JP4277465B2 - 塗布方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布方法に係り、特に可撓性支持体(以下「ウエブ」という)に、薄く均一な塗布層を多層に、且つ高速で塗布するための塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録媒体、写真感光材料、電子材料、塗布型電池、反射防止等の光学膜、研磨テ−プ、情報記録紙等の高機能化・高性能化に伴い、ウエブに薄く均一な塗布層を多層に、且つ高速で塗布する要求が高まっている。
【0003】
例えば、磁気記録媒体の製造においては媒体の高密度化に伴い、磁気記録層の薄層化や多層化が検討されている。特に、MRヘッドなど高感度の磁気ヘッドの普及により磁性記録層の薄層化への要求が急激に高まっており、乾膜状態で0.02〜0.2μm(湿潤状態で0.2〜2μm)と極めて薄い磁性記録層を形成できる塗布方法が要求されている。また、この磁性層の表面は、非常に高い平滑性が要求されることから、磁性記録層の下層(ウエブに接する層)として厚み0.2〜3μm程度の非磁性の塗布層を設けることでウエブの面の突起を平坦化し、これにより磁性記録層の性能向上を図っている。従って、磁気記録媒体の製造における生産性の観点から、薄く均一な磁性記録層・その他の層を、ウエブに如何に高速で多層塗布できるか否かが重要になっている。
【0004】
従来、乾膜状態で厚みが0.5μm以下の磁性記録層を塗布形成する方法としては、特許2581975号、特開平6−296917号等の塗布方法や装置が提案されている。この塗布方法や装置は、同時に2層の塗布層を塗布形成する方法で、非磁性の下層を適量塗布することでエアーの混入を防ぐことによって、上層の磁性記録層を湿潤状態でおよそ2μm程度まで薄く塗布することが可能である。
【0005】
また、特許2942938号等には、予め低粘度の下層用塗布液をウエブに塗布し、この下層用塗布液の一部を掻き落とすことによりエアーの混入を抑止しながら磁性記録層となる塗布液を塗布する方法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の塗布方法や装置を使用しても、磁性記録層の厚みを0.2μm以下(湿潤状態で2μm以下)に塗布しようとすると、磁性記録層の表面に等ピッチのスジが発生するという欠点がある。このスジの発生が、製品としての磁気記録媒体の性能を落とす原因となっていた。
【0007】
このことは、何も磁性記録層の塗布に限ったことではなく、磁気記録媒体の製造以外の塗布においても、下層の塗布液が乾燥しないうちに上層を塗布する、いわゆるウェットオンウェットで2層以上の塗布層を多層塗布する場合、特に下層以外の層の湿潤状態での厚みを2μm以下にしようとする場合には、塗布層表面に等ピッチのスジが発生する。
【0008】
このような背景から、多層塗布された複数の層の湿潤状態での厚みを2μm以下に、好ましくは1μm以下にしても等ピッチのスジが発生しない塗布方法が要望されている。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多層塗布により薄い塗布層、特に湿潤状態で2μm以下、好ましくは1μm以下の塗布層を高速塗布で形成しても、塗布層の表面に等ピッチスジの発生を抑止することのできる塗布方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、連続走行する可撓性支持体と塗布ヘッドのエッジ面とを相対的に押しつけると共に、前記塗布ヘッド内に供給した複数の塗布液を、各スリットを介して前記エッジ面の前記可撓性支持体幅方向に形成された各スリット吐出口から吐出して前記可撓性支持体にウエットオンウエットで多層塗布する塗布方法において、前記可撓性支持体の30〜1500m/分の範囲内での走行速度をU[m/秒]、前記複数の塗布液の平均ハイシェア粘度をμ[Pa・秒]、前記多層塗布された層のうちの最上層塗布液の表面張力をσ[N/m]としたときに、次式、Ca=Uμ/σで計算されるキャピラリー数Caが0.1<Ca<4を満足するように前記走行速度、平均ハイシェア粘度、及び最上層塗布液の表面張力を調整して塗布することにより、前記多層塗布における前記可撓性支持体に接する下層を除く他の層の厚みを湿潤状態で2μm以下にすることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、複数のスリットを有する塗布ヘッドで可撓性支持体に多層塗布する場合、或いは可撓性支持体の塗布面に予め過剰の下層用塗布液を塗布して下層を形成しておき、該下層が湿潤状態にあるうちにその一部を、1つ以上のスリットを有する塗布ヘッドのエッジ面における上流側エッジ部で掻き落としながら多層塗布する場合において、可撓性支持体の走行速度をU[m/秒]、複数又は1つ以上の塗布液の平均ハイシェア粘度をμ[Pa・秒]、多層塗布層のうちの最上層塗布液の表面張力をσ[N/m]としたときに、次式、Ca=Uμ/σで計算されるキャピラリー数Caが0.1<Ca<4を満足するように前記走行速度、平均ハイシェア粘度、及び最上層塗布液の表面張力を調整して塗布するようにした。これにより、薄い塗布層、特に湿潤状態で2μm以下の塗布層を高速塗布で形成した場合でも塗布層表面に等ピッチスジの発生を抑止することができる。従って、上記塗布方法を用いて製造された塗布製品は、湿潤状態で2μm以下の薄く、且つ等ピッチスジのない塗布層を得ることができるので、塗布層が例えば磁性記録層の場合には、製品である磁性記録媒体の性能を顕著に向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る塗布方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0013】
図1は、本発明の塗布方法を適用するエクストルージョン型の塗布装置の一例を示す全体構成図であり、複数(図1では2個)スリットを有する1つの塗布ヘッドでウエブにチキソトロピー性を有する2種類の塗布液を多層塗布する例である。この場合、形成される塗布層が磁性記録層の場合、異なる2つの磁性塗布液でもよいが、下層(ウエブに接する層)となる下層用塗布液は非磁性な下塗り用或いは低粘度なプレコート用の塗布液でもよい。
【0014】
図1に示すように、塗布装置10は、主として、連続走行するウエブ12と、ウエブ12に塗布液を塗布する塗布ヘッド14と、塗布ヘッド14を挟んだウエブ走行方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、連続走行するウエブを装架する一対のガイドローラ18、18とで構成される。そして、連続走行するウエブ12と塗布ヘッド14のエッジ面16とを相対的に押しつけた状態で、ウエブ12に塗布液が塗布される。
【0015】
塗布ヘッド14には、その内部にウエブ12の幅方向に平行な円筒状の2個のポケット部22、22が形成され、各ポケット部22と前記2種類の塗布液を貯留する各塗布液タンク24、24とが定量送液ポンプ26、26を介して配管28、28により接続される。これにより、各塗布液タンク24から塗布液がそれぞれのポケット部22に供給されて塗布幅に対応する幅に拡流される。各ポケット部22で拡流された2つの塗布液は、それぞれのスリット30、30を上昇して前記エッジ面16に形成されたそれぞれのスリット吐出口30A、30Aから吐出される。
【0016】
図2は、塗布ヘッド14の先端部の拡大図であり、塗布ヘッド14は2つのスリット30を挟んで3つのブロック32、34、36で構成され、エッジ面16は各ブロック32、34、36ごとにウエブ12の走行方向から順に、フロントエッジ面32A、下層用ドクターエッジ面34A、上層用ドクターエッジ面36Aで構成される。フロントエッジ面32Aは、長さ(ウエブ走行方向の長さ)が0.1〜30mmの範囲の寸法に形成され、面形状は平面状であっても或いはある曲率を有した円弧状に形成されてもよい。また、下層用及び上層用のドクターエッジ面34A、36Aは、長さ(ウエブ走行方向の長さ)が0.5〜20mmの範囲の寸法に形成され、面形状はある曲率を有した円弧状に形成されるか、若しくは円弧と平面との組み合わせた形状に形成される。また、スリット30は、通常、0.03〜2mm程度のスリット幅に形成される。尚、図2では、フロントエッジ面32Aを曲率R1mm、下層用と上層用のドクターエッジ面34A、36Aを曲率R2mmとし、スリット幅を0.2mmとして構成した一例である。
【0017】
そして、ウエブ走行方向の上流側のスリット30からは下層液(下層となる塗布液)が吐出され、下流側のスリット30からは上層液(上層となる塗布液)が吐出され、ウエブ12の面に上層と下層の2層から成る塗布層Aを形成する。この場合、ウエブ12と、塗布ヘッド14のウエブ走行方向における上流側のフロントエッジ面32Aとの間に隙間を形成し、該隙間に下層液を溢れ出させた状態で、上層液を塗布するとよい。このように、下層液を溢れ出させるメリットは、下層液を非常に薄く塗る場合に、ウエブ12に同伴されるエアーの混入を防止できることと、フロントエッジとウエブ12の接触によるウエブの削れが発生しないことである。
【0018】
また、図3は、1つの塗布ヘッド14に3つのスリットを有する場合の塗布ヘッド先端部の拡大図である。塗布ヘッド14は、3つのスリット30を挟んで4つのブロック32、34、35、36で構成され、エッジ面16は各ブロック32、34、35、36ごとにウエブ12の走行方向から順に、フロントエッジ面32A、下層用ドクターエッジ面34A、中層用ドクターエッジ面35A、上層用ドクターエッジ面36Aで構成される。各エッジ面32A、34A、35A、36Aの長さ、面形状、及びスリット幅の好ましい形態は図2の場合と同様である。尚、図3では、フロントエッジ面32Aを平面状とし、下層用ドクターエッジ面34Aを曲率R4mmとし、中層用と上層用ドクターエッジ面35A、36Aを曲率R6mmとし、スリット幅を0.2mmとして構成した一例である。
【0019】
本発明の塗布方法を適用する塗布装置としては、上記したように1つの塗布ヘッド14に形成された複数のスリット30から異なる塗布液を吐出して多層塗布する塗布装置10(特許2581975号、特公平6─49171号、特許2935148号参照)の他にも、図4に示すように、複数の塗布ヘッド14、14を用いてそれぞれのスリット30、30から塗布液を吐出し、塗布液が湿潤状態にあるうちに塗り重ねて多層塗布する塗布装置10(特許2646265号参照)を使用することができる。
【0020】
更には、図5に示したように、連続走行するウエブ12の上流側に位置する下層液用スリット30aから下層液を吐出して、予めウエブ12の塗布面に下層を形成しておき、下層が湿潤状態にあるうちにその一部を、下流側のフロントエッジ部32aで掻き落としながら、中層液用スリット30b、中層液用スリット30cから中層液と上層液を吐出して下層の上に塗り重ねる塗布装置10(特許2684486号、特許2601367号参照)を使用することができる。この場合、下層液の塗布ヘッドと、中層液及び上層液の塗布ヘッドとを別個に設けることも可能であるが、1つの塗布ヘッドとして一体構成すると、装置をコンパクト化することができると共に、予め形成した下層の下層塗布液が湿潤状態にあるうちに中層液と上層液を塗布するウェットオンウェット方式の塗布には好適である。
尚、図5では、下層液用スリット30aのスリット幅を0.3mmとし、下層液用スリット30aの上流側のエッジ面端部17のテーパ角度を20°にすると共に、中層液と上層液の塗布ヘッド14aのフロントエッジ面を曲率R3mm、中層用ドクターエッジ面を曲率R3mm、上層用ドクターエッジ面を曲率R2mmとし、スリット幅を0.1mmとして構成した一例である。
【0021】
しかし、上記した何れの塗布装置10の場合も、従来の塗布方法で塗布を行ったのでは、複層から成る塗布層Aのうち、下層を除く上層及び/又は中間層の厚みを0.2μm以下(湿潤状態で2μm以下)に塗布しようとすると、塗布層Aの表面に等ピッチのスジが発生するという欠点がある。
【0022】
本発明者は、この等ピッチのスジの発生要因を鋭意研究した結果、この等ピッチのスジが塗布ヘッド14のウエブ走行方向における下流側の自由表面で発生する不安定現象であることをつきとめると共に、この不安定現象は塗布液全体のキャピラリー数に大きく影響されるという知見を得た。
【0023】
本発明の塗布方法は、上記知見に基づいて成されたもので、複数のスリットを有する塗布ヘッドでウエブに多層塗布する場合、或いはウエブの塗布面には予め過剰の下層用塗布液を塗布して下層を形成しておき、その下層の塗布液が湿潤状態にあるうちにその一部を、1つ以上のスリットを有する塗布ヘッドのフロントエッジ面の上流側エッジ部で掻き落としながら1つ以上の塗布液を下層に塗り重ねる場合において、次式(1)、
【0024】
[数1] Ca=Uμ/σ…(1)で計算されるキャピラリー数Caが0.1<Ca
<4を満足するように調整して塗布することにより、前記多層塗布における前記可撓性支持体に接する下層を除く他の層の厚みを湿潤状態で2μm以下にするように構成したものである。
【0025】
ここで、U:ウエブの走行速度を[m/秒]
μ:複数又は1つ以上の塗布液の平均ハイシェア粘度[Pa・秒]
σ:多層塗布された層のうちの最上層塗布液の表面張力[N/m]
である。
【0026】
また、平均ハイシェア粘度とは、先ず、高せん断粘度計を用いて各層を形成する塗布液のせん断速度10000sec−1での粘度を測定し、次に各層の塗布しようとする厚みで重み付けをして平均の粘度を計算したものである。具体的には、例えば、ウェットオンウェットでA液をXμm、B液をXμm、C液をXcμmの厚みに同時に塗り重ねる多層塗布において、A液の粘度をμ、B液の粘度をμ、C液の粘度をμとした場合、平均ハイシェア粘度μAVEは、次式(2)、
【0027】
[数2]
μAVE =(Xμ+Xμ+Xcμ)/(X+X+Xc)…(2)
により定義されるものとする。
【0028】
また、最上層塗布液の表面張力σ[N/m]は、塗布液中に含まれる分子量が1000以下の高分子結合剤、溶剤、潤滑材、界面活性剤を混合した溶液の表面張力を測定して用いた。
【0029】
そして、上記の如く構成した塗布装置10に、本発明の塗布方法を適用することにより、下層を除く上層及び/又は中間層の厚みを湿潤状態で2μm以下の薄層になるように、且つ高速で塗布した場合でも塗布層Aの表面に等ピッチスジの発生を抑止することができる。これにより、塗布性能を向上させることができるので、製品品質を向上させることができるばかりでなく、生産性をアップさせることができる。
【0030】
また、本発明の塗布方法を用いてウェットオンウェット方式で製造された塗布製品であって、特に、多層塗布された層のうち、下層以外の少なくとも1つの層を湿潤状態の厚みを2μm以下に形成したものは、優れた性能を発揮することができる。例えば、磁性記録層の場合には、製品である磁性記録媒体の性能を顕著に向上させることができる
【0031】
また、本発明の塗布方法を用いていわゆるウェットオンウェット方式で製造された塗布製品であって、特に、多層塗布された層のうち、下層以外の少なくとも1つの層を湿潤状態の厚みを1μm以下に形成したものは、優れた性能を発揮することができる。例えば、磁性記録層の場合には、製品である磁性記録媒体の性能を顕著に向上させることができる。
【0032】
上記した本発明の塗布方法は、塗布速度が30〜1500m/minの広い範囲で使用されることが一般的であるがこれに限定されるものではない。ウエブ12は走行の安定性と塗布ヘッド14への押付けの均一化の観点から、ウエブlm幅当たり5〜50kgfの張力で走行させることが望ましく、塗布条件により適宜調整する必要がある。また、ガイドローラ18と塗布ヘッド14との距離は50〜300mm程度に設定するのが好ましい。ウエブ12の塗布ヘッド14への侵入角度や離れ角度を塗布条件により調整可能なように、ガイドローラ18及び/又は塗布ヘッド14を移動可能なように構成することが好ましい。また、剛性が低いウエブ12の場合には、ツレ皺を抑止するために、ガイドローラ18として、エキスパンダーロールやクラウンロール、コンケーブロール等を用いることも好ましい。
【0033】
尚、ウエブ12としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスティックフィルムあるいは紙、ラミネート紙、アルミニウム、銅等の金属箔 更にはガラスやセラミックス等があるがこれに限定するものではない。
【0034】
ウエブ12は、幅が0.1〜3m、長さが1000〜100000m、厚さが0.5〜100μmが一般的であるがこれに限るものではない。また、ウエブ12には、予め接着層等の下地層を設け、乾燥硬化させたもの、或いはその他の機能層が予め設けられたものを用いても良い。
【0035】
【実施例】
試験に供した塗布液の調製方法は次の通りである。
【0036】
実施例1、2では、表1に示す成分組成の塗布原液Aをニーダーで混合した後、サンドミルを用い分散し、得られた液をlμmの平均孔を有するフィルターを用いてろ過し、適量のメチルエチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、ステアリン酸、ステアリン酸ブチルを加え、上層液A1〜A8を得た。各液のハイシェア粘度と表面張力を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004277465
【0038】
【表2】
Figure 0004277465
【0039】
また、表3に示す成分組成の塗布原液Bをニーダーで混合した後、サンドミルを用い分散し、得られた液を1μmの平均孔を有するフィルターを用いてろ過し、適量のメチルエチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、ステアリン酸、ステアリン酸ブチルを加え、下層液B1〜B5を得た。各液のハイシェア粘度を表4に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0004277465
【0041】
【表4】
Figure 0004277465
【0042】
(実施例1)
表2の上層液と表4の下層液とを組合わせた2種類の塗布液を使用すると共に、2個のスリットを有する1つの塗布ヘッドを備えた図2の塗布装置を用いて、厚み6μmのポリエチレンテレフタレートのウエブに、塗布速度、塗布液の種類、塗布厚みの塗布条件を変えて多層塗布を行った。そして、このときの塗布層表面における等ピッチスジの発生の有無を評価した。
【0043】
塗布条件及び評価結果を図6に示す。図6の面性において、○は等ピッチスジの発生がなく良好、×は等ピッチスジの発生やムラがあり不良であることを意味する。
【0044】
図6から分かるように、キャピラリー数Caが0.1<Ca<4を満足する試験区である、条件1(Ca数=1.6)、条件2(Ca数=3.1)、条件7(Ca数=3.8)、条件8(Ca数=3.7)、条件9(Ca数=3.8)、条件11(Ca数=0.5)の塗布層の面性は、何れも等ピッチスジの発生がなく良好な結果となった。
【0045】
これに対し、キャピラリー数Caが下限値である0.1に満たない条件12(Ca数=0.1)、及びキャピラリー数Caが上限値である4を超えた条件3(Ca数=4.7)、条件4(Ca数=6.2)、条件5(Ca数=4.6)、条件6(Ca数=4.2)、条件10(Ca数=4.3)の塗布層の面性は、何れも等ピッチスジの発生やムラがあり、不良の結果となった。
(実施例2)
表2の上層液A5と表4の下層液B1の他に表2のA4を中層液とした3種類の塗布液を使用すると共に、予めウエブの塗布面に下層を塗布形成してから下層が湿潤状態にあるうちにその一部を掻き落としながら中層液、上層液を塗布する図5の塗布装置を用いて、厚み3.5μmのポリアミドのウエブに、塗布速度、塗布液の種類、塗布厚みの塗布条件を変えて多層塗布を行った。そして、このときの塗布層表面における等ピッチスジの発生の有無を評価した。
【0046】
塗布条件及び評価結果を図7に示す。図7の面性において、○は等ピッチスジの発生がなく良好、×は等ピッチスジの発生やムラがあり不良であることを意味する。
【0047】
図7から分かるように、キャピラリー数Caが0.1<Ca<4を満足する試験区である、条件13(Ca数=1.1)、条件14(Ca数=2.2)、条件15(Ca数=3.4)の塗布層の面性は、何れも等ピッチスジの発生がなく良好な結果となった。
【0048】
これに対し、キャピラリー数Caが下限値である0.1に満たない条件17(Ca数=0.09)、キャピラリー数Caが上限値である4を超えた条件16(Ca数=4.5)の塗布層の面性は、何れも等ピッチスジの発生やムラがあり、不良の結果となった
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の塗布方法によれば、多層塗布により薄い塗布層、特に湿潤状態で2μm以下、好ましくは1μm以下の塗布層を高速塗布で形成しても、塗布層の表面に等ピッチスジの発生を抑止することができる。これにより、塗布性能を向上させることができるので、製品品質を向上させることができるばかりでなく、生産性をアップさせることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法を適用する塗布装置の一例を示した全体構成図
【図2】2個のスリットを有する1つの塗布ヘッドでウエブに塗布する塗布装置を設営する説明図
【図3】3個のスリットを有する1つの塗布ヘッドでウエブに塗布する塗布装置を説明する説明図
【図4】複数の塗布ヘッドを用いて多層塗布する塗布装置を説明する説明図
【図5】予めウエブの塗布面に下層液を塗布してからその一部を掻き落としながら中層液、上層液を多層塗布する塗布装置を説明する説明図
【図6】実施例1の結果を説明する説明図
【図7】実施例2の結果を説明する説明
【符号の説明】
10…塗布装置、12…ウエブ、14…塗布ヘッド、16…エッジ面、18…ガイドローラ、22…ポケット部、24…塗布液タンク、26…定量送液ポンプ、30…スリット、A…塗布層

Claims (2)

  1. 連続走行する可撓性支持体と塗布ヘッドのエッジ面とを相対的に押しつけると共に、前記塗布ヘッド内に供給した複数の塗布液を、各スリットを介して前記エッジ面の前記可撓性支持体幅方向に形成された各スリット吐出口から吐出して前記可撓性支持体にウエットオンウエットで多層塗布する塗布方法において、
    前記可撓性支持体の30〜1500m/分の範囲内での走行速度をU[m/秒]、前記複数の塗布液の平均ハイシェア粘度をμ[Pa・秒]、前記多層塗布された層のうちの最上層塗布液の表面張力をσ[N/m]としたときに、次式、
    Ca=Uμ/σで計算されるキャピラリー数Caが0.1<Ca<4を満足するように調整して塗布することにより、前記多層塗布における前記可撓性支持体に接する下層を除く他の層の厚みを湿潤状態で2μm以下にすることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記下層用塗布液を塗布する塗布ヘッドと、前記1つ以上の塗布液を塗布する塗布ヘッドとは、一体的に構成されていることを特徴とする請求項1の塗布方法。
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