JP4284859B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の変速機構として用いられるトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の変速機構としてトロイダル型無段変速機が開発され、実用化されている。
【0003】
図6には、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機の構造を示してある。このトロイダル型無段変速機10は、第1のキャビティ11と第2のをキャビティ14とで構成され、これらキャビティ11,14はそれぞれ入力ディスク12および出力ディスク13を備えている。
【0004】
各入出力ディスク12,13の間には一対のパワーローラ15が設けられている。パワーローラ15の外周面は、各ディスク12,13のトラクション面に接している。
【0005】
これらパワーローラ15は、トラニオン17に偏位軸19を介して取り付けられ、かつパワーローラ軸受16によって回転自在に支持されている。トラニオン17は、その下部に取り付けられた枢軸18を中心として揺動自在となっている。各ディスク2,3のトラクション面は枢軸18を中心とする円弧を、枢軸18と直角な軸を中心に回転して得られる凹面形状となっている。
【0006】
各入力ディスク12は、入力軸20にそれぞれボールスプライン21,22によって回り止めがなされた状態で軸線P方向に相対移動可能に取り付けられている。
【0007】
したがって各入力ディスク12は入力軸20と一体に回転する。この入力軸20は、エンジン等の駆動源によって回転する駆動軸25に、ベアリング26を介して相対回転可能に連結されている。
【0008】
各出力ディスク13は、両入力ディスク12間に設けられ、第1のキャビティ11の入力ディスク12と出力ディスク13とが互いに対向し、第2のキャビティ14の入力ディスク12と出力ディスク13とが互いに対向している。
【0009】
各出力ディスク13は、入力軸20にベアリング30,31を介して相対回転自在に支持されている。各出力ディスク13は、連結部材32によって連結され、互いに同期して回転する。連結部材32には出力ギヤ33が設けられている。
【0010】
第1のキャビティ11における入力ディスク12の背面側には押圧機構40が設けられ、この押圧機構40はカムディスク41とローラ42とを備えている。
カムディスク41は、入力軸20に対して、スラストベアリング43を介して回動自在に支持されている。カムディスク41と入力ディスク12との相互対向部にそれぞれカム面44,45が形成され、カム面44,45間にローラ42が挟み込まれている。
【0011】
これらのローラ42がカム面44,45間に挟まれた状態で駆動軸25が回転すると、カムディスク41が回転することにより、第1のキャビティ11における入力ディスク12が出力ディスク13に向って押圧されるとともに、入力ディスク12がカムディスク41と一緒に回転する。
【0012】
また、カムディスク41が受ける反力がスラストベアリング43を介して入力軸20に加わるため、第2のキャビティ14における入力ディスク12が出力ディスク13に向って押圧される。
【0013】
こうして駆動軸25からカムディスク41に伝達されたエンジンの回転力は各入力ディスク12を回転させ、各入力ディスク12の回転がパワーローラ15を介して出力ディスク13に伝わることにより、出力ギヤ33が回転することになる。
【0014】
入力軸20には、ボールスプライン21,22を構成するスプライン溝51,62が形成され、各入力ディスク12にそのスプライン溝51,62に対応するスプライン溝52,63が形成されている。
【0015】
そして入力軸20のスプライン溝51,62と入力ディスク12のスプライン溝52,63との間に複数のボール53,64が収容されている。したがって各入力ディスク12は、入力軸20に対して回転方向に固定され、軸線P方向に移動可能となっている。
【0016】
また、入力軸20の一端側の端部にはねじ部60が形成されている。このねじ部60にローディングナット61が螺合され、このローディングナット61と第2のキャビティ14の入力ディスク12との間に皿ばね65が設けられ、この皿ばね65により第2の入力ディスク12がカムディスク41の方向に弾性的に付勢されている。
【0017】
図7には、トロイダル型無段変速機10の変速制御機構部の構造を示してある。
【0018】
各トラニオン17は、主部17aと、この主部17aの上下部に一体に形成された揺動軸17b,17cとからなる。揺動軸17b,17cは、主部17aの一側面側に突出して互いに対向し、かつ枢軸18の中心軸線上に配置するように設けられている。
【0019】
パワーローラ15はトラニオン17の上部の揺動軸17と下部の揺動軸17cとの間に設けられ、このパワーローラ15を回転自在に支持した偏位軸19がトラニオン7の主部17aに取り付けられている。
【0020】
互いに対向した一対のトラニオン17における上部の揺動軸17および下部の揺動軸17はそれぞれ変速機10のケーシング10aに設けられた上部のヨーク70および下部のヨーク71を介して回転自在に支持されている。そして互いに対向した一対のトラニオン17の下部の揺動軸17cの相互間には、その一対のトラニオン17の相互を同期して揺動させる同期ケーブル72が襷掛け状に掛け渡されている。
【0021】
各トラニオン17の枢軸18にはそれぞれ油圧シリンダ機構75が設けられ、また一つのトラニオン17における枢軸18の下端部にはプリセスカム76が取り付けられている。
【0022】
各油圧シリンダ機構75に対する給排油は一つの制御弁80により行なわれる。制御弁80は、変速指令用のステッピングモータ84により軸方向に駆動されるスリーブ81と、このスリーブ81内に軸方向に摺動自在に嵌挿されたスプール82とを備えている。
【0023】
プリセスカム76と制御弁80との間にはリンクアーム77が設けられ、このリンクアーム77はピン77aを介して回動可能に支持され、一端側の端部がプリセスカム76のカム面76aに当接し、他端側の端部が制御弁80のスプール82に連係しており、これらプリセスカム76とリンクアーム77とによりトラニオン17の変位動作を制御弁80のスプール82に伝えてフィードバックするフィードバック機構が構成されている。
【0024】
入力軸20の回転は押圧装置40を介して入力ディスク12に伝えられる。そして、この入力ディスク12の回転がパワーローラ15を介して出力ディスク13に伝えられ、さらにこの出力ディスク13の回転が出力ギア33に伝達される。
【0025】
入力軸20と出力ギア33との間の回転速度比を変える場合には、油圧シリンダ機構75によりトラニオン17を上下に変位させる。この結果、これら各パワーローラ15の周面と入力ディスク12および出力ディスク13のトラクション面との当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴ってトラニオン17が揺動軸17b,17cおよび枢軸18を中心として互いに逆方向に揺動する。
【0026】
この結果、パワーローラ15の周面と入力ディスク12および出力ディスク13のトラクション面との当接位置が変化し、入力軸20と出力ギア33との間の回転速度比が変化する。
【0027】
油圧シリンダ機構75への油の給排は制御弁80により行なわれ、一つのトラニオン17の動きが制御弁80にフィードバックされる。
【0028】
変速比を切り換える際には、ステッピングモータ84により制御弁80のスリーブ81を所定量だけ変位させて制御弁80の油流路を開く。この結果、各油圧シリンダ機構75に圧油が所定方向に送り込まれ、各油圧シリンダ機構75が各トラニオン17を上下方向に変位させる。
【0029】
すなわち、各油圧シリンダ機構75への油の送り込みに応じて各トラニオン17が枢軸18の軸方向(上下方向)に変位しつつ揺動軸17b,17cおよび枢軸18を中心に揺動する。そして、一つのトラニオン17の動き(上下および揺動の変位)が枢軸18の下端部に設けられたプリセスカム76およびリンクアーム77を介して制御弁80のスプール81に逐次フィードバックされ、スプール81が軸方向に変位する。
【0030】
このような動作の繰り返しにより、トラニオン17が所定量変位した状態で、制御弁80の油流路が閉じられ、各油圧シリンダ機構75への油の給排が停止する。前記トラニオン17の動作は同期ケーブル72により他方のトラニオン17に伝達され、したがって各トラニオン17の上下方向及び揺動方向の変位量が前記ステッピングモータ84による制御に応じた量に保持され、変速比が設定された目標値に定まる。
【0031】
このようなバリエータ10を実際の自動車に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置として構成することが特開平10−196759号公報に開示されている。
【0032】
すなわち、低速走行時にはエンジンの駆動力をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時には前記駆動力を遊星歯車機構で伝達することにより高速走行時に前記トロイダル型無段変速機に加わるトルクの低減を図るようにしている。このような構成により、前記トロイダル型無段変速機の各構成部材の耐久性を向上させることができる。
【0033】
図8は、特開平10−196759号公報に記載された無段変速装置を示してある。この無段変速装置は、駆動源であるエンジン100のクランクシャフト101の出力側端部(図8の右端部)と入力軸20の入力側端部(図8の左端部)との間に発進クラッチ102を設けている。また、入力軸20の回転に基づく動力を取り出すための出力軸103を、この入力軸20と平行に配置させている。そして、この入力軸20の周囲にトロイダル型無段変速機10を、出力軸103の周囲に遊星歯車機構104をそれぞれ設けている。
【0034】
トロイダル型無段変速機10の押圧装置40を構成するカムディスク41は、入力軸20の中問部で出力側端部寄り(図8の右寄り)部分に固定している。また、入力ディスク12と出力ディスク13は、前記入力軸20の周囲に図示しない軸受により入力軸20に対し互いに独立して回転自在に支持している。入力ディスク12は入力軸20の回転に伴い、出力ディスク13に向け押圧されつつ回転する。入力ディスク12のトラクション面と出力ディスク13のトラクション面との問に複数のパワーローラ15を挟持している。
【0035】
遊星歯車機構104を構成する太陽歯車107は、出力軸103の入力側端部(図8の右端部)に固定している。したがってこの出力軸103は、前記太陽歯車107の回転に伴って回転する。この太陽歯車107の周囲にはリング歯車108を、前記太陽歯車107と同心に、かつ回転自在に支持している。そして、このリング歯車108の内周面と前記太陽歯車107の外周面との間に、複数(通常は3〜4個)の遊星歯車組109を設けている。
【0036】
図示の例ではこれら各遊星歯車組109は、それぞれ一対ずつの遊星歯車109a,109bを組み合わせてなる。これら一対ずつの遊星歯車109a,109bは、互いに噛合すると共に、外径側に配置した遊星歯車109aを前記リング歯車108に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車109bを前記太陽歯車107に噛合させている。
【0037】
このように各遊星歯車組109をそれぞれ一対ずつの遊星歯車109a,109bにより構成するのは、前記リング歯車108と太陽歯車107との回転方向を一致させるためである。したがって、他の構成部分との関係で、これらリング歯車108と太陽歯車107との回転方向を一致させる必要がなければ、単一の遊星歯車をこれらリング歯車108と太陽歯車107との両方に噛合させてもよい。
【0038】
上述のような遊星歯車組109は、キャリア112の片側面(図8の右側面)に回転自在に支持している。また、このキャリア112は、前記出力軸103の中問部に回転自在に支持している。
【0039】
また、前記キャリア112と前記出力ディスク13とを、第1の動力伝達経路としての第1の動力伝達機構115により、回転力の伝達を可能な状態に接続している。
【0040】
第1の動力伝達機構115は、互いに噛合した第1、第2の歯車116,117により構成している。したがって前記キャリア112は、前記出力ディスク13の回転に伴って、この出力ディスク13と反対方向に、前記第1、第2の歯車116,117の歯数に応じた速度で回転する。
【0041】
一方、前記入力軸20と前記リング歯車108とは、第2の動力伝達経路としての第2の動力伝達機構120により回転力の伝達を可能な状態に接続自在としている。
【0042】
第2の動力伝達機構120は、第1、第2のスプロケット121,122と、これら両スプロケット121,122同士の間に掛け渡したチエーン123とにより構成している。
【0043】
すなわち、第1のスプロケット121を前記入力軸20の出力側端部(図8の右端部)で前記カムディスク41から突出した部分に固定すると共に、第2のスプロケット122を伝達軸124の入力側端部(図8の右端部)に固定している。
【0044】
したがってこの伝達軸124は、前記入力軸20の回転に伴って、この入力軸20と同方向に、前記第1、第2のスプロケット121,122の歯数に応じた速度で回転する。
【0045】
また、無段変速装置は、モード切換手段としてのクラッチ機構を備えている。このクラッチ機構は、前記キャリア112と第2の動力伝達機構120の構成部材である伝達軸124との何れか一方のみを、前記リング歯車108に接続している。
【0046】
図8に示した構造の場合に、このクラッチ機構は、低速用クラッチ126と高速用クラッチ127とからなる。このうちの低速用クラッチ126は、前記キャリア112の外周縁部と前記リング歯車108の軸方向一端部との間に設けている。このような低速用クラッチ126は、接続時には、前記遊星歯車機構104を構成する太陽歯車107とリング歯車108と遊星歯車組109との相対変位を阻止し、これら太陽歯車107とリング歯車108とを一体的に結合する。
【0047】
また、高速用クラッチ127は、前記伝達軸124と、前記リング歯車108に支持板128を介して固定した中心軸129との間に設けている。これら低速用クラッチ126と高速用クラッチ127は、何れか一方のクラッチが接続された場合には、他方のクラッチの接続が断たれる。
【0048】
また、図8の例では、前記リング歯車108と、無段変速装置のハウジング等の固定の部分との間に、後退用クラッチ130を設けている。この後退用クラッチ130は、自動車を後退させるべく、前記出力軸103を逆方向に回転させるために設けている。この後退用クラッチ130は、前記低速用クラッチ126と高速用クラッチ127との何れか一方が接続された状態では、接続が断たれる。また、この後退用クラッチ130が接続された状態では、前記低速用クラッチ126と高速用クラッチ127は、何れも接続が断たれる。
【0049】
さらに、図示の例では、前記出力軸103とデファレンシャルギヤ131とを第3〜第5の歯車132〜134で構成する第3の動力伝達機構135により接続している。したがって、前記出力軸103が回転すると、これら第3の動力伝達機構135およびデファレンシャルギヤ131を介して左右一対の駆動軸140が回転し、自動車の駆動輪を回転駆動させる。
【0050】
このように構成された無段変速装置においては、低速走行時には、前記低速用クラッチ126を接続すると共に、前記高速用クラッチ127および後退用クラッチ130の接続を断つ。この状態で前記発進クラッチ102を接続し、前記入力軸20を回転させると、トロイダル型無段変速機10のみが、この入力軸20から前記出力軸103に動力を伝達する。
【0051】
このような低速走行時に、入力側、出力側の両ディスク12,13の間の変速比を変える際の動作は前述の場合と同様である。勿論、この状態では、前記入力軸20と出力軸103との間の変速比、すなわち、無段変速装置全体としての変速比は、トロイダル型無段変速機10の変速比に比例する。また、この状態では、このトロイダル型無段変速機10に入力されるトルクは、前記入力軸20に加えられるトルクに等しくなる。
【0052】
これに対して、高速走行時には、前記高速用クラッチ127を接続すると共に、前記低速用クラッチ126および後退用クラッチ130の接続を断つ。この状態で前記発進クラッチ102を接続し、前記入力軸20を回転させると、この入力軸20から前記出力軸103には、前記第2の動力伝達機構120を構成する第1、第2のスプロケット121,122およびチエーン123と前記遊星歯車機構104とが動力を伝達する。
【0053】
すなわち、前記高速走行時に前記入力軸20が回転すると、この回転は前記第2の動力伝達機構120ならびに高速用クラッチ127を介して中心軸129に伝わり、この中心軸129を固定したリング歯車108を回転させる。そして、このリング歯車108の回転が複数の遊星歯車組109を介して太陽歯車107に伝わり、この太陽歯車107を固定した前記出力軸103を回転させる。
【0054】
前記リング歯車108が入力側となった場合に前記遊星歯車機構104は、前記各遊星歯車組109が停止している(太陽歯車107の周囲で公転しない)と仮定すれば、前記リング歯車108と太陽歯車107との歯数の比に応じた変速比で増速を行なう。
【0055】
ただし、前記各遊星歯車組109は前記太陽歯車107の周囲を公転し、無段変速装置全体としての変速比は、これら各遊星歯車組109の公転速度に応じて変化する。そこで、前記トロイダル型無段変速機10の変速比を変えて、前記遊星歯車組109の公転速度を変えれば、前記無段変速装置全体としての変速比を調節できる。
【0056】
すなわち、前記高速走行時に前記各遊星歯車組109が、前記リング歯車108と同方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組109の公転速度が遅いほど、前記太陽歯車107を固定した出力軸103の回転速度が速くなる。
【0057】
例えば、前記公転速度とリング歯車108の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、前記リング歯車108と出力軸103の回転速度が同じになる。これに対して、前記公転速度がリング歯車108の回転速度よりも遅ければ、前記リング歯車108の回転速度よりも出力軸103の回転速度が速くなる。反対に、前記公転速度がリング歯車108の回転速度よりも速ければ、前記リング歯車108の回転速度よりも出力軸103の回転速度が遅くなる。
【0058】
したがって、前記高速走行時には、前記トロイダル型無段変速機10の変速比を減速側に変化させるほど、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。このような高速走行時の状態では、前記トロイダル型無段変速機10に、入力ディスク12からではなく、出力ディスク13からトルクが加わる(低速時に加わるトルクをプラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わる)。
【0059】
すなわち、前記高速用クラッチ127を接続した状態では、前記エンジン100から入力軸20に伝達されたトルクは、前記押圧装置40が入力ディスク12を押圧する以前に、前記第2の動力伝達装置120を介して前記遊星歯車機構104のリング歯車108に伝達される。したがって、入力軸20の側から前記押圧装置40を介して入力ディスク12に伝達されるトルクはほとんどなくなる。
【0060】
一方、前記第2の動力伝達装置120を介して前記遊星歯車機構104のリング歯車108に伝達されたトルクの一部は、前記各遊星歯車組109からキャリア112および第1の動力伝達機構115を介して出力ディスク13に伝わる。
このように出力ディスク13からトロイダル型無段変速機10に加わるトルクは、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダル型無段変速機10の変速比を減速側に変化させるほど小さくなる。この結果、高速走行時に前記トロイダル型無段変速機10に入力されるトルクを小さくして、このトロイダル型無段変速機10の構成部品の耐久性向上を図れる。
【0061】
さらに、自動車を後退させるべく、前記出力軸103を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両クラッチ126,127の接続を断つと共に、前記後退用クラッチ130を接続する。
【0062】
この結果、前記リング歯車108が固定され、前記各遊星歯車組109が、このリング歯車108ならびに前記太陽歯車107と噛合しつつ、この太陽歯車107の周囲を公転する。そして、この太陽歯車107ならびにこの太陽歯車107を固定した出力軸103が、前述した低速走行時ならびに上述した高速走行時とは逆方向に回転する。
【0063】
【発明が解決しようとする課題】
このような形態で使用されるトロイダル型無段変速機10においては、プリセスカム76による制御弁80の開閉制御に拘らず、トロイダル型無段変速機10の構成部品の弾性変形の影響により、入力トルクの変動時に変速比が大きく変動して、エンジンの回転数が急激に変化し、ドライバーに違和感を与える可能性がある。
【0064】
例えば、変速機10の出力回転を一定にして、正トルクを徐々に増していく実験を行なうと、変速機10の変速比は一旦減速側へ減速した後に増速側に戻っていく。このような挙動を示す変速機10は、ドライバーによるアクセルのオン・オフに対し、変速比が大きく変動してしまうことになる。
【0065】
つまり、ドライバーがアクセル開度を変更すると、変速比が大きく変動してしまい、ドライバーが違和感を覚えることとなる。これを防ぐには入力トルクの変動に対して変速比を大きく制御する必要があるため、好ましくない。特にエンジンブレーキの際に顕著であり、瞬間的なアクセルオフに対して、大きく変速制御をする必要が生じる。
【0066】
このように入力トルクの変動に対して変速機10の変速比が大きく変動する原因として、トラニオン17の弾性変形の影響が考えられる。
【0067】
変速機10のトラニオン17にはその変速機10の運転時にパワーローラ15からトラニオン17の軸方向とほぼ直角の方向に大きな荷重が加わる。トラニオン17はその上下の揺動軸17b,17cがヨーク70,71で支持された二点支持構造をなしており、したがって前記荷重により前記トラニオン17はその揺動軸17b,17c間の主部17aの内面が凹面となる湾曲形状に弾性変形する。
【0068】
そして従来においては、その一つのトラニオン17の枢軸18の下端部にフィードバック機構を構成するプリセスカム76が取り付けられており、このためトラニオン17の弾性変形に応じて枢軸18がプリセスカム76と一体的にラジアル方向に振れ動くように変位し、この変位で制御弁80による制御とは無関係に変速比が不必要に変動してしまう。
【0069】
従来、このような枢軸18の変位に基づく変速比の変動を抑えるようなことについては何ら考慮がなされていない。このため、アクセルのオン・オフにより、トロイダル型無段変速機10に入力されるトルクが変動した場合に、変速比が不必要に大きく変動し、エンジンの回転数が急激に変化し、ドライバーに違和感を与える結果となっている。
【0070】
特に、前述の図8に示すような無段変速装置の場合には、低速モードと高速モードとの切換時に、トロイダル型無段変速機10に伝わるトルクの正負が切り換わる(動力の伝達方向が変化する)ため、上述のような不必要な変動が大きくなり易い。
【0071】
本発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところはプリセスカムの取り付け位置を変えることにより、入力トルクの変動に対する変速比の大きな変動を抑え、ドライバーに与える違和感を低減することができるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0072】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、互いに対向して同軸的に配置された入力ディスクと出力ディスクとの間に、上下変位および揺動変位可能な複数のトラニオンが設けられ、これらトラニオンは上下部に揺動軸を有し、これら揺動軸がハウジングに設けられた上部および下部のヨークを介して揺動自在に支持され、これらトラニオンには上下の揺動軸の間に位置して前記入出力ディスク間に挟着されるパワーローラが回転自在に設けられ、さらに各トラニオンを上下に変位させる油圧シリンダ機構、およびこれら油圧シリンダ機構を制御する制御弁ならびに前記入出力ディスク間の変速比が目標値となるように前記一つのトラニオンの上下および揺動の変位をプリセスカムを介して制御弁にフィードバックして伝えるフィードバック機構を備えるトロイダル型無段変速機において、フィードバック機構を構成するプリセスカムは、トラニオンの一部であって、かつそのトラニオンの揺動軸を支持したヨークと前記油圧シリンダ機構との間に設けてトラニオンの弾性変形によるプリセスカムの変位を小さく抑え、また前記プリセスカムを、互いに対応する一方のトラニオンの揺動の動作を他方のトラニオンに伝えてその一方のトラニオンと他方のトラニオンとを同期させる同期ケーブルを支持するケーブルサポートを兼ねるようにしたものである。
【0074】
また、請求項の発明では、トロイダル型無段変速機が無段変速装置に組み込まれており、その無段変速装置は、駆動源により回転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力を取り出すための出力軸と、遊星歯車機構と、前記入力軸に入力された動力を前記トロイダル型変速機を介して伝達する第1の動力伝達経路と、前記入力軸に入力された動力を前記トロイダル型変速機を介することなく伝達する第2の動力伝達経路とを備え、前記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられ、前記太陽歯車と同心にかつ回転自在に支持したキャリアに回転自在に支持された遊星歯車を前記太陽歯車とリング歯車とに噛合させてなり、前記第1の動力伝達経路を通じて送られる動力と前記第2の動力伝達経路を通じて送られる動力とを、前記太陽歯車と前記リング歯車と前記キャリアとのうちの二つの部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの残りの一つの部材に前記出力軸を結合させ、また前記入力軸に入力された動力が前記第1の動力伝達経路と前記第2の動力伝達経路とを通じて前記遊星歯車機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設けており、このモード切換手段は、少なくとも前記第1の動力伝達経路のみで動力の伝達を行なう第1のモードと、この第1の動力伝達経路と前記第2の動力伝達経路との双方で動力の伝達を行なう第2のモードとの切換を行なうものであることを特徴としている。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図1には第1の実施形態を示してあり、この実施形態においては、入出力ディスク12,13間に互いに対向して設けられた一対のトラニオン17のうちの一方のトラニオン17であって、かつそのトラニオン17の下部の揺動軸17cを支持したヨーク71の近傍、すなわち下部の揺動軸17cの外周にフィードバック機構を構成するプリセスカム76が取り付けられ、このプリセスカム76のカム面にリンクアーム(図示せず)が当接している。
【0077】
また、各トラニオン17の上部の揺動軸17bの上端部にはそれぞれケーブルサポート85,86が取り付けられ、これらケーブルサポート85,86間に両トラニオン17を同期して揺動させる同期ケーブル72が襷掛け状に掛け渡されている。
【0078】
変速の制御時には、油圧シリンダ機構75による駆動で各トラニオン17が上下に変位し、この変位に応じてトラニオン17が揺動軸17b,17cおよび枢軸18を中心として互いに逆方向に揺動する。そして、一方のトラニオン17の動き(上下および揺動の変位)がトラニオン17の下部の揺動軸17cに取り付けられたプリセスカム76とこれに当接したリンクアームとを介して制御弁に逐次フィードバックされ、これにより変速比が設定された目標値となるように制御される。
【0079】
変速機10の動作時には、パワーローラ15から受ける荷重でトラニオン17の主部17aが湾曲するように弾性変形するが、ヨーク70,71で支持された揺動軸17b,17cの部分ではその弾性変形に伴う変位はごく少ない。
【0080】
そしてこの実施形態においては、プリセスカム76が下部のヨーク71で支持されたトラニオン17の下部の揺動軸17cの外周に取り付けられており、このため主部17aの弾性変形に伴うプリセスカム76の変位移動が小さく抑えられる。
【0081】
したがって、トルクの変動に対する変速比の変動の幅が小さくなる。つまり、アクセルのオン・オフによるトルク変動に対し、変速比が大きく変動することを防止することができ、したがってドライバーに与える違和感を低減することができる。また、変速比の変動幅を小さく抑えることができるため、変速の制御も容易となる。
【0082】
図2には、トラニオン17の下部の揺動軸17cにプリセスカム76を取り付けた本発明の前記実施形態の場合のトロイダル型無段変速機10において、入力トルクの変動に伴う変速比の変動の状態を実験により計測した結果を示してある。
【0083】
この図において、曲線aは変速機10に入力するトルクの大きさを、曲線bは変速機10の変速比をそれぞれ表している。この図から明らかなように、本発明の構造の場合には、入力トルクを増大させると、初期段階では変速比が減速側にやや大きく変動するが、さらにトルクを増大させると、変速比が緩やかに減少する。したがって、トルク変動域全体では、変速比の変動はあまり大きくはならない。
【0084】
図3には、トラニオン17の下部の揺動軸17cにプリセスカム76を取り付けた本発明の前記実施形態の場合における入力トルクの大きさと変速比との関係を、トラニオンの枢軸の下端部にプリセスカムを取り付けた従来例の場合と比較して示してあり、曲線cが本発明の場合、曲線dが従来例の場合である。各曲線c,dは、それぞれトルクを増大させる場合と減少させる場合とを示しているので、ヒステリシスに基づいて二重線となっている。
【0085】
この図に示されている曲線c,dの変動域Lc,Ldを比較すれば明らかな通り、本発明の構造によれば、トルクの変動に伴う変速比の変動幅を従来例に比べて小さく抑えることができる。
【0086】
なお、図2のデータにおいては、フィルタをかけていないためノイズ等が表われているが、図3のデータにおいては、本発明の場合の曲線cと従来例の場合の曲線dとの比較を明瞭にするために、大きなサンプリンググレートをかけてノイズ等を除去してある。
【0087】
図4には本発明の第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、一方のトラニオン17の下部の揺動軸17cを支持したヨーク71の近傍、つまり下部の揺動軸17cの外周にプリセスカム76が取り付けられている。そしてこのプリセスカム76の外周面に同期ケーブル72を巻き掛けるための掛け溝76bが形成され、このプリセスカム76が同期ケーブル巻き掛け用のケーブルサポートを兼ねている。
【0088】
他方のトラニオン17には、ケーブルサポートを兼ねる前記プリセスカム76に対応して下部の揺動軸17cの外周にケーブルサポート86が取り付けられている。そして、ケーブルサポートを兼ねるプリセスカム76と前記ケーブルサポート86との間に同期ケーブル72が襷掛け状に掛け渡されている。
【0089】
このような構成においても、前記第1の実施形態の場合と同様に、トラニオン17の主部17aの弾性変形に伴うプリセスカム76の変位移動を小さく抑えることができ、したがってアクセルのオン・オフによるトルク変動に対し、変速比が大きく変動することを防止してドライバーに与える違和感を低減することができる。
【0090】
そして特にこの実施形態においては、プリセスカム76がケーブルサポートを兼ねているから、組立上のスペースの点および部品点数が減少する点で有利となる。
【0091】
図5には本発明の第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、一方のトラニオン17の上部の揺動軸17bを支持したヨーク70の近傍、つまり上部の揺動軸17bの上端部にプリセスカム76が取り付けられている。そして各トラニオン17の下部の揺動軸17cの外周にそれぞれケーブルサポート85,86が設けられ、これらケーブルサポート85,86間に同期ケーブル72が襷掛け状に掛け渡されている。
【0092】
このような構成においても、前記第1の実施形態の場合と同様に、トラニオン17の主部17aの弾性変形に伴うプリセスカム76の変位移動を小さく抑えることができ、したがってアクセルのオン・オフによるトルク変動に対し、変速比が大きく変動することを防止してドライバーに与える違和感を低減することができる。
【0093】
このように、本発明の構造によれば、入力トルクの変動に対する変速比の大きな変動を抑えてドライバーに与える違和感の低減を図ることができる。特に、前述の図8に示した無段変速装置の場合、モード切換時にトロイダル型無段変速機10に入力されるトルクが、正負が逆転するように大きく変動するが、このような場合でも変速比の変動を低く抑えることができる。
【0094】
なお、図8に示した無段変速装置の場合には、低速モードと高速モードとのモード切り換えは、トロイダル型無段変速機10の変速比が増速側にある場合に行なわれる。
【0095】
変速比が大きく変動した場合には、ドライバーに違和感を与えることを防止すべく、新たにその変動を補償するための制御を瞬時に行なわなければならない。この制御は、変動幅が大きいほど面倒になるが、本発明の構造の場合には変動幅を低く抑えることができるため、前記制御が容易になる。
【0096】
なお、図8に示す無段変速装置は、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせ、低速走行時にはエンジンの駆動力をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時には前記駆動力を遊星歯車機構で伝達することにより、高速走行時にトロイダル型無段変速機に加わるトルクの低減を図ってトロイダル型無段変速機の構成各部材の耐久性を向上させる所謂パワー・スプリット式の無段変速装置(Power split system)であるが、本発明は、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせて、発進クラッチを使用することなく出力回転数ゼロを実現することが可能な所謂ギヤード・ニュートラル式の無段変速装置(Geared Neutral system)に組み込むトロイダル型無段変速機に適用する場合にも有効である。
【0097】
ギヤード・ニュートラル式の無段変速装置の場合には、例えは後段の遊星歯車機構を構成する太陽歯車を、前記トロイダル型無段変速機の出力軸により回転駆動し、前記遊星歯車機構を構成するキャリアをそのトロイダル型無段変速機をバイパスする回路により回転駆動する。そして、低速モードでは、トロイダル型無段変速機を通過する回路とバイパスする回路とで動力を伝達し、遊星歯車の差動成分を取り出して出力とする。これに対して、高速モードではトロイダル型無段変速機を通過する回路のみで動力を伝達する。
【0098】
このようなギヤード・ニュートラル式の無段変速装置の場合、低速モードと高速モードとのモード切り換えは、前記トロイダル型無段変速機の変速比が減速側にある場合に行なわれる。このようなギヤード・ニュートラル式の無段変速装置の場合も、モード切り換え時にトロイダル型無段変速機に加わるトルクの正負が逆転するので、本発明の効果を十分に発揮させることができる。
【0099】
また、本発明は、ダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機に限らず、シングルキャビティ式のトロイダル型無段変速機などにおいても同様に適用することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フィードバック機構を構成するプリセスカムをトラニオンの一部であって、かつそのトラニオンの揺動軸を支持したヨークの近傍の位置に設けるようにしたから、トラニオンの弾性変形に伴うプリセスカムの変位移動を小さく抑えることができ、したがってアクセルのオン・オフによるトルク変動に対し、変速比が大きく変動することを防止してドライバーに与える違和感を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の構造を示す断面図。
【図2】その無段変速機における入力トルクの変動に伴う変速比の変動を示すグラフ図。
【図3】その無段変速機の入力トルクの大きさと変速比との関係を従来の無段変速機のそれと比較して示すグラフ図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の構造を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の構造を示す断面図。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機の構造を示す断面図。
【図7】その無段変速機の変速制御機構部の構造を示す断面図。
【図8】トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
10…トロイダル型無段変速機
10a…ハウジング
12…入力ディスク
13…出力ディスク
15…パワーローラ
17…トラニオン
17a…トラニオンの主部
17b…トラニオンの揺動軸
17c…トラニオンの揺動軸
20…入力軸
70…ヨーク
71…ヨーク
72…同期ケーブル
75…油圧シリンダ機構
76…プリセスカム
77…リンクアーム
80…制御弁
81…スリーブ
82…スプール
84…ステッピングモータ
85…ケーブルサポート
86…ケーブルサポート

Claims (2)

  1. 互いに対向して同軸的に配置された入力ディスクと出力ディスクとの間に、上下変位および揺動変位可能な複数のトラニオンが設けられ、これらトラニオンは上下部に揺動軸を有し、これら揺動軸がハウジングに設けられた上部および下部のヨークを介して揺動自在に支持され、これらトラニオンには上下の揺動軸の間に位置して前記入出力ディスク間に挟着されるパワーローラが回転自在に設けられ、さらに各トラニオンを上下に変位させる油圧シリンダ機構、およびこれら油圧シリンダ機構を制御する制御弁ならびに前記入出力ディスク間の変速比が目標値となるように前記一つのトラニオンの上下および揺動の変位をプリセスカムを介して制御弁にフィードバックして伝えるフィードバック機構を備えるトロイダル型無段変速機において、
    フィードバック機構を構成するプリセスカムは、トラニオンの一部であって、かつそのトラニオンの揺動軸を支持したヨークと前記油圧シリンダ機構との間に設けられており、前記プリセスカムは、互いに対応する一方のトラニオンの揺動の動作を他方のトラニオンに伝えてその一方のトラニオンと他方のトラニオンとを同期させる同期ケーブルを支持するケーブルサポートを兼ねていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. トロイダル型無段変速機は、無段変速装置に組み込まれており、その無段変速装置は、駆動源により回転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力を取り出すための出力軸と、遊星歯車機構と、前記入力軸に入力された動力を前記トロイダル型変速機を介して伝達する第1の動力伝達経路と、前記入力軸に入力された動力を前記トロイダル型変速機を介することなく伝達する第2の動力伝達経路とを備え、前記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられ、前記太陽歯車と同心にかつ回転自在に支持したキャリアに回転自在に支持された遊星歯車を前記太陽歯車とリング歯車とに噛合させてなり、前記第1の動力伝達経路を通じて送られる動力と前記第2の動力伝達経路を通じて送られる動力とを、前記太陽歯車と前記リング歯車と前記キャリアとのうちの二つの部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの残りの一つの部材に前記出力軸を結合させ、また前記入力軸に入力された動力が前記第1の動力伝達経路と前記第2の動力伝達経路とを通じて前記遊星歯車機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設けており、このモード切換手段は、少なくとも前記第1の動力伝達経路のみで動力の伝達を行なう第1のモードと、この第1の動力伝達経路と前記第2の動力伝達経路との双方で動力の伝達を行なう第2のモードとの切換を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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