JP4280902B2 - 液体収容袋、液体カートリッジ、液体噴射装置 - Google Patents

液体収容袋、液体カートリッジ、液体噴射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に着脱可能に装着され、液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容袋および液体カートリッジ、並びに該液体カートリッジを用いる液体噴射装置に関する。ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。液体噴射ヘッドとしては、前記記録ヘッドのほかに、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の代表的存在として知られるインクジェット式記録装置では、例えば、看板印刷や捺染印刷などの工業用の用途や、業務用の大量印刷に対応するため、記録ヘッドを搭載したキャリッジから離れた場所に比較的大量のインクカートリッジを配備し、そこから補給チューブを介して記録ヘッドへインクを供給する方式の大型の記録装置が実用化されている。このような方式では、通例、インクカートリッジのハードケース内に、内部にインクが充填され、インク供給口を備えたインクパックが収納されている。また、大容量のインクカートリッジを用いたインクジェット式記録装置では、記録ヘッドのノズル部に加わるインクの圧力を調整する目的と、インクカートリッジ交換時に印刷が途切れないようにする目的で、インクカートリッジから記録ヘッドに至るインク供給路にサブタンクが設けられている。
【0003】
上記のようなタイプのインクジェット式記録装置では、インク滴を吐出する上で吐出性能の低下を招くインク内への気泡の混入やインクの水分蒸発、インクの物性変化を避けるため、インクカートリッジに収納されているインクパックの材質に空気や水分を透過し難いアルミラミネートフィルム等が使用されている。かかる構成のインクパックにおいてインク容量を大容量化する場合、輸送時等の振動、落下衝撃に対してインクパックが破損しやすくなるという問題がある。この問題を解決するため、インクカートリッジ内にインクパックの押え部材を備えることにより、輸送時の振動や衝撃に耐えられるように構成したインクカートリッジが提案されている(例えば、特許文献1)。また、同様の目的で、ケースに収納せずに取扱うものについて、梱包材にインクパックの押え部材としての機能を持たせ、振動や衝撃に耐えられるようにしたインクパックも提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−19136号公報
【特許文献2】
特開2001−58674号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1や特許文献2のように構成されたインクカートリッジやインクパックにおいては、インクパックを押えるための部材を設ける必要があることから、コストの上昇を招くおそれがある。また、押え部材や梱包材を用いることは廃棄物の増加につながる上、リサイクル使用する際の分解等にも手間がかかるという側面を有している。
【0006】
また、可撓性フィルムで構成するインクパックは、その製造の容易さと、振動や衝撃が集中して加わらないにような構造にする目的で、ピロータイプと呼ばれる単純な矩形の平袋の形状にすることが多いが、そのような形状では厚さを持たせることが難しいため、大量のインクを収容しようとしても、厚み方向の制約によって容量が限られてしまうことになる。従って、より多くのインクを収容するためには、矩形のインクパックの辺を長くして大型化する以外にないが、この方法ではインクカートリッジも大型化してしまうため、インクパックを使用するインクジェット式記録装置の限られたスペースに配置することが困難になる。また、インクジェット式記録装置のインクパックに限らず、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッドにおいて色材を収容する色材収容袋や、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドにおいて試料や試薬を収容する試料等収容袋においても上記と同様の問題が存する。
【0007】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、大量の液体を収容することが可能であり、振動や衝撃に対する耐久性に優れ、配置の自由度も高い液体収容袋を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る液体収容袋は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドに供給する液体を収容する可撓性素材により形成された液体収容袋であって、二つ以上の液体収容部と、該液体収容部の間で液体の流通を可能にする連通路と、前記液体収容部の一つに備えられた液体取出口と、を具備したことを特徴とする。
本発明の第1の態様では、可撓性素材により形成された液体収容袋において、複数の液体収容部を設けるとともに連通路により各液体収容部を連絡することにより、一つの液体取出口から液体を取り出し、液体噴射ヘッドに供給できるように構成した。かかる構成により、本発明の第1の態様に係る液体収容袋では、以下のような作用効果が得られる。
【0009】
まず第1に、液体収容部を複数に分割したので、振動や衝撃に対する耐久性が大幅に向上する。例えば、輸送中に落下等の衝撃が加えられた場合でも、衝撃力が各液体収容部毎に分散されるため、大量の液体を一つの液体収容袋に充填した場合に比べて液体収容袋の破損による液体の漏出などが起こり難くなる。また、連通路は、衝撃時などにおいて一つの液体収容部の液体圧力が高くなると他の液体収容部へ液体を逃がし、液体収容部内の圧力を緩和するように作用する。従って、大量の液体を確実に収容することが可能になり、液体収容袋の大容量化の要請への対応が可能になる。
【0010】
第2に、液体収容部を複数に分割したことより、液体収容袋の配置の自由度を大幅に増やすことができる。例えば、液体収容袋を折り畳むことにより液体収容部を積層して配置できるため、単一の液体収容部の場合に比べて、嵩高さを数倍に増やせる一方で、載置面積を小さくすることが可能になる。従って、液体収容袋を収納する液体カートリッジや、それを装着する液体噴射装置のレイアウトの自由度を大幅に高めることができる。
【0011】
第3に、上記のような作用を得ながら、複数の液体収容部を連絡する連通路を設けることによって一つの液体取出口から液体を取り出すようにしたので、既存の液体噴射装置の液体供給システムを利用することができる。
【0012】
本発明の第2の態様に係る液体収容袋は、第1の態様において、前記液体収容袋は、二枚の矩形のフィルムで構成され、重ね合わせた二枚のフィルムの縁辺が、液体取出口を設けた部位を除いて互いに溶着され、二つの縁辺の溶着部の間を結ぶように形成された帯状の溶着により前記液体収容部が区画されているとともに、前記帯状の溶着には非溶着部分が設けられて前記連通路を形成していることを特徴とする。この第2の態様では、第1の態様と同様の作用効果に加え、従来の液体収容袋において利用されてきたものと同じ溶着法で液体収容部と連通路を形成できるので、格別な部材や手段を必要としない。
【0013】
本発明の第3の態様に係る液体収容袋は、第1の態様において、前記液体収容袋は、一枚の矩形のフィルムで構成され、該矩形のフィルムを折り返すことにより重ね合わされる三つの縁辺が、液体取出口を設けた部位を除いて互いに溶着されており、二つの縁辺の溶着部の間を結ぶように形成された帯状の溶着により前記液体収容部が区画されているとともに、前記帯状の溶着には非溶着部分が設けられて前記連通路を形成していることを特徴とする。この第3の態様に係る液体収容袋では、一枚の矩形フィルムを重ね合わせて溶着によって形成される液体収容袋において、第2の態様と同様の作用効果が得られる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る液体収容袋は、第1ないし第3のいずれか1の態様において、前記連通路に閉塞防止手段を備えたことを特徴とする。この第4の態様に係る液体収容袋では、連通路に閉塞防止手段を配備したので、液体収容袋を折畳んだ場合でも連通路が塞がらず、液体の流通が阻害されることがない。
【0015】
本発明の第5の態様に係る液体収容袋は、第2ないし第4のいずれか1の態様において、溶着部分に、折畳用の切込みを形成したことを特徴とする。この第5の態様によれば、切込みによって、液体収容袋の折畳みが容易に行える。また、液体が充満した状態でも無用な緊張を液体収容袋に与えずにすむため、衝撃への耐久性を高めることができる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る液体カートリッジは、第1ないし第5のいずれか1の態様に記載の液体収容袋をケース内に収納したことを特徴とする。この特徴によれば、液体カートリッジにおいて、第1ないし第5の態様と同様の作用効果が得られる。
【0017】
本発明の第7の態様に係る液体カートリッジは、第6の態様において、前記液体収容袋は、隣り合う液体収容部の間の少なくとも1箇所で折曲されてケース内に収納されていることを特徴とする。液体収容袋を折り畳んで収納された液体カートリッジは、厚み方向を増やせる一方で、載置面積を小さくすることが可能になる。従って、液体収容袋を収納する液体カートリッジや、それを装着する液体噴射装置のレイアウトの自由度を大幅に高められる。
【0018】
本発明の第8の態様に係る液体噴射装置は、第6または第7の態様に記載の液体カートリッジを装着したことを特徴とする。これにより、液体カートリッジを装着する液体噴射装置のレイアウトの自由度が広がる。
【0019】
本発明の第9の態様に係る液体噴射装置は、第8の態様において、前記液体カートリッジ内を加圧状態にして液体供給を行う加圧供給システムを備えたことを特徴とする。この特徴によれば、加圧供給システムを備えることにより、液体供給を円滑に行うことができるようになり、例えば液体収容袋を折畳んだ場合でも、液体収容袋内の液体を最後まで残さず使い切ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき、液体噴射装置の代表例としてインクジェット式記録装置を挙げ、本発明の実施の形態を説明する。以下では、(1)インクジェット式記録装置の概要:(2)インクパック:(3)インクパックの製造方法:(4)インクパックの他の実施例、の順に説明する。
<インクジェット式記録装置の概要>
図1は、インクジェット式記録装置100の概要を示したものであり、ここでは内部構造を明らかにするため本体カバーをはずした状態を示している。図1において、キャリッジ1は駆動モータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、キャリッジガイド軸4に沿って主走査方向に往復移動する。キャリッジ1の記録媒体Pに対向する側には記録ヘッド5が設けられている。
【0021】
このインクジェット式記録装置100は、本発明に係る液体収容袋としてのインクパック(ここでは図示せず)および液体カートリッジとしてのインクカートリッジ9a〜9dを使用可能に構成されている。記録装置の本体側部には、カートリッジホルダ8が配備され、インクカートリッジ9a〜9dにはそれぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンなどのインクを充填した液体収容袋としてのインクパック(図示せず)が収納されている。また、キャリッジ1には、記録ヘッド5へインクを供給するためのサブタンク7a〜7dが、各色のインクカートリッジ9a〜9dに対応して装着されている。また各インクカートリッジ9a〜9dからサブタンク7a〜7dまでは可撓性の補給チューブ10によって接続されており、インクが供給できるようになっている。
【0022】
インクカートリッジ9(9a〜9d)は、図2に示すように、蓋材33を備えたハードケース31と、インク導出口としての栓体21を備え内部にインクが充填されたインクパック11と、から構成されている。ハードケース31には、インクパック11の栓体21を挿入する栓体挿入部35と、後述する空気加圧ポンプ61により空気を送り込む空気導入部37が備えられている。なお、図示しないが、蓋体33とハードケース31を組合わせた状態で気密性を高めるため、これらに溶着可能な気密性フィルムを蓋体33とハードケース31の間に挟み込んだり、栓体挿入部35にOリングなどのシール部材を配備したりすることができる。
【0023】
図3は、図1に示したインクジェット式記録装置100におけるインク供給システムの構成を示す模式図である。なお、インクカートリッジ9a〜9d、サブタンク7a〜7d、これらに接続する補給チューブ等は、各色毎に備えられているが、以下の説明においては、インクカートリッジ9、サブタンク7、補給チューブ10のように総称して用いる。
【0024】
図3において、各インクカートリッジ9は、圧力検出器65、圧力調整弁63を介して空気加圧ポンプ61に接続されている。インクカートリッジ9の概略構成は、前記したように、外郭を構成する蓋材33を備えたハードケース31が気密状態に形成されており、その内部にはインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパック11が収納されている。そして、インクカートリッジ9とインクパック11との間に形成される圧力室51内に、前記圧力検出器65を介して加圧空気が供給されるように構成されている。つまり、空気加圧ポンプ61により加圧された空気は、圧力調整弁63に供給され、さらに圧力検出器65を介して各インクカートリッジ9にそれぞれ供給される。
【0025】
圧力調整弁63は、空気加圧ポンプ61によって加圧された空気圧が所定以上に達した時に、圧力を開放して各インクカートリッジ9に加わる圧力を所定の範囲に維持させる機能を有している。圧力検出器65は、空気加圧ポンプ61によって加圧された空気圧を検知し、空気加圧ポンプ61の駆動を制御する。例えば、圧力検出器65は、空気加圧ポンプ61によって加圧された空気圧が所定の圧力に達したことを検出した場合には、空気加圧ポンプ61の駆動を停止させ、空気圧が所定の圧力を下回ったことを検出した場合には、空気加圧ポンプ61を駆動させる。したがって、各インクカートリッジ9に加わる空気圧は所定の範囲に維持される。以上の構成により、各インクカートリッジ9に収納された各インクパック11は、それぞれ加圧され、各インクカートリッジ9から各サブタンク7に対して所定の圧力でインクが供給される。
【0026】
各インクカートリッジ9において加圧されたインクは、各補給弁53および各補給チューブ10をそれぞれ介して、キャリッジ1に搭載された各サブタンク7に供給される。サブタンク7には内部にフロート部材77が配置されており、そのフロート部材77の一部には永久磁石75が取り付けられている。また、サブタンク7の側壁の基板71には、ホール素子73等の磁電変換素子が装着されており、その電気的信号は、補給弁53を作動させるように構成されている。
【0027】
ここで、フロート部材77、永久磁石75、ホール素子73は、サブタンク7におけるインク量検出手段として機能するものであり、フロート部材77に配置された永久磁石75と、永久磁石75による磁力線量に応じて、磁気センサであるホール素子73により電気的信号が発生してインク量の検出が行われる。
すなわち、サブタンク7内のインク量が少なくなった場合には、サブタンク7内のフロート部材77の位置が重力方向に移動し、これに伴い永久磁石75の位置も重力方向に移動する。永久磁石75の移動に伴うホール素子73の電気的信号の変化は、サブタンク7内のインク量として感知され、補給弁53が開弁される。補給弁53が開弁されると、インクカートリッジ9内で加圧されているインクがサブタンク7内に送出される。そして、サブタンク7内におけるインク量が所定の容量に達した場合には、ホール素子73の電気的信号に基づいて、補給弁53が閉弁される。このようにして、インクカートリッジ9からサブタンク7に対して断続的にインクが補給されるように作用し、各サブタンク7内には常にほぼ一定レベルのインクが貯留されるように維持される。
【0028】
各サブタンク7は、弁55および接続チューブ57を介して記録ヘッド5に接続されており、インクが供給される。そして、既知の方式により記録ヘッド5を駆動させると記録ヘッド5のノズル形成面に形成されたノズル開口(図示せず)より、インク滴が吐出される。
【0029】
<インクパック>
図4は本発明の一実施形態に係るインクパック11を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。なお、説明の便宜上、溶着部は斜線で示す。このインクパック11には、矩形状に形成された可撓性素材が使用されている。可撓性素材としては、ガスバリア性に優れたもの、例えばポリエチレンフィルムの表面にアルミ泊等がラミネートされたフィルム等が好適に用いられる。
【0030】
このインクパック11は、二枚の長方形の可撓性フィルムを重ね合わせ、それらの長手方向の2辺の縁部(縁辺)が溶着部112、114において、また、短手方向の2辺の縁部が溶着部111と113において、それぞれ所定の幅で帯状に熱溶着されている。インクパック11の短手方向の一方の辺(溶着部111の辺)のほぼ中央部には、インク導出口を構成する栓体21が取り付けられている。この栓体21の内部には、封止部材22が充填されており(後記図5、図6参照)、これによりインクパック11の使用開始時までインクが漏出しないように封入される。
【0031】
また、溶着部112と溶着部114を結ぶように所定の幅で帯状に不完全な溶着がされており、不完全溶着部131および不完全溶着部132が形成されるとともに、インク収容部201、202、203が区画されている。なお、「不完全な溶着」とは、上下二枚のポリエチレンフィルムが溶着されていない部位(非溶着部分)が残っていることを意味する。そして、この不完全な非溶着部分が、インク収容部201と202、インク収容部202と203との間でインクを流通可能にする連通路151および152を形成している。
【0032】
図5は、本発明のインクパック11を収納したインクカートリッジ9の断面構造を示す模式図である。本発明のインクパック11は、図5に示すように、不完全溶着部131および132の部分で折り曲げてインクカートリッジ9に収納される。これにより、振動や衝撃に対する耐久性を大幅に向上させることが可能になり、特別な保護部材を使用しなくても、輸送等の途中にインクパック11が破損するといった事態を防ぐことが出来る。また、インクパック11を折り畳むようにして収納した本発明のインクカートリッジ9は、厚み(高さ)を増やすことにより設置平面積を小さくすることが可能であるため、インクジェット式記録装置100における装着部のレイアウトに自由度を持たせることができる。
【0033】
インクカートリッジ9では、インクパック11を不完全溶着部131および132の部分で折曲して収納しているが、インクパック11は可撓性素材よりなるため、連通路151および152が折れ曲がってつぶれても、柔軟性を持ち続けるのでインク99の自由な流通が阻害される弊害は殆どない。しかし、インク収容部203からインク収容部202へ、さらにはインク収容部201へのインクの移動を確実なものとし、良好な連通状態を維持する目的で連通路151、152に閉塞防止手段を挿入することができる。図6にインクパック11の連通路151、152に閉塞防止手段としての補強チューブ181を挿入したインクカートリッジ9の断面状態を示す。補強チューブ181[図7(a)参照]は、短尺のチューブであり、ある程度の可撓性を有する合成樹脂などの材質で形成されている。
【0034】
図7に閉塞防止手段の例を挙げる。閉塞防止手段は、同図(a)の補強チーブ181以外に、同図(b)の如く半円状のもの、同図(c)のような断面H型の形状でもよい。これらは例示であり、閉塞防止手段は連通路151および152の折曲時に液体の流通空間を確保できるものであればよい。閉塞防止手段は、好ましくはインクパック11の不完全溶着部131および132の折曲に追従してある程度湾曲変形しても内部にインク流通のための空隙を確保できるものがよい。また、不完全溶着部131、132を熱溶着により形成する際に、閉塞防止手段の外表面と可撓性フィルムとが溶着され、位置決めされるような材質を用いることが好ましい。
【0035】
<インクパックの製造方法>
インクパック11は、例えば以下の手順で製造することができる。まず、短手方向の辺(溶着部111)と、その両端から直角に延びる長手方向の二辺(溶着部112および114)の三辺の端部(縁辺)を、所定の幅で帯状に熱溶着し、袋体を形成する。溶着部111は栓体21を挟み込んで溶着すればよい。次に、形成された袋体の残りの一辺における開口を利用して、インクを充填する。所定量のインクを充填した後、不完全溶着部131および132を熱溶着し、最後に残りの一辺(溶着部113)を熱溶着することによって接合すると、インクパック11内にインクが封入された状態となる。これによって、三つのインク収容部201、202、203に区分されたインクパック11が完成する。なお、インクを充填する前に不完全溶着部131、132を熱溶着してもよい。
【0036】
<他の実施例>
図8は、本発明の第2実施形態に係るインクパック12を示す平面図である。ここでも説明の便宜上溶着部は斜線で示している。このインクパック12は、二枚の長方形の可撓性フィルムを重ね合わせ、それらの長手方向の2辺の縁部が溶着部116、118として、また、短手方向の2辺が溶着部115と117として、それぞれ所定の幅で帯状に熱溶着されている。インクパック12の短手方向の一方の辺(溶着部115のある辺)には、偏倚した位置でインク導出口を構成する栓体21が取り付けられている。
【0037】
また、溶着部116と溶着部118を結ぶように所定の幅で帯状に不完全に溶着されており、不完全溶着部134が形成されている。さらに、溶着部115と溶着部117を結ぶように所定の幅で帯状に不完全に溶着されており、不完全溶着部133が形成されている。不完全溶着部133と134は十字に交差するように形成されている。これらの不完全溶着部133、134によって、四つのインク収容室204〜207が区画されている。そして、不完全な非溶着部分が、インク収容部204と205、インク収容部205と206、インク収容部206と207とをそれぞれ連絡してインクを流通可能にする連通路153、154および155となっている。
【0038】
インクパック12は、不完全溶着部133または不完全溶着部134で2段に折り返すことによって厚みを持たせることができるので、その状態でインクカートリッジ9に収納することができる。より嵩高さを持たせるためには、例えば図9に例示するように、不完全溶着部133の途中まで(連通路154のない部分)に切込み190を入れれば良い。これにより、インク収容部204とインク収容部205が重なり、インク収容部207とインク収容部206が重なるように不完全溶着部134で折り返し、さらに不完全溶着部133(切込み190のない部分)で折曲することにより、4段に重なった状態に折り畳むことができるので、この状態でインクカートリッジ9に収納することができる。なお、本実施形態においても、連通路153、154、155に閉塞防止手段を配備することが可能である。
【0039】
図10は本発明の第3実施形態に係るインクパック13を示す平面図であり、図11は当該インクパック13を折り畳んだ状態を示す側面図である。ここでも説明の便宜上、溶着部は斜線で示している。また、図11においては仮想線でインクカートリッジ9の輪郭を示す。このインクパック13は、二枚の長方形の可撓性フィルムを重ね合わせ、それらの長手方向の2辺の縁部が溶着部120、122として、また、短手方向の2辺の縁部が溶着部119と121として、それぞれ所定の幅で帯状に熱溶着されている。インクパック13の短手方向の一方の辺(溶着部119のある辺)の中央には、インク導出口を構成する栓体21が取り付けられている。
【0040】
また、溶着部119と溶着部121との間は2箇所で所定の幅を以って帯状に不完全に溶着されており、不完全溶着部135および136が形成されている。これらの不完全溶着部135、136によって、三つのインク収容室208〜210が区画されている。そして、不完全な非溶着部分が、インク収容部208と209、インク収容部209と210とをそれぞれ連絡してインクを流通可能にする連通路156、157、158および159となっている。このように本実施形態では、二つインク収容部を連絡する連通路が一つでなく複数設けられている。これにより、インク収容部208および210からインク収容部209へのインクの移動がスムーズに行われる。
【0041】
インクパック13は、不完全溶着部135および不完全溶着部136で折り返し、収容部208、収容部209、収容部210が3段に重なった状態に折り畳むことによって厚みを持たせることができるので、その状態で図11に示すようにインクカートリッジ9に収納することができる。なお、本実施形態においても、各連通路156〜159に閉塞防止手段を配備することが可能である。
【0042】
図12は本発明の第4実施形態に係るインクパック14の概要を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。本実施形態に係るインクパック14は、第1実施形態に係るインクパック11との相違点として、インクパック11が2枚の長方形のフィルムを重ね合わせて溶着し、袋体を形成しているのに対し、本実施形態では、一枚の長方形フィルムを中央から二つに折り返して重ね合わせ、縁部を溶着して袋体を形成している。
すなわち、長方形フィルムを折曲部191で折り曲げ、長尺な二つの辺の縁部を溶着して溶着部124、125を形成するとともに、短手方向の1辺の縁部は、ほぼ中央部にインク導出口を構成する栓体21を挟み込むようにして溶着し、溶着部123を形成している。また、溶着部124と溶着部125を結ぶように所定の幅で帯状に不完全に溶着されており、連通路160、161を有する不完全溶着部137および不完全溶着部138が形成されるとともに、インク収容部211、212、213が区画されている。これにより、1枚のフィルムから三つのインク収容部211、212、213を備えたインクパック14を形成することができる。インクパック14は、第1実施形態のインクパック11に準じてハードケース31に収納することにより、インクカートリッジ9とすることができる。
【0043】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。例えば、図2では、折畳んだインクパック11の積層方向が鉛直方向となるように配置しているが、これに限らず、例えば積層方向が水平方向となるように配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット式記録装置の概要を示す斜視図。
【図2】 インクカートリッジの分解斜視図。
【図3】 インク供給システムの構成を示す模式図。
【図4】 第1実施形態のインクパックを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】 インクカートリッジの断面図。
【図6】 インクカートリッジの断面図。
【図7】 閉塞防止手段の例を示す図面。
【図8】 第2実施形態のインクパックを示す平面図。
【図9】 第2実施形態のインクパックを示す平面図。
【図10】 第3実施形態のインクパックを示す平面図。
【図11】 第3実施形態のインクパックを折り畳んだ状態を示す図面。
【図12】 第4実施形態のインクパックを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ、2 駆動モータ、3 タイミングベルト、
4 キャリッジガイド軸、5 記録ヘッド、7a〜7c サブタンク、
8 カートリッジホルダ、9 インクカートリッジ、10 補給チューブ、
11〜14 インクパック、21 栓体、22 封止部材、
31 ハードケース、33 蓋材、35 栓体挿入部、37 空気導入部、
51 圧力室、53 補給弁、55 弁、57 接続チューブ、
61 空気加圧ポンプ、63 圧力調整弁、65 圧力検出器、
71、基板、73 ホール素子、75 永久磁石、77 フロート、
111〜125 溶着部、131〜138 不完全溶着部、
201〜213 インク収容部、

Claims (9)

  1. 液体噴射装置の液体噴射ヘッドに供給する液体を収容し、可撓性素材により形成された液体収容袋であって、
    三つ以上の液体収容部と、
    該液体収容部の間で液体の流通を可能にする連通路と、
    前記液体収容部のいずれか一つに備えられた液体取出口と、
    を具備し、
    前記液体取出口が設けられた液体収容部が他の液体収容部で挟まれた状態となるように、隣り合う前記液体収容部の間で折曲して前記液体収容部を重ね合わせたことを特徴とする、液体収容袋。
  2. 液体噴射装置の液体噴射ヘッドに供給する液体を収容し、可撓性素材により形成された液体収容袋であって、
    二つ以上の液体収容部と、
    該液体収容部の間で液体の流通を可能にする連通路と、
    前記液体収容部のいずれか一つに備えられた液体取出口と、
    前記連通路に設けられる閉塞防止手段と、
    を具備し、
    隣り合う前記液体収容部の間で折曲されたときに、前記閉塞防止手段は、その折曲に追従して湾曲変形するとともに、その湾曲変形状態においても当該折曲部分にある前記連通路の液体の流通空間を保つことを特徴とする、液体収容袋。
  3. 請求項2において、帯状の溶着により前記液体収容部が区画されているとともに、前記帯状の溶着には非溶着部分が設けられて前記連通路を形成し、
    前記閉塞防止手段は、前記非溶着部分に溶着されて前記連通路に位置決めされていることを特徴とする、液体収容袋。
  4. 液体噴射装置の液体噴射ヘッドに供給する液体を収容し、可撓性素材により形成された液体収容袋であって、
    四つ以上の液体収容部と、
    該液体収容部の間で液体の流通を可能にする連通路と、
    前記液体収容部のいずれか一つに備えられた液体取出口と、
    を具備し、
    十字に交差する帯状の溶着により前記液体収容部が区画されているとともに、前記帯状の溶着には非溶着部分が設けられて前記連通路を形成していることを特徴とする、液体収容袋。
  5. 請求項3又は4において、溶着部分に、折畳用の切込みを形成したことを特徴とする、液体収容袋。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体収容袋をケース内に収納した液体カートリッジ。
  7. 請求項6において、前記液体収容袋は、隣り合う液体収容部の間の少なくとも1箇所で折曲されてケース内に収納されていることを特徴とする、液体カートリッジ。
  8. 請求項6または請求項7に記載の液体カートリッジを装着した液体噴射装置。
  9. 請求項8において、前記液体カートリッジ内を加圧状態にして液体供給を行う加圧供給システムを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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