JP4277601B2 - 自動車の側部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の側部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車にあっては、車体前後方向に伸びる車体強度部材として、車室床面を構成するフロアパネルの左右端部が連結される左右一対のサイドシルがある。車体側部に前後のサイドドアを設ける場合、サイドシルの車体前後方向中間部から上方にピラーを穿設して、このピラーとピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、ピラーとピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成される。そして、上記ピラーは、ルーフを有する自動車にあってはその上端部がル−フに連結され、ル−フを有しないオープカ−タイプの自動車にあっては、ピラーの上端はサイドドアのほぼベルトライン付近に位置される。
【0003】
ところで、最近の自動車では、側突に対する安全性向上の観点から、各サイドドア内に、サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って強度部材としてのインパクトバーを配設することが行われている。特許文献1には、前サイドドア内に2本のインパクトバーを配設したものが開示されている。すなわち、第1のインパクトバーを前サイドドアの高い位置においてほぼ水平に配設する一方、第2のインパクトバーを、その前端部が前サイドドアの高い位置に位置設定すると共に、その後端部を前サイドドアの低い位置に位置するように傾斜配置してある。そして、前サイドドアにおける後ドア縁部に、その直後方に位置するピラーに沿って上下方向に伸びる後側レインフォースメントを設けて、各インパクトバーの後端部をそれぞれ上記後側レインフォースメントに連結したものが開示されている。さらに、特許文献1には、その図7において、前サイドドア内に2本のインパクトバーを配設した場合に、各インパクトバーの後端部をそれぞれ前サイドドアの直後方に位置するピラーの略中間の高さ位置するように位置設定したものも開示されている。
【0004】
特許文献2には、サイドドア内に配設した1本のインパクトバーを、略水平に伸ばして配設すると共に、インパクトバーの中間部から下方に伸びる補強メンバ(符号11で示される部材)を設けて、この補強メンバの下端部をサイドドアの下縁部付近に位置させ、しかも補強メンバの下端部位置において、左右一対のサイドシル同士を連結するクロスメンバを設けたものが開示されている。この特許文献2における水平方向に伸びるインパクトバーの後端部は、ピラーの中間部の高さ位置に位置設定されている。
【0005】
特許文献3には、サイドドア内に1本のインパクトバーを配設する場合に、その一端部がドア開閉用のヒンジ付近に位置設定すると共に、その他端部を、ドアのロック機構付近に位置設定したものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−138742号公報
【特許文献2】
特開2000−318451号公報
【特許文献3】
実開平6−65036号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば大型車両のようにバンパの位置がかなり高い自動車から側突されたときに、前後のサイドドアの間に位置するピラーの下方向中間部に対して側突する自動車のバンパが位置されることになる。この場合、ピラーに直接的に側突荷重が作用する場合のみならず、サイドドア内に配設したインパクトバーを介してピラーに対して側突荷重が作用すると、ピラーの車室内への変形量が大きくなってしまう。
【0008】
上述のような側突時におけるピラーの車室内への変形量を小さくするには、ピラーを構成するパネルの肉厚を大きくしたり、レインフォースメントを追加したり、断面形状を大きくする等の剛性向上を図ることが考えられる。しかしながら、この場合は、車室内へのピラーの突出量の増加となって車室空間確保のために好ましくないばかりでなく、車体重量の大幅な増加となってしまい、この点において何らかの対策が望まれることになる。
【0009】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、前後のサイドドアの間にピラーを有する形式の自動車において、車体重量の大幅な増加や車室空間の低減を抑制しつつ、側突時におけるピラーの車室内への変形量を低減できるようにした自動車の側部車体構造を適用することにある。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、前記ピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、ガセットを介して該サイドドアに接合されており、
前記ガセットは、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該ガセットを介して該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部からガセットを介してサイドシルに伝達されることになり、ピラーには殆ど作用しないことになる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めることができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
【0012】
上記請求項1を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜4,13〜15に記載のとおりである。すなわち、
前記ガセットが、前記ピラーに対しては車幅方向からオーバラップしないように位置設定されている、ようにすることができる(請求項)。この場合には、インパクトバーに作用した側突荷重がピラーに作用しないようにする上でより一層好ましいものとなる。
【0013】
前記サイドシルには、横面部と縦面部とを有して前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に該サイドドアの下部と嵌合する階段状の段差部が形成されており、
前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に、前記ガセットが前記縦面部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されている、ようにすることができる(請求項)。この場合には、インパクトバーに作用する側突荷重を、縦面部を利用してサイドシルに効果的に受け止めさせることができる。
【0014】
前記インパクトバーの前記他端部は、前記サイドドアの閉時に、前記車体側縦辺部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該他端部を介して該車体側縦辺部に伝達されるようにされている、ようにすることができる(請求項対応)。この場合、強度的に優れた車体側縦辺部によって、サイドシルに伝達された側突荷重をしっかりと受け止めることができる。
前記インパクトバーの前記他端部側に位置する前記左右の車体側縦辺部同士が、前記サイドシルよりも高い位置において車幅方向に伸びる連結部材によって連結されている、ようにすることができる(請求項13対応)。この場合、連結部材によってインパクトバーに作用する側突荷重をしっかりと受け止めて、車体側縦辺部ひいてはインパクトバーが配設されたサイドドアそのものの車室内側への変形をより効果的に防止することができる。
前記前サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
前記前サイドドアの前ドア縁部がその上部と下部とにおいてヒンジによって前記車体側縦辺部に取付けられることによって、該前サイドドアが後開き式とされ、
前記前サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記上側のヒンジの取付位置に連結されている、
ようにすることができる(請求項14対応)。この場合、インパクトバーに作用する側突荷重を、ヒンジの取付位置という剛性つまり強度的に優れた部分を介して車体側に伝達することができ、側突荷重を車体側でもってしっかりと受け止める上で好ましいものとなる。
前記後サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
前記後サイドドアにおける後ドア縁部でかつそのベルトライン付近において、該後サイドドアを車体に閉状態でロックしておくためのロック機構が設けられ、
前記後サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記ロック機構付近に位置されている、
ようにすることができる(請求項15対応)。この場合、ロック機構の取付位置という剛性つまり強度的に優れた部分を介して車体側に伝達することができ、側突荷重を車体側でもってしっかりと受け止める上で好ましいものとなる。
【0015】
【0016】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項5に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
前記左右のサイドシルに形成された前記左右のトルクボックス同士が、クロスメンバによって連結されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部においてはサイドシルによって受け止められて、前後のサイドドア間に位置するピラーには殆ど作用しないようにされる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めることができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
また、クロスメンバによって、サイドシルに入力される側突荷重をしっかりと受け止めることができる。
【0017】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項6に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に 、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
前記トルクボックスの上面のうち車室内側の面が、車外側から車室内側に向けて水平または斜め下方に伸びるように形成されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部においてはサイドシルによって受け止められて、前後のサイドドア間に位置するピラーには殆ど作用しないようにされる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めることができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
この場合、側突荷重をしっかりと受け止めるトルクボックスを構成しつつ、トルクボックスが車室内(特に車室内の高い位置)に大きく突出させないようにして、車室内空間を確保する上で好ましいものとなる。
【0018】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項7に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
前記トルクボックスが、車室床面を構成するフロアパネルの下に位置されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部においてはサイドシルによって受け止められて、前後のサイドドア間に位置するピラーには殆ど作用しないようにされる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めるこ とができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
この場合、サイドドアやピラーの車室内側への進入量を低減しつつ、フラットで使いやすい車室内空間を確保する上で好ましいものとなる。
【0019】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項8に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
前記インパクトバーの中間部には、略上下方向に伸びるインパクトバー補強部材の上端部が連結され、
前記インパクトバー補強部材の下端部が、前記サイドドアの閉時に前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該インパクトバー補強部材を介して前記サイドシルに伝達されるようにされている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部においてはサイドシルによって受け止められて、前後のサイドドア間に位置するピラーには殆ど作用しないようにされる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めることができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
この場合、インパクトバーに作用する側突荷重を、インパクトバーのピラー側端部からのみならず、インパクトバー補強部材を介してサイドシルの前後方向広い範囲に渡って分散して伝達することができ、サイドシルが局部的に大きく車室内側へ変形するのを防止する上で好ましいものとなる。
【0020】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項9に記載のように、
車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
前記サイドドアの下縁部には、前後方向に伸びるドア補強部材が配設され、
前記ドア補強部材は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定され、
前記インパクトバーの前記ピラー側端部が前記ドア補強部材のピラー側端部と連結されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ドア補強部材を介して前記サイドシルに伝達されるようにされている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、インパクトバーに作用する側突荷重は、インパクトバーのピラー側端部においてはサイドシルによって受け止められて、前後のサイドドア間に位置するピラーには殆ど作用しないようにされる。サイドシルは元々剛性つまり強度的に優れており、ピラーに側突荷重を受け止めさせる場合に比して車室内側への変形量が小さくてすむことになる。とりわけ、サイドシルのうちインパクトバーからの側突荷重を受ける部分は、トルクボックスとされているので、側突荷重をしっかりと受け止めることができる。また、インパクトバーからの側突荷重がピラーに殆ど作用しないので、ピラーの補強を行うとしてもわずかな重量増加ですむことになる。これにより、全体として、車体重量の大幅な増加の抑制と車室内空間の確保とを共に満足させつつ、側突時における車体特にピラーの車室内への変形量を低減することができる。
この場合、インパクトバーに作用する側突荷重を、ドア補強部材を介してサイドシルの極めて長い範囲に渡って分散して伝達することができ、サイドシルが局部的に大きく車室内側に変形してしまう事態を防止する上で極めて好ましいものとなる。
【0021】
上記請求項9を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項10に記載のとおりである。すなわち、
前記インパクトバーの略中間部と前記ドア補強部材の中間部とが、略上下方向に伸びるインパクトバー補強部材によって連結されている、ようにすることができる(請求項10対応)。この場合、請求項および請求項に対応した効果を十分に得ることができる。
【0022】
上記請求項5〜9のいずれかを前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項13〜17に記載のとおりである。すなわち、
前記インパクトバーの前記他端部側に位置する前記左右の車体側縦辺部同士が、前記サイドシルよりも高い位置において車幅方向に伸びる連結部材によって連結されている、ようにすることができる(請求項13対応)。この場合、連結部材によってインパクトバーに作用する側突荷重をしっかりと受け止めて、車体側縦辺部ひいてはインパクトバーが配設されたサイドドアそのものの車室内側への変形をより効果的に防止することができる。
【0023】
前記前サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
前記前サイドドアの前ドア縁部がその上部と下部とにおいてヒンジによって前記車体側縦辺部に取付けられることによって、該前サイドドアが後開き式とされ、
前記前サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記上側のヒンジの取付位置に連結されている、
ようにすることができる(請求項14対応)。この場合、インパクトバーに作用する側突荷重を、ヒンジの取付位置という剛性つまり強度的に優れた部分を介して車体側に伝達することができ、側突荷重を車体側でもってしっかりと受け止める上で好ましいものとなる。
【0024】
前記後サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
前記後サイドドアにおける後ドア縁部でかつそのベルトライン付近において、該後サイドドアを車体に閉状態でロックしておくためのロック機構が設けられ、
前記後サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記ロック機構付近に位置されている、
ようにすることができる(請求項15対応)。この場合、ロック機構の取付位置という剛性つまり強度的に優れた部分を介して車体側に伝達することができ、側突荷重を車体側でもってしっかりと受け止める上で好ましいものとなる。
前記インパクトバーの前記ピラー側端部が、前記ピラーに対しては車幅方向からオーバラップしないように位置設定されている、ようにすることができる(請求項16)。請求項16の場合、インパクトバーに作用した側突荷重がピラーに作用しないようにする上でより一層好ましいものとなる。
前記サイドシルには、横面部と縦面部とを有して前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に該サイドドアの下部と嵌合する階段状の段差部が形成されており、
前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に、該インパクトバーの前記ピラー側端部が前記縦面部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されている、
ようにすることができる(請求項17)。請求項17の場合、インパクトバーに作用する側突荷重を、縦面部を利用してサイドシルに効果的に受け止めさせることができる。
【0025】
上記請求項8又は請求項10を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項11,12に記載のとおりである。すなわち、
前記サイドシルのうち前記サイドドアの閉時における前記インパクトバー補強部材の下端部の車体前後方向位置において、該左右のサイドシル同士を連結するクロスメンバが設けられている、ようにすることができる(請求項11対応)。この場合、サイドシルに伝達されたインパクトバーからの側突荷重を、クロスメンバによってしっかりと受け止めることができる。
【0026】
前記インパクトバー補強部材の上端部が下端部よりも、前記ピラーに近い位置となるように位置設定されている、ようにすることができる(請求項12対応)。この場合、インパクトバーのうちピラー側端部に作用する側突荷重を、極力ピラーから車体前後方向に離れた位置においてサイドシルに伝達する上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
本発明によれば、車室内空間の低減や車体の大幅な重量増加を抑制しつつ、側突時におけるピラーの車室内側への変形量を小さくできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜図10は本発明の第1実施形態を示すものである。まず、図1〜図3において、自動車Mは、実施形態では4ドアのセダンタイプとされて、車室の下側部において車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシル1を有する。この左右一対のサイドシル1に対して、車室床面を構成するフロアパネル2の左右端部が連結されている。サイドシル1の車体前後方向中間部から、上方に伸ばしてセンタピラー(Bピラー)3が延設されて、センタピラー3の上端部はル−フ(ルーフパネル)4に連結されている。
【0028】
センタピラー3の前方において、車体側前縦辺部としてのヒンジピラー5が位置され、センタピラー3の後方において車体側後縦辺部としてのリアピラー6が位置されている。センタピラー3とヒンジピラー5との間が、車室内外を連通する前ドア開口7とされて、この前ドア開口7が前サイドドア8によって開閉される。また、センタピラー3とリアピラー6との間が、車室内外を連通する後ドア開口9とされて、この後ドア開口9が後サイドドア10によって開閉される。なお、ヒンジピラー5の下端部はサイドシル1の前端部に連結され、リアピラー6の下端部がサイドシル1の後端部に連結されている。なお、上記ヒンジピラー5は、フロントピラー11を介してル−フ4に連なっている。また、上記リアピラー6の上端部も、ル−フ4に連なっている。
【0029】
サイドシル1は、図5、図6に示すように、アウタパネル1Aとインナパネル1Bとレインフォースメント1Cとによって閉断面状に構成されて、車室下部側縁部における車体強度部材として機能している。サイドシル1は、その上面部分において、車室外方側から内方側へ略水平に伸びる横面部1aと、横面部1aの車幅方向内方側端から上方へ伸びる縦面部1bとを有して、この2つの面部1a、1bによって階段状の段差部1cが構成される。縦面部1bは、車幅方向外方側に向いて、側突荷重を受け止めるのに好適な面構成となっている。さらに、サイドシル1の上面のうち、車室内側の上面部1dが、車外から車室内に向けて略水平となるように設定されいる。このような上面部1dの設定によって、トルクボックス1Dを形成しつつ、車室内への突出量を極力小さくして、車室内空間を極力広く確保する上で好ましいものとなる。このような意味合いにおいて、上記上面部1dを、車外から車室内に向けて徐々に低くなるように形成することもできる。
【0030】
ここで、図1、図2、図5、図6において、サイドシル1の上面を符号1eで示してあるが、このサイドシル1の上面は、ドア開口7あるいは9の下縁に相当するもので、サイドシル1の閉断面構造部分の上端位置ともなる。換言すれば、後述するように、インパクトバーのピラー側端部やガセットがサイドシル1に対して車幅方向においてオーバラップすることの意味は、このピラー側端部やガセットが少なくとも部分的に、サイドシル1の上面1e(閉断面構造部分の上端位置)よりも低い位置に存在することを意味するものとなる。
【0031】
サイドシル1のうちセンタピラー3との連結部位は、他の部位に比して、部分的に車幅方向内方側に大きく膨らんだトルクボックス1Dとされている(図3、図6参照)。なお、図6においては、実線がトルクボックス1Dでの断面形状を示し、一点鎖線がトルクボックス1D以外の部分での断面形状を示している。そして、左右一対のトルクボックス1D同士が、車幅方向に伸びるクロスメンバ12によって連結されている。このクロスメンバ12も閉断面状とされて、フロアパネル2にも連結されている。左右一対のサイドシル1同士は、前ドア開口7の車体前後方向中間部位置において、クロスメンバ13によって連結されている。また、左右一対のサイドシル1同士は、後ドア開口9の車体前後方向中間部において、クロスメンバ14によって連結されている。各クロスメンバ13、14はそれぞれ、閉断面状に構成されて、フロアパネル2に連結されている。なお、フロアパネル2には、閉断面状とされて車体前後方向に伸びる左右一対のフロアフレーム18が接合されている(図6、図9)。
【0032】
ル−フ4は、図2に示すように、その前縁部を構成するフロントヘッダーが符号4Aで示され、その後縁部を構成するリアヘッダーが符号4Bで示され、左右一対のル−フレールが符号4Cで示される。そして、左右一対のル−フレール4C同士が、それぞれ車幅方向に伸びるル−フレイン15〜17によって連結されている。各ル−フレイン15〜17の車体前後方向位置は、中間に位置するル−フレイン16がセンタピラー3の上端部位置とされ、前に位置するル−フレイン15が前ドア開口7の車体前後方向中間位置とされ、後に位置するル−フレイン17が後ドア開口9の車体前後方向中間位置とされている。
【0033】
図5〜図7に示すように、前サイドドア8は、アウタパネル8Aとインナパネル8Bとによって閉断面形状に形成されている。そして、前サイドドア8の前後のドア縁部8a、8bは、ドア閉時に、センタピラー3あるいはヒンジピラー5に対して車幅方向外方側からオーバラップするようにされている。また、前サイドドア8の下縁部8cは、ドア閉時に、サイドシル1の前記段差部1c(の縦面部1b)に対して車幅方向外方側から対面するようにされている。
【0034】
後サイドドア10は、図10に示すように、アウタパネル10Aとインナパネル10Bとによって閉断面形状に形成されている。そして、後サイドドア10の前後のドア縁部10a、10bは、ドア閉時に、センタピラー3あるいはリアピラー6に対して車幅方向外方側からオーバラップするようにされている。また、後サイドドア10の下縁部10cは、ドア閉時に、サイドシル1の前記段差部1c(の縦面部1b)に対して、車幅方向外方側からオーバラップするようにされている。
【0035】
図9に示すように、センタピラー3は、アウタパネル3Aと、インナパネル3Bと、レインフォースメント3Cとによって、閉断面状に構成されている。なお、アウタパネル3Aはサイドシル1のアウタパネル1Aに連なり、インナパネル3Bはサイドシル1のレインフォースメント1Cに連なり、レインフォースメント3Cは、サイドシル1の閉断面構造内部にまで延設されてそのレインフォースメントをも兼用している。このようなセンタピラー3の下部には、車室内に開口されたサービスホール3aが形成されている(図3参照)。
【0036】
前サイドドア8は、その前ドア縁部8aにおいて、上下一対のヒンジ20を介して、ヒンジピラー5に揺動可能に取付けられている(図1、図7参照)。すなわち、前サイドドア8は、ヒンジ20を中心として開閉される後開き式とされている。また、後サイドドア10は、その前ドア縁部10aにおいて、上下一対のヒンジ21を介してセンタピラー3に取付けられている(図1参照)。すなわち、後サイドドア10は、ヒンジ21を中心として開閉される後開き式とされている。
【0037】
前サイドドア8内には、インパクトバー30が配設されている。このインパクトバー30は、金属パイプ材等によって細長くかつ剛性の優れたものとされて、側突荷重を受けとめるための強度部材とされている。インパクトバー30は、前サイドドア8の前後のドア縁部8aと8bとの間に渡って設けられて、後方に向かうにつれて徐々に下方に向かうように傾斜配置されている。すなわち、インパクトバー30の前端部は、前述した上下一対のヒンジ20のうち、上方のヒンジ20直近に位置されている(図1、図7参照)。より具体的には、図7に示すように、インパクトバー30の前端部は、上側のヒンジ20の前ドア縁部8aへの取付部位に対して、ガセット31を介して連結されている(ガセット31がヒンジ20の取付位置において前ドア縁部8aに対して接合されると共に、ガセット31に対してインパクトバー30の前端部が接合されている)。これにより、インパクトバー30に側突の外力が作用したときに、ヒンジ20の取付部位という強度的に優れた部分を介して、ヒンジピラー5へ側突の衝撃を効果的に伝達することができる。
【0038】
インパクトバー30の後端部(ピラー側端部)は、サイドシル1の上端1eよりも低い位置となるように位置設定されている(図1、図6参照)。そして、インパクトバー30の後端部は、ガセット32を介して、ドア補強部材33の後端部と連結されている。すなわち、前サイドドア8内には、その下縁部8c付近において、車体前後方向に伸びる細長いドア補強部材33が配設され、このドア補強部材33の後端部とインパクトバー30の後端部とがそれぞれ、上記ガセット32に接合されている。インパクトバー30の後端部とドア補強部材33とガセット32(の少なくとも下端部)とは、前サイドドア8の閉時において、サイドシル1の段差部1c(の縦面部1b)に対して、車幅方向外方側においてオーバラップするような低い位置に位置される(図5、図6、図10参照)。
【0039】
ドア補強部材33の前端部には、ガセット35が接合されている。このガセット35と上記ガセット32は、適宜の位置において、例えば前サイドドア8の前ドア縁部8aに接合されている。勿論、ドア補強部材33は、インパクトバー30と同様に強度的に優れたものとされ、実施形態では、インパクトバー30と同様に、金属製のパイプ材によって構成されている。
【0040】
上記インパクトバー30とドア補強部材33とは、上下方向に伸びる補強部材34によって連結されている(図1、図4、図5参照)。この補強部材34は、インパクトバー補強部材となるもので、インパクトバー30に作用した側突荷重を下方つまりサイドシル側に伝達するための伝達部材あるいは連結部材として機能するもので、強度的に優れたものとなるように、例えば金属板にビード部34a(図5参照)を形成して曲げ剛性の十分大きいものとされている。補強部材34は、ドア補強部材33の車体前後方向中間位置よりもセンタピラー3側に位置されて、その上端部がインパクトバー30に接合されると共に、その下端部がドア補強部材34に接合されている。そして、補強部材34の上端部の位置は、下端部の位置よりも若干後方側つまりセンタピラー3側に位置されている。つまり、補強部材34は、下方に向かうにつれて徐々に前方に位置するように若干傾斜設定されている。インパクトバー30とガセット31、32、35とドア補強部材33と補強部材34とはあらかじめ組立体としてユニット化された状態で、前サイドドア8に組付けることができ、このユニット化された状態のものが図4に示される。なお、インパクトバー30の後端部とガセット32とは、ピラー3の下端部に対して車幅方向において若干オーバラップされているが、ピラー3に対しては車幅方向において全くオーバラップしないように位置設定することもできる。
【0041】
後サイドドア10内には、インパクトバー40が配設されている。このインパクトバー40は、金属のパイプ材等によって、細長くかつ剛性の優れたものとして構成されて、側突荷重を受け止めるための強度部材とされている。インパクトバー40は、後サイドドア10の前後のドア縁部10aと10bとの間に渡って設けられて、後方に向かうにつれて徐々に上方に向かうように傾斜配置されている。すなわち、インパクトバー40の後端部は、後サイドドア10の車体に対するロック機構41直近に位置されている。より具体的には、ロック機構41は、後サイドドア10のベルトライン付近の高さに位置設定されて、図8に示すように、リアピラー6(のアウタパネル6A)には、ロック機構41のストライカ41Aが固定される一方、後サイドドア10の後ドア縁部10bには、ストライカ41Aに係合されるラッチ(ラッチ機構)41Bが取付けられている。そして、インパクトバー40の後端部は、ガセット42を介して、ラッチ41Bの直近に対して連結されている。すなわち、ガセット42がラッチ41Bの直近において後ドア縁部10bに接合されると共に、インパクトバー40の後端部がガセット42に接合されている。なお、ロック機構41は、図1に示すように、後サイドドア10のベルトライン付近の高さに位置設定されている。
【0042】
リアピラー6は、ホイールハウジング43(のアウタパネルが43Aで、インナパネルが43B)に接合されて、全体的に剛性の優れた部材となっている。したがって、インパクトバー40に作用する車幅方向外方側からの側突荷重は、リアピラー6(およびホイールハウジング43)によってしっかりと受け止められるようになっている。
【0043】
インパクトバー40の前端部は、サイドシル1の上端1eよりも低い位置に位置設定されている(図1参照)。そして、インパクトバー40の前端部(ピラー側端部)は、ガセット44を介して、ドア補強部材45の前端部と連結されている。すなわち、後サイドドア10内には、その下縁部10c付近において、車体前後方向に伸びる細長いドア補強部材45が配設され、このドア補強部材45の前端部とインパクトバー40の前端部とがそれぞれ、上記ガセット44に接合されている。インパクトバー40の前端部とドア補強部材45とガセット44(の少なくとも下端部)とは、後サイドドア10の閉時において、サイドシル1の段差部1c(の縦面部1b)に対して、車幅方向外方側においてオーバラップするような低い位置に位置される(前サイドドア8におけるインパクトバー30の後端部と同じで、図10をも参照)。なお、インパクトバー40の前端部とガセット44とは、ピラー3の下端部に対して車幅方向において若干オーバラップされているが、ピラー3に対しては車幅方向において全くオーバラップしないように位置設定することもできる。
【0044】
ドア補強部材45の後端部は、ガセット47に接合されている。このガセット47と上記ガセット44は、後サイドドア10の後ろドア縁部10bに接合されている。勿論、ドア補強部材45は、インパクトバー40と同様に強度的に優れたものとされ、実施形態では、インパクトバー40と同様に、金属製のパイプ材によって構成されている。
【0045】
上記インパクトバー40とドア補強部材45とは、上下方向に伸びる補強部材46によって連結されている。この補強部材46は、強度的に優れたものとなるように、例えば金属板にビード部を形成して曲げ剛性の十分大きいものとされている(前サイドドア8における補強部材34と同じ)。補強部材46は、その上端部がインパクトバー40に接合されると共に、その下端部がドア補強部材45に接合されている。そして、補強部材46の上端部の位置は、下端部の位置よりも若干前方側つまりセンタピラー3側に位置されている。つまり、補強部材46は、下方に向かうにつれて徐々に後方に位置するように若干傾斜設定されている。インパクトバー40とガセット42、44、47とドア補強部材45と補強部材46とはあらかじめ組立体としてユニット化された状態で、後サイドドア10に組付けることができ、このユニット化された状態のものが図4に示される。
【0046】
なお、図6、図9において、車室内のシート(フロントシート)が符号50で示され、シート50とフロアパネル2とを連結するスライドレールが符号51で示される(図5をも参照)。
【0047】
前述したインパクトバー補強部材34、46の下端部つまりドア補強部材33、45に対する連結部位の位置において、左右のサイドシル1同士が、前述したクロスメンバ13、14によって連結されている。すなわち、インパクトバー補強部材34の下端部位置においてクロスメンバ13が位置され、インパクトバー補強部材46の位置においてクロスメンバ14が位置される。
【0048】
図2、図7において、符号61はダッシュアッパパネルであり、ダッシュアッパパネル61の上端部には、車幅方向に伸びる車体強度部材としてカウルボックス62が連結されている。また、符号63はインパネ支持メンバであり、64は前輪用のサスペンションタワー構成部材であり、65はフェンダ、66はカウルサイドレイン、67はエプロンフレームアウタパネルである。前述したヒンジピラー5は、アウタパネル5Aとインナパネル5Bとレインフォースメント5Cとによって閉断面状に構成されて、ガセット55によってダッシュアッパパネル61に連結される他、インパネ支持メンバ63やカウルサイドレイン66に連結されている。このように、ヒンジピラー5は、車幅方向に伸びる強度部材(特にカウルボックス62が連結されているので、車幅方向外方側からの外力に対して極めて強いものとなっている。
【0049】
以上のような構成において、他車両から側突された場合で、この他車両のバンパ位置が高く、また他車両のバンパの車幅方向中間位置がセンタピラー3の位置付近となる場合を考える。この場合、前サイドドア8と後サイドドア10とに対して、それぞれ側突の荷重が作用することになる。まず、前サイドドア8に作用する側突荷重を考えると、側突荷重は、インパクトバー30によって受け止められるが、側突荷重は特にインパクトバー30の前後方向略中間部に作用することになる。
【0050】
インパクトバー30に作用した側突荷重は、インパクトバー30の前端部からヒンジピラー5に受け止められる。この場合、インパクトバー30の前端部からの側突荷重は、ヒンジ20の取付位置という強度的に優れた部分を介してヒンジピラー5に入力され、剛性の優れたヒンジピラー5で受け止められると共に、ヒンジピラー5が連なるカウルボックス62等の車幅方向に伸びる車体強度部材によっても受け止められることになる。このため、前ドア開口7の前方の車体部分が大きく車室側に変形することが防止される。
【0051】
インパクトバー30に作用した側突荷重は、インパクトバー30の後端部からサイドシル1に作用すると共に、ガセット32やドア補強部材33の後端部をも介して、サイドシル1に作用される。このとき、インパクトバー30に作用する側突荷重は、センタピラー3には殆ど作用せず、センタピラー3の車室内に向けての大きな変形が防止される。インパクトバー30の後端部よりサイドシル1に入力された側突荷重は、強度的に優れたサイドシル1そのものによってしっかりと受け止められるばかりでなく、センタピラー3の下方に形成されている大きな閉断面構造のトルクボックス1Dによってよりしっかりと受け止められ、なおかつ、クロスメンバ12によっても受け止められて、サイドシル1のうちトルクボックス1D付近が車室内に向けて大きく変形してしまう事態が防止される。
【0052】
さらに、インパクトバー30に作用した側突荷重は、補強部材34を介してドア補強部材33を経て、サイドシル1に入力されて、サイドシル1の車体前後方向長い範囲でもってインパクトバー30に作用する側突荷重が受け止められることになる。このように、車体の車室側へ向けての大きな変形、特にセンタピラー3の車室内に向けての大きな変形が防止される。また、サイドシル1に伝達された側突荷重は、インパクトバー補強部材13の下端部に位置されるクロスメンバ13によってもしっかりと受け止められることになる。
【0053】
一方、後サイドドア10に作用する側突荷重は、インパクトバー40に作用することになる。インパクトバー40に作用する側突荷重は、インパクトバー40の後端部から、ドアロック機構41の取付部位という強度的に優れた部分を介してリアピラー6に作用される。リアピラー6は、リアホイールハウジング43等に連結されていて剛性に優れた部分となるので、この部分が車室内に向けて大きく変形されることが防止される。
【0054】
インパクトバー40に作用する側突荷重は、インパクトバー40の前端部からサイドシル1に作用すると共に、ガセット44、ドア補強部材45をも介してサイドシル1に作用される。このとき、インパクトバー40に作用する側突荷重は、センタピラー3には殆ど作用せず、センタピラー3の車室内に向けての大きな変形が防止される。インパクトバー40の前端部よりサイドシル1に入力された側突荷重は、強度的に優れたサイドシル1そのものによってしっかりと受け止められるばかりでなく、センタピラー3の下方に形成されている大きな閉断面構造のトルクボックス1Dによってよりしっかりと受け止められ、なおかつ、クロスメンバ12によっても受け止められて、サイドシル1のうちトルクボックス1D付近が車室内に向けて大きく変形してしまう事態が防止される。
【0055】
さらに、インパクトバー40に作用した側突荷重は、補強部材46からドア補強部材45を経てサイドシル1に入力されて、サイドシル1の車体前後方向長い範囲でもってインパクトバー30に作用する側突荷重が受け止められることになる。このように、車体の車室側へ向けての大きな変形、特にセンタピラー3の車室内に向けての大きな変形が防止される。また、サイドシル1に伝達された側突荷重は、インパクトバー補強部材46の下端部に位置されるクロスメンバ14によってもしっかりと受け止められることになる。
【0056】
図11〜図13は本発明の第2実施形態を示すもので、前記第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する。第2実施形態では、前後の各インパクトバー30、40におけるピラー3側の端部は、それぞれ、サイドシル1の上端1eよりも若干高い位置に位置されている。そして、インパクトバー30(40)とドア補強部材33(45)とを連結するガセット32(44)の少なくとも下端部が、サイドシル1の上端1eよりも低い位置に位置設定されている。つまり、第2実施形態では、ガセット32(44)が、ドア補強部材33(45)およびインパクトバー補強部材34(46)の下端部と共に、サイドシル1に対して車幅方向においてオーバラップするように設定されている。さらに、第2実施形態では、ガセット32(44)がピラー3に対して車幅方向にはオーバラップしないように位置設定されている。なお、第2実施形態では、トルクボックス1D部分が、ガセット52によってさらに補強されている。
【0057】
第2実施形態では、インパクトバー30(40)に作用する側突荷重のサイドシル1への伝達経路が、そのピラー側端部から直接的にではなくガセット32(44)を介してサイドシル1に伝達される点を除いて、第1実施形態の場合と同じである。ただし、インパクトバー30(40)に作用する側突荷重のピラー3に対する伝達は、第1実施形態の場合よりも大幅に低減されて、ピラー3の車室内への変形量をより一層低減することができる。
【0058】
図14は、本発明の第3実施形態を示すもので、図13の変形例に相当する。第3実施形態では、フロアパネル2が、図13の場合に比して、サイドシル1の高い位置に接合されている。また、図6では存在したクロスメンバ12や図13では存在したガセット52を有しない構造となっている。その他の構造は、図13の場合と同じである。第3実施形態では、フロアパネル2がサイドシル1のほぼ上端位置とされているので、サイドドア8、10やセンタピラー3の車室内への変形量を低減しつつ、フラットで使いやすい車室内空間を確保する上で好ましいものとなる。
【0059】
図15は、本発明の第4実施形態を示すものであり、図1に対応した図となっている。本実施形態では、自動車M2が、ル−フを有しないオープカータイプとされている。なお、インパクトバー30、40に作用する側突荷重は、ガセット32、44点を介してサイドシル1に伝達される構造となっている(図11〜図13の第2実施形態と同じ)。勿論、図15の場合でも、第1実施形態と同様に、インパクトバー30、40のピラー3側端部を、サイドシル1に対して車幅方向においてオーバラップさせて、インパクトバー30、40に作用する側突荷重をインパクトバー30、40のピラー3側端部から直接的にサイドシル1に伝達するようにしてもよい。
【0060】
図16は、本発明の第4実施形態を示すものであり、図1に対応した図となっている。本実施形態では、自動車M3が、いわゆる1.5ボックスタイプとされて、バックドア71を有するものとなっている。また、後サイドドア72(図1の後サイドドア10に相当)が、車体前後方向にスライド式に開閉されるスライド式とされている。後ろサイドドア72の開閉の際にこれをガイドするガイドレールが符号73で示される。勿論、図16の場合でも、第1実施形態と同様に、インパクトバー30、40のピラー3側端部を、サイドシル1に対して車幅方向においてオーバラップさせて、インパクトバー30、40に作用する側突荷重をインパクトバー30、40のピラー3側端部から直接的にサイドシル1に伝達するようにしてもよい。
【0061】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。図1、図11、図15、図16の例において、ドア補強部材33、45が存在しない場合であってもよい。この場合、補強部材34、46の下端部を、サイドドアの下辺部に直接接合するようにするのが好ましい。また、いずれの実施形態においても、補強部材34、46を有しないものであってもよく(ドア補強部材33、45はあってもなくてもよい)。インパクトバーは、前サイドドア8と後サイドドア10とのいずれか一方のみに設けるようにすることもできる。本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、本発明が適用された自動車の側面図。
【図2】図1に示す自動車を車幅方向中間部で破断して示す断面斜視図。
【図3】センタピラーとサイドシルとの連結部位を車室側から見た斜視図。
【図4】サイドドア内に配設されるインパクトバーとドア補強部材と補強部材とをユニット化した状態を示す側面図。
【図5】図1X5−X5線相当断面図。
【図6】図1X6−X6線相当断面図。
【図7】図1X7−X7線相当断面図。
【図8】図1X8−X8線相当断面図。
【図9】図1X9−X9線相当断面図。
【図10】図6のX10−X10線相当断面図。
【図11】本発明の第2実施形態を示すもので、図1に対応した側面図。
【図12】図11に示す第2実施形態において、図10に対応した断面図。
【図13】図11に示す第2実施形態において、図6に対応した断面図。
【図14】本発明の第3実施形態を示すもので、図13に対応した断面図。
【図15】本発明の第4実施形態を示すもので、図1に対応した側面図。
【図16】本発明のは5実施形態を示すもので、図1に対応した側面図。
【符号の説明】
1:サイドシル
1a:横面部
1b:縦面部
1c:段差部
1e:上端
1D:トルクボックス
2:フロアパネル
3:センタピラー
5:ヒンジピラー(前車体側縦辺部)
6:リアピラー(後車体側縦辺部)
7:前ドア開口
8:前サイドドア
8a:前ドア縁部
8b:後ドア縁部
8c:ドア下縁部
9:後ドア開口
10:後サイドドア
10a:前ドア縁部
10b:後ドア縁部
10c:ドア下縁部
12:クロスメンバ(トルクボックス位置)
13、14:クロスメンバ(インパクトバー補強部材の下端位置)
20:ヒンジ(前サイドドアの開閉用)
21:ヒンジ(後サイドドアの開閉用)
30:インパクトバー(前サイドドア用)
31、32、35:ガセット(前サイドドア用)
33:ドア補強部材(前サイドドア用)
34:インパクトバー補強部材(前サイドドア用)
40:インパクトバー(後サイドドア用)
41:ロック機構(後サイドドア用)
42、44、47:ガセット(後サイドドア用)
45:ドア補強部材
46:インパクトバー補強部材
62:カウルボックス(車幅方向に伸びる強度部材)

Claims (17)

  1. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、ガセットを介して該サイドドアに接合されており、
    前記ガセットは、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該ガセットを介して該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  2. 請求項において、
    前記ガセットが、前記ピラーに対しては車幅方向からオーバラップしないように位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  3. 請求項において、
    前記サイドシルには、横面部と縦面部とを有して前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に該サイドドアの下部と嵌合する階段状の段差部が形成されており、
    前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に、前記ガセットが前記縦面部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    前記インパクトバーの前記他端部は、前記サイドドアの閉時に、前記車体側縦辺部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該他端部を介して該車体側縦辺部に伝達されるようにされている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  5. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サ イドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
    前記左右のサイドシルに形成された前記左右のトルクボックス同士が、クロスメンバによって連結されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  6. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
    前記トルクボックスの上面のうち車室内側の面が、車外側から車室内側に向けて水平または斜め下方に伸びるように形成されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  7. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
    前記トルクボックスが、車室床面を構成するフロアパネルの下に位置されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  8. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
    前記インパクトバーの中間部には、略上下方向に伸びるインパクトバー補強部材の上端部が連結され、
    前記インパクトバー補強部材の下端部が、前記サイドドアの閉時に前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該インパクトバー補強部材を介して前記サイドシルに伝達されるようにされている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  9. 車室床面を構成するフロアパネルの左右端部に、車体前後方向に伸びる左右一対のサイドシルが連結され、
    前記サイドシルの車体前後方向中間部からピラーが上方に延設され、
    前記ピラーと該ピラーの前方において上下方向に伸びる前車体側縦辺部との間に、前サイドドアによって開閉される前ドア開口が形成され、
    前記ピラーと該ピラーの後方において上下方向に伸びる後車体側縦辺部との間に、後サイドドアによって開閉される後ドア開口が形成され、
    前記前サイドドアと後サイドドアとの少なくとも一方の内部に、該サイドドアにおける前後のドア縁部間に渡って伸びて、側突時の荷重を受けるインパクトバーが配設された自動車の側部車体構造において、
    前記インパクトバーは、そのピラー側端部が前記サイドドアの下部に位置されると共に、他端部が該ピラー側端部よりも高い位置に位置するように配置され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ピラー側端部から該サイドシルに伝達されるようにされており、
    前記サイドシルのうち、前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時において該インパクトバーの前記ピラー側端部が位置する車体前後方向の特定位置に、該サイドシルの他の部分に比して車室内側に向けて拡大されたトルクボックスが構成され、
    前記サイドドアの下縁部には、前後方向に伸びるドア補強部材が配設され、
    前記ドア補強部材は、前記サイドドアの閉時に、前記サイドシルに対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定され、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部が前記ドア補強部材のピラー側端部と連結されて、該インパクトバーが受けた側突荷重が該ドア補強部材を介して前記サイドシルに伝達されるようにされている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  10. 請求項において、
    前記インパクトバーの略中間部と前記ドア補強部材の中間部とが、略上下方向に伸びるインパクトバー補強部材によって連結されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  11. 請求項または請求項10において、
    前記サイドシルのうち前記サイドドアの閉時における前記インパクトバー補強部材の下端部の車体前後方向位置において、該左右のサイドシル同士を連結するクロスメンバが設けられている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  12. 請求項または請求項10において、
    前記インパクトバー補強部材の上端部が下端部よりも、前記ピラーに近い位置となるように位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  13. 請求項1〜3,5〜9のいずれか1項において、
    前記インパクトバーの前記他端部側に位置する前記左右の車体側縦辺部同士が、前記サイドシルよりも高い位置において車幅方向に伸びる連結部材によって連結されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  14. 請求項1〜3,5〜9のいずれか1項において、
    前記前サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
    前記前サイドドアの前ドア縁部がその上部と下部とにおいてヒンジによって前記車体側縦辺部に取付けられることによって、該前サイドドアが後開き式とされ、
    前記前サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記上側のヒンジの取付位置に連結されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  15. 請求項1〜3,5〜9のいずれか1項において、
    前記後サイドドアに前記インパクトバーが配設されており、
    前記後サイドドアにおける後ドア縁部でかつそのベルトライン付近において、該後サイドドアを車体に閉状態でロックしておくためのロック機構が設けられ、
    前記後サイドドアにおける前記インパクトバーの前記他端部が、前記ロック機構付近に位置されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  16. 請求項5〜9のいずれか1項において、
    前記インパクトバーの前記ピラー側端部が、前記ピラーに対しては車幅方向からオーバラップしないように位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  17. 請求項5〜9のいずれか1項において、
    前記サイドシルには、横面部と縦面部とを有して前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に該サイドドアの下部と嵌合する階段状の段差部が形成されており、
    前記インパクトバーを有する前記サイドドアの閉時に、該インパクトバーの前記ピラー側端部が前記縦面部に対して車幅方向外方側からオーバラップするように位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車の側部車体構造。
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