JP2002053631A - 新規なブロック共重合体及び光学式情報記録媒体 - Google Patents

新規なブロック共重合体及び光学式情報記録媒体

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JP2002053631A
JP2002053631A JP2000237488A JP2000237488A JP2002053631A JP 2002053631 A JP2002053631 A JP 2002053631A JP 2000237488 A JP2000237488 A JP 2000237488A JP 2000237488 A JP2000237488 A JP 2000237488A JP 2002053631 A JP2002053631 A JP 2002053631A
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block copolymer
block
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polymer
mol
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JP2000237488A
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Atsushi Sone
篤 曽根
Tsutomu Nagamune
勉 長宗
Masakazu Hashimoto
昌和 橋本
Toru Murata
徹 村田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低複屈折性、機械強度、及び光線透過性に優
れた新規なブロック共重合体、該ブロック共重合体の製
造方法、該ブロック共重合体の組成物、該組成物を成形
してなる成形体、該成形体を成形してなる光学式情報記
録媒体を提供すること。 【解決手段】 脂環構造を有する繰り返し単位を特定量
以上含有する重合体ブロック〔A〕及び、ビニル化合物
由来の繰り返し単位を特定量以上含有する重合体ブロッ
ク〔B〕を有するブロック共重合体であって、重合体ブ
ロック〔B〕中にも、脂環構造を有する繰り返し単位を
特定量含有するブロック共重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環構造を含有す
る新規なブロック共重合体、該共重合体を成形してなる
光学式情報記録媒体用基板、及び光学式情報記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン等の芳香族ビニル系重合体
の芳香環を水素化して得られる芳香族ビニル系重合体水
素化物や、芳香族ビニル化合物とビニル化合物の共重合
体を水素化して得られる芳香族ビニル系共重合体水素化
物が知られている。例えば、特開平1−317728号
公報に報告されているように、水素化ポリスチレン樹脂
や、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合
体の水素化物などの重合体水素化物は、複屈折が小さ
く、光ディスク用の成形材料として適している。
【0003】光ディスクの記録密度をさらに高めるため
に、薄型基板を2枚以上貼り合せたり、短波長レーザー
を用いて情報の記録及び再生を行うことが提案されてい
る。このような高記録密度の光ディスク基板には、高い
機械強度と優れた光線透過率が要求される。しかし、上
記の重合体水素化物では、機械強度、特に曲げ強度が低
く、複屈折や光線透過率も改善が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低複
屈折性、機械強度、及び光線透過性に優れた新規なブロ
ック共重合体、該共重合体を含有してなるブロック共重
合体組成物、該ブロック共重合体組成物を成形してなる
成形体、該成形体を用いてなる光学式情報記録媒体を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ビニル化合
物由来の繰り返し単位を多く含む重合体ブロック〔A〕
と、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を重合体ブ
ロック〔A〕より少なく含む重合体ブロック〔B〕とを
有するブロック共重合体を水素化し、芳香環に水素を付
加することによって、低複屈折、機械強度、及び光線透
過性に優れるポリマーが得られることを見出し、この知
見に基いて本発明を完成するに至った。
【0006】かくして本発明によれば、重合体ブロック
〔A〕及び重合体ブロック〔B〕を有するブロック共重
合体であって、前記重合体ブロック〔A〕は、下記式
(1)で表される繰り返し単位〔1〕を50モル%以上
含有する重合体ブロックであり、前記重合体ブロック
〔B〕は、前記繰り返し単位〔1〕と、下記式(2)で
表される繰り返し単位〔2〕又は/及び下記式(3)で
表される繰り返し単位〔3〕とを含有し、該重合体ブロ
ック〔B〕中の繰り返し単位〔2〕のモル分率m(モ
ル%)、及び、繰り返し単位〔3〕のモル分率m(モ
ル%)が、2×m+m≧2(モル%)の関係にある
重合体ブロックであり、ブロック〔A〕中の繰り返し単
位〔1〕のモル分率a(モル%)、及び、ブロック
〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率b(モル%)
が、a>bであるブロック共重合体が提供される。
【0007】
【化4】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のアル
キル基を表し、R−R 12はそれぞれ独立に、水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭
素数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン基であ
る。)
【0008】
【化5】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
アルキル基を表す。)
【0009】
【化6】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0010】また、本発明によれば、ブロック共重合体
中における、ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位
のモル数mと、ブロック〔B〕を構成する全繰り返し
単位のモル数mの比(m:m)が5:95〜9
5:5である、前記のブロック共重合体が提供される。
また、本発明によれば、芳香族ビニル化合物を50モル
%以上含有するモノマー混合物〔a’〕を重合して重合
体ブロック〔A’〕を得る工程、及び、ビニル系モノマ
ーを2モル%以上含有し、芳香族ビニル化合物を、モノ
マー混合物〔a’〕中の割合よりも少ない割合で含有す
るモノマー混合物〔b’〕を重合して重合体ブロック
〔B’〕を得る工程を少なくとも経て、重合体ブロック
〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕を有するブロック
共重合体を得、次いで、該ブロック共重合体中の芳香環
を水素化することを含むブロック共重合体の製造方法が
提供される。さらに本発明によれば、前記のブロック共
重合体を含有してなるブロック共重合体組成物、該ブロ
ック共重合体組成物を成形して成る成形体、該ブロック
共重合体組成物の層を有する積層体、光学式情報記録媒
体である該積層体、光ディスクである該光学式情報記録
媒体がそれぞれ提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】1.ブロック共重合体 本発明のブロック共重合体は、重合体ブロック〔A〕及
び重合体ブロック〔B〕を有するものである。重合体ブ
ロック〔A〕は、下記式(1)で表される繰り返し単位
〔1〕を含有する。重合体ブロック〔A〕中の繰り返し
単位〔1〕の含有量は、50モル%以上、好ましくは7
0モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
【0012】
【化7】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のアル
キル基を表し、R−R 12はそれぞれ独立に、水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭
素数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン基である。
尚、前記〔R−R12〕は、R,R,R,…,
及びR12である。以降同じ)
【0013】上記式(1)で表される繰り返し単位
〔1〕の好ましい構造は、Rが水素又はメチル基で、
−R12が水素のものである。重合体ブロック
〔A〕中の繰り返し単位〔1〕の含有量が少なすぎる
と、機械強度が低下する。したがって、繰り返し単位
〔1〕の含有量が上記範囲にあると、低複屈折性、光線
透過性、及び機械強度に優れる。重合体ブロック〔A〕
における、前記繰り返し単位〔1〕以外の残部は、鎖状
共役ジエンや鎖状ビニル化合物由来の繰り返し単位であ
る。
【0014】重合体ブロック〔B〕は、上記繰り返し単
位〔1〕と、下記式(2)で表される繰り返し単位
〔2〕又は/及び下記式(3)で表される繰り返し単位
〔3〕とを含有する。重合体ブロック〔B〕中の繰り返
し単位〔1〕の含有量は、好ましくは40〜95モル
%、より好ましくは50〜90モル%である。繰り返し
単位〔1〕の含有量が上記範囲にあると、光線透過率
性、低複屈折性、及び機械強度に優れる。ブロック
〔B〕中の繰り返し単位〔2〕のモル分率をm(モル
%)、及び、繰り返し単位〔3〕のモル分率をm(モ
ル%)としたときに、2×m+mが2モル%以上、
好ましくは5〜60モル%、より好ましくは10〜50
モル%である。
【0015】
【化8】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
アルキル基を表す。)
【0016】上記式(2)で表される繰り返し単位
〔2〕の好ましい構造は、R13が水素又はメチル基の
ものである。
【0017】
【化9】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0018】上記式(3)で表される繰り返し単位
〔3〕の好ましい構造は、R14が水素で、R15がメ
チル基又はエチル基のものである。
【0019】重合体ブロック〔B〕中の、前記繰り返し
単位〔2〕または繰り返し単位〔3〕の含有量が少なす
ぎると、機械強度が低下する。したがって、繰り返し単
位〔2〕及び繰り返し単位〔3〕の含有量が上記範囲に
あると、低複屈折性、光線透過率性、及び機械強度に優
れる。重合体ブロック〔B〕は、さらに、下記式(X)
で表される繰り返し単位〔X〕を含有していてもよい。
繰り返し単位〔X〕の含有量は、本発明のブロック共重
合体の特性を損なわない範囲の量であり、通常は、ブロ
ック共重合体全体に対し、30モル%以下、好ましくは
20モル%以下である。
【0020】
【化10】 (式中、R25は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R26はニトリル基、アルコキシカル
ボニル基、ヒドロカルボニル基、ヒドロキシカルボニル
基、またはハロゲン基を表し、R27は水素原子を表
す。または、R26とR27とは相互に結合して、酸無
水物基、またはイミド基を形成してもよい。)
【0021】また、本発明のブロック共重合体は、重合
体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率を
a、重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモ
ル分率をbとした場合に、a>bである。a>bとする
ことにより、低複屈折性、光線透過性、及び機械強度に
優れる。
【0022】さらに、本発明のブロック共重合体は、ブ
ロック〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数を
、ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル
数をmとした場合に、その比(m:m)が、5:
95〜95:5、好ましくは30:70〜95:5、よ
り好ましくは40:60〜90:10である。(m
)が上記範囲にある場合に、機械強度、耐熱性に優
れる。
【0023】本発明のブロック共重合体の分子量は、ゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、G
PC)により測定されるポリスチレン換算重量平均分子
量(Mw)で、10,000〜300,000、好まし
くは15,000〜250,000、より好ましくは2
0,000〜200,000の範囲である。ブロック共
重合体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、
機械強度、耐熱性、成形性のバランスに優れる。
【0024】ブロック共重合体の分子量分布は、使用目
的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定される
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好
ましくは4以下、より好ましくは3以下の範囲である。
Mw/Mnがこの範囲にあると、機械強度や耐熱性に優
れる。
【0025】ブロック共重合体のガラス転移温度(T
g)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、示
差走査型熱量計(DSC)による、高温側の測定値で、
通常70℃〜150℃、好ましくは80℃〜140℃、
より好ましくは90℃〜130℃である。
【0026】2.ブロック共重合体の製造方法 本発明のブロック共重合体は、例えば、以下の方法によ
り得ることができる。すなわち、 (1)芳香族ビニル化合物又は/及び環に不飽和結合を
有する脂環族ビニル化合物を50モル%以上含有するモ
ノマー混合物〔a’〕を重合して、芳香族ビニル化合物
又は/及び前記の環に不飽和結合を有する脂環族ビニル
化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック
〔A’〕を得る工程、及び、ビニル系モノマーを2モル
%以上含有し、且つ、芳香族ビニル化合物又は/及び環
に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物をモノマー混
合物〔a’〕中の割合よりも少ない割合の量で含有する
モノマー混合物〔b’〕を重合して、芳香族ビニル化合
物又は/及び前記脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単
位とビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重
合体ブロック〔B’〕を得る工程を少なくとも経て、前
記重合体ブロック〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕
を有するブロック共重合体を得、該ブロック共重合体の
芳香環又は/及び脂肪族環を水素化することを含む方法
【0027】(2)飽和脂環族ビニル化合物を50モル
%以上含有するモノマー混合物〔a〕を重合して、脂環
族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブ
ロック〔A〕を得る工程、及び、ビニル系モノマーを2
モル%以上含有し、且つ、飽和脂環族ビニル化合物をモ
ノマー混合物〔a〕中の割合よりも少ない割合の量で含
有するモノマー混合物〔b〕を重合して、脂環族ビニル
化合物由来の繰り返し単位とビニル系モノマー由来の繰
り返し単位を含有する重合体ブロック〔B〕を得る工程
を少なくとも経て、前記重合体ブロック〔A〕及び重合
体ブロック〔B〕を有するブロック共重合体を得る方法
【0028】上記方法の中で、モノマーの入手容易性、
重合収率、重合体ブロック〔B’〕への繰り返し単位
〔1〕の導入のし易さ等の観点から、上記(1)の方法
がより好ましい。
【0029】上記(1)の方法において使用する芳香族
ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレ
ン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メ
チルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−
t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フ
ェニルスチレン等や、ヒドロキシル基、アルコキシ基な
どの置換基を有するもの等が挙げられ、スチレン、2−
メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン等が好ましい。
【0030】上記(1)方法において使用する不飽和脂
環族ビニル系化合物の具体例としては、シクロヘキセニ
ルエチレン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、及
びα−t−ブチルシクロヘキセニルエチレン等や、ハロ
ゲン基、アルコキシ基、又はヒドロキシル基等の置換基
を有するもの等が挙げられる。
【0031】これらの芳香族ビニル化合物及び脂環族ビ
ニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることもできるが、本発明において
は、モノマー混合物〔a’〕及び〔b’〕のいずれに
も、芳香族ビニル化合物を用いるのが好ましく、中で
も、スチレン又はα−メチルスチレンを用いるのがより
好ましい。
【0032】上記方法で使用するビニル系モノマーは、
鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物である。
【0033】鎖状ビニル化合物の具体例としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の鎖状オレフィンモノ
マー等が挙げられ、中でも、鎖状オレフィンモノマーが
好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテンが最も好
ましい。
【0034】鎖状共役ジエンは、例えば、ブタジエン
(1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン)、イソプ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げら
れる。これら鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエンの中
でも鎖状共役ジエンが好ましく、ブタジエン、イソプレ
ンが特に好ましい。これらの鎖状ビニル化合物及び鎖状
共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0035】上記のモノマーを含有するモノマー混合物
を重合する場合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオ
ン重合等のいずれの方法で重合反応を行ってもよいが、
本発明のブロック共重合体を得るためには、アニオン重
合によるのが好ましく、不活性溶媒の存在下にリビング
アニオン重合を行うのが最も好ましい。
【0036】アニオン重合は、重合開始剤の存在下、通
常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃、特に
好ましくは20℃〜80℃の温度範囲において行う。開
始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウ
ム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム、ジリチ
オメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2
−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合
物などが使用可能である。
【0037】使用する不活性溶媒としては、例えば、n
−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、iso−オクタン等の脂肪族炭化
水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環
式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
類等が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素類や脂環式炭化
水素類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒として
そのまま使用することができる。これらの溶媒は、それ
ぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用で
き、通常、全使用モノマー100重量部に対して200
〜10,000重量部となるような割合で用いられる。
【0038】それぞれの重合体ブロックを重合する際に
は、各ブロック内で、或る1成分の連鎖が長くなるのを
防止するために、重合促進剤やランダマイザーなどを使
用することができる。特に重合反応をアニオン重合によ
り行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザ
ーとして使用できる。ルイス塩基化合物の具体例として
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル
等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第
3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カ
リウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキ
シド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化
合物が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それ
ぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0039】リビングアニオン重合によりブロック共重
合体を得る方法は、従来公知の、逐次付加重合反応法及
びカップリング法などが挙げられるが、本発明において
は、逐次付加重合反応法を用いるのが好ましい。
【0040】逐次付加重合反応法により、重合体ブロッ
ク〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕を有する上記ブ
ロック共重合体を得る場合には、重合体ブロック
〔A’〕を得る工程と、重合体ブロック〔B’〕を得る
工程は、順次連続して行われる。具体的には、不活性溶
媒中で、上記リビングアニオン重合触媒存在下、モノマ
ー混合物〔a’〕を重合して重合体ブロック〔A’〕を
得、引き続きその反応系にモノマー混合物〔b’〕を添
加して重合を続け、重合体ブロック〔A’〕とつながっ
た重合体ブロック〔B’〕を得る。
【0041】得られたブロック共重合体は、例えばスチ
ームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固
法等の公知の方法によって回収する。重合反応におい
て、水素化反応で不活性な溶媒を用いた場合には、重合
溶液そのままを水素化反応工程にも使用することができ
るので、重合溶液からブロック共重合体を回収しなくて
もよい。
【0042】上記(1)の方法において得られる、重合
体ブロック〔A’〕及び重合体ブロック〔B’〕を有す
るブロック共重合体(以下、水素化前ブロック共重合体
という。)のうち下記の構造の繰り返し単位を有するも
のが好ましい。
【0043】好ましい水素化前ブロック共重合体を構成
する重合体ブロック〔A’〕は、下記式(4)で表され
る繰り返し単位〔4〕を50モル%以上含有する重合体
ブロックである。
【0044】
【化11】 (式中、R16は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R17−R21は、それぞれ独立に、
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン基であ
る。尚、上記〔R −R21〕は、R17,R18
…,及びR21を表す。)
【0045】また、好ましい重合体ブロック〔B’〕
は、前記繰り返し単位〔4〕を必ず含み、下記式(5)
で表される繰り返し単位〔5〕及び下記式(6)で表さ
れる繰り返し単位〔6〕のいずれかを少なくとも1つ含
む重合体ブロックである。また、重合体ブロック
〔A’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率をa’、ブ
ロック〔B’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率を
b’とした場合、a’>b’である。
【0046】
【化12】 (式中、R22は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表す。)
【0047】
【化13】 (式中、R23は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R24は水素原子、炭素数1〜20の
アルキル基またはアルケニル基を表す。)
【0048】さらに、ブロック〔B’〕中には、下記式
(Y)で示される繰り返し単位〔Y〕を含有していても
よい。
【0049】
【化14】 (式中、R28は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R29はニトリル基、アルコキシカル
ボニル基、ヒドロカルボニル基、ヒドロキシカルボニル
基、またはハロゲン基を表し、R30は水素原子を表
す。または、R29とR30とは相互に結合して、酸無
水物基、またはイミド基を形成してもよい。)
【0050】さらに、好ましい水素化前ブロック共重合
体は、ブロック〔A’〕を構成する全繰り返し単位のモ
ル数をm、ブロック〔B’〕を構成する全繰り返し単
位のモル数をmとした場合に、その比(m’:
’)が、5:95〜95:5、好ましくは30:7
0〜95:5、より好ましくは40:60〜90:10
である。(m’:m’)が上記範囲にある場合に、
機械強度や耐熱性に優れる。
【0051】好ましい水素化前ブロック共重合体の分子
量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(以下、GPC)により測定されるポリスチレン換算重
量平均分子量(Mw)で、12,000〜400,00
0、好ましくは19,000〜350,000、より好
ましくは25,000〜300,000の範囲である。
ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が過度に小
さいと、機械強度が低下し、過度に大きいと、水素添加
率が低下する。
【0052】好ましい水素化前のブロック共重合体の分
子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GP
Cにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレ
ン)換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは
4以下、より好ましくは3以下の範囲である。Mw/M
nがこの範囲にあると、水素添加率が向上する。
【0053】好ましい水素化前のブロック共重合体のガ
ラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択さ
れればよいが、示差走査型熱量計(DSC)による高温
側の測定値で、通常70℃〜150℃、好ましくは80
℃〜140℃、より好ましくは90℃〜130℃であ
る。
【0054】不飽和結合の水素化方法 上記の、水素化前のブロック共重合体の、芳香環やシク
ロアルケン環などの不飽和環の炭素−炭素不飽和結合、
及び主鎖や側鎖の不飽和結合等を水素化する方法及び反
応形態に特別な制限はなく、公知の方法にしたがって行
えばよいが、水素化率を高くでき、重合体鎖切断反応の
少ない水素化方法が好ましく、例えば、有機溶媒中、ニ
ッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウ
ム、白金、ルテニウム、及びレニウムから選ばれる少な
くとも1つの金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げら
れる。水素化触媒は、不均一系触媒、均一系触媒のいず
れも使用可能である。
【0055】不均一系触媒は、金属または金属化合物の
ままで、又は適当な担体に担持して用いることができ
る。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミ
ナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニ
ア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、触媒の担持量
は、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.05〜
60重量%の範囲である。均一系触媒は、ニッケル、コ
バルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物(例え
ば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)と
を組み合わせた触媒、またはロジウム、パラジウム、白
金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体触媒を用い
ることができる。ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄
化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトン
塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シク
ロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有機
アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアル
ミニウム等が好適に用いられる。
【0056】有機金属錯体触媒の例としては、上記各金
属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリ
ス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ
−トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体が使用さ
れる。これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、或いは
2種類以上組み合わせて使用することができ、その使用
量は、重合体100重量部に対して、通常、0.01〜
100重量部、好ましくは0.05〜50重量部、より
好ましくは0.1〜30重量部である。
【0057】水素化反応は、通常10℃〜250℃であ
るが、水素化率を高くでき、且つ、重合体鎖切断反応を
小さくできるという理由から、好ましくは50℃〜20
0℃、より好ましくは80℃〜180℃である。また水
素圧力は、通常0.1MPa〜30MPaであるが、上
記理由に加え、操作性の観点から、好ましくは1MPa
〜20MPa、より好ましくは2MPa〜10MPaで
ある。
【0058】このようにして得られた、ブロック共重合
体の水素化率は、H−NMRによる測定において、主
鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環やシクロア
ルケン環の炭素−炭素不飽和結合のいずれも、通常90
%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%
以上である。水素化率が低いと、得られる共重合体の低
複屈折性、熱安定性等が低下する。
【0059】水素化反応終了後、ブロック共重合体は、
例えば濾過、遠心分離等の方法により反応溶液から水素
化触媒を除去した後、溶媒を直接乾燥により除去する方
法、反応溶液を、ブロック共重合体にとっての貧溶媒中
に注ぎ、凝固させる方法等によって回収できる。
【0060】以上の方法により得られた本発明のブロッ
ク共重合体は、必要に応じて各種配合剤を配合してブロ
ック共重合体組成物とすることができる。ブロック共重
合体に配合することができる配合剤は格別限定はない
が、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫
外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑
剤などの樹脂改質剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防
止剤、難燃剤、フィラーなどが挙げられる。これらの配
合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いる
ことができ、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲
で適宜選択される。
【0061】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙
げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特に
アルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これ
らの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水
性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による
成形物の着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防
止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を
損なわれない範囲で適宜選択されるが、ブロック共重合
体100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好
ましくは0.01〜1重量部である。
【0062】また本発明においては、ブロック共重合体
に、(1)軟質重合体、(2)アルコール性化合物、
(3)有機または無機フィラーからなる群から選ばれる
少なくとも1種類の配合剤を配合することにより、透明
性、低吸水性、機械的強度などの諸特性を低下させるこ
となく、長時間の高温高湿度環境下での白濁を防止で
き、これらの中でも、軟質重合体、及び、アルコール性
化合物が、高温高湿度環境下における白濁防止効果とブ
ロック共重合体組成物の透明性に優れるため好ましい。
【0063】軟質重合体の具体例としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体
(EPDM)などのオレフィン系軟質重合体; ポリイ
ソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチ
レン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合
体; ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・
スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンラン
ダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプ
レン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプ
レン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系軟質
重合体;
【0064】ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリ
シロキサンなどのケイ素含有軟質重合体; ポリブチル
アクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロ
キシエチルメタクリレートなどのアクリル系軟質重合
体; ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビ
ニル・スチレン共重合体などのビニル系軟質重合体;ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質軟質重合体;フ
ッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレン
ゴム、などのフッ素系軟質重合体; 天然ゴム、ポリペ
プチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系
熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが
挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有した
ものであってもよく、また、変性反応により官能基を導
入したものでもよい。
【0065】上記軟質重合体の中でもジエン系軟質重合
体が好ましく、特に該軟質重合体の炭素−炭素不飽和結
合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟
性、分散性の点で優れる。
【0066】(2)アルコール性化合物 アルコール性化合物は、分子内に少なくとも1つの非フ
ェノール性水酸基を有する化合物で、好適には、少なく
とも1つの水酸基と少なくとも1つのエーテル結合又は
エステル結合を有するものである。このような化合物の
具体例としては、例えば2価以上の多価アルコール、よ
り好ましくは3価以上の多価アルコール、さらに好まし
くは3〜8個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基
の1つがエーテル化またはエステル化されたアルコール
性エーテル化合物やアルコール性エステル化合物が挙げ
られる。
【0067】このようなアルコール性化合物として、例
えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモ
ノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリ
ンジラウレート、ペンタエリスリトールモノステアレー
ト、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリ
スリトールモノベヘレート、ペンタエリスリトールジス
テアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペン
タエリスリトールトリステアレート、ジペンタエリスリ
トールジステアレートなどの多価アルコール性エステル
化物;3−(オクチルオキシ)−1,2−プロパンジオ
ール、3−(デシルオキシ)−1,2−プロパンジオー
ル、3−(ラウリルオキシ)−1,2−プロパンジオー
ル、3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロ
パンジオール、1,6−ジヒドロオキシ−2,2−ジ
(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニルフェニルオキ
シ)−4−オキソヘプタン、p−ノニルフェニルエーテ
ルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反応に
より得られるアルコール性エーテル化合物、p−オクチ
ルフェニルエーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリ
シドールの反応により得られるアルコール性エーテル化
合物、p−オクチルフェニルエーテルとジシクロペンタ
ジエンの縮合体とグリシドールの反応により得られるア
ルコール性エーテル化合物などが挙げられる。これらの
多価アルコール性化合物は単独でまたは2種以上を組み
合わせて使用される。これらの多価アルコール性化合物
の分子量は特に限定されないが、通常500〜200
0、好ましくは800〜1500のものが、透明性の低
下も少ない。
【0068】上記化合物の配合量は、化合物の種類に応
じて異なるが、一般に、配合量が多すぎれば、ブロック
共重合体組成物のガラス転移温度や透明性が大きく低下
し、光学材料などとして使用するのに不適である。また
配合量が少なすぎれば、高温高湿下において成形物の白
濁を生じる場合がある。配合量は、ブロック共重合体1
00重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ま
しくは0.02〜5重量部、特に好ましくは0.05〜
2重量部である。
【0069】ブロック共重合体に上記配合剤を配合する
方法は、例えばミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベ
ンダー、押出機などでブロック共重合体を溶融状態にし
て配合剤と混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散さ
せ凝固する方法などが挙げられる。二軸混練機を用いる
場合、混錬後に通常は溶融状態でストランド状に押し出
し、ペレタイザーにてペレット状にカットして用いられ
ることが多い。
【0070】以上の方法により得られたブロック共重合
体組成物は、成形体に成形して、各種用途に使用するこ
とができる。成形方法としては格別な限定はないが、低
複屈折性、機械強度、寸法精度等に優れた成形物を得る
ためには、溶融成形法を用いるのが好ましい。溶融成形
法としては、射出成形法、押し出し成形法、プレス成形
法、ブロー成形法等が挙げられるが、低複屈折性、寸法
安定性などの観点から、射出成形法が好ましい。成形条
件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、射
出成形法による場合は、ブロック共重合体の溶融温度
が、通常150〜400℃、好ましくは200〜350
℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で適宜選択
される。樹脂温度が過度に低いと流動性が悪化し、成形
品にヒケやひずみを生じ、樹脂温度が過度に高いと樹脂
の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成形
物が黄変するなどの成形不良が発生するおそれがある。
成形体は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、繊維状、
フィルムまたはシート形状など種々の形態で使用するこ
とができる。
【0071】また、上記ブロック共重合体組成物は、該
ブロック共重合体組成物の層を1層以上有する積層体に
することができる。積層体は、上記の板状成形体やフ
ィルムまたはシート状成形体同士を2枚以上貼り合わせ
る方法、上記の板状成形体やフィルムまたはシート状
成形体と、金属、樹脂、紙などの他の材料の層とを積層
する方法、上記ブロック共重合体組成物と、他の熱可
塑性樹脂とを同時に加熱溶融成形する方法(共押し出し
法)などにより得ることができる。
【0072】上記の成形体及び積層体は、透明性、低複
屈折性、機械強度、耐熱性、低吸水性等に優れるため、
種々の用途に使用することができ、具体例としては、光
学式情報記録媒体や磁気記録媒体などの情報記録媒体、
液晶ディスプレイ用導光板、液晶基板、液晶ディスプレ
イ用光拡散板、光カード、光学フィルム、光学レンズ、
包装材、容器、医療用具、プリント基板などの電子部品
が挙げられる。光学レンズの具体例としては、カメラの
撮像系レンズ、ファインダーレンズ、光ディスク用ピッ
クアップレンズ、レーザービームプリンターのfθレン
ズ、センサー用レンズなどが挙げられる。
【0073】光学フィルムの具体例としては、偏光フィ
ルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられ
る。包装材の具体例としては、ラップフィルム、ストレ
ッチフィルム、シュリンクフィルム、プレススルーパッ
ケージ、ブリスターパッケージ、テトラパックなどが挙
げられる。容器の具体例としては、医薬品容器(バイア
ルも含む)、半導体製造用などの薬液容器、化粧品容器
などが挙げられる。医療用具の具体例としては、医療用
の血液検査セル等の各種検査セル、注射器シリンジ、ブ
レフィルドシリンジなどが挙げられる。その他の用途と
しては、パイプやチューブなどが挙げられる。情報記録
媒体の具体例としては、コンパクトディスク(CD)、
読み出し専用光ディスク(CD−ROM)、追記型光デ
ィスク(WORM、CD−R)、書き変え型光ディスク
(MO;光磁気ディスク)、ミニディスク(MD)、デ
ジタル・ビデオ・ディスク(DVD)などの光ディス
ク;光カード;光メモリなどの光学式情報記録媒体;プ
ラスチックハードディスクなどの磁気記録媒体などが挙
げられる。
【0074】本発明のブロック共重合体は、これら用途
の中でも、光学式情報記録媒体に最も好適である。光学
式情報記録媒体は、本発明のブロック共重合体ブロック
共重合体組成物の層を1層のみ有する形態や、2層以上
有する形態の何れでもよく、基板面入射方式(記録、再
生を行うためのレーザー光が基板側から入射する形
態)、膜面入射方式(レーザー光が記録膜面側から入射
する形態)の何れでもよい。
【0075】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げ
て、本発明についてより具体的に説明する。これらの例
中の〔部〕及び〔%〕は、特に断わりのない限り重量基
準である。ただし本発明は、これらの製造例、実施例の
みに限定されるものではない。
【0076】各種の物性の測定は、下記の方法に従って
行った。 (1)ブロック共重合の分子量 テトラヒドロフラン(THF)を溶媒にしてGPCで測
定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
を求めた。 (2)分子量分布 テトラヒドロフラン(THF)を溶媒にしてGPCで測
定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)を求め、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を算出
した。 (3)ガラス転移温度(Tg) JIS K7121に基づいてDSCにて測定し、高温
側の変位点から求められる値を、ブロック共重合体のT
gとした。 (4)水素添加率 ブロック共重合体の、主鎖及び芳香環の水素添加率は、
H−NMRを測定し算出した。 (5)複屈折値 直径85mmの光ディスク基板を成形し、該基板の中心
から半径25mm位置の複屈折値を偏光顕微鏡(ニコン
社製;546nmセナルモンコンペンセータ)にて測定
し、5nm以下であるものを◎、5nmを越え、10n
m以下であるものを○、10nmを越えるものを×とし
た。
【0077】(6)光線透過性 上記ディスクの光線透過率を、可視分光光度計(日本分
光社製のU−30)を用いて測定した。 (7)曲げ強度 長さ127mm、幅12.7mm、厚さ3mmの試験片
を射出成形機で成形し、ASTMD790に基づいて、
ストログラフ(東洋精機製作所社製;V10−B)にて
曲げ強度を測定した。評価は、降伏点強度もしくは破断
強度が500kgf/cm2以上ある場合を◎、破断強
度が500kgf/cm2未満、400kgf/cm2
上ある場合を○、破断強度が400kgf/cm2未満の
場合を×とした。
【0078】〔製造実施例1〕十分に乾燥し窒素置換し
た、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シ
クロヘキサン320部、スチレンモノマー28部、及び
ジブチルエーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌し
ながらn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶
液)0.30部を添加して重合反応を開始した。1時間
重合反応を行った後、反応溶液中に、スチレンモノマー
16部とイソプレンモノマー8部とからなる混合モノマ
ー24部を添加し、さらに1時間重合反応を行った。そ
の後、反応溶液中にスチレンモノマー28部をさらに添
加して、さらに1時間重合反応を行った後、反応溶液に
イソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止
させた。得られたブロック共重合体の重量平均分子量
(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)を測定したとこ
ろ、Mw=122000、Mw/Mn=1.06であっ
た。
【0079】次いで、上記重合反応溶液400部を、攪
拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒とし
て、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工
業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10部を添
加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さら
に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度160℃、圧
力4.5MPaにて8時間水素化反応を行った。水素化
反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した
後、シクロヘキサン800部を加えて希釈し、該反応溶
液を3500部のイソプロパノール(クラス1000の
クリーンルームで、孔径1μmのフィルターにてろ過し
たもの)中に注いでブロック共重合体を析出させ、ろ過
により分離回収し、80℃にて48時間減圧乾燥させ
た。得られたブロック共重合体は、スチレン由来の繰り
返し単位を含有するブロック(以降Stと略記する)、
及びスチレンとイソプレン由来の繰り返し単位を含有す
るブロック(以降St/Ipと略記する)、及びStと
からなる3元ブロック共重合体であり、それぞれのブロ
ックのモル比は、St:St/Ip:St=33:34
(St:Ip=19:15):33であった。該ブロッ
ク共重合体のMwは91200、Mw/Mnは1.1
2、主鎖及び芳香環の水素化率は99.9%、Tgは1
25.5℃であった。
【0080】〔製造実施例2〕製造実施例1で用いたも
のと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン
320部、スチレンモノマー56部、及びジブチルエー
テル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブ
チルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.30
部を添加して重合反応を開始した。1時間重合反応を行
った後、反応溶液中に、スチレンモノマー16部とイソ
プレンモノマー8部とからなる混合モノマー24部を添
加し、さらに1時間重合反応を行った後、反応溶液にイ
ソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止さ
せた。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(M
w)と分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、M
w=131000、Mw/Mn=1.06であった。次
いで、製造実施例1同様に水素化反応を行った。得られ
たブロック共重合体は、StとSt/Ipとからなる2
元ブロック共重合体であり、それぞれのブロックのモル
比は、St:St/Ip=66:19/15であった。
該ブロック共重合体のMwは92300、Mw/Mnは
1.11、水素化率は99.9%、Tgは127.1℃
であった。
【0081】〔製造実施例3〕製造実施例1で用いたも
のと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン
320部、スチレンモノマー3.2部及びジブチルエー
テル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブ
チルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.30
部を添加して重合反応を開始した。2時間重合を行った
後、スチレンモノマー65.6部とイソプレンモノマー
11.2部からなる混合モノマー76.8部を添加し、
さらに1時間反応させた後、イソプロピルアルコール
0.2部を添加して反応を停止させた。得られたブロッ
ク共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(M
w/Mn)を測定したところ、Mw=128000、M
w/Mn=1.07であった。次いで、製造実施例1同
様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体
は、StとSt/Ipとからなる2元ブロック共重合体
であり、それぞれのブロックのモル比は、St:St/
Ip=4:76.8/19.2であった。該ブロック共
重合体のMwは92300、Mw/Mnは1.12、水
素化率は99.9%、Tgは126.5℃であった。
【0082】〔製造比較例1〕製造実施例1で用いたも
のと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン
320部、スチレンモノマー34.4部及びジブチルエ
ーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−
ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.3
0部を添加して重合反応を開始した。1時間重合を行っ
た後、イソプレンモノマー11.2部を添加し、さらに
1時間反応させた。その後、スチレンモノマー34.4
部を添加し、さらに1時間反応させた後、イソプロピル
アルコール0.2部を添加して反応を停止させた。得ら
れたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子
量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw=119
000、Mw/Mn=1.04であった。次いで、製造
実施例1同様に水素化反応を行った。得られたブロック
共重合体は、Stと、イソプレン由来の繰り返し単位を
含有するブロック(以降、Ipと略記する)とStとか
らなる3元ブロック共重合体であり、それぞれのブロッ
クのモル比は、St:Ip:St=40:20:40で
あった。該ブロック共重合体のMwは90900、Mw
/Mnは1.10、水素化率は99.9%、Tgは13
9℃であった。
【0083】〔製造比較例2〕製造実施例1で用いたも
のと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン
320部、スチレンモノマー28.6部とイソプレンモ
ノマー28.1部からなる混合モノマー56.7部、及
びジブチルエーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌
しながらn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン
溶液)0.30部を添加して重合反応を開始した。2時
間重合を行った後、スチレンモノマー9.2部とイソプ
レンモノマー14.1部からなる混合モノマー23.3
部を添加し、さらに1時間反応させた後、イソプロピル
アルコール0.2部を添加して反応を停止させた。得ら
れたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子
量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw=129
000、Mw/Mn=1.08であった。次いで、製造
実施例1同様に水素化反応を行った。得られたブロック
共重合体は、St/IpとSt/Ipとからなる2元ブ
ロック共重合体であり、それぞれのブロックのモル比
は、St/Ip:St/Ip=28/42:9/21で
あった。該ブロック共重合体のMwは92700、Mw
/Mnは1.15、水素化率は99.9%、Tgは11
7.5℃であった。
【0084】〔製造比較例3〕製造実施例1で用いたも
のと同じステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン
320部、スチレンモノマー64.02部及びジブチル
エーテル0.40部を仕込み、60℃で攪拌しながらn
−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.
30部を添加して重合反応を開始した。2時間重合を行
った後、スチレンモノマー15.93部とイソプレンモ
ノマー0.06部からなる混合モノマー15.99部を
添加し、さらに1時間反応させた後、イソプロピルアル
コール0.2部を添加して反応を停止させた。該ブロッ
ク共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(M
w/Mn)を測定したところ、Mw=129000、M
w/Mn=1.05であった。次いで、製造実施例1同
様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体
は、StとSt/Ipとからなる2元ブロック共重合体
であり、それぞれのブロックのモル比は、St:St/
Ip=80:19.9/0.1であった。該ブロック共
重合体のMwは92500、Mw/Mnは1.12、水
素化率は99.9%、Tgは140.5℃であった。
【0085】〔実施例1〕製造実施例1で得られたブロ
ック共重合体100部に対し、軟質重合体(クラレ社
製;セプトン2002)0.2部、及び酸化防止剤(チ
バガイギー社製;イルガノックス1010)0.1部を
それぞれ添加し、2軸混練機(東芝機械社製;TEM−
35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリ
ュー回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィール
ドレート10kg/時間)で混練し、ストランド状に押
し出した。これを水冷してペレタイザーで切断し、ペレ
ット化した。得られたペレットを、空気を流通させた熱
風乾燥機を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去し
た後、射出成形機(住友重機械工業社製;DISC−
3)を用いて、樹脂温度を270℃に、金型温度を10
0℃に設定して、直径85mmの光ディスク基板を成形
し、複屈折値と光線透過率を測定した。金型には、光デ
ィスク用スタンパーを取り付けたものを用いた。さら
に、上記ペレットを用いて前述の試験片を成形し、曲げ
強度を測定した。結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】〔実施例2〕製造実施例2で得られたブロ
ック共重合体を用いた以外は、実施例1同様に光ディス
ク基板、及び試験片を成形し、複屈折値、光線透過率、
曲げ強度を測定して評価した。結果を表1に記載する。
【0088】〔実施例3〕製造実施例3で得られたブロ
ック共重合体を用いた以外は、実施例1同様に光ディス
ク基板、及び試験片を成形し、複屈折値、光線透過率、
曲げ強度を測定して評価した。結果を表1に記載する。
【0089】〔比較例1〕製造比較例1で得られたブロ
ック共重合体を用いた以外は、実施例1同様に光ディス
ク基板、及び試験片を成形し、複屈折値、光線透過率、
曲げ強度を測定して評価した。結果を表1に記載する。
【0090】〔比較例2〕製造比較例2で得られたブロ
ック共重合体を用いた以外は、実施例1同様に光ディス
ク基板、及び試験片を成形し、複屈折値、光線透過率、
曲げ強度を測定して評価した。結果を表1に記載する。
【0091】〔比較例3〕製造比較例3で得られたブロ
ック共重合体を用いた以外は、実施例1同様に光ディス
ク基板、及び試験片を成形し、複屈折値、光線透過率、
曲げ強度を測定して評価した。結果を表1に記載する。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、低複屈折性、機械強
度、及び光線透過性に優れた新規なブロック共重合体、
該ブロック共重合体の製造方法、該ブロック共重合体組
成物、該組成物を成形してなる成形体、及び該成形体を
用いてなる光学式情報記録媒体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 53:00 C08L 53:00 (72)発明者 村田 徹 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15X AA20X AA21X AA22X AA75 AA78 AF14 AF30 AF31 AH12 AH16 BC03 4F100 AA11A AK11J AK12A AK12J AK28A AK28J AL02A AL06A AT00B BA01 BA02 4J002 BP011 BP031 FD200 GB01 GG01 GG02 GP00 GP01 GQ00 GS02 GT00 4J026 HA02 HA06 HA08 HA09 HA20 HA26 HA32 HA39 HA48 HB02 HB03 HB04 HB06 HB08 HB09 HB14 HB15 HB16 HB20 HB26 HB32 HB39 HB42 HB45 HB48 HB50 HE01 4J100 HA04 HE41 HG01 JA36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体ブロック〔A〕及び重合体ブロッ
    ク〔B〕を有するブロック共重合体であって、前記重合
    体ブロック〔A〕は、下記式(1)で表される繰り返し
    単位〔1〕を50モル%以上含有する重合体ブロックで
    あり、前記重合体ブロック〔B〕は、前記繰り返し単位
    〔1〕と、下記式(2)で表される繰り返し単位〔2〕
    又は/及び下記式(3)で表される繰り返し単位〔3〕
    とを含有し、該重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位
    〔2〕のモル分率m(モル%)、及び、繰り返し単位
    〔3〕のモル分率m(モル%)が、2×m+m
    2(モル%)の関係にある重合体ブロックであり、ブロ
    ック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率a(モル
    %)、及び、ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕の
    モル分率b(モル%)が、a>bであるブロック共重合
    体。 【化1】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のアル
    キル基を表し、R−R 12はそれぞれ独立に、水素原
    子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭
    素数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン基であ
    る。) 【化2】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。) 【化3】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
    子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体中における、ブロック
    〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数mと、ブロ
    ック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル数mの比
    (m:m)が5:95〜95:5である、請求項1
    のブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル化合物を50モル%以上含
    有するモノマー混合物〔a’〕を重合して重合体ブロッ
    ク〔A’〕を得る工程、及び、ビニル系モノマーを2モ
    ル%以上含有し、芳香族ビニル化合物をモノマー混合物
    〔a’〕中の割合よりも少ない割合で含有するモノマー
    混合物〔b’〕を重合して重合体ブロック〔B’〕を得
    る工程を少なくとも経て、重合体ブロック〔A’〕及び
    重合体ブロック〔B’〕を有するブロック共重合体を
    得、次いで、該ブロック共重合体中の芳香環を水素化す
    ることを含むブロック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のブロック共重合体を含有
    してなるブロック共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のブロック共重合体組成物
    を成形して成る成形体。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のブロック共重合体組成物
    の層を有する積層体。
  7. 【請求項7】 光学式情報記録媒体である請求項6記載
    の積層体。
  8. 【請求項8】 光ディスクである請求項7記載の光学式
    情報記録媒体。
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