JP4281192B2 - 電磁駆動弁を有する内燃機関 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関の動弁機構に関し、特に電磁力を利用して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式の動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される内燃機関では、吸排気弁の開閉駆動に起因した機械損失の防止、吸気のポンピング損失の防止、正味熱効率の向上等を目的として、電磁力を利用して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式の動弁機構の開発が進められている。
【0003】
このような電磁駆動式動弁機構としては、例えば、磁性体からなり吸気排気弁と連動して進退動作するアーマチャと、励磁電流が印加されたときにアーマチャを閉弁方向へ変位させる電磁力を発生する閉弁用電磁石と、励磁電流が印加されたときにアーマチャを開弁方向へ変位させる電磁力を発生する開弁用電磁石と、前記アーマチャを閉弁方向へ付勢する閉弁側戻しばねと、前記アーマチャを開弁方向へ付勢する開弁側戻しばねとを備えたものが知られている。
【0004】
このような電磁駆動式動弁機構では、従来の動弁機構のように機関出力軸(クランクシャフト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要がないため、吸排気弁の駆動に起因した機械損失が防止される。
【0005】
更に、上記したような電磁駆動式動弁機構によれば、機関出力軸の回転動作と独立して吸排気弁を開閉駆動させることが可能となるため、吸排気弁の開閉時期や開度を制御する場合の自由度が高い等、種々の利点がある。
【0006】
ところで、上記したような電磁駆動式動弁機構では、開弁用電磁石や閉弁用電磁石へ駆動電流を印加するための電気系に不具合が生じた場合や、吸排気弁やアーマチャの摺動摩擦の変化、もしくは気筒内の圧力の変化等が生じた場合に、吸気弁又は排気弁が正常に動作しないことがある。
【0007】
このような問題に対し、従来では、特開平10−47028号公報に記載された電磁弁型エンジンの制御装置が知られている。この公報に記載された電磁弁型エンジンの制御装置は、電磁力を利用して吸排気弁を開閉駆動する動弁機構を備えたエンジンにおいて、吸気弁およびまたは排気弁に異常が発生した場合、特に吸気弁およびまたは排気弁の電気系統に異常が発生した場合に、その吸気弁または排気弁を含む気筒の全ての吸排気弁を閉弁状態に保持し、吸気系から排気系への空気の吹き抜け、排気系から吸気系への排気の逆流、気筒内の既燃ガスや未燃混合気の吸気系への逆流、気筒内の未燃混合気の排気系への吹き抜け等の不具合を防止しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電磁力を利用して吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関において、吸気弁又は排気弁が正常に動作しない場合に失火や排気エミッションの悪化等を防止することができる技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は
内燃機関の吸気ポートへ燃料を噴射する燃料噴射弁と、
内燃機関の吸気弁及び排気弁を電磁力によって開閉駆動する電磁駆動機構と、
前記吸気弁又は前記排気弁の何れか一方に開弁動作不良が発生した場合に、開弁動作不良を発生した弁を含む気筒について、前記吸気弁又は前記排気弁の他方の開弁動作を次のサイクルまで禁止するとともに次のサイクルの燃料噴射量を減量させる制御手段と、
備えることを特徴としている。
【0011】
吸気弁及び排気弁が電磁駆動機構により開閉駆動される内燃機関において、吸気弁が開弁動作不良に陥った場合は、該吸気弁を含む気筒内に十分な量のガスが吸入されない。このため、吸気弁が開弁動作不良に陥った気筒の排気行程時に排気弁が開弁されても、該気筒内から排出されるガスが殆どないばかりか、該気筒のピストンの上昇動作に起因したポンプ作用により他の気筒から排出される排気の流れ(排気脈動)に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
さらに、吸気弁が開弁動作不良に陥った気筒については、燃料噴射弁から噴射された燃料が該気筒内に吸入されずに次の吸気行程まで吸気ポート内に残留する。このため、次のサイクルにおいて燃料噴射弁から通常量の燃料が噴射されると、混合気が過剰なリッチ空燃比となり、失火や排気エミッションの悪化を招く虞がある。
【0013】
一方、吸気弁及び排気弁が電磁駆動機構により開閉駆動される内燃機関において、排気弁が開弁動作不良に陥った場合は、該排気弁を含む気筒内で燃焼された混合気(既燃ガス)が排出されずに残留する。このため、その後の吸気行程時に吸気弁が開弁されると、前記した既燃ガスが内燃機関の吸気系へ逆流する虞がある。
【0014】
さらに、吸気ポートへ燃料を噴射するタイプの内燃機関では、一般に、排気行程中に燃料噴射が行われる。このため、排気弁が開弁動作不良に陥った時点(排気行程時)では既に燃料噴射弁から燃料が噴射されていることになるが、その燃料は吸気行程時に気筒内に吸入されずに吸気ポートに残留する。よって、次のサイクルにおいて燃料噴射弁から通常量の燃料が噴射されると、吸気ポートに残留していた燃料と燃料噴射弁から新たに噴射された燃料とが気筒内に供給され、該気筒内が過剰なリッチ雰囲気となる。その結果、失火や排気エミッションの悪化等を招く虞がある。
【0015】
これに対し、本発明によれば、吸気弁又は排気弁の何れか一方が開弁動作不良に陥った気筒について、吸気弁又は排気弁の他方の開弁動作が次サイクルまで禁止されるとともに、次サイクルの燃料噴射量が減量されるため、上記した種々の不具合の発生を回避することができる。
【0016】
尚、本発明にかかる制御手段は、吸気弁又は排気弁の何れか一方に閉弁動作不良が発生した場合は、閉弁動作不良が発生した弁を含む気筒の全ての弁を閉弁状態に保持するとともに、該気筒に対する燃料噴射を禁止するようにしてもよい。
【0017】
吸気弁が閉弁動作不良に陥ると、吸気行程時に気筒内に供給された混合気が圧縮行程において吸気系へ逆流してしまい、そのような状況で点火栓が作動すると、気筒内から吸気系にかけて混合気が燃焼する可能性がある。また、排気弁が閉弁動作不良に陥ると、吸気行程時に気筒内に供給された混合気がそのまま排気系へ流出したり、排気行程時に排気系から吸気系へ排気が逆流する等の不具合を生じる。
【0018】
これに対し、吸気弁又は排気弁が閉弁動作不良に陥った場合に、その吸気弁又は排気弁を含む気筒の全ての弁が閉弁状態にされるとともに燃料噴射が禁止されると、上記したような不具合の発生を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒21を備えた4サイクルのガソリンエンジンである。
【0021】
前記内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備えている。
【0022】
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸であるクランクシャフト23が回転自在に支持され、このクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装填されたピストン22と連結されている。
【0023】
前記ピストン22の上方には、ピストン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続されている。
【0024】
前記シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポート26の開口端と2つの排気ポート27の開口端とが燃焼室24に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が燃焼室24に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
【0025】
前記シリンダヘッド1aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気弁28が進退自在に設けられている。各吸気弁28には、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電磁駆動機構30と記す)が取り付けられている。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁駆動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a(以下、吸気側駆動回路30aと記す)が電気的に接続されている。
【0026】
前記シリンダヘッド1aには、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排気弁29が進退自在に設けられている。各排気弁29には、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電磁駆動機構31と記す)が取り付けられている。前記排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁駆動機構31に駆動電力を供給する駆動回路31a(以下、排気側駆動回路31aと記す)が電気的に接続されている。
【0027】
ここで、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べる。尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31とは同様の構成であるため、吸気側電磁駆動機構30のみを例に挙げて説明する。
【0028】
吸気側電磁駆動機構30は、図2に示すように、円筒状に形成された非磁性体からなる筐体300を備えている。前記筐体300には、該筐体300の内径と略同一の外径を有する環状の軟磁性体からなる第1コア301と第2コア302とが所定の間隙を介して直列に配置されている。
【0029】
前記第1コア301において前記所定の間隙に臨む部位には、第1の電磁コイル303が把持されており、前記第2コア302において前記第1の電磁コイル303と対向する部位には第2の電磁コイル304が把持されている。これら第1及び第2の電磁コイル303、304は、前述した吸気側駆動回路30aと電気的に接続されるものとする。
【0030】
前記した所定の間隙には、前記筐体300の内径と略同一の外径を有する円板状の軟磁性体からなるアーマチャ305が設けられている。このアーマチャ305は、前記第1コア301の中空部に保持された第1スプリング306と、前記第2コア302の中空部に保持された第2スプリング307とによって軸方向へ進退自在に支持されている。
【0031】
尚、前記第1スプリング306と前記第2スプリング307の付勢力は、前記アーマチャ305が前記所定の間隙において前記第1コア301と前記第2コア302との中間の位置にあるときに釣り合うよう設定されるものとする。
【0032】
一方、吸気弁28は、燃焼室24における吸気ポート26の開口端に設けられた弁座200に着座もしくは離座することによって前記吸気ポート26を開閉する弁体28aと、その先端部が前記弁体28aに固定された円柱状の弁軸28bとから形成されている。
【0033】
前記弁軸28bは、前記シリンダヘッド1aに設けられた筒状のバルブガイド201によって進退自在に支持されている。前記弁軸28bの基端は、前記吸気側電磁駆動機構30の筐体300内に延出し、前記第2コア302の中空部を経て前記アーマチャ305に固定されている。
【0034】
尚、前記弁軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ305が前記所定の間隙において前記第1コア301と前記第2コア302との中間位置に保持されているとき、すなわち前記アーマチャ305が中立状態にあるときに、前記弁体28aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位置(以下、中開位置と称する)に保持されるよう設定されるものとする。
【0035】
このように構成された吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル303及び第2の電磁コイル304へ励磁電流が印加されていない場合は、前記アーマチャ305が中立状態となり、それに伴って弁体28aが中開位置に保持される。
【0036】
吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル303に励磁電流が印加されると、第1コア301と第1の電磁コイル303とアーマチャ305との間には、前記アーマチャ305を第1コア301側へ変位させる方向の電磁力が発生する。
【0037】
吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル304に励磁電流が印加されると、第2コア302と第2の電磁コイル304とアーマチャ305との間には、前記アーマチャ305を前記第2コア302側へ変位させる方向の電磁力が発生する。
【0038】
従って、吸気側電磁駆動機構30では、第1の電磁コイル303と第2の電磁コイル304とに交互に励磁電流が印加されることにより、アーマチャ305が進退し、以て弁体28aが開閉駆動されることになる。その際、第1の電磁コイル303及び第2の電磁コイル304に対する励磁電流の印加タイミングと励磁電流の大きさを変更することにより、吸気弁28の開閉タイミングを制御することが可能となる。
【0039】
上記した吸気側電磁駆動機構30には、吸気弁28の変位位置を検出するバルブリフトセンサ310が取り付けられている。このバルブリフトセンサ310は、筐体300の上部に取り付けられたセンサカバー307と、一端が前記筐体300内のアーマチャ305に連結されるとともに他端が前記センサカバー307内に延出したロッド308と、前記ロッド308において前記センサカバー307内に延出した部分の先端に取り付けられた円板状のターゲット309と、前記ターゲット309と対向するよう前記センサカバー307に取り付けられたギャップセンサ310とから構成されている。
【0040】
このように構成されたバルブリフトセンサ311では、前記ターゲット309が前記吸気側電磁駆動機構30のアーマチャ305と一体的に変位するとともに、前記ギャップセンサ310が該ギャップセンサ310から前記ターゲット309までの距離に対応した電気信号を出力することにより、吸気弁28の変位位置を検出することが可能となっている。
【0041】
ここで、図1に戻り、前記内燃機関1の各吸気ポート26は、該内燃機関1のシリンダヘッド1aに取り付けられた吸気枝管33の各枝管と連通している。前記吸気枝管33の各枝管32には、その噴孔が前記吸気ポート26に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
【0042】
前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク34に接続されている。前記サージタンク34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス36と接続されている。
【0043】
前記吸気管35には、該吸気管35内を流れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が取り付けられている。前記吸気管35において前記エアフローメータ44より下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁39が設けられている。
【0044】
前記スロットル弁39には、ステッパモータ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ41と、アクセルペダル42に機械的に接続され該アクセルペダル42の操作量に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ43とが取り付けられている。
【0045】
記サージタンク34には、該サージタンク34の圧力に対応した電気信号を出力するバキュームセンサ50が取り付けられている。
【0046】
一方、前記内燃機関1の各排気ポート27は、前記シリンダヘッド1aに取り付けられた排気枝管45の各枝管と連通している。前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。
【0047】
前記排気枝管45には、該排気枝管45内を流れる排気の空燃比、言い換えれば排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられている。
【0048】
前記排気浄化触媒46は、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、流入排気の空燃比が理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0049】
前記した排気浄化触媒46には、該排気浄化触媒46の床温に対応した電気信号を出力する触媒温度センサ49が取り付けられている。
また、内燃機関1は、クランクシャフト23の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52とを備えている。
【0050】
このように構成された内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU、以下ECUと称する)20が併設されている。
【0051】
前記ECU20には、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、触媒温度センサ49、バキュームセンサ50、クランクポジションセンサ51、水温センサ52、バルブリフトセンサ311等の各種センサが電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
【0052】
前記ECU20には、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32等が電気配線を介して接続され、ECU20が各種センサの出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32を制御することが可能になっている。
【0053】
ここで、ECU20は、図3に示すように、双方向性バス400によって相互に接続されたCPU401とROM402とRAM403とバックアップRAM404と入力ポート405と出力ポート406とを備えるとともに、前記入力ポート405に接続されたA/Dコンバータ(A/D)407を備えている。
【0054】
前記A/D407は、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、触媒温度センサ49、バキュームセンサ50、水温センサ52、バルブリフトセンサ311等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続されている。前記A/D407は、前記した各センサの出力信号をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換した後に前記入力ポート405へ送信する。
【0055】
前記入力ポート405は、前記A/D407と接続されるとともに、クランクポジションセンサ51のようにデジタル信号形式の信号を出力するセンサと接続されている。前記入力ポート405は、前記A/D407から送信された信号、及び前記クランクポジションセンサ51の出力信号を入力し、それらの信号をCPU401やRAM403へ送信する。
【0056】
前記出力ポート406は、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40等と電気配線を介して接続されている。前記出力ポート406は、CPU401から出力される制御信号をイグナイタ25a、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32へ送信する。
【0057】
前記ROM402は、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、吸気弁28を所望の目標開弁タイミング及び目標閉弁タイミングに従って開閉させるための吸気弁開閉制御ルーチン、排気弁29を所望の目標開弁タイミング及び目標閉弁タイミングに従って開閉させるための排気弁開閉制御ルーチン、各気筒21の点火栓25の点火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、スロットル弁39の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン等のアプリケーションプログラムに加え、吸気弁28および排気弁29の挙動を監視するための弁挙動監視制御ルーチンを記憶している。
【0058】
前記ROM402は、前記したアプリケーションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。前記した制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の目標開閉タイミングとの関係を示す吸気弁開閉タイミング制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の目標開閉タイミングとの関係を示す排気弁開閉タイミング制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機構31に印加すべき励磁電流量との関係を示す励磁電流量制御マップ、内燃機関1の運転状態と各点火栓25の点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態とスロットル弁39の開度との関係を示すスロットル開度制御マップ等である。
【0059】
前記RAM403は、各センサの出力信号やCPU401の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号に基づいて算出される機関回転数等である。前記RAM403に記憶される各種のデータは、クランクポジションセンサ51が信号を出力する度に最新のデータに書き換えられる。
【0060】
前記バックアップRAM45は、内燃機関1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであり、各種制御に係る学習値等を記憶する。本実施の形態では、バックアップRAM45は、異常を発生した吸気弁28又は排気弁29を特定するデータを記憶するものとする。
【0061】
前記CPU401は、前記ROM402に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作して、燃料噴射制御、吸気弁開閉制御、排気弁開閉制御、点火制御等に加え、本実施の形態の要旨となる弁挙動監視制御を実行する。
【0062】
以下、本実施の形態に係る弁挙動監視制御について述べる。
本実施の形態に係る弁挙動監視制御では、CPU401は、図4に示すような弁挙動監視制御ルーチンを実行することになる。この弁挙動監視制御ルーチンは、予めROM402に記憶されたルーチンであり、内燃機関1の運転状態が、スロットル弁39を実質的に全開となる開度に保持しつつ、吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを制御することによって内燃機関1の吸入空気量を調節する、いわゆるノンスロットル運転状態にある場合に、CPU401によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0063】
弁挙動監視制御ルーチンでは、CPU401は、先ずS401において、各吸気弁28及び各排気弁29の異常判定処理を実行する。異常判定処理では、CPU401は、例えば図5に示すような異常判定制御ルーチンを実行する。
【0064】
異常判定制御ルーチンでは、CPU401は、S501において、開閉動作不良の吸気弁28又は排気弁29が有るか否かを判別する。ここでいう開閉動作不良とは、例えば、弁が目標開弁タイミングで開弁動作しない、弁が全開位置まで変位しない、弁が全開位置に保持されない、弁が目標閉弁タイミングで閉弁動作しない、弁が全閉位置まで変位しない、弁が全閉位置に保持されない現象をいう。 上記したような開閉動作不良を判別する方法としては、各吸気弁28及び各排気弁29に取り付けられたバルブリフトセンサ311の出力信号に基づいて、各弁が所望の時期に開閉動作したか否か、各弁が全開位置まで変位したか否か、各弁が全閉位置まで変位したか否か、各弁が所望の時期に全開状態にあるか否か、及び、各弁が所望の時期に全閉状態にあるか否かを判別する方法を例示することができる。
【0065】
前記S501において開閉動作不良の弁が存在しないと判定した場合は、CPU401は、本ルーチンの実行を終了する。
前記S501において開閉動作不良の弁が存在すると判定した場合は、CPU401は、S502へ進み、前記S501において開閉動作不良と判定された事由が開弁動作不良であるか否かを判別する。
【0066】
前記S502において開閉動作不良の事由が開弁動作不良であると判定した場合は、CPU401は、S503へ進み、前記開閉動作不良の弁が吸気弁28であるか否かを判別する。
【0067】
前記S503において開閉動作不良の弁が吸気弁28であると判定した場合は、CPU401は、S504へ進み、該吸気弁28を含む気筒21について、排気弁29の開弁動作及び点火栓25の作動を次の吸気行程まで禁止するとともに、次回の燃料噴射量を減量もしくは次回の燃料噴射を禁止する。
【0068】
ここで、吸気弁28が開弁動作不良となった気筒21では、該気筒21内に十分な量の混合気が吸入されないことになるため、点火栓25を作動させても所望の燃焼が行われず、点火栓25の作動に係る電力が不要に消費されることになる。
【0069】
また、吸気弁28が開弁動作不良となった気筒21では、該気筒21内に十分な量の混合気(筒内噴射式の内燃機関の場合は空気のみ)が吸入されないため、該気筒21の排気行程時に排気弁29を開弁させても該気筒21内から排出されるガスが存在しないばかりか、該気筒21内のピストン22の上昇動作に起因したポンプ作用により他の気筒21から排出される排気の流れ(排気脈動)に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0070】
また、内燃機関1のように吸気ポート26へ燃料を噴射するタイプの内燃機関では、吸気弁28が開弁動作不良となった気筒21については、吸気ポート26に噴射された燃料が気筒21内に吸入されずに次の吸気行程まで吸気ポート26内に残留することになるため、次回の燃料噴射時期に通常量の燃料を噴射すると混合気が過剰なリッチ空燃比となり、失火や排気エミッションの悪化を招く虞がある。
【0071】
従って、本実施の形態では、吸気弁28が開弁動作不良となった気筒21については、排気弁29の開弁動作及び点火栓25の作動を次の吸気行程まで禁止するとともに、次回の燃料噴射量を減量もしくは次回の燃料噴射を禁止することにより、点火栓25の不要な作動に係る電力消費、排気脈動の急変、排気エミッションの悪化等を防止するようにした。
【0072】
前記したS504の処理を実行し終えたCPU401は、S505へ進み、予めRAM403に設定された発生回数カウンタ記憶領域へアクセスし、該記憶領域に記憶されているカウンタ値:Nを一つインクリメントする。
【0073】
前記発生回数カウンタ記憶領域は、各吸気弁28及び各排気弁29毎に設定される記憶領域であり、各吸気弁28及び各排気弁29が挙動不良となった回数:Nを記憶する領域である
【0074】
S506では、CPU401は、RAM403に設定された発生回数カウンタ記憶領域へアクセスし、所定回数以上の発生回数を記憶する発生回数カウンタ記憶領域が存在するか否か、言い換えれば、挙動不良の発生回数が所定回数以上に達した吸気弁28又は排気弁29が存在するか否かを判別する。
【0075】
前記S506において所定回数以上の発生回数:Nを記憶する発生カウンタ記憶領域が存在しないと判定した場合は、CPU401は、本ルーチンの実行を終了する。
【0076】
前記S506において所定回数以上の発生回数:Nを記憶する発生カウンタ記憶領域が存在すると判定した場合は、CPU401は、S507へ進み、前記発生カウンタ記憶領域に対応した吸気弁28又は排気弁29が異常であるとみなし、その吸気弁28又は排気弁29を特定する識別情報をバックアップRAM404に記憶させる。CPU401は、前記S507の処理を実行し終えると、本ルーチンの実行を終了する。
【0077】
ここで、動作不良の発生回数に応じて異常判定を行うのは、外乱の影響によって吸気弁28又は排気弁29が一時的に動作不良となった場合のように正常動作に容易に復帰することが可能な動作不良と、吸気弁28又は排気弁29の固着や電気系統の断線等のように正常動作に復帰不可能な動作不良とを区別するためである。
【0078】
一方、前記したS503において開弁動作不良の弁が吸気弁28ではないと判定した場合、すなわち開弁動作不良の弁が排気弁29であると判定した場合は、CPU401は、S508へ進み、該排気弁29を含む気筒21について、吸気弁28の開弁動作及び点火栓25の作動を次の排気行程まで禁止するとともに、次回の燃料噴射量を減量もしくは次回の燃料噴射を禁止する。
【0079】
ここで、排気弁29が開弁動作不良となった気筒21では、該気筒21内で燃焼された混合気(既燃ガス)が排出されずに残留することになるため、吸気行程時に吸気弁28が開弁されると、前記した既燃ガスが内燃機関1の吸気系へ逆流する虞がある。
【0080】
そこで、本実施の形態では、排気弁29が開弁動作不良となった気筒21については、吸気弁28の開弁動作を次回の排気行程まで禁止するようにした。これに対応して、点火栓25の作動も次回の排気行程まで禁止するようにした。
【0081】
また、内燃機関1のように吸気ポート26へ燃料を噴射するタイプの内燃機関では、一般に、排気行程中に燃料噴射が行われるため、排気弁29が開弁動作不良を発生した時点(排気行程時)では既に燃料噴射弁32から燃料が噴射されていることになるが、その燃料は吸気行程時に気筒21内に吸入されずに吸気ポート26に残留することになる。そのような状況下で、次回の燃料噴射時期に通常量の燃料が噴射されると、吸気ポート26に残留していた燃料と燃料噴射弁32から新たに噴射された燃料とが気筒21内に供給され、気筒21内が過剰なリッチ雰囲気となり、その結果、失火や排気エミッションの悪化等を招く虞がある。
【0082】
そこで、本実施の形態では、排気弁29が開弁動作不良となった気筒21については、次回の燃料噴射量を減量もしくは次回の燃料噴射を禁止するようにした。
【0083】
上記したようなS508の処理を実行し終えたCPU401は、前述したS505以降の処理を実行することになる。
また、前記S502において開閉動作不良の事由が開弁動作不良ではないと判定した場合、すなわち開閉動作不良の時由が閉弁動作不良であると判定した場合は、CPU401は、S509へ進み、閉弁動作不良の弁を含む気筒21の全ての弁を全閉状態に保持し、点火栓25の作動及び燃料噴射弁32の作動を禁止する。
【0084】
次いで、CPU401は、S510へ進み、閉弁動作不良の吸気弁28又は排気弁29を直ちに異常であるとみなし、その吸気弁28又は排気弁29を特定する識別情報をバックアップRAM404に記憶させる。CPU401は、S510の処理を実行し終えると、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0085】
ここで、閉弁動作不良の吸気弁28又は排気弁29を直ちに異常とみなすのは、開弁動作不良の場合に比して、内燃機関1の運転状態や車両の走行状態に与える影響が大きいためである。
【0086】
すなわち、吸気弁28が閉弁動作不良に陥ると、吸気行程時に燃焼室24内に供給された混合気が圧縮行程において吸気系へ逆流してしまい、そのような状況で点火栓25が作動すると、燃焼室24から吸気系にかけて混合気が燃焼する虞がある。
【0087】
また、排気弁29が閉弁動作不良に陥ると、吸気行程時に燃焼室24内に供給された混合気がそのまま排気系へ流出したり、排気行程時に排気系から吸気系へ排気が逆流する等の不具合を生じる。
【0088】
従って、本実施の形態では、吸気弁28又は排気弁29が閉弁不良に陥った場合には、その吸気弁28又は排気弁29を直ちに異常と判定するとともに、その吸気弁28又は排気弁29を含む気筒21を直ちに休止させるようにしている。
【0089】
こで図4の弁挙動監視制御ルーチンに戻り、CPU401は、前述したような異常判定処理を実行し終えると、S402へ進み、バックアップRAM404へアクセスし、異常を発生した弁の識別情報が記憶されているか否か、言い換えれば、異常を発生した弁が存在するか否かを判別する。
【0090】
前記S402において異常を発生した弁が存在しないと判定した場合は、CPU401は、S409へ進み、スロットル弁39の開度を実質的に全開となる開度に保持しつつ、吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更することで各気筒21の吸入空気量を調節する、いわゆるノンスロットル制御を続行する。
【0091】
一方、前記S402において異常を発生した弁が存在すると判定した場合は、CPU401は、S403へ進み、異常を発生した弁が完全に作動不能であるか否かを判別する。
【0092】
前記S403において異常発生した弁が完全に作動不能であると判定した場合は、CPU401は、S404へ進み、異常発生弁を含む気筒21以外の気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更可能であるか否か、言い換えれば、残りの気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを調整して内燃機関1のトルクを制御可能であるか否かを判別する。
【0093】
前記S404において異常発生弁を含む気筒21以外の気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更可能であると判定した場合は、CPU401は、S405へ進み、第1の退避走行制御を実行する。
【0094】
前記した第1の退避走行制御は、異常を発生した弁の固着、異常を発生した弁に対応した電磁駆動機構の故障、異常を発生した弁に対応した駆動回路の故障、ECU20と駆動回路と電磁駆動機構とを接続する電気配線の断線などによって、異常を発生した弁が全く動作しなくなった場合を想定した制御である。
【0095】
前記第1の退避走行制御では、CPU401は、図6に示すような第1の退避走行制御ルーチンを実行する。
第1の走行制御ルーチンでは、CPU401は、先ずS601において、異常が発生する直前のアクセル開度と機関回転数とをパラメータとして、内燃機関1に対する要求トルク:T1を算出する。
【0096】
S602では、CPU401は、前記S601で算出された要求トルク:T1を内燃機関1が発生するために必要となる吸入空気量を算出し、次いで前記吸入空気量を内燃機関1へ吸入させるのに適したスロットル開度:Taを算出する。
【0097】
S603では、CPU401は、スロットル弁39の実際の開度を前記S602で算出されたスロットル開度:Taと一致させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御する。
【0098】
続いて、CPU401は、S604へ進み、内燃機関1の運転状態を第1の退避走行モードへ移行させる。具体的には、CPU401は、スロットル弁39の開度を前記スロットル開度:Taからアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)に比例した開度へ徐々に移行させ、異常を発生した弁を含む気筒21の全ての吸気弁28及び排気弁29を全閉状態に保持すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御して該気筒21を休止させ、更に他の気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを内燃機関1の負荷に応じたタイミングとすべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
【0099】
S605では、CPU401は、スロットル弁39の開度の上限ガード処理を実行し、内燃機関1の発生トルクを制限する。すなわち、CPU401は、内燃機関1が正常時と同等以上のトルクを発生しないようスロットル弁39の開度を制御する。
【0100】
上記したような第1の退避走行制御によれば、内燃機関1の吸気弁28又は排気弁29が作動不能に陥った場合であっても、スロットル弁39の開度と、異常を発生した弁を含む気筒21以外の気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングとを制御することにより、内燃機関1の吸入空気量を所望の量とすることが可能となる。
【0101】
この結果、内燃機関1が退避走行運転される上で必要となる吸入空気量を正確に確保することが可能となる。
更に、本実施の形態に係る第1の退避走行制御では、内燃機関1の運転状態を第1の退避走行モードへ移行させる場合に、スロットル弁39の開度を、一旦、異常が発生する直前の内燃機関1の吸入空気量と同等の吸入空気量を得られる開度とした後に、第1の退避走行モードへ移行されることになるため、内燃機関1の運転状態を第1の退避走行モードへ移行する際のトルク変動の発生が防止されることになる。
【0102】
ここで図4の弁挙動監視制御ルーチンへ戻り、CPU401は、前記したS404において異常を発生した弁を含む気筒21以外の気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更不可能であると判定した場合、例えば、ECU20の不良等により、吸気弁28及び排気弁29を特定の開閉タイミング以外で開閉駆動することができなくなった場合には、S406へ進み、第2の退避走行制御を実行する。
【0103】
ここでいう特定の開閉タイミングとは、例えば、ECU20や、吸排気側駆動回路30a、31aに予めデフォルト値として設定されたタイミングであってもよい。
【0104】
第2の退避走行制御では、CPU401は、図7に示すような第2の退避走行制御ルーチンを実行する。第2の退避走行制御ルーチンでは、CPU401は、先ずS701において、異常が発生する直前のアクセル開度と機関回転数とをパラメータとして、内燃機関1に対する要求トルク:T1を算出する。
【0105】
S702では、CPU401は、前記S701で算出された要求トルク:T1を内燃機関1が発生するために必要となる吸入空気量を算出し、次いで前記吸入空気量を内燃機関1へ吸入させるのに適したスロットル開度:Taを算出する。
【0106】
S703では、CPU401は、スロットル弁39の実際の開度を前記S702で算出されたスロットル開度:Taと一致させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御する。
【0107】
続いて、CPU401は、S704へ進み、内燃機関1の運転状態を第2の退避走行モードへ移行させる。具体的には、CPU401は、スロットル弁39の開度を前記スロットル開度:Taからアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)に比例した開度へ徐々に移行させ、異常を発生した弁を含む気筒21の全ての吸気弁28及び排気弁29を全閉状態に保持すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御して該気筒21を休止させ、更に他の気筒21の吸気弁28及び排気弁29を特定の開閉タイミングで動作させるべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
【0108】
S705では、CPU401は、スロットル弁39の開度の上限ガード処理を実行する。
上記したような第2の退避走行制御によれば、内燃機関1の吸気弁28又は排気弁29が作動不能に陥り、且つ、その他の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更不能に陥った場合であっても、スロットル弁39の開度を制御することによって、内燃機関1の吸入空気量を所望の量とすることが可能となる。
【0109】
この結果、内燃機関1が退避走行運転される上で必要となる吸入空気量を正確に確保することが可能となる。
更に、本実施の形態に係る第2の退避走行制御においても、前述した第1の退避走行制御と同様に、内燃機関1の運転状態を第2の退避走行モードへ移行させる場合に、スロットル弁39の開度を、一旦、異常が発生する直前の内燃機関1の吸入空気量と同等の吸入空気量を得られる開度とした後に、第2の退避走行モードへ移行されることになるため、内燃機関1の運転状態を第2の退避走行モードへ移行する際のトルク変動の発生が防止されることになる。
【0110】
ここで図4の弁挙動監視制御ルーチンに戻り、CPU401は、前記したS403において異常を発生した弁が完全に作動不能ではないと判定した場合は、S407へ進み、内燃機関1の全ての気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更可能であるか否かを判別する。
【0111】
前記S407において内燃機関1の全ての気筒21の吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを変更不可能であると判定した場合、つまり、全ての気筒21の吸気弁28及び排気弁29が特定の開閉タイミングでのみ開閉駆動可能であると判定した場合は、CPU401は、S408へ進み、第3の退避走行制御を実行する。
【0112】
第3の退避走行制御では、CPU401は、図8に示すような第3の退避走行制御ルーチンを実行する。この第3の退避走行制御ルーチンでは、CPU401は、先ず、S801において、異常が発生する直前のアクセル開度と機関回転数とをパラメータとして、内燃機関1に対する要求トルク:T1を算出する。
【0113】
S802では、CPU401は、前記S801で算出された要求トルク:T1を内燃機関1が発生するために必要となる吸入空気量を算出し、次いで前記吸入空気量を内燃機関1へ吸入させるのに適したスロットル開度:Taを算出する。
【0114】
S803では、CPU401は、スロットル弁39の実際の開度を前記S802で算出されたスロットル開度:Taと一致させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御する。
【0115】
続いて、CPU401は、S804へ進み、内燃機関1の運転状態を第3の退避走行モードへ移行させる。具体的には、CPU401は、スロットル弁39の開度を前記スロットル開度:Taからアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)に比例した開度へ徐々に移行させるとともに、全ての気筒21の吸気弁28及び排気弁29を特定の開閉タイミングで動作させるべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
【0116】
S805では、CPU401は、スロットル弁39の開度の上限ガード処理を実行する。
上記したような第3の退避走行制御によれば、内燃機関1の吸気弁28及び排気弁29が特定の開閉タイミング以外では作動不能に陥った場合であっても、スロットル弁39の開度を制御することによって内燃機関1の吸入空気量を所望の量とすることが可能となる。
【0117】
この結果、内燃機関1が退避走行運転される上で必要となる吸入空気量を正確に確保することが可能となる。
更に、本実施の形態に係る第3の退避走行制御においても、前述した第1、第2の退避走行制御と同様に、内燃機関1の運転状態を第3の退避走行モードへ移行させる場合に、スロットル弁39の開度を、一旦、異常が発生する直前の内燃機関1の吸入空気量と同等の吸入空気量を得られる開度とした後に、第3の退避走行モードへ移行されることになるため、内燃機関1の運転状態を第3の退避走行モードへ移行する際のトルク変動の発生が防止されることになる。
【0119】
従って、本実施の形態に係る電磁駆動弁を有する内燃機関によれば、内燃機関1の運転状態がノンスロットル運転状態にあるときに、吸気弁28又は排気弁29に異常が発生した場合は、スロットル弁39の開度を制御することにより内燃機関1の吸入空気量を所望の量とすることが可能となる。
【0120】
この結果、吸気弁28又は排気弁29の異常によって、異常弁を含む気筒21の運転を休止させることになっても、内燃機関1の吸入空気量が急激に変化するようなことがなく、トルク変動の発生を抑制することが可能となる。
【0121】
【発明の効果】
本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関によれば、吸気弁又は排気弁が正常に動作しない場合に、失火や排気エミッションの悪化等を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電磁駆動弁を有する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】 吸気側電磁駆動機構の構成を示す図
【図3】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図4】 弁挙動監視制御ルーチンを示すフローチャート図
【図5】 異常判定制御ルーチンを示すフローチャート図
【図6】 第1の退避走行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図7】 第2の退避走行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図8】 第3の退避走行制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
20・・・ECU
26・・・吸気ポート
27・・・排気ポート
28・・・吸気弁
29・・・排気弁
30・・・吸気側電磁駆動機構
31・・・排気側電磁駆動機構
33・・・吸気枝管
34・・・サージタンク
35・・・吸気管
36・・・エアクリーナボックス
39・・・スロットル弁
40・・・スロットル用アクチュエータ
41・・・スロットルポジションセンサ
42・・・アクセルペダル
43・・・アクセルポジションセンサ
49・・・触媒温度センサ
311・・バルブリフトセンサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気ポートへ燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    内燃機関の吸気弁及び排気弁を電磁力によって開閉駆動する電磁駆動機構と、
    前記吸気弁又は前記排気弁の何れか一方に開弁動作不良が発生した場合に、開弁動作不良を発生した弁を含む気筒について、当該弁の開弁動作不良が解消されるまで又は当該弁の開弁動作不良の発生回数が所定回数に達するまでは、前記吸気弁又は前記排気弁の他方の開弁動作を禁止するとともに該気筒に対する燃料噴射を禁止する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電磁駆動弁を有する内燃機関。
  2. 前記制御手段は、前記吸気弁又は前記排気弁の何れか一方に閉弁動作不良が発生した場合に、閉弁動作不良が発生した弁を含む気筒の全ての弁が閉弁状態に保持されるように前記電磁駆動機構を制御するとともに、該気筒に対する燃料噴射を禁止することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
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