JP4277525B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニル脂環式炭化水素重合体を含有してなる樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、加工安定性、耐光安定性、耐熱性、透明性などに優れ、液晶表示素子のバックライト用導光板の成形材料として好適な樹脂組成物に関する。また、本発明は、該樹脂組成物を成形してなる、液晶表示装置のバックライトまたはフロントライトなどに用いられる面発光照明装置用の導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニル脂環式炭化水素重合体は、例えば、ポリスチレンなどのビニル芳香族重合体の芳香環を水素化することにより製造される。ビニル脂環式炭化水素重合体は、耐熱性、透明性、低吸水性などに優れているため、光ディスク基板用成形材料として使用することが提案されている。また、ビニル脂環式炭化水素重合体は、耐薬品性、低溶出性などに優れているため、医療用容器などの成形材料とすることも提案されている(特開平6−199950号公報)。
【0003】
このように、ビニル脂環式炭化水素重合体の用途は、広がりつつあるが、さらなる用途展開を図るには、耐熱性、透明性、低吸水性などの固有の優れた特性を維持しながら、各用途毎に要求される様々な高度の特性を発揮できるように改善することが必要である。
【0004】
例えば、ビニル脂環式炭化水素重合体の新たな用途として、液晶表示装置(LCD)のバックライトまたはフロントライトに用いられる面発光照明装置用の導光板がある。近年、コンピュータやカーナビゲーションシステムなどにおける表示装置として、LCDが普及している。LCDによる表示は、それ自身非発光性であるため、暗所での使用に不便である。そこで、見やすさの向上と暗所での使用を可能にするために、LCDの表示部に均一に光を照射する面発光照明装置が開発されており、光透過型のLCDでは、表示面の背面から光照射するバックライト型が、光反射型のLCDでは、表示部の前面から光照射するフロント型が用いられている。
【0005】
面発光照明装置は、表示面に対する光源の配置によって、エッジ式と直下式とに大別することができる。バックライト型では、目的に応じてエッジ式と直下式のいずれかが選択される。フロント型の場合は、エッジ式である。
【0006】
図1にエッジ式バックライトの一例の断面図を示す。透明な導光板1の裏面に光を乱反射させるための反射層2が設けられており、導光板1の側面に配置された光源4(例えば、冷陰極管)からの光が反射層2により乱反射または散乱させられて、液晶表示パネル側(図面の上方)に集められる。導光板1の液晶表示パネル側の面には、必要に応じて、拡散板3が配置されており、さらにその上に、集光板(図示せず)が配置されることがある。反射層2の下方には、必要に応じて、反射板を配置することができる。
【0007】
導光板は、軽量化のために、アクリル樹脂などの透明な合成樹脂から形成されている。反射層としては、導光板の反射面に印刷によりインクパターンを形成したものがあるが、その他、導光板の反射面をマット化したもの、フレネルミラー化したもの、アルミニウム蒸着したものなど、様々なタイプのものがある。エッジ式面発光照明装置は、薄形化や大型化が可能である。
【0008】
面発光照明装置用の導光板には、光源(ランプ)からの光の利用効率が高いこと、高輝度化が可能であること、ランプの発熱により物性が低下しないこと、耐光安定性に優れていることなどが要求されている。
【0009】
前記したとおり、ビニル脂環式炭化水素重合体は、耐熱性、透明性、低吸水性などに優れているため、面発光照明装置用の導光板の成形材料として注目されている。ところが、ビニル脂環式炭化水素重合体を用いて成形した導光板は、長期間の使用によって、着色したり、揮発成分などのガスを発生して冷陰極管(ランプ)または冷陰極管を覆っているランプリフレクタに曇りを生じさせるという問題がある。そのため、ビニル脂環式炭化水素重合体は、面発光照明装置用の導光板の成形材料としての用途に要求される高度の特性を充分に満足するものではない。
【発明の開示】
【0010】
本発明の目的は、ビニル脂環式炭化水素重合体を含有してなる樹脂組成物であって、加工安定性、耐光安定性、耐熱性、透明性などに優れ、例えば、液晶表示装置の面発光照明装置用の導光板の成形材料として好適な樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上記のごとき優れた諸特性を有する樹脂組成物を成形してなる液晶表示装置の面発光照明装置用の導光板を提供することにある。
【0012】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究をおこなった。その結果、ビニル脂環式炭化水素重合体に対して、特定範囲の分子量を有するヒンダードアミン系耐光安定剤を特定量含有させた樹脂組成物によって、上記課題を達成できることを見出した。
【0013】
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、透明性、耐光安定性、加工安定性などに優れている。そのため、本発明の樹脂組成物を用いて成形した面発光照明装置用の導光板は、初期の輝度が高いばかりではなく、ランプを点灯して長期間使用しても着色せず、また、ガス発生によるランプやランプリフレクタの曇りを生じさせない。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
かくして、本発明によれば、ビニル脂環式炭化水素重合体を含有する樹脂組成物であって、ビニル脂環式炭化水素重合体が、
下記式(1)
【化5】
Figure 0004277525
〔式中、Xは、脂環式炭化水素基であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、および極性基で置換された鎖状炭化水素基である。〕
で表される構造の繰り返し単位〔1〕を主鎖中に50重量%以上含有する、炭素−炭素不飽和結合の含有量が全炭素−炭素結合の20%以下の、単独重合体または共重合体であり、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定した数平均分子量が1,000〜10,000のヒンダードアミン系耐光安定剤0.01〜20重量部、及び30℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する(i)軟質重合体を含む配合剤0.1〜10重量部を含有させてなる樹脂組成物が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、該樹脂組成物を成形してなる面発光照明装置用の導光板が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
1.ビニル脂環式炭化水素重合体
ニル脂環式炭化水素重合体は、ビニル基を有する脂環式炭化水素化合物(以下、「ビニル脂環式炭化水素化合物」と略記)をビニル付加重合した構造の繰り返し単位を有する重合体である。
【0017】
ビニル脂環式炭化水素重合体は、例えば、ビニルシクロアルケンやビニルシクロアルカンなどのビニル脂環式炭化水素化合物、またはビニル脂環式炭化水素化合物及び該ビニル脂環式炭化水素化合物と共重合可能な単量体を含有する単量体混合物をビニル付加重合した後、必要に応じて重合体中の脂環内の不飽和結合を水素化することにより製造することができる。
【0018】
また、ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物(以下、「ビニル芳香族化合物」と略記)、またはビニル芳香族化合物及び該ビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体を含有する単量体混合物をビニル付加重合した後、重合体中の芳香環内の不飽和結合を水素化することにより製造することができる。
【0019】
ビニル脂環式炭化水素重合体は、下記式(1)
【0020】
【化6】
Figure 0004277525
【0021】
〔式中、Xは、脂環式炭化水素基であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基で置換された鎖状炭化水素基である。〕
で表される構造の繰り返し単位〔1〕を主鎖中に含有する単独重合体または共重合体である。共重合体である場合、ランダム共重合体、擬似ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体のいずれでも構わない。また、繰り返し単位〔1〕の連鎖の立体規則性は、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれでも構わない。
【0022】
式(1)中、Xは、脂環式炭化水素基を表わす。この脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子数は、低複屈折性、機械強度等の観点から、通常4〜20個、好ましくは5〜7個、より好ましくは6個である。
【0023】
脂環式炭化水素基は、一般に、飽和の脂環式炭化水素基であるが、小割合の炭素−炭素不飽和結合を有してもよい。炭素−炭素不飽和結合の含有量は、低複屈折性、耐熱性、透明性等の観点から、全炭素−炭素結合の20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。炭素−炭素不飽和結合の含有量は、H−NMR測定により求めることができる。
【0024】
脂環式炭化水素基は、環を構成する炭素原子に結合している水素原子の一部が、炭化水素基、極性基、極性基で置換された鎖状炭化水素基のいずれかにより置換されていてもよい。極性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、及びシリル基が挙げられる。炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基で置換されている脂環式炭化水素基が、耐熱性などの点で好ましい。
【0025】
〜Rは、耐熱性、低複屈折性、機械強度などの観点から、いずれもが水素原子または炭素原子数1〜20個(より好ましくは1〜6個)の鎖状炭化水素基であることが好ましい。鎖状炭化水素基は、極性基で置換されていても構わない。極性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、及びシリル基が挙げられる。鎖状炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が挙げられるが、これらの中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜20個(より好ましくは1〜6個)のアルキル基が好ましい。
【0026】
ビニル脂環式炭化水素重合体中における繰り返し単位〔1〕の含有量は、耐熱性、低複屈折性、機械強度の観点から、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。
【0027】
本発明で用いるビニル脂環式炭化水素重合体は、
下記式(1)
【0028】
【化7】
Figure 0004277525
【0029】
〔式中、Xは、脂環式炭化水素基であり、R 〜R は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、および極性基で置換された鎖状炭化水素基である。〕
で表される構造の繰り返し単位〔1〕を主鎖中に50重量%以上含有する、炭素−炭素不飽和結合の含有量が全炭素−炭素結合の20%以下の、単独重合体または共重合体である。
【0030】
繰り返し単位〔1〕は、下記式(2)
【0031】
【化8】
Figure 0004277525
【0032】
〔式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜20個のアルコキシ基、またはハロゲン原子である。〕
で表わされる繰り返し単位〔2〕であることが好ましい。
【0033】
また、繰り返し単位〔2〕は、下記式(3)
【0034】
【化9】
Figure 0004277525
【0035】
〔式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜20個のアルコキシ基、またはハロゲン原子である。〕
で表わされる繰り返し単位〔3〕であることがより好ましい。
【0036】
前記繰り返し単位〔3〕の典型例は、下記式(4)
【0037】
【化10】
Figure 0004277525
【0038】
で表わされる繰り返し単位〔4〕である。
【0039】
ビニル脂環式炭化水素重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されるポリスチレン換算値で、通常、10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000、より好ましくは100,000〜300,000の範囲である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)は、通常、5以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下、最も好ましくは2以下である。ビニル脂環式炭化水素重合体は、その分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲にあると、機械強度及び耐熱性に特に優れ、重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、強度特性、成形性、及び低複屈折性とのバランスに優れる。
【0040】
ビニル脂環式炭化水素重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常、50〜250℃、好ましくは70〜200℃、より好ましくは90〜180℃の範囲である。
【0041】
本発明において、単量体として用いることができるビニル芳香族化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンなどのスチレン類が挙げられ、
単量体として使用することができるビニル脂環式炭化水素化合物の具体例としては、ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン類;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン類;が挙げられる。
【0042】
本発明においては、前述の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系単量体;シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−ジメチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのシクロペンタジエン系単量体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのモノ環状オレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、フラン、チオフェン、1,3−シクロヘキサジエンなどの共役ジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸系単量体;フェニルマレイミド;メチルビニルエーテル;N−ビニルカルバゾール、N−ビニル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル化合物系単量体;などが挙げられる。
【0043】
重合に用いる上記単量体の混合物は、耐熱性、低複屈折性、機械強度等の観点から、ビニル芳香族化合物及び/またはビニル脂環式炭化水素化合物を、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有するものが好ましい。単量体混合物は、ビニル芳香族化合物及びビニル脂環式炭化水素化合物の双方を含有していても構わない。
【0044】
本発明で使用する重合体は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの公知の重合方法により得られ、アニオン重合やカチオン重合の場合には、アニオンリビング重合やカチオンリビング重合を採用することもできる。重合の形態としては、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などのいずれでもよいが、その後に水素化反応を行な場合には、水素化反応を連続して行うことができるため、溶液重合が好ましい。
【0045】
ラジカル重合は、公知の方法を用いることができる。カチオン重合は、BF、PFなどを用いた公知の方法を用いることができる。高分子量かつ分子量分布の狭い重合体を得るには、アニオンリビング重合を採用することが好ましく、具体的には、炭化水素系溶媒中で、有機アルカリ金属を開始剤として重合する。アニオンリビング重合により得られる重合体は、高分子量かつ分子量分布が小さく、機械強度に優れる。
【0046】
重合反応後は、スチームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法等の公知の方法で重合体を回収できる。重合時に、水素化反応に不活性な溶媒を用いた場合は、重合溶液から重合体を回収せず、そのまま、次の水素化反応工程に供することができる。
【0047】
水素化方法は、格別な制限はなく、常法に従って行なうことができる。具体的には、例えば、有機溶媒中で、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム及びレニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む水素化触媒を用いて水素化反応を行うと、水素化率が高くすることができ、しかも、水素化反応に伴う重合体鎖の切断を抑制することができる。これらの水素化触媒の中でも、ニッケル触媒を用いると、分子量分布(Mw/Mn)を小さくすることができるので好適である。水素化触媒は、不均一触媒及び均一触媒のいずれでもよい。
【0048】
水素化反応は、反応温度を通常10〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃の範囲とし、水素圧力を通常1〜300Kg/cm、好ましくは5〜250Kg/cm、より好ましくは10〜200Kg/cmの範囲として実施する。
【0049】
上記方法により得られた重合体水素化物の水素化率は、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
【0050】
本発明では、ビニル脂環式炭化水素重合体として、ブロック共重合体を使用することができる。本発明で使用するブロック共重合体は、下記の重合体ブロック〔A〕及び重合体ブロック〔B〕を有するものである。
【0051】
重合体ブロック〔A〕は、下記式(3)
【0052】
【化11】
Figure 0004277525
【0053】
〔式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜20個のアルコキシ基、またはハロゲン原子である。〕
で表わされる繰り返し単位〔3〕を含有する重合体ブロックである。重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量は、50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
【0054】
式(3)で表される繰り返し単位〔3〕において、Rが水素原子またはメチル基であり、R〜R14が水素原子であることが好ましく、R及びR〜R14が水素原子であることがより好ましい。
【0055】
したがって、繰り返し単位〔3〕は、式(4)
【0056】
【化12】
Figure 0004277525
【0057】
で表わされる繰り返し単位〔4〕であることがより好ましい。
【0058】
重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量が少なすぎると、ブロック共重合体の機械強度が低下する。繰り返し単位〔3〕の含有量が上記範囲にあると、低複屈折性、光線透過性、及び機械強度に優れるので好ましい。
【0059】
重合体ブロック〔A〕における、繰り返し単位〔3〕以外の残部は、鎖状共役ジエンや鎖状ビニル化合物(例えば、α−オレフィン系単量体)由来の繰り返し単位である。
【0060】
重合体ブロック〔B〕は、下記式(5)
【0061】
【化13】
Figure 0004277525
【0062】
〔式中、R15は、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基である。〕
で表される繰り返し単位〔5〕、及び/または下記式(6)
【0063】
【化14】
Figure 0004277525
【0064】
〔式中、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基である。〕
で表される繰り返し単位〔6〕とを含有する重合体ブロックである。
【0065】
重合体ブロック〔B〕は、繰り返し単位〔3〕を含有していてもよい。重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量は、重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量以下、0モル%以上の範囲である。重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量が多い場合、ブロック共重合体の透明性、耐熱性が良好となり、含有量が少ない場合には、耐衝撃性、破断強度特性が良好となる。重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔3〕の含有量は、ブロック共重合体の使用目的に合わせて、適切な物性となるように選択される。
【0066】
重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔5〕のモル分率をm(モル%)、及び繰り返し単位〔6〕のモル分率をm(モル%)としたとき、2×m+mは、通常2モル%以上、好ましくは5〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
【0067】
上記式(5)で表される繰り返し単位〔5〕は、R15が水素原子またはメチル基であることが好ましい。上記式(6)で表される繰り返し単位〔6〕は、R16が水素原子であり、R17がメチル基またはエチル基であることが好ましい。
【0068】
重合体ブロック〔B〕において、繰り返し単位〔5〕及び/または繰り返し単位〔6〕の含有量が少なすぎると、ブロック共重合体の機械強度が低下する。重合体ブロック〔B〕において、繰り返し単位〔5〕及び/または繰り返し単位〔6〕の含有量が上記範囲にあると、ブロック共重合体の低複屈折性、光線透過率性、及び機械強度に優れるので好ましい。
【0069】
重合体ブロック〔B〕は、さらに、下記式(7)
【0070】
【化15】
Figure 0004277525
【0071】
〔式中、R18は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R19は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、R20は、水素原子である。ただし、R19とR20とは、互いに結合して、酸無水物基またはイミド基を形成してもよい。〕
で表される繰り返し単位〔7〕を含有していてもよい。
【0072】
繰り返し単位〔7〕の含有量は、本発明で使用するブロック共重合体の特性を損なわない範囲の量であり、通常は、ブロック共重合体全体に対して、30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0073】
本発明で使用するブロック共重合体が、重合体ブロック〔B〕中に前記繰り返し単位〔3〕を更に含有するものである場合、重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔3〕のモル分率a(モル%)と重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔3〕のモル分率b(モル%)とが、a>bの関係にあることが好ましい。a>bとすることによって、ブロック共重合体の低複屈折性、光線透過性、及び機械的強度に優れるので好ましい。
【0074】
本発明で使用するブロック共重合体は、重合体ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数をm重合体ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル数をmとした場合に、その比(m:m)を好ましくは4:96〜96:4、より好ましくは30:70〜95:5、特に好ましくは40:60〜90:10とすることが望ましい。比(m:m)が上記範囲にある場合に、ブロック共重合体の機械強度及び耐熱性に優れるので好ましい。
【0075】
ブロック共重合体中の繰り返し単位〔3〕の合計の含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0076】
本発明で使用するブロック共重合体は、上記重合体ブロック〔A〕及び〔B〕からなる、ジブロック、トリブロック、あるいはマルチブロック共重合体のいずれであってもよく、また、各ブロックの連鎖が直鎖状である場合だけではなく、星型などの分岐構造を有するものであってもよい。さらに、ブロック共重合体を構成する重合体ブロック〔A〕及び〔B〕が、各々複数存在する場合、それらは同一であっても、上述した条件を満たすものであれば、互いに異なるものであってもよい。
【0077】
本発明で使用するブロック共重合体の分子量は、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常、10,000〜1,000,000であるが、好ましくは10,000〜300,000、より好ましくは15,000〜250,000、特に好ましくは20,000〜200,000の範囲である。ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、ブロック共重合体の機械強度、耐熱性、成形性のバランスに優れるので好ましい。
【0078】
ブロック共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できる。GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)は、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下の範囲である。分子量分布(Mw/Mn)がこの範囲にあると、ブロック共重合体の機械強度や耐熱性に優れるので好ましい。
【0079】
ブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、示差走査型熱量計(DSC)による、高温側の測定値で、通常、70〜150℃、好ましくは80〜140℃、より好ましくは90〜130℃である。
【0080】
本発明で使用するブロック共重合体は、例えば、以下の製造方法(I)または(II)により得ることができる。
【0081】
ブロック共重合体の製造方法(I):
ビニル芳香族化合物及び/または環中に不飽和結合を有するビニル脂環式炭化水素化合物を50モル%以上含有する単量体混合物〔a’〕を重合して、ビニル芳香族化合物及び/または環中に不飽和結合を有するビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A’〕を得る工程;及び
ビニル系単量体(鎖状共役ジエン及び/または鎖状ビニル化合物)を2モル%以上含有し、かつ、必要に応じて、ビニル芳香族化合物及び/または環中に不飽和結合を有するビニル脂環式炭化水素化合物を前記単量体混合物〔a’〕中での割合よりも少ない割合の量で含有する単量体混合物〔b’〕を重合して、ビニル系単量体由来の繰り返し単位と、ビニル芳香族化合物及び/または環中に不飽和結合を有するビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰り返し単位とを含有する重合体ブロック〔B’〕を得る工程;
の少なくとも2つの工程を経て、重合体ブロック〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕を有するブロック共重合体を合成し、該ブロック共重合体の芳香環及び/または不飽和の脂肪族環を水素化する製造方法。
【0082】
ブロック共重合体の製造方法(II):
飽和のビニル脂環式炭化水素化合物を50モル%以上含有する単量体混合物〔a〕を重合して、ビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A〕を得る工程;
ビニル系単量体を2モル%以上含有し、かつ、必要に応じて、飽和のビニル脂環式炭化水素化合物を前記単量体混合物〔a〕中での割合よりも少ない割合の量で含有する単量体混合物〔b〕を重合して、ビニル系単量体由来の繰り返し単位と、ビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰り返し単位とを含有する重合体ブロック〔B〕を得る工程;
の少なくとも2つの工程を経て、重合体ブロック〔A〕及び重合体ブロック〔B〕を有するブロック共重合体を製造する方法。
【0083】
上記方法の中でも、単量体の入手容易性、重合収率、重合体ブロック〔B’〕への繰り返し単位〔3〕の導入のし易さ等の観点から、上記(I)の製造方法が好ましい。
【0084】
上記ブロック共重合体の製造方法(I)において使用するビニル芳香族化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレン等のスチレン類が挙げられる。ヒドロキシル基、アルコキシ基などの置換基を有するスチレン類も使用することができる。これらの中でも、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、及び4−メチルスチレンが好ましい。
【0085】
上記ブロック共重合体の製造方法(I)において使用する不飽和のビニル脂環式炭化水素化合物の具体例としては、シクロヘキセニルエチレン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、α−t−ブチルシクロヘキセニルエチレン等のシクロヘキセニルエチレン類(即ち、ビニルシクロヘキセン類);ハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等の置換基を有するシクロヘキセニルエチレン類;等が挙げられる。
【0086】
これらのビニル芳香族化合物及び不飽和のビニル脂環式炭化水素化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においては、モノマー混合物〔a’〕及び〔b’〕のいずれにも、ビニル芳香族化合物を含有させるのが好ましい。特に、スチレンまたはα−メチルスチレンを用いるのがより好ましい。
【0087】
上記製造方法で使用するビニル系単量体は、鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物である。
【0088】
鎖状ビニル化合物の具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系単量体が挙げられる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、及び1−ブテンが好ましい。
【0089】
鎖状共役ジエンは、例えば、ブタジエン(例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン)、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン系単量体が挙げられる。
【0090】
ビニル系単量体の中でも鎖状共役ジエンが好ましく、ブタジエン及びイソプレンが特に好ましい。これらの鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0091】
単量体混合物を重合する場合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等のいずれの方法で重合反応を行ってもよいが、アニオン重合が好ましく、不活性溶媒の存在下でのリビングアニオン重合がより好ましい。
【0092】
アニオン重合は、重合開始剤の存在下、通常、0〜200℃、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは20〜80℃の温度範囲において行う。開始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物;などが使用可能である。
【0093】
使用する不活性溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;等が挙げられる。これらの中でも、溶媒として脂肪族炭化水素類や脂環式炭化水素類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒であるため、反応混合物を次の水素化反応にそのまま供することができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。溶媒は、全単量体100重量部に対して、通常、200〜10,000重量部の割合で用いられる。
【0094】
それぞれの重合体ブロックを重合する際には、各ブロック内で、ある1成分の連鎖が長くなるのを防止する必要がある場合、重合促進剤やランダマイザーなどを使用することができる。特に、重合反応をアニオン重合により行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザーとして使用することができる。
【0095】
ルイス塩基化合物の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0096】
リビングアニオン重合によりブロック共重合体を得る方法としては、従来公知の逐次付加重合反応法及びカップリング法などが挙げられるが、逐次付加重合反応法が好ましい。
【0097】
逐次付加重合反応法により、重合体ブロック〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕を有する上記ブロック共重合体を得る場合には、重合体ブロック〔A’〕を得る工程と、重合体ブロック〔B’〕を得る工程とを順次連続して行なう。具体的には、不活性溶媒中で、リビングアニオン重合触媒の存在下、単量体混合物〔a’〕を重合して重合体ブロック〔A’〕を合成し、引き続きその反応系に単量体混合物〔b’〕を添加して重合を継続し、重合体ブロック〔A’〕と結合した重合体ブロック〔B’〕を得る。同様にして、重合体ブロック〔A’〕−重合体ブロック〔B’〕−重合体ブロック〔A’〕の構造を有するブロック共重合体を合成することができる。
【0098】
得られたブロック共重合体は、例えば、スチームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法等の公知の方法によって回収される。重合反応において、水素化反応に不活性な溶媒を用いた場合には、反応混合物をそのままで水素化反応工程にも使用することができるので、この段階でブロック共重合体を回収しなくてもよい。
【0099】
上記ブロック共重合体の製造方法(I)で得られる重合体ブロック〔A’〕と重合体ブロック〔B’〕とを有するブロック共重合体(以下、「水素化前ブロック共重合体」という)のうち、下記の構造の各繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0100】
水素化前ブロック共重合体を構成する重合体ブロック〔A’〕は、下記式(8)
【0101】
【化16】
Figure 0004277525
【0102】
〔式中、R21は、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R22〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜20個のアルコキシ基、またはハロゲン原子である。〕
で表される繰り返し単位〔8〕を50モル%以上含有する重合体ブロックであることが好ましい。
【0103】
繰り返し単位〔8〕において、R21が水素原子またはメチル基で、R22〜R26が水素原子であることが好ましく、R21が水素原子で、R22〜R26が水素原子であることがより好ましい。
【0104】
したがって、繰り返し単位〔8〕は、下記式(9)
【0105】
【化17】
Figure 0004277525
【0106】
で表わされる繰り返し単位〔9〕であることがより好ましい。
【0107】
重合体ブロック〔B’〕は、必要に応じて繰り返し単位〔8〕を含み、下記式(10)
【0108】
【化18】
Figure 0004277525
【0109】
〔式中、R27は、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基である。〕
で表される繰り返し単位〔10〕、及び/または下記式(11)
【0110】
【化19】
Figure 0004277525
【0111】
〔式中、R28は、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R29は、水素原子、または炭素原子数1〜20のアルキル基もしくはアルケニル基である。〕
で表される繰り返し単位〔11〕を含む重合体ブロックであることが好ましい。
【0112】
重合体ブロック〔B’〕中に繰り返し単位〔8〕が含まれている場合、重合体ブロック〔A’〕中の繰り返し単位〔8〕のモル分率をa’、重合体ブロック〔B’〕中の繰り返し単位〔8〕のモル分率をb’とした場合、a’>b’であることが好ましい。
【0113】
ブロック〔B’〕は、下記式(12)
【0114】
【化20】
Figure 0004277525
【0115】
〔式中、R30は水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R31は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、R32は、水素原子である。ただし、R31とR32とは、互いに結合して、酸無水物基またはイミド基を形成してもよい。〕
で示される繰り返し単位〔12〕を含有していてもよい。
【0116】
水素化前ブロック共重合体は、ブロック〔A’〕を構成する全繰り返し単位のモル数をm’、ブロック〔B’〕を構成する全繰り返し単位のモル数をm とした場合に、その比(m’:m’)が、通常、4:96〜96:4、好ましくは30:70〜95:5、より好ましくは40:60〜90:10であることが望ましい。比(m’:m’)が上記範囲にある場合に、最終的に得られるブロック共重合体の機械強度や耐熱性に優れるので好ましい。
【0117】
水素化前ブロック共重合体の分子量は、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常12,000以上であり、好ましくは12,000〜400,000、より好ましくは19,000〜350,000、特に好ましくは25,000〜300,000の範囲である。水素化前ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が過度に小さいと、水素化後に得られるブロック共重合体の機械強度が低下し、過度に大きいと、水素添加率を充分に高めることが困難になる。
【0118】
水素化前ブロック共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。水素化前ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)がこの範囲にあると、水素添加率が向上する。
【0119】
水素化前ブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、DSCによる高温側の測定値で、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは90〜130℃である。
【0120】
水素化前ブロック共重合体の芳香環やシクロアルケン環などの不飽和環の炭素−炭素不飽和結合、並びに主鎖や側鎖の不飽和結合等を水素化する方法には、特別な制限はなく、前述の如き公知の方法に従って行なうことができる。ここでは、水素化前ブロック共重合体の水素化に適した反応条件について説明する。
【0121】
水素化方法としては、水素添加率を高くすることができ、重合体の鎖切断反応の少ない方法が好ましい。具体的には、例えば、有機溶媒中、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウムから選ばれる少なくとも1つの金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一系触媒及び均一系触媒のいずれも使用可能である。
【0122】
不均一系触媒は、金属または金属化合物のままで、あるいは適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられる。触媒の担持量は、通常、0.01〜80重量%、好ましくは0.05〜60重量%の範囲である。
【0123】
均一系触媒は、ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒;ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体触媒;を用いることができる。ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウム等が好適に用いられる。
【0124】
有機金属錯体触媒の例としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−(トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体が使用される。
【0125】
これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、あいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。水素化触媒の使用量は、重合体100重量部に対して、通常、0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜50重量部、より好ましくは0.1〜30重量部である。
【0126】
水素化の反応温度は、通常、10〜250℃であるが、水素化率を高くすることができ、かつ、重合体の鎖切断反応を小さくすることができるという理由から、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃である。
【0127】
水素化の圧力は、通常、0.1〜30MPaであるが、上記如き理由に加えて、操作性の観点から、好ましくは1〜20MPa、より好ましくは2〜10MPaの範囲から選ばれる。
【0128】
水素化反応により得られたブロック共重合体の水素化率は、H−NMRによる測定において、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環やシクロアルケン環の炭素−炭素不飽和結合のいずれも、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。水素化率が低いと、得られるブロック共重合体の低複屈折性、熱安定性などが低下傾向を示す。
【0129】
水素化反応終了後、ブロック共重合体は、例えば、濾過、遠心分離等の方法により反応溶液から水素化触媒を除去した後、溶媒を直接乾燥により除去する方法、反応溶液を、ブロック共重合体にとっての貧溶媒中に注ぎ、凝固させる方法等によって回収される。
【0130】
2.ヒンダードアミン系耐光安定剤
本発明に用いるヒンダードアミン系耐光安定剤(以下、「HALS」と略記)は、窒素原子に隣接する2つの炭素原子の双方にそれぞれ置換基が結合したピペリジン環を複数有する化合物である。本発明では、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いたGPC法により測定した数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000、好ましくは2,000〜5,000、より好ましくは2,800〜3,800のHALSを使用する。
【0131】
窒素原子に隣接する上記の炭素原子に結合している置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基が好ましく、双方の炭素原子のそれぞれに2個のメチル基が結合しているものがより好ましい。
【0132】
HALSの数平均分子量(Mn)が小さすぎると、HALSをビニル脂環式炭化水素重合体に加熱溶融混練により配合する際に、揮発して所定量を配合することができなかったり、射出成形等による加熱溶融成形時に、発泡やシルバーストリーク等が発生する原因となって、加工安定性が低下する。
【0133】
また、HALSの数平均分子量(Mn)が小さすぎると、HALSを配合した樹脂組成物を成形して得られる導光板を、ランプを点灯させた状態で長時間使用すると、導光板から揮発性成分がガスとなって発生する。
【0134】
HALSの数平均分子量(Mn)が大きすぎると、ビニル脂環式炭化水素重合体への分散性が低下して、得られる樹脂組成物の透明性が低下し、耐光性改良の効果が低減する。HALSの数平均分子量(Mn)を上記範囲とすることにより、加工安定性、低ガス発生性、透明性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0135】
本発明で好適に用いられるなHALSの具体例としては、
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−[4,6−ビス−〔ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ〕−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、
ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、
ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、
1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、
ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]
などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;
コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物
などの、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALSなどが挙げられる。
【0136】
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物などで、数平均分子量(Mn)が2,000〜5,000のものが好ましい。
【0137】
HALSは、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、通常、0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部、より好ましくは0.05〜10重量部の範囲で配合される。HALSの配合量が少なすぎると、耐光安定性の改良効果が充分に得られず、該HALSを配合した樹脂組成物を用いて成形した導光板をランプを点灯させた状態で長時間使用する場合に着色が生じる。HALSの配合量が多すぎると、その一部がガスとなって揮散したり、ビニル脂環式炭化水素重合体への分散性が低下して、得られる樹脂組成物の透明性が低下する。
【0138】
HALSは、融点が20℃以上のものが好ましく、40℃以上のものがより好ましい。HALSの融点が低すぎると、二軸混練機などを用いてビニル脂環式炭化水素重合体に加熱溶融混練する際に、溶融樹脂の粘度が過度に低下して、溶融樹脂にHALSが均一に分散しなくなるなどの問題が生じる。
【0139】
3.紫外線吸収剤
本発明の樹脂組成物は、HALSと紫外線吸収剤とを併用することにより、耐光安定性をさらに改善することができる。
【0140】
紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−第三−ブチル−5′−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0141】
これらの中でも、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールなどが、耐熱性、低揮発性などの観点から好ましい。
【0142】
紫外線吸収剤は、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜5重量部、より好ましくは0.05〜2重量部の範囲で配合される。紫外線吸収剤の配合量が少なすぎると、耐光安定性の更なる改良効果が充分に得られない。紫外線吸収剤の配合量が多すぎると、加工安定性が低下したり、樹脂組成物からガスが発生しやすくなる。
【0143】
4.その他の配合剤
本発明のビニル脂環式炭化水素重合体には、30℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する軟質重合体を含む配合剤を配合する。他に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種配合剤を配合することができる。
【0144】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性及び低吸水性を損なわずに、成形時の酸化劣化等による導光板の着色や強度低下を防止することができる。
【0145】
酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0146】
ビニル脂環式炭化水素重合体に、(i)軟質重合体、(ii)アルコール性化合物、及び(iii)有機または無機フィラーからなる群から選ばれる少なくとも1種類の配合剤を配合することにより、透明性、低吸水性、機械的強度などの諸特性を低下させることなく、長時間の高温高湿度環境下での白濁を防止することができる。
【0147】
これらの中でも、軟質重合体及びアルコール性化合物が、高温高湿度環境下における白濁防止性に優れるので好ましい。
【0148】
(i)軟質重合体
本発明で好適に用いられる軟質重合体は、通常、30℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する重合体である。Tgが複数存在する場合には、最も低いTgが30℃以下であればよい。
【0149】
軟質重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系軟質重合体;ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルアクリレート・スチレン共重合体などのα,β−不飽和酸からなる軟質重合体;ポリステアリン酸ビニルなどの不飽和アルコール及びアミンまたはそのアシル誘導体もしくはアセタールからなる軟質重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系軟質重合体;天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体;などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。
【0150】
軟質重合体の中でも、ジエン系軟質重合体が好ましく、特にジエン系軟質重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟性、及び分散性の点で優れる。
【0151】
(ii)アルコール性化合物
本発明において好適に使用されるアルコール性化合物としては、分子内に少なくとも1つのアルコール性水酸基と、少なくとも1つのエーテル結合またはエステル結合を有する化合物が好ましく、アルコール性水酸基を2個以上有するものがより好ましい。このような化合物としては、例えば、2価以上の多価アルコールの水酸基の1つ以上をエーテル化またはエステル化した部分エーテル化物や部分エステル化物が挙げられる。
【0152】
アルコール性化合物の具体例としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノベヘレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジペンタエリスリトールジステアレートなどのアルコール性エステル化物;3−(オクチルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(デシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ラウリルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、1,6−ジヒドロオキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニルフェニルオキシ)−4−オキソヘプタン、p−ノニルフェニルエーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反応により得られるアルコール性エーテル化合物;p−オクチルフェニルエーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールとの反応により得られるアルコール性エーテル化合物;p−オクチルフェニルエーテルとジシクロペンタジエンの縮合体とグリシドールの反応により得られるアルコール性エーテル化合物などが挙げられる。
【0153】
これらのアルコール性化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。アルコール性化合物の分子量は、特に限定されないが、好ましくは500〜2000、より好ましくは800〜1500であることが、透明性の低下が少ない点で望ましい。
【0154】
(i)軟質重合体を含む配合剤は、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.02〜5重量部、より好ましくは0.05〜2重量部の範囲で配合される。合剤を適量使用することにより、ビニル脂環式炭化水素重合体の固有の物性を低下させることなく、樹脂組成物から成形された成形物の白濁を抑制することができる。これらの配合剤の配合量が大きすぎると、ガラス転移温度や透明性が低下する。
【0155】
5.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、ビニル脂環式炭化水素重合体と各種成分とを例えばミキサー、二軸混練機、ロール、ブラベンダ−、押出機などで溶融混練する方法、適当な溶剤に溶解ないしは分散させて凝固する方法などにより調製することができる。二軸混練機を用いる場合には、混練後に、ストランド状に溶融押出し、ペレタイザーにてカットしてペレットにすることが好ましい。
【0156】
本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形などの溶融成形法により、各種成形物に成形することができる。溶液キャスト法を採用することもできる。透明性、低複屈折性、寸法安定性などに優れた成形物を得るには、射出成形が好ましい。
【0157】
射出成形条件は、通常、樹脂温度150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で行なわれる。樹脂温度が低すぎると、樹脂組成物の溶融流動性が低下し、成形物にヒケやひずみが生じやすくなる。樹脂温度が高すぎると、樹脂の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成形物が黄変したりしやすくなる。
【0158】
成形物としては、特に限定されず、棒状、板状、球状、円柱状、筒状、繊維状、フィルム状、シート状、板状などが挙げられる。また、樹脂組成物を他の樹脂と共押出したり、樹脂組成物からなる成形物と他の材料と積層したり、樹脂組成物からなる成形物に他の材料のコーティング層や堆積層を形成したりすることができる。
【0159】
6.導光板
本発明の樹脂組成物は、液晶表示装置の面発光照明装置用導光板の成形材料として好適である。即ち、本発明の導光板は、ビニル脂環式炭化水素重合体、HALS、及び必要に応じて各種配合剤を配合した樹脂組成物を成形して得ることができる。成形方法としては、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法などの加熱溶融成形法、及び溶液キャスト法などを採用することができる。これらの成形法の中でも、透明性に優れる導光板を得るためには、射出成形法、押出成形法、及びプレス成形法を用いるのが好ましく、射出成形法がより好ましい。
【0160】
導光板の形状や大きさは、必要に応じて適宜定めることができる。一般に使用されている導光板は、厚みが通常0.05〜6mm、好ましくは0.1〜4mmであり、幅が通常50〜400mm、好ましくは100〜350mmであり、長さが通常50〜350mm、好ましくは70〜300mmである。導光板は、長さ方向に順次厚みが変化するテーパー状(楔型)であっても構わない。
【実施例】
【0161】
以下に、製造例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。部及び%は、特に断わりのない限り、重量基準である。
【0162】
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
【0163】
(1)ガラス転移温度(Tg)
重合体のTgは、JIS K−7121に従って、示差走査熱量計(DSC)により測定した。高温側の変位点から求められる値を、重合体のTgとした。
【0164】
(2)分子量
重合体の分子量は、トルエンを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。ただし、ブロック共重合体については、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としてGPC測定を行なった。
【0165】
(3)分子量分布
重合体の分子量分布は、トルエンを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めて、MwとMnとの比(Mw/Mn)として算出した。ただし、ブロック共重合体については、THFを溶媒としてGPC測定を行なった。
【0166】
(4)水素添加率
重合体の芳香環や主鎖の水素化率は、H−NMRを測定し算出した。
【0167】
(5)ヒンダードアミン系耐光安定剤の分子量
ヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)の数平均分子量は、THFを溶媒にしてGPCにより測定した。
【0168】
(6)光線透過率
成形物の光線透過率(%)は、分光光度計(日本分光社製のU−30)を用いて、導光板の光路長250mmの部分について測定した。
【0169】
(7)耐光性
耐光性の評価は、後述の方法により導光板を用いて組み立てたバックライトユニットを1500時間連続点灯させた後に、使用した導光板の長光路(光路長250mm)のイエローインデックス(ΔYI)を、長光路色差計(日本電色工業株式会社製 ASA−300A)を用いて測定し、着色の程度として評価した。
【0170】
(8)ガス発生の評価
ガスの発生については、後述の方法により導光板を用いて組み立てたバックライトユニットを1500時間連続点灯させた後に、冷陰極管を覆っているランプリフレクタに曇りが生じているか否かを目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:曇りが全くない、
○:リフレクタ端部に若干の曇りがあるものの、導光板の輝度に影響を与えず、使用上問題がない、
△:リフレクタの端部が僅かに曇っているため、導光板の端部の輝度が若干低下している、
×:リフレクタ全体が曇っており、導光板全体の輝度が低下している。
【0171】
(9)加工性
加工性(加工安定性)については、後述の二軸混練時にビニル脂環式炭化水素重合体に添加したHALSの添加量(A)とビニル脂環式炭化水素重合体に実に含まれているHALSの量(B)との比(B/A×100)を残存率として求め、この残存率の高低で評価した。
【0172】
(10)曲げ強度
重合体を射出成形して、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ3mmの試験片を作製し、この試験片を用いて、ASTM D−790に従って、ストログラフ(東洋精機製作所製のV10−B)にて曲げ強度を測定し、次の基準で評価した。
◎:降伏点または破断強度が500kgf/cm以上、
○:破断強度が400kgf/cm以上、500kgf/cm未満、
×:破断強度が400kgf/cm未満。
【0173】
(11)複屈折値
共重合体を射出成形して直径85mmの光ディスク基板を形成し、該基板の中心から半径25mm位置の複屈折値を、偏光顕微鏡(ニコン社製;546nmセナルモンコンペンセータ)にて測定し、次の基準で評価した。
◎:5nm以下、
○:5nmを超え,10nm以下、
×:10nm超過。
【0174】
[製造例1]ビニル芳香族重合体の水素化物の製造
撹拌装置を備えたステンレス鋼製反応器を充分に乾燥し、窒素で置換した後、脱水シクロヘキサン960部、スチレンモノマー240部、及びジブチルエーテル3.81部を仕込んだ。反応器の内容物を40℃で撹拌しながら、そこにn−ブチルリチウムの15%ヘキサン溶液0.65部を添加して、重合を開始した。40℃で3時間重合した後、イソプロピルアルコール1.26部を添加して反応を停止させた。このようにして得られたビニル芳香族重合体(ポリスチレン)のMwは180,000で、 Mw/Mnは1.04であった。
【0175】
次いで、上記ビニル芳香族重合体含有の溶液1200部を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移し、これにニッケル−珪藻土触媒(日揮化学工業社製; N113、 ニッケル担持量40%)24部を添加混合した。次に、反応容器内部を水素ガスで置換し、撹拌しながら、150℃で水素を供給して、圧力を70kg/cm に保ち、6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、反応溶液を濾過し、水素化触媒を除去した。触媒を除去した後、シクロヘキサン1200部を加えて希釈した。クリーン度クラス1000の環境下で、この希釈された液をさらに孔径1μmのフィルターにて濾過し、異物を除去した。この濾液を、クリーン度クラス1000の環境下で、平均孔径1μmのフィルターにて濾過した9000部のイソプロパノール中に注ぎ、ビニル芳香族重合体の水素化物を析出させた。水素化物を濾過により分離後、減圧乾燥器により、100℃で48時間乾燥させてビニル芳香族重合体水素化物を回収した。得られた水素化物の物性は、Tg=149℃、Mw=153,000、Mw/Mn=1.09であった。
【0176】
[製造例2]ブロック共重合体(BL )の製造
充分に乾燥し、窒素で置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレンモノマー28部、及びジブチルエーテル0.40部を仕込んだ。反応器の内容物を60℃で攪拌しながら、そこにn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.30部を添加して、重合反応を開始した。1時間重合反応を行った後、反応溶液中に、スチレンモノマー16部とイソプレンモノマー8部とからなる混合モノマー24部を添加し、さらに1時間重合反応を行った。その後、反応溶液中にスチレンモノマー28部をさらに添加して、1時間重合反応を継続した。しかる後、反応溶液にイソプロピルアルコール0.2部を添加して、反応を停止させた。
【0177】
得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw=122000、Mw/Mn=1.06であった。
【0178】
次いで、上記重合反応溶液400部を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度160℃、圧力4.5MPaにて8時間水素化反応を行った。
【0179】
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、シクロヘキサン800部を加えて希釈し、該反応溶液を3500部のイソプロパノール(クラス1000のクリーンルームで、平均孔径1μmのフィルターにて濾過したもの)中に注いでブロック共重合体を析出させ、濾過により分離回収し、80℃にて48時間減圧乾燥させた。
【0180】
得られたブロック共重合体(BL)は、スチレン由来の繰り返し単位を含有するブロック(以下、「St」と略記)、及びスチレンとイソプレン由来の繰り返し単位を含有するブロック(以下、「St/Ip」と略記)、及びスチレン由来の繰り返し単位を含有するブロック(St)とからなる3元ブロック共重合体である。
【0181】
このブロック共重合体〔St−(St/Ip)−St共重合体〕の各ブロックのモル比は、St:(St/Ip):St=33:34(St:Ip=19:15):33であった。また、このブロック共重合体の物性は、Mw=91200、Mw/Mn=1.12、主鎖及び芳香環の水素化率=99.9%、Tg=125.5℃、曲げ強度=500kgf/cm以上(◎)、複屈折値=5nm以下(◎)であった。
【0182】
[製造例3]ブロック共重合体(BL )の製造
製造例2で用いたのと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレンモノマー56部、及びジブチルエーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.30部を添加して重合反応を開始した。1時間重合反応を行った後、反応溶液中に、スチレンモノマー16部とイソプレンモノマー8部とからなる混合モノマー24部を添加し、さらに1時間重合反応を行った。反応溶液にイソプロピルアルコール0.2部を添加して、反応を停止させた。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw=131000、Mw/Mn=1.06であった。
【0183】
次いで、製造例2同様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体(BL)は、StとSt/Ipとからなる2元ブロック共重合体であった。それぞれのブロックのモル比は、St:(St/Ip)=66:34(St:Ip=19/15)であった。このブロック共重合体の物性は、Mw=92300、Mw/Mn=1.11、水素化率=99.9%、Tg=127.1℃、曲げ強度=500kgf/cm以上(◎)、複屈折値=5nm以下(◎)であった。
【0184】
[製造例4]ブロック共重合体(BL )の製造
製造例2で用いたのと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレンモノマー3.2部、及びジブチルエーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.30部を添加して重合反応を開始した。2時間重合を行った後、スチレンモノマー65.6部とイソプレンモノマー11.2部からなる混合モノマー76.8部を添加し、さらに1時間反応させた。イソプロピルアルコール0.2部を添加して、反応を停止させた。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw=128000、Mw/Mn=1.07であった。
【0185】
次いで、製造例2同様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体(BL)は、Stと(St/Ip)とからなる2元ブロック共重合体であり、それぞれのブロックのモル比は、St:(St/Ip)=4:96(St:Ip=76.8/19.2)であった。このブロック共重合体の物性は、Mw=92300、Mw/Mn=1.12、水素化率=99.9%、Tg=126.5℃、曲げ強度=400kgf/cm以上、500kgf/cm未満(○)、複屈折値=5nmを超え,10nm以下(○)であった。
【0186】
[実施例1]
製造例1で製造したビニル芳香族重合体水素化物100部に、軟質重合体(旭化成社製;タフテックH1052)0.1部及び酸化防止剤(チバガイギー社製;イルガノックス1010)0.1部を添加し、さらにHALSとして、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物〔HALS(H);Mn=3000〕を0.2部添加し、二軸混練機(東芝機械社製TEM−35B;スクリュー径=37mm、L/D=32、スクリュー回転数=150rpm、樹脂温度=240℃、フィードレート=20kg/時間)で混練し、ストランド状に押し出した。これを水冷してペレタイザーで切断し、ペレット化した。
【0187】
該ペレット中のHALS(H)の含有量を、ガスクロマトグラフィーにより測定した結果、樹脂組成物全体量に対して0.2%であり、HALSの添加量に対する実際の含有量の比率(残存率)は、実質的に100%であった。
【0188】
得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、ホットランナーを有し、かつ、サイドゲート金型方式の射出成形装置(東芝機械株式会社製の製品番号IS450)を用いて、射出成形により10.4インチの導光板を成形した。成形条件は、金型温度80℃、シリンダー温度280℃とした。
【0189】
得られた導光板は、入光面側の肉厚部の厚みが2.5mm、反対側の肉薄部の厚みが1.5mm、肉厚部側から肉薄部側にかけての長さが190mm、直線光源の軸方向に沿った長さ巾が250mmであり、肉厚部側から肉薄部側へ遠ざかる(直線状光源の軸芯と略垂直方向)につれて厚みが漸次薄くなるような楔形であった。導光板の軸方向に沿った長さ250mm部分の光線透過率を測定したところ、85%であった。
【0190】
導光板の最も広い面の片面に光反射のための白色インクパターンを形成した。この導光板の厚み2.5mm側の端面を入光面として、該端面側に冷陰極管及びランプリフレクタを設置し、、該端面の上に光反射シートを設置してバックライトユニットを作製した。
【0191】
冷陰極管を1500時間連続点灯させた後、導光板の着色度(イエローインデックス)を測定し、また、ランプリフレクタの曇り状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0192】
[実施例2]
HALSとして、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物〔HALS(H);Mn=3550〕を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0193】
[実施例3]
HALSとして、ポリ[{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]〔HALS(H):Mn=2550〕を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0194】
[比較例1]
HALSとして、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔HALS(H);Mn=481〕を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0195】
[比較例2]
HALSとして、ビス(2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル}ブチルマロネート〔HALS(H);Mn=685〕を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0196】
[比較例3]
HALSとして、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6,−ペンタメチル−ピペリジルセバケート混合物〔HALS(H);Mn=509〕を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0197】
[比較例4]
HALS(H)の添加量を0.2重量部から25重量部に変えた以外は実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表1に示す。
【0198】
【表1】
Figure 0004277525
【0199】
[実施例4]
実施例1において、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表2に示す。
【0200】
[実施例5]
実施例1において、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表2に示す。
【0201】
[実施例6]
実施例1において、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表2に示す。
【0202】
【表2】
Figure 0004277525
【0203】
[実施例7]
実施例1において、製造例1で製造したビニル芳香族重合体水素化物に代えて、製造例2で製造したブロック共重合体(BL)を用いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表3に示す。
【0204】
[実施例8]
実施例1において、製造例1で製造したビニル芳香族重合体水素化物に代えて、製造例3で製造したブロック共重合体(BL)を用いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表3に示す。
【0205】
[実施例9]
実施例1において、製造例1で製造したビニル芳香族重合体水素化物に代えて、製造例4で製造したブロック共重合体(BL)を用いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表3に示す。
【0206】
【表3】
Figure 0004277525
【0207】
[実施例10]
実施例7において、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例7と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表4に示す。
【0208】
[実施例11]
実施例7において、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例7と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表4に示す。
【0209】
[実施例12]
実施例7において、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール〔紫外線吸収剤(U)〕0.1部を更に添加したこと以外は、実施例7と同様に樹脂組成物を製造し、そして、該樹脂組成物を用いて導光板を作製して評価した。結果を表4に示す。
【0210】
【表4】
Figure 0004277525
【産業上の利用可能性】
【0211】
本発明によれば、透明性、耐熱性、及び加工安定性に優れ、光を透過させて長期に使用しても着色せず、ガスの発生もない樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、該樹脂組成物を成形してなる、透明性、耐熱性、及び耐光性に優れ、ガスの発生がない導光板が提供される。本発明の導光板は、面発光照明装置用導光板として液晶表示装置の技術分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】 図1は、液晶表示装置のエッジ式バックライトの一例の断面図である。

Claims (13)

  1. ビニル脂環式炭化水素重合体を含有する樹脂組成物であって、ビニル脂環式炭化水素重合体が、
    下記式(1)
    Figure 0004277525
    〔式中、Xは、脂環式炭化水素基であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、および極性基で置換された鎖状炭化水素基である。〕
    で表される構造の繰り返し単位〔1〕を主鎖中に50重量%以上含有する、炭素−炭素不飽和結合の含有量が全炭素−炭素結合の20%以下の、単独重合体または共重合体であり、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定した数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000のヒンダードアミン系耐光安定剤0.01〜20重量部、及び30℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する(i)軟質重合体を含む配合剤0.1〜10重量部を含有する樹脂組成物。
  2. ヒンダードアミン系耐光安定剤が、融点20℃以上のものである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ヒンダードアミン系耐光安定剤が、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した構造を有するヒンダードアミン系耐光安定剤である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. ヒンダードアミン系耐光安定剤が、ピペリジン環がエステル結合を介して複数結合した構造を有するヒンダードアミン系耐光安定剤である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 紫外線吸収剤を更に含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 紫外線吸収剤が、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、及び2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 配合剤が、(ii)アルコール性化合物、及び(iii)有機または無機フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種の配合剤を更に含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  8. ビニル脂環式炭化水素重合体が、ビニル芳香族化合物の重合体の水素化物である請求項1記載の樹脂組成物。
  9. ビニル脂環式炭化水素重合体が、ビニル芳香族化合物と、該ビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体との共重合体の水素化物である請求項1記載の樹脂組成物。
  10. ビニル脂環式炭化水素重合体が、
    下記式(3)
    Figure 0004277525
    〔式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基であり、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜20個のアルコキシ基、またはハロゲン原子である。〕
    で表わされる繰り返し単位〔3〕を含有する重合体ブロック〔A〕、及び
    下記式(5)
    Figure 0004277525
    〔式中、R15は、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基である。〕
    で表わされる繰り返し単位〔5〕及び/または下記式(6)
    Figure 0004277525
    〔式中、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜20個のアルキル基である。〕
    で表わされる繰り返し単位〔6〕とを含有する重合体ブロック〔B〕を含有するブロック共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  11. ブロック共重合体が、重合体ブロック〔B〕中に前記繰り返し単位〔3〕を更に含有するものであって、重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔3〕のモル分率a(モル%)と重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔3〕のモル分率b(モル%)とが、a>bの関係にある請求項10記載の樹脂組成物。
  12. ブロック共重合体の重合体ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数をm、重合体ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル数をmとしたとき、その比(m:m)が4:96〜96:4である請求項10記載の樹脂組成物。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる導光板。
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