JP4285321B2 - 車車間通信システム及び車両用無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、概して、車両間で自車両現在位置を表す位置情報が送受信される車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置に係り、特に、送信された自車両現在位置情報が位置検出能力が異なる他車両でも有効利用できるようにした車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置に関する。
従来、無線通信を利用して車両間で情報がやりとりされる車車間通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。車車間通信システムにおいて車両間で送受信される最も典型的且つ重要な情報は、各車両において検出された自車両現在位置に関する情報である。各車両は、自車両において検出した自車両現在位置(又はそこから得られる走行ベクトル)と、車車間通信を利用して取得した他車両現在位置(又はそこから得られる走行ベクトル)とを比較することによって、自車両と他車両との交錯可能性を判定し、この判定結果に基づいて運転者への情報提供や場合によっては制御介入などの様々な運転支援制御を実行することができる(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開平11−110693号公報 特開2000−348299号公報 特開2000−55677号公報 特開2000−90396号公報
上記特許文献1〜4を含め、従来提案されている車車間通信においては、送受信される位置情報について検出誤差が考慮されていない。具体的には、送受信される自車両現在位置について従来技術では「GPS等で検出された現在位置」などと説明されているに留まり、自車両現在位置情報の定義や仕様、すなわちどのような基準・規則に従ってどのように表記・表現するのか、については詳細な提案が為されていない。
自車両現在位置を検出するための装置・装備には様々な種類のものが存在し、検出能力(検出精度、分解能、検出誤差、等)も各々異なる。車車間通信において各車両における位置検出精度のバラツキが考慮されなければ、様々な検出精度の自車両位置情報が同一の土俵上で比較されることになり、交錯可能性判定における誤判定を招き得る。
様々な検出精度の位置情報としては、現時点では、例えば、D−GPSによる検出結果をマップマッチング等で校正した高精度な位置情報や、GPSによる検出結果のみの低精度な位置情報、などが考えられる。また、場合によっては、自車両のナビゲーション・システム上では校正された高精度位置情報を利用するが、他車両へは通信トラフィックを考慮して校正前の低精度な位置情報を送信する、といった設定が為されることも考えられる。
また、校正処理についても、その手法や精度には様々なものが存在するため、同じく校正済みの位置情報であってもその精度にはバラツキが生じ得る。
さらには、従来提案されている車車間通信において、検出精度以前の問題として、そもそも位置情報が地図データベース固有の独自表現(例えば、道路番号、リンク・ナンバー、など)で表現されている場合、汎用性に欠け、異なる地図データベースを持つ車両はその位置情報を受信しても解読できないか或いは誤差を含む可能性が高い位置情報となってしまう。現時点では、統一された地図データベースというものは存在せず、地図データベースにも様々な仕様があるのが現状である。
このように、従来の車車間通信では、送受信される位置情報の表記方法(の汎用性)やその位置情報が持つ精度のバラツキが考慮されていないため、各車両におけるこれら位置情報を利用した交錯可能性判定において誤判定が生じるおそれがある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、送信された自車両現在位置情報が様々な装備や性能を有する他車両において幅広く有効に利用されるようにした車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第一の態様は、車両間で自車両現在位置を表す位置情報が送受信される車車間通信システムであって、上記自車両現在位置は緯度及び経度で表記された車車間通信システムである。
この第一の態様によれば、車両間で送受信される位置情報が汎用性の高い緯度/経度によって表記されているため、多くの車両が他車両から受信した位置情報を有効に利用することができる。すなわち、幅広い車両が利用/参加できる車車間通信システムとなる。
なお、この第一の態様において、上記位置情報と共に、1)自車両現在位置を検出するのに用いた検出手段に関する情報、2)自車両現在位置を校正するのに用いた校正手段に関する情報、3)自車両現在位置の種別に関する情報、及び/又は、4)各情報の有効性に関する有効情報、が送受信されると、位置検出能力が異なる車両間でも位置情報を同一レベルで比較することができるため、好ましい。
ここで、各情報についての「有効情報」とは、その情報の有効性を複数段階で示したものであり、例えば、使用中、機能は有るが不使用中、機能無し又は故障中、などのレベルから成ってもよい。
また、この第一の態様において、他車両から上記位置情報を受信した車両が、受信した位置情報から、A)自車両が備える校正手段を用いて緯度・経度表記のまま校正した転送用位置情報と、B)自車両が備える地図データベースに固有の表記に変換した自車両用位置情報とを生成するようにすれば、校正手段を持たない又はより精度の低い校正手段しか持たない周辺車両に自車両において校正した他車両位置情報を提供することができるため、好ましい。
上記目的を達成するための第二の態様は、車両間で自車両現在位置を表す位置情報が送受信される車車間通信システムにおいて用いられる車両用無線通信装置であって、緯度及び経度で表記した自車両現在位置を上記位置情報として送信する車両用無線通信装置である。
この第二の態様によれば、自車両において検出した自車両現在位置を汎用性の高い緯度/経度で表記して位置情報として送信するため、これを受信した周辺車両は容易にその位置情報を利用することができる。
なお、この第二の態様において、上記位置情報と共に、1)自車両現在位置を検出するのに用いた検出手段に関する情報、2)自車両現在位置を校正するのに用いた校正手段に関する情報、3)自車両現在位置の種別に関する情報、及び/又は、4)各情報の有効性に関する有効情報、を送信するようにすると、この位置情報を位置検出能力が異なる周辺車両が受信しても受信した位置情報とその車両で検出された現在位置とを同一レベルで比較することができるため、好ましい。
ここで、各情報についての「有効情報」とは、その情報の有効性を複数段階で示したものであり、例えば、使用中、機能は有るが不使用中、機能無し又は故障中、などのレベルから成ってもよい。
上記目的を達成するための第三の態様は、車両間で自車両現在位置を表す位置情報が送受信される車車間通信システムにおいて用いられる車両用無線通信装置であって、他車両から緯度及び経度で表記された上記位置情報を受信したとき、この受信した位置情報から、A)自車両が備える校正手段を用いて緯度・経度表記のまま校正した転送用位置情報と、B)自車両が備える地図データベースに固有の表記に変換した自車両用位置情報とを生成する車両用無線通信装置である。
この第三の態様によれば、他車両から車車間通信により取得した他車両現在位置情報を、自車両が備える校正手段によって校正し、これを自車両において利用するだけでなく、他車両でも利用できるように校正後の位置情報の緯度/経度表記についても別途生成・保存することによって、校正手段を持たない又はより精度の低い校正手段しか持たない周辺車両に自車両において校正した他車両位置情報を提供することができる。
本発明によれば、送信された自車両現在位置情報が様々な装備や性能を有する他車両において幅広く有効に利用されるようにした車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
また、特に断りの無い限り、ここでいう車車間通信には、インフラを経由した車両間での通信、すなわち個々のリンクの一部又は全部が路車間通信として実現される車両間での通信も含まれるものとする。
まず、図1〜3を用いて、本発明の一実施例に係る車車間通信システムにおいて前提とする車両用無線通信装置の概略について説明する。図1は、本実施例に係る車車間通信システム用の無線通信装置100の概略構成図である。
本実施例に係る車両用無線通信装置100は、車車間通信に利用可能な送信機/受信機101(以下、単に「送受信機101」という)を有する。送受信機101は、通信用のアンテナ102を備え、無線周波数帯の電波(例えば、60GHz帯のミリ波)を送受信することにより他車両との車車間通信を実現する。通信方式には、例えば、スペクトラム拡散方式を採用することができる。
また、車両用無線通信装置100は、高速通信バスなどを介して送受信機101に接続された信号処理装置103を有する。信号処理装置103は、更に、送受信するデータを一時的に格納する送受信データバッファ104を有する。信号処理装置103は、車車間通信により送受信機101が受信した他車両の走行情報(以下、「他車両受信データ」という)を送受信データバッファ104に格納すると共に、後述するゲートウェイ装置105やデータ管理ECU106などに他車両受信データに基づいて生成した信号(以下、「他車両情報信号」という)を送出する。
また、車両用無線通信装置100は、高速通信バスなどを介して信号処理装置103に接続されたゲートウェイ装置105を有する。ゲートウェイ装置105は、信号処理装置103と自車両の各種制御装置や各種情報装置等との間を相互接続する。
ゲートウェイ装置105には、高速通信バスなどを介して、例えば、ナビゲーション・システム、オーディオ装置、カメラ、又は携帯電話等のマルチメディア系装置106、自車両に搭載された各種制御装置や各種センサ等の制御系装置107、及び、自車両に搭載された各種電装部品108、が接続される。
したがって、ゲートウェイ装置105には、図1に示すように、ナビゲーション・システムなどの情報装置の各種状態を示す状態信号及び/又は画像信号、各種制御装置による制御信号、各種センサによる検出信号、各種スイッチのオン/オフ信号、などの多種多様な信号(以下、「自車両情報信号」という)が入力される。
なお、本実施例では、図示した又は上述の各種情報が自車両情報信号に含まれるものとしたが、本発明は、ゲートウェイ装置105に入力される自車両情報信号に含まれる情報を限定するものではなく、自車両情報信号には車車間通信で他車両又は自車両にとって有益となり得るあらゆる情報が含まれ得る。車車間通信を有益なものとする観点から、ゲートウェイ装置105に入力される自車両情報信号には、可能な限り多種多様な情報が含まれることが望ましい。例えば、加速度センサと車輪速センサの検出値に基づいて推定された走行路面と車輪の間の摩擦係数といった各種信号に基づいて得られた情報が含まれてもよい。
ゲートウェイ装置105に入力された自車両情報信号は、信号処理装置103に送出される。信号処理装置103は、自車両情報信号に含まれる各種自車両情報を送受信データバッファ104に格納すると共に、この各種自車両情報に基づいて生成した自車両の走行情報(以下、「自車両送信データ」という)を送受信機101に送出する。送受信データバッファ104に格納される各種自車両情報は、例えば、ゲートウェイ装置105からの入力毎に更新される。
また、車両用無線通信装置100は、信号処理装置103に接続されたデータ管理ECU109(データ管理用の電子制御ユニット)を有する。データ管理ECU109は、図示しないバスを介して相互接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成される。
信号処理装置103は、データ管理ECU109により制御される。すなわち、信号処理装置103は、データ管理ECU109からの指令に応じて、送受信データバッファ104に格納された他車両受信データに基づいてゲートウェイ装置105に送出する他車両情報信号を生成すると共に、送受信データバッファ104に格納された自車両情報に基づいて送受信機101に送出すべき自車両送信データを生成する。自車両送信データは、送受信機101のアンテナ102を介して送信される。また、データ管理ECU109は、送受信機101への自車両送信データの送出サイクル(すなわち、送受信機10の送信サイクル)を制御する。
なお、本実施例において、信号処理装置103や送受信データバッファ104の機能は、ゲートウェイ装置105、データ管理ECU109、又は送受信機101に組み込まれてもよい。また、データ管理ECU109の機能は、他のECU(例えば、追従走行用ECUなど)によって実現されてもよい。
データ管理ECU109には、車車間通信により得られる他車両走行情報及び自車両走行情報を利用する各種の通信利用システム110が接続され得る。この通信利用システム110は、例えば、先行車両との車間距離や先行車両の速度等に基づいて警報を出力する警報システムや、他車両との関係(例えば相対速度)に基づいて該他車両との衝突を回避するように自車両の走行を制御する車両制御システム、或いは、先行車両に追従するように自車両の走行を制御する追従走行システム、などの通信を利用した運転支援システムを含む。これら通信利用システム110は、ゲートウェイ装置105にも接続され得る。
本実施例では、通信利用システム110として、特に、アンテナ102及び送受信機101を介して他車両から受信された他車両受信データ(少なくとも位置情報)から発信元車両の走行ベクトルを作成し、自車両との交錯可能性についてランクを判定する運転支援システムを備えるものとする。
ここで、ある車両についての走行ベクトルとは、位置を始点、速度を長さとした束縛ベクトル(起点が指定された物理的ベクトル)である。走行ベクトル作成に必要な速度情報(ベクトルの長さ)及び移動方向情報(ベクトルの向き)は、他車両受信データとして受信されてもよく、或いは、他車両受信データに含まれた位置情報をモニタリングすることによって算出されてもよく、或いは、他車両受信データに含まれた舵角情報、ヨーレート情報、Gxyセンサ情報などから予測されてもよい。自車両についても同様に、例えばナビゲーション・システムに備えられたGPS受信機により検出された自車両の位置情報から算出されてもよく、或いは、自車両の舵角情報、ヨーレート情報、Gxyセンサ情報などから予測されてもよい。
本実施例において、運転支援システムは、他車両の走行ベクトルと自車両の走行ベクトルの交錯可能性を判断し、その交錯可能性を所定のランキングに照らしていずれのランクに該当するかを判定する。
ランキングの一例を図2に示す。ここでは、ランクが0から5までにランク付けされ、いずれのランクに該当するかは2つのベクトルの相対ベクトルと交錯までの猶予時間とによって決まるものとする。ここでは、2つの(走行)ベクトルのベクトル量(速度及び方向)を考慮して予測された最大接近距離間隔を示す指標を「相対ベクトル」と呼んでいる。すなわち、ここに定義した相対ベクトルとは、同時刻における両車両の距離間隔が最も縮まった時でどの程度の間隔があるのかを示している。したがって、相対ベクトルが大きいほど衝突可能性は低く、小さいほど可能性が高い、と判断する。他方、「猶予時間」とは、両車両が最大接近する時刻までに残された時間を示す指標であり、短ければ衝突可能性が高く、長ければ可能性が低い、と判断する。
よって、図2に示す例では、相対ベクトルが小さく、猶予時間が短いほどランクが上がるように設定されている。また、相対ベクトルが非常に大きい場合(例えば、両ベクトルが略反対方向を向いている場合など)或いは猶予時間がかなり長い場合、他方の指標の程度にかかわらずランク0が設定されている。
本実施例に係る運転支援システムは、ランクに基づいて、自車両と交錯する可能性のある他車両の存在について運転者に情報及び/又は警報を提供する。この情報及び/又は警報は、ナビゲーション・システムのディスプレイ上やインストゥルメント・パネル上に視覚的に提供されてもよく、ホログラム虚像としてフロント・ウィンドウ上に視覚的に提供されてもよく、スピーカから音声として聴覚的に提供されてよく、これらを適宜組み合わせて提供されてもよい。情報が提供されるタイミングは任意に設定することができ、例えば交差点の手前150メートルなどのように設定することができる。同様に、提供される情報の具体的内容及び提供方法も任意である。
いずれの場合であっても、ランクが上がるほど運転者への注意喚起の程度が大きくなるように段階的な情報内容及び情報提供方法が設定される。例えば、ランク0では何らの情報提供も行わず、ランクが1から5へ上がるにつれて、交錯可能性のある他車両が存在する旨の単なる情報提供から、注意喚起、更には警報発生と伝達される情報の重要度及び緊急度が高められ、最終的には(例えば、ランク5では)制御介入(例えば、強制的な制動及び/又は強制的な操舵)を実行する、などのように設定することが考えられる(制御介入を実行するための構成については図示及び説明を省略)。
ここで、図3及び4を用いて、信号処理装置103が生成する自車両送信データについて説明する。本実施例において、信号処理装置103は、車車間通信の対象となる他車両が決定される前と、決定された後とで異なる自車両送信データを生成する。図3は、車車間通信の対象となる他車両が決定される前に生成される自車両送信データ(すなわち、車車間通信を開始する前の自車両送信データであり、以下、車車間通信実行中の自車両送信データと区別するために「事前送信データ」という)の一例を示す。
図3(a)に示すように、事前送信データのデータ構造には、ベーシック・データ・コードと、その前後に付加されたヘッダ及びフッタとが含まれる。ヘッダは、ベーシック・データ・コードのデータ内容を示す情報と共に、必要な各種情報(例えば、送信サイクルの変更情報)を含み、ベーシック・データ・コードの開始位置を指示する。
また、図3(b)に示すように、ベーシック・データ・コードには、必須情報としてユニーク・コードが含められる。ユニーク・コードは、車両毎に付与された固有のコードであり、例えばIPアドレスである。
また、ベーシック・データ・コードには、自車両の現在位置に関する位置情報が含められると共に、好ましくは車種コードが含められる。自車両現在位置情報は、現時点の自車両の位置を示す情報であり、例えば、GPS受信機(図示せず)が受信したGPS信号に基づいて演算された自車両の位置情報(ゲートウェイ装置105に入力される自車両情報信号に含まれる)である。GPS信号に基づいて演算された自車両位置を校正する手段を備える場合、当然、校正された位置情報が用いられることが好ましい。詳しくは後述する。車種コードは、自車両の車種を受信側が判別可能なコードであり、例えば、四輪車の場合にはナンバープレートの車種番号でもよく、二輪車の場合には排気量別に割り当てられた特定の英数字でもよい。より細かい個別の車種情報として、トラック、バス、ワンボックス、セダン、オープンカーなどの情報が含まれてもよく、車体(ボディ)の色の情報が含まれてもよい。
事前送信データは、例えば一定の送信サイクルで、常時、繰り返し送信される。この事前送信データが所定の領域内に存在する他車両により受信されると、受信した他車両が本実施例に係る車両用無線通信装置100を搭載していれば、該他車両からの同様の事前送信データが自車両により受信される。そして、受信した事前送信データに含まれる上述のユニーク・コードを互いに認識し合うことで、これらの車両間で車車間通信が成立・開始される。別の方法として、他車両からの事前送信データからユニーク・コードを認識した上で、該他車両に車車間通信を要求する要求信号を送信してもよい。この場合、該他車両から肯定応答信号を受信することで、該他車両との間に車車間通信が成立・開始される。
図4は、車車間通信の対象となる相手先車両が決定された後に生成される自車両送信データ(すなわち、車車間通信実行中の自車両送信データ)の一例を示す。車車間通信実行中の自車両送信データは、例えば、一定の送信サイクルで繰り返し送信される。なお、車車間通信の対象となる他車両が決定された後は、上述の事前送信データを送信せずに後述する車車間通信実行中の自車両送信データのみを車車間通信の対象となる相手先他車両に送信してもよく、或いは、車車間通信実行中の自車両送信データと共に、事前送信データも依然として常時送信するものとしてもよい。
図4(a)に示すように、車車間通信実行中の自車両送信データは、上述の事前送信データに対して、エクステンション・データ・コードと、その前に付加されたエクステンション・ヘッダとが追加されたデータ構造を有する。エクステンション・ヘッダは、エクステンション・データ・コードのデータ内容を示す情報を含み、エクステンション・データ・コードの開始位置を指示する。
図4(b)に示すように、エクステンション・データは、必須情報として、車車間通信を行う対象である相手先車両のユニーク・コード(ラベルa)を含む。また、エクステンション・データ・コードには、送受信データバッファ104に更新・格納されている自車両情報(例えば、図示するラベルb、c、d、e、f・・・)が選択的に組み込まれ得る。したがって、自車両送信データは、可変長のデータ構造である。
自車両送信データの作成、すなわち自車両情報の選択(及び、選択された自車両情報の配列)は、上述のように、データ管理ECU109の指令に応じて、信号処理装置103によって実行される。
以上のような概略装置構成を前提として、次に、本実施例に係る無線通信装置100による具体的な位置情報処理について説明する。本実施例において、各車両において検出され、車車間通信を利用して車両間で送受信される自車両現在位置情報は、緯度/経度で表記されるものとする。
図5は、信号処理装置103内での位置情報処理について情報の入出力をブロック図に表したものである。ここでは、図示するように、信号処理装置103内に設けられた位置情報処理部501に、車車間通信により受信された各種他車両情報が入力される。より具体的には、a)送信元車両において検出され、緯度/経度で表記された車両位置情報と、b)送信元車両において該位置情報を検出するのに用いられた位置検出手段に関する情報及びその有効情報、c)送信元車両において該位置情報を校正するのに用いられた位置校正手段に関する情報及びその有効情報、d)送信元車両において検出された車両現在位置の種別に関する情報及びその有効情報、e)送信元車両の車速情報、f)送信元車両の進行方向情報、などである。
a)緯度/経度表記の位置情報は、時・分・秒の測位単位を持つ。また、この位置情報には、最下位ビットが示す位(桁)と、用いられている測位系とを伝達する情報が含まれる。これにより、汎用性の高い緯度/経度表記が更に有用となり、どのように表現された位置情報であっても、あらゆる車両において利用可能とすることが容易となる。したがって、本実施例に係る車車間通信システムにより多くの車両が容易に参加できるようになるため、参加車両数増により送受信される情報量も増え、参加車両の利便性が一層向上する。なお、緯度/経度の測位系とは、例えば、WGS−84、IRTF、日本測地系、などである。
b)位置検出手段情報は、送信元車両がa)位置情報をどのような検出手段により検出したかを受信側車両に伝達するための情報である。位置情報の検出手段としては、b−1)自律航法(速度及びジャイロを利用)、b−2)GPS衛星測位、b−3)ディファレンシャルGPS(D−GPS)衛星測位、b−4)D−GPSより高精度なRTK−GPS衛星測位、b−5)その他の測位手段、などが挙げられる。b−2)GPS及び3)D−GPSの場合、2次元/3次元測位、可視衛星数、PDOP値などの測位状況に関する情報が含まれることが好ましい。また、b−5)その他の測位手段としては、例えば、携帯電話サービスや無線LANを利用した位置測位や、準天頂衛星を利用した位置測位、などが挙げられる。
また、b)位置検出手段情報の有効情報とは、例えば、利用中、機能は備えているが利用されていない、機能を備えていない又は故障中、の3レベルを有する。このようにb)位置検出手段情報及びその有効情報がa)位置情報と共に送信されることによって、受信側車両では、受信した他車両位置情報の確度・精度を把握することができるようになるため、自車両側でマップマッチング等による位置校正を行う必要性の有無やそれに用いる手段の適切な選択などが可能となる。
c)位置校正手段情報は、送信元車両がb)位置検出手段によって検出された位置情報をどのような校正手段を用いて校正して最終的なa)位置情報を生成したかを受信側車両に伝達するための情報である。位置情報の校正手段としては、c−1)ディファレンシャル情報やRTK情報に基づく校正、c−2)マップマッチング(自律航法と地図データベースを利用)に基づく校正、c−3)その他の校正、などが挙げられる。c−3)その他の校正としては、例えば、路車間通信などを利用してインフラ経由で取得した車両位置情報に基づいた校正などが挙げられる。
また、c)位置校正手段情報の有効情報とは、例えば、校正が完了し、校正後X秒経過した、校正処理中、校正機能を備えていない又は故障中、の3レベルを有する。このようにc)位置校正手段情報及びその有効情報がa)位置情報と共に送信されることによって、受信側車両では、受信した他車両位置情報の確度・精度を把握することができるようになるため、自車両側でマップマッチング等による位置校正を行う必要性の有無やそれに用いる手段の適切な選択などが可能となる。すなわち、自車両側での位置校正処理負荷が最適化され、処理効率が向上する。具体的には、例えば、受信した他車両位置情報が自車両が備える校正手段と同等以上の精度を有する校正手段によって校正された位置情報であることが共に受信したc)位置校正手段情報から把握された場合、受信側車両ではその他車両位置情報に対して自車両が備える校正手段によって校正処理を行う必要がない。また、同様に、受信した他車両位置情報が複数の校正手段によって多重に校正された位置情報であることが共に受信したc)位置校正手段情報から把握された場合、受信側車両ではその他車両位置情報に対して自車両が備える校正手段によって校正処理を行う必要性が低いと判断することができ、処理負荷との兼ね合いによっては校正処理を省略することも可能となる。逆に、送信元車両が自転車や原付自転車などスペース上やコスト上の制約から簡易な位置検出手段しか備えていない車両の場合、自車両が備える校正手段によって校正処理を行う必要がある又は必要性が高いと判断することができる。
d)現在位置種別情報は、送信元車両において検出・校正された車両位置情報をその送信元車両の地図データベースに照らして、現在位置が道路上であるか否かを判定した結果を受信側車両に伝達するための情報である。車両現在位置の情報としては、例えば、d−1)一般道路上(一般国道、都道府県道、市街路、などリンク上の位置と判定された場合)、d−2)高速道路上(自動車専用道など一般道路とノードを共有しないリンク上の位置と判定された場合)、d−3)道路外(各種施設エリア内、各種駐車場内、などリンク以外の位置と判定された場合)、などが挙げられる。
また、d)現在位置種別情報の有効情報とは、例えば、判定完了、判定中、判定後X秒経過、判定不可、判定機能無し、の5レベルを有する。このようにd)現在位置種別情報及びその有効情報がa)位置情報と共に送信されることによって、受信側車両では、走行道路判定の必要性の有無を判断することができるようになる。さらに、必要に応じて道路判定処理を実行することができるため、自車両側での処理負荷が最適化され、処理効率が向上する。具体的には、例えば、他車両現在位置が道路以外であれば、受信した他車両の位置情報を校正する際に道路探索・マッチング処理等が不要となる。場合によっては、校正処理自体が不要となる。また、例えば、受信側車両において、自車両が一般道を走行中に他車両が高速道路を走行中であることがd)現在位置種別情報から把握できれば、受信側車両においてマップマッチング処理等を実行することなく、交錯可能性がゼロであると判定することができるため、通信利用型運転支援システムによる走行ベクトルの比較等の交錯可能性判定処理(又は、危険度ランク判定処理)の実行を省略することができ、処理負荷が軽減される。
車車間通信を利用して他車両から位置情報と共に送信され、受信側車両において位置情報処理部501に入力されるその他の他車両情報として、例えば、送信元車両が保持し利用する地図データベースに関する情報(例えば、地図データベースID情報)が含まれてもよい。仮に送信元車両が備える地図データベースが受信側車両のそれと同一又は同一規格の地図データベースであれば、以降、これら車両での通信においてはその地図データベースに固有の表記(例えば、リンク番号やノード番号など)で表された位置情報をやりとりできるため、両車両において処理負荷が軽減される。
図5に示し、上記説明した他車両からa)位置情報と共に送信される付属情報は、すべてが必須ではなく、位置情報処理部501は取得できた情報を最大限利用して最適な位置情報処理を行うようにする。
位置情報処理部501は、必要に応じて受信した他車両位置情報を自車両が備える校正手段(位置校正部502)を用いて校正した上で、自車両が保持する地図データベース(DB)503に照らし、地図データベース上での位置座標を算出する。これにより、運転支援システムが、自車両の地図データベース503上で、自車両位置(又は自車両走行ベクトル)と他車両位置(又は他車両走行ベクトル)とを比較することができるため、交錯可能性判定処理(又は、危険度ランク判定処理)を実行することができる。
また、図示するように、位置情報処理部501は、受信した他車両情報を処理することによって、自車両の運転支援システムによって用いられる自車両地図データベース上での位置座標に変換した結果(B)のみならず、緯度/経度で表記された位置情報(A)も算出する。すなわち、位置情報処理部501は、受信した他車両位置情報を必要に応じて校正処理した後、自車両地図データベース503に固有の表記へ変換する前に、緯度/経度で表記された段階の校正済み位置情報(A)も処理結果として出力する。
この緯度/経度表記の校正済み他車両位置情報(A)は、例えば、車車間通信を利用して周辺車両に提供される。これにより、その他車両位置情報を受信し損ねた周辺車両もその送信元車両の位置情報を取得できる。また、自車両よりも精度の劣る校正手段しか持たない自車両周辺車両は、各車両内での校正処理だけでは得られなかったより高精度の位置情報を取得することができる。
また、自車両地図データベース503に固有の表記で表された位置座標(B)は、上記のように自車両内の運転支援システムによって用いられるだけでなく、上述の地図データベースIDが一致することが判明した他車両との間で直接やり取りされてもよい。
次いで、図6を用いて、本実施例に係る車両用無線通信装置による処理について説明する。図6は、本実施例に係る車両用無線通信装置による処理の流れを示すフローチャートである。
まず、車両用無線通信装置100の通常の車車間通信動作として、上述のように、自車両走行情報を送信すると共に、他車両走行情報が受信される(S601)。
次いで、車車間通信により取得した他車両走行情報(特に、位置情報)や、可能であれば自車両周辺監視センサ(周辺監視カメラ、レーダ)や路車間通信により取得した周辺状況情報に基づき、自車両周辺に他車両が存在するか否かが判定される(S602)。
周辺車両が存在しない場合(S602の「NO」)、他車両位置情報を処理し、交錯可能性の判定等を実行する必要性は低いと判断し、以降の処理を行わずに1ルーチンを終了する(S601へ戻る)。
自車両周辺に他車両が存在する場合(S602の「YES」)、次いで、自車両において検出された自車両位置を校正すると共に、受信した他車両の位置情報を校正処理する(S603)。このS603における処理は、位置情報処理部501(図5)によって、図7及び8に示すサブルーチンに従って行われる。図7は、ある送信元車両からの位置情報について初めて処理する場合のフローであり、図8は、2回目以降のフローである。
図7の初回用サブルーチンにおいては、まず、車車間通信により受信した他車両のa)位置情報(緯度/経度表記)、b)位置検出手段情報及びその有効情報、c)位置校正手段情報及びその有効情報、車速情報、及び、進行方向情報、並びにその時点での車車間通信の通信品質や通信頻度などに基づいて、受信した他車両位置情報に対して自車両が備える校正手段(図5の位置校正部502)を用いて校正処理を実行する必要があるか否かが判定される(S701)。
例えば、c)位置校正手段情報及びその有効情報から、受信したa)位置情報が自車両が備える校正手段(図5の位置校正部502)と同等以上の精度を持つ校正手段によって校正されたものであることが判明した場合など、校正処理が不要と判断された場合(S701の「NO」)、処理負荷軽減のためにも受信した他車両位置情報への校正処理は行われない。
他方、例えば、c)位置校正手段情報及びその有効情報から、受信したa)位置情報が何らの校正処理も施されていないことが判明した場合や、自車両が備える校正手段(図5の位置校正部502)よりも精度の低い校正手段によって校正されたものであることが判明した場合など、校正処理が必要と判断された場合(S701の「YES」)、次いで、その受信した他車両位置情報を自車両が持つ手段や情報で校正することが可能であるか否かが判定される(S702)。例えば、自車両が有するディファレンシャル値の補正による校正や進行方向と車速からノード通過を判断する擬似的なマップマッチングなどの校正を実行するために必要な手段や情報が備わっているか否かが判定される。
受信した他車両位置情報に対して校正処理を実行することが不可能な場合(S702の「NO」)、その他車両位置情報に対して校正処理が必要であると判断されたが校正処理が実施されていないことを示す校正未実施フラグが付与される(S703)。データを破棄しないのは、校正処理を行うことが不可能であっても、その位置情報を自車両地図データベースのリンク(道路)上にマップマッチングできる可能性があるからである。
他方、受信した他車両位置情報に対して校正処理を実行することが可能な場合(S702の「YES」)、緯度/経度表記のまま位置情報を校正処理する(S704)。そして、十分な校正処理が既に行われていた場合(S701の「NO」)又は必要な校正処理を行った場合(S704)、その他車両位置情報に対して校正済みフラグが付与される(S705)。
なお、校正未実施フラグ及び校正済みフラグのいずれか一方は省略されてもよい。また、S703又はS705終了時点での緯度/経度で表記された他車両位置情報は、保存され、後に位置情報A(図5)として出力される
次いで、d)現在位置種別情報及びその有効情報から、送信元車両の現在種別の判定が可能であるか否かが判定される(S706)。その他車両からa)位置情報と共に有効なd)現在位置種別情報も受信され、判定が可能である場合(S706の「YES」)、次いで、その他車両の現在位置が道路上であるか否かが判定される(S707)。
他車両からa)位置情報と共に受信されたd)現在位置種別情報が送信元車両が道路上に位置することを表している場合(S707の「YES」)、たとえ地図データベースの規格や精度(分解能)が異なったとしても、自車両が保持する地図データベース502上でもリンク(道路)上に位置するものと通常であるため、該他車両がリンク上に位置することを前提として、受信した又は校正した位置情報及び他の情報に基づいて自車両地図データベース上での最適なリンクを推定する処理を行う(S708)。
他方、他車両から有効なd)現在位置種別情報が受信されなかった場合(S706の「NO」)、又は、a)位置情報と共に受信されたd)現在位置種別情報が送信元車両の現在位置が道路上でないことを表している場合(S707の「NO」)、受信した又は校正した位置情報と他の情報(例えば車速や進行方向)から類推される行動形態から擬似マップマッチングを行い、最適なリンクを推定する。自由度のある閾値を設け、リンクマッチングを行うか否かの判断を含めてもよい。
このようにして自車両が保持する地図データベース503上での最適なリンクが推定されると、次いで、位置情報をその推定されたリンク上の座標値、すなわちその地図データベースに固有の表記、に変換する(S710)。
そして、最後に、周辺車両に転送し得る緯度/経度表記のままの位置情報(A)と、自車両地図データベースに固有の表記で表された位置情報(B)とを出力して、この初回用フローを終了する。
次に、ある送信元車両からの位置情報について2回目以降に処理する場合の流れを図8を用いて説明する。まず、その送信元車両と自車両との間の車車間通信において通信の瞬断が発生したか否か、及び、自車両においてその送信元車両から前回受信した位置情報を失っていないか否か、が判定される(S801)。
通信の瞬断や位置情報ロストが発生していない場合(S801の「NO」)、前回までの位置情報及びそれと共に送信された付属情報が1つ以上存在するため、今回受信された位置情報及び付属情報と前回までのものとの差分(どの程度変更したか)に基づいて図7のフローを一部のみ実行すれば、簡易に位置情報処理を実行することができ、処理負荷が軽減される。例えば、送信元車両が停止中であれば、前回値からの変動がゼロとなるから、校正処理は不要であり、前回の校正済み位置情報をそのまま用いることができる。また、例えば、送信元車両が定速走行中であって、前回との差分(位置変動)が予想の範囲内であって、同一リンク(道路)を走行中であると判断される場合には、校正処理を省略できる。
他方、通信の瞬断又は位置情報ロストが発生した場合(S801の「YES」)、次いで、前回の位置情報が残っているか否かが判定される(S803)。残っている場合(S803の「YES」)、次いで、所定期間以上前の位置情報は古過ぎて使用に値しないと考えられるため、その位置情報が受信されたときからの経過時間が所定の閾値内であるか否かが判定される(S804)。
前回位置情報は失われている場合(S803の「NO」)、又は、残っている前回位置情報が受信から所定以上の時間が経過している場合(S804の「NO」)、処理負荷軽減のために利用できる従前データが無いことから、図7のフローをすべて再実施する(S805)。
他方、所定の経過時間内の前回位置情報が残っている場合(S804の「YES」)、次いで、残っている位置情報が緯度/経度表記の位置情報(A)か、或いは、自車両地図データベース固有表記の位置情報(B)であるか、が判定される(S806)。
緯度/経度表記の位置情報(A)が残っている場合(S806の「A」)、この自車両が保持する地図データベースに固有の表記に変換される前の位置情報から現在位置が推定される(S807)。また、自車両地図データベース固有表記の位置情報(B)が残っている場合(S806の「B」)、自車両地図データベース固有表記のレベルで現在位置が推定される(S808)。
S807及びS808のいずれにおいても、S804において判定したように前回位置情報からの経過時間が所定範囲内であり、前回位置情報が比較的最近のデータであることから、車速情報や進行方向情報を利用することによって送信元車両が例えば同一リンク(道路)上に位置する可能性が高いなどと推定することができる。
また、緯度/経度表記の位置情報(A)の前回データと自車両地図データベース固有表記の位置情報(B)の前回データとが双方残っている場合、処理負荷軽減の観点から、位置情報(B)が用いられる。すなわち、S808へ優先的に進む。
このようにして、できる限り処理負荷を軽減しながら今回の位置情報処理を終えると、次いで、不要な位置情報であるか否かを判断し、不要であれば削除する(S809)。ここで不要な位置情報とは、後の危険度ランク判定や衝突防止システムなどの運転支援システムの起動に何ら関係し得ないと考えられる位置情報である。具体例を後述する。必要な位置情報と判断されれば、出力される(S810)。
以上で図6のS603のサブルーチンが終了する。図6の説明に戻る。このようにして処理された他車両位置情報に基づいて、次に、自車両と他車両の交錯可能性が既述の危険度ランクとして判定される(S604)。
次いで、判定された危険度ランクに基づいて、運転支援システム起動の必要性が判定される(S605)。危険度ランクが低く、運転支援が不要と判断された場合(S605の「NO」)、1ルーチンが終了し、S601に戻る。危険度ランクが高く、運転支援が必要と判定された場合(S605の「YES」)、衝突防止システムなどの運転支援システムが起動する(S606)。
その後、車車間通信が終了していなければ(S607の「NO」)、本フローがS601が繰り返し実行され、例えばIGオフなどにより車車間通信自体が終了した場合には(S607の「YES」)、本処理も終了する。
図9に本実施例に基づく位置情報処理の一具体例を示す。ここでは、A車が自車両であり、図の上方へ走行中であるものとする。また、各車両の位置を表す印は、白抜き印は校正前の又は受信したままの位置情報を表し、塗り潰し印は校正後の又は校正済みとして扱う位置情報を表す。
B車は、受信した白抜き位置(すなわち、B車において検出されたB車の位置)は、自車両Aの地図データベースに照らすとリンクからずれるため、本実施例に係る位置情報処理により、最短距離にある最適リンク上の塗り潰し位置に校正された場合である。
C車は、白抜き印で示す位置情報と共に進行方向情報とその他の他車両情報としてウインカSW情報が受信されたため、本実施例に係る位置情報処理によって進行方向及びウインカSWに基づき最適リンク上の塗り潰し位置に校正された場合である。
D車は、位置情報と共に受信された現在位置種別情報も利用して位置情報処理を行ったところD車が施設内に位置すると校正された場合である。
E車は、位置情報と共に受信された進行方向情報から、E車が自車両Aから離れていく離散方向にあるため、処理対象外とし、処理が行われなかった場合である。
F車は、位置情報と共に受信された位置検出手段及び/又は位置校正手段から高精度な位置情報であると判明したため、受信された位置情報を校正処理を行わずにそのまま塗り潰し印で最適リンク座標に表示された場合である。
G車は、受信した白抜き位置(すなわち、B車において検出されたB車の位置)は、自車両Aの地図データベースに照らすとリンクからずれるため、本実施例に係る位置情報処理により、最短距離にある最適リンク上の塗り潰し位置に校正された場合である。
H車は、F車と同様、位置情報と共に受信された位置検出手段及び/又は位置校正手段から高精度な位置情報であると判明したため、受信された位置情報を校正処理を行わずにそのまま塗り潰し印で最適リンク座標に表示された場合である。また、G車は、進行方向がリンク方向と異なるが、位置情報と共に受信された付属情報からH車が停止中で且つウインカ操作中であると判明したために、道路進入中である判断し、最適リンク上に表示された場合である。
I車は、位置情報と共に受信された現在位置種別情報から高速道路上であることが判明したため、校正処理を行わず、受信したままの位置情報を校正済みとして扱う場合である。
J車は、位置校正を行い、最適リンク座標を得たが、リンク経由では対象外であるため、表示しない場合である。
K車は、位置情報と共に受信された現在位置種別情報から高速道路上であることが判明し、接続ノードもないことから、対象外として表示しない場合である。
このように、本実施例によれば、車車間通信システムにおいて車両間でやり取りされる位置情報を汎用性の高い緯度/経度表記としたため、多くの車両が容易に参加できる車車間通信システムとなる。また、車車間通信システムに参加する車両が増えることは、情報を提供する車両の数が増えることを意味するため、参加車両数が増えるほど参加車両のシステム利便性が向上する。
また、本実施例によれば、他車両位置情報を受信した車両は、自車両地図データベースに固有の表記で表された校正済み位置情報だけでなく、緯度/経度表記の校正済み位置情報も生成するため、より精度の低い校正手段しか持たない周辺車両に自車両において校正された他車両位置情報を提供することができる。
さらに、本実施例によれば、受信された他車両位置情報に最適に対応する自車両が保持する地図データベース上でのリンク座標を得ることができるため、自車両と他車両のリンク経由での相対距離や接近時間などが把握することができ、より正確で、現実的で、必要最低限の、適切な運転支援を実施することができる。
本発明は、車車間通信システム及びそれに用いられる車両用無線通信装置に利用できる。車両用無線通信装置が搭載される車両の外観、重量、サイズ、走行性能等は問わない。
本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置の概略構成図である。 本発明の一実施例に係る危険度ランクの一例を示す図である。 (a)本発明の一実施例に係る事前送信データのデータ構造の一例を示す図である。(b)本発明の一実施例に係るベーシック・データ・コードのデータ構造の一例を示す図である。 (a)本発明の一実施例に係る自車両送信データのデータ構造の一例を示す図である。(b)本発明の一実施例に係るエクステンション・データのデータ構造の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る信号処理装置内での位置情報処理について情報の入出力表すブロック図である。 本発明の一実施例に係る他車両信号処理の流れを示すフローチャートである。 図6のS603の初回のサブルーチン処理の流れを示すフローチャートである。 図6のS603の2回目以降のサブルーチン処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施例に係る位置情報処理によって出力された位置情報の一具体例を示す図である。
符号の説明
100 車両用無線通信装置
101 送受信機
102 アンテナ
103 信号処理装置
104 送受信データバッファ
105 ゲートウェイ装置
106 マルチメディア系装置
107 車両制御系装置
108 その他の電装部品
109 データ管理ECU
110 通信利用システム
501 位置情報処理部
502 位置校正部
503 地図データベース(DB)

Claims (8)

  1. 車両間で、緯度及び経度で表記される自車両の現在位置情報が送受信される車車間通信システムにおいて
    受信側車両が、
    他車両から受信した前記現在位置情報に基づき作成される他車両の走行ベクトルに基づいて、該他車両と自車両との交錯可能性についてランクを判定する交錯可能性判定手段と、
    該交錯可能性判定手段により判定されたランクが上がるほど運転者への注意喚起の程度が上がるように運転支援を行なう運転支援手段と、
    を有することを特徴とする車車間通信システム。
  2. 前記交錯可能性判定手段は、前記他車両の走行ベクトル及び自車両の走行ベクトルに基づき算出される最大近接距離間隔及び猶予時間が、小さい値となるほどランクが上がるように判定することを特徴とする、請求項1に記載の車車間通信システム。
  3. 前記現在位置情報と共に該現在位置情報の種別に関する情報が送受信されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車車間通信システム。
  4. 前記交錯可能性判定手段は、他車両から受信した前記現在位置情報の種別に関する情報に基づき自車両が一般道を走行中に他車両が高速道路を走行中であることが把握できれば、交錯可能性がゼロであると判定することを特徴とする、
    請求項3に記載の車車間通信システム。
  5. 他車両と緯度及び経度で表記される自車両の現在位置情報を送受信する車両用無線通信装置において、
    他車両から受信した位置情報に基づき作成される他車両の走行ベクトルに基づいて自車両との交錯可能性についてランクを判定する交錯可能性判定手段と、
    該交錯可能性判定手段により判定されたランクが上がるほど運転者への注意喚起の程度を上げるように運転支援を行なう運転支援手段と、
    を有することを特徴とする車両用無線通信装置。
  6. 前記交錯可能性判定手段は、前記他車両の走行ベクトル及び自車両の走行ベクトルに基づき算出される最大近接距離間隔及び猶予時間が、小さい値となるほどランクが上がるように判定することを特徴とする、請求項5に記載の車両用無線通信装置。
  7. 前記現在位置情報と共に該現在位置情報の種別に関する情報を送信することを特徴とする、請求項5又は6に記載の車両用無線通信装置。
  8. 前記交錯可能性判定手段は、他車両から受信した前記現在位置情報の種別に関する情報に基づき自車両が一般道を走行中に他車両が高速道路を走行中であることが把握できれば、交錯可能性がゼロであると判定することを特徴とする、
    請求項7に記載の車両用無線通信装置。
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