JP4290301B2 - 炭化水素転化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、固体リン酸触媒の固定床上で炭化水素転化プロセスを開始し、維持する方法に関する。より詳しくは、本発明は、触媒を迅速にピーク活性にすることができる、このようなプロセスを開始し、維持する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
より高分子量の生成物を形成するための酸触媒上でのオレフィン又はオレフィン混合物の縮合反応は広範囲に用いられている商業的プロセスである。このタイプの縮合反応は本明細書では重合反応と呼び、生成物は低分子量オリゴマー又は高分子量ポリマーのいずれでも可能である。2、3又は4個のオレフィン分子の相互の縮合によってオリゴマーが形成され、5個以上のオレフィン分子の相互の縮合によってポリマーが形成される。本明細書で用いる限り、“重合”なる用語はオリゴマー及び/又はポリマーの形成方法を表すために用いられる。低分子量オレフィン(例えば、プロペン、2−メチルプロペン、1−ブテン及び2−ブテン)は固体リン酸触媒上での重合によって、オリゴマーから成る生成物に転化されることができ、この生成物は高オクタンガソリン・ブレンディングストックとして並びに化学中間体と、アルコール、洗剤(detergent)及びプラスチックを包含する最終生成物との製造のための出発物質として重要である。
【0003】
芳香族化合物のオレフィンによる酸触媒アルキル化は周知の反応であり、これも商業的に重要である。例えば、エチルベンゼン、クメン及び洗剤のアルキレートは、それぞれ、エチレン、プロペン及びC10〜C18オレフィンによるベンゼンのアルキル化によって製造される。硫酸、HF、リン酸、塩化アルミニウム及びフッ化ホウ素がこの反応のための慣用的な触媒である。さらに、同様な酸強度を有する固体酸もこのプロセスを触媒するために用いることができ、このような物質は非晶質及び結晶質アルミノシリケート、粘土、イオン交換樹脂、混合酸化物及び担体付き酸(supported acid)、例えば固体リン酸触媒を包含する。
【0004】
リン酸を担体と結合させ、得られた物質を乾燥させることによって、固体リン酸触媒は典型的に製造される。キーゼルグール(kieselguhr)にリン酸を混合し、得られたペーストを押出成形し、押出成形した物質をか焼することによって、一般的に用いられる触媒が製造される。固体リン酸触媒の活性は担体上に付着するリン酸の量と組成とに関係する。リン酸は、相互に平衡して存在し、それらの縮合度によって相互に異なる酸のファミリーから成る。これらの酸はオルト−リン酸(H3PO4)、ピロ−リン酸(H427)、トリリン酸(H5310)及びポリリン酸を包含し、特定のサンプルのリン酸の正確な組成は、サンプルのP25と含水量との関数である。酸の含水量が減少するにつれて、酸の縮合度は増加する。種々なリン酸の各々は特有の酸強度を有する、したがって、特定のサンプルの固体リン酸触媒の触媒活性は、触媒の表面に付着するリン酸のP25/H2O比率に依存する。
【0005】
例えば重合又はアルキル化プロセスのような炭化水素転化プロセスにおける固体リン酸触媒の活性とその不活性化速度も、触媒水和度の関数である。オレフィン重合プロセスにおいて、適当に水和した固体リン酸触媒を用いて、フィードストック中のオレフィンの95%より多くをより高分子量の生成物に転化させることができる。しかし、触媒の含水量があまりに少ない場合には、触媒は非常に高い酸性度を有する傾向があり、この高い酸性度はコークス化の結果として迅速な不活性化をもたらす可能性があり、触媒は良好な物理的統合性を有さなくなる。さらに触媒の水和は酸性度を減じて、コークス形成によるその迅速不活性化傾向を減ずるために役立つ。しかし、固体リン酸触媒の過度の水和は触媒を軟化させ、物理的に凝集させる可能性があり、その結果、固定床反応器において高い圧力低下をもたらす可能性がある。したがって、固体リン酸触媒には最適レベルの水和が存在する。
【0006】
炭化水素転化プロセスのための触媒としての使用中に、固体リン酸触媒は、フィードストック組成と反応条件との関数である水和度を発生させる。例えば、水和レベルは触媒と接触しているときのフィードストックの含水量によって、また触媒を使用するときの温度及び圧力によっても影響される。固体リン酸触媒上での水の蒸気圧は温度によって変化するので、炭化水素プロセス流の含水量を、炭化水素が接触している触媒の含水量と平衡するように維持することが重要である。実質的に無水のフィードストックを適当に水和した触媒と共に用いるならば、触媒は典型的に使用中に水を解離し、最適とはいえない水和度を生じる。したがって、フィードストックの含水量が最適レベルの触媒水和を維持するために不充分である場合には、フィードストック中に付加的な水を注入することが慣用的に行われていた。プロペンによるベンゼンのアルキル化及びプロペンのオリゴマー化の触媒としての固体リン酸触媒の性能に対する水の影響の研究は、Cavani等、Applied Catalysis A:General、97、177〜196頁(1993)に述べられている。
【0007】
固体リン酸触媒と接触しているフィードストック中に水を導入することの代替策として、フィードストックに例えば2−プロパノールのようなアルコールの少量を加えて、触媒を充分な水和レベルに維持することが慣用的に行われている。例えば、米国特許第4,334,118号(Manning)は、ケイ質担体を有する固体リン酸触媒上でのC3−C12オレフィン重合において、オレフィンフィードストック中に少量のアルカノールを含めることによって触媒活性を所望のレベルに維持することができることを開示している。アルコールが触媒との接触時に脱水して、このときに生ずる水が触媒水和を維持するように作用することも開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
固体リン酸触媒は炭化水素転化プロセスに触媒として最初に用いられるときに、通常、最適の水和度を有さない。これは多くの問題に帰因することができ、これらの問題は、特に、触媒が用いられる前の大気中水分の吸着と、一般的な触媒が多様に異なるプロセス条件下で種々なフィードストックと共に用いるために製造されているという事実とを包含すると考えられる。その結果、新しい固体リン酸触媒床が炭化水素転化プロセスに触媒として用いられるときに、最適の触媒性能が観察されるまでに典型的に多くの日数を要することになる。例えば、新しい固体リン酸触媒床がプロペンとC4オレフィンとの混合物の重合を触媒するために用いられるときに、触媒性能が最適レベルに達するまでに10日間を超える連続作用を要する可能性がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
特定の炭化水素フィードストックと特定のプロセス条件セットに関して触媒性能を最適化するために要する時間量を減ずるような、新しい固体リン酸触媒床の使用方法を本発明者らは発見している。本発明は触媒を如何なる有意な水分源に曝露させることなく触媒床における炭化水素転化条件を確立する工程と、その後に、この触媒床を用いて、所望の触媒水和レベルを与えるために効果的である少量の水和剤を含有する炭化水素フィードストックの転化を触媒させる工程とを包含する。
【0010】
本発明の1実施態様は、固体リン酸触媒の固定床上での炭化水素フィードストックの化学的転化方法であって、(a)触媒床をスタートアップ流体(start−up fluid)中に浸漬する工程であって、スタートアップ流体が実質的に水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る前記工程と;(b)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力の転化条件を確立する工程と;(c)スタートアップ流体を炭化水素フィードストックと置換し、前記フィードストックを前記転化条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の該量が所望のレベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;(d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記転化条件下に維持する工程とを含む前記方法である。
【0011】
本発明の他の実施態様は、固体リン酸触媒の固定床上で行われるオレフィン重合方法であって、(a)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程であって、前記スタートアップ流体が実質的に水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る前記工程と;(b)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力のオレフィン重合条件を確立する工程と;(c)スタートアップ流体をオレフィン含有フィードストックと置換し、前記フィードストックを前記重合条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の量が所望のレベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;(d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記重合条件下に維持する工程とを含む前記方法である。
【0012】
本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床上で炭化水素フィードストックを化学的に転化させるための改良方法である。
本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床上でオレフィンを重合させるための改良方法である。
【0013】
本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床を炭化水素転化触媒として用いるための改良方法を提供することである。
本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床をオレフィン重合触媒として用いるための改良方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、新しい固体リン酸触媒の固定床を炭化水素転化触媒として用いるときに迅速に所望の活性レベルにするための方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、新しい固体リン酸触媒の固定床をオレフィン重合触媒として用いるときに迅速に所望の活性レベルにするための方法を提供することである。
【0016】
本発明は、炭化水素フィードストックの化学的転化を触媒するための固体リン酸触媒の固定床の使用方法に関する。本発明は、特定の炭化水素転化プロセスに対して触媒を迅速に最適の活性レベルにする。本発明をこのように限定する訳ではないが、本発明の方法が、最適触媒活性のために必要なレベルへの触媒水和の迅速な調節を生じることが考えられる。
【0017】
本発明は、固体リン酸触媒上で行われる任意の慣用的な炭化水素転化プロセスの実施に用いることができる。このようなプロセスは、非限定的に、オレフィン重合と芳香族化合物のオレフィンによるアルキル化とを包含する。このようなプロセスの特定の例は、ガソリン・ブレンディングストックとして有用である液体へのC3及びC4オレフィンのオリゴマー化、プロペンの4分子又は5分子の重合による、化学的フィードストックとして有用であるC12−C15オレフィン混合物の製造、エチレンによるベンゼンのアルキル化によるエチルベンゼンの製造、及びプロペンによるベンゼンのアルキル化によるクメン合成を包含する。
【0018】
本発明の実施において、固体リン酸触媒の固定床を最初に、実質的に水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成るスタートアップ流体中に浸漬する。次に、触媒上で行われることになる化学的転化に用いるために好ましい温度と圧力の条件を固体リン酸触媒の固定床において、それをスタートアップ流体中に浸漬しながら確立する。次に、このスタートアップ流体を、化学的転化プロセスに用いられることになるフィードストックによって置換する、このフィードストックは水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の少量を含有し、この水和剤の量は所望の触媒水和レベルを与えるために有効な量である。次に、フィードストック流を触媒床に通して、触媒をスタートアップ流体中に浸漬したときに予め確立された転化条件下に維持する。
【0019】
スタートアップ流体は実質的に水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る。スタートアップ流体は少なくとも1種類の炭化水素化合物から成り、適当な炭化水素化合物はアルカン、シクロアルカン、オレフィン及び芳香族化合物から成る群から選択することができる。さらに、スタートアップ流体は好ましくは、それが本発明の実施に用いられるときの温度と圧力との条件下で液体である。必要である場合には、スタートアップ流体は例えばベンゼン、トルエン、1−ブテン又は2−メチルブテンのような、単独の実質的に純粋な炭化水素化合物であることができる。或いは、スタートアップ流体は例えばナフサ、リホーメート、ケロセン、軽質サイクルオイル(light cycle oil)、軽質オレフィンのブレンド、又は任意のこのような物質のブレンドのような、炭化水素の混合物から成ることも可能である。非常に充分なスタートアップ流体はリホーメート及び、実質的に水和剤を含まない、転化プロセスへの炭化水素フィードストック自体を包含する。
【0020】
スタートアップ流体は、望ましくは約345℃未満であり、より好ましくは約300℃未満である蒸留終点を有する。例えば、好ましいスタートアップ流体は大気圧において約−50℃〜約250℃の範囲内の沸点を有し、非常に好ましいスタートアップ流体は大気圧において約20℃〜約250℃の範囲内の沸点を有する。
【0021】
固体リン酸触媒の固定床を、スタートアップ流体中に浸漬しながら、温度及び圧力の望ましい転化条件にする。次に、固定床中に温度及び圧力の望ましい転化条件が確立された後の任意の時点において、このスタートアップ流体を所望のフィードストックによって置換する。この置換はスタートアップ流体をフィードストック流により排除することによって行うことが好ましい。或いは、スタートアップ流体を触媒床から排出した後に、フィードストックを触媒床と接触させることができる。
【0022】
既述したように、フィードストックは水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の少量を含有し、水和剤の該量は所望の触媒水和レベルを与えるために有効な量である。
フィードストック中の水和剤の濃度は望ましくは約0.05〜約0.80モル%の範囲内であり、好ましくは約0.10〜約0.50モル%の範囲内、最も好ましく約0.25〜約0.30モル%の範囲内である。理想的には、水和剤の量は、転化プロセスの経過中に触媒によって失われる水分量に丁度等しい水分量を与えることができるような量である。
【0023】
好ましい水和剤は水、第2級アルコール及び第3級アルコールを包含する。本発明をこのように限定する訳ではないが、アルコールが固体リン酸触媒との接触時に分解して、水と、アルコールからの水の酸触媒脱離によって得られるオレフィンを含めた分解生成物とを生じると考えられる。第2級及び第3級アルコールは、固体リン酸触媒との接触時に第1級アルコールよりも容易に分解する傾向があるので、第1級アルコールよりも通常好ましい。炭素数3〜5のアルコールが望ましい水和剤であり、このような物質は2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール及び2−メチル−2−ブタノールを包含する。2−プロパノールが特に充分な水和剤である。アルコールが水和剤又は水和剤成分として用いられ、炭化水素転化が反応物としての1種類以上のオレフィンの使用を必要とするときには、オレフィン反応物の炭素数と同じ炭素数を有するアルコールを用いることが望ましいと考えられる。アルコールからの主要な分解生成物が典型的にアルコールと同じ炭素数を有するオレフィンであるので、このオレフィンが次に反応物として炭化水素転化プロセスに参加し、副生成物が最少になる。例えば、2−プロパノールが固体リン酸触媒上でのプロペンの重合に水和剤として用いられる場合には、2−プロパノールの分解によって生じるプロペンは総てフィードストック中のプロペンと共に重合されることになる。
【0024】
水は非常に充分な水和剤であるが、水は温度及び圧力の周囲条件下で典型的な炭化水素フィードストック中に比較的不溶性である。したがって、所望の触媒水和レベルを得るために炭化水素フィードストック中に水を混入することは、しばしば不都合である。しかし、炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールは通常、典型的な炭化水素フィードストック中に完全に水溶性である。したがって、これらのアルコールは水和剤として用いるために非常に好都合である。本発明の非常に好ましい実施態様は、水和剤が水と、炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールから成る群から選択された少なくとも1種類のアルコールとの混合物から成る炭化水素フィードストックの使用を必要とする。このようなフィードストックは、水を含有するが、この水分量が所望のレベルの触媒水和を与えるために不充分であるフィードストックの炭化水素成分に1種類以上のアルコールを加えることによって、便利に用意される。
【0025】
本発明の方法は、固体リン酸触媒の固定床上で行われる炭化水素フィードストックの化学的転化に関連して用いることができる。このような化学的転化は、非限定的に、オレフィン重合反応と、オレフィンアルキル化剤による芳香族化合物のアルキル化とを包含する。このような方法に用いるために適したオレフィンは、非限定的に、環状オレフィン、置換環状オレフィン、及び式I[式中、R1がヒドロカルビル基であり、各R2が水素及びヒドロカルビル基から成る群から独立的に選択される]で示されるオレフィンを包含する。好ましくは、R1はアルキル基であり、各R2は独立的に水素及びアルキル基から成る群から選択される:
【0026】
【化1】
Figure 0004290301
【0027】
適当な環状オレフィンと置換環状オレフィンとの例は、非限定的に、シクロペンテン、1−メチルシクロペンテン及びシクロヘキセンを包含する。式Iタイプの適当なオレフィンの例は、非限定的に、プロペン、2−メチルプロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン及び3−ヘキセンを包含する。適当なオレフィンは望ましくは炭素数3〜12を有し、好ましいオレフィンは炭素数3〜6を有し、非常に好ましいオレフィンは炭素数3〜4を有する。
【0028】
本発明の方法はオレフィンアルキル化剤による芳香族化合物のアルキル化に関連して用いられる場合に、適当な芳香族化合物は、芳香族官能性を含有し、固体リン酸触媒の存在下でオレフィンによってアルキル化されうる、炭素数6〜20の総ての有機化合物を包含する。このような物質は芳香族化合物と、1個以上の置換基を有する置換芳香族化合物との両方を包含する。炭素数6〜10の芳香族炭化水素と、ヒドロカルビル置換芳香族炭化水素とが特に適する。さらに、このような物質の混合物を基質(substrate)として用いることができる。このような物質の例は炭素数6〜20の式II化合物[式中、各Rは水素及びヒドロカルビル基から成る群から独立的に選択される]を包含する。しかし、好ましい芳香族化合物は炭素数6〜10であって、式II[式中、各Rは水素と炭素数1〜3のアルキルとから成る群から独立的に選択される]で示される炭化水素である。ベンゼンとトルエンとが特に好ましい。
【0029】
【化2】
Figure 0004290301
【0030】
本発明の実施にアルキル化基質として用いるための芳香族化合物は、任意の望ましいソースから得ることができる。しかし、石油精製所における接触分解ユニット、リホーマー及び異性化ユニットが芳香族炭化水素の都合のよいソースである。例えば、軽質リホーメートを用いることができ、このタイプの典型的な物質は約35体積%の総芳香族含量を有し、約10体積%のベンゼンを含有する。
【0031】
非常に好ましい実施態様では、本発明の方法をC3とC4オレフィンの混合物の重合によるガソリン・ブレンディングストックへの転化に関連して用いることができ、このタイプの生成物はオリゴマーから成る。このような実施態様では、フィードストックは少なくとも約25体積%のオレフィンを含む。ガソリン沸点範囲内のオリゴマーに転化するための重合ユニットへの典型的なオレフィン含有フィードストックは、プロパン、ブタン、1−メチルプロパン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン及び1−メチルプロペンの混合物を含み、オレフィンの濃度は約35〜約60体積%の範囲内である。しかし、オレフィン含有フィードストックが、非限定的に、他のオレフィン若しくはオレフィン混合物、他の希釈剤、少量の芳香族化合物の存在を包含する、多様な他の組成を有しうることは理解されるであろう。さらに、この範囲外であるオレフィン濃度も使用可能である。
【0032】
他の非常に好ましい実施態様では、ガソリンの沸点範囲内であり、ガソリン・ブレンディングストックとして有用である生成物を製造するための、低分子量芳香族化合物をC3とC4オレフィンの混合物と共に含むフィードストックの転化に関連して、本発明の方法を用いることができる。例えば、オレフィンの芳香族化合物に対するモル比率は約1〜約50、好ましくは約1〜約30の範囲内であることができる。このような実施態様では、毒性問題のためにガソリン成分として好ましくない、例えばベンゼンのような、揮発性の低分子量芳香族化合物をアルキル化によって、非常に望ましいガソリン成分である低揮発性物質に転化させることができる。例えば、ベンゼンとトルエンとをプロペンによるモノアルキル化によって、それぞれ、クメンとシメンとに転化させることができる。
【0033】
フィードストックがオレフィンと芳香族化合物との両方を含有するような場合には、フィードストック中のオレフィン(単数又は複数種類)による芳香族化合物のアルキル化はオレフィン重合と競合する。その結果、オレフィンポリマーとアルキル化芳香族化合物との両方が生成物として得られ、これらの生成物の比率はフィードストック中のオレフィンの芳香族化合物に対するモル比率の関数である。例えば、オレフィンの芳香族化合物に対するモル比率が約1である場合には、芳香族化合物のアルキル化からの生成物の形成がオレフィン重合生成物の形成よりも優勢である。しかし、オレフィンの芳香族化合物に対するモル比率が約10である場合には、オレフィンポリマーの形成が典型的に優勢である。
【0034】
本発明の炭化水素転化方法は典型的にオレフィン含有フィードストックに対して行われる。必要な場合には、本発明の転化方法に対するオレフィン含有フィードストックは種々なオレフィンの混合物を含むことができる。或いは、フィードストックは単一オレフィンから成ることも可能である。フィードストックが例えば、転化反応に用いられる反応条件下で実質的に不活性である希釈剤のような、オレフィン以外の物質を含むことができることも理解されるであろう。転化方法に用いられる反応条件下で実質的に不活性である、例えば、フィードストックは、本発明の転化方法の条件下で比較的不活性である、例えばn−パラフィンのような、飽和炭化水素の実質的な量を含有することができる。実際に、例えばプロパン又はブタンのようなn−パラフィンを希釈剤として、及び発熱性オレフィン重合反応及び芳香族アルキル化反応によって発生する熱を管理するためのリサイクル物質として用いることができる。
【0035】
リン酸に固体サポートを結合させることによって製造される担体付き触媒を本明細書では固体リン酸触媒と呼ぶ、如何なるこのような触媒も本発明の実施に用いることができる。固体リン酸触媒は例えばオルト−リン酸、ピロリン酸又はトリリン酸のようなリン酸にケイ質固体キャリヤーを混合して、湿ったペーストを形成することによって、製造することができる。このペーストをか焼し、粉砕して、触媒粒子を形成することができる、又は該ペーストを押出成形若しくはペレット化してからか焼して、より均一な触媒粒子を製造することができる。キャリヤーは典型的に、例えばキーゼルグール、カオリン、多孔性珪藻土(infusorial earth)又は珪藻土のような天然生成多孔質シリカ含有物質である。例えば無機物タルク、フラー土及び鉄化合物(酸化鉄を包含する)のような種々な添加剤の少量をキャリヤーに加えて、その強度と硬度とを高めることができる。キャリヤーと添加剤との組み合わせが通常、触媒の約15〜30重量%を占め、残部はリン酸である。しかし、触媒の製造におけるリン酸使用量は触媒の約8〜80重量%の範囲内で変化することができる。固体リン酸触媒は商業的に入手可能であり、このような物質は商品名SPA−2でUOPから入手可能である。このSPA−2触媒は下記性質を有する円筒形状押出成形体である:(1)公称直径4.75mm;(2)負荷密度0.93g/cm3;(3)P25として算出した、遊離リン酸含量16〜20重量%;及び(4)P25として算出した、公称総リン酸含量60重量%.慣用的な固体リン酸触媒の製造と性質とは米国特許第2,120,702号(Ipatieff等);第3,050,472号(Morrell);第3,050,473号(Morrell)及び第3,132,109号(Morrell)に述べられており、英国特許第863,539号にも開示されている。これらの特許はそれらの全体において本明細書に援用される。
【0036】
固体リン酸触媒中のリン酸の分布は、水中に触媒を浸漬するときに触媒から容易に浸出される酸から成る、触媒の“遊離P25”含量を滴定することによって実験的に評価することができる。これらの容易に浸出される酸は、例えばオルト−リン酸とピロリン酸のような、低い縮合度を有するリン酸である。高い縮合度を有するリン酸は、水中に触媒を浸漬するときに、非常に緩慢に溶解するので、したがって、水性抽出物中の酸の滴定によって測定されない。それ故、遊離P25の量は、特定の総P25含量を有する触媒中のリン酸分布の示度として用いることができる。
【0037】
本発明の炭化水素転化方法は固体リン酸触媒の固定床において行われる。必要な場合には、触媒をチャンバ反応器又は管形反応器中に装入することができる。管形反応器では、触媒は循環する冷却媒質によって囲まれた複数個の管中に含有される。これらの管は典型的に内径約5cm〜約15cmを有するが,他の直径も使用可能である。管形反応器は反応温度のより厳密な制御を可能にし、高圧操作のために構築することもできるので、しばしばチャンバ反応器よりも好ましい。通常、複数個の反応器が用いられる。例えば、管形反応器を用いるオレフィン重合ユニットは8個以上ほどの反応器を有することができる。発熱性オレフィン転化反応から発生する熱はチャンバ反応器では反応器流出物から反応器フィードストックへのリサイクルとして飽和炭化水素を用いることによって、又は反応器内の多重触媒床の間のクエンチとして飽和炭化水素を用いることによって制御することができる。管形反応器内の温度は反応器管の周囲の水又はオイル循環によって典型的に制御される。
【0038】
本発明の方法の実施では、フィードストック中の少なくとも一部の反応物を所望の生成物に転化させるために有効である温度、圧力及び時間においてフィードストックを固体リン酸触媒と接触させる。望ましくは、接触温度は約50℃より高い、好ましくは100℃より高い、より好ましくは125℃より高い。接触は一般に約50℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約350℃、より好ましくは約125℃〜約250℃の範囲内の温度において行われる。最適温度が用いられる特定の反応物とフィードストック中のそれらの濃度との関数であることは、当然、理解されるであろう。例えば、プロペン及び/又はC4オレフィンの重合のためには、反応温度は通常、約150℃〜約250℃の範囲内である。
【0039】
本発明の方法の実施では、フィードストックを任意の適当な圧力において固体リン酸触媒と接触させることができる。しかし、約0.01〜約200気圧の範囲内の圧力が望ましく、約1〜約100気圧の範囲内の圧力が好ましい。例えば、典型的な固体リン酸触媒をプロペン及び/又はC4オレフィンの、ガソリン・ブレンディングストックへの転化のために用いる場合には、圧力は通常約20〜約90気圧の範囲内である。
【0040】
オレフィン重合又はオレフィンによる芳香族化合物のアルキル化のいずれかを触媒するための使用中の固体リン酸触媒の不活性化はしばしば、副生成物としての高沸点ポリマーの形成の結果であると考えられる。これらの副生成物は触媒上に留まり、さらなる転化を受けて、重質タールに類似し、場合によってはコークス様物質の外観さえ有する、さらに高分子量のポリマーになる可能性がある。これらの物質は触媒粒子を被覆し、触媒中の孔を閉塞しうるので、触媒不活性化を惹起する可能性がある。したがって、炭化水素の液体相を触媒と接触させて維持するために充分である圧力において、本発明の方法を行うことが望ましい。この液体炭化水素相は高分子量ポリマー又はタールを触媒から洗い流して維持して、触媒寿命を延長させることができる。
【0041】
【実施例】
実施例I
キーゼルグール(UOPから商品名SPA−2で入手可能)付き固体リン酸触媒の新しい7.0g部を管形ステンレス鋼反応器(内径0.95cm)に装入した。この触媒は供給者によって、遊離リン酸含量(P25として)16〜20重量%と総リン酸含量(P25として)60重量%とを有すると報告されている。
【0042】
固体リン酸触媒の固定床をC3/C4オレフィンと軽質芳香族炭化水素との混合物のより高分子量生成物への転化のための触媒として用いた。この芳香族化合物含有フィードストックは軽質リホーメートと水和オレフィン含有C3/C4流(オレフィン含有C3/C4流を以下では“C3/C4フィードストック成分”と呼ぶ)との混合物から成り、軽質リホーメートの水和オレフィン含有C3/C4フィードストック成分に対する比率は体積基準で1:10であった。これらの物質の分析はそれぞれ表IとIIに示す。
【0043】
固体リン酸触媒の固定床を慣用的スタートアップ方法を用いて始動させた。これは窒素によって反応器をパージすることと、触媒床を107℃に予熱することを必要とする。次に、反応器に芳香族化合物含有フィードストックを充填し、4時間にわたって81.7atmの圧力にした。
【0044】
【表1】
Figure 0004290301
【0045】
【表2】
Figure 0004290301
【0046】
最後に、反応器を204℃の所望のプロセス温度に加熱して、反応器中への芳香族化合物含有フィードストック流を2.0LHSVの水和C3/C4フィードストック成分と0.2LHSVの軽質リホーメートとに相当するレベルにおいて確立した。反応器をこれらの温度、圧力及び流量の条件下で5日間にわたって連続的に操作した後に、芳香族化合物含有フィードストックを2.0LHSVの流量の標準化重合フィードストックによって置換し、この間反応器の温度と圧力をそれぞれ204℃と81.7atmに維持した。標準化重合フィードストックはMatheson Gas Productsから入手して、触媒活性を評価するために用いた。標準化重合フィードストックは芳香族化合物を含まず、27%のプロペン、18%のC4オレフィン、55%のプロパン及び水和剤としての1500重量ppmの2−プロパノールを含有した。
【0047】
次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高分子量生成物への転化量とは標準化重合フィードストックを用いる時間の関数として測定した。これらの測定のために、C3及びC4オレフィンの複合転化率をXと定義すると、活性定数k=LHSV{ln[1/(1−X)]}である。これらの結果は表IIIに記載するが、実施例Iの慣用的スタートアップ方法を用いる場合に、固体リン酸触媒が10日間を超えても最適活性に達しないことをこれらの結果は示す。
【0048】
実施例II
実施例Iを繰り返したが、この場合には、スタートアップ操作中に、実施例Iで用いた水和C3/C4フィードストック成分と軽質リホーメートとの混合物ではなく、無水軽質リホーメートを反応器に充填した。前と同様に、この実施例IIのスタートアップ操作は窒素による反応器の初期パージと107℃までの触媒床の予熱とを必要とした。次に、反応器に無水軽質リホーメート(この物質の分析は表Iに記載するが、この物質は実施例Iにおいて芳香族化合物含有フィードストックの成分として用いたものと同じ軽質リホーメートである)を充填して、反応器を4時間の期間にわたって81.7atmの圧力にした。最後に、反応器を204℃の所望のプロセス温度に加熱して、反応器中への芳香族化合物含有フィードストック流を2.0LHSVの水和C3/C4フィードストック成分と0.2LHSVの軽質リホーメートとに相当するレベルにおいて確立した(芳香族化合物含有フィードストックは実施例Iに述べたものと同じであった)。反応器をこれらの温度、圧力及び流量の条件下で5日間の期間にわたって連続的に操作した後に、芳香族化合物含有フィードストックを2.0LHSVの流量の実施例Iの標準化重合フィードストックによって置換し、この間反応器の温度と圧力をそれぞれ204℃と81.7atmに維持した。
【0049】
【表3】
Figure 0004290301
【0050】
次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高分子量生成物への転化量とを、標準化重合フィードストックを用いる時間の関数として測定した。これらの結果は表IVに記載するが、これらの結果は、実施例Iの慣用的スタートアップ操作を用いて得られた触媒活性に比べて、この触媒が161時間後には40%大きく活性であり、305時間後には15%大きく活性であることを示す。
【0051】
【表4】
Figure 0004290301
【0052】
実施例III
実施例Iを繰り返したが、この場合には、スタートアップ操作中に、実施例Iで用いた水和C3/C4フィードストック成分と軽質リホーメートとの混合物ではなく、無水C3/C4フィードストック成分を反応器に充填した。前と同様に、この実施例IIIのスタートアップ操作は窒素による反応器の初期パージと107℃までの触媒床の予熱とを必要とした。次に、反応器に無水C3/C4フィードストック成分(この物質は実施例Iにおいてフィードストック成分として用いた水和C3/C4フィードストック成分と、水を含まないこと以外は同じであった)を充填して、反応器を4時間の期間にわたって81.7atmの圧力にした。最後に、反応器を204℃の所望のプロセス温度に加熱して、反応器中への芳香族化合物含有フィードストック流を2.0LHSVの水和C3/C4フィードストック成分と0.2LHSVの軽質リホーメートとに相当するレベルにおいて確立した(芳香族化合物含有フィードストックは実施例Iに述べたものと同じであった)。反応器をこれらの温度、圧力及び流量の条件下で5日間の期間にわたって連続的に操作した後に、このフィードストックを2.0LHSVの流量の実施例Iの標準化重合フィードストックによって置換し、この間反応器の温度と圧力をそれぞれ204℃と81.7atmに維持した。
【0053】
次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高分子量生成物への転化量とを、標準化重合フィードストックを用いる時間の関数として測定した。表Vに記載するこれらの結果は、実施例IIにおいて得られた結果に匹敵するものであり、実施例Iの慣用的スタートアップ操作を用いて得られた結果に比べて、はるかに優れている。
【0054】
【表5】
Figure 0004290301

Claims (19)

  1. 固体リン酸触媒の固定床上での炭化水素フィードストックの化学的転化方法であって、(a)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程であって、スタートアップ流体が水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る前記工程と;
    (b)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力の転化条件を確立する工程と;
    (c)スタートアップ流体を炭化水素フィードストックと置換し、前記フィードストックを前記転化条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の該量が所望のレベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;
    (d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記転化条件下に維持する工程とを含む前記方法。
  2. 前記化学的転化がオレフィンによる芳香族炭化水素のアルキル化を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記化学的転化がオレフィン重合を含む、請求項1記載の方法。
  4. 固体リン酸触媒の固定床上で行われるオレフィン重合方法であって、
    (a)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程であって、前記スタートアップ流体が水と、触媒との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る前記工程と;
    (b)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力のオレフィン重合条件を確立する工程と;
    (c)スタートアップ流体をオレフィン含有フィードストックと置換し、前記フィードストックを前記重合条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の量が所望のレベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;
    (d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記重合条件下に維持する工程とを含む前記方法。
  5. フィードストック中の前記水和剤の濃度が0.05〜0.80モル%の範囲内である、請求項4記載の方法。
  6. フィードストック中の前記水和剤の濃度が0.10〜0.50モル%の範囲内である、請求項5記載の方法。
  7. 前記スタートアップ流体が大気圧において−50℃〜250℃の範囲内の沸点を有する、請求項4記載の方法。
  8. 前記スタートアップ流体が大気圧において20℃〜250℃の範囲内の沸点を有する、請求項7記載の方法。
  9. 前記スタートアップ流体がナフサ、リホーメート、ケロセン、軽質サイクルオイル、軽質オレフィンのブレンド、及びこれらのブレンドから成る群から選択される物質から成る、請求項4記載の方法。
  10. 前記スタートアップ流体がリホーメートから成る、請求項9記載の方法。
  11. 前記スタートアップ流体が、前記水和剤を実質的に含まない前記フィードストックから成る、請求項4記載の方法。
  12. 水和剤が水及び2−プロパノールから成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る、請求項4記載の方法。
  13. フィードストックが少なくとも25体積%のオレフィンから成る、請求項4記載の方法。
  14. フィードストックが炭素数3〜12のオレフィンから成る群から選択される少なくとも1種類のオレフィンから成る、請求項4記載の方法。
  15. フィードストックが炭素数3〜6のオレフィンから成る群から選択される少なくとも1種類のオレフィンから成る、請求項14記載の方法。
  16. フィードストックが炭素数3〜4のオレフィンから成る群から選択される少なくとも1種類のオレフィンから成る、請求項14記載の方法。
  17. 前記フィードストック中のオレフィンの重合からの生成物がオリゴマーから成る、請求項4記載の方法。
  18. オレフィン重合条件が125℃〜250℃の範囲内である温度を包含する、請求項4記載の方法。
  19. オレフィン重合条件が、フィードストックが触媒床を通過するときに触媒と接触する炭化水素の液体相を維持するために有効である圧力を包含する、請求項4記載の方法。
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