JP4290797B2 - 真正性識別方法並びに真正性識別体 - Google Patents

真正性識別方法並びに真正性識別体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード,商品券,金券,切符,紙幣,パスポート,身分証明書,証券,公共競技投票券などの対象物の真偽判別を容易に行う真正性識別方法並びに真正性識別体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クレジットカードや証書,金券類の偽造を防止する方法として、偽造防止対象物に偽造の困難な真正性識別媒体を貼付し、これを目視又は機械的に真正性を判定する方法が知られている。このような真正性識別媒体は、ホログラム、液晶性フィルム、延伸フィルムなどを応用したものがある。
ホログラムを応用したものとしては、文字や絵柄をホログラム像として、目視判別するもの、数値コードや特定のパターンをホログラム像として、機械認識するもの及び両者の組み合わせたものなどがある。ホログラム像は、通常のカラーコピー装置等では複製できず偽造防止に有効であること、意匠性が高いこと、製造が困難なことなどから、広く普及してきている。
液晶性フィルムを応用したものとしては、見る角度によって反射色が変化するコレステリック液晶を用いる方法(特開昭63−51193号公報)や、光学的異方性を有するネマチック液晶などを用いる方法(特開平8−43804号公報)などが提案されている。
延伸フィルムを応用したものとしては、延伸フィルム上に、隠しマークを形成し、判別具で視認することで、その隠しマークが見えるか否かで真偽判定する方法(特開平9−68926号公報)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来のホログラムを応用したものは、近年のホログラム製造技術の普及に伴って、偽造品製造が可能となってきており、偽造防止効果が低下している。
また、液晶性フィルムを応用したものは、液晶性フィルム偽造が困難であるが、実施者自身が量産することも困難であるので、真正性識別媒体として普及していない。
さらに、延伸フィルムを応用したものは、判別具が必要であり、判別具がなければ、真偽判定することができない。また、目視判定するので、誤認する可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、真正性識別を目視又は機械で簡単におこなえる真正性識別方法並びに真正性識別体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない
【0008】
請求項の発明は、基材(11)と、前記基材(11)の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層(12)と、前記反射層(12)に形成され、透過する光に対して複屈折により位相差を与え、所定の偏光方向の光にする複屈折層(13)とを備える真正性識別体(10)の真正性識別方法であって、所定の単一波長の直線偏光(22)を入射して、その直線偏光(22)を前記複屈折層(13)の複屈折により楕円偏光(23)に変換し、その楕円偏光(23)を前記反射層(12)によって反射して、その反射した楕円偏光(24)が前記複屈折層(13)により変換されて前記真正性識別体(10)から出射された第2の直線偏光(25)の偏光方向を検出器によって検出し、前記第2の直線偏光(25)の偏光方向が、前記直線偏光(22)の偏光方向と直角であるか否かによって真正性を識別する第1真正性識別方法と、特定の偏光方向の光のみを透過する偏光層(14)を前記真正性識別体(10)にあて、前記真正性識別体(10)を傾けながら目視によって観察し、色変化が生じるか否かで判定する第2真正性識別方法とのいずれか又は両方を用いて前記真正性識別体(10)の真正性を識別することを特徴とする真正性識別方法である。
【0009】
請求項の発明は、請求項1に記載の真正性識別方法において、直線偏光(22)は、特定の偏光方向の光のみ透過する第1の偏光層(14)を透過した透過光であることを特徴とする真正性識別方法である。
【0010】
請求項の発明は、請求項に記載の真正性識別方法において、前記第1真正性識別方法では、前記第1の偏光層と同一であって特定の偏光方向の光のみ透過する第2の偏光層(14)を透過するか否かによって、前記第2の直線偏光(25)の偏光方向を検知することを特徴とする真正性識別方法である。
【0011】
請求項4の発明は、基材(11)と、前記基材(11)の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層(12)と、前記反射層(12)に形成され、透過する光に対して複屈折により位相差を与え、所定の偏光方向の光にする複屈折層(13)とを備え、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の真正性識別方法を用いて真正性を識別可能であることを特徴とする真正性識別体(10)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の真正識別体において、前記反射層(12)と前記複屈折層(13)との間にホログラム又は回折格子が形成された層を備えることを特徴とする真正性識別体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による真正性識別方法に使用する真正性識別体の第1実施形態を示す図である。図中、(A)は、平面図、(B)は、(A)のB−B断面図である。
真正性識別体10は、基材11と、反射層12と、複屈折層13と、偏光層14とを備える。真正性識別体10は、カード状に形成されている。
【0025】
基材11は、この真正性識別体の担体となる基材である。基材11は、その材料として、一般的に使用されるプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリビニルアルコール(PVAL),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリカーボネート(PC),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS),アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS),ポリメチルメタクリレート(PMMA),セルロースアセテートブチレート(CAB),セルロースプロピオネート(CP)等のフィルム)などを好適に用いることができる。また、プラスチックフィルムと比べて平滑性が劣る基材(例えば、上質紙,アート紙,コート紙,合成紙その他の紙等)などであってもよい。
【0026】
反射層12は、入射した光を反射する層であり、基材11に形成されている。反射層12は、アルミニウム,スズ,金などの金属を蒸着,スパッタ等の工法により、金属薄膜化して形成する。また、反射層12は、アルミニウム等の金属を含有する塗布型インキをコーティング又は印刷して形成してもよい。一般に、塗布型インキによって形成した塗布膜は、蒸着膜に比べて、平滑性(鏡面性)が劣るが、本発明では、鏡面である必要はなく、反射光を目視又は検出器で検知できれば十分であるからである。
反射層12の厚さは、特に、限定されないが、光を反射するという機能を十分果たすために、500Å程度以上であることが望ましい。
【0027】
複屈折層13は、入射した光を複屈折する層であり、反射層12に形成されている。複屈折は、媒質の屈折率が、偏光方向によって均質でないため生じる現象であり、このような媒質を透過した光の位相差σは、
σ=2π(ne −no )d/λ
e :常光線屈折率
o :異常光線屈折率
d :媒質の厚さ
λ :光の波長
で、与えられることが知られている。すなわち、位相差σは、厚さdとともに、光の波長λにも依存する。
複屈折層13は、後述の通り、偏光層14とともに、色変化を生じさせる。
【0028】
複屈折層13は、延伸工程で作製されたプラスチック・フィルムで形成することができる。延伸とは、プラスチックを融点以下ガラス転移点以上の適当な温度で引き延ばしてフィルムを作製する工法であり、その引き延ばす方向によって、一軸延伸、二軸延伸などがある。本発明においては、屈折率異方性が存在すればよいため、一軸延伸、二軸延伸のいずれの工法で作製したフィルムでも使用することができる。
具体的には、複屈折層13は、セロハン,ポリエステル,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリビニルアルコール(PVAL),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリスチレン(PS),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),ナイロン等を材料とする延伸フィルムを用いて形成することができる。
【0029】
複屈折層13は、反射層12に接着して形成する。この接着には、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール系樹脂,フラン系樹脂,尿素系樹脂,メラミン系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン系樹脂,エポキシ系樹脂その他の樹脂)、熱硬化性樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,ポリ(メタ)アクリル系樹脂,ニトロセルロース,ポリアミドその他の樹脂)、ゴム(例えば、ブタジエン−アクリロニトリルゴム,ネオブレンゴムその他のゴム)、ニカワ、天然樹脂、カゼイン、ケイ酸ナトリウム、デキストリン、でんぷん、アラビアゴム等のうち、1種類又は2種類以上を主成分とする接着剤を使用することができる。また、これらの接着剤は、溶液型,エマルジョン型,粉末型又はフィルム型のいずれでもよい。さらに、これらの接着剤は、常温固化型,溶剤揮発固化型又は融解固化型のいずれでもよい。
【0030】
偏光層14は、特定の偏光方向の光のみ透過させる層であり、複屈折層13に形成されている。偏光層14は、ポリビニルアルコール(PVAL)などの延伸フィルムに二色性色素等の色素を吸収させた偏光フィルム・シートなどで形成することができる。偏光層14は、そのような偏光フィルム・シートを複屈折層13に接着して形成する。この接着には、上述した、複屈折層13を反射層12に接着する接着剤と同様の接着剤を用いることができる。
【0031】
図2は、真正性識別体が着色されて見える理由を説明する模式図である。
(1)白色光源20の光21のなかで、偏光層14の偏光方向と一致する直線偏光22のみが、偏光層14を透過する。
(2)(1)において、偏光層14を透過した直線偏光22は、複屈折層13で波長λごとに、異なる位相差σ(=2π(ne −no )d/λ)の楕円偏光23に変換される。
(3)(2)において、変換された楕円偏光23は、反射層12で反射され、反射光24になる。
【0032】
(4)(3)において、反射した反射光24は、複屈折層13で波長λごとに、異なる位相差σ(=2π(ne −no )d/λ)が与えられ、楕円偏光25に変換される。
(5)(4)において、変換された楕円偏光25のうち、偏光層14の偏光方向と一致する直線偏光成分26のみが、偏光層14を透過する。
(6)楕円偏光25の偏光状態は、波長ごとに異なるため、(5)において偏光層14を透過する光の量は、波長ごとに異なる。よって、入射光21が白色光であっても、識別体からの反射光26は、波長強度分布が異なるため、その強度分布に応じた色彩に着色されたように見える。
【0033】
図3は、真正性識別体が見る角度によって色変化する理由を説明する模式図である。
光源20aから照射された光は、偏光層14、複屈折層13を透過し、反射層12で反射して、再び、複屈折層13、偏光層14を透過する。
一方、光源20bから照射された光も同様に、偏光層14、複屈折層13を透過し、反射層12で反射して、再び、複屈折層13、偏光層14を透過する。
このとき、光源20aから照射された光と、光源20bから照射された光とは、複屈折層13を透過する距離が異なるので、偏光層14を透過した光の波長強度分布も異なり、違う色に見える。
【0034】
(真正性識別方法)
識別者は、真正性識別体10を、以下のように使用して、真正識別する。
(1)識別者は、真正性識別体10を目視して、色を確認する。
(2)(1)において、色を確認した識別者は、真正性識別体10を傾ける。
このとき、識別者は、真正性識別体10が色変化するときは、真正品であると識別することができ、色変化しないときは、偽造品であると識別することができる。
【0035】
本実施形態によれば、真正性識別体10は、見る角度によって色変化するので、簡単に真正性識別することができる。
すなわち、カラーコピー等による偽造品では、色変化しないので、容易に偽造品であることが分かる。
また、真正性識別体10は、見る角度によって色変化するので、意匠性に富む。
さらに、複屈折層13は、プラスチック・フィルムで形成することができるので、安価に量産することができる。
【0036】
(第2実施形態)
図4は、本発明による真正性識別方法に使用する真正性識別体の第2実施形態を示す図である。図中、(A)は、平面図、(B)は、(A)のB−B拡大断面図である。図5は、本発明による真正性識別体の第2実施形態の使用方法を示す模式図である。
なお、以下に示す各実施形態では、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
真正性識別体10は、基材11と、反射層12と、複屈折層13と、接着層15とを備える。真正性識別体10は、ラベル状に形成されている。
本実施形態の真正性識別体10は、偏光層14を備えないが、接着層15を備える点で、第1実施形態と相違する。
真正性識別体10は、商品券30に貼付されている。
【0037】
(第1真正性識別方法)
識別者は、真正性識別体10を、以下のように使用して、真正識別する。
(1)識別者は、単一波長の直線偏光であるレーザ光22を真正性識別体10に照射する。
このとき、光の波長は、
λ=4(ne −no )d
である。複屈折層13は、このような光を入射すると、位相差σ=π/2の光を射出する、いわゆるλ/4板として働く。
すなわち、複屈折層13は、λ/4板として働いて、入射した直線偏光22を円偏光23に変換して射出し、反射してきた円偏光24を入射して、直線偏光25に変換して射出する。
このとき、直線偏光25の偏光方向は、直線偏光22の偏光方向に対して、90度回転している。
【0038】
(2)において、真正性識別体10にレーザ光22を照射した識別者は、真正性識別体10で反射してきた反射光25の偏光方向を検出器で検出する。
このとき、識別者は、反射光25の偏光方向が照射したレーザ光22の偏光方向と90度異なるときは、真正品であると識別できる。
【0039】
(第2真正性識別方法)
識別者は、真正性識別体10を、以下のように使用して、真正識別する。
(1)識別者は、真正性識別体10を目視して、色を確認する。このとき、複屈折層13は、無色透明に見える。
(2)(1)において、真正性識別体10を確認した識別者は、真正性識別体10に偏光フィルム14による判別具をあてて、複屈折層13の色を確認する。この偏光フィルム14は、上述の偏光層と同様の構造のものであり、ポリビニルアルコール(PVAL)などの延伸フィルムに二色性色素等の色素を吸収させた偏光フィルム・シートなどで形成されている。
このとき、複屈折層13は、着色されて見える。
(3)(2)において、判別具をあてて色を確認した識別者は、その判別具をあてたまま真正性識別体10を傾けて見る。
このとき、識別者は、複屈折層13が色変化するときは、真正品であると識別でき、色変化しないときは、偽造品であると識別できる。
【0040】
本実施形態によれば、所定の単一波長光を照射して、その反射光を検出することで、容易に、真正品を識別することができる。万一、偽造しようとしても、複屈折層13の厚さまで、真正品と一致させることはできない。そのため、反射光の偏光方向が真正品と異なり、偽造品であることが、確実に、識別できる。
また、複屈折層13は、偏光フィルム14による判別具をあてて、見る角度を変えると、色変化するので、簡単に、真正性識別をすることができる。
さらに、複屈折層13は、通常は、無色透明に見えるので、第三者に、真正性識別体であることを悟られない。
【0041】
(第3実施形態)
図6は、本発明による真正性識別体の第3実施形態を示す図である。図中、(A)は、平面図、(B)は、(A)のB−B断面図である。
真正性識別体10の反射層12は、意匠性又は情報性等を持たせるために、文字、絵柄等の形状に形成させている。
反射層12に対して、意匠性又は情報性を持たせる方法としては、一様に形成された反射層に、レーザ光を照射して、反射層を破壊し、パターニングを行う方法がある。
この場合、まず、アルミ蒸着膜による反射層12を500〜1000Å程度の厚さで一様に基材11の上に形成した後、50W程度のYAGレーザ光を照射して、反射層12の一部を破壊して形成する。
このように、レーザ光を文字、絵柄状に走査することで、反射層12を文字、絵柄状にパターニングすることができる。
レーザ光によるパターニングは、反射層形成後であれば、複屈折層を積層する前、あるいは複屈折層積層後、さらには、その上に偏光層を積層後でも可能である。
【0042】
複屈折層の例として挙げたポリエステル、ポリプロピレンなどのフィルムは、可視光領域には光の吸収がなく、近赤外領域においても、その吸収が少ないものが多い。よって、YAGレーザ光(波長1064nm)は、これらの複屈折層を透過することができる。すなわち、反射層の上に複屈折層を積層後、レーザ光を照射することによって、反射層のみをパターニングすることができる。
また、偏光層は、特定の直線偏光成分のみを吸収するため、同じ向きの直線偏光又は円偏光などのレーザ光は、全てが吸収されず、透過することができる。よって、偏光層の配向方向と同じ向きの直線偏光レーザ光、又は、ランダムな偏光成分が含まれるマルチモードのレーザ光等を使用することにより、偏光層を積層後、反射層のパターニングを行うこともできる。
以上のように、各層を積層した後に、パターニングを行うことにより、例えば、カード、ラベル等の製品形態として個別に製造した後に最終段階としてID情報、バーコードなどの個別情報を付与することができる。
【0043】
また、反射層12に対して、意匠性又は情報性を持たせる他の方法としては、
(1)蒸着工程時にパターニングされたマスクを基材11の上に設けて、マスクのパターン状に蒸着層を形成する方法
(2)基材11の上に一様に反射層12を形成した後、フォトレジスト等を利用してパターン状にエッチングすることで、パターン状に蒸着層を形成する方法
(3)反射機能を有するインキで文字、絵柄等を基材11の上に印刷を行うことにより、パターン状の反射層を形成する方法
などがある。
【0044】
本実施形態によれば、真正性識別時に、パターニングされた文字、絵柄等を確認することができるので、簡単に、真正識別することができる。
また、レーザ光でパターニングするので、各識別体毎に、異なる情報を持たせることができるため、セキュリティー性を一層高めることができる。
【0045】
(第4実施形態)
図7は、本発明による真正性識別体の第4実施形態を示す断面図である。
真正性識別体10の複屈折層13は、意匠性又は情報性等を持たせるために、文字、絵柄等がパターニングされている。
複屈折層13に対して、意匠性又は情報性等をパターニングする方法としては、レーザ光又は紫外線を照射する方法がある。
複屈折層13にレーザ光を照射すると、その照射された部分13aが、加熱、急冷されて、結晶状態に変化を生じる。その結果、照射部分と未照射部分とで、屈折率に差異が生じて、前述の効果によって色彩の違いとして、パターニングすることができる。
また、複屈折層13に紫外線を照射すると、その部分13aの配向状態に変化が生じ、同様にパターニングすることができる。
【0046】
本実施形態によっても、真正性識別時に、パターニングされた文字、絵柄等を確認することができるので、簡単に、真正識別することができる。
【0047】
(第5実施形態)
図8は、本発明による真正性識別体の第5実施形態を示す断面図である。
真正性識別体10の偏光層14は、意匠性又は情報性等を持たせるために、文字、絵柄等がパターニングされている。
偏光層14に対して、意匠性又は情報性等をパターニングする方法としては、配向膜の上に二色性色素を塗布して、偏光層を形成する方法がある。
二色性色素は、配向膜の配向方向によって、並ぶ向きが決定され、色素の向きによって、透過する直線偏光の向きが定まる。よって、配向膜の配向方向を文字、絵柄状に変えることで偏光層14のパターニングができる。
配向方向のパターニングの方法としては、部分的にラビング処理を行う方法、一様に全面ラビング処理を行った後に、部分的に異なる向きにラビング処理を行う方法などがある。また、配向膜に光活性材料を用いることで、直線偏光を配向膜に照射してその配向膜を制御する方法もある。
【0048】
本実施形態によっても、真正性識別時に、パターニングされた文字、絵柄等を確認することができるので、簡単に、真正識別することができる。
【0049】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、反射層12、複屈折層13及び偏光層14を、基材11に対して、必要な領域にのみ形成してもよい。
この場合において、基材11の他の部分に、装飾絵柄を施して、基材11をカード基材とすれば、第2実施形態の商品券と同様のものとすることができる。
【0050】
また、第2実施形態においては、レーザ光線を照射したが、偏光フィルムなどの偏光層を透過した光を照射しても、同様の効果が得られる。このようにすれば、光の照射装置を簡単に作ることができる。
さらに、第2実施形態においては、反射光の偏光方向を検出器で検出したが、所定の偏光方向の光のみ透過する偏光層を使用して、この偏光層を透過するか否かによって、反射光の偏光方向を検出してもよい。このようにすれば、光の検出装置を簡単に作ることができる。
【0051】
さらにまた、本技術の意匠性を、一層、高めるために、ホログラムと組み合わせることもできる。すなわち、反射層12と複屈折層13との間に、ホログラム又は回折格子が形成された層を設けることにより、前述の色彩可変効果に加えて、ホログラム像又は回折格子によるパターン像が組み合わさり、より高度なセキュリティ効果と意匠性とが得られる。ホログラム又は回折格子は、レリーフタイプ、ボリュームタイプのいずれでもよい。
【0052】
また、図9に示すように、複屈折層13で複屈折して変換された楕円偏光23の偏光状態を測定して、真正性を識別してもよい。この場合、真正性識別体10に反射層12を設ける必要がないので、真正性識別体10を安価に製造することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0056】
発明によれば、入射した直線偏光を楕円偏光に変換し、その楕円偏光の反射光の偏光方向によって、真正性を識別するので、容易に、真正性を識別できるとともに、識別体の意匠性に優れる。
【0057】
発明によれば、特定の偏光方向の光のみ透過する第1の偏光層を透過した透過光を直線偏光として使用するので、直線偏光を、簡単に、作ることができる。
【0058】
発明によれば、特定の偏光方向の光のみ透過する偏光層を透過するか否かによって、楕円偏光の偏光方向又は偏光状態を検知するので、容易に、検知することができる。
【0059】
発明によれば、偏光層は、第1の偏光層と同一であるので、安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真正性識別方法に使用する真正性識別体の第1実施形態を示す図である。
【図2】真正性識別体が着色されて見える理由を説明する模式図である。
【図3】真正性識別体が見る角度によって色変化する理由を説明する模式図である。
【図4】本発明による真正性識別方法に使用する真正性識別体の第2実施形態を示す図である。
【図5】本発明による真正性識別体の第2実施形態の使用方法を示す模式図である。
【図6】本発明による真正性識別体の第3実施形態を示す図である。
【図7】本発明による真正性識別体の第4実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明による真正性識別体の第5実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明による真正性識別方法を示す模式図である。
【符号の説明】
10 真正性識別体
11 基材
12 反射層
13 複屈折層
14 偏光層
20,20a,20b 光源
30 カード

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層と、前記反射層に形成され、透過する光に対して複屈折により位相差を与え、所定の偏光方向の光にする複屈折層とを備える真正性識別体の真正性識別方法であって、
    所定の単一波長の直線偏光を入射して、その直線偏光を前記複屈折層の複屈折により楕円偏光に変換し、その楕円偏光を前記反射層によって反射して、その反射した楕円偏光が前記複屈折層により変換されて前記真正性識別体から出射された第2の直線偏光の偏光方向を検出器によって検出し、前記第2の直線偏光の偏光方向が、前記直線偏光の偏光方向と直角であるか否かによって真正性を識別する第1真正性識別方法と、
    特定の偏光方向の光のみを透過する偏光層を前記真正性識別体にあて、前記真正性識別体を傾けながら目視によって観察し、色変化が生じるか否かで判定する第2真正性識別方法との
    いずれか又は両方を用いて前記真正性識別体の真正性を識別する
    ことを特徴とする真正性識別方法。
  2. 請求項1に記載の真正性識別方法において、
    前記直線偏光は、特定の偏光方向の光のみ透過する第1の偏光層を透過した透過光である
    ことを特徴とする真正性識別方法。
  3. 請求項に記載の真正性識別方法において、
    前記第1真正性識別方法では、前記第1の偏光層と同一であって特定の偏光方向の光のみ透過する第2の偏光層を透過するか否かによって、前記第2の直線偏光の偏光方向を検知する
    ことを特徴とする真正性識別方法。
  4. 基材と、
    前記基材の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層と、
    前記反射層に形成され、透過する光に対して複屈折により位相差を与え、所定の偏光方向の光にする複屈折層と
    を備え、
    請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の真正性識別方法を用いて真正性を識別可能である
    ことを特徴とする真正性識別体。
  5. 請求項4に記載の真正識別体において、
    前記反射層と前記複屈折層との間にホログラム又は回折格子が形成された層を備える
    ことを特徴とする真正性識別体。
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