JP4286260B2 - 光記録方法および光記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、相変化型光記録媒体に記録する方法およびこの方法に用いられる光記録媒体に関するものである。
近年、高密度記録が可能で、しかも記録情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変化型のものは、レーザービームを照射することにより記録層の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状態変化に伴なう記録層の反射率変化を検出することにより再生を行うものである。相変化型の光記録媒体は単一のレーザービームの強度を変調することによりオーバーライトが可能であり、また、駆動装置の光学系が光磁気記録媒体のそれに比べて単純であるため、注目されている。
相変化型の記録層には、結晶質状態と非晶質状態とで反射率の差が大きいこと、非晶質状態の安定度が比較的高いことなどから、Ge−Te系やGe−Sb−Te系等のカルコゲナイド系材料が用いられることが多い。
一般に相変化型光記録媒体において情報を記録する際には、まず、記録層全体を結晶質状態としておき、記録層が融点以上まで昇温されるような高パワーレベル(記録パワーレベル)のレーザービームを照射する。このレーザービームが照射された部分では記録層が溶融した後、急冷され、非晶質の記録マークが形成される。一方、記録マークを消去する際には、記録層がその結晶化温度以上であってかつ融点未満の温度まで昇温されるような比較的低パワーレベル(消去パワーレベル)のレーザービームを照射する。このレーザービームが照射された記録マークは、結晶化温度以上まで加熱された後、徐冷されることになるので、結晶質に戻る。したがって、相変化型光記録媒体では、単一の光ビームの強度を変調することにより、オーバーライトが可能である。
オーバーライトによる書き換えが可能な相変化型媒体では、結晶質記録層に記録パワーレベルのレーザー光を照射して溶融させ、溶融状態から急冷することにより非晶質記録マークを形成する。消去に際しては、記録パワーレベルより低い消去パワーレベルのレーザー光を照射して記録層の結晶化温度以上融点未満の温度まで昇温し、次いで徐冷することにより、非晶質記録マークを結晶化する。したがって、単一のレーザー光を強度変調しながら照射することにより、オーバーライトが可能である。
相変化型媒体において高速オーバーライトを行う場合、高線速度で非晶質記録マークを消去(結晶化)する必要がある。そのときに律速となるのが、記録層の結晶化速度、すなわち非晶質から結晶質に変化する際の結晶変態速度である。高速オーバーライトを行うには、結晶化速度の速い記録層を用いればよいが、結晶化速度が速すぎると、非晶質記録マークが結晶化しやすくなり、不安定となる。そのため、再生耐久性や保存信頼性が低くなる。しかし、結晶化速度の遅い記録層に対し高速オーバーライトを行うと、記録マークの消去が不十分となる結果、ジッタが大きくなってしまう。
また、結晶化速度の速い記録層では、記録時に、記録層の面内方向への熱伝導により、形成した記録マークの一部が再結晶化してしまうセルフイレーズ現象が生じたり、記録時に、隣接トラックに存在する記録マークが消去されてしまうクロスイレーズが生じたりする。セルフイレーズおよびクロスイレーズは、共にジッタを増大させる。
したがって、オーバーライト可能な相変化型媒体では、記録層の結晶化速度を著しく速くすることはできず、そのため、データ転送レートを著しく高くすることは難しい。
また、相変化型媒体が、角速度一定で回転するディスク状媒体である場合、以下に説明する問題が生じる。なお、角速度一定となる記録フォーマットとしては、CAV(Constant Angular Velocity)方式またはMCAV(Modified CAV)方式が代表的に挙げられる。記録フォーマットについては、例えば1989年2月10日にラジオ技術社から刊行された「光ディスク技術」の第223ページに記載されている。
角速度一定で回転するディスク状媒体では、内周側から外周側にかけて線速度が速くなる。一方、記録層の組成は全面で均一であるため、記録層の結晶化速度も全面で均一となるのが一般的である。そのため、媒体の内周側での線速度において十分な消去率が得られるように記録層の結晶化速度を決定すると、線速度のより速い外周側では十分な消去率が得られず、ジッタが大きくなってしまう。
一方、CLV(Constant Linear Velocity)方式やMCLV(Modified
CLV)方式など、角速度が一定でなく、線速度が一定またはほぼ一定になるように、オーバーライト可能な相変化型媒体を回転させる場合にも、記録層の結晶化速度を著しく速くすることができないため、高線速度でオーバーライトするときに、十分な消去率が得られず、ジッタが大きくなってしまうという問題があった。
したがって、本発明は、相変化型光記録媒体に、高線速度でオーバーライトを行う際に、記録層の結晶化速度を極端に速くすることなく、ジッタの増大を抑制することができる光記録方法およびかかる光記録方法に用いられる光記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、オーバーライトが可能な相変化型の記録層を有する光記録媒体を線速度が一定またはほぼ一定になるように回転させて前記光記録媒体の前記記録層に非晶質の記録マークを形成する光記録方法であって、
最短信号の長さをSとし、
前記最短信号に対応する最短記録マークにおいて、最大幅をMとし、E=0.1Mとし、前端側において幅Eである位置を実効前端とし、後端側において幅Eである位置を実効後端とし、実効前端と実効後端との距離を実効長Mとし、実効前端と、後端側において幅が減少しはじめる位置との距離をWとし、実効前端からの距離がS である位置における幅をS としたとき、
記録層の全域に、
0.1≦W/M≦0.7
0.61≦S /M ≦0.8、かつ、
0.1≦S /M ≦0.8
となるように最短記録マークを形成することを特徴とする光記録方法によって達成される。
本発明の好ましい実施態様においては、記録層の全域に、
0.2≦W/M≦0.6
となるように、最短記録マークが形成される。
本発明の好ましい実施態様においては、記録層の全域に、
0.65≦S/M≦0.78
となるように、最短記録マークが形成される。
本発明の好ましい実施態様においては、記録層の全域に、
0.2≦S/M≦0.7
となるように、最短記録マークが形成される。
本発明の好ましい実施態様においては、8m/s以上の線速度で、前記記録層に非晶質の記録マークが形成される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、9.6m/s以上の線速度で、前記記録層に非晶質の記録マークが形成される。
本発明の好ましい実施態様においては、最短記録マークが、幅が最大である位置からそれぞれ前端側および後端側にむかって幅が減少する形状であって、最短記録マークの前端側が弧状であり、最短記録マークの後端側には、記録トラック長さ方向に突出する尾状部が存在している。
本発明によれば、相変化型光記録媒体に、高線速度でオーバーライトを行う際に、記録層の結晶化速度を極端に速くすることなく、ジッタの増大を抑制することができる光記録方法およびかかる光記録方法に用いられる光記録媒体を提供することが可能になる。
本発明では、相変化型の記録層を有する光記録媒体に対し、記録(オーバーライト)を行う。すなわち、少なくとも記録パワーレベルと、この記録パワーレベルより低い消去パワーレベルとをもつようにパワー変調された記録用レーザービームを記録層に照射することにより、結晶質記録層に形成されている非晶質記録マークを消去(結晶化)すると共に、新たに非晶質記録マークを形成する。
図1に、本発明において比較的高線速度でオーバーライトを行う際に形成される最短記録マークの模式図を示す。この記録マークは、幅が最大である位置からそれぞれ前端側および後端側にむかって幅が減少する形状であって、前端側が弧状であり、後端側には、記録トラック長さ方向に突出する尾状部が存在する。すなわちこの記録マークは、”イチョウの葉”状の形状である。なお、この記録マークは、前記前端側から前記後端側に向かって移動した記録用レーザービームにより形成されたものである。
本明細書では、最短信号の長さをSとする。最短信号とは、媒体に記録される変調信号における最短信号のことである。また、最短信号の長さとは、最短信号の時間幅に対応する記録層上の長さ(距離)を意味する。また、本明細書では、前記最短信号に対応する最短記録マークにおいて、最大幅をMとし、E=0.1Mとし、記録マーク前端側において幅Eである位置を記録マークの実効前端とし、記録マーク後端側において幅Eである位置を記録マークの実効後端とし、実効前端と実効後端との距離を、実効長Mとする。この実効長Mは、記録マーク読み出しの際の再生信号出力に実質的に寄与する長さである。すなわち、例えば図1において、最短記録マークの後端側に存在する尾状部のうち、幅がE未満の領域は、再生信号出力に実質的に寄与しない。なお、実効長Mの算出に用いる幅Eは、本発明の発明者らが実験的に定めた値である。また、本明細書では、最短記録マークにおいて、実効前端と、後端側において幅が減少しはじめる位置との距離をWとし、実効前端からの距離がSである位置における幅をSとする。なお、これらの定義において、距離および長さとは記録トラック長さ方向(ビームスポット移動方向)の寸法であり、幅とは記録トラック幅方向の寸法である。
本発明は、CLV(Constant Linear Velocity)方式やMCLV(Modified
CLV)方式など、角速度が一定ではない記録フォーマットに適用される。
CLV方式では、記録時の基準クロック周波数を一定とし、かつ、媒体全域において線速度が一定となるように媒体の回転数を制御する。そのため、最短信号長さSは媒体全域において一定となる。
一方、MCLV方式では、記録時の基準クロック周波数を一定とし、かつ、媒体の回転数を媒体の内周側から外周側にかけて段階的に減少させる。すなわち、媒体に、複数の円環状のゾーンを同心円状に設定し、各ゾーンごとに媒体の回転数を一定に保つ。それぞれのゾーンにおける回転数は、通常、ゾーン最内周での線速度がすべてのゾーンにおいて等しくなるように設定する。その結果、MCAVと同様に、すべてのゾーンにおいてその最内周での最短信号長さSが等しくなる。したがって、MCLV方式における線速度および最短信号長さSは、各ゾーン内における小さな変動はあるものの、媒体の内周部から外周部にかけてほぼ一定となる。
線速度が一定またはほぼ一定になるように、オーバーライト可能な相変化型媒体を回転させて、記録マークを形成する場合には、記録層の結晶化速度を著しく速くすることができないため、高線速度でオーバーライトするときに、十分な消去率が得られず、ジッタが大きくなってしまうという問題があった。
本発明はかかる問題を解決するものであり、線速度が一定またはほぼ一定になるように、オーバーライト可能な相変化型媒体を回転させて、記録マークを形成する際に満足されるべき第1の条件は、記録層の全域に、
0.1≦W/M≦0.7
となるように、最短記録マークを形成することである。
このようにして、記録層の全域に、最短記録マークを形成することにより、記録層の結晶化速度を速くすることなく、すなわち、保存信頼性や再生耐久性を犠牲にすることなく、線速度が高くなっても、最短記録マークの消去率を向上させることができ、ジッタを低減させることが可能になる。
実効前端から幅が減少しはじめる位置までの距離Wが実効長Mに対し上記所定比率以下となるように最短記録マーク形状を制御すれば、消去率向上効果が高くなるが、Mに対してWが短すぎると、記録マークの面積が小さくなってCNR(carrier to noise ratio)が低くなってしまうので、W/Mには上記したように下限を設けることが必要である。
本発明において、好ましくは、記録層の全域に、
0.2≦W/M≦0.6
となるように、最短記録マークが形成される。
線速度が一定またはほぼ一定になるように、オーバーライト可能な相変化型媒体を回転させて、記録マークを形成する際に満足されるべき第2の条件は、記録層の全域に、
0.61≦S/M≦0.8
となるように最短記録マークを形成することである。
このようにして、記録層の全域に、最短記録マークを形成することにより、記録層の結晶化速度を速くすることなく、すなわち、保存信頼性や再生耐久性を犠牲にすることなく、線速度が高くなっても、最短記録マークの消去率を向上させることができ、ジッタを低減させることが可能になる。
信号長Sが実効長Mに対し上記所定比率以下となるように実効長Mを長くすれば、消去率向上効果が高くなるが、信号長Sに対して実効長Mが長すぎるとジッタが大きくなってしまうので、S/Mには上記したように下限を設けることが必要である。
本発明において、好ましくは、記録層の全域に、
0.65≦S/M≦0.78
となるように、最短記録マークが形成される。
線速度が一定またはほぼ一定になるように、オーバーライト可能な相変化型媒体を回転させて、記録マークを形成する際に満足されるべき第3の条件は、記録層の全域に、
0.1≦S/M≦0.8
となるように最短記録マークを形成することである。
このようにして、記録層の全域に、最短記録マークを形成することにより、記録層の結晶化速度を速くすることなく、すなわち、保存信頼性や再生耐久性を犠牲にすることなく、線速度が高くなっても、最短記録マークの消去率を向上させることができ、ジッタを低減させることが可能になる。
幅Sが最大幅Mに対し上記所定比率以下となるように記録マーク後端側を絞った形状とすれば、ジッタを大きく増大させることなく消去率を向上させることができるが、幅Sが最大幅Mに対し小さすぎると、記録マークの面積が小さくなってCNRが低くなってしまうので、S/Mには上記したように下限を設けることが必要である。
本発明において、好ましくは、記録層の全域に、
0.2≦S/M≦0.7
となるように、最短記録マークが形成され、さらに好ましくは、記録層の全域に、
0.3≦S/M≦0.6
となるように、最短記録マークが形成される。
本発明においては、上記第1の条件、第2の条件および第3の条件の1つ以上、好ましくは2つ以上、さらに好ましくはすべてを満足することが望ましく、特に、第1の条件を少なくとも満足することが好ましい。
本発明は、8m/s以上の線速度で、記録マークを形成する場合に、より一層効果的であり、9.6m/s以上の線速度で、記録マークを形成する場合に、とくに効果的である。
また、本発明は、最短信号長さS
≦350nm、特に
≦250nm
である場合に、特に有効である。本発明では主として、図1に示すような"イチョウの葉"状の記録マークにおける前記尾状部の長さを制御することにより、最短記録マークの消去率を制御する。最短信号長さSが長いと、最短記録マーク長に対する前記尾状部の長さの比率が小さくなるため、前記尾状部の長さ制御による効果が実現しにくくなる。ただし、最短信号長さSがあまりにも短いと所望の形状および寸法比をもつ記録マークを安定して形成することが困難となるため、最短信号長さS
70nm≦S、特に
120nm≦S
であることが好ましい。
上述したように本発明は、オーバーライト時の媒体の線速度が比較的速い場合に有効であるが、線速度があまりに速いと、媒体駆動装置の高コスト化、駆動時の媒体の安定性などに問題が生じる。そのため、記録フォーマットによらず、媒体の全域において線速度Vが好ましくは
V≦35m/s、より好ましくは
V≦30m/s
であることが望ましい。
次に、上記形状および上記寸法比をもつ記録マークの形成に適した方法について説明する。
相変化型記録媒体にオーバーライトを行う際には、前述したように、少なくとも記録パワーレベルと消去パワーレベルとをもつようにパワー変調されたレーザービームを照射する。記録パワーレベルのレーザービーム照射により記録層は溶融し、所定の照射時間が経過した後、レーザービームのパワーが消去パワーレベルまで下がるため、溶融した領域は急速に冷却されて非晶質となる。本発明ではこのような記録マーク形成過程において、溶融領域全体を非晶質化せず一部を結晶化することにより、記録マーク後端を上記形状とする。具体的には、溶融領域の後端側(レーザービームが遠ざかる側)において冷却速度を遅くすることにより、溶融領域後端部を結晶化する。このとき、記録パルスストラテジおよび照射パワーを制御することにより、図1に示すような形状および上記した寸法比(W/M、S/MおよびS/M)の最短記録マークを形成することができる。
ところで、記録マーク形成の際に溶融領域の一部が結晶化することは、特開平9−7176号公報に記載されている。ただし、同公報では、光記録ディスクの線速度が遅い場合に記録マーク前半部分で再結晶化が生じるとし、この再結晶化を防ぐために、記録パワーレベルのレーザー光を所定のパターンでパルス状に照射することを提案している。同公報には、マーク後半部分に相当する領域へのレーザービーム照射による熱が、いったんは溶融したマーク前半部分に相当する領域に伝導し、その結果、マーク前半部分が急冷されないために再結晶化が生じる旨が記載されている。また、特開平11−232697号公報では、上記特開平9−7176号公報に記載された作用による再結晶化を、セルフイレーズと呼んでいる。上記各公報に示されるように、記録マーク形成の際に溶融領域の前端部が上記セルフイレーズにより結晶化すること、および、この結晶化が記録マーク前端部の形状に影響を与えることは知られている。しかし、上記特開平9−7176号公報に示されるように、従来はセルフイレーズが記録マーク形状に与える影響を防ぐことが重要であった。
これに対し本発明では、上記セルフイレーズと同様な作用を溶融領域後端側において積極的に働かせ、これにより溶融領域後端側を結晶化して、記録マーク後端を図1に示されるような形状とする。溶融領域後端側においてセルフイレーズ機能を働かせるためには、例えば、溶融領域の後ろ側に照射されるレーザービームのパワーおよびその照射時間を制御すればよい。溶融領域の後ろ側に照射されたレーザービームによる熱は、溶融領域内の後端側に伝導するため、このときの照射パワーおよびその照射時間を制御することにより、溶融領域後端部における冷却速度を調整でき、その結果、溶融領域後端部における結晶化領域の長さを制御できる。溶融領域後端側においてセルフイレーズ作用を働かせる場合、結晶化は主として記録マークの長さ方向において生じ、記録マークの幅方向においてはほとんど生じない。したがって、記録パワーレベルを適切に制御することにより、比較的幅が狭く、かつ比較的長い溶融領域を形成し、次いで、この溶融領域後端部をセルフイレーズにより結晶化させることで、記録マーク後端部を図示する形状とすることができる。
一方、記録マーク後端の形成にセルフイレーズ作用を利用しない場合には、例えば前記特開平9−7176号公報の図2に示されるように、記録マーク後端部が前端部と同様なラウンド形状になってしまう。そして、その場合において記録マーク長を信号長よりも長くすると、記録マークの面積は広くなるがジッタが著しく大きくなり、エラーが多発してしまう。
なお、図1に示すような尾状部が生じるのは、レーザービームスポット内において、ガウス分布に近似したエネルギー分布が存在するためと考えられる。すなわち、エネルギー密度がビームスポットの中央付近で高くなるため、記録トラック中央付近において到達温度が比較的高くなり、その結果、冷却速度が速くなる。そのため記録トラック中央付近は、記録トラックの端部付近に比べセルフイレーズの影響を受けにくい。この現象は、記録時の媒体の線速度が比較的速い場合、すなわち記録光照射後の記録層の冷却速度が比較的速い場合に顕著に現れる。
本発明では、記録マークが図2および図3にそれぞれ示すような形状であってもよい。図2に示す記録マークは、前端側に突出する先端部をもつ。図3に示す記録マークは、前記尾状部と前記先端部とがつながった状態である。すなわち、記録トラックの長さ方向において隣り合う"イチョウの葉"状の記録マーク同士が、非晶質の帯状領域により接続された状態となっている。図2および図3にそれぞれ示す形状であっても、記録マークの実効長Mが幅Eによって規定されることは、図1に示す形状の場合と同様である。
なお、本出願人による特開2000−231725号公報には、後端の少なくとも一部が前端に向かって凸状である最短記録マークを形成する光記録方法が記載されている。この方法は、記録マーク形成に際して、溶融領域の後端部をセルフイレーズにより結晶化させる点で本発明に類似する。また、同公報の段落0013に示されるように、この方法により形成される記録マークが、その後端の中央付近に、記録トラック方向に突出する尾状部をもつ形状(同公報では、「蝙蝠が翼を広げた形状」と表現)となる点でも、本発明に類似する。しかし、同公報では、実施例において、低速(線速度3.5m/s)で記録を行っており、これらの実施例において形成された最短記録マークは、いずれも尾状部が短くかつ極めて細く、
0.86<S/M
0.7<W/M
となっている。したがって、同公報記載の発明では、本発明の効果は実現しない。
次に、溶融領域後端側におけるセルフイレーズ作用を制御する具体的方法について説明する。
まず、記録パルスストラテジについて説明する。一般に、相変化型光記録媒体に記録する際には、記録用レーザービームを記録マークの長さに対応して連続的に照射するのではなく、前記特開平9−7176号公報に記載されているように、記録マーク形状の制御のため、複数のパルスからなるパルス列に分割して照射する場合が多い。この場合のパルス分割の具体的構成を、一般に記録パルスストラテジと呼ぶ。記録パルスストラテジの例を、図4に示す。図4には、NRZI信号の5T信号に対応する記録パルス列を例示してある。同図において、TTOPは先頭の上向きパルスの幅であり、TENDは最後尾の上向きパルスの幅であり、TMPはこれら以外の上向きパルスの幅であり、TCLは最後尾の上向きパルスの後ろに付加された下向きパルス(クーリングパルスともいう)の幅である。これらのパルス幅は、通常、基準クロック幅(1T)で規格化した値で表示される。図示する記録パルスストラテジでは、クーリングパルスを含むすべての下向きパルスのパワー(バイアスパワーPb)を消去パワーPeよりも低く設定している。
このような記録パルスストラテジによりレーザービームのパワー変調を行う場合において、溶融領域後端側におけるセルフイレーズ作用を制御するには、記録パワーPw、TMP、TEND、クーリングパルスのパワー(図示例ではバイアスパワーPb)、TCLおよび消去パワーPeの少なくとも1つを制御すればよい。具体的には、記録層の組成や媒体の構造など、溶融領域の結晶化に関与する要素に応じて適宜選択すればよいが、通常、少なくとも記録パワーPw、消去パワーPeおよびTCLの少なくとも1つを制御することが好ましい。
本発明では、高線速度でのオーバーライトに対して特に有効であり、また、本発明では、最短記録マークの形状および寸法を制御する。高線速度で最短記録マークを形成するに際しては、レーザーダイオードの応答性による制限から、レーザー光のパルス分割が困難ないし不可能である。そのため、例えば図5に示す2T信号のように、上向きパルスを1つだけ設けることになる。したがって、この場合、TTOP、TCLおよびパワーの制御だけを行うことになる。この場合には、線速度が速くなるにしたがって、最後尾の下向きパルスの幅TCLを短くするか、または、最後尾の下向きパルスのパワーレベル(図中のPb)を高くして消去パワーPeに近づけるか、TCL短縮およびPb上昇の両者を共に行うかすることが好ましく、TCL=0としてもよい。
なお、線速度に応じてTCLを制御することは、例えば特開2000−132836号公報や、前記特開平9−7176号公報に記載されている。ただし、従来の技術において、線速度に応じTCLを制御することは、線速度が比較的遅い場合に顕著となる前記セルフイレーズを抑制してジッタ増大を抑えるためである。これに対し本発明では、高線速時にTCLを制御することにより、記録マーク後端部においてセルフイレーズを積極的に働かせ、これによって記録マーク形状およびその各部の寸法を制御する。そして、これにより、ジッタの増大をある程度許容した上で、高線速時の消去率を向上させる。したがって、本発明は従来の技術とは全く異なるものであり、また、従来、記録マーク形状およびその各部の寸法を、本発明で限定するように制御することは知られていない。
次に、本発明が適用される光記録媒体の構成例について説明する。
図6に示す構造
この光記録媒体は、支持基体20上に、金属または半金属から構成される反射層5、第2誘電体層32、記録層4、第1誘電体層31および透光性基体2を、この順で積層して形成したものである。記録および再生のためのレーザー光は、透光性基体2を通して入射する。なお、支持基体20と反射層5との間に、誘電体材料からなる中間層を設けてもよい。
支持基体20
支持基体20は、媒体の剛性を維持するために設けられる。支持基体20の厚さは、通常、0.2ないし1.2mm、好ましくは0.4ないし1.2mmとすればよく、透明であっても不透明であってもよい。支持基体20は、通常の光記録媒体と同様に樹脂から構成すればよいが、ガラスから構成してもよい。光記録媒体において通常設けられるグルーブ(案内溝)21は、図示するように、支持基体20に設けた溝を、その上に形成される各層に転写することにより、形成できる。グルーブ21は、レーザー光入射側から見て手前側に存在する領域であり、隣り合うグルーブ間に存在する凸条がランド22である。
反射層5
本発明において反射層構成材料は特に限定されず、通常、Al、Au、Ag、Pt、Cu、Ni、Cr、Ti、Si等の金属または半金属の単体あるいはこれらの1種以上を含む合金などから構成すればよい。
反射層の厚さは、通常、10ないし300nmとすることが好ましい。厚さが前記範囲未満であると十分な反射率を得にくくなる。また、前記範囲を超えても反射率の向上は小さく、コスト的に不利になる。反射層は、スパッタ法や蒸着法等の気相成長法により形成することが好ましい。
第1誘電体層31および第2誘電体層32
これらの誘電体層は、記録層の酸化、変質を防ぎ、また、記録時に記録層から伝わる熱を遮断ないし面内方向に逃がすことにより、支持基体20や透光性基体2を保護する。また、これらの誘電体層を設けることにより、変調度を向上させることができる。各誘電体層は、組成の相異なる2層以上の誘電体層を積層した構成としてもよい。
これらの誘電体層に用いる誘電体としては、例えば、Si、Ge、Zn、Al、希土類元素等から選択される少なくとも1種の金属成分を含む各種化合物が好ましい。化合物としては、酸化物、窒化物または硫化物が好ましく、これらの化合物の2種以上を含有する混合物を用いることもできる。
第1誘電体層および第2誘電体層の厚さは、保護効果や変調度向上効果が十分に得られるように適宜決定すればよいが、通常、第1誘電体層31の厚さは好ましくは10ないし300nm、より好ましくは50〜250nmであり、第2誘電体層32の厚さは好ましくは10ないし100nmである。
各誘電体層は、スパッタ法により形成することが好ましい。
記録層4
記録層の組成は特に限定されず、各種相変化材料から適宜選択すればよいが、少なくともSbおよびTeを含有するものが好ましい。SbおよびTeだけからなる記録層は、結晶化温度が130℃程度と低く、保存信頼性が不十分なので、結晶化温度を向上させるために他の元素を添加することが好ましい。この場合の添加元素としては、In、Ag、Au、Bi、Se、Al、P、Ge、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Ti、Sn、Pb、Pdおよび希土類元素(Sc、Yおよびランタノイド)から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのうちでは、保存信頼性向上効果が特に高いことから、希土類元素、Ag、InおよびGeから選択される少なくとも1種が好ましい。
SbおよびTeを含有する組成としては、以下のものが好ましい。SbおよびTeをそれぞれ除く元素をMで表し、記録層構成元素の原子比を
式I (SbTe1−x1−y
で表したとき、好ましくは
0.2≦x≦0.90、
0≦y≦0.25
であり、より好ましくは
0.55≦x≦0.85、
0.01≦y≦0.20
である。
上記式Iにおいて、Sbの含有量を表すxが小さすぎると、結晶化速度が遅くなりすぎる。また、記録層の結晶質領域での反射率が低くなるため、再生信号出力が低くなる。また、xが著しく小さいと、記録も困難となる。一方、xが大きすぎると、結晶状態と非晶質状態との間での反射率差が小さくなってしまう。
元素Mは特に限定されないが、保存信頼性向上効果を示す上記元素のなかから少なくとも1種を選択することが好ましい。元素Mの含有量を表すyが大きすぎると結晶化速度が低下してしまうので、yは上記範囲内であることが好ましい。
記録層の厚さは、好ましくは4nm超50nm以下、より好ましくは5ないし30nmである。記録層が薄すぎると結晶相の成長が困難となり、結晶化が困難となる。一方、記録層が厚すぎると、記録層の熱容量が大きくなるため記録が困難となるほか、再生信号出力の低下も生じる。
記録層の形成は、スパッタ法により行うことが好ましい。
透光性基体2
透光性基体2は、記録再生用のレーザー光を透過するために透光性を有する。透光性基体2には、支持基体20と同程度の厚さの樹脂板やガラス板を用いてもよい。ただし、記録再生光学系の高NA化によって高記録密度を達成するためには、透光性基体2を薄型化することが好ましい。その場合の透光性基体の厚さは、30ないし300μmの範囲から選択することが好ましい。透光性基体が薄すぎると、透光性基体表面に付着した塵埃による光学的な影響が大きくなる。一方、透光性基体が厚すぎると、高NA化による高記録密度達成が難しくなる。
透光性基体2を薄型化するに際しては、例えば、透光性樹脂からなる光透過性シートを各種接着剤や粘着剤により第1誘電体層31に貼り付けて透光性基体としたり、塗布法を利用して透光性樹脂層を第1誘電体層31上に直接形成して透光性基体としたりすればよい。
本発明では、ランドおよび/またはグルーブを記録トラックとして利用することができる。
図7に示す構造
図7に示す光記録媒体は、透光性基体2上に、第1誘電体層31、記録層4、第2誘電体層32、反射層5および保護層6をこの順で有し、レーザー光は、透光性基体2を通して入射する。
図7における透光性基体2は、図6における支持基体20と同様なものを利用すればよいが、透光性を有する必要がある。
保護層6は、耐擦傷性や耐食性の向上のために設けられる。この保護層は種々の有機系の物質から構成されることが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその組成物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた物質から構成されることが好ましい。保護層の厚さは、通常、0.1〜100μm程度であり、スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等、通常の方法により形成すればよい。
このほかの各層は、図6に示す構成例と同様である。
実施例1
以下の手順で、図6に示す構造の光記録ディスクサンプルを作製した。
支持基体20には、射出成形によりグルーブを同時形成した直径120mm、厚さ1.2mmのディスク状ポリカーボネートを用いた。ランド・グルーブ記録方式における記録トラックピッチは、0.30μmとした。
反射層5は、Ar雰囲気中においてスパッタ法により形成した。ターゲットにはAg98PdCuを用いた。反射層の厚さは100nmとした。
第2誘電体層32は、Alターゲットを用いてAr雰囲気中でスパッタ法により形成した。第2誘電体層の厚さは20nmとした。
記録層4は、合金ターゲットを用い、Ar雰囲気中でスパッタ法により形成した。記録層の組成(原子比)は、
(Sb0.78Te0.220.95In0.01Ge0.04
とした。記録層の厚さは12nmとした。
第1誘電体層31は、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)ターゲットを用いてAr雰囲気中でスパッタ法により形成した。第1誘電体層の厚さは130nmとした。
透光性基体2は、第1誘電体層31の表面に、溶剤型の紫外線硬化型アクリル系樹脂からなる厚さ3μmの接着層を介して、ポリカーボネートシート(厚さ100μm)を接着することにより形成した。
このようにして作製したサンプルをバルクイレーザーにより初期化(結晶化)した後、
レーザー波長:405nm、
開口数NA:0.85、
変調コード:(1,7)RLL
の条件で、サンプルを一定の角速度で回転させながら記録を行った。記録時の線速度を表1に示す。なお、線速度11.4m/sは、2178rpmで回転するサンプルの半径50mmの位置における線速度に相当し、線速度5.7m/sは半径25mmの位置における線速度に相当する。記録パルスストラテジは、図4および図5に例示するパターンのように、nT信号における上向きパルスの数をn−1とし、そのほかの条件は
TOP、TMP、TEND、TCL:表1に示す値、
Pw:5.0mW、
Pe:表1に示す値、
Pb:0.1mW
とした。なお、最短信号は2Tであり、この2T信号の長さ(S)が、線速度によらず173nmとなるようにクロック周波数を制御した。
次に、サンプルの記録層の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、この写真の最短記録マークからM、W、MおよびSを測定し、W/M、S/MおよびS/Mを求めた。結果を表1に示す。
表1にNo.101として示される条件で形成された記録マークの写真を図8に、また、表1にNo.103として示される条件で形成された記録マークの写真を図9に、それぞれ示す。クーリングパルスをもたない記録パルスストラテジを用いて高線速度で記録を行ったNo.101では、最短記録マークが"イチョウの葉"状であり、最短記録マークの寸法比は本発明で限定する範囲内にある。これに対し、低線速度で記録を行ったNo.103では、前記特開2000−231725号公報に記載されているような"蝙蝠"状の最短記録マークが存在し、マーク各部の寸法比は本発明で限定する範囲から外れている。このほか、No.102では、No.101と同様に高線速度で記録を行ったが、比較的幅広のクーリングパルスを設けたため、最短記録マークはNo.103とほぼ同じ寸法比の"蝙蝠"状となっていた。なお、No.104は、No.103と同じ条件で記録したものである。
次に、サンプルに対し、表1に示される各条件で2T信号だけを記録した後、表1にそれぞれ示す消去線速度でサンプルを回転させながら、出力1.4mW直流レーザー光を照射して記録マークの消去を行い、このときの消去率を求めた。なお、表1に示す消去率は、2T信号のキャリアの減少分である。消去率が25dB未満であると、消去不可能であるといえる。
また、サンプルに、表1に示される各条件で(1,7)RLL変調の混合信号を記録した後、表1にそれぞれ示す消去線速度でサンプルを回転させながら、(1,7)RLL変調の混合信号をオーバーライトした。オーバーライト後のジッタを表1に示す。このジッタはクロックジッタであり、クロックジッタが10%以下であれば、実用上問題のない信号再生が可能である。なお、クロックジッタは、再生信号をタイムインターバルアナライザにより測定して「信号の揺らぎ(σ)」を求め、
σ/Tw (%)
により求めた。Twは検出窓幅である。
Figure 0004286260
表1から、本発明の効果が明らかである。No.102、No.103およびNo.104の最短記録マークは、前記特開2000−231725号公報に記載された最短記録マークと同様に
0.86<S/M
0.7<W/M
であり、同公報に記載された蝙蝠形状のものである。そのため、消去線速度が5.7m/sと遅いNo.103では十分な消去率が得られているが、消去線速度を11.4m/sと速くしたNo.102およびNo.104では、消去率が不十分となっている。これに対し、最短記録マークの寸法比(W/M、S/MおよびS/M)がいずれも本発明で限定する範囲内にあるNo.101では、消去線速度11.4m/sで十分な消去率を示している。また、No.101におけるジッタは、低線速で記録および消去を行ったNo.103に比べやや大きくなるものの、許容範囲には収まっている。
したがって、角速度一定の光記録ディスクにおいて、線速度の遅い内周側にNo.103と同様にして最短記録マークを形成し、線速度の速い外周側にNo.101と同様にして最短記録マークを形成すれば、オーバーライトを行ったときに、ディスクの全域において良好な消去特性と低ジッタ特性とが得られる。しかも、この場合、記録層の結晶化速度は、内周側の遅い線速度にあわせて設定できるので、保存信頼性および再生耐久性も良好となる。また、線速度がほぼ一定の光記録ディスクの全域に、No.101のように最短記録マークを形成すれば、データ転送レートが高く、しかも、保存信頼性および再生耐久性の良好な媒体が実現できる。
実施例2
実施例1で作製した光記録ディスクサンプルについて、表2および表3にそれぞれ示す条件で記録、消去およびオーバーライトを行うことにより、実施例1と同様な評価を行った。結果を表2および表3にそれぞれ示す。
Figure 0004286260
Figure 0004286260
表2および表3から、本発明の効果が明らかである。
すなわち、表2において線速度8m/s未満の位置で消去およびオーバーライトを行ったNo.201およびNo.202では、W/M、S/MおよびS/Mが本発明で限定する範囲を外れているが、十分に高い消去率が得られており、ジッタが小さい。一方、表2において線速度8m/s以上の位置で消去およびオーバーライトを行ったNo.203ないしNo.206では、W/M、S/MおよびS/Mが本発明で限定する範囲内となるように最短記録マークを形成したため、十分に高い消去率が得られており、ジッタが小さい。表2では、各速度一定のサンプルにおいて、内周側から外周側にかけてW/M、S/MおよびS/Mがいずれも小さくなるように制御しているので、サンプル全域において低ジッタが得られている。
これに対し、表3では、線速度8m/s未満の位置と線速度8m/s以上の位置とでほぼ同じ寸法比の最短記録マークを形成したため、線速度8m/s以上の位置において十分な消去率が得られず、ジッタが大きくなってしまっている。
本発明は、以上の実施の形態および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
図1は、記録マークの模式図である。 図2は、記録マークの模式図である。 図3は、記録マークの模式図である。 図4は、記録パルスストラテジの例を示す図である。 図5は、記録パルスストラテジの例を示す図である。 図6は、光記録媒体の構成例を示す断面図である。 図7は、光記録媒体の他の構成例を示す断面図である。 図8は、結晶構造を示す図面代用写真であって、相変化型記録層の透過型電子顕微鏡写真である。 図9は、結晶構造を示す図面代用写真であって、相変化型記録層の透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
2 透光性基体
20 支持基体
21 グルーブ
22 ランド
31 第1誘電体層
32 第2誘電体層
4 記録層
5 反射層
6 保護層

Claims (7)

  1. オーバーライトが可能な相変化型の記録層を有する光記録媒体を線速度が一定またはほぼ一定になるように回転させて前記光記録媒体の前記記録層に非晶質の記録マークを形成する光記録方法であって、
    最短信号の長さをSとし、
    前記最短信号に対応する最短記録マークにおいて、最大幅をMとし、E=0.1Mとし、前端側において幅Eである位置を実効前端とし、後端側において幅Eである位置を実効後端とし、実効前端と実効後端との距離を実効長Mとし、実効前端と、後端側において幅が減少しはじめる位置との距離をWとし、実効前端からの距離がS である位置における幅をS としたとき、
    記録層の全域に、
    0.1≦W/M≦0.7
    0.61≦S /M ≦0.8、かつ、
    0.1≦S /M ≦0.8
    となるように最短記録マークを形成することを特徴とする光記録方法。
  2. 記録層の全域に、
    0.2≦W/M≦0.6
    となるように最短記録マークを形成することを特徴とする請求項1に記載の光記録方法
  3. 記録層の全域に、
    0.65≦S/M≦0.78
    となるように最短記録マークを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の光記録方法。
  4. 記録層の全域に、
    0.2≦S/M≦0.7
    となるように最短記録マークを形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光記録方法。
  5. 8m/s以上の線速度で、前記記録層に非晶質の記録マークを形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光記録方法。
  6. 9.6m/s以上の線速度で、前記記録層に非晶質の記録マークを形成することを特徴とする請求項5に記載の光記録方法。
  7. 最短記録マークが、幅が最大である位置からそれぞれ前端側および後端側にむかって幅が減少する形状であって、最短記録マークの前端側が弧状であり、最短記録マークの後端側には、記録トラック長さ方向に突出する尾状部が存在していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光記録方法。
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