JP4282364B2 - 耐熱性広口合成樹脂容器及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

耐熱性広口合成樹脂容器及びその製造方法並びに製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部に蓋材をヒートシールするフランジを有する透明の広口容器であって耐熱性を有する合成樹脂製容器、及びその製造方法並びに装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、茶飲料等を充填し、加温状態で販売することができる耐熱性合成樹脂ボトルが実用化され広く流通している。該耐熱性合成樹脂ボトルは、ブロー成形して耐熱処理されて形成され、口部にスクリューキャップが巻締密封され、ホットパック及び熱殺菌処理が可能で、且つ自動販売機等で容器外部より加温可能である。このようにホットパック、レトルト、パストライザー等の加熱殺菌処理が可能で且つ販売時に加温可能な容器が、コップ状やトレー状或いはその他の広口形状の合成樹脂容器にもその実用化が求められているが、いまだ実用化に到っていない。その理由は、コップ状等の広口容器の場合は、通常開口部にフランジを有し、該フランジに蓋材をヒートシールすることによって容器の密封を図っているため、このような広口容器を実現するには、合成樹脂容器が耐熱性を有すると共に、蓋材とのヒートシール性を有することが要求され、且つ内容物が外部から観察できるためには透明性を有すること、及び製造コストが安価であることが要求されるが、このような要求を全て満たす実用化技術が未だ開発されていないことにある。
【0003】
従来、ボトル等の狭口の耐熱合成樹脂容器の製造は、射出成形された有底のプリフォームの口部をブロー成形時の熱変形を防止するために熱処理(白化処理)を行なってから、金型内で2軸延伸ブローを行ない、次いでガラス転位温度より一定以上高く融点よりも低い温度で加熱して熱処理を行ない、その後ガラス転位温度以下になるまで冷却してから離型している(例えば、特許文献1参照)。しかし、その場合成形後金型内でガラス転位温度以下になるまで冷却するのに長時間を要し、生産性が著しく悪い。そのため、近年は成形後の容器よりも所定量大きいキャビティを有する第1次ブロー金型で2軸延伸ブロー及び熱処理を行ない、冷却させないでそのままの状態で実製品と同じ容積のキャビティを有する第2次ブロー金型に移し、熱収縮した第1次ブロー成形品をガラス転位以下の温度で第2次ブローすることで形を整えるという2段階ブローを行なうことによって、製造時間(特に、冷却時間)の短縮を図っている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながら、この場合は、異なる金型による2段階ブローであるためそれだけ設備が倍増すると共に複雑になり、設備コストが増大するという問題点がある。
【0004】
このようにして、得られた耐熱ボトル容器は、胴部は延伸配向結晶化で透明であるが口部は熱結晶化であるため白化している。白化した部分は、耐熱性はあるが衝撃に非常に弱く、落下強度が他の部分と比較して著しく劣る。ボトル等の狭口容器の場合は、口径が小さいのでそれによる影響は少ないが、広口容器の場合は、白化した口部が胴部よりも径大であるため、例えば内容物を充填した容器を落下した場合、白化した口部が当る確立が高く、且つ口径が大きい分衝撃も大きく、口部が割れてしまい、製品として要求される落下強度を満たすことができないという問題点がある。それが、耐熱性広口合成樹脂容器の実用化を妨げている要因の一つになっている。また、白化して結晶化した口部はヒートシール性が著しく劣るので、広口容器のように蓋材を口部にヒートシールして密封する容器には適用できないという問題もある。
【0005】
この問題を解決するために、結晶化した口部のヒートシール性を確保する手段として、例えば結晶化された口部天面を再度加熱処理し、急冷することによって非晶化する方法(特許文献4、特許文献5参照)が提案されている。しかし、これらの方法は、容器成形工程以外にそのための特別な加熱・冷却工程を必要とし、製造工程が複雑で製造効率を低下させ、かつ設備費の増大をもたらすという問題点があり、実用化が困難である。
【0006】
一方、従来合成樹脂広口容器の製造方法としては、偏平なプリフォームをチャッキングプレートで保持した状態で、圧空成形又は真空成形法によって成形している(特許文献6、特許文献7参照)かあるいはサーモフォーミング法によって行なっている(特許文献4参照)。このようにして得られた広口容器は、一般に耐熱性を有してなく、耐熱性を付与するには、容器全体を熱結晶化させねばならず、全体が白化し透明な耐熱性広口容器は得られないという問題点がある。
【特許文献1】
特開昭58−18230号公報
【特許文献2】
特開昭60−189418号公報
【特許文献3】
特開平9−314650号公報
【特許文献4】
特公平7−80502号公報
【特許文献5】
特開2000−15691号公報
【特許文献6】
特公平3−74169号公報
【特許文献7】
特開平5−69473号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ボトル等の狭口容器のブロー成形容器に耐熱性を付与する手段としては、ブロー成形時にプリフォームを2軸延伸して配向度を高め、且つ高温でヒートセットして結晶化度を高める方法が一般に採用されている。ところが、前記のようにフランジに蓋材をヒートシールする容器の場合、フランジも結晶化すると、ヒートシール性が著しく劣り、ヒートシールによる密封が困難になるという問題点がある。また、耐熱性を付与するために、フランジを加熱し急冷するとフランジの変形が起こり易くなり、それによるヒートシール阻害性も発生する等の問題もあり、これまでコップ状の合成樹脂製耐熱容器は未だ実用化されてない。また、従来の耐熱性ブロー成形は、2段階成形で行なっているので、設備コストが増大すると共に工程数が増える分生産性が低下するという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、フランジのヒートシール性を損なうことなく且つ単一の金型内で短時間にブロー成形により成形することができる透明で且つ開口部がヒートシール性を有する耐熱合成樹脂広口容器、及びその製造方法並びに装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の耐熱性広口合成樹脂容器は、開口端部にフランジを有するブロー成形広口合成樹脂容器であって、フランジを除く胴部が延伸配向後の熱処理により透明で耐熱性を有し、且つフランジ上面がヒートシール性を有してなり、前記フランジ下方の容器口部が延伸配向した肉厚部となっており、且つ底部が内側に凸形状となっており、前記合成樹脂容器が、熱可塑性ポリエステル樹脂系で形成され、100℃の内容物を満杯充填後の変形度が、3%未満である耐熱性を有していることを特徴とする。ここで、フランジとは単に円板状の平坦なフランジばかりでなく、断面円弧状等の補強環状部を有する場合も含むものである。
【0010】
前記フランジ下方の容器口部が肉厚部となっており、且つ底部が内側に凸形状となっていることによって、より耐熱性と強度が向上し望ましい。前記肉厚部は、その肉厚が他の胴部肉厚の2〜4倍であり、かつ開口端部から2.5mm以上の範囲、容器の大きさによるが、内容量が350ml以下の容器の場合は、15mmまで形成するのが望ましい。また、底部の凸形状としは、ドーム状や花弁状等が好適である。前記フランジは、裏面側のみを結晶化して、表面側(シール側)が非晶状態又は結晶化度が低くヒートシール性を維持するようにすると、より耐熱変形性が強いヒートシール性の広口容器を得ることができる。前記合成樹脂容器は、特に合成樹脂の材質は限定されないが、熱可塑性ポリエステル樹脂系で形成して、耐熱性が100℃の内容物を満杯充填後の変形度が、2%未満であることが望ましい。
【0011】
上記耐熱性広口合成樹脂容器を製造する本発明の耐熱性広口合成樹脂容器製造方法は、開口端部にフランジを有し底部が閉塞しているプリフォームを、ガラス転移温度以上融点以下の温度範囲で加熱した金型内で、ブロー成形中前記フランジへの金型からの伝熱を低減させた状態で、延伸ロッドで縦延伸を行なう工程、エアー圧により横延伸と完全賦形と熱固定を行なう工程、延伸ロッドにより容器内面に高圧エアーを吹き付けてガラス転移温度以下まで冷却する冷却工程からなることを特徴とする。
【0012】
前記エアー圧で横延伸と完全賦形を行なう工程は、0.7〜1.0MPaのエアー圧で横延伸配向させるプリブロー工程、3.0〜4.0MPaの高圧エアーにより製品形状に完全賦形させると共に高温の金型で保持して結晶化を促進する高圧ブロー工程からなることが望ましい。前記冷却工程は、延伸ロッドの縦スリットから縦軸方向のスリット状高圧エアーを容器胴部内周面に吹き付けることにより、断熱効果により容器内周面を短時間にガラス転移温度以下まで冷却でき、成形サイクルを顕著に短縮できる。ブロー成形前にプリフォームのフランジを、そのヒートシール面と反対側のみを加熱して白化処理するプリフォーム前処理工程を有することによって、フランジの裏面側が白化処理されて結晶化度が高く、表面側が非晶状態又は結晶化度が低くヒートシール性を有するより耐熱性に優れた広口容器を得ることができる。
【0013】
また、上記耐熱性広口合成樹脂容器をブロー成形する本発明の耐熱性広口合成樹脂容器製造装置は、プリフォームのフランジ面を支持するフランジ支持面を有し、中央部に延伸ロッドが通過する開口を有する下型、該下型のフランジ支持面側と係合するブロー成形キャビティを有する上型、及び延伸ロッドからなり、前記上型は、プリフォームのフランジ面と係合するフランジ係合部材と、キャビティを形成する上型本体部材とからなり、前記フランジ係合部材は、上型本体と断熱連結されていることを特徴とする。
【0014】
前記上型の底部に、キャビティ内に凸形状の底型を上下動自在に設けることによって、ブロー成形時に容器底部の延伸配向を可能とする。そして、前記底型は、その中央部に上下駆動可能にセンターロッドを設け、該センターロッドの軸方向にエアー通路を形成し、その先端部にエアー吹出し孔を有する構造にすることよって、底部を変形させることなく良好に離型することができる。前記延伸ロッドは、軸方向内部にエアー通路を有し、軸外周に前記エアー通路に通じる縦スリットを形成し、該縦スリットを介して容器内周面軸方向に冷却エアーを吹き付けることができるように構成することによって、熱固定後短時間に効果的に容器を冷却することを可能とする。また、前記下型は、プリフォームを支持して回転可能に構成し、該下型に供給されたプリフォームを支持して回転し、外部固定部に設けた加熱手段よりプリフォームの外周を加熱するようにすることによって、プリフォームの裏面のみを熱処理することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基き詳細に説明する。
まず、本発明で得られた耐熱性広口合成樹脂容器の種々の実施形態を図1〜図5により説明する。これらの実施形態の耐熱性広口合成樹脂容器は、何れもコップ形状の場合を示しているが、その形状は特に限定されない。それらの容器は、後述する方法で2軸延伸ブロー成形で製造されている。そして、これらの耐熱性広口合成樹脂容器は、内容物満杯充填状態で100℃の加熱で3%未満、望ましくは1%未満の変形度を保つ耐熱性を有すること、口部のフランジがヒートシール性を有していること、内容物充填状態で50cm以上、望ましくは100cmから落下してもフランジの割れ等の損傷がない落下強度を有していること、且つ透明な容器であるという条件を満たしている。これらの条件を満たすためには、フランジ表面は結晶化度が5%以下で、胴部主要部の結晶化度が35%以上であることが望ましい。
【0016】
上記条件を満たす本発明の耐熱性広口合成樹脂容器の材質は、延伸配向により結晶化して耐熱性を有する樹脂であればその種類は特に限定されないが、延伸配向効果が高い熱可塑性樹脂が望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性ポリエステル、ポリプロピレン等の単層、あるいは中間にガスバリヤ性を有する層を含む多層複合樹脂、あるいは生分解性樹脂の採用も可能であるが、上記実施形態では何れもPETを採用した場合を示している。そして、これらの実施形態における耐熱性広口合成樹脂容器の共通する形状的特徴は、口部に肉厚なフランジを有し、該フランジから胴部に向けて所定高さだけ肉厚になっており、かつ底部が内側に凸状態になっていることである。前記肉厚部は、その肉厚が他の胴部肉厚の2〜4倍であり、かつ開口端部から2.5mm以上、容器の大きさによるが、内容量が350ml以下の容器の場合は、15mm以内の範囲内に形成するのが望ましい。容器口部をそのような形状にして、後述するように成形時に金型からフランジへの伝熱を阻止すると共に、肉厚部を含めフランジにできるだけ近い位置までは延伸配向と熱処理ができる製造方法を採用することによって、フランジの少なくとも表面は非晶状態あるいは5%程度の低結晶化度を維持してヒートシール性を有し、フランジに近い肉厚部は延伸配向で熱固定による結晶化度を高めることができる。それにより口部の強度が増し、成形時のフランジへの断熱と相俟ってフランジが結晶化しなくても成形時の熱変形を防ぐことができ、且つ成形後のフランジの強度を高めることができる。また、底部も内方に凸形状にすることによって、容器のブロー成形時に底部の2軸延伸度を高めることができ、耐熱性を高め、内容物の熱殺菌時の加熱に対する底部の変形を防止することができる。底部の延伸配向を可能にするためには、10mm以上の凸形状にするのが望ましい。また、底部を内側に凸状態にすることによって、耐圧強度も向上し、炭酸飲料等の内圧発生内容物の充填も可能となる。
【0017】
図1に示す実施形態の耐熱性広口合成樹脂容器1は、口部のフランジ2が2軸延伸された胴部よりも肉厚に形成され、該フランジから続く胴部の入口部の所定深さまで肉厚部3となっている。一方底部4は、中央部がドーム状になっていてドーム天頂部5近辺がやや肉厚になっている。前記肉厚部の厚さは胴部の他の部分の厚さの2〜4倍程度の厚さが望ましく、本実施形態では約3倍程度に肉厚となっている。肉厚部3は、成形時の縦延伸は行われても横延伸は殆ど行われていないので、結晶化度は胴部下方部と比べて低いが、熱処理時に透明を保つことができる。
【0018】
図2に示す実施形態の耐熱性広口合成樹脂容器6は、口部7の形状は前記実施形態と同様であるが、底部8の形状は、全体として外周部近傍の平坦リング部9を除き中央部が内に凸部10となっている。そして、該凸部が中心部から稜線11が放射状にのびて花弁状を呈している。それにより、底部の耐熱強度及び耐圧強度をより向上させている。
【0019】
図3に示す実施形態の耐熱性広口合成樹脂容器12は、底部は図2に示す耐熱性広口合成樹脂容器と同様であるが、口部13の形状が相違している。特に、本実施形態では、同図(b)に拡大して示すように、フランジ14がヒートシール面と反対側が加熱により熱結晶化して白化しており、白化部分15と非晶部分16とからなっており、それにより一段と耐熱強度を向上させている。白化処理は、プリフォームの段階でフランジの裏面から熱板を当ててしてヒートセットすることによって裏面側のみ白化処理することが可能であり、フランジ厚さに対して底面から2/5〜4/5の深さまで白化しているのが望ましい。それにより、フランジの表面は非晶状態又は低結晶状態を維持できるので、ヒートシール性を確保できる。また、フランジが白化しても、内容物の観察のための容器の透明性に何ら影響を与えない。さらに、フランジの裏面が白化していても、表面に非晶部が残っており、且つフランジ下方の胴部上端が肉厚になっているので、所望の落下強度を得ることができる。
【0020】
図4及び図5に示す耐熱性広口合成樹脂容器17は、口部及び底部形状は前記実施形態で示されたものと略同形状であるが、胴部18、24の形状がそれぞれ相違している。図4に示す耐熱性広口合成樹脂容器17の胴部18は、肉厚部19のすぐ下方が僅かに外側に拡がる逆テーパー部20を有し、その下端が内側に段差状に縮径して、略中間高さまで1段のテーパー壁となり、その下方が底部まで階段状に縮径したテーパー壁となっている。また、図5に示す耐熱性広口合成樹脂容器23では、胴壁24のほぼ下半部が他段の半円弧状の膨出部25と谷26が連なる波形状に形成されている。胴部壁を図4及び図5に示すような形状にすることによって、胴部壁のパネル強度が増し、耐減圧性が向上し、耐熱性も向上する。
以上、本発明に係る耐熱性広口合成樹脂容器の種々の実施形態を示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。次に、上記のような耐熱性広口合成樹脂容器を製造する本発明の製造装置の実施形態について説明する。
【0021】
従来、耐熱性広口合成樹脂容器をブロー成形により製造する具体的装置は提案されてないが、本発明の耐熱性広口合成樹脂容器製造装置(以下、単に製造装置という)は、従来の耐熱性のない通常の広口容器のブロー成形装置や狭口耐熱容器のブロー成形装置と比較して、特に、上型のフランジ係合部近傍の構成、底型、延伸ロッドの構成に特徴を有する。
本実施形態の製造装置は、主な構成として図6(b)に概略が示されているように、下型35、上型40、底型41及び延伸ロッド50を備えている。上型40は割型に形成され成形する広口容器の最終形状の容積を有するキャビティを形成し、その上面中央部には容器底部を成形する底型41が上下動可能に嵌合している。上型40及び底型41には該金型を所望の温度まで加熱する為のヒータが内蔵され、ブロー成形時に金型を所定温度に加熱することによってブロー成形後のヒートセットを可能にしている。しかしながら、本発明の容器は、前記したように、フランジより下方の一定区間を肉厚にし、該肉厚部まで延伸配向させヒートセットすることによって耐熱性を持たせ、且つフランジの結晶化度を高めずに、フランジの耐熱変形性と落下強度を高めると共に、フランジ表面のヒートシール性を確保している。そのため、ブロー成形時にフランジが加熱されないように、上型40の開口部は、図6に示すように、特別な工夫が施されている。即ち、ブロー成形時にプリフォームのフランジ31が加熱されて熱結晶化するのを防ぐために、プリフォームのフランジに接する金型部分が加熱されないように、上型40は胴部成形部の上型本体42とフランジ31を押えるフランジ係合部43とに別体に構成している。フランジ係合部43は、内部に冷却水が循環できるように冷却水循環路が形成され内部より冷却されるようにすると共に、上型本体42との間に断熱材44を設けると共に空間部49を設けてエアー断熱を図っている。フランジ係合部43の容器胴部入口に接する型面は、図6に示すように、なるべく薄くなるように形成し、容器口部の肉厚部3のできるだけ上方位置まで上型本体42が当りヒートセットできるようにしてある。それにより、フランジ下方の肉厚部3の延伸配向とヒートセットを可能にし、該部の結晶化を促進し、フランジを熱結晶化させなくても耐熱変形性を持たせている。
【0022】
底型41は上型40の底部に上下動可能に貫通して設けられ、図8に示す構成となっている。底型41は、成形する容器の底部をプリブロー時にも延伸を可能にするために、成形面が容器内側方向に突出している凸部45となっている。該凸部の高さは、容器底部の延伸配向度を高めるためには、3〜15mm、特に10mm前が望ましい。凸部45の具体的形状は、成形する容器の底部形状に合わせて、ドーム状、花弁状等任意の形態が採用できる。図8に示す実施形態では、底型41は図2に示す耐熱性広口合成樹脂容器を成形する花弁状の形態を有している。このような花弁形状にすることによって、底部の表面積が増大しその分延伸配向度が増し耐熱性が増大すると共に、稜部が補強リブとして機能し強度を向上させる。底型41の中央部には、離型時に型離れ性を向上させるためにセンターロッド46が上下駆動可能に設けられている。型抜き時に、図8(b)に示すように底型41が上昇する瞬間、センターロッド46を突き出し容器のゲート部を押え、底型と容器を離型する。また、センターロッド46の中心部にはエアー孔47が設けられ、離型時に容器底部にエアーを噴出して底部の冷却度を高めると共に型離れ性を向上させている。また、本実施形態ではセンターロッド46の先端部は、熱放冷性が良く且つ剥離性の良い材料で形成した先端ピース48で構成してあり、それにより底部の型抜きの良好で且つ高速化を実現している。
【0023】
延伸ロッドは、その先端部がプリフォームの底部に当って突き出すことによって縦延伸を行なうが、本発明の延伸ロッドはプリフォーム縦延伸機能と共に、成形物の瞬間冷却機能も備えている。延伸ロッドの種々の実施形態が図9(a)〜(c)に示されている。これらの延伸ロッド50〜52は先端部53〜55がドーム状のプリフォームの頂部に係合し易いように球状に形成され、その縦軸方向中心部に冷却エアー通路56〜58が形成されている。そして、延伸ロッドの成形物内に位置する範囲内で前記冷却エアー通路に連なるように複数の縦方向縦スリット60〜62が放射状に形成され、高圧の冷却エアーを細い縦スリットから成形物の胴部内周面に吹出すことにより、成形物内周面を冷却するようにしている。同図(a)の延伸ロッド50はその基本形態を示し、同図(b)で示す延伸ロッド51では、縦方向縦スリットが、胴部中央部付近に面する縦方向縦スリット61と胴部開口部肉厚部近傍に面する縦方向縦スリット63のニ段に形成されている。それにより、延伸配向効果の弱い部分を積極的に冷却することにより、容器口の熱変形を阻止している。また、同図(c)に示す延伸ロッド52は、先端部55に容器底部の凸部、特に花弁状凸部の稜部近傍に向けて高圧エアー吹出すように、冷却エアー通路に連なる複数個の冷却エアー噴出し孔65を形成してある。それにより、容器口部と同様に延伸配向効果の弱い部分を集中的に冷却してその部の変形を防止している。
【0024】
図6は、以上のような装置による本発明の耐熱性広口合成樹脂容器製造方法の実施形態における成形工程を示している。本実施形態では、PET樹脂を原料として、上記図1に示す耐熱性広口合成樹脂容器1をブロー成形により製造する場合を示している。
本実施形態の耐熱性広口成形容器の製造工程は、▲1▼プリフォーム加熱工程、▲2▼縦延伸工程、▲3▼プリブロ−工程(横延伸工程)、▲4▼完全賦形工程(高圧ブロー工程)、▲5▼冷却ブロー工程、▲6▼離型工程からなり、▲2▼〜▲5▼の工程は完全に型を閉じた状態で行われる。
したがって、本実施形態では、耐熱性があり、フランジにヒートシール性がある広口容器のブロー製造方法でありながら、フランジにヒートシール性を持たせるための処理工程や2種類の型による2段ブロー工程を有してなく、工程が単純化されていると共に、成形サイクルを一段と短くすることができ、生産性を向上させている。以下、各工程順に詳細に説明する。
【0025】
▲1▼プリフォーム加熱工程
プリフォーム30は、広口容器であっても良好な2軸延伸を可能にするために、図6(f)に拡大して示すように開口部にフランジ31を有し胴部32が略円錐状に形成され、頂部33が半球状に形成されている。該プリフォームは射出成形により形成する。プリフォーム30を図6(a)に示すように下型35のフランジ受部36に載置し、プリフォームの外周部に所定間隔をおいて加熱ヒータとしてのハロゲンランプ32を配置し、プリフォーム30を加熱する。その際、下型35を回転させてプリフォーム30を回転させることによって、プリフォーム表面を周方向に均等に加熱することができる。その状態で延伸可能なガラス転移温度以上まで加熱する。プリフォームの加熱が終了すると下型35が公転してブロー成形位置に達し、上型40が下降して下型35との間でブロー成形型が構成される。
【0026】
▲2▼縦延伸工程
上型本体42及び底型41は、内蔵のヒータによりガラス転移温度以上融点以下で2軸延伸後に樹脂を熱固定するに必要な温度に加熱されており、加熱温度は、(ガラス転移温度+30℃)〜(融点−20℃)、PET樹脂の場合は130℃〜180℃の範囲が望ましく、本実施形態では140℃に加熱してある。しかしながら、フランジ係合部43は、上型本体から断熱されて、ガラス転移温度以下(80℃以下)に抑えられている。この状態でプリフォーム30を載置した下型42が到達すると型閉じされ、上型本体42、フランジ係合部43及び底型41とでキャビティを形成する。この状態から下型35の開口部から延伸ロッド30が上昇して、図6(b)に示すように、プリフォーム30の底部が底型41の中央突出部に当るまで縦方向に延伸する。その際、延伸ロッドは高速(例えば、0.20秒)で上昇させることにより、プリフォームをより効果的に縦延伸配向させ、結晶化を促進させることができる。プリフォームの延伸は、フランジ係合部43で押えられているフランジ31を除き、フランジ付け根の肉厚部から底部に向けて全体が縦方向に延伸される。
【0027】
▲3▼プリブロ−工程(横延伸工程)
次いで、図6(c)に模式的に示すように、下型と延伸ロッドの隙間で形成されるブローエアー吹込み口(隙間)48からブローエアーを矢印で示すように供給することによってプリフォームを横延伸させてプリブローを行なう。プリブローのエアー圧は、0.7〜1.0MPaの低圧エアー(通常のブロー圧)にて短時間に横延伸配向させ、さらに結晶化を促進させる。エアーブローすることにより、胴部が周方向に広がり上型本体42の内面に全体が接するまで横延伸されるが、底部33も底型41が上げ底状に突出形成しているので、該底型面に接するまで同時に延伸される。
【0028】
▲4▼完全賦形工程(高圧ブロー工程)
成形品の外周面がキャビティ壁面に接触すると同時に、エアー圧を3.0〜4.0MPaの高圧エアーに切り替えて、高圧エアーによりより金型面に密着させて完全賦形を行なうと共に、高温に加熱した型面に密着した状態を保ち、熱処理(熱固定)を行なう。熱処理により、延伸時の残留応力を取り除き、且つ加熱による結晶化を促進させる。該高圧エアーによる完全賦形及びヒートセット時間は、プリブロー時間よりも2〜3倍長く設定することが望ましい。このように、ブローエアー圧を2段階に切り替えて、特に完全賦形及びヒートセットを高圧エアーによって行なうことによって、延伸効果が得られ、結晶化度が向上する。そのため、透明のままで容器の耐熱性が向上し、さらに容器の寸法精度が高くなる等の利点がある。
以上のブロー成形工程中、上型のフランジ係合部は上型本体と断熱されているので、温度上昇が少なく、成形時の熱によるフランジの変形を防止している。
【0029】
▲5▼冷却ブロー工程
冷却ブロー工程は、延伸ロッド縦方向に放射状に形成された縦スリット56から3.0〜4.0MPの高圧冷却エアーが放射状に吹出して完全賦形して熱処理した成形品の内周面に当り内周面を急冷する。本発明では、延伸ロッドに放射状に配置されている幅細の縦スリット60から容器内周面に高圧エアーを吹出すことによって、金型内との大きな差圧をもって容器内周面に当り断熱膨張効果により成形物内面を冷却するので、従来のブロー成形の場合と比べて冷却効果が高く成形物が急冷し、短時間に成形品を冷却することができる。成形品内周面に当った冷却エアーは、図示のように、延伸ロッドの外周部のエアーブロー吹込み口48から外部へ排出される。このようにして、金型内で成形品がガラス転移温度以下になるまで冷却する。本発明では、上記のように冷却効果が従来と比べて著しく高いので、1〜2.5秒で冷却が可能であり、従来の狭口容器の熱処理後の冷却時間と比べて著しく短く、従来のように金型を替えての2段階ブローの必要はない。
【0030】
▲6▼離型工程
以上のようにして、成形品がガラス転移温度まで冷却されると、成形品内の排気を行ない、離型を行なう。離型工程の詳細を図10にす。図10(a)が冷却を終了した状態であり、この状態から上型40が開き、成形品を下型35と底型で挟持した状態となる(同図(b))。この状態では同図(b)に示すように、底型41のセンターロッド46が成形品の底部を押えている状態にある。この状態から底型41が上昇する瞬間、センターロッド46を突き出し、成形品の中心部(ゲート部)を押え、底型41と容器の底部を離型する(同図(c))。次いで、成形品の底部中心部にセンターロッド46からエアーを噴出すことにより、成形品のゲート付近を冷却し、それにより、成形品の底部を変形させることなく、良好に離型することができる。離型終了後センターロッドが上昇してもとの状態となり、次の成形に備えられる(同図(e))。なお、センターロッド46の先端には、図8(b)に明示するように、センターロッド本体部と別の材料で形成されたセンターロッド先端ピース56が一体に設けられている。該センターロッド先端ピース56は、熱伝導率が低くて、剥離性に優れた樹脂、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等で形成するのが望ましい。それにより、底型との離型性が一段と向上し、底部を変形させずに高速で離型することができる。
【0031】
【実施例】
実施例1〜3
図1(実施例1)、図2(実施例2)、及び図3(実施例3)に示す形状の耐熱性広口合成樹脂容器をそれぞれ次の条件で製造した。容器の材質は、何れもPETを使用した。
プリフォーム表面温度 : 90℃〜95℃
上型の加熱温度 : 140℃〜165℃
底型の加熱温度 : 130℃
上型のフランジ係合部冷却 : 10℃〜20℃の冷却水循環させてフランジ係合部の実測温度を70℃以下に保つ
プリブロー圧力 : 1.0MPa
高圧ブロー圧力 : 4.0MPa
冷却ブロー圧力 : 4.0MPa
プリブロー時間 : 0.7秒
高圧ブロー時間 : 2.2秒
冷却ブロー時間 : 1.2秒
1個の成形サイクル : 8.5秒
実施例2については、プリフォームの下面に190℃の熱板を当ててフランジ下面若しくはプリフォーム下面より円形状のハロゲンヒータで、フランジ下面を加熱して白化させた。
このようにしてブロー成形された各容器は、透明で、金型から取出し時のフランジ等の熱変形もなく、全てが良好な形で離型できた。そして、得られた各容器の寸法は、表1の通りであり、設計通りの寸法が得られた。
【0032】
【表1】
Figure 0004282364
【0033】
次に、得られた各容器のフランジ面のヒートシール性を次のようにして検査した。ヒートシール性蓋材として、PET/AL/AC/VC(ポリエステル系)の多層フイルムを使用した。該蓋材を、表2に示すようにシール温度を140℃〜220℃の範囲で5段階に変えて、ヒートシールした場合の封緘強度及びピール強度を測定した。ヒートシールは、シール圧0.98kN/cup、シール時間1secの条件で行なった。封緘強度は、密封された容器を水中で蓋材に注射針を刺し込んで、外部より容器内を順次加圧していき、密封が破れて水中に泡が発生したときの内圧(mmHg)を封緘強度とした。封緘強度100mmHg以上を合格とした。この測定において、測定器の性能上最高300mmHgまでしか測定できなかったので、300mmHg超える場合も全て300mmHgと表示してある。
ピール強度は、JISに規定されている測定法によって、容器を固定し、蓋材を挟んだシールチャック治具を45°に持ち上げて、シールが破壊されるときの張力(N)によって測定した。ピール強度10N以上を合格とした。その結果を表2に示す。その結果、シール温度140℃でのシールでは、封緘強度、ピール強度とも不足したが、160℃以上のシール温度では、十分なヒートシール性を示した。また、そのときのフランジの変形も認められなかった。
【0034】
【表2】
Figure 0004282364
【0035】
また、上記のようにして得られた実施例1〜3の各容器にそれぞれに沸騰した水(100℃)を満杯に充填し、上記ヒートシール性の実験と同様な条件で160℃でヒートシールした容器をそれぞれ10個づつ得た。それぞれについて、外観を観察したところ、容器の変形は殆ど観察されず、何れも1%未満であり、耐熱性を有することが確認された。そして、これらの各容器を底面を下方に向けて50cm及び100cmの高さから自然落下させた場合の、容器の割れ(漏れ)、損傷(底面ヘコミ)について観察した。その結果、表3に示すように、何れの場合も容器の割れ(漏れ)、損傷(底面ヘコミ)が観察されず、落下強度に優れていることが確認された。
【表3】
Figure 0004282364
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、未だ実用化されてないフランジ面がヒートシール性を有する広口耐熱合成樹脂容器を簡単な装置で、しかも金型を替えて2段ブローを行なう必要がなく、短時間に成形して離型でき、成形サイクルが短くて安価に得ることができ、その実用化を図ることができた。そして、本発明で得られる広口耐熱合成樹脂容器は、内容物満杯充填状態で100℃の加熱で1%未満の変形度を保つ耐熱性を有し、蓋材のヒートシール性に優れ、所望の落下強度を有し、且つ透明な容器であり、寸法精度に優れ、安価に製造することができ、内容物を加熱殺菌でき、且つ使用時外部より加温することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器であり、(a)はその正面断面図、(b)はその要部拡大図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器であり、(a)はその正面断面図、(b)はその底面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器であり、(a)はその正面断面図、(b)はその要部拡大図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器であり、(a)はその正面断面図、(b)はその底面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器の一部破断正面図である。
【図6】(a)〜(f)は本発明の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器の製造工程を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態に係る広口耐熱合成樹脂容器の製造装置の要部断面図である。
【図8】その底型を示す概略断面図であり、(a)は成形時の状態、(b)は離型時の状態を示している。
【図9】(a)〜(c)はその延伸ロッドの実施形態を容器に挿入した状態で示す正面図である。
【図10】(a)〜(e)は離型工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1、6、12.17、23 広口耐熱合成樹脂容器
2、14、31 フランジ 3、19 肉厚部
4、8 底部 7、13 口部
10 凸部 15 白化部分
16 非晶部分 18、24、32 胴部
25 膨出部 30 プリフォーム
35 下型 36 ハロゲンランプ
40 上型 41 底型
42 上型本体 43 フランジ係合部
44 断熱材 45 凸部
46 センターロッド 47 エアー孔
48 ブローエアー吹込み口 49 空間部
50〜52 延伸ロッド 56 センターロッド先端ピース
60〜62 縦方向スリット

Claims (12)

  1. 開口端部にフランジを有するブロー成形広口合成樹脂容器であって、フランジを除く胴部が延伸配向後の熱処理により透明で耐熱性を有し、且つフランジ上面がヒートシール性を有してなり、前記フランジ下方の容器口部が延伸配向した肉厚部となっており、且つ底部が内側に凸形状となっており、前記合成樹脂容器が、熱可塑性ポリエステル樹脂系で形成され、100℃の内容物を満杯充填後の変形度が、3%未満である耐熱性を有していることを特徴とする耐熱性広口合成樹脂容器。
  2. 前記肉厚部の肉厚は、薄肉胴部の肉厚の2〜4倍であり、かつ開口端部から2.5mm以上の範囲まで延びている請求項に記載の耐熱性広口合成樹脂容器。
  3. 前記フランジは、裏面側が白化処理されて結晶化度が高く、表面側が非晶状態又は結晶化度が低くヒートシール性を維持している請求項1又は2に記載の耐熱性広口合成樹脂容器。
  4. 開口端部にフランジを有し底部が閉塞しているプリフォームを、ガラス転移温度以上融点以下の温度範囲で加熱した金型内で、ブロー成形中前記フランジへの金型からの伝熱を低減させた状態で、延伸ロッドで縦延伸を行なう工程、エアー圧により横延伸と完全賦形と熱固定を行なう工程、延伸ロッドにより容器内面に高圧エアーを吹き付けてガラス転移温度以下まで冷却する冷却工程からなることを特徴とする耐熱性広口合成樹脂容器の製造方法。
  5. 前記エアー圧で横延伸と完全賦形及び熱固定を行なう工程は、0.7〜1.0MPaのエアー圧で横延伸配向させるプリブロー工程、3.0〜4.0MPaの高圧エアーにより製品形状に完全賦形させると共に高温の金型で保持して結晶化を促進する高圧ブロー工程からなる請求項に記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造方法。
  6. 前記冷却工程は、延伸ロッドの縦スリットから縦軸方向のスリット状高圧エアーを容器胴部内周面に吹き付けてガラス転移温度以下まで冷却する請求項4又は5に記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造方法。
  7. ブロー成形前にプリフォームのフランジを、そのヒートシール面と反対側のみを加熱して白化処理するプリフォーム前処理工程を有する請求項4〜6何れかに記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造方法。
  8. 耐熱性広口合成樹脂容器をブロー成形で製造する装置であって、プリフォームのフランジ面を支持するフランジ支持面を有し、中央部に延伸ロッドが通過する開口を有する下型、該下型のフランジ支持面側と係合するブロー成形キャビティを有する上型、及び延伸ロッドからなり、前記上型は、プリフォームのフランジ面と係合するフランジ係合部材と、キャビティを形成する上型本体部材とからなり、前記フランジ係合部材は、上型本体と断熱連結されていることを特徴とする耐熱性広口合成樹脂容器の製造装置。
  9. 前記上型の底部に底型が上下動自在に設けられ、該底型はキャビティ内に凸形状をしている請求項に記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造装置。
  10. 前記延伸ロッドは、軸方向内部にエアー通路を有し、該軸外周に前記エアー通路に通じる縦スリットが形成され、該縦スリットを介して容器内周面軸方向に冷却エアーを吹き付けることができるようにしてなる請求項8又は9に記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造装置。
  11. 前記底型の中央部に上下駆動可能にセンターロッドが設けられ、該センターロッドの軸方向にエアー通路が形成され、その先端部にエアー吹出し孔を有する請求項8〜10何れかに記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造装置。
  12. 前記下型は、プリフォームを支持して回転可能に構成され、該下型に供給されたプリフォームを支持して回転し、外部に設けた加熱手段よりプリフォームの外周を加熱するようにした請求項10何れかに記載の耐熱性広口合成樹脂容器の製造装置。
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