JP4271585B2 - 石油の精製方法および精製装置 - Google Patents

石油の精製方法および精製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原油や超重質原油、残油等をアップグレーディングすることにより、ガソリン、灯油、ガスタービン燃料などの石油製品、さらには石油化学用原料などの高付加価値の精製油を効率的に回収する石油の精製方法および精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、世界的に石油製品の需要が減少し、電力の需要が増加する傾向にある。このような背景のもとに、超重質原油やその減圧残油から、流動接触分解(FCC)用の原料や水素化分解(HCR)用の原料、ガスタービン発電燃料(GTF)などを、フレキシブルに生産したいとの要望が高まっている。
【0003】
ところで、一般にオリノコオイルのような超重質原油から付加価値の高い石油製品を精製する場合、まず、これを減圧蒸留処理によって減圧残油(VR)と留出油とに分留する。得られた減圧残油については、コーカーにかけて熱分解し、さらにこれから得られた熱分解油については、まずジエンを水添し、その後水素化脱硫・脱窒素処理を行って精製油を可能な限り回収している。
【0004】
一方、減圧蒸留処理によって得られた留出油は、通常は別の水素化装置で脱硫処理されるが、場合によっては、劣質な熱分解油をさらに水素化精製するために、前記熱分解油の一部を留出油と一緒に脱硫処理することもある。
近年ではコーカーのボトム(コークス)の市場が供給過剰であり、コークスを副生するコーカーの建設が制約され始めている。したがって、コークスを副生しない安価な装置が望まれているが、適当なものがないのが現状である。
【0005】
また、このような超重質原油のアップグレーディングに用いられるコーカーを組み込んだプロセスでは、劣質な熱分解油の煩雑な水素化(ジエンの水添、脱硫・脱窒素)や、留出油の水素化精製などを行う必要から、装置構成が複雑になってしまう。このため、簡易な装置で精製油を回収できる方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コーカーを用いることなく、簡易なプロセスで石油製品をフレキシブルに生産することができる石油の精製方法、およびその方法の実施に適した精製装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る石油の精製方法は、原料油を精製処理する石油の精製方法であって、原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留工程と、前記残油を軽質油と残渣に分離する分離工程と、前記留出油と軽質油とを水素の存在下に水素化精製する水素化精製工程とを有し、前記分離工程は、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテン(ピッチ)とを得るSDA工程であり、前記水素化精製工程は、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記軽質油を通油して脱メタル処理する脱メタル工程で水素化精製した後、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理した軽質油に前記留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製することを特徴とする
【0008】
この精製方法によれば、原料油から残渣を除いた留出油と軽質油とを水素化精製する際、第1の触媒層に、軽質油を通油して水素化処理した後、後段の触媒層には、留出油を加えた混合油を通油し、水素化処理するようにしたので、第1の触媒層での水素化処理で発熱し、温度上昇した処理油に留出油をクエンチオイルとして加えることにより、原料油から残渣を除いた留出油と軽質油とを効率よく水素化精製でき、装置の構造を単純化することが可能になる。
【0009】
発明の第2の態様に係る石油の精製方法は、原料油を精製処理する石油の精製方法であって、原料油を蒸留して第1留出油と第1残油とに分離する第1蒸留工程と、前記第1残油を第2留出油と第2残油とに分離する第1の蒸留工程より減圧下で実施する第2蒸留工程と、前記第2残油を溶剤脱れきして脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとに分離するSDA工程と、前記第1留出油と第2留出油とDAOとを水素の存在下に水素化精製する水素化精製工程とを有し、前記水素化精製工程では、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記第2留出油とDAOとを通油して脱メタル処理する脱メタル工程として水素化精製し、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理したDAOに前記第1留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の態様に係る石油の精製方法は、原料油を精製処理する石油の精製方法で あって、原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留工程と、前記残油を軽質油と残渣に分離する分離工程と、前記留出油と軽質油とを水素の存在下で水素化精製する水素化精製工程と、水素化精製工程で得られた処理油を石油製品に精留分離する精留工程とを有し、前記分離工程は、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとを得るSDA工程であり、前記水素化精製工程では、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記軽質油を通油して脱メタル処理する脱メタル工程として水素化精製し、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理した軽質油に前記留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製することを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の態様に係る石油の精製方法において、原料油のAPI度が20以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の第1の態様に係る石油の精製方法において、前記原料油として、軽油及び軽油よりも軽質な油の総量が全体の30wt%以下である重質原油を用いることが好ましい。
【0013】
本発明の第1〜第3の態様に係る石油の精製方法において、前記水素化精製工程における処理条件は、水素分圧が60〜200kg/cm 、(水素/油)比が200〜1000Nm /kl、温度が350〜450℃、(脱メタル触媒/脱硫触媒)容量比が5/95〜40/60であることが好ましい。
【0014】
本発明の第1および第2の態様に係る石油の精製方法において、前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材、灯軽油、ガスタービン燃料、および流動接触分解用の原料および水素化分解用の原料のうちの少なくとも一種であることが好ましい。
【0015】
本発明の第1および第2の態様に係る石油の精製方法において、前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材とガスタービン燃料であることが好ましい。
【0016】
本発明の第1〜第3の態様に係る石油の精製方法において、前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材とガスタービン燃料であることが好ましい。
【0017】
一方、本発明の石油の精製装置は、原料油を精製処理する石油の精製装置であって、原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留手段と、前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段と、前記留出油と軽質油とを水素の存在下に水素化精製する水素化精製手段とを有し、前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段が、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとを得るSDA手段であり、前記水素化精製手段は、水素化精製触媒を充填した複数の触媒層を有する水素化処理手段を備えるとともに、その複数の触媒層間に留出油の一部がクエンチ材として供給されるクエンチゾーンが設けられ第1の触媒層には前記分離手段で得られる軽質油の供給管が接続され、クエンチゾーンには前記留出油の供給管が接続されることを特徴とする
【0018】
この石油の精製装置によれば、原料油から残渣を除いた留出油と軽質油とを一括して水素化精製することができ、一つの装置で原料油全体を効率的に処理することが可能である。
【0019】
本発明の石油の精製装置において、前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段が、前段の蒸留手段より減圧下で残油を第2留出油と第2残油とに分離する第2蒸留手段と、第 2蒸留手段で得られた第2残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとに分離するSDA手段との2段の工程からなることが好ましい。
【0020】
本発明の石油の精製装置において、脱メタル機能を有する触媒を充填して主に脱メタルする脱メタル触媒層と、脱硫機能を有する触媒を充填して主に脱硫する脱硫触媒層とを有し、前記複数の触媒層のうちの第1の触媒層が脱メタル触媒層であり、後段の触媒層が脱硫触媒層であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。ただし、本発明は以下の各実施例に限定されるものではなく、例えばこれら実施例の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。
【0022】
図1は本発明に係る石油の精製方法および精製装置の一実施形態を説明するための図であり、原料油から複数の石油製品、具体的には、ガソリン基材(ナフサ)、ガスタービン燃料(GTF)、および流動接触分解(FCC)用原料あるいは水素化分解(HCR)用原料を製造する場合の処理フローを示している。
【0023】
原料油としては、基本的に制限はないが、後述するAPI度が20以下であるものが好ましく、さらに、軽油及び軽油よりも軽質な油の総量が全体の30wt%以下である重質原油、好ましくは20wt%以下である重質原油が好適に用いられる。この実施形態では、特にオリノコタール等の超重質原油が用いられる。
【0024】
API度とは、原油を物理的性状で分類する指標であり、下式のようにその比重によって導き出される数値である。
API=(141.5/S)−131.5(Sは華氏60°における比重)
【0025】
本例ではまず、超重質原油を蒸留工程1にかけ、従来と同様の蒸留処理を行うことによって、軽油および軽油より低沸点の油からなる留出油M1と、軽油より高沸点の残油M2とに分離する。蒸留処理を行う装置としては、一般的な常圧蒸留装置であるトッパーなどが好適である。
【0026】
次に、蒸留工程1で得られた残油M2を溶剤脱れき工程(SDA工程)2にかけ、溶剤脱れき処理することにより、抽出油としての脱アスファルテン油(DAO)M3と残渣であるアスファルテンM4とを得る。
溶剤脱れき処理では、まず、残油M2を、溶剤抽出塔において溶剤と向流接触させることにより、軽質油分である溶剤脱れき油と、残渣であるアスファルテンとに分離する。そして、溶剤脱れき油を溶剤抽出塔の塔頂部から溶剤と共に回収し、超臨界条件下で回収物中の溶剤を蒸散等により除去し、溶剤脱れき油を得る。一方、アスファルテンを塔底部から溶剤と共に回収し、回収物中の溶剤を蒸散等により除去し、アスファルテンを得る。
【0027】
溶剤脱れき工程2の後に、得られた脱アスファルテン油M3を水素化精製工程(HDMS工程)3にかけ、水素と触媒の存在下で水素化脱メタルし、さらに前記蒸留工程1で得られた留出油M1とともに脱硫脱窒素処理して処理油M5を得る。
【0028】
一方、図2は本発明の他の実施形態を説明するための図であり、この実施形態では、前述の蒸留工程1で得られた残油M2を溶剤脱れき工程2に供給する前に、もう一段の蒸留分離を行う点で先の実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態では、残油M2を第2蒸留工程としての減圧蒸留5により減圧軽油M6と減圧残油M7とに分離し、得られた減圧残油M7を溶剤脱れき工程2Aに供給して、脱アスファルテン油M3Aと、残渣であるアスファルテンM4Aとを得て、脱アスファルテン油M3Aと減圧軽油M6とを混合して軽質油M8を得て、この軽質油M8を水素化精製工程3Aに供給する。
【0029】
本実施形態で得られる軽質油M8は、第2蒸留工程としての減圧蒸留5で得られる減圧軽油M6と、溶剤脱れき工程2Aで得られる脱アスファルテン油M3Aの混合物である。この軽質油M8を水素化精製工程3Aにかけ、第1実施形態の脱アスファルテン油M3と同様に、水素と触媒の存在下で水素化脱メタルしたうえ、さらに前記蒸留工程1で得られた留出油M1とともに水素化脱硫脱窒素処理して、処理油M5Aを得る。
【0030】
第1および第2の実施形態のいずれにおいても、水素化精製処理は、図3に示す精製装置10を使用して行うことができる。
この精製装置10は、本発明に係る石油の精製装置の一実施形態の主要部である。精製装置10は、被処理油を通油する水素化精製触媒が充填された複数の触媒層を備え、水素化精製される被処理油の一部がクエンチオイルとして触媒層間に供給されるクエンチゾーンを有する。精製装置10は、被処理油として残油M2から得られる軽質油を水素と触媒の存在下で脱メタル処理し、さらに前記留出油M1とともに脱硫脱窒素処理する。精製装置10は、反応器本体11内に脱メタル処理するための脱メタル触媒層12を1層、脱硫脱窒素処理するための脱硫触媒層13を2層備え、さらにこれら3層の間に、それぞれクエンチゾーン14a、14bが設けられている。なお、本実施形態では、脱メタル触媒層12が第1の触媒層であり、脱硫触媒層13が後段の触媒層となる。脱メタル触媒層12および脱硫触媒層13は、それぞれ固定床または移動床のいずれであってもよい。
【0031】
脱メタル触媒層12に充填される脱メタル触媒は、脱メタル機能と脱硫機能を有し、相対的に脱メタル活性が大きい触媒であり、高温・高圧かつ水素の存在下において被処理油を脱メタル触媒と接触させた場合に、被処理油中に含まれるバナジウムやニッケル等のメタル分を吸着する機能を主に有する。
【0032】
脱硫触媒層13に充填される脱硫触媒は、脱硫機能と脱メタル機能を有し、相対的に脱硫活性が大きい触媒であり、高温・高圧かつ水素の存在下において被処理油を脱硫触媒と接触させた場合に、被処理油中に含まれる硫黄分と窒素分を硫化水素とアンモニアに変換する機能を主に有する。
【0033】
脱メタル触媒は、例えば、アルミナやシリカ−アルミナを担体とし、活性金属にMoを主成分として、Ni、Co、W等の金属を組合わせたものであり、メタル吸着容量を大きくするために、平均細孔径が20〜200nm、細孔容積が0.7〜1.2cm/g、表面積80〜180m/gであることが好ましい。代表的にはNi−Mo、およびNi−Co−Mo触媒が挙げられる。
【0034】
脱硫触媒は、例えば、脱メタル触媒と同様にアルミナやシリカ−アルミナを担体とし、活性金属にMoを主成分として、Ni、Co、W等の金属を組合わせたものであり、脱メタル触媒に比較して接触面積が大きいのが特徴で、平均細孔径が8〜12nm、細孔容積が0.4〜0.7cm/g、表面積180〜250m/gであることが好ましい。代表的にはNi−Mo、Ni−Co−Mo、およびCo−Mo触媒が挙げられる。
【0035】
これら触媒の形状は、円柱状や角柱状、球状など、特に限定されることなく種々の形状でよい。これら触媒の大きさも特に限定されないが、脱メタル触媒の粒径は6〜1.2mm程度が好適であり、脱硫触媒の粒径は1.6〜0.8mm程度が好適である。
【0036】
精製装置10内に充填される脱メタル触媒と脱硫触媒との容量比(脱メタル触媒/脱硫触媒)は、5/95〜40/60が好ましく、10/90〜30/70がより好ましい。脱硫触媒は、後述するようにクエンチオイルとして加えられる留出油M1の脱硫も行うため、脱硫触媒を脱メタル触媒より多くするのが好ましいからである。
【0037】
クエンチゾーン14a、14bには、蒸留工程1で得られた留出油M1を供給する留出油ライン15が接続され、これによって留出油M1がクエンチオイルとして各処理後の油に加えられ混合される。また、クエンチゾーン14a、14bには、処理後の油とクエンチオイルとの混合が十分になされるようにミキサーが設置されており、これによって処理後の油とクエンチオイルとの混合および熱交換が円滑に行われる。
このような構成により、各処理後の油は、脱メタル処理や脱硫処理の際の発熱によって温度上昇した分、クエンチオイルとしての留出油M1によって冷却され、後段の触媒層に導入される。
【0038】
精製装置10により、残油M2から得られた軽質油(M3またはM8)を水素化精製処理するには、供給ライン16によって軽質油を精製装置10の脱メタル触媒層12に導入するとともに、水素供給ライン17によって水素を脱メタル触媒層12に導入し、ここで主に脱メタル処理を行う。
【0039】
精製装置10での精製処理の条件としては、導入する水素と軽質油との比[(水素/油)比]を200〜1000Nm/klとするのが好ましく、400〜800Nm/klとするのがより好ましい。水素の比率が前記範囲を下回ると、脱メタル触媒層12および脱硫触媒層13での脱メタル反応および脱硫反応の効率が低下し、十分に脱メタル、脱硫がなされず、コーク析出が促進されて寿命が短くなるおそれがある。また、水素の比率が前記範囲を上回ると、コストの増大を招く。
【0040】
水素分圧は60〜200kg/cmとするのが好ましく、80〜150kg/cmとするのがより好ましい。前記範囲より低圧にすると、脱メタル触媒層12、脱硫触媒層13での脱メタル反応、脱硫反応の効率が低下し、十分に脱メタル、脱硫がなされず、コーク析出が促進されて寿命が短くなるおそれがある。一方、前記範囲より高圧にすると、装置コストの増大を招く。
【0041】
処理温度は350〜450℃とするのが好ましく、370〜430℃とするのがより好ましい。この範囲より低温にすると、脱メタル触媒層12、脱硫触媒層13での脱メタル反応、脱硫反応の効率が低下し、十分に脱メタル、脱硫がなされないおそれがある。また、前記範囲より高温にすると、軽質油の分解により、得率が低下したり、品質が損なわれ、コーク析出が促進されて寿命が短くなるおそれがある。
【0042】
このような条件のもとに、軽質油を水素と脱メタル触媒の存在下にて脱メタル触媒層12内で脱メタル処理し、この処理時の発熱によって温度上昇した脱メタル処理油をクエンチゾーン14aに流入させる。クエンチゾーン14aには、蒸留工程1で得られた留出油M1を留出油ライン15を介して供給する。すると、温度上昇した脱メタル処理後の脱メタル処理油は、留出油M1が加えられ混合されることによって冷却され、その状態で1層目の脱硫触媒層13に導入される。なお、クエンチゾーン14aに供給する留出油M1については、前記脱メタル処理油を所望する温度にまで冷却するのに最適な温度となるように、予め適宜な温度調整を行っておくのが好ましい。
【0043】
1層目の脱硫触媒層13に導入された脱メタル処理油と留出油M1との混合物は、水素と脱硫触媒の存在下で脱硫処理され、この処理の発熱によって温度上昇した状態で、クエンチゾーン14bに流入する。クエンチゾーン14bにも、蒸留工程1で得られた留出油M1が留出油ライン15を介して供給される。したがって、温度上昇した脱硫処理後の処理油は、留出油M1が加えられ混合されることによって冷却され、その状態で2層目の脱硫触媒層13に導入される。
【0044】
2層目の脱硫触媒層13に導入された脱硫処理油は、1層目の脱硫触媒層13のときと同様にして水素と脱硫触媒の存在下で脱硫処理され、その後、前述したように精製装置10から処理油(M5またはM5A)として導出される。
【0045】
クエンチゾーン14a、14bへの留出油M1の供給は、蒸留処理で得られた留出油M1を2分割し、それぞれをクエンチゾーン14a、およびクエンチゾーン14bに供給すればよい。その際、各供給量は、各部の発熱量等を考慮して適量の割合に調整すべきである。具体的には、各クエンチゾーン14a、14bを通過した処理油と留出油M1(クエンチオイル)との混合物の温度が、その混合物が次に通過する脱硫触媒層の入口温度と同等になるように調整することが好ましい。
【0046】
第1および第2の実施形態のいずれにおいても、精製装置10により精製処理された処理油M5またはM5Aは、次に、図1に示す精留工程4または図2に示す精留工程4Aで精留処理され、複数の石油製品、すなわち、輸送燃料、ガスタービン燃料(GTF)、および、流動接触分解(FCC)用原料あるいは水素化分解(HCR)用原料が併産される。
精留処理としては、従来公知の一般的な精留塔によって行われ、また各石油製品を得るための条件についても、従来と同様の条件が採用される。
【0047】
図1および図2に示した各実施形態では、石油製品として、ガソリン基材(ナフサ)、ガスタービン燃料(GTF)、流動接触分解(FCC)用原料あるいは水素化分解(HCR)用原料を併産したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図4(a)に示すように、精留工程4(または4A)において、ガソリン基材(ナフサ)、灯軽油、ガスタービン燃料(GTF)、および流動接触分解(FCC)用原料あるいは水素化分解(HCR)用原料を併産してもよい。
また、図4(b)に示すように、精留工程4(または4A)において、ガソリン基材(ナフサ)を留出した後、塔底油を全てガスタービン燃料とすることにより、ガソリン基材(ナフサ)およびガスタービン燃料のみを併産してもよい。
【0048】
精製装置10から処理油M5とともに導出される水素は、精留塔に導入する前の高圧下で気液分離し、回収して再度石油の精製装置10に循環させる。
【0049】
このような石油の精製方法によれば、残油M2から得られた軽質油(M3またはM8)に対し、水素化精製工程(3または3A)で脱メタル処理および脱硫処理とを行う際、蒸留処理で得られた留出油M1をクエンチオイルとして加えて用いるので、得られた処理油(M5またはM5A)を精留することにより、複数の石油製品を併産できる。
また、脱メタル処理時の発熱によって温度上昇した脱メタル処理油に留出油M1をクエンチオイルとして加えるので、コーカーを用いない簡易なプロセス構成となり、水素化精製工程を実施するための構成を簡易化できる。
【0050】
また、原料油としてAPIが20以下の重質油の場合には、一般に軽油および軽油より軽質な油の総量が30wt%以下であるので、本発明で得られる軽質油の全量を一つの水素化精製反応器で精製可能となり、原料油全体を処理するプロセスが簡易になり、装置も安価となる。
【0051】
また、図3の精製装置10では、脱メタル処理するための脱メタル触媒層12を1層、脱硫処理するための脱硫触媒層13を2層備え、これら触媒層間および層間に被処理油を冷却するためのクエンチオイルが供給されるクエンチゾーン14a、14bを設けているので、蒸留処理で得られた留出油M1をクエンチオイルとして用いることにより、脱メタル処理時の発熱によって温度上昇した脱メタル処理油を冷却することができ、しかも得られる処理油は一括脱硫油となる。したがって、これを精留することにより複数の石油製品を併産することができる。また、コーカーを用いない構成となっていることから、装置構成が簡易なものとなる。
【0052】
なお、前記実施形態では、留出油M1をクエンチオイルとして加えていたが、本発明は、冷却目的に限定されず、被処理油を第2触媒層以降に添加する方法全てを含む。
また、前記実施形態では、水素化精製工程の後に精留工程を設けて複数種の石油製品を併産するが、本発明はこれに限定されることなく、精留工程を設けずに、水素化精製工程で得られた処理油を直接、石油製品、あるいは中間石油製品としてもよい。
【0053】
また、前記実施形態で使用した精製装置10は、脱メタル触媒層12を1層、脱硫触媒層13を2層備えていたが、本発明はこの構成に限定されず、脱メタル触媒層12と脱硫触媒層13をそれぞれ1層としてもよいし、脱メタル触媒層12を複数層設けて脱硫触媒層13を1層としてもよいし、両者とも複数層に分割してもよい。
【0054】
また、前記各実施形態では、石油の精製装置として、図3に示したように1塔の反応器中に複数の触媒層を設けたものを用いたが、例えば処理量が多い場合などでは、図5に示すように複数の塔からなる反応器を用いてもよい。
図5に示す精製装置20は、3塔の反応器を有している。第1塔目の反応器は水素化脱メタル反応器21であり、その内部には脱メタル触媒層(図示せず)が設けられている。また、第2塔目および第3塔目の反応器は共に水素化脱硫反応器22であり、それぞれの内部には脱硫触媒層(図示せず)が設けられている。
【0055】
これら反応器21,22,22間は配管で接続されており、この反応器間の配管がクエンチングゾーンとなっている。すなわち、第1塔目の水素化脱メタル反応器21と第2塔目の水素化脱硫反応器22との間の配管23、および第2塔目の水素化脱硫反応器22と第3塔目の水素化脱硫反応器22との間の配管24が、それぞれクエンチングゾーンとなっている。これら配管23、24のそれぞれにクエンチングオイルとなる留出油M1が供給される。
このような精製装置20によっても、精製装置10と同様の効果が得られる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
【0057】
[実施例1]
図1に示した石油の精製方法に基づき、ナフサ(ガソリン基材)、GTF(ガスタービン燃料)、およびFCC(流動接触分解)用の原料あるいはHCR(水素化分解)用の原料を、図6に示すように生産した。
原料油として、API度が8.5、硫黄濃度が3.67wt%、バナジウム濃度が393wtppmの超重質原油を用いた。この原料油をトッパーで蒸留処理(蒸留工程1)し、留出油M1と残油M2とを得た。
留出油M1の原料油に対する得率は15.9wt%、硫黄濃度は2.41wt%であった。残油M2の原料油に対する得率は83.5wt%、硫黄濃度は4.07wt%、バナジウム濃度は472wtppmであった。
【0058】
次に、ペンタンを溶媒として、残油M2を溶剤抽出塔で溶剤脱れき処理(溶剤脱れき工程2)し、76.6%の抽出率で脱アスファルテン油M3を得るとともに、残渣であるアスファルテンM4を得た。溶剤脱れき処理における溶剤と残油M2との比(溶媒/M2)は8とした。得られた脱アスファルテン油M3の原料油に対する得率は64wt%、硫黄濃度は3.4wt%、バナジウム濃度は80wtppmであった。アスファルテンM4の原料油に対する得率は19.5wt%であった。
次いで、得られた脱アスファルテン油M3を、図3に示した精製装置10に導入し、脱メタル触媒層12、脱硫触媒層13、13でそれぞれ脱メタルあるいは脱硫処理を行うとともに、クエンチゾーン14a、14bにそれぞれ留出油M1を供給し、処理油M5を得た。精製装置10に充填した水素化脱メタル触媒と水素化脱硫触媒とのvol比は、3:7とした。
【0059】
他の条件としては、水素分圧を100atm、(H/油)比を600Nl/l、LHSVを0.5/hr、反応温度を370℃とした。得られた処理油M5の原料油に対する得率は75wt%、硫黄濃度は0.32wt%、バナジウム濃度は0.72wtppmであった。
クエンチゾーン14a、14bへの留出油M1の供給量は、各クエンチゾーン14a、14bを通過した処理油と留出油M1(クエンチオイル)の混合物の温度が、次にその混合物が通過する脱硫触媒層の入口温度と同等になるように調整した。
【0060】
次に、精製装置10により得られた処理油M5を精留塔に導入し、精留処理(精留工程4)を行った。精留処理(精留工程4)は、以下2通りの方法で行った。
[方法1] ナフサ留分(沸点180℃未満)、GTF(沸点180〜400℃)、FCC用原料あるいはHCR用原料(沸点400℃以上)に分留する。
[方法2] 方法1と同様に処理した後、得られたFCC用原料あるいはHCR用原料の13wt%(原油に対して)を分留し、GTFとする。
このようにして得られたナフサ留分、GTF(ガスタービン燃料)、FCC(流動接触分解)用原料あるいはHCR(水素化分解)用原料の得率、硫黄含有量、およびバナジウム含有量をそれぞれ測定した。結果を以下の表1(精留処理:方法1)および表2(精留処理:方法2)に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0004271585
【0062】
【表2】
Figure 0004271585
【0063】
[実施例2]
図2に示した石油の精製方法に基づき、実施例1と同様に、ナフサ(ガソリン基材)、GTF(ガスタービン燃料)、および流動接触分解(FCC)用原料あるいは水素化分解(HCR)用原料を、図7に示すように生産した。
実施例1と同じ原料油を用い、実施例1と同様に蒸留工程1で留出油M1と残油M2とを得た。残油M2を更に減圧蒸留装置に導入し、第2蒸留工程5で処理し、減圧軽油M6と減圧残油M7とを得た。減圧軽油M6の原油に対する得率は28wt%、硫黄濃度3.1wt%、バナジウム濃度<0.5wtppmであった。減圧残油M7の原油に対する得率は56.1wt%、硫黄濃度4.1wt%、バナジウム濃度673wtppmであった。
減圧残油M7を溶剤脱れき装置に導入し、66%の抽出率で脱アスファルテン油M3Aを得るとともに、残渣であるアスファルテンM4Aを得た。脱アスファルテン油M3Aの原油に対する得率37wt%、硫黄濃度3.53wt%、バナジウム濃度167wtppmであった。
【0064】
脱アスファルテン油M3Aと減圧残油M6とを混合し、水素化精製反応器に導入し、実施例1と同様の条件で、水素化脱メタルし、クエンチオイルとしての留出油M1とともに脱硫処理を実施した。得られた処理油M5Aの原料油に対する得率は76wt%、硫黄濃度0.32wt%、バナジュウム濃度0.56wtppmであった。
処理油M5Aを実施例1と同様に、方法1および方法2で精留処理(精留工程4)した。得られた結果を以下の表3(精留処理:方法1)および表4(精留処理:方法2)に示す
【0065】
【表3】
Figure 0004271585
【0066】
【表4】
Figure 0004271585
【0067】
以上のように、減圧蒸留装置を用いることにより、溶剤脱れき装置の処理量が減り、さらに常圧残油の溶剤脱れき処理に比べてバナジュウム等のメタルに対する抽出選択率が向上した。
以上の結果より、本発明の精製方法によれば、複数の石油製品を、それぞれのスペックを満足するようにして併産できることが確認された。
【0068】
なお、この実施例では、減圧軽油の全量を第1塔目の脱メタル塔から導入したが、メタル濃度が極端に低いため、減圧軽油の1部あるいは全量をクエンチオイルとともに2塔目に導入しても同様の結果が得られる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の石油の精製方法では、原料油から残渣を除いた成分を水素化精製する際、原料油を留出油と残油とに蒸留分離するとともに、蒸留分離で得られた残油を軽質油と残渣に分離し、その軽質油を第1の触媒層に通油して水素化処理し、後段の触媒層には水素化処理した軽質油に留出油を加えた混合油として通油し、水素化処理するから、第1の触媒層での水素化処理で発熱し、温度上昇した軽質油に留出油を例えばクエンチオイルとして加えることにより、水素化熱分解油のジエン水添と脱硫工程を必要とするコーカープロセスの構成に比べて簡易なプロセス構成とすることができ、これにより水素化精製工程を実施するための構成を簡易なものにできる。
また、本発明の石油の精製装置では、原料油から残渣を除いた留出油と軽質油を一つの水素化精製装置で処理することができ、装置全体を簡素化し、設備コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る石油の精製方法の一実施形態を説明するフロー図である。
【図2】 本発明に係る石油の精製方法の他の実施形態を説明するフロー図である。
【図3】 本発明に係る石油の精製装置の一実施形態を示す概略図である。
【図4】 (a)および(b)は、いずれも精留方法を説明する図である。
【図5】 本発明に係る石油の精製装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図6】 本発明に係る石油の精製方法の一実施例を示すフロー図である。
【図7】 本発明に係る石油の精製方法の他の実施例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…蒸留工程、2…溶剤脱れき工程、3,3A…水素化精製工程、4,4A…精留工程、5…減圧蒸留、10…精製装置、11…反応器本体、12…脱メタル触媒層、13…脱硫触媒層、14a,14b…クエンチゾーン、16…供給ライン、20…精製装置、21…水素化脱メタル反応器、22…水素化脱硫反応器、23,24…配管。

Claims (12)

  1. 原料油を精製処理する石油の精製方法であって、
    原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留工程と、
    前記残油を軽質油と残渣に分離する分離工程と、
    前記留出油と軽質油とを水素の存在下に水素化精製する水素化精製工程とを有し、
    前記分離工程は、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとを得るSDA工程であり、
    前記水素化精製工程では、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記軽質油を通油して脱メタル処理する脱メタル工程で水素化精製した後、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理した軽質油に前記留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製する石油の精製方法。
  2. 原料油を精製処理する石油の精製方法であって、
    原料油を蒸留して第1留出油と第1残油とに分離する第1蒸留工程と、
    前記第1残油を第2留出油と第2残油とに分離する第1の蒸留工程より減圧下で実施する第2蒸留工程と、
    前記第2残油を溶剤脱れきして脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとに分離するSDA工程と、
    前記第1留出油と第2留出油とDAOとを水素の存在下に水素化精製する水素化精製工程とを有し、
    前記水素化精製工程では、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記第2留出油とDAOとを通油して脱メタル処理する脱メタル工程として水素化精製し、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理したDAOに前記第1留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製する石油の精製方法。
  3. 原料油を精製処理して石油製品を製造する石油の精製方法であって、
    原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留工程と、
    前記残油を軽質油と残渣に分離する分離工程と、
    前記留出油と軽質油とを水素の存在下で水素化精製する水素化精製工程と、
    水素化精製工程で得られた処理油を石油製品に精留分離する精留工程とを有し、
    前記分離工程は、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとを得るSDA工程であり、
    前記水素化精製工程では、水素化精製触媒を充填した触媒層を複数備えた水素化処理手段を備えるとともに、脱メタル機能を有する触媒に通油して主に脱メタル処理する脱メタル工程と、脱硫機能を有する触媒に通油して主に脱硫処理する脱硫工程とを有し、脱メタル機能を有する触媒からなる第1の触媒層に前記軽質油を通油して脱メタル処理する脱メタル工程として水素化精製し、後段の脱硫機能を有する触媒からなる触媒層に通油して脱硫処理する脱硫工程では水素化処理した軽質油に前記留出油をクエンチオイルとして加えた混合油として通油し水素化精製する石油の精製方法。
  4. 原料油のAPI度が20以下である請求項1記載の石油の精製方法。
  5. 前記原料油として、軽油及び軽油よりも軽質な油の総量が全体の30wt%以下である重質原油を用いる請求項1記載の石油の精製方法。
  6. 前記水素化精製工程における処理条件は、水素分圧が60〜200kg/cm、(水素/油)比が200〜1000Nm/kl、温度が350〜450℃、(脱メタル触媒/脱硫触媒)容量比が5/95〜40/60である請求項のいずれかに記載の石油の精製方法。
  7. 前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材、灯軽油、ガスタービン燃料、および流動接触分解用の原料および水素化分解用の原料のうちの少なくとも一種である請求項または記載の石油の精製方法。
  8. 前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材とガスタービン燃料である請求項または記載の石油の精製方法。
  9. 前記精留工程で精留して得られる石油製品が、ガソリン基材とガスタービン燃料である請求項記載の石油の精製方法。
  10. 原料油を精製処理する石油の精製装置であって、
    原料油を蒸留して留出油と残油とに分離する蒸留手段と、
    前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段と、
    前記留出油と軽質油とを水素の存在下に水素化精製する水素化精製手段とを有し、
    前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段が、残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとを得るSDA手段であり、
    前記水素化精製手段は、水素化精製触媒を充填した複数の触媒層を有する水素化処理手段を備えるとともに、その複数の触媒層間に留出油の一部がクエンチ材として供給されるクエンチゾーンが設けられ、第1の触媒層には前記分離手段で得られる軽質油の供給管が接続され、クエンチゾーンには前記留出油の供給管が接続される石油の精製装置。
  11. 前記残油を軽質油と残渣に分離する分離手段が、前段の蒸留手段より減圧下で残油を第2留出油と第2残油とに分離する第2蒸留手段と、第2蒸留手段で得られた第2残油を溶剤脱れきして軽質油としての脱アスファルテン油(DAO)と残渣であるアスファルテンとに分離するSDA手段との2段の工程からなる請求項10記載の精製装置。
  12. 前記複数の触媒層が、脱メタル機能を有する触媒を充填して主に脱メタルする脱メタル触媒層と、脱硫機能を有する触媒を充填して主に脱硫する脱硫触媒層とを有し、前記複数の触媒層のうちの第1の触媒層が脱メタル触媒層であり、後段の触媒層が脱硫触媒層である請求項10記載の石油の精製装置。
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