JP4271273B2 - 核酸ハイブリダイゼーションの阻害物質を減少させる方法 - Google Patents

核酸ハイブリダイゼーションの阻害物質を減少させる方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の分野は、広く核酸ハイブリダイゼーションに関する。さらに詳細には、本発明は、試料中の核酸ハイブリダーゼーションを阻害する物質の減少に関する。このようなハイブリダイゼーションには、目的とする核酸の存在および/または量を決定するための核酸プローブハイブリダイゼーション、および核酸増幅過程を開始するための核酸プライマーハイブリダイゼーションが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
鎖置換増幅(strand displacement amplification;SDA)、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)、リガーゼ連鎖反応(ligase chain reaction;LCR)、核酸配列を基本とする増幅(nucleicacid sequence based amplification;NASBA)、転写介在増幅(transcription mediatedamplification;TMA)などの核酸増幅過程を使用して、試料中に存在するコピー数が少ない、目的とする特定の核酸配列(標的配列)のコピーが多数作製される。しかし、このような試料中によくみられる多くの物質は、増幅過程を開始するためのプライマーのハイブリダイゼーションを阻害するため、核酸増幅過程の阻害を引き起こす。同様に、このような物質は、未増幅標的核酸の検出に使用される直接核酸プローブハイブリダーゼーション反応を阻害する。
【0003】
このような核酸ハイブリダイゼーション阻害物質の例は、血液試料中によくみられ、PCRを阻害するヘムおよびヘマチンから誘導されるポルフィリン化合物である(PCR Technology, Stockton Press, Henry A. Erlich, Ed. pp 33-34, 1989)。浸透による溶解、及び、核片と細胞片のペレット化を用いるプロトコルが、これらの阻害物質の量を減らすために使用されてきた。
唾液試料もPCR阻害物質を含むと報告されている。 Ochert et al., PCR Methods and Applications 3, 365-368 (1994)。阻害物質は同定されなかったが、唾液試料をマイクロ波で長時間加熱したり煮沸したりすると、PCR阻害が完全に排除されることが確認された。
【0004】
Frickhofen and Young, J, Virol, Methods 35, 65-72 (1991)には、血清試料を70℃で45秒間加熱すると、ウイルス核酸配列のPCR増幅が改善すると報告されている。この改善は、PCR過程を阻害すると考えられるアプロチニン、ロイペプチン、PMSF、ペプスタチンなどの血清酵素の熱不活化に起因すると理論づけられている。
ウイルス核酸配列の増幅に先立ってPCR阻害物質を血清から除外する他の方法は、Zeldis et al., J. Clin. Invest. 84, 1503-1508 (1989)により示されている。この方法には、ウイルスを抗体被覆微粒子に吸着させること、微粒子を洗浄すること、PCRを阻害すると考えられる残りのタンパク質をプロテイナーゼKで破壊することが含まれる。
【0005】
羊水中、胎児血清中、新生児血清中および脳脊髄液中のトレポネマ・パリダム(Treponema pallidum)をPCRで検出しようとして、PCR阻害化合物を除去するために異なる4つの方法を試みた。 Grimprel et al., J. Clin. Microbiol. 29, 1711-1718 (1991)。簡単に記述すると、PCR阻害化合物を除去するための4つの方法は、(1)試験管内の試料を沸騰している水浴中に10分間入れ、氷で冷却し、遠心分離する煮沸法、(2)試料に滅菌リン酸緩衝食塩水を加え、一連の遠心分離に供し、ペレットを再懸濁して10分間煮沸し、その後氷で冷却する低スピン分離法、(3)1MのNaCl、1NのNaOHおよび0.1%SDS中で試料を1.5分間煮沸し、0.5MのTris−HCl(pH8.0)で中和し、フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコールによる一連の抽出に供し、イソプロピルアルコールで沈殿させるアルカリ溶解抽出法、(4)試料を上述の(2)に記載の通りに低スピン分離に供し、続いて10分間煮沸し、フェノール−クロロホルム抽出を1回行った後、冷無水エタノールで沈殿させた。著者の報告によれば、これらの方法は使用した試料のタイプによって成功が異なる。
【0006】
糞便試料では、逆転写酵素−PCR過程を阻害する可能性がある小粒子および可溶性物質のかなりの量がポリエチレングリコール沈殿により除去されることが確認された。Jiang et al., J. Clin. Microbiol. 30, 2529-2534 (1992)。沈殿後、フェノール−クロロホルム抽出とともに、陽イオン洗浄剤である臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を高塩濃度で使用して、抽出過程を実施しした。
Wilde et al., J. Clin. Microbiol. 28, 1300-1307 (1990)により、PCR阻害物質を糞便試料から除去する別の方法が報告されている。糞便試料からロタウイルス核酸を検出するためにPCRを使用する前に、一連の急速洗浄工程中および溶出工程中にクロマトグラフィーセルロース繊維粉末(CF11粉末)を使用してロタウイルスRNAを精製する工程を付加して抽出過程を一部変更した。
【0007】
PCRを使用して尿中のサイトメガロウイルス(CMV)を検出する試験を実施するとき、尿素がPCRを阻害することが確認された。 Khan et al., J. Clin. Pathol. 44, 360-365 (1991) 。この参考文献には、単純透析または超遠心分離によって尿中の尿素のPCR阻害作用が効果的に除去されることが報告されている。
Buffone et al., Clin. Chem. 37, 1945-1949 (1991)には、CMV核酸を検出する前にPCR阻害物質を尿から除去する別の方法が報告されている。この過程は、CMVからの核酸放出後に行われ、増幅用核酸の回収前に、タンパク質および他の物質を選択的に溶出することができるように、細かいガラスビーズを使用して核酸を吸着させる。
【0008】
上述の参考文献から明白なように、核酸増幅阻害に関する出版物は、そのほとんどがPCRに関連している。しかし、これらのPCRを阻害する同物質、ならびに、タンパク質物質、EDTA、ヒトDNAおよび鉄などの臨床試料によくみられる他の多くの物質は、SDAおよび他の核酸増幅過程も阻害することが確認されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらの核酸ハイブリダイゼーション阻害物質を減少または除去するための方法は、そのほとんどが、試料処理方法論を加えなければならない、かなり時間のかかる複雑な工程を含む。比較的厳しい処理工程または条件を使用し、及び/または他の物質から標的核酸を分離することが必要な方法に伴う別の問題は、一部の標的核酸配列が喪失することである。核酸増幅過程は非常に少数のオリジナル標的から標的配列(アンプリコン)のコピーを多数作製する能力を有するが、より多数のオリジナル標的が試料中に存在すれば、増幅効率および検出能力が改善される。抗酸性バチルス属(acid fast Bacillus;AFB)スミア陰性結核菌(Mycobacterium tuberculosis)試料など、検出することが特に難しい試料を処理するとき、検出能力が高いことは非常に重要であろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
核酸ハイブリダイゼーションを阻害する物質が試料中に存在することに関連した問題に対処するために、したがって、標的核酸配列のより効率のよい増幅および検出改良を実現するために、本発明は、増幅すべき核酸を含有する試料中の細胞溶解前に、細胞から核酸を放出させない試薬と試料を接触させ、その後、細胞を試薬と分離させることによって、試料中の阻害物質の量を減少させる方法を提供する。
【0011】
本発明で使用するのに有用な試薬の例としては、チオシアン酸グアニジン、過塩素酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウムなどのカオトロピック試薬などがある。また、細胞と試薬との分離は、一般にその試薬が溶解できる溶液を用いた洗浄工程および遠心分離工程によって行われる。
添付の図とともに以下の詳細な説明を読むと、本発明の様々な目的、長所および斬新な特徴を容易に理解できるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】
上述の通り、本発明は、ハイブリダイゼーション過程に供せられる核酸を含む細胞を含有する試料から、核酸ハイブリダイゼーション過程を阻害する物質の量を減少させる方法に関する。本方法では、核酸を含有する細胞が試料中に残存するように、試料中の細胞を溶解する前に、このような物質を可溶化し且つ細胞から核酸を放出させない試薬を試料と接触させる。次に、このような細胞を試薬とから分離させる。
上述の従来の技術の章の記載から明白なように、他者が阻害物質を除去するために試行した方法のいくつかは複雑であったため、本方法の結果は特に意外であった。また、カオトロピック塩類は細胞の可溶化や溶解に特に有用であることが教示されている米国特許第5,482,834号などの様々な参考文献から明白なように、本発明の方法に使用される試薬は、一般に細胞壁溶解や可溶化によって細胞から核酸を放出させるのに有用であると当業者により考えられていた。
【0013】
Hubbard et al., Experimental & Applied Acarology 19, 473-478 (1995), Boom et al., J. Clin. Microbiol. 28 495-503 (1990), Reek et al., BioTechniques 19, 282-285 (1995), Chungue et al. J. Med. Virol. 40, 142-145 (1993)およびShah et al., J. Clin. Microbiol. 33, 322-328 (1995) などの参考文献には、チオシアン酸グアニジウム(GuSCN)など、カオトロピック試薬の細胞壁溶解特性も報告されている。同様に、Delacourt et al., J. Pediatrics 126, 703-710 (1995), Lee and Choi, J. Micorobiol. & Biotechnol. 5, 181-187 (1995), Cano et al., J. Food Protection 58, 614-620 (1995), Bartolome et al, J. Hepatol. 17, s90-s93 (1993), Rajagopaian et al., Lett. Applied Microbiol. 21, 14-17 (1995) およびShieh et al. J.Virol. Methods 54, 51-66 (1995)などの参考文献に教示されているように、GuSCNなどのカオトロピック試薬や洗浄剤は、細胞からの核酸の抽出に広く使用されてきた。それゆえ、細胞溶解前に試料中の細胞をこのような試薬と接触させて核酸ハイブリダイゼーション阻害物質を除去することを特徴とする本発明の迅速且つ簡単な方法は、当該分野で使用されている他の方法を考慮すると意外であった。
【0014】
また、本発明の方法の長所の1つは、試料中の細胞からの標的核酸の初期収率を上昇させることができることである。核酸増幅過程は非常に少数の初期標的から標的配列の多くのコピー(アンプリコン)を作製することができるが、できる限り多い初期標的物を用いて増幅過程を開始することは有益である。細胞溶解に後続する核酸ハイブリダイゼーション阻害物質配列を除去する他の方法は、核酸を溶解物中の他の物質と分離することに基づいているため、悪名が高いほど非能率的である。それゆえ、多くの初期標的は回収されない。本方法では、細胞溶解の前に阻害物質が除去され、その後の分離を必要とせず、初期標的のよりよい収率が達成される。
【0015】
本発明の方法に供することが可能な試料には喀痰試料、血液試料、尿試料、脳脊髄液(「CSF」)試料などの実質的にすべてのヒト臨床試料および獣医学臨床試料、水試料、空気試料および土壌試料などの環境試料、および食物試料などが含まれる。本発明の方法に供することが可能な試料は、増幅過程開始のための直接プローブハイブリダイゼーションやプライマーハイブリダイゼーションなどのハイブリダイゼーション過程に供せられる標的核酸配列を含む細胞の含有が疑わしい。
【0016】
核酸ハイブリダイゼーション過程を阻害し、且つ一般にこのような試料中でみられる物質としては、ヒト試料中のタンパク質材料およびヒトDNAや獣医学試料中の動物DNAなどがある。上述の従来技術の章で検討した通り、これらの物質はSDA、PCR、NASBA、TMAなどの核酸増幅過程を阻害することが知られている。
本発明の方法の第一のステップでは、阻害物質が溶解でき、且つ細胞から核酸を放出させない試薬と試料を接触させる。この接触は、標的核酸を放出させるための細胞溶解前の何時でも行うことが可能である。しかし、細胞をこのような試薬と接触させる好ましい時期は、試料を幾らか操作して、細胞の位置を集中させたり細胞をペレット化した後である。一般に、このような集中は遠心分離の結果であるが、濾過や選択的吸着に起因することもある。
【0017】
このように細胞を集中させると、細胞の位置が限定されているため、試薬はより確実に細胞と接触し、試薬をより効率よく使用することが可能になる。細胞と試薬との接触は、好ましくは細胞の比較的短時間の洗浄である。一般に、細胞と試薬の接触は、約5分間までである。
多くの試薬が本発明の方法に有用である。このような有用な試薬の例としては、Triton X−100、Triton X−114、NP−40、Brij 35、Brij 58、Tween 20、Tween 80、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、Chaps、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、尿素など、当業者に周知のカオトロピック試薬や洗浄剤などがある。当該分野で通常の熟練者は、このような試薬の2つの主たる特徴、すなわち、核酸ハイブリダイゼーション阻害物質の可溶化の程度および細胞から核酸が放出されないことに向けられた通常行われるスクリーニングアッセイを実施することによって、本発明の方法に有用な他の試薬を確認することができ、成功がかなり期待される。
【0018】
簡単に記述すると、試薬を細胞と接触させ、その細胞を遠心分離し、通常行われるスクリーニングアッセイで細胞に共通な標的核酸配列の増幅反応を上清に実施した。標的配列が増幅される場合、試薬は細胞から核酸を放出させるため、この試薬は本発明の方法で使用するための要件を満たさないが、標的配列の増幅がみられず、内部コントロール配列が増幅すれば、この試薬は本発明の方法に有用と考えられる。次に、細胞から核酸を放出させない試薬を既知の核酸ハイブリダイゼーション阻害物質と接触させ、通常行われるスクリーニングアッセイで阻害物質の可溶化の程度を迅速に測定する。阻害物質を可溶化する試薬は、本発明の方法に有用である。
本発明の方法に使用される試薬の濃度および量は、本方法に供する試料の種類によって異なる。本発明の方法に使用するのに適したカオトロピック試薬および洗浄剤の濃度の例を下表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004271273
【0020】
一般に、本発明の方法に使用される試薬の体積は、少なくとも試料の体積と等しい。さらに詳細には、試薬と試料の体積:体積比は、約1:1から約5:1である。また、一般に、試薬が塩性溶液として調製されることが望ましく、個々の試薬の最も好ましいpHは、たとえば、本願明細書の実施例3に記載の実験に基づいた通常行われるスクリーニングアッセイで測定され、pH9.0での6.0Mイソチオシアン酸グアニジン溶液は、核酸ハイブリダイゼーション阻害物質の量を減少させるのに特に有益であった。本願明細書の実施例3に記載の実験に基づいた同じタイプの通常のスクリーニングアッセイを使用して、個々の試薬の最適濃度(モル濃度)も決定することが可能である。また、一般に、試料は、室温で試料と接触させる。
試薬を試料の細胞と接触させるとき、核酸ハイブリダイゼーション阻害物質は、試薬により可溶化されるため、このような細胞壁からの物質を洗浄する。適当な試薬は細胞から核酸を放出させないため、試薬を細胞と分離したときの標的核酸の喪失は問題ではない。
【0021】
しかし、本発明の方法で使用される試薬は、核酸ハイブリダイゼーション過程に悪影響を及ぼす可能性があり、それゆえ、その後、このような薬剤を細胞から分離する。このような分離は、試薬が溶解できる緩衝液を使用して、あるいは使用せずに、濾過または洗浄および遠心分離など、適当な手段で遂行することが可能である。好ましくは、このような緩衝液は、阻害物質の除去ならびに細胞溶解前の試薬の除去を確実に行うために使用される。それゆえ、このような細胞を溶解するとき、標的核酸は、標的核酸が供せられるハイブリダイゼーション過程を阻害する物質の最小量を含む環境にある。
【0022】
現在、様々な方法を使用してハイブリダイゼーション試料中または増幅用試料中で標的核酸が調製される。たとえば、ミコバクテリウム核酸配列を増幅するために処理が行われる喀痰試料は、一般に、NALC/NaOH過程に供せられる。本発明の方法は、NALC/NaOHペレットを選択的に可溶化してこのような試料の凝集を減少させるため、このようなNALC/NaOH過程に供せられるミコバクテリウム試料を用いる場合に特に有用である。同様に、他種の臨床試料は他の周知の標準方法に供せられ、たとえば、血液や尿など、多量の試料は遠心分離に供せられる。本発明の方法は、標的核酸を含有する細胞の溶解前にこの方法が実行されるという条件で、標準法の前、標準法の一部、または標準法の後で使用することが可能である。
【0023】
本発明の方法は、定量的結合および結合表面からの標的核酸の放出を必要とせず、それゆえ、核酸に基づくハイブリダイゼーションアッセイまたは増幅アッセイに従来使用されている量より多い試料を使用することが可能である。このより多い試料を使用できることは、アッセイの初期段階により多くの標的核酸が存在するため、アッセイの感度が高くなる。阻害物質を可溶化するが、標的核酸や細胞壁を同時に可溶化しない試薬の選択性は、以下に記載する実施例で明白なように、本発明の方法の結果に貢献する試薬の特徴の1つである。
【0024】
【実施例】
以下の実施例は、本願明細書に記載の発明の具体的な実施態様を例示するものである。熟練者には明白なように、様々な変化および修正が可能であり、それらも本発明の範囲内と考えられる。
【0025】
実施例1
対照試料処理方法と本発明の方法との比較
この実施例の目的は、本発明の方法が臨床試料から核酸増幅阻害の量を減少させるかどうか、したがって対照標準試料処理方法と比較して、よりよい標的検出値を生じるかどうかを決定することである。
【0026】
材料
試料処理試薬
・過塩素酸ナトリウム(Sigma)
・チオシアン酸ナトリウム(Sigma)
・チオシアン酸グアニジン(Sigma)
・Reverse Osmosis DIstilled(「RODI」)H2
・MycoPrep(BBL)
・MAC/TB試料希釈剤
・リン酸緩衝液(BBL)
・ジルコニウムビーズ含有カプセル(Becton Dickinson)
・臨床喀痰試料、試料番号785、657、634、8549、8894、13883、8396、13867、146
・M.avium複合体(「MAC」)ミコバクテリウム細胞
【0027】
増幅試薬
・RODIH2
・500mMのKPO4
・50×PBA
・50×dCAG
・5mg/mlのBSA
・100mMのDTT
・50%トレハロース
・1U/μlのUDG
・192mMのマグネシウム
・50×dU
・5U/μlのUDI
・Bst、120U/μl
・Bso BI、160U/μl
・内部増幅対照(「IAC」) 103
・55%グリセロール
・DMSO
・ヒト胎盤DNA
・消泡剤
・標的希釈剤
【0028】
検出試薬
・M.tb.ハイブリダイゼーション混合物
・MACプローブ
・ハイブリダイゼーション希釈剤
・IACハイブリダイゼーション混合物
・システム液
・洗浄液
・検定装置(「AD」)
・LUMIPHOS 530
・2.0mlのLabcraftTM試験管
・MACアッセイキャリブレーター
・アッセイキャリブレーター
【0029】
手順
蒸留水中、2MのNaClO4 を調製した。蒸留水中、3MのNaSCNを調製した。蒸留水中、4MのGuSCNを調製した。この3種のカオトロピック試薬溶液を2.0mL LabCraftR 試験管10本に1.0ml/試験管で分注した。MAC/TB試料緩衝液1.0mlのアリコートを2.0mLのLabCraftR 試験管に分注した。
臨床喀痰試料10本を室温で解凍した。喀痰試料体積と等量のMycoPrep緩衝液を加え、試料を攪拌し、室温で15分間維持した。
各試料にリン酸緩衝液を加えて、各試料の総量を50mlに調整した。試料を攪拌し、3,000相対遠心力(RFC)で20分間遠心分離した。上清を傾瀉し、リン酸緩衝液2.0mlを各試料に加えて攪拌した。このようにして得られた試料に、75粒子/mlのMAC細胞をスパイクした。
各試料の500μlのアリコートを、記載の4種の洗浄緩衝液(上述の試料緩衝液、2MのNaClO4 、3MのNaSCN、および4MのGuSCN、1.0ml)すべてに分注した。試料を攪拌し、12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlでペレットを再懸濁した後、12,200RCFで3.0分間遠心分離した。再び上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlでペレットを再懸濁した後、12,200RCFで3.0分間遠心分離した。
【0030】
ジルコニウムビーズ含有カプセルを各試験管に挿入し、各ペレットをMAC/TB試料緩衝液400μlで再懸濁した。試料を強制熱空気炉内、105℃で30分間加熱してミコバクテリウム細胞を溶解し、あらゆるミコバクテリウム生物体を非感染性にさせた。5.0m/s、45秒間に設定したSavant CellPrepTM装置に試料試験管を充填して実行し、核酸を他の細胞成分から分離させた。以下の通り、MAC/TB増幅および検出システムで試料をさらに処理した。
公開された欧州特許出願第0684315号に記載の通りに、25mMのリン酸カリウム(pH7.6)、100μg/mLのアセチル化ウシ血清アルブミン(BSA)、0.5mMのdUTP、各々0.2mMのdATPおよびdGTP、および1.4mMの2’デオキシシチジン5’−O−(1−チオトリホスフェート)(α−チオdCTP)、12%グリセロール、6.5mMの酢酸マグネシウム、0.5μMの増幅プライマー、0.05μMのバンパープライマー、50ngのヒト胎盤DNA、12.5単位のBstポリメラーゼ、60単位のBsoBI1、1単位ウラシル−N−グリコシレート(UNG)および2単位のウラシル−N−グリコシレートインヒビター(Ugi)を含む反応混合物で好熱性SDAを実施した。
【0031】
酵素を加えて増幅反応を開始する前に、試料を2分間沸騰させた。次に試料を41℃で2分間インキュベートし、UNGを加えてあらゆる含有アンプリコンを分解した。UNGとともに30分間インキュベートした後、試料を52℃に5分間移した。酵素混合物(Bstポリメラーゼ、BsoBI、Ugiおよびグリセロール)を加え、増幅を52℃で30分間続行させた。5分間沸騰させて反応を停止させた。
C.A. Spargo ら(1993. Molec. Cell. Probes 7, 395-404)により記載されている通りに、化学ルミネッセントアッセイで増幅産物を検出した。M.tb.、MACおよびIAC用アルカリホスファターゼ標識検出プローブ、M.tb.、MACおよびIAC用ビオチニル化捕捉プローブおよび試料を、ストレプトアビジンを被覆したマイクロタイタープレートのウェルに加え、37℃で50分間インキュベートした。ウェルを厳密度の高い緩衝液で3回洗浄した。LUMIPHOS(Lumigen,Inc.)を加え、反応物を37℃で30分間インキュベートした。照度計(Dynatech)でルミネセンスを検出し、相対光単位(RLU)を記録した。
【0032】
結果
結果を試料10検体のM.tb.、MACおよびIACの平均値として下表に示し、あわせて図1にグラフとして示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004271273
*両洗浄方法は、陽性のM.tb.値と同じ試料であり、臨床現場での診断間違いの可能性を示す。
【0034】
結論
実施例のデータから、統計学的に、洗浄条件のいずれでもIAC値に差がないことがわかるが、すべての試薬条件で平均値が対照洗浄手順より高値であることは興味深い。統計学的に、4MのGuSCN条件では、他の3条件よりも高い特異的なMAC RLU値を示すことがデータからわかる。このことから、本明細書で実行される本発明の方法は、ミクロバクテリウムを損傷せず、それどころか、4MのGuSCNの場合には、MAC生物体の回復、ひいては標的DNAの回復を改善することがわかる。
【0035】
実施例2
核酸増幅阻害用臨床試料のスクリーニング
この実施例の目的は、核酸増幅阻害用臨床試料をスクリーンングすることであった。
材料
試料処理試薬
・MycoPrep試薬
・BBLリン酸緩衝液(pH6.8)
・TB/MAC試料希釈剤
・N.Carolina Public Healthのスミア陰性、培養陰性喀痰、試料番号8207、1514、13472、14199、13847、3675、6401、4691、13545、13711、9939、12227、12228、12161、8406、782、13547、13448、13506、13319、13420、243、103
・ジルコニウムビーズ含有カプセル
【0036】
増幅試薬
実施例1と同じもの、およびIN2プラスミド対照
アッセイ試薬
実施例1と同じ
【0037】
手順
臨床喀痰試料23検体を室温で解凍した。処理した喀痰試料はどれも、体積が7.5〜12mlの範囲になるように、12ml以上の喀痰を分離管に分配した。喀痰試料体積と等量のMycoPrep試薬を喀痰試料に加えた。試料を攪拌し、室温に15分間維持した。各喀痰溶液の体積をリン酸緩衝液で50mlに調節した。
この溶液を3,000RCFで20分間遠心分離した。各試料ペレットから上清を傾瀉し、リン酸緩衝液2.0mlを各試験管に加えた。試料を2.0mlLabCraftR 試験管に500μlずつ等分した。各タイプの試料1本を室温で維持し、残りの試料を−70℃で保存した。
【0038】
MAC/TB試料緩衝液1mlを、室温で維持した各試料に加えた。試料を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlを各試験管に加え、その試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、ジルコニウムビーズ含有カプセルを各試験管に加え、MAC/TB試料緩衝液400μlを各試験管に分注した。試験管を強制熱空気炉内、105℃で30分間加熱してミコバクテリウム細胞を溶解し、あらゆるミコバクテリウム生物体を非感染性にさせた。5.0m/s、45秒間の設定を使用して、Savant CellPrepTM装置で試験管を揺り動かした。液体MAC/TBトリプレックスアッセイおよび実施例1に記載の検出手順を使用した好熱性鎖置換(tSDA)を使用して、相対光単位(RLU)で実験結果を得た。
結果
結果を下表に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004271273
【0040】
結論
MAC/TBシステムでアッセイした臨床試料23検体のうち、9検体は、IAC値が10RLU未満であり、臨床試料による増幅/検出反応の重大な阻害を示した。「標準」試料洗浄条件下で生じたこれらの阻害標本を、以下の実施例に示す通り、さらに処理した。
【0041】
実施例3
カオトロピック試薬溶液のpHおよびモル濃度調節
この実施例の目的は、より多くの阻害物質を臨床サンプルから除去できるように、GuSCN洗浄液のpHおよびモル濃度を調節することができるかどうかを決定することであった。
材料
試料処理試薬
・実施例2の陰性NALCペレット試料番号6401、8406、782、13448、13506
・イソチオシアン酸グアニジン(GuSCN)Gibco BRL
・MAC/TB試料緩衝液
・ジルコニウムビーズ含有カプセル
・500mMのリン酸カリウム(KPO4
・5NのNaOH Ricca
・M.tb.ミコバクテリウム細胞
増幅試薬
実施例1と同じ。
アッセイ試薬
実施例1と同じ。
手順
試料782を1.0ml、試料6401、8406、13448および13506を500μlずつ、2mlのポリプロピレン製試験管に分注することにより陰性のNALC阻害プールを作製した。200粒子/mlでM.tb.生物体を阻害プールにスパイクした(7.5粒子/最終tSDA反応)。作製したGuSCN溶液を下表に示す。pH7.0およびpH9.0の溶液は、5NのNaOHで指示されたpHに調製した。
【0042】
【表4】
Figure 0004271273
【0043】
各GuSCN溶液を1.0ml/試験管で2.0mlのLabCraftR 試験管1本に分注した。スパイクした陰性NALC阻害プールを、GuSCNが入っている各試験管に500μl/試験管で分注した。
試験管を短時間攪拌し、この試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlを各試験管に分注し、この試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlを各試験管に分注した。この試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、ジルコニウムビーズ含有カプセルを各試験管に挿入した。
MAC/TB試料緩衝液を400μl/試験管で各試験管に傾瀉した。試験管を強制熱空気炉内、105℃で30分間加熱した。5.0m/s、45秒間の設定を使用して、Savant CellPrepTM装置で試験管を揺り動かした。液体MAC/TBトリプレックスアッセイおよび実施例1に記載の検出手順を使用したtSDAを使用して、相対光単位(RLU)で実験結果を得た。
【0044】
結果
結果を下表に示し、あわせて図2にグラフとしてで示す。
【0045】
【表5】
Figure 0004271273
注:M.tb.、MACおよびIAC値は、5回反復した増幅/検出試料の平均値である。
【0046】
結論
6.0M、pH9.0のGuSCN条件で、非特異的MAC値を生じることなく、他の条件よりも統計学的にすぐれたM.tb.RLU値およびIAC RLU値が得られた。これは、6.0M、pH9.0のGuSCN溶液を使用すると、ミコバクテリウムから標的核酸が放出されずに、より多量の核酸ハイブリダイゼーション阻害物質が除去されることを示すものである。
【0047】
実施例4
M.tb.スパイクした陰性臨床試料を使用したGuSCN(6M、pH9.0)洗浄
この実施例の目的は、M.tb.をスパイクして、6MのGuSCN(pH9.0)溶液で洗浄した臨床試料は、望ましくない核酸ハイブリダイゼーション阻害物質を除去し、特異的M.tb.DNA標的の増幅および検出が可能かどうかを決定することであった。
材料
試料処理試薬
・陰性NALCペレット試料番号8207、1514、13472、14199、13847、3675、6401、4691、13545、13711、9939、12227、12228、12161、8406、782、13547、13448、13506、13319、13420、243、103
・イソチオシアン酸グアニジン(GuSCN)Gibco BRL
・MAC/TB試料緩衝液
・ジルコニウムビーズ含有カプセル
・500mMのリン酸カリウム(KPO4
・5NのNaOH Ricca
【0048】
増幅試薬
実施例1と同じ。
アッセイ試薬
実施例1と同じ。
【0049】
手順
200mMのKPO4 で6MのGuSCN溶液を調製し、実施例3と同様に、5NのNaOHでpH9.0に調整した。実施例2の材料のセクションの各臨床試料500μlに、M.tb.生物体を200粒子/ml(7.5粒子/増幅反応)でスパイクした。これらの実施例2の試料の一部は核酸ハイブリダイゼーションを阻害した。MAC/TB緩衝液500μlに、M.tb.を200粒子/mlでスパイクし、これを標識「試料処理対照」とした。
GuSCN溶液1.0mlを2.0mlのLabCraftR 試験管1本に分注し、この試験管を標識「GuSCN陰性対照」とした。6M、pH9.0のGuSCN溶液1mlを各臨床試料試験管に分注した。
この試験管を攪拌し、12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB緩衝液1.0mlを各試験管に分注し、この試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、MAC/TB試料緩衝液1.0mlを各試験管に分注し、この試験管を12,200RCFで3.0分間遠心分離した。上清を傾瀉し、ジルコニウムカプセルを各試験管に加えた。MAC/TB試料緩衝液を各試験管に400μl/試験管で加えた。上述の実施例に記載の通りに、この試験管を加熱し、揺り動かした。液体MAC/TBトリプレックスアッセイおよび実施例1に記載の検出手順を使用したtSDAを使用して、相対光単位(RLU)で実験結果を得た。
【0050】
結果
結果を、各処理試料の3回の増幅繰り返しの平均値として下表に示し、あわせて図3にグラフとして示す。
【0051】
【表6】
Figure 0004271273
【0052】
結論
23のIAC値は、10RLUより大きい許容できるtSDA値を示し、増幅反応は阻害されなかったことがわかる。さらに、各試料の88.2:1未満というバックグラウンド特異的RLU比から明白なように、スパイクされたあらゆる試料で7.5粒子/増幅反応のM.tb.が検出された。実施例2では、GuSCN洗浄液を使用しない臨床試料のうち5検体は、10RLU未満の阻害的IAC値を示した。実施例で実行される本発明の方法で、ほぼすべての試料での改善(実施例2で低シグナル発生により阻害的であることが証明される試料も)が達成された。
本発明は、ある程度特異的に記述されているが、本発明の範囲から逸脱することなく当該技術で通常の熟練者に明白な修正を行うことが可能である。本発明の様々な特徴を請求の範囲に記述されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】対照標準試料方法と比較して、本発明の方法が臨床試料から核酸増幅阻害の量を減少させるかどうかを決定するために実施した実験結果を示すグラフ図である。
【図2】本発明の方法に使用される個々の試薬の最適pHおよびの濃度値を決定するために実施した実験結果を示すグラフ図である。
【図3】臨床試料から核酸ハイブリダイゼーション阻害物質の量を減少させる上で、本発明の方法の有効性を表す実験の結果を示すグラフ図である。

Claims (8)

  1. ミコバクテリア細胞を含有する喀痰試料から、核酸ハイブリダイゼーション過程を阻害する物質の量を減少させる方法であって、
    (a)ミコバクテリア細胞を溶解させる前に、(i)該物質を可溶化し、且つ(ii)該ミコバクテリア細胞から核酸を放出させず、かつ、(iii)カオトロピック試薬である試薬に該ミコバクテリア細胞を接触させる工程と、
    (b)該試薬から該ミコバクテリア細胞を分離する工程と
    を含んでなる方法。
  2. 試薬は、NaI、NaClO 、KI、NaSCN、KSCN、イソチオシアン酸グアニジン、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウムおよび尿素から成る群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. カオトロピック試薬が、イソチオシアン酸グアニジンである請求項1に記載の方法。
  4. 塩基性pHの溶液中にイソチオシアン酸グアニジンが存在する請求項3に記載の方法。
  5. pHが、9.0である請求項4に記載の方法。
  6. イソチオシアン酸グアニジンの濃度は6Mである請求項4に記載の方法。
  7. 分離が、洗浄および遠心分離による請求項1に記載の方法。
  8. 工程(a)の前に、細胞がペレット化される請求項1に記載の方法。
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