必要である。2軸延伸フィルムから得られるフラットヤーンでは、分子が縦横に配向しているため、横方向に亀裂が少しでも存在すると、容易に切断し、製織工程時の切断多発に通ずるため好ましくない。1軸延伸する場合には、縦方向に4〜8倍延伸することが好ましい。延伸倍率が低すぎると、延伸斑を生じるだけでなく、十分に満足しうる強度を有するフィルムが得難く、また、高すぎると分子配向して複屈折が高くなり、トラバースによる縦割れ(フィブリル化)が多発するため好ましくない。
延伸温度は、用いるポリ乳酸のガラス転移温度(Tg)以上、(Tg+65)℃以下の範囲が好ましい。延伸温度がTg未満では延伸が困難であり、(Tg+65)℃を超えると延伸による強度向上が認められないことがある。また、耐熱性および寸法安定性を増すために延伸後、緊張下で70℃以上、融点未満の温度で熱処理を行ってもよい。
本発明のフラットヤーンは、現行の織機で製織し、土のう袋やフレコンバッグなどに容易に加工できる。また、これらフラットヤーンからなる土のう袋やフレコンバッグは、長期間の使用に耐え、その役割を終えると例えば、蒸気を使用して高温多湿環境下にしたり、アルカリ散布などによる人為的および積極的方法により分解を促進でき、廃棄後自然界環境下に蓄積することはない。
【0015】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例において用いた各物性値の測定法は次の通りである。
(1)フラットヤーンの引張強度、結節強度:JIS Z 1533に準じて測定した。
(2)織布の引張強力:JIS Z 1096に準じて測定した。
【0016】
実施例1
数平均分子量が10万でD%が1モル%のポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)90重量%に対し、シリカとエルカ酸アミドを各々5重量%含有したポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製、ビオノーレ)を10重量%(以下、滑剤を含有したビオノーレをビオノーレマスターと略称する)をチップ混合して、200℃において丸ダイが装着された押出機を用いて、インフレーション法により溶融混練して押し出し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをスリットした後、120℃に加熱し、長さ方向にロール法にて7倍に1軸延伸し、1100デシテックスと3300デシテックスのフラットヤーンを得た。これらフラットヤーンの各種物性値を表1に示す。
次に、1100デシテックスのフラットヤーンをウオータージェット織機で、3300デシテックスのものはスルザー織機にて製織し、平織り織布を得た。得られた織布の物性値を表1に示す。
【0017】
参考例
実施例1で用いたポリ乳酸80重量%に対し、エルカ酸アミドを10重量%含有したポリ乳酸(数平均分子量10万、D%が1モル%)マスターバッチ(エルカ酸アミドマスターと略称する)を20重量%をチップ混合した以外は、実施例1と同様にしてフラットヤーンと織布を得た。これらの各種物性値を表1に示す。
【0018】
実施例
実施例1で用いたポリ乳酸85重量%に対し、ビオノーレマスターを10重量%、エルカ酸アミドマスターを5重量%をチップ混合した以外は、実施例1と同様にしてフラットヤーンと織布を得た。これらの各種物性値を表1に示す。
【0019】
比較例1
滑剤を添加しないで、延伸倍率を4.3倍にした以外は、実施例1と同様にしてフラットヤーンと織布を得た。これらの各種物性値を表1に示す。
【0020】
比較例2
数平均分子量3万でD%が1モル%のポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)を使用した以外は実施例1と同様にしてフラットヤーンと織布を得た。これらの各種物性値を表1に示す。
【0021】
比較例3
延伸倍率を10倍に変更した以外は、実施例1と同様にしてフラットヤーンを得た。これらフラットヤーンの各種物性値を表1に示す。
【0022】
比較例4
ポリ乳酸の代わりにポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製、ビオノーレ)を用いて、延伸倍率を4倍にした以外は、実施例1と同様にして1100デシテックスのフラットヤーンと織布を得た。これらの各種物性値を表1に示す。
【0023】
実施例1〜2、参考例では、引張強度、結節強度に優れ、フィブリル化も全くないフラットヤーンが得られ、これより引張強力に優れた織布が得られた。また、製織工程でもトラブル無く、製織できた。河川岸放置6カ月後でも強力の低下はなく、長期使用が可能であった。
比較例1では、滑剤が配合されていないポリ乳酸であったため、スベリ性が悪く、ロールへの巻き付きや白化などにより延伸倍率が4.3倍までしか設定できなかった。そのため得られたフラットヤーンの引張強度と結節強度の低いものであった。また、スベリ性も悪かったため製織工程での切断トラブルが多発し、得られた織布の強力も低いものであった。
比較例2では、使用したポリ乳酸の分子量が低かったために、得られたフラットヤーンの相対粘度も低く、そのため引張強度、結節強度の低いものであった。このため、得られた織布も強力の低いものであった。また、フラットヤーンの結節強度が低かったため、機械製織に耐えられず、切断が多発した。河川岸放置6カ月後の強力はやや低下しているものの問題ない程度であった。
比較例3は、延伸倍率が10倍であったため、得られたフラットヤーンはフィブリル化が激しく、そのため引張強度と結節強度の低いものであり、織機による機械製織ができなかった。
比較例4は、使用樹脂が生分解性脂肪族ポリエステルであるビオノーレであったため、実施例1と同様の7倍延伸すると白化が激しく、4倍までの延伸しかできなかった。このため、結節強度の低いものであった。また、河川岸放置6カ月後の強力低下が著しく、長期の使用に耐えられないものであった。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、滑剤を含有し、主としてポリ乳酸からなる1軸延伸フィルムをスリットし、相対粘度が1.8以上、複屈折が0.035以下となるようにして得られるフラットヤーンは、強度に優れ、滑り性が格段に向上するため機械製織による織布も容易であり、かつ、土壌分解性をも有したものである。また、ポリ乳酸と実質的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステルを配合することにより、フラットヤーンにしっとり感と粘りを与え、収束性を向上させ、フィブリル化を起こりにくくするとともに、フラットヤーンの結節強度が向上する効果もある。そして、このようなフラットヤーンは、土のう袋やフレコンバッグなどの用途に好適である。

Claims (2)

  1. 滑剤を含有する主としてポリ乳酸からなる1軸延伸フィルムを用いたフラットヤーンであって、該フラットヤーンは、ポリ乳酸と実質的に非相溶である生分解性脂肪族ポリエステルを5〜20重量%含有し、該フラットヤーンの相対粘度が1.8以上、複屈折が0.035以下であることを特徴とする土壌分解性ポリ乳酸系フラットヤーン。
  2. 1軸延伸フィルムの延伸倍率が4〜8倍であり、フラットヤーンの繊度が500〜6000デシテックス、引張強度が2.2cN/dtex以上、かつ、結節強度が2.2cN/dtex以上であることを特徴とする請求項記載のポリ乳酸系フラットヤーン。
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