JP2008304691A - レンズシートおよびそれを含む画像表示装置 - Google Patents

レンズシートおよびそれを含む画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
安価に製造できる樹脂を用い、耐熱性に優れ、吸水性が低く、高い透明性および屈折率を有するレンズシートを提供する。
【解決手段】
本発明のレンズシートは、スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体(A)が環化されてなり、前記スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位の少なくとも一部が水素添加されていてもよく、ガラス転移温度が105℃〜200℃である重合体環化物、を含む透明基板を有し、前記透明基板の少なくとも片面に、少なくとも1つのレンズ部が形成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性および寸法安定性に優れ、屈折率が高く、薄肉化が可能なレンズシートに関し、特に、画像表示装置等に使用されるレンズシートに関する。
画像表示装置等に使用されるレンズシートは、表面に微細な多数のレンズ群を配置することにより、入射光を正面方向に向け光の取り出し効率を向上させたり、光を拡散させたり、光を導光させたり、また視野角を広げたりする機能を有する。
レンズシートは一般には熱可塑性透明重合体シートの片面に、プレス成型によってプリズム列を成型したり、透明重合体シートの片面に紫外線硬化型樹脂組成物によってプリズム列を形成したりしたものであり、かかるレンズシートの熱可塑性透明重合体の素材としてはPMMA(ポリメタクリル酸メチル、屈折率:n=1.49),PC(ポリカーボネート、屈折率:n=1.59)等が使用されている。
PMMAは高い透明性と耐光性を有しているものの、吸水により寸法変化し易い、耐衝撃性が低く割れ易い、また比重が大きく重いといった欠点を有している。またPCは高い耐衝撃性と耐熱性を有しているものの、弾性率が低いため、シートを厚くしないと大面積化した際に撓んでしまい、また比重が大きく重いという欠点を有している。
これらの欠点を改良したレンズシートとして、脂環式重合体水添物が提案されている(特許第3422475号(特許文献1)、特開2006−58531号(特許文献2)、特開2006−58522号(特許文献3))。これらの脂環式重合体水添物は、レンズシートとして用いた場合、透明性が高く、低吸水性であり、高耐熱性であるものの、PMMAに比べて耐光性が低く、屈折率が小さいため、レンズの形状に制限を受ける等の欠点を有している。また、原料として使用しているテトラシクロドデセン類の多環モノマーは、その製造が必ずしも容易ではない。
特許第3422475号公報 特開2006−58531号公報 特開2006−58522号公報
従って本発明の目的は、安価に製造できる樹脂を用い、耐熱性に優れ、吸水性が低く、高い透明性および屈折率を有するレンズシートを提供することにある。
従って、本発明者らは上記目的に鑑み鋭意検討した結果、スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体を環化し、ガラス転移温度が105℃〜200℃となる重合体環化物をレンズシートの素材として用いることにより、耐熱性、吸水性、透明性、屈折率等の上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体(A)が環化されてなり、前記スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位の少なくとも一部が水素添加されていてもよく、ガラス転移温度が105℃〜200℃である重合体環化物、を含む透明基板を有し、前記透明基板の少なくとも片面に、少なくとも1つのレンズ部が形成されている、レンズシートに関する。なお、本明細書ではスチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位をそれぞれ単にスチレン誘導体および共役ジエン誘導体とも記す。
また本発明は、少なくとも片面に、光反射処理、光拡散処理または集光処理が施されている、前記レンズシートに関する。
さらに本発明は、環化する前の共重合体(A)中のスチレン誘導体と共役ジエン誘導体のモル含有量比(スチレン誘導体/共役ジエン誘導体)が30/70〜80/20である、前記レンズシートに関する。
また本発明は、重合体環化物の環化率が80%以上である、前記レンズシートに関する。
さらに本発明は、重合体環化物のオレフィン性二重結合が、共重合体(A)中の共役ジエン誘導体に対し10モル%以下である、前記レンズシートに関する。
また本発明は、重合体環化物のスチレン誘導体単位に由来する芳香環が、H−NMRスペクトルにおける水素添加前の芳香族プロトンの積分値を100%としたときの芳香族プロトンの減少率に基づき、30%以上水素添加されている、前記レンズシートに関する。
さらに本発明は、重合体環化物がスチレン誘導体と共役ジエン誘導体とにより形成される環化構造を有する、前記レンズシートに関する。
また本発明は、重合体環化物が下記一般式[I]〜[IV]:
Figure 2008304691
一般式[I]〜[IV]中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはビニル基を示し、R、R、RおよびRのうち隣接する2つの基が互いに結合してベンゼン環を形成していてもよく、X、X、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を示す、で表される構造の少なくとも1つを含む、前記レンズシートに関する。
さらに本発明は、重合体環化物において、H−NMRスペクトルの0〜3ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜3ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)が0.7〜20である、前記レンズシートに関する。
また本発明は、重合体環化物において、H−NMRスペクトルの0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)が0.1〜5.0である、前記レンズシートに関する。
さらに本発明は、前記レンズシートを含む、画像表示装置に関する。
本発明に用いる重合体環化物はスチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体(A)が環化されてなり、必要に応じてスチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位の少なくとも一部が水素添加されてなる。本発明に用いる重合体環化物はガラス転移温度(Tg)が高く、スチレン誘導体、共役ジエン誘導体の種類または環化反応条件により異なるが、Tgを105℃以上とすることができるため、従来の重合体環化物に比べ耐熱性が顕著に向上している。Tgの上限はスチレン誘導体や共役ジエンの種類により異なるが、約200℃である。従来の重合体環化物として、特開昭64−1705号には共役ジエンとしてポリブタジエンまたはポリイソプレンを環化した重合体環化物が記載されているが、72〜96%の高度の環化率にもかかわらず、Tgは102℃以下である。このように、スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体を環化することにより耐熱性、耐吸水性および透明性が顕著に向上した、従来にない耐熱性樹脂が得られる。
重合体環化物のTgは、スチレン誘導体と共役ジエン誘導体の比率(モル含有量比)の調整および環化条件の適切な選択により、より効果的に向上させることができる。本発明に用いる重合体環化物において、Tgの向上は、スチレン重合体のTgが約100℃であることから、単なるスチレンの添加効果によるものではなく、また、上記特開昭64−1705号に示すように共役ジエン重合体の環化だけではTgが大きく上昇しない(102℃以下)ことから、構成成分の共役ジエン誘導体同士の環化のみにより得られたものでもなく、上記の一般式[I]〜[IV]に示すようにスチレン誘導体と共役ジエン誘導体とによる環化構造の形成によるものであり、また、下記の一般式[I’’]〜[IV’’]に示すように、環化構造の形成とともにスチレン誘導体由来の芳香環の水素添加によるものである。
Figure 2008304691
(一般式[I’’]〜[IV’’]中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはビニル基を示し、R、R、RおよびRのうち隣接する2つの基が互いに結合して環を形成していてもよく、X、X、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を示す)。
すなわち、本発明に用いる重合体環化物の環化構造には、下記一般式[V]で表される隣接する共役ジエン同士の環化構造以外に、スチレン誘導体と共役ジエン誘導体とによる環化構造が含まれる。スチレン誘導体と共役ジエン誘導体とによる環化構造は、例えば共重合体(A)に含まれる共役ジエン誘導体由来のオレフィン性二重結合が、環化触媒によりカチオン化され、重合体(A)中の他のオレフィン性二重結合およびスチレン誘導体の芳香環とのフリーデル・クラフツ反応によりアルキル化された二環式ないし多環式の構造であり、具体的には下記の一般式[I’]から一般式[I]へ、一般式[II’]から一般式[II]へ、一般式[III’]から一般式[III]へ、および/または一般式[IV’]から一般式[IV]への反応により環化した構造を含む。これらの一般式[I]〜[IV]で表される構造は嵩高く、耐熱性向上への寄与が大きいと考えられる。
なお、一般式[I]〜[IV]で表されるベンゼン環の1位と2位の炭素原子を含む環化構造は安定な6員環であるため、形成し易いと考えられるが、それ以外の構造、例えばベンゼン環の1位と2位の炭素原子を含む5員環構造、ベンゼン環の1位と3位の炭素原子やベンゼン環の1位と4位の炭素原子を含む環構造を形成してもよい。
Figure 2008304691
本発明に用いる重合体環化物は、スチレン誘導体と共役ジエン誘導体の比率、および環化条件を適切に選択することにより環化率が上昇し、環化率の上昇に伴いTgが上昇することにより耐熱性が向上する。Tgの上昇は、環化率の上昇によりスチレン誘導体と共役ジエン誘導体とによる環化構造の形成が促進されるためと考えられる。
さらに、本発明に用いる重合体環化物は、上記一般式[I]〜[IV]で表される環化物の芳香環がさらに水素添加された、上記一般式[I’’]〜[IV’’]で表される構造を有していてもよい。スチレン誘導体と共役ジエン誘導体との環化構造の形成に加え、スチレン誘導体由来の芳香環の10%以上が水素添加されることにより、Tgが上昇し、耐熱性がさらに向上する。このように本発明に用いる重合体環化物の耐熱性は、スチレン誘導体と共役ジエン誘導体の比率、環化率、スチレン誘導体由来の芳香環の水素添加率等を適宜調整することにより所望する範囲に調節することが可能である。
本発明のレンズシートは上記の重合体環化物を用いるため、該重合体環化物の特性、すなわち、耐熱性が良好であり、吸水性が低く、透明性および屈折率が高い等の優れた特性を有する。したがって、本発明のレンズシートは、以下の効果を奏する。
(1)比重が小さい重合体を用いているため、軽くすることが可能である。
(2)耐熱性が高く、吸水率が小さいため、光源の熱による寸法変化や、水の吸脱着による寸法変化を防ぐことができ、映像の画質変化を抑制することが可能である。
(3)弾性率と耐衝撃性が高度にバランスされているため、薄肉化することが可能である。
(4)廃棄した後、焼却しても有害なガスを発生しない。
(5)透明性が高いため、鮮明な映像を得ることが可能である。
[I]重合体環化物
本発明に用いる重合体環化物は、スチレン誘導体および共役ジエン誘導体を構造単位として含有する共重合体(A)が環化されてなる重合体環化物である。共重合体(A)は、スチレン誘導体および共役ジエン誘導体を含むモノマーを共重合して得られる。
(1)スチレン誘導体
本発明に用いるスチレン誘導体は、例えば一般式[VI]で示される化合物である。
Figure 2008304691
一般式[VI]中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはビニル基を示し、R、R、RおよびRのうち隣接する2つの基が互いに結合してベンゼン環を形成していてもよい。
一般式[VI]で表される化合物の好ましい具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物を挙げることができ、安価で、入手が容易という点でスチレン、α−メチルスチレンまたは4−メチルスチレンがより好ましい。これらのスチレン誘導体は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)共役ジエン誘導体
本発明に用いる共役ジエン誘導体は、例えば一般式[VII]で示される化合物である。
Figure 2008304691
一般式[VII]中、X、X、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を示す。ここで、例えばXまたはXが水素原子の場合、一般式[VII]で表されるモノマーの重合体は、上記一般式[V]で表される環化構造を形成し得る。
一般式[VII]で示される化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の共役ジエン化合物を挙げることができ、安価で、入手が容易という点で1,3−ブタジエンまたはイソプレンがより好ましい。これらの共役ジエン誘導体は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる共重合体(A)は、上記のスチレン誘導体および共役ジエン類を任意に組み合わせて重合した共重合体であってよい。共重合体(A)の具体例としてはスチレン−イソプレン共重合体、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−イソプレン共重合体、α−メチルスチレン−1,3−ブタジエン共重合体、3−(または4−)メチルスチレン−イソプレン共重合体、3−(または4−)メチルスチレン−1,3−ブタジエン共重合体、4−エチルスチレン−イソプレン共重合体、4−エチルスチレン−1,3−ブタジエン共重合体、4−t−ブチルスチレン−イソプレン共重合体、4−t−ブチルスチレン−1,3−ブタジエン共重合体、1−ビニルナフタレン−イソプレン共重合体、1−ビニルナフタレン−1,3−ブタジエン共重合体、ジビニルベンゼン−イソプレン共重合体、ジビニルベンゼン−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−1,3−ペンタジエン共重合体、α−メチルスチレン−1,3−ペンタジエン共重合体、スチレン−2,3−ジメチルブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−2,3−ジメチルブタジエン共重合体、スチレン−2−フェニル−1,3−ブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−2−フェニル−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−2−クロロ−1,3−ブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−2−クロロ−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−1,3−シクロヘキサジエン共重合体、α−メチルスチレン−シクロヘキサジエン共重合体等が挙げられる。
共重合体(A)の構造は特に制限されず、例えばランダム、ブロックおよびテーパードのいずれの共重合体でもよい。共重合体(A)は耐熱性の観点からランダム共重合体が特に好ましい。また、共役ジエンがイソプレンの場合、トランス−1,4−構造単位、シス−1,4−構造単位、1,2−構造単位および3,4−構造単位のいずれの構造単位により構成されていてよく、またこれらの構造単位が単独で構成されていても、2種以上組合されて構成されていてもよい。
本発明に用いる共重合体(A)中のスチレン誘導体と共役ジエン誘導体のモル含有量比(スチレン誘導体/共役ジエン誘導体)は、環化反応後に得られる重合体環化物の耐熱性の観点から、15/85〜90/10の範囲が好ましく、20/80〜90/10の範囲がより好ましく、30/70〜80/20の範囲がさらに好ましく、40/60を超え、80/20以下が特に好ましい。
重合体環化物のスチレン誘導体と共役ジエン誘導体のモル含有比は、スチレン誘導体と共役ジエン誘導体の種類により異なるため、正確に分析することは一般に困難であるが、それらの種類を所定の範囲に特定することにより大体のモル含有比を求めることができる。例えばスチレン誘導体が、スチレン、α−メチルスチレンおよび4−メチルスチレンの少なくとも1種であり、共役ジエン誘導体が1,3−ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも1種である場合には、H−NMRスペクトルからスチレン誘導体と共役ジエン誘導体の大体のモル含有比を求めることができる。即ち、H−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)の0〜3ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜3ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)が約0.7〜20であれば、重合体環化物のスチレン誘導体と共役ジエン誘導体のモル含有比がほぼ15/85〜90/10の範囲にあり、0〜3ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比が約1.0〜12であれば、ほぼ30/70〜80/20の範囲にある。
(3)他の共重合モノマー
本発明に用いる重合体環化物は、スチレン誘導体および共役ジエン誘導体と共重合可能な他のモノマーを構成成分として含有していてもよい。共重合可能なモノマーはビニルモノマーであれば特に制限はなく、具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニルモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、ノルボルネン等のオレフィン類;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;極性基を有するスチレン誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、アリルアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記共重合可能なモノマーをスチレン誘導体および共役ジエン誘導体と共重合する場合、その共重合量はポリマー中の全モノマー単位あたり0.001〜50モル%が好ましく、0.01〜20モル%がより好ましく、0.05〜10モル%が最も好ましい。共重合量が多すぎると、環化反応が進行し難くなる場合がある。
(4)数平均分子量
本発明で使用するスチレン誘導体および共役ジエン誘導体を含有する重合体の数平均分子量は特に限定されないが、得られる重合体環化物の力学的物性や加工性の観点から、約1万〜100万g/モルが好ましい。数平均分子量が小さすぎると機械的強度が不足し、大きすぎると成形が困難になる。ここで、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の分子量を意味する。
(5)環化率
本発明に用いる重合体環化物の環化率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。環化率が低いと得られる重合体環化物の耐熱性が低下する。
ここで、本明細書において環化率とは、共重合体(A)のH−NMRスペクトルから求めたオレフィン性二重結合プロトンの積分値/全プロトンの積分値の割合を基準としたときの、重合体環化物のH−NMRスペクトルから求めたオレフィン性二重結合プロトンの積分値/全プロトンの積分値の割合の減少率(%)により求めた環化率を意味する。
本発明に用いる重合体環化物のH−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)は、0〜1ppmのプロトンの積分値の割合が多いことが特徴である。H−NMRスペクトルにおいて、0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)は0.1〜5.0が好ましく、0.1〜3.0がより好ましく、0.15〜2.0がさらに好ましい。0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比が小さいと、共役ジエン誘導体の含有量が低いか(スチレン誘導体の含有量が高いか)もしくは環化率が低いため、耐熱性が低くなる。一方、0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比が大きいとスチレン誘導体の含有量が低いため、やはり耐熱性が低下してしまう。
(6)水素添加物
(a) オレフィン性二重結合への水素添加
本発明に用いる重合体環化物は、空気中の酸素による劣化防止のため、好ましくは芳香族以外のオレフィン性二重結合が共重合体(A)中の共役ジエン誘導体単位に対し10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、最も好ましくは1モル%以下である。本発明に用いる重合体環化物は、そのH−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)における4〜6ppmのプロトンの積分値と全プロトンの積分値との比率(4〜6ppmのプロトンの積分値/全プロトンの積分値)が好ましくは0.05以下であり、より好ましくは0.01以下である。上記比率が大きいと、オレフィン二重結合の量が多くなり劣化しやすい傾向がある。
(b)スチレン誘導体由来の芳香環への水素添加
本発明に用いる重合体環化物は、上記のオレフィン性二重結合だけでなく、スチレン誘導体由来の芳香環にも水素添加されていてよい。芳香環が水素添加されることにより、ガラス転移温度がさらに上昇し耐熱性が向上する。芳香環の水素添加率は、H−NMRスペクトルにおける水素添加前の芳香族プロトンの積分値を100%としたときの芳香族プロトンの減少率に基づき、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、50%以上が最も好ましい。スチレン誘導体由来の芳香環が水素添加されているかは、H−NMRおよび赤外分光分析測定により調べることができる。
芳香環の水素添加率は、上記のように水素添加反応前後のH−NMRスペクトルから求めることができる。具体的には、下記に示すように内部標準法を用い、水素添加前の芳香族プロトン(6〜8ppm)の積分値を100%としたときの芳香族プロトンの減少率から算出することができる。
芳香環水素添加率(%)=[(B−A)/B]×100・・・(1)
A=水素添加後の6〜8ppmのプロトンの積分値/内部標準物質のプロトンの積分値
B=水素添加前の6〜8ppmのプロトンの積分値/内部標準物質のプロトンの積分値
FT−IR分光分析測定からスチレン誘導体由来の芳香環の水素添加率を測定する場合、IR吸収スペクトルの1450cm−1と756cm−1の強度比(756cm−1の強度/1450cm−1の強度)の減少量から算出することが可能である。ここで756cm−1は芳香環由来の吸収波長(逆数で表示)であり、水素添加率は1450cm−1の吸収強度で規格化している。
また、芳香環を水素添加した場合、FT−IR分光分析測定から得られるIR吸収スペクトルの1450cm−1と1375cm−1の強度比(1375cm−1の強度/1450cm−1の強度)が0.2〜0.8であって、かつ1450cm−1と890cm−1の強度比(890cm−1の強度/1450cm−1の強度)が0.6以下であるのが好ましい。ここで、FT−IR分光分析測定は、サンプルを粉末、プレス成形体、射出成形体、溶融押出シート、キャストフィルム等の形態にして測定する。これらの中でサンプルが粉末の場合はKBr法、薄膜の場合は透過法、厚いサンプルの場合はATR法で測定するのが好ましい。
本発明に用いる重合体環化物のH−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)は、0〜1ppmのプロトンの積分値の割合が多い。0〜1ppmのプロトンの積分値と全プロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/全プロトンの積分値)は0.05〜0.5であるのが好ましく、0.07〜0.3であるのがより好ましい。0〜1ppmのプロトンの積分値と全プロトンの積分値の比が小さすぎると、共役ジエン誘導体の含有量が低いか(スチレン誘導体の含有量が高いか)もしくは環化率が低くなり、耐熱性が低くなる。一方、0〜1ppmのプロトンの積分値と全プロトンの積分値の比が大きすぎるとスチレン誘導体の含有量が低くなり、やはり耐熱性が低下してしまう。
(7)ガラス転移温度(Tg)
本発明に用いる重合体環化物は、環化反応前に比べTgが著しく上昇する。Tgの上昇は共重合体(A)中の隣接する共役ジエン誘導体ユニット同士の環化反応だけでなく、隣接するスチレン誘導体ユニットと共役ジエン誘導体ユニットの環化反応が起きていること、さらには芳香環が水素添加、好ましくは10%以上水素添加されていることによる。
Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)により測定することができる。まずサンプルを窒素気流下、25℃から10℃/分で200℃まで昇温し、DSCカーブを得る。次に、図1に示すDSCカーブの中央接線4と転移前のベースライン5の交点を通り温度軸2に対して平行な平行線7と、中央接線4と転移後のベースライン6の交点を通り温度軸2に対して平行な平行線8を引く。本明細書では、この2本の平行線7、8を2等分する平行線9とDSCカーブの交点における温度3をTgと定義する。
Tgは用いる樹脂、環化触媒の種類や量、反応温度、反応圧力、反応時間等の条件により、所望する温度に調整することが可能であるが、重合体環化物の耐熱性および強度の観点から105℃〜200℃が好ましく、105℃〜190℃がより好ましく、108℃〜180℃がさらに好ましく、110℃〜150℃が特に好ましい。Tgが低いと耐熱性が不足し、高過ぎると重合体環化物が脆くなる。
(8)全光線透過率
本発明に用いる重合体環化物は、レンズシートとするため、全光線透過率が高い方が好ましい。重合体環化物の全光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。
(9)吸水率
本発明に用いる重合体環化物は、レンズシートの寸法安定性の観点から吸水率が低い方が好ましい。重合体環化物の吸水率は、60℃、90%RH雰囲気下に置いたときの飽和吸水率として0.3重量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好ましく、0.05重量%以下が最も好ましい。
(10)比重
本発明に用いる重合体環化物は、比重が大きいとレンズシートにした場合に重量が嵩み、適用範囲が狭くなる。したがって、重合体環化物(レンズシート)の比重は1.0以上で1.10未満が好ましく、1.0以上で1.05以下がより好ましい。
(11)屈折率
本発明に用いる重合体環化物の屈折率は、レンズシートとするため、1.50以上であるのが好ましく、1.52以上であるのがより好ましい。屈折率が大きいとレンズシートに用いた場合に成形体を薄くすることができる。
(12)光弾性係数
本発明に用いる重合体環化物は、スチレン誘導体の含量を制御することにより、Tg以上の温度における光弾性係数を制御できる。Tg以上の温度における光弾性係数が大きいほど、得られる成形品の光学歪みが大きくなることが知られている。また、スチレン誘導体の含量を適切に制御することにより、ポリメタクリル酸メチルと同程度の小さい光弾性係数にすることも可能である。好ましいTg以上の温度、たとえばTg+20℃における光弾性係数は、用途により一概に規定できないが、−2.0×10−10〜3.0×10−10cm/dynであることが好ましく、−6.0×10−11〜5.0×10−11cm/dynがより好ましい。
(13)曲げ弾性率
本発明に用いる重合体環化物の曲げ弾性率(23℃)は、レンズシートとするため、好ましくは2500MPa以上であり、より好ましくは2700〜4000MPaである。重合体環化物の曲げ弾性率が小さいと撓みやすくなり、レンズシートに成形するときにシートを薄くすることができない。
[II]重合体環化物の製造方法
(1)重合反応
スチレン誘導体および共役ジエン誘導体を構造単位として含有する共重合体(A)は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等の公知の方法により得ることができる。工業的に容易に実施できるという観点から、特にラジカル重合法またはアニオン重合法が好ましい。
(2)環化反応
環化反応は、触媒の種類、触媒量、反応温度、反応圧力、反応時間等により制御することが可能である。本発明に用いる重合体環化物は、好ましくはスチレン誘導体および共役ジエン誘導体の種類、それらの構成比率等により、予め触媒の種類、触媒量、反応温度、反応圧力、反応時間等を適宜選択し、重合体のTgが105℃〜200℃となる条件で行う。
(3)環化溶媒
共重合体(A)の環化に用いる環化反応は、特許第3170937号等に記載の公知の方法により行うことができる。具体的には、例えば不活性有機溶媒中または共重合体(樹脂)の溶融状態において、環化触媒を添加または接触させることにより行う。不活性有機溶媒は、樹脂が溶解し、かつ環化触媒に不活性な有機溶媒であれば特に制限なく使用することができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;エステル、エーテル等の含酸素系溶媒等を用いることができる。反応性を考慮すると、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒等が好ましい。これらの溶媒は単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
環化反応において不活性有機溶媒を使用する場合、不活性有機溶媒の使用量は特に限定されないが、共重合体(A)100重量部に対して通常100〜10000重量部、好ましくは150〜5000重量部、より好ましくは200〜3000重量部である。不活性溶媒量が少ないと環化触媒の均一な混合が困難になるため、反応が不均一となり、均一な樹脂が得られなかったり、反応の制御が困難になる。不活性溶媒量が多いと生産性が低下してしまう。
環化反応を溶融状態で実施する場合、溶融粘度を下げる目的で、少量の不活性有機溶媒を加えてもよい。この場合に用いる不活性有機溶媒は特に制限されず、例えば上記の不活性有機溶媒を用いることができる。不活性有機溶媒の使用量は共重合体(A)100重量部に対し、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。不活性溶媒量が少ないと溶融粘度が十分に低下しない場合がある。不活性溶媒が多いと、溶媒粘度が低すぎて溶融状態での反応が困難になる。
(4)環化触媒
重合体環化物の製造方法は、環化触媒として酸性化合物を用いることができる。好ましい酸性化合物としてはハメットの酸度関数(H)が−11以下のブレンステッド酸、もしくは下記一般式[VIII]:
MXm−n [VIII]
(一般式[VIII]中、MはB、Al、TiまたはFeを示し、Xはハロゲン原子を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシル基またはフェノキシ基を示し、mはMの原子価と等しい数を示し、0≦n<mである。)
で表されるルイス酸が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて使用してもよい。ハメットの酸度関数(H)が−11以下のブレンステッド酸の具体例としては、硫酸(H=−11.93)、ClSOH(H=−13.8)、CFSOH(H=−14.1)、FSOH(H=−15.07)等の液体状化合物、ナフィオン(H=−12)、硫酸化ジルコニア(H=−16.1)等の固体状化合物等が挙げられる。なお、Canadian Journal Chemistry, Vol.61, 2225−2243, 1983には多種の酸のハメットの酸度関数(H)の参考文献の一覧が記載されており、それらの参考文献に記載の酸を本発明に用いる酸性化合物として挙げることができる。
ルイス酸の具体例としては、BF、BF・OEt、BF・フェノール、BBr、BBrOEt、AlCl、AlClEt、AlClEt、AlBr、AlI、TiCl、TiCl(OiPr)、TiCl(OPh)、TiBr、TiI、FeCl、FeCl等が挙げられる。これらの酸性化合物はSiO、Al、SiO−Al、MgO−SiO、B−Al、WO−Al、Zr−SiO等の担持体に担持した固体酸として用いてもよい。これらの酸性化合物は組み合わせて用いても良く、また、さらに他の化合物等を添加してもよい。他の化合物等としては、例えばそれを添加することにより酸性化合物の活性を向上させることができる化合物等である。金属ハロゲン化合物の酸性化合物としての活性を向上させる化合物の例としては、MeLi、EtLi、BuLi、EtMg、EtMgBr、EtAl、MeSn、EtSn、BuSn、BuSnCl等の金属アルキル化合物;酢酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸等のハメットの酸度関数(H)が−11より大きいブレンステッド酸;2−メトキシ−2−フェニルプロパン、t−ブタノール、1,4−ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、2−フェニル−2−プロパノール、ベンジルクロライド等のリビングカチオン重合における重合開始剤として用いられる化合物等が例示される。
共重合体(A)の環化反応で使用する環化触媒の使用量は、環化触媒の種類により触媒能が異なるため、一概に使用量を規定することは難しいが、均一系触媒の場合、その使用量は、共重合体(A)100重量部に対し、0.001〜1000重量部が好ましく、0.01〜100重量部がより好ましく、0.01〜10重量部が最も好ましい。環化触媒に固体酸やイオン交換樹脂等の不均一触媒を使用する場合、その使用量は共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10000重量部が好ましく、1〜1000重量部がより好ましい。触媒量が少ないと環化反応の進行が遅く、多いと不経済である。
共重合体(A)を不活性有機溶媒中で環化する場合、反応温度は通常−40℃〜200℃が好ましく、0℃〜150℃がより好ましく、20℃〜130℃が最も好ましい。樹脂が溶融した状態で環化反応を行う場合は、樹脂が熱分解しない温度であればよく、通常350℃以下、好ましくは300℃以下で行う。反応温度が低すぎると反応の進行が遅く、高すぎると反応の制御が困難であり、再現性が得られにくい。
環化反応を行うための反応圧力は特に限定されないが、0.5〜50気圧が好ましく、0.7〜10気圧がより好ましい。通常1気圧前後で環化反応を行う。
環化反応を行う反応時間は、特に限定されず、用いる樹脂、その量、環化触媒の種類や量、反応温度、反応圧力等の条件に応じて、環化反応後に所望する性能の樹脂が得られるように、反応時間を適宜決めればよい。通常は0.01時間〜24時間、好ましくは0.2時間〜10時間である。
環化反応後の重合体は、例えば、再沈澱、加熱下での溶媒除去、減圧下での溶媒除去、水蒸気による溶媒の除去(スチームストリッピング)等の、重合体を溶液から単離する際の通常の操作によって、反応混合物から分離、取得することができる。
(5)水素添加
本発明に用いる重合体環化物は、耐熱性の向上、空気中の酸素による劣化防止等の目的のために水素添加されていてもよい。水素添加は、オレフィン性二重結合の90%以上、またはスチレン誘導体由来の芳香環の10%以上が水素添加されているのが好ましく、オレフィン性二重結合の90%以上が水素添加され、かつ芳香族プロトンの減少率に基づき、スチレン誘導体由来の芳香環の10%以上が水素添加されているのがより好ましく、芳香環の30%以上が水素添加されているのが特に好ましい。
水素添加方法は特に限定されず、例えばロジウム、ルテニウム等の貴金属を活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、チタニア等の担体に担持させた不均一触媒、ウィルキンソン錯体等のロジウム錯体、ジトリフェニルホスフィンルルテニウムジクロライド等のルテニウム錯体等の錯体系均一触媒、ニッケル塩および/またはコバルト塩をアルキルアルミニウム、アルキルリチウム等の還元剤で還元したマルチサイト型チーグラー触媒等を使用することができる。経済性、触媒の除去性、触媒除去による金属の影響等の観点から、チーグラー触媒の使用が特に好ましい。
触媒の使用量は特に制限されず、使用する触媒により使用量を変更してよい。チーグラー触媒を使用する場合、触媒中心金属の使用量は、還元する二重結合に対して、通常0.01モル%から50モル%であり、反応性、経済性の観点から、0.05から30モル%が好ましい。中心金属塩を還元する有機金属化合物の使用量は中心金属塩に対して、通常0.5から10モル倍であり、トリアルキルアルミニウムの場合には、中心金属塩に対して1から5モル倍量を使用するのが好ましい。また、これらのチーグラー触媒の形成時に、アルコール、水等の活性プロトン化合物を添加し、チーグラー触媒の形成を速やかに実施することもできる。
水素添加する場合に用いる溶媒としては、樹脂が溶解し、かつ水素添加触媒に不活性な有機溶媒であれば使用することができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒等を用いることができる。これらは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。芳香族炭化水素系溶媒は自身も水素化されるため、経済的な観点からは、脂肪族炭化水素系溶媒を使用するのが好ましい。
水素添加反応の反応温度は、使用する水素添加触媒や水素圧に依存するが、例えば20℃〜250℃が好ましく、30℃〜200℃がより好ましく、60℃〜170℃が最も好ましい。反応温度が低すぎると反応が円滑に進行し難く、反応温度が高すぎると副反応や分子量低下が起こりやすい。また水素圧としては、好ましくは常圧〜200kgf/cm、より好ましくは5〜50kgf/cmを用いることができる。水素圧が低すぎると反応が円滑に進行し難く、水素圧が高すぎるとチーグラー触媒が過剰に還元され、マルチサイト構造が崩壊し、反応活性が低下するだけでなく、装置上の制約が生じてしまう。
水素添加反応系中における重合体環化物の濃度は、通常2重量%〜40重量%であり、好ましくは3重量%〜30重量%、より好ましくは5重量%〜20重量%である。重合体環化物の濃度が低いと生産性の低下が起こり易く好ましくない。また重合体環化物の濃度が高すぎると、水素化重合体が析出したり、反応混合物の粘度が高くなり、攪拌が円滑に行えなくなる場合が生じ、好ましくない。
水素添加反応の反応時間は、使用する水素添加触媒や水素圧、反応温度に依存するが、通常0.1時間〜50時間、好ましくは0.2時間〜20時間、より好ましくは0.5時間〜10時間で行う。
水素添加反応後の重合体は、例えば、再沈澱、加熱下での溶媒除去、減圧下での溶媒除去、水蒸気による溶媒の除去(スチームストリッピング)等の、重合体を溶液から単離する際の通常の操作によって、反応混合物から分離、取得することができる。
本発明に用いる重合体環化物は、単独で使用することもできるし、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン系ブロック共重合体等の他の重合体と配合した組成物として使用することもできる。組成物として使用する場合、安定剤、滑剤、顔料、耐衝撃性改良剤、加工助剤、補強剤、着色剤、難燃剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防かび剤、抗菌剤、光安定剤、耐電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、離型剤、発泡剤、香料等の各種添加剤;ガラス繊維、ポリエステル繊維等の各種繊維;タルク、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、シリカ、木粉等の充填剤;各種カップリング剤等の任意成分を必要に応じて配合することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。また、例示した材料は、特に説明がない限り、単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
[III]レンズシート
上記重合体環化物を用いて本発明のレンズシートを形成するには、例えば、鋳込成形法、射出成形法、熱プレス成形法、押出成形法、切削加工法等の公知の手法に従って、重合体環化物からなる透明基材または重合体環化物を主成分をする透明基材を成形すると同時に、所望のレンズ部をかかる透明基材に一体的に形成したり、或いは活性エネルギー線硬化型樹脂を用いてかかる透明基材上に所望のレンズ部を一体的に形成する方法等の、当該技術分野において通常使用されている方法を適宜採用することができる。そして、それによって目的とするレンズシートを容易に製造することができる。なお、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いる方法を採用する場合、予め成形された重合体環化物からなる基板の上に、目的とするレンズ部を公知の活性エネルギー線硬化型樹脂によって一体的に形成することができる。レンズシートの少なくとも片面には、光反射処理、光拡散処理または集光処理が施されていてもよい。
本明細書において「レンズシート」とは、シート主面の少なくとも一方の面に形成された、少なくとも1つのレンズ形状体によって構成されるレンズ部を有し、シートに照射された光線の方向を変化させ、集光、屈折、反射、分散等の機能を有するものを指す。本発明のレンズシートには、一般に、プリズムシート、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズアレイシート等と称すものが含まれる。また、本発明のレンズシートにはレンズ形状を有する光拡散板や導光板も含まれる。
ここで、「レンズ形状」とは少なくとも一つのシート主面に垂直な断面形状がシート主面と非平行な直線、曲線またはこれらの組合せを含む形状を指し、その断面形状の例としては、多角形の一部、円弧状、楕円弧状、漸近線状、正弦曲線状、頂部が滑らかな多角形の一部等の形状が挙げられる。
さらに、レンズ形状には、ストライプ状、ドット状等の形状が含まれる。例えば、ストライプ状の形状の場合、ストライプの長手方向と垂直な一方向の光線方向を効率良く変化する機能を付与することが容易となる。このストライプの頂部を為す稜線は、通常、シート主面と略平行な直線または曲線である。ストライプ状のレンズ形状体をシート主面の法線方向から観察した場合、その形状は、通常、矩形状等の四辺形状であり、ストライプ状のレンズの長手方向の辺は、通常、シートの略全面を覆う。また、ドット状の形状の場合は、多方向または全方向の光線方向を効率良く変化する機能を付与することが容易となる。このドット状のレンズ形状体をシート主面の法線方向から観察した場合、その形状は、直線、曲線またはこれらの組合せを含む形状である。
これらのレンズ形状体は、同一または異なる形状のものが、複数で規則的に配列することにより、シート面内の光線方向を変化させる機能を均一にすることができる。レンズ形状体はシート主面の片面または両面のいずれに形成されてもよい。レンズ形状体がシート主面の両面に形成される場合、形成されたレンズ形状体のレンズ形状、配列規則等は同じであっても、異なっていても良い。さらに、レンズ形状体の配列周期はシート主面のサイズにもよるが、通常、10μm〜1000μm程度が望ましい。シート主面が小さい場合、それに従って配列周期も小さくすることは、多くの用途において好ましい。
レンズシートを光拡散板として使用する場合、レンズシートに光拡散剤を配合してもよい。光拡散剤の屈折率nD(B1)と上記重合体環化物の屈折率nD(A)との差△nD(=|nD(B1)−nD(A)|)は、通常0.005以上、好ましくは0.01以上であるのが望ましく、0.3以下であるのがより望ましい。屈折率差△nDが大きすぎると全光線透過率が低下し、また、0.01未満では拡散率が低下する傾向がある。光拡散剤は上記屈折率を満たし、かつ透明であればその形状等は特に制限されないが、より優れた光拡散効果を得る観点から、微粒子状のものが好ましい。
微粒子状の光拡散剤としては、無機微粒子または有機微粒子からなるものが挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、シリカアルミナ粒子、タルク、炭酸バリウム粒子、金属微粒子等が挙げられる。また、ガラス微粒子、金属微粒子、合成樹脂微粒子等のコアとなる微粒子の表面に、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、MgF2等の金属フッ化物等からなるの薄膜が形成された微粒子を用いることもできる。また、有機微粒子としては、例えば、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子等が挙げられる。
これらの微粒子の粒径は特に限定されるものではないが、平均粒径は、通常0.5〜30μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜15μmである。平均粒径が小さいと光拡散性は増大するが光透過性が低下し、平均粒径が大きいと光透過性は増大するが光拡散性が低下し、輝度ムラが生じやすくなる。
本発明で用いる微粒子状の光拡散剤は、球状のものが多いほど好ましい。光拡散剤として球状の微粒子を使用した場合、球状微粒子が一種のレンズとして作用し、一層効果的な光拡散効果を持たせることができる。ここで、球状とは微粒子の短径/長径の比が好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、角を有していないものをいう。短径とは、ひとつの微粒子の最も小さな径をいい、長径とは同じ微粒子の最も大きな径をいう。光拡散剤微粒子中の球状微粒子の割合は、光拡散剤微粒子の全重量を100%とするとき、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。短径、長径、平均粒径、および角の有無については、顕微鏡写真の映像を元に測定することができる。非球状のものが多いと、成形時に分散が不均一になったり、配向性を有することにより、均一な光拡散性の成形品を得ることが困難である。なお、本発明で用いる光拡散剤は一種類でも、複数種を併用して光透過性と光拡散性を調整してもよい。
本発明によれば、分散させる光拡散剤の屈折率分布や大きさ、分散量等を制御することによって、光の拡散状態を変化させることができるため、光の後方散乱を有効に低減することができ、全光線透過率の高い光拡散性成形品を得ることができる。
このような光拡散剤は、重合体環化物100重量部に対してその合計量が、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部の範囲内で使用することにより、光線透過率、拡散率、強度、剛性、熱変形温度、硬度等の特性のバランスの良い光拡散板が得られる。
[IV]画像表示装置
本発明の画像表示装置は、上記特許文献等に示されるように、本発明のレンズシートが光の透過経路上に配されてなる照明装置を用い、その照明する側に、さらに所定の透過型表示素子を配することにより構成される。ここで、画像表示装置とは、照明装置と表示素子とを組み合わせた表示モジュール、さらにはこの表示モジュールを用いたテレビ、パソコンモニター等の少なくとも画像表示機能を有する機器を意味する。また、画像表示装置に用いられる透過型表示素子の代表例としては、良く知られている液晶パネルを挙げることができる。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に明らかにするが、本発明はこれらの実施例の記載によって何等の制約をも受けるものでない。また、本発明には、以下の実施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々の変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
以下の実施例および比較例における重合体環化物の各パラメータの測定方法を以下に示す。
分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で求めた数平均分子量ある。ここでは、GPC装置として東ソー株式会社製、HLC−8020(品番)、カラムとして東ソー株式会社製、TSKgel GMH−Mを2本とG2000H1本を直列に繋いだものを用いた。
環化率
H−NMRスペクトルからスチレン−イソプレン共重合体のオレフィン性二重結合プロトンの積分値/全プロトンの積分値の割合を基準としたときの、重合体環化物のH−NMRスペクトルから求めたオレフィン性二重結合プロトンの積分値/全プロトンの積分値の割合の減少率(%)を環化率とした。
ここでは重水素化クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を0ppmとして、日本電子株式会社製、JNM−LA−400(品番)を用いてH−NMRスペクトルを得た。測定は室温で実施した。
ガラス転移温度(Tg)
十分に乾燥し、溶媒を除去したサンプルを用いて示差走査熱量測定法(DSC)により測定した。サンプルを窒素100ml/分の気流下、25℃から10℃/分で200℃まで昇温し、DSCカーブを得る。次に、図1に示すDSCカーブの中央接線4と転移前のベースライン5の交点を通り温度軸2に対して平行な平行線7と、中央接線4と転移後のベースライン6の交点を通り温度軸2に対して平行な平行線8を引く。本明細書では、この2本の平行線7、8を2等分する平行線9とDSCカーブの交点における温度3をTgとした。ここでは、測定装置としてメトラートレド社製、DSC30(品番)を用いた。
全光線透過率
村上色彩研究所製、HR−100(品番)を用いて測定した。
吸水率
プレス成形した長さ140mm、幅60mm、厚さ0.8mmの板を60℃、90%RH雰囲気下に10日間置き、初期重量からの増加した重量の割合を吸水率とした。
吸水率(%)=重量増加分×100/初期重量
屈折率(nD)
ATAGO社製、RX−2000(品番)により25℃で測定した。
0〜3ppm/6〜8ppm、0〜1ppm/6〜8ppmの積分値の比
H−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)の0〜3ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜3ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)および0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)から求めた。
光弾性係数
厚さ200μmのプレスフィルムをTg−20℃で一晩アニールした後、Tg+20℃で長軸方向に引っ張り応力をかけ、その際のレターデーションをエリプソメーターM220(日本分光(株)製)で測定し、応力に対するレターデーションの変化量から光弾性係数を算出した。
0〜1ppm/0〜10ppm、4〜6ppm/0〜10ppmの積分値の比
H−NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプロトンを0ppmとする)の0〜1ppmのプロトンの積分値と0〜10ppmのプロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/0〜10ppmのプロトンの積分値)および4〜6ppmのプロトンの積分値と0〜10ppmのプロトンの積分値の比(4〜6ppmのプロトンの積分値/0〜10ppmのプロトンの積分値)から求めた。
FT−IR分光分析測定
日本電子(株)製、JIR−5500(品番)を用い、実施例でプレス成形により作製した重合体環化物の板を、ダイヤモンドのプリズムを使用して入射角45度のATR法、1回反射により測定し、吸収を縦軸としてスペクトルを得た。得られたIR吸収スペクトルの1450cm−1と1375cm−1の強度比(1375cm−1の強度/1450cm−1の強度)および、1450cm−1と890cm−1の強度比(890cm−1の強度/1450cm−1の強度)を算出した。強度は、それぞれの吸収ピークの低波数側および高波数側の谷部を結んでベースラインとし、吸収スペクトルの最大点からベースラインを2等分するように線を引き、ベースラインまでの高さを強度とした。ここで、890cm−1、1375cm−1および1450cm−1のそれぞれの吸収スペクトルは、±2cm−1程度の範囲で、ピークに最も近いスペクトルの最大点を吸収強度として採用した。
参考例1
水素添加重合体環化物(A1)の合成
(1)スチレン−イソプレン共重合体(a1)の合成
窒素置換した撹拌装置付き耐圧容器にシクロヘキサン640g、テトラヒドロフラン0.48g、およびsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)1.20mlを添加し、40℃に加温した。そこにスチレン92.8gとイソプレン67.2gからなる混合モノマー溶液を2.0ml/分の速度で逐次添加し、添加終了後さらに40℃で60分反応後、メタノール1mlを添加して重合を終了させた。得られた重合溶液をメタノール/アセトン(50/50vol)の混合溶媒10Lに再沈後、十分に乾燥してスチレン−イソプレン共重合体(a1)148gを得た。数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、127000であり、H−NMRから求めたスチレン含有量は48モル%(58重量%)、ビニル化度は28%であった。また、スチレン−イソプレン共重合体(a1)のH−NMRスペクトルを図2に示す。
(2)スチレン−イソプレン共重合体(a1)の環化
上記(1)で得られたスチレン−イソプレン共重合体(a1)50gをガラス製コック付フラスコに入れ、十分窒素置換した後、脱水したシクロヘキサン1000gを窒素気流下で加え、撹拌して均一に溶解した。さらに25℃で撹拌しながら、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸(CF3SOH、和光純薬工業(株)製)を窒素気流下で0.5g添加し、30分撹拌した。次いで、撹拌しながら炭酸ナトリウム水溶液(1重量%)100gを添加し、反応を終了した。炭酸ナトリウム水溶液層を抜き取り、蒸留水を加えて水層が中性になるまで洗浄し、触媒を除去した。得られたシクロヘキサン層をメタノール/アセトン(50/50vol%)の混合溶媒10Lに再沈後、十分に乾燥して重合体環化物49gを得た。得られた重合体環化物を220℃でプレス成形し、厚さ0.8mmの板を作製した。また、重合体環化物のH−NMRスペクトルを図3に示す。
(3)水素添加触媒の調製
トリイソブチルアルミニウム(東ソー・ファインケム株式会社製)をあらかじめシクロヘキサンに20重量%の濃度で溶解しておいた溶液を、窒素置換したガラス製ナスフラスコに窒素気流下で29.2ml添加し、0℃に冷却した。そこに、2−エチルヘキサン酸ニッケル(キシダ化学株式会社製)のトルエン溶液(ニッケル6%)を窒素気流下で7.4ml添加し、水素添加触媒を調製した。
(4)水素添加
窒素置換した撹拌装置付き耐圧容器にシクロヘキサン270g、上記(3)で得られた重合体環化物30gを加え撹拌することにより、該重合体環化物を完全に溶解した。耐圧容器内を十分に水素で置換し、室温下、1000rpmで撹拌しながら、上記(3)で調製した水素添加触媒を7.9ml添加した。ただちに、水素で10kgf/cmまで加圧し、50℃まで昇温した。50℃に昇温後、さらに水素添加触媒を7.9ml添加し、70℃まで昇温した。70℃で5時間反応させた後、常圧に戻した。蒸留水100gにクエン酸8.1gと30%過酸化水素水溶液4.8gを添加した水溶液を耐圧容器に添加し、30分撹拌した。水層を抜き取り、蒸留水を加えて水層が中性になるまで洗浄し、触媒を除去した。得られたシクロヘキサン層をメタノール/アセトン(50/50vol%)の混合溶媒5Lに再沈後、十分に乾燥して水素添加した重合体環化物(A1)27gを得た。この水素添加重合体環化物(A1)を220℃でプレス成形し、厚さ0.8mmの板を作製した。
得られた水素添加重合体環化物(A1)は、数平均分子量が6.9万g/mol、環化率が91%、オレフィン性二重結合の水素添加率が95%、ガラス転移温度(Tg)が131℃、全光線透過率が89%、吸水率が0.04重量%、比重が1.02、屈折率が1.56、H−NMRスペクトル:0〜3ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値が2.7、H−NMRスペクトル:0〜1ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値が0.57および光弾性係数(Tg+20℃)が4.00×10−11cm/dynであった。また、重合体環化物(A1)のH−NMRスペクトルを図4に示す。
水素添加率
参考例1で得られた水素添加重合体環化物(A1)のオレフィン性二重結合の水素添加率は、H−NMRスペクトルから求めた原料樹脂であるスチレン−イソプレン共重合体のオレフィン性二重結合プロトン(4〜6ppm)の積分値/ベンゼン環プロトン(6〜8ppm)の積分値の割合を基準としたときの、水素添加した重合体環化物のH−NMRスペクトルから求めたオレフィン性二重結合プロトン(4〜6ppm)の積分値/ベンゼン環プロトン(6〜8ppm)の積分値の割合の減少率(%)により求めた。
参考例2
水素添加重合体環化物(H1)の合成
(1)水素添加触媒の調製
温度計、還流管および攪拌機を装着した300ml容三つ口フラスコを十分窒素置換した後、シクロヘキサン45.8mlを窒素気流下で加え、60℃に昇温した。さらに60℃で撹拌しながら、2−エチルヘキサン酸ニッケル(キシダ化学(株)製)のシクロヘキサン溶液(ニッケル6%)17.2mlおよび蒸留水0.51mlを添加した。そこにトリイソブチルアルミニウム(東ソー・ファインケム(株)製)をあらかじめシクロヘキサンに20重量%の濃度で溶解した溶液52.0mlを窒素気流下で15分かけてゆっくり滴下したところ、溶液の色が鮮やかな緑から黒へと変化した。得られた溶液を室温で1時間撹拌して、水素添加触媒を調製した。
(2)水素添加
窒素置換した撹拌装置付き耐圧容器にシクロヘキサン320g、参考例1で得られた水素未添加の重合体環化物20gを加え撹拌することにより、重合体環化物を完全に溶解した後、耐圧容器内を十分に水素で置換し、100℃まで昇温した。撹拌しながら、上記(1)で調製した水素添加触媒90mlを添加し、直ちに水素で10kgf/cmまで加圧した。100℃で5時間反応させた後、さらに水素添加触媒90mlを添加し、直ちに水素で10kgf/cmまで加圧し10時間反応させた。その後、常圧に戻し、水素を窒素で置換した。蒸留水150gにクエン酸74gと30%過酸化水素水溶液42gを添加した水溶液を耐圧容器に添加し、50℃で2時間撹拌した。室温で30分静置し、シクロヘキサン層と水層を分離し、水層のみを抜き取り、さらに水層が中性になるまでシクロヘキサン層を蒸留水で分液洗浄し、触媒を除去した。得られたシクロヘキサン層をメタノール/アセトン(50/50vol%)の混合溶媒10Lに再沈後、十分に乾燥して水素添加した重合体環化物(H1)19gを得た。得られた水素添加重合体環化物(H1)を180℃でプレス成形し、厚さ0.8mmの板を作製した。
得られた水素添加重合体環化物(H1)は、数平均分子量が4.0万g/mol、環化率が91%、芳香環の水素添加率が97%、オレフィン性二重結合の残存率が0.9モル%、ガラス転移温度(Tg)が141℃、全光線透過率が89%、吸水率が0.02重量%、比重が1.00、屈折率が1.53、IR吸収スペクトル:1375cm−1の強度/1450cm−1の強度が0.394、IR吸収スペクトル:890cm−1の強度/1450cm−1の強度が0.142、H−NMRスペクトル:0〜1ppmのプロトンの積分値/0〜10ppmのプロトンの積分値が0.238、H−NMRスペクトル:4〜6ppmのプロトンの積分値/0〜10ppmのプロトンの積分値が0.00079であった。また、水素添加重合体環化物(H1)のH−NMRスペクトルを図5に示し、IRスペクトルを図6に示す。
芳香環水素添加率
参考例2で得られた水素添加重合体環化物(H1)の芳香環水素添加率は、H−NMRスペクトルから求めた水素添加反応前の6〜8ppmの積分値/テトラメチルシランの積分値を基準としたときの、H−NMRスペクトルから求めた水素添加反応後の重合体環化物の6〜8ppmの積分値/テトラメチルシランの積分値の減少率(%)を芳香環水添率とした。ここではテトラメチルシランを0.5重量%含有した重水素化クロロホルムを溶媒とし、サンプルが5重量%になるように溶解した。テトラメチルシラン(TMS)を0ppmとして、日本電子(株)製、JNM−LA−400(品番)を用いてH−NMRスペクトルを得た。測定は室温で実施した。
オレフィン性二重結合の残存率
参考例2で得られた水素添加重合体環化物(H1)のオレフィン性二重結合の残存率は、H−NMRスペクトルから求めたスチレン−イソプレン共重合体のオレフィン性二重結合プロトン(4〜6ppmのプロトンの積分値)/全プロトンの積分値の割合を基準としたときの、重合体環化物のH−NMRスペクトルから求めたオレフィン性二重結合プロトン(4〜6ppmのプロトンの積分値)/全プロトンの積分値の割合の比率(モル%)をオレフィン性二重結合の残存率とした。
オレフィン性二重結合の残存率(モル%)=(A/B)×100
A:重合体環化物のオレフィン性二重結合のプロトン(4〜6ppmのプロトンの積分値)/全プロトンの積分値
B:スチレン/イソプレン共重合体(a1)のオレフィン性二重結合プロトン(4〜6ppmのプロトンの積分値)/全プロトンの積分値
ここでは重水素化クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を0ppmとして、日本電子(株)製、JNM―LA―400(品番)を用いてH−NMRスペクトルを得た。測定は室温で実施した。
実施例1
水素添加重合体環化物(A1)を用いたレンズシートの作製
(1)ペレットの作製
参考例1で得られた水素添加重合体環化物(A1)と、水素添加重合体環化物(A1)の100重量部に対し0.1重量部の2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)と、水素添加重合体環化物(A1)の100重量部に対し0.1重量部のイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)(フェノール系酸化防止剤)とをヘンシェルミキサーで混合した後、押出機を用いて溶融混練して、ペレットを得た。得られたペレットを熱風乾燥機を用いて90℃で4時間乾燥した。
(2)フィルムの作製
得られたペレットを、スクリュー径:20mmの二軸押出機とクロムメッキを施した500mm幅のコートハンガーダイスを用いて、260℃で溶融押出した後、押し出されたシート状の水素添加重合体環化物(A1)を3本の冷却ロール(直径:100mm、ロール温度:120℃)に通して冷却し、幅:約400mm、厚み:100μmの押出成形フィルムを得た。次いで、この得られたフィルムに対して、照度:5.9mW/cm2 (172nm)、照射量:354mJ/m (照射窓からの距離:2.3mm、時間:60秒)の条件下で、エキシマ処理を施し、表面処理フィルム(F1)を得た。
(3)レンズシートの作製
レンズピッチ:50μm、頂角:90°のプリズムパターンを有するレンズ型に、市販の紫外線硬化型樹脂液(UVX4332、屈折率:1.52、東亜合成(株)製)を注入した。次に、(2)で得られた12インチサイズの表面処理フィルム(F1)を、上記レンズ型に重ね合わせた後、上方に配置した紫外線ランプを用いて、該表面処理フィルム側から紫外線を照射することにより紫外線硬化型樹脂液を重合硬化させた後、硬化物をレンズ型から剥離して、片面に多数のプリズム状突起が一体的に形成されてなるレンズシート(L1)を得た。得られたレンズシート(L1)の特性について評価した。結果を下記表1に示す。
また、直下型拡散板の出射面に、拡散シート(オパルス#125KBS21、ヘイズ:89.5%、恵和(株)製)を載置し、その上に得られたレンズシート(L1)を載置してバックライトを構成した。このバックライトについて、バックライトユニットの直上500mmから色彩輝度計(BM−7、(株)トプコン製)を用いて輝度を測定した。このときの正面輝度増加率は1.43倍と良好な正面輝度であった。
Figure 2008304691
比重はJIS−K−7112:1999のA法に準じて測定した。比重の判定基準は以下の通りである。
○:1.0≦比重<1.1
×:1.1≦比重
曲げ弾性率は試験片を用い、JIS−K−7171に準じてオートグラフ((株)島津製作所製)を使用して、23℃における曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率の判定基準は以下の通りである。
○:曲げ弾性率が2500MPa以上
×:曲げ弾性率が2500MPa未満
実施例2
水素添加重合体環化物(H1)を用いたレンズシートの作製
(1)ペレットの作製
参考例2で得られた水素添加重合体環化物(H1)と、水素添加重合体環化物(H1)の100重量部に対し0.1重量部の2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)および水素添加重合体環化物(H1)の100重量部に対し0.1重量部のイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)(フェノール系酸化防止剤)とを、ヘンシェルミキサーで混合した後、押出機を用いて溶融混練して、水素添加重合体環化物(H1)のペレットを得た。得られたペレットを熱風乾燥機を用いて90℃で4時間乾燥した。
(2)フィルムの作製
得られたペレットを、スクリュー径:20mmの二軸押出機とクロムメッキを施した500mm幅のコートハンガーダイスを用いて、260℃で溶融押出した後、その押し出されたシート状の水素添加重合体環化物(H1)を3本の冷却ロール(直径:100mm、ロール温度:120℃)に通して冷却し、幅:約400mm、厚み:100μmの押出成形フィルムを得た。次いで、この得られたフィルムに対して、照度:5.9mW/cm2 (172nm)、照射量:354mJ/m2 (照射窓からの距離:2.3mm、時間:60秒)の条件下で、エキシマ処理を施し、表面処理フィルム(F2)を得た。
表面処理フィルム(F1)の代わりに表面処理フィルム(F2)を用いた以外は実施例1と同様にしてレンズシート(L2)を得た。得られたレンズシート(L2)の特性について実施例1と同様に評価した。結果を上記表1に示す。また、レンズシート(L2)の正面輝度増加率は、1.46倍と、良好な正面輝度であった。
比較例1
アクリル樹脂を用いたレンズシートの作製
(1)フィルムの作製
アクリル樹脂(パラペットEH1000、ガラス転移温度:100℃、(株)クラレ製)製のペレットを、熱風乾燥機を用いて80℃で4時間乾燥した。このペレットを、実施例1の(2)に記載の装置と同様な装置を用いて、260℃で溶融押出した後、押し出されたシート状のアクリル樹脂を3本の冷却ロール(直径:100mm、ロール温度:90℃)に通して冷却し、幅:約400mm、厚み:100μmの押出成形フィルムを得た。次いで、この得られたフィルムに対して、照度:5.9mW/cm2 (172nm)、照射量:354mJ/m2 (照射窓からの距離:2.3mm、時間:60秒)の条件でエキシマ処理を実施し、表面処理フィルム(F3)を得た。
(2)レンズシートの作製
表面処理フィルム(F1)の代わりに上記(1)で得られた表面処理フィルム(F3)を用いた以外、実施例1と同様にしてレンズシート(L3)を作製した。得られたレンズシート(L3)の特性について評価した。結果を上記表1に示す。
比較例2
脂環式ポリオレフィン系樹脂を用いたレンズシートの作製
(1)フィルムの作製
脂環式ポリオレフィン系樹脂(ゼオノア1060R、ガラス転移温度:100℃、日本ゼオン(株)製)製のペレットを、熱風乾燥機を用いて、80℃で4時間の乾燥した。このペレットを、実施例1の(2)に記載の装置と同様な装置を用いて、260℃で溶融押出した後、押し出されたシート状の脂環式ポリオレフィン系樹脂を3本の冷却ロール(直径:100mm、ロール温度:90℃)に通して冷却し、幅:約400mm、厚み:100μmの押出成形フィルムを得た。次いで、この得られたフィルムに対して、照度:5.9mW/cm2 (172nm)、照射量:354mJ/m2 (照射窓からの距離:2.3mm、時間:60秒)の条件でエキシマ処理を実施し、表面処理フィルム(F4)を得た。
(2)レンズシートの作製
表面処理フィルム(F1)の代わりに表面処理フィルム(F4)を用いた以外、実施例1と同様にしてレンズシート(L4)を作製した。得られたレンズシート(L4)の特性について評価した。結果を上記表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例1および実施例2のレンズシートは、他の樹脂を使用したレンズシートよりもガラス転移温度が高く、耐熱性に優れるとともに、屈折率が高いため、例えば射出成形でレンズを形成する場合、レンズのアスペクト比を小さくすることができ、成形が容易である。また、本発明のレンズシートはアクリル樹脂からなるレンズシートと比較して吸水性が低いため、吸水による寸法変化が小さいことも認められる。
表1から明らかなように、実施例1および実施例2のレンズシートは、脂環式ポリオレフィンからなる比較例2のレンズシートと比較して、曲げ弾性率が高く撓み難いため、シートを薄くすることができる。また、光弾性係数が小さいため光学歪みが小さく良好である。さらに、比重が1.0≦比重<1.1の範囲にあるため、シートの重量が嵩まず画像表示装置への適用が容易である。
示差走査熱量測定法(DSC)により測定されるガラス転移温度(Tg)を示す図である。 参考例1で得られたスチレン−イソプレン共重合体(a1)のH−NMRスペクトルを示す図である。 スチレン−イソプレン共重合体(a1)を環化して得られた重合体環化物のH−NMRスペクトルを示す図である。 参考例1で得られた水素添加重合体環化物(A1)のH−NMRスペクトルを示す図である。 参考例2で得られた水素添加重合体環化物(H1)のH−NMRスペクトルを示す図である。 参考例2で得られた水素添加重合体環化物(H1)のIRスペクトルを示す図である。
符号の説明
1・・・発熱方向
2・・・温度(温度軸)
3・・・ガラス転移温度(Tg)
4・・・中央接線
5・・・転移前ベースライン
6・・・転移後ベースライン
7・・・中央接線と転移前ベースラインの交点を通る平行線
8・・・中央接線と転移後ベースラインの交点を通る平行線
9・・・平行線7と平行線8を2等分とする平行線

Claims (11)

  1. スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位を含有する共重合体(A)が環化されてなり、前記スチレン誘導体単位および共役ジエン誘導体単位の少なくとも一部が水素添加されていてもよく、ガラス転移温度が105℃〜200℃である重合体環化物、を含む透明基板を有し、前記透明基板の少なくとも片面に、少なくとも1つのレンズ部が形成されている、レンズシート。
  2. 少なくとも片面に、光反射処理、光拡散処理または集光処理が施されている、請求項1に記載のレンズシート。
  3. 環化する前の共重合体(A)中のスチレン誘導体と共役ジエン誘導体のモル含有量比(スチレン誘導体/共役ジエン誘導体)が30/70〜80/20である、請求項1または2に記載のレンズシート。
  4. 重合体環化物の環化率が80%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のレンズシート。
  5. 重合体環化物のオレフィン性二重結合が、共重合体(A)中の共役ジエン誘導体に対し10モル%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のレンズシート。
  6. 重合体環化物のスチレン誘導体単位に由来する芳香環が、H−NMRスペクトルにおける水素添加前の芳香族プロトンの積分値を100%としたときの芳香族プロトンの減少率に基づき、30%以上水素添加されている、請求項1〜5のいずれかに記載のレンズシート。
  7. 重合体環化物がスチレン誘導体と共役ジエン誘導体とにより形成される環化構造を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のレンズシート。
  8. 重合体環化物が下記一般式[I]〜[IV]:
    Figure 2008304691
    一般式[I]〜[IV]中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはビニル基を示し、R、R、RおよびRのうち隣接する2つの基が互いに結合してベンゼン環を形成していてもよく、X、X、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を示す、で表される構造の少なくとも1つを含む、請求項7に記載のレンズシート。
  9. 重合体環化物において、H−NMRスペクトルの0〜3ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜3ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)が0.7〜20である、請求項1〜8のいずれかに記載のレンズシート。
  10. 重合体環化物において、H−NMRスペクトルの0〜1ppmのプロトンの積分値と6〜8ppmのプロトンの積分値の比(0〜1ppmのプロトンの積分値/6〜8ppmのプロトンの積分値)が0.1〜5.0である、請求項1〜9のいずれかに記載のレンズシート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のレンズシートを含む、画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020235664A1 (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 株式会社クラレ 水素添加物含有組成物、樹脂組成物、及びこれらの各種用途

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